JP6557134B2 - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
近年、CMOS技術が向上し、アナログ回路とデジタル回路を混載させたSoC(System on a Chip)が様々な用途に用いられている。このような混載チップでは、デジタル回路からアナログ回路へと基板を伝わるノイズを低減するために様々なアイソレーション技術が用いられる。例えば、デジタル回路のノイズ源からアナログ回路までの距離を大きくする、基板内部にSTI(Shallow Trench Isolation)やDTI(Deep Trench Isolation)等の絶縁層を形成する、ガードリング(Guard Ring)やトリプルウェル(Triple Well)等のウェル層を形成する、高抵抗基板を用いる、または、これらを組み合わせる方法等が挙げられる。
特開2001−345428号公報 特開2004−253633号公報
アナログ・デジタル混載チップの高集積化や高周波数化が進むにつれて、上述のアイソレーション技術では基板を伝わるノイズを十分に遮断できない場合が生じてきている。高集積化により、アナログ回路とデジタル回路との間に十分な距離を取ることが難しくなっており、上述の絶縁層やウェル層よりも深い領域を伝搬するノイズが影響することがある。また、1GHz以上の高周波信号を用いる場合には、トリプルウェル構造のインピーダンスが小さくなるために十分なノイズ遮断効果が得られないこともある。
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、半導体基板に形成される複数の回路領域間のノイズ遮断特性を向上させる技術を提供することにある。
本発明のある態様の半導体装置は、半導体基板の主面に設けられる第1回路領域と、主面の第1回路領域の隣に設けられる第2回路領域と、第1回路領域に形成される第1アイソレーション構造と、第1回路領域と第2回路領域の間に形成され、半導体基板よりも抵抗率の高い高抵抗領域を有する第2アイソレーション構造と、を備える。
本発明の別の態様は、半導体装置の製造方法である。この方法は、主面に設けられる第1回路領域と、主面の第1回路領域の隣に設けられる第2回路領域とを有する半導体基板を用意することと、第1回路領域と第2回路領域の間の領域に対応した開口を有するマスクを半導体基板の主面上に配置することと、マスクの上から主面にイオン照射して第1回路領域と第2回路領域の間の領域に半導体基板よりも抵抗率の高い高抵抗領域を形成することと、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、半導体基板に形成される複数の回路領域間のノイズ遮断特性を向上させることができる。
実施の形態に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図である。 図1の半導体装置の構造を模式的に示す上面図である。 図1の半導体装置の製造方法を模式的に示す図である。 イオン照射後の半導体基板の抵抗率分布の一例を示すグラフである。 図5(a)〜(c)は、イオン照射に用いるイオン種と形成される高抵抗領域の形状との関係を模式的に示す図である。 半導体装置が奏する効果を模式的に示す断面図である。 アイソレーション構造の伝達特性を示すグラフである。 アイソレーション構造の伝達特性を示すグラフである。 変形例に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図である。 図9の半導体装置の製造方法を模式的に示す図である。 図11(a)、(b)は、変形例に係るトレンチ型高抵抗領域の形成方法を模式的に示す断面図である。 イオン照射後の半導体基板の抵抗率分布の一例を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。また、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下の説明において参照する各断面図において、半導体基板やその他の層の厚みや大きさは説明の便宜上のものであり、必ずしも実際の寸法や比率を示すものではない。
図1は、実施の形態に係る半導体装置10の構造を模式的に示す断面図であり、図2は、半導体装置10の上面図である。半導体装置10は、システムLSIやシステム・オン・チップといった集積回路(IC)である。半導体装置10は、半導体基板12の主面12aに形成される第1回路領域E1と第2回路領域E2を含む。例えば、第1回路領域E1にはアナログ回路が形成され、第2回路領域E2にはデジタル回路が形成される。
本実施の形態では、第1回路領域E1に第1アイソレーション構造40が形成されるとともに、第1回路領域E1と第2回路領域E2との間に位置する分離領域E3に第2アイソレーション構造50が形成される。第1アイソレーション構造40は、トリプルウェル構造14やガードリング24といった従来型のアイソレーション構造である。一方、第2アイソレーション構造50は、主面12aからの深さdが20μm以上あるトレンチ型高抵抗領域52で構成される従来型とは異なるアイソレーション構造である。本実施の形態では、第1アイソレーション構造40に加えて第2アイソレーション構造50を設けることにより、第1回路領域E1と第2回路領域E2の間のノイズ遮断特性を向上させる。
半導体装置10は、半導体基板12を備える。半導体基板12は、抵抗率が100Ω・cm以下の低抵抗の半導体基板であり、例えば、チョクラルスキー(CZ)法により作製されたp型のシリコン(Si)ウェハである。CZ法により作製されたウェハは、フローティングゾーン(FZ)法等により作製された高抵抗ウェハと比較して抵抗率が低く、安価である。
本明細書において、半導体基板12の主面12aに直交する方向を上下方向または深さ方向といい、半導体基板12から見て主面12a側に向かう方向を上方向または上側、主面12aと反対の裏面12bに向かう方向を下方向または下側ということがある。また、主面12aに平行する方向を横方向または水平方向ということがある。
第1回路領域E1は、アナログ回路を構成するトランジスタやダイオードといった半導体素子が形成されるアナログ素子領域20を含む。アナログ素子領域20には、半導体素子を形成するためのウェル領域、ソース/ドレイン領域、コンタクト領域などの不純物拡散層が設けられる。アナログ素子領域20は、pウェル18の内側に設けられ、pウェル18は、nウェル16の内側に設けられる。nウェル16およびpウェル18は、いわゆるトリプルウェル構造14を形成し、アナログ素子領域20に進入するノイズを低減させる。
アナログ素子領域20には、さらに、ノイズを低減するためのガードリング24が設けられる。ガードリング24は、ソース/ドレイン領域やコンタクト領域を囲むように主面12aに設けられる導電性の高い領域である。ガードリング24は、金属層や高濃度の不純物層などで構成され、グランド端子28に接続される。図示する例において、ガードリング24は、アナログ信号端子26に接続されるp型コンタクト領域22の周囲に形成され、アナログ信号端子26に進入するノイズを低減させる。
第2回路領域E2は、デジタル回路を構成するトランジスタやダイオードといった半導体素子が形成されるデジタル素子領域30を含む。デジタル素子領域30には、半導体素子を形成するためのウェル領域、ソース/ドレイン領域、コンタクト領域などが設けられる。図示する例において、デジタル素子領域30には、デジタル信号端子36に接続されるp型コンタクト領域32が形成されている。
分離領域E3は、第1回路領域E1と第2回路領域E2の間に位置し、トレンチ型高抵抗領域52が形成される。トレンチ型高抵抗領域52は、半導体基板12のボディ領域12dよりも抵抗率の高い領域であり、100Ω・cm以上の抵抗率を有する。トレンチ型高抵抗領域52の抵抗率は、例えば、500Ω・cm以上であり、好ましくは1kΩ・cm以上である。
トレンチ型高抵抗領域52は、半導体基板12の主面12aから反対側の裏面12bに向けてある程度の深さdを持つように形成される。トレンチ型高抵抗領域52は、アナログ素子領域20やデジタル素子領域30に形成される不純物拡散層やトリプルウェル構造14よりも深くなるように形成される。トレンチ型高抵抗領域52の深さdは、20μm以上であり、好ましくは50μm〜200μm程度である。トレンチ型高抵抗領域52の深さdを大きくすることで、アナログ素子領域20とデジタル素子領域30の間のノイズ低減効果を向上させることができる。
トレンチ型高抵抗領域52は、主面12aにおける横方向の幅w1が小さく、裏面12bに近い底部52d付近の横方向の幅w2が大きくなるように形成される。ここでいう横方向とは、第1回路領域E1と第2回路領域E2が隣り合う方向のことをいい、図1及び図2の紙面における左右方向である。トレンチ型高抵抗領域52は、図示されるように、主面12aから離れるにつれて横方向の幅が広くなるように形成される。底部52dの横方向の幅w2を大きくすることにより、トレンチ型高抵抗領域52に沿って底部52dの下を回り込むノイズ信号の伝搬経路を長くしてノイズ低減効果を高めることができる。
トレンチ型高抵抗領域52は、低抵抗基板である半導体基板12のボディ領域12dにイオンビームを照射することにより形成される。ウェハにイオン照射がなされると、イオンの加速エネルギーに応じた深さまでイオンが到達する。その際、到達した領域を含む近傍では格子欠陥が形成され、結晶の規則性(周期性)が乱れた状態となる。このような格子欠陥が多い領域では電子が散乱されやすくなり、電子の移動が阻害される。つまり、イオン照射により局所的な格子欠陥が生じた領域では、抵抗率が上昇することになる。このようにして高抵抗領域を形成できる。
なお、イオン照射によって抵抗率が上昇する深さ方向の位置や範囲は、イオン照射の加速エネルギーやイオン種、照射量を適宜選択することで調整可能である。例えば、イオン照射をする際のイオンの加速エネルギーを調整することで高抵抗領域が形成される深さ位置を調整できる。また、イオン照射に用いられるイオン種を適宜選択することで、高抵抗領域が形成される深さ方向の範囲(半値幅)や横方向の拡がり幅を調整できる。さらに、加速エネルギーを変化させながら複数回のイオン照射をすることで、深さ方向にわたってより厚い高抵抗領域を形成できる。
本実施の形態においては、例えば、水素(H)やヘリウム(He)などの軽いイオンを、5MeV以上、100MeV以下の加速エネルギーで照射する。このような加速エネルギーのイオンビームを照射する装置として、サイクロトロン方式やバンデグラフ方式の装置が用いられる。このような照射条件を用いることにより、シリコンウェハにおいて半導体基板12の主面12aの近傍から深さ100μm以上の位置にまでイオンを到達させることができる。
つづいて、本実施の形態に係る半導体装置10の製造方法について述べる。
図3は、半導体装置10の製造工程を模式的に示す図であり、イオン照射によりトレンチ型高抵抗領域52を形成する様子を示す。まず、第1回路領域E1にトリプルウェル構造14を形成するとともに、アナログ素子領域20およびデジタル素子領域30に回路素子を形成した半導体基板12を用意する。次に、主面12aの上にマスク60を配置し、マスク60の上からイオンビームIBを半導体基板12の主面12aに照射する。マスク60は、分離領域E3に対応する位置に開口62が設けられており、分離領域E3に向かうイオンビームIBを通過させ、第1回路領域E1および第2回路領域E2に向かうイオンビームIBを遮蔽する。第1回路領域E1および第2回路領域E2に向かうイオンビームIBを遮蔽することにより、アナログ素子領域20やデジタル素子領域30の抵抗率がイオン照射により高くなることを防ぐ。
半導体基板12のうちイオンビームIBが照射される分離領域E3には、トレンチ型高抵抗領域52が形成される。トレンチ型高抵抗領域52は、図示されるように、複数の高抵抗領域53〜55により構成される。主面12aの近傍に形成される第1高抵抗領域53は、加速エネルギーの低いイオンビームIBを照射することにより形成される。主面12aから離れた深い位置に形成される第3高抵抗領域55は、加速エネルギーの高いイオンビームIBを照射することにより形成される。第1高抵抗領域53と第3高抵抗領域55の間に形成される第2高抵抗領域54は、加速エネルギーが中程度のイオンビームIBを照射することにより形成される。このように、加速エネルギーを変化させながら複数回イオンビームIBを照射することにより、トレンチ型高抵抗領域52の厚さdを大きくできる。また、半導体基板12の主面12a側からイオン照射することにより、主面12aの近傍、つまり、主面12aの直下から高抵抗領域を形成できる。
図3に示す工程によりトレンチ型高抵抗領域52を形成した後、半導体基板12に熱処理を加えてもよい。熱処理の温度は、半導体装置の使用時に想定される動作上限温度であり、例えば100℃や200℃である。熱処理によりトレンチ型高抵抗領域52の一部領域において抵抗率に変化が生じ、場所によっては抵抗率が低下する。予め熱処理を施すことで、動作上限温度の範囲内で半導体装置10を用いる場合に、事後的に高抵抗領域の抵抗率が低下してしまう影響を低減できる。これにより、事後的な抵抗率の変化を抑制でき、半導体装置10の信頼性を高めることができる。
このような熱処理は、ウェハをダイシングして個片化する工程や、個片化されたチップと実装基板とをワイヤボンドで結線する工程や、チップを樹脂で封止する工程が含まれる、いわゆる「後工程」において行われてもよい。例えば、チップを樹脂で封止する工程において、樹脂硬化に必要な温度までチップを加熱することにより、封止処理を兼ねつつ熱処理を施すことができる。なお、樹脂封止工程とは別の工程として、熱処理を施してもよい。
図4は、イオン照射後の半導体基板の抵抗率分布の一例を示すグラフである。本図は、半導体基板の主面から13μm,28μm,48μmの深さ位置にHe2+のイオンを1013/cmのドーズ量で照射した場合の結果を示す。図示されるように、主面から約60μmの深さまでの範囲において、基板の抵抗率が約30Ω・cmから約3kΩ・cmに増大していることがわかる。また、イオン照射後に熱処理を加えた場合であっても、約2kΩ・cm以上の高抵抗領域が約60μmの厚さで形成されていることがわかる。このように、加速エネルギーを変えて異なる深さ位置にイオンビームを照射することにより、厚い高抵抗領域を形成することができる。
なお、加速エネルギーを変えて異なる深さ位置にイオンビームを照射する場合には、リン(P)やヒ素(As)などのn型ドーパントが拡散されたn型基板よりも、ボロン(B)やアルミニウム(Al)などのp型ドーパントが拡散されたp型基板の方が高抵抗領域を形成しやすい。いいかえれば、p型基板は、n型基板と比べて抵抗率の増加量が大きくなりやすい。したがって、p型基板を用いることで、より深さdの大きい高抵抗領域を形成できる。
図5(a)〜(c)は、イオン照射に用いるイオン種と形成される高抵抗領域52a,52b,52cの形状との関係を模式的に示す図である。図5(a)は、イオン種として2価のヘリウム4イオン(He2+)を用いて深さが150μm程度のトレンチ型高抵抗領域52aを形成する場合を示す。主面12aの横方向の幅w1が50μmである場合、底部52dの横方向の幅w2が64μm程度となる。図5(b)は、イオン種として2価のヘリウム3イオン(He2+)を用いる場合を示しており、主面12aの横方向の幅w1が50μmである場合、底部52dの横方向の幅w2が70μm程度となる。図5(c)は、イオン種として1価の水素イオン()を用いる場合を示しており、主面12aの横方向の幅w1が50μmである場合と、底部52dの横方向の幅w2が80μm程度となる。このように、イオン種を変えることによって、トレンチ型高抵抗領域52の横方向の拡がりを調整することができる。特に、軽い水素イオンを用いることにより、底部52dの横方向の幅w2が大きいトレンチ型高抵抗領域52を形成できる。
図6は、半導体装置10が奏する効果を模式的に示す断面図である。本図は、デジタル信号端子36に接続されるp型コンタクト領域32からアナログ信号端子26に接続されるp型コンタクト領域22にノイズが伝搬する様子を示している。主面12aの近傍を横方向に伝搬するノイズ71は、トレンチ型高抵抗領域52を通過して減衰するとともに、トリプルウェル構造14やガードリング24によってさらに減衰されてp型コンタクト領域22に到達する。同様に、アナログ素子領域20よりも深い位置を横方向に伝搬するノイズ72も、トレンチ型高抵抗領域52、トリプルウェル構造14およびガードリング24によって減衰されてp型コンタクト領域22に到達する。また、深い位置を横方向に伝搬するノイズ73は、横方向の幅w2が大きい底部52dの下を回り込んで伝搬距離が長くなることにより信号強度が減衰する。このように半導体装置10によれば、アナログ素子領域20とデジタル素子領域30の間の位置にトレンチ型高抵抗領域52を設けることで、デジタル回路にて発生するノイズ信号がアナログ回路側に混入する影響を低減することができる。
図7及び図8は、本実施の形態に係るアイソレーション構造の伝達特性S21を示すグラフである。本グラフは、図1のデジタル信号端子36に入力される信号強度とアナログ信号端子26に出力される信号強度を計測し、Sパラメータを算出して求めたものである。なお、図1の第2アイソレーション構造50として、主面12aの幅w1が50μm、底部52dの幅w2が58μm、深さdが60μmとなるトレンチ型高抵抗領域52を形成した。また、比較例として、トリプルウェル構造14、ガードリング24およびトレンチ型高抵抗領域52の少なくとも一部が設けられていない半導体装置を用意して同様の計測を行った。
図7において、グラフ80は、トリプルウェル構造14、ガードリング24およびトレンチ型高抵抗領域52のいずれも設けていない比較例を示し、グラフ81は、ガードリング24のみを設けた比較例を示し、グラフ82は、ガードリング24とトレンチ型高抵抗領域52を設けた実施例を示す。図示されるように、ガードリング24とトレンチ型高抵抗領域52を組み合わせることにより、ガードリング24のみを設けた場合と比べて、アイソレーション効果が−5dBから−10dB程度向上することがわかった。
図8において、グラフ80は、図7と同じものを示し、グラフ83は、トリプルウェル構造14およびガードリング24を設けた比較例を示し、グラフ84は、トリプルウェル構造14、ガードリング24およびトレンチ型高抵抗領域52を設けた実施例を示す。図示されるように、トリプルウェル構造14およびガードリング24に加えてトレンチ型高抵抗領域52を組み合わせることにより、トリプルウェル構造14およびガードリング24のみを設けた場合と比べて、−5dBから−10dB程度アイソレーション効果が向上することがわかった。
このように、第2アイソレーション構造50としてトレンチ型高抵抗領域52を組み合わせることで、トリプルウェル構造14やガードリング24などの第1アイソレーション構造40のみを用いる場合よりもノイズ遮断機能を向上させることができる。本実施の形態によれば、不純物拡散層より深い位置まで達するトレンチ型高抵抗領域52を設けるため、半導体基板12の深い領域を伝搬するノイズ信号を効果的に低減させることができる。また、深い位置となるにつれて横方向の幅が大きくなるようにトレンチ型高抵抗領域52を形成するため、垂直型の高抵抗領域を形成する場合よりもノイズを低減させる効果をより高めることができる。
(変形例1)
図9は、変形例に係る半導体装置110の構造を模式的に示す断面図である。半導体装置110は、第2アイソレーション構造150として、トレンチ型高抵抗領域152とプレーナ型高抵抗領域154とを組み合わせている点で上述の実施の形態と相違する。以下、実施の形態との相違点を中心に説明する。
第2アイソレーション構造150は、トレンチ型高抵抗領域152とプレーナ型高抵抗領域154を有する。トレンチ型高抵抗領域152は、上述の実施の形態に係るトレンチ型高抵抗領域52と同様に構成される。プレーナ型高抵抗領域154は、トレンチ型高抵抗領域152よりも深い位置に形成され、第1回路領域E1および分離領域E3にわたって横方向に延在する。プレーナ型高抵抗領域154は、トレンチ型高抵抗領域152と連続した高抵抗領域を形成するように設けられ、トレンチ型高抵抗領域152との間に低抵抗領域が生じないように形成される。プレーナ型高抵抗領域154は、第2回路領域E2を避けて設けられ、デジタル素子領域30の下方に高抵抗領域が存在しないように形成される。
図10は、半導体装置110の製造方法を模式的に示す図であり、プレーナ型高抵抗領域154を形成する工程を示す。まず、図3に示す工程と同様に、半導体基板12の分離領域E3にトレンチ型高抵抗領域152が形成される。次に、裏面12bの上にマスク160を配置し、マスク160の上からイオンビームIBを半導体基板12の裏面12bに照射する。マスク160は、第1回路領域E1および分離領域E3に対応する位置に開口162が設けられており、第1回路領域E1および分離領域E3に向かうイオンビームIBを通過させ、第2回路領域E2に向かうイオンビームIBを遮蔽する。これにより、裏面12bから所定の深さの位置にプレーナ型高抵抗領域154を形成することができる。
本変形例によれば、トレンチ型高抵抗領域152に加えてプレーナ型高抵抗領域154を形成することで、図6に示すようなトレンチ型高抵抗領域52の底部52dの下を回り込んで伝搬するノイズ信号をより低減させることができる。特に、トレンチ型高抵抗領域152とプレーナ型高抵抗領域154とを連続的に形成し、両者の間に低抵抗領域が形成されないようにすることで、アナログ素子領域20の周囲を高抵抗領域で取り囲むことができる。これにより、デジタル素子領域30からアナログ素子領域20へ向かうノイズ信号を低減させる効果をより高めることができる。
また、本変形例によれば、デジタル素子領域30の下方にプレーナ型高抵抗領域154を形成していないため、デジタル素子領域30にて生じたノイズ信号をデジタル素子領域30の下方のボディ領域12dに逃がすことができる。その結果、第2回路領域E2にもプレーナ型高抵抗領域154を設ける場合と比べて、デジタル素子領域30からアナログ素子領域20へ向かうノイズ信号の割合を低減させることができる。これにより、第2アイソレーション構造150によるノイズ遮蔽特性を高めることができる。
(変形例2)
図11(a)、(b)は、変形例に係るトレンチ型高抵抗領域252の形成方法を模式的に示す断面図である。本変形例では、半導体基板12の主面12aに照射するイオンビームIBに所定の入射角θをつけることで、底部252dの横方向の幅がより広いトレンチ型高抵抗領域252を形成する。例えば、半導体基板12の主面12aに垂直にイオンビームIBを照射して第1高抵抗領域252aを形成した後に、図11(a)に示すようにイオンビームIBを傾けて照射することで第1高抵抗領域252aの隣に第2高抵抗領域252bを形成する。つづいて、図11(b)に示すように、イオンビームIBを反対方向に傾けて照射することで、第1高抵抗領域252aを挟んで第2高抵抗領域252bとは反対側に第3高抵抗領域252cを形成する。なお、イオンビームIBを垂直に照射させる工程を用いずに、イオンビームIBを斜めに照射すること工程のみによってトレンチ型高抵抗領域252を形成してもよい。
本変形例によれば、第1高抵抗領域252aのみを形成する場合と比べて、トレンチ型高抵抗領域252の底部252dの幅w3を大きくすることができる。これにより、トレンチ型高抵抗領域252によるノイズ低減効果をより高めることができる。また、本変形例においても、主面12aの近傍の横方向の幅w1は小さいままであるため、トレンチ型高抵抗領域252が形成される領域と素子領域とが近接する場合であっても、主面12aの近傍に形成される素子領域が高抵抗化してしまう影響を防ぐことができる。
以上、本発明を実施の形態にもとづいて説明した。本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
上述の実施の形態においては、照射するイオンの加速エネルギーを変えて、イオン照射を3回行う場合について示した。変形例においては、加速エネルギーを変えずに1回だけイオン照射してもよいし、照射条件を変えて2回や4回以上イオン照射してもよい。加速エネルギーを変えて照射回数を増やすことでより厚い高抵抗領域を形成して、インダクタ素子の特性を向上させることができる。一方、照射回数を減らすことによりイオン照射にかかるコストを低減させることができる。したがって、イオン照射回数は、第2アイソレーション構造50に必要となる高抵抗領域の深さに応じて適宜調整されることが望ましい。具体的には、2回〜7回程度の範囲でイオン照射回数を調整することが望ましい。
上述の実施の形態においては、半導体基板12の主面12aにイオン照射してトレンチ型高抵抗領域を形成する場合を示した。変形例においては、裏面12bからのイオン照射を組み合わせてトレンチ型高抵抗領域を形成してもよい。
図12は、イオン照射後の半導体基板の抵抗率分布の一例を示すグラフであり、主面からのイオン照射と裏面からのイオン照射を組み合わせた場合の結果を示す。本図では、半導体基板の主面側から深さ40μm,140μmの位置にHe2+のイオンを1013/cmのドーズ量で照射するとともに、半導体基板の裏面側から深さ60μmの位置にHe2+のイオンを1013/cmのドーズ量で照射した場合の結果を示す。図示されるように、主面から約150μmの深さまでの範囲において、基板の抵抗率が約3Ω・cmから約1kΩ・cm以上に増大していることがわかる。また、熱処理後においても、主面から約150μmの深さまでのほとんどの領域において、基板の抵抗率が約1kΩ・cmの高抵抗領域となっていることがわかる。このように、加速エネルギーを変えて異なる深さ位置にイオンビームを照射するとともに、裏面からのイオンビームの照射を組み合わせることで、深さdの大きいトレンチ型高抵抗領域を形成できる。
上述の実施の形態では、従来型の第1アイソレーション構造として、ガードリングやトリプルウェル構造を用いる場合を示した。変形例においては、STI(Shallow Trench Isolation)やDTI(Deep Trench Isolation)等の絶縁層を形成する他のアイソレーション技術を第1アイソレーション構造として用いてもよい。
E1…第1回路領域、E2…第2回路領域、10…半導体装置、12…半導体基板、12a…主面、12b…裏面、14…トリプルウェル構造、24…ガードリング、40…第1アイソレーション構造、50…第2アイソレーション構造、52…トレンチ型高抵抗領域、56…プレーナ型高抵抗領域、60…マスク、62…開口。

Claims (11)

  1. 半導体基板の主面に設けられる第1回路領域と、
    前記主面の前記第1回路領域の隣に設けられる第2回路領域と、
    前記第1回路領域に形成される第1アイソレーション構造と、
    前記第1回路領域と前記第2回路領域の間に形成され、前記半導体基板よりも抵抗率の高い高抵抗領域を有する第2アイソレーション構造と、を備え、
    前記第2アイソレーション構造は、前記第1回路領域と前記第2回路領域が隣り合う方向の幅が前記主面から離れるにつれて広くなるように形成されるトレンチ型高抵抗領域を含み、
    前記トレンチ型高抵抗領域は、前記主面上に配置される前記第1回路領域と前記第2回路領域の間の領域に対応した開口を有するマスクの上から前記主面の法線と交差する方向にイオンビームを照射することにより形成されることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1アイソレーション構造は、ガードリングおよびトリプルウェル構造の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記トレンチ型高抵抗領域は、前記第1回路領域に形成される不純物拡散層よりも深く形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記トレンチ型高抵抗領域は、前記第1アイソレーション構造よりも深く形成されることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  5. 前記第2アイソレーション構造は、前記第1回路領域の不純物拡散層よりも深い位置に形成されるプレーナ型高抵抗領域をさらに有し、
    前記プレーナ型高抵抗領域は、前記トレンチ型高抵抗領域と連続することを特徴とする請求項3または4に記載の半導体装置。
  6. 前記プレーナ型高抵抗領域は、前記第2回路領域を避けて形成されることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  7. 主面に設けられる第1回路領域と、前記主面の前記第1回路領域の隣に設けられる第2回路領域とを有する半導体基板を用意することと、
    前記第1回路領域と前記第2回路領域の間の領域に対応した開口を有するマスクを前記半導体基板の前記主面上に配置することと、
    前記マスクの上から前記主面の法線と交差する方向にイオンビームを照射して前記第1回路領域と前記第2回路領域の間の領域に前記半導体基板よりも抵抗率の高い高抵抗領域を形成することと、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 前記イオンビームは、前記マスクの上から前記主面の法線に対して前記第1回路領域と前記第2回路領域が隣り合う方向に傾けて照射されることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記イオンビームは、前記マスクの上から前記主面の法線に対して前記第1回路領域と前記第2回路領域が隣り合う第1方向に傾けて照射され、さらに前記マスクの上から前記主面の法線に対して前記第1方向とは反対の第2方向に傾けて照射されることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記イオンビームは、さらに前記マスクの上から前記主面の法線方向に照射されることを特徴とする請求項8または9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記第1回路領域に対応した位置に開口を有するマスクを前記半導体基板の主面の反対側の裏面上に配置することと、
    前記マスクの上から前記裏面にイオン照射して前記第1回路領域の不純物拡散層よりも前記裏面に近い位置に高抵抗領域を形成することと、をさらに備えることを特徴とする請求項7から10のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
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