JP6557081B2 - ウエーハの加工方法 - Google Patents

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本発明は、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハを、分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割するとともに個々のデバイスを樹脂で被覆するウエーハの加工方法に関する
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に配列された分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。このように形成された半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切断することにより、デバイスが形成された領域を分割して個々のデバイスを製造している。
近年、ウエーハを個々のデバイスに分割するとともに、個々のデバイスを樹脂で被覆するパッケージ技術が開発されている。このパッケージ技術の一つであるウエーハレベルチップサイズパッケージ(WLCSP)と呼ばれるパッケージ技術が下記特許文献1に開示されている。
下記特許文献1に開示されたパッケージ技術は、ウエーハの裏面に樹脂を被覆し、ウエーハの表面から分割予定ラインに沿って樹脂に達する切削溝を形成し、ウエーハの表面にモールド樹脂を敷設して各デバイスを被覆するとともに切削溝にモールド樹脂を埋設した後、切削溝の幅より薄い厚みの切削ブレードによって切削溝に充填されたモールド樹脂を切断することにより、個々のウエーハレベルチップサイズパッケージ(WLCSP)に分割する。
また、ウエーハレベルチップサイズパッケージ(WLCSP)を製造するウエーハの加工方法として次の技術が開発されている。
(1)ウエーハの表面側から分割予定ラインに沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの切削溝を形成する。
(2)ウエーハの表面にモールド樹脂を敷設するとともに切削溝にモールド樹脂を埋設する。
(3)ウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に保護部材を貼着しウエーハの裏面を研削して切削溝を表出させる。
(4)ウエーハの裏面をダイシングテープに貼着し、切削溝の幅より薄い厚みの切削ブレードによって切削溝に埋設されたモールド樹脂を切断することにより、個々のウエーハレベルチップサイズパッケージ(WLCSP)に分割する。
特開2006−100535号公報
しかるに、上述したいずれの加工方法においても、切削ブレードによって切削溝に埋設されたモールド樹脂を切断する際、ウエーハの表面にはモールド樹脂が敷設されているため、デバイスに形成されモールド樹脂の表面から露出されている突起電極であるバンプを基準として分割予定ラインに形成された切削溝を間接的に切削ブレードを位置付けているが、バンプと分割予定ラインとが必ずしも正確な位置関係なっていないことに起因して切削ブレードが分割予定ラインに形成された切削溝から外れてウエーハレベルチップサイズパッケージ(WLCSP)を構成するデバイスの側面に傷をつけるという問題がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、品質が良好なウエーハレベルチップサイズパッケージ(WLCSP)を得ることができるウエーハの加工方法を提供することである。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明による第1の発明においては、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域に表面にバンプを備えたデバイスが形成されたウエーハの加工方法であって、
第1の厚みを有する切削ブレードによってウエーハの表面側から分割予定ラインに沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの切削溝を形成する切削溝形成工程と、
該切削溝形成工程が実施されたウエーハの表面にモールド樹脂を敷設するとともに該切削溝にモールド樹脂を埋設するモールディング工程と、
該モールディング工程が実施されたウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の外周部を環状に除去して該切削溝を表出させ該切削溝に埋設されたモールド樹脂をウエーハの表面に露出させるモールド樹脂除去工程と、
該モールド樹脂除去工程が実施されウエーハの外周部に露出された該切削溝に埋設されたモールド樹脂を検出し、該第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードをモールド樹脂の幅方向中央に位置付け、切削ブレードによってモールド樹脂を該切削溝に沿って切削する切削工程と、を含み、
該モールディング工程では、該バンプが露出するようにウエーハの表面にモールド樹脂を被覆して、該モールド樹脂除去工程を実施する前に該モールド樹脂で被覆されたウエーハの表面に該バンプが露出した状態とするか、又は、該モールディング工程において、該バンプがモールド樹脂によって被覆される場合は、デバイスの表面に形成された該バンプを露出させるバンプ露出工程を実施して、該モールド樹脂除去工程を実施する前に該モールド樹脂で被覆されたウエーハの表面に該バンプが露出した状態とするウエーハの加工方法が提供される。
本発明による第2の発明においては、上記モールド樹脂除去工程を実施した後に、ウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、ウエーハの裏面を研削してデバイスの仕上がり厚さに形成する裏面研削工程と、ウエーハの裏面にサポート部材を貼着するとともにウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に貼着されている保護部材を剥離するサポート部材貼着工程とを実施し、上記切削工程はサポート部材貼着工程を実施した後に実施する。
本発明による第3の発明においては、上記モールディング工程を実施した後に、ウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、ウエーハの裏面を研削してデバイスの仕上がり厚さに形成する裏面研削工程と、ウエーハの裏面にサポート部材を貼着するとともにウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に貼着されている保護部材を剥離するサポート部材貼着工程とを実施し、その後に上記モールド樹脂除去工程と上記切削工程を実施する。
本発明による第4の発明においては、上記モールド樹脂除去工程を実施した後に、上記切削工程において切削溝の底面に達する切断溝を形成し、その後にウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、ウエーハの裏面を研削してデバイスの仕上がり厚さに形成してウエーハを個々のデバイスに分割する裏面研削工程と、ウエーハの裏面にサポート部材を貼着するとともにウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に貼着されている保護部材を剥離するサポート部材貼着工程を実施する。
本発明による第5の発明においては、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域に表面にバンプを備えたデバイスが形成されたウエーハの加工方法であって、第1の厚みを有する切削ブレードによってウエーハの表面側から分割予定ラインに沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの切削溝を形成する切削溝形成工程と、該切削溝形成工程が実施されたウエーハの表面にモールド樹脂を敷設するとともに該切削溝にモールド樹脂を埋設するモールディング工程と、該モールディング工程が実施されたウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の外周部を環状に除去して該切削溝を表出させ該切削溝に埋設されたモールド樹脂をウエーハの表面に露出させるモールド樹脂除去工程と、該モールド樹脂除去工程が実施されウエーハの外周部に露出された該切削溝に埋設されたモールド樹脂を検出し、該第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードをモールド樹脂の幅方向中央に位置付け、切削ブレードによってモールド樹脂を該切削溝に沿って切削する切削工程と、を含み、該モールディング工程を実施した後に、ウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、ウエーハの裏面を研削してデバイスの仕上がり厚さに形成するとともに切削溝を表出させ切削溝に埋設されたモールド樹脂をウエーハの裏面に露出させる裏面研削工程と、上記第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードによってウエーハの裏面側から切削溝に埋設されたモールド樹脂を略半分の深さで切削してハーフカット溝を形成するハーフカット溝形成工程と、ウエーハの裏面にサポート部材を貼着するとともにウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に貼着されている保護部材を剥離するサポート部材貼着工程とを実施し、その後に上記モールド樹脂除去工程と上記切削工程を実施する。
本発明による第6の発明において、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域に表面にバンプを備えたデバイスが形成されたウエーハの加工方法であって、第1の厚みを有する切削ブレードによってウエーハの表面側から分割予定ラインに沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの切削溝を形成する切削溝形成工程と、該切削溝形成工程が実施されたウエーハの表面にモールド樹脂を敷設するとともに該切削溝にモールド樹脂を埋設するモールディング工程と、該モールディング工程が実施されたウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の外周部を環状に除去して該切削溝を表出させ該切削溝に埋設されたモールド樹脂をウエーハの表面に露出させるモールド樹脂除去工程と、該モールド樹脂除去工程が実施されウエーハの外周部に露出された該切削溝に埋設されたモールド樹脂を検出し、該第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードをモールド樹脂の幅方向中央に位置付け、切削ブレードによってモールド樹脂を該切削溝に沿って切削する切削工程と、を含み、該モールド樹脂除去工程を実施した後に、ウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、ウエーハの裏面を研削してデバイスの仕上がり厚さに形成するとともに切削溝を表出させ切削溝に埋設されたモールド樹脂をウエーハの裏面に露出させる裏面研削工程と、上記第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードによってウエーハの裏面側から切削溝に埋設されたモールド樹脂を略半分の深さで切削してハーフカット溝を形成するハーフカット溝形成工程と、ウエーハの裏面にサポート部材を貼着するとともにウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に貼着されている保護部材を剥離するサポート部材貼着工程とを実施し、その後に上記切削工程を実施する。
本発明による第7の発明においては、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域に表面にバンプを備えたデバイスが形成されたウエーハの加工方法であって、第1の厚みを有する切削ブレードによってウエーハの表面側から分割予定ラインに沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの切削溝を形成する切削溝形成工程と、該切削溝形成工程が実施されたウエーハの表面にモールド樹脂を敷設するとともに該切削溝にモールド樹脂を埋設するモールディング工程と、該モールディング工程が実施されたウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の外周部を環状に除去して該切削溝を表出させ該切削溝に埋設されたモールド樹脂をウエーハの表面に露出させるモールド樹脂除去工程と、該モールド樹脂除去工程が実施されウエーハの外周部に露出された該切削溝に埋設されたモールド樹脂を検出し、該第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードをモールド樹脂の幅方向中央に位置付け、切削ブレードによってモールド樹脂を該切削溝に沿って切削する切削工程と、を含み、該モールド樹脂除去工程を実施した後に、上記切削工程において切削溝に埋設されたモールド樹脂の略半分の深さのハーフカット溝を形成し、その後にウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、ウエーハの裏面を研削してデバイスの仕上がり厚さに形成するとともに切削溝を表出させ切削溝に埋設されたモールド樹脂をウエーハの裏面に露出させる裏面研削工程と、上記第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードによってウエーハの裏面側から切削溝に埋設された残存するモールド樹脂を完全に切削して個々のデバイスに分割する分割工程と、ウエーハの裏面にサポート部材を貼着するとともにウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に貼着されている保護部材を剥離するサポート部材貼着工程とを実施する。
本発明におけるウエーハの加工方法は、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域に表面にバンプを備えたデバイスが形成されたウエーハの加工方法であって、第1の厚みを有する切削ブレードによってウエーハの表面側から分割予定ラインに沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの切削溝を形成する切削溝形成工程と、該切削溝形成工程が実施されたウエーハの表面にモールド樹脂を敷設するとともに該切削溝にモールド樹脂を埋設するモールディング工程と、該モールディング工程が実施されたウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の外周を環状に除去して該切削溝を表出させ該切削溝に埋設されたモールド樹脂をウエーハの表面に露出させるモールド樹脂除去工程と、該モールド樹脂除去工程が実施されウエーハの外周部に露出された該切削溝に埋設されたモールド樹脂を検出し、該第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードをモールド樹脂の幅方向中央に位置付け、切削ブレードによってモールド樹脂を該切削溝に沿って切削する切削工程とを含み、該モールディング工程では、該バンプが露出するようにウエーハの表面にモールド樹脂を被覆して、該モールド樹脂除去工程を実施する前に該モールド樹脂で被覆されたウエーハの表面に該バンプが露出した状態とするか、又は、該モールディング工程において、該バンプがモールド樹脂によって被覆される場合は、デバイスの表面に形成された該バンプを露出させるバンプ露出工程を実施して、該モールド樹脂除去工程を実施する前に該モールド樹脂で被覆されたウエーハの表面に該バンプが露出した状態とするものであるので、切削工程は、ウエーハの外周部表面に露出された切削溝に埋設されたモールド樹脂の幅方向中央に切削ブレードを位置付けて実施するため、ウエーハの表面にモールド樹脂が敷設されていても切削溝に埋設されたモールド樹脂の幅方向中央を切削ブレードによってモールド樹脂が埋設された切削溝に沿って正確に切削することができ、デバイスの側面に傷を付けるという問題が解消される。
本発明によるウエーハの加工方法によって分割されるウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法における切削溝形成工程を実施するための切削装置の要部斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法における切削溝形成工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法におけるモールディング工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法におけるバンプ露出工程を示す説明図。 本発明によるウエーハの加工方法におけるモールド樹脂除去工程を実施するための切削装置の要部斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法の第1の実施形態におけるモールド樹脂除去工程が実施された半導体ウエーハの斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法の第1の実施形態における保護部材貼着工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第1の実施形態における裏面研削工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第1の実施形態におけるサポート部材貼着工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法における切削工程を実施するための切削装置の要部斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法の第1の実施形態における切削工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法によって個々に分割されたデバイスの斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法の第2の実施形態における保護部材貼着工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第2に実施形態における裏面研削工程が実施された半導体ウエーハの裏面側からみた斜視図および要部拡大断面図。 本発明によるウエーハの加工方法の第2の実施形態におけるサポート部材貼着工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第2の実施形態におけるモールド樹脂除去工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第3の実施形態における切削工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第3の実施形態における保護部材貼着工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第3の実施形態における裏面研削工程が実施された半導体ウエーハの裏面側からみた斜視図および要部拡大断面図。 本発明によるウエーハの加工方法の第3の実施形態におけるサポート部材貼着工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第4の実施形態におけるハーフカット溝形成工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第4の実施形態におけるサポート部材貼着工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第4の実施形態におけるモールド樹脂除去工程が実施された半導体ウエーハの斜視図。 本発明によるウエーハの加工方法の第4の実施形態における切削工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第6の実施形態における切削工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第6の実施形態における分割工程の説明図。 本発明によるウエーハの加工方法の第6の実施形態におけるサポート部材貼着工程の説明図。
以下、本発明によるウエーハの加工方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1には、本発明に従って加工されるウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図が示されている。図1に示す半導体ウエーハ2は、厚みが例えば600μmのシリコンウエーハからなっており、表面2aに複数の分割予定ライン21が格子状に形成されているとともに、該複数の分割予定ライン21によって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイス22が形成されている。この各デバイス22は、全て同一の構成をしている。デバイス22の表面にはそれぞれ複数の突起電極であるバンプ23が形成されている。以下、この半導体ウエーハ2を分割予定ライン21に沿って個々のデバイス22に分割するとともに個々のデバイスを樹脂で被覆するウエーハの加工方法について説明する。
先ず、第1の厚みを有する切削ブレードによって半導体ウエーハ2の表面側から分割予定ライン21に沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの切削溝を形成する切削溝形成工程を実施する。この切削溝形成工程は、図示の実施形態においては図2に示す切削装置3を用いて実施する。図2に示す切削装置3は、被加工物を保持するチャックテーブル31と、該チャックテーブル31に保持された被加工物を切削する切削手段32と、該チャックテーブル31に保持された被加工物を撮像する撮像手段33を具備している。チャックテーブル31は、被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない切削送り手段によって図2において矢印Xで示す切削送り方向に移動せしめられるとともに、図示しない割り出し送り手段によって矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられるようになっている。また、チャックテーブル31は、図示しない回動機構によって適宜回転せしめられるように構成されている。
上記切削手段32は、実質上水平に配置されたスピンドルハウジング321と、該スピンドルハウジング321に回転自在に支持された回転スピンドル322と、該回転スピンドル322の先端部に装着された環状の切れ刃323aを備えた切削ブレード323を含んでおり、回転スピンドル322がスピンドルハウジング321内に配設された図示しないサーボモータによって矢印322aで示す方向に回転せしめられるようになっている。なお、切削ブレード323の環状の切れ刃323aは、図示の実施形態においては第1の厚みである50μmに設定されている。上記撮像手段33は、顕微鏡やCCDカメラ等の光学手段からなっており、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
上述した切削装置3を用いて切削溝形成工程を実施するには、図2に示すようにチャックテーブル31上に半導体ウエーハ2の裏面2b側を載置し、図示しない吸引手段を作動することにより半導体ウエーハ2をチャックテーブル31上に吸引保持する。従って、チャックテーブル31に保持された半導体ウエーハ2は、表面2aが上側となる。このようにして、半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル31は、図示しない切削送り手段によって撮像手段33の直下に位置付けられる。
チャックテーブル31が撮像手段33の直下に位置付けられると、撮像手段33および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2の分割予定ライン21に沿って分割溝を形成すべき切削領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段33および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ2の所定方向に形成されている分割予定ライン21と、切削ブレード323との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、切削領域のアライメントを遂行する(アライメント工程)。また、半導体ウエーハ2に形成されている上記所定方向に対して直交する方向に延びる分割予定ライン21に対しても、同様に切削領域のアライメントが遂行される。
以上のようにしてチャックテーブル31上に保持されている半導体ウエーハ2の切削領域を検出するアライメントが行われたならば、半導体ウエーハ2を保持したチャックテーブル31を切削加工領域の切削開始位置に移動する。このとき、図3の(a)で示すように半導体ウエーハ2は分割予定ライン21の一端(図3の(a)において左端)が切削ブレード323の環状の切れ刃323aの直下より所定量右側に位置するように位置付けられる。次に、切削ブレード323を図3の(a)において2点鎖線で示す待機位置から矢印Z1で示すように下方に切り込み送りし、図3の(a)において実線で示すように所定の切り込み送り位置に位置付ける。この切り込み送り位置は、図3の(a)および図3の(c)に示すように切削ブレード323の環状の切れ刃323aの下端が半導体ウエーハ2の表面からデバイスの仕上がり厚さに相当する深さ位置(例えば、200μm)に設定されている。
次に、切削ブレード323を図3の(a)において矢印322aで示す方向に所定の回転速度で回転せしめ、チャックテーブル31を図3の(a)において矢印X1で示す方向に所定の切削送り速度で移動せしめる。そして、分割予定ライン21の他端(図3の(b)において右端)が切削ブレード323の環状の切れ刃323aの直下より所定量左側に位置する位置まで達したら、チャックテーブル31の移動を停止する。このようにチャックテーブル31を切削送りすることにより、図3の(d)で示すように半導体ウエーハ2には分割予定ライン21に沿って表面からデバイスの仕上がり厚さに相当する深さ(例えば、200μm)で幅が50μmの切削溝210が形成される(切削溝形成工程)。
次に、切削ブレード323を図3の(b)において矢印Z2で示すように上昇させて2点鎖線で示す待機位置に位置付け、チャックテーブル31を図3の(b)において矢印X2で示す方向に移動して、図3の(a)に示す位置に戻す。そして、チャックテーブル31を紙面に垂直な方向(割り出し送り方向)に分割予定ライン21の間隔に相当する量だけ割り出し送りし、次に切削すべき分割予定ライン21を切削ブレード323と対応する位置に位置付ける。このようにして、次に切削すべき分割予定ライン21を切削ブレード323と対応する位置に位置付けたならば、上述した切削溝形成工程を実施する。そして、上述した切削溝形成工程を半導体ウエーハ2に形成された全ての分割予定ライン21に実施する。
上述した切削溝形成工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の表面にモールド樹脂を敷設するとともに切削溝210にモールド樹脂を埋設するモールディング工程を実施する。このモールディング工程は、図4の(a)に示すように樹脂被覆装置4の保持テーブル41の上面である保持面上に上記切削溝形成工程が実施された半導体ウエーハ2の裏面2b側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、保持テーブル41の保持面上に半導体ウエーハ2を吸引保持する。従って、保持テーブル41に保持された半導体ウエーハ2は、表面2aが上側となる。このようにして、保持テーブル41上に半導体ウエーハ2を保持したならば、図4の(a)に示すように樹脂供給ノズル42の噴出口421を保持テーブル41上に保持された半導体ウエーハ2の中心部に位置付け、図示しない樹脂供給手段を作動して、樹脂供給ノズル42の噴出口421からモールド樹脂40を保持テーブル41上に保持された半導体ウエーハ2の中央領域に所定量滴下する。半導体ウエーハ2の表面2aの中央領域へ所定量のモールド樹脂40を滴下したならば、図4の(b)に示すように保持テーブル41を矢印41aで示す方向に所定の回転速度で所定時間回転することにより、図4の(b)および(c)に示すように半導体ウエーハ2の表面2aにモールド樹脂40が敷設されるとともに切削溝210にモールド樹脂40が埋設される。なお、モールド樹脂40は、図示の実施形態においては熱硬化性の液状樹脂(エポキシ系の樹脂)が用いられており、半導体ウエーハ2の表面2aに敷設されるとともに切削溝210に埋設された後、150℃程度で加熱することにより硬化せしめられる。
次に、半導体ウエーハ2の表面2aに敷設されたモールド樹脂40を研磨して、デバイス22の表面に形成されたバンプ23を露出するバンプ露出工程を実施する。このバンプ露出工程は、図5の(a)に示す研磨装置5を用いて実施する。図5の(a)に示す研磨装置5は、被加工物を保持するチャックテーブル51と、該チャックテーブル51に保持された被加工物を研磨する研磨手段52を具備している。チャックテーブル51は、上面に被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない回転駆動機構によって図5の(a)において矢印51aで示す方向に回転せしめられる。研磨手段52は、スピンドルハウジング521と、該スピンドルハウジング521に回転自在に支持され図示しない回転駆動機構によって回転せしめられる回転スピンドル522と、該回転スピンドル522の下端に装着されたマウンター523と、該マウンター523の下面に取り付けられた研磨工具524とを具備している。この研磨工具524は、円形状の基台525と、該基台525の下面に装着された研磨パッド526とからなっており、基台525がマウンター523の下面に締結ボルト527によって取り付けられている。なお、研磨パッド526は、図示の実施形態においては、フェルトに研磨材としてシリカからなる砥粒が混入されている。
上述した研磨装置5を用いて上記バンプ露出工程を実施するには、図5の(a)に示すようにチャックテーブル51の上面(保持面)に上記モールディング工程が実施された半導体ウエーハ2の裏面2b側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することによりチャックテーブル51上に半導体ウエーハ2を吸着保持する(ウエーハ保持工程)。従って、チャックテーブル51上に保持された半導体ウエーハ2は、表面2aに敷設されたモールド樹脂40が上側となる。このようにチャックテーブル51上に半導体ウエーハ2を吸引保持したならば、チャックテーブル51を図5の(a)において矢印51aで示す方向に所定の回転速度で回転しつつ、研磨手段52の研磨工具524を図5の(a)において矢印524aで示す方向に所定の回転速度で回転せしめて、図5の(b)に示すように研磨パッド526を被加工面である表面2aに敷設されたモールド樹脂40の上面に接触せしめ、研磨工具524を図5の(a)および図5の(b)において矢印524bで示すように所定の研磨送り速度で下方(チャックテーブル51の保持面に対し垂直な方向)に所定量研磨送りする。この結果、図5の(c)に示すように表面2aに敷設されたモールド樹脂40が研磨され、デバイス22の表面に形成されたバンプ23が露出せしめられる。
なお、上記モールディング工程においてバンプ23を被覆しないで半導体ウエーハ2の表面2aにモールド樹脂40を敷設した場合には、上述したバンプ露出工程は必ずしも必要ではない。
上述した切削溝形成工程とモールディング工程およびバンプ露出工程は本発明によるウエーハの加工方法に共通した加工手順である。以下、バンプ露出工程以降の本発明によるウエーハの加工方法の実施形態について説明する。
先ず、バンプ露出工程以降の本発明によるウエーハの加工方法の第1の実施形態について、図6乃至図13を参照して説明する。
上述したバンプ露出工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の外周部を環状に除去して切削溝210を表出させ切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を半導体ウエーハ2の表面に露出させるモールド樹脂除去工程を実施する。このモールド樹脂除去工程は、図示の実施形態においては図6に示す切削装置30を用いて実施する。なお、図6に示す切削装置30は、上記図2に示す切削装置3と切削ブレード323の環状の切れ刃323a以外は同一の構成であるため、同一部材には同一符号を付して説明は省略する。図6に示す切削装置30における切削ブレード323の環状の切れ刃323bは、厚みが2〜3mmに設定されている。
図6に示す切削装置30を用いてモールド樹脂除去工程を実施するには、チャックテーブル31上に上記バンプ露出工程が実施された半導体ウエーハ2の裏面2b側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することによってチャックテーブル31上に半導体ウエーハ2を吸引保持する。従って、チャックテーブル31上に保持された半導体ウエーハ2は、半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40が上側となる。このようにして、半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル31は、切削ブレード323による切削加工領域に移動され、図6に示すように半導体ウエーハ2の外周部を切削ブレード323の直下に位置付ける。
次に、切削ブレード323を図6において矢印322aで示す方向に所定の回転速度で回転せしめるとともに矢印Z1で示すように下方に切り込み送りする。この切り込み送り位置は、モールド樹脂40が敷設された半導体ウエーハ2の表面に達する位置に設定されている。そして、チャックテーブル31を図6において矢印31aで示す方向に1回転させる。この結果、図7に示すように半導体ウエーハ2の表面2aに敷設されたモールド樹脂40の外周部が環状に除去されて切削溝210が表出されるとともに切削溝210に埋設されたモールド樹脂40は半導体ウエーハ2の表面2aに露出される。このようにモールド樹脂除去工程を実施して半導体ウエーハ2の表面2aに敷設されたモールド樹脂40の外周部を環状に除去し切削溝210を表出するとともに切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を半導体ウエーハ2の表面2aに露出させることにより、半導体ウエーハ2の表面2aに露出された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の所定位置に後述する切削工程を正確に実施することができる。
上述したようにモールド樹脂除去工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の表面2aに敷設されたモールド樹脂40の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程を実施する。即ち、図8の(a)および(b)に示すように半導体ウエーハ2の表面2aに敷設されたモールド樹脂40の表面に保護部材としての保護テープ6を貼着する。なお、保護テープ6は、図示の実施形態においては厚さが100μmのポリ塩化ビニル(PVC)からなるシート状基材の表面にアクリル樹脂系の糊が厚さ5μm程度塗布されている。
次に、保護部材貼着工程が実施された半導体ウエーハ2の裏面を研削して切削溝210を表出させ切削溝210に埋設されたモールド樹脂を半導体ウエーハ2の裏面に露出させる裏面研削工程を実施する。この裏面研削工程は、図9に示す研削装置7を用いて実施する。図9の(a)に示す研削装置7は、被加工物を保持するチャックテーブル71と、該チャックテーブル71に保持された被加工物を研削する研削手段72を具備している。チャックテーブル71は、保持面である上面に被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない回転駆動機構によって図9の(a)において矢印71aで示す方向に回転せしめられる。研削手段72は、スピンドルハウジング721と、該スピンドルハウジング721に回転自在に支持され図示しない回転駆動機構によって回転せしめられる回転スピンドル722と、該回転スピンドル722の下端に装着されたマウンター723と、該マウンター723の下面に取り付けられた研削ホイール724とを具備している。この研削ホイール724は、円環状の基台725と、該基台725の下面に環状に装着された研削砥石726とからなっており、基台725がマウンター723の下面に締結ボルト727によって取り付けられている。
上述した研削装置7を用いて上記裏面研削工程を実施するには、図9の(a)に示すようにチャックテーブル71の上面(保持面)に上記保護部材貼着工程が実施された半導体ウエーハ2の保護テープ6側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することによってチャックテーブル71上に半導体ウエーハ2を保護テープ6を介して吸引保持する。従って、チャックテーブル71上に保持された半導体ウエーハ2は、裏面2bが上側となる。このようにチャックテーブル71上に半導体ウエーハ2を保護テープ6を介して吸引保持したならば、チャックテーブル71を図9の(a)において矢印71aで示す方向に例えば300rpmで回転しつつ、研削手段72の研削ホイール724を図9の(a)において矢印724aで示す方向に例えば6000rpmで回転して、図9の(b)に示すように研削砥石726を被加工面である半導体ウエーハ2の裏面2bに接触せしめ、研削ホイール724を図9の(a)および図9の(b)において矢印724bで示すように例えば1μm/秒の研削送り速度で下方(チャックテーブル71の保持面に対し垂直な方向)に所定量研削送りする。この結果、半導体ウエーハ2の裏面2bが研削され、図9の(c)で示すように切削溝210が半導体ウエーハ2の裏面2bに表出し、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40が半導体ウエーハ2の裏面2bに露出せしめられる。
上述した裏面研削工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の裏面にサポート部材を貼着するとともに半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の表面に貼着されている保護部材としての保護テープ6を剥離するサポート部材貼着工程を実施する。即ち、図10に示すように、環状のフレームFの内側開口部を覆うように外周部が装着されたサポート部材としてのダイシングテープTの表面に上述した裏面研削工程が実施された半導体ウエーハ2の裏面2bを貼着する。そして、半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の表面に貼着されている保護テープ6を剥離する。従って、ダイシングテープTの表面に貼着された半導体ウエーハ2は、表面に敷設されたモールド樹脂40が上側となる。
次に、上記モールド樹脂除去工程が実施され半導体ウエーハ2の外周部に露出された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を検出し、上記第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードをモールド樹脂40の幅方向中央に位置付け、切削ブレードによってモールド樹脂40を切削溝210に沿って切削する切削工程を実施する。この切削工程は、図示の実施形態においては図11に示す切削装置300を用いて実施する。なお、図11に示す切削装置300は、上記図2に示す切削装置3と切削ブレード323の環状の切れ刃323a以外は同一の構成であるため、同一部材には同一符号を付して説明は省略する。図11に示す切削装置300における切削ブレード323の環状の切れ刃323cは、上記環状の切れ刃323aの第1の厚み(50μm)より薄い第2の厚みである20μmに設定されている。
図11に示す切削装置300を用いて切削工程を実施するには、チャックテーブル31上に上記サポート部材貼着工程が実施された半導体ウエーハ2のダイシングテープT側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することによってチャックテーブル31上に半導体ウエーハ2をダイシングテープTを介して吸引保持する。従って、チャックテーブル31上に保持された半導体ウエーハ2は、表面に敷設されたモールド樹脂40が上側となる。なお、図11においてはダイシングテープTが装着された環状のフレームFを省いて示しているが、環状のフレームFはチャックテーブル31に配設された適宜のフレーム保持手段に保持される。このようにして、半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル31は、図示しない切削送り手段によって撮像手段33の直下に位置付けられる。
チャックテーブル31が撮像手段33の直下に位置付けられると、撮像手段33および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2に形成された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の切削すべき切削領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段33および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ2の外周に露出し所定方向に形成されている切削溝210に埋設されたモールド樹脂40と、切削ブレード323との位置合わせを行うための画像処理を実行し、切削領域のアライメントを遂行する(アライメント工程)。また、半導体ウエーハ2に形成されている上記所定方向に対して直交する方向に形成された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40に対しても、同様に切削領域のアライメントが遂行される。このアライメント工程においては、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40が半導体ウエーハ2の外周部表面に露出されているので、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を撮像手段33によって撮像することによって明確に検出することができる。
以上のようにしてチャックテーブル31上に保持されている半導体ウエーハ2の切削領域を検出するアライメントが行われたならば、半導体ウエーハ2を保持したチャックテーブル31を切削加工領域の切削開始位置に移動する。このとき、図12の(a)で示すように半導体ウエーハ2は切削すべき切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の一端(図12の(a)において左端)を切削ブレード323の環状の切れ刃323cの直下より所定量右側に位置するように位置付けるとともに、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の幅方向中央を切削ブレード323と対応する位置に位置付ける。
このようにして切削装置3のチャックテーブル31上に保持された半導体ウエーハ2が切削加工領域の切削開始位置に位置付けられたならば、切削ブレード323を図12の(a)において2点鎖線で示す待機位置から矢印Z1で示すように下方に切り込み送りし、図12の(a)において実線で示すように所定の切り込み送り位置に位置付ける。この切り込み送り位置は、図12の(c)に示すように切削ブレード323の環状の切れ刃323cの下端が半導体ウエーハ2の裏面に貼着されたダイシングテープTに達する位置に設定されている。
次に、切削ブレード323を図12の(a)において矢印322aで示す方向に所定の回転速度で回転せしめ、チャックテーブル31を図12の(a)において矢印X1で示す方向に所定の切削送り速度で移動せしめる。そして、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の他端(図12の(b)において右端)が切削ブレード323の環状の切れ刃323cの直下より所定量左側に位置する位置まで達したら、チャックテーブル31の移動を停止する。このようにチャックテーブル31を切削送りすることにより、図12の(d)で示すように半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40および切削溝210に埋設されたモールド樹脂40はダイシングテープTに達する幅が20μmの切削溝410によって完全切削される(切削工程)。この切削工程は、上述したアライメント工程において検出され半導体ウエーハ2の外周部表面に露出された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の幅方向中央を切削ブレード323と対応する位置に位置付けて実施するので、半導体ウエーハ2の表面にモールド樹脂40が敷設されていても切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の幅方向中央を切削ブレード323によって切削溝210に沿って正確に切削することができるため、デバイスの側面に傷を付けるという問題が解消される。
次に、切削ブレード323を図12の(b)において矢印Z2で示すように上昇させて2点鎖線で示す待機位置に位置付け、チャックテーブル31を図12の(b)において矢印X2で示す方向に移動して、図12の(a)に示す位置に戻す。そして、チャックテーブル31を紙面に垂直な方向(割り出し送り方向)にモールド樹脂40が埋設された切削溝210の間隔(分割予定ライン21の間隔)に相当する量だけ割り出し送りし、次に切削すべき切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を切削ブレード323と対応する位置に位置付ける。このようにして、次に切削すべき切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を切削ブレード323と対応する位置に位置付けたならば、上述した切削工程を実施する。そして、上述した切削工程を半導体ウエーハ2に形成された全ての切削溝210に埋設されたモールド樹脂40に実施する。この結果、半導体ウエーハ2は分割予定ライン21に沿って個々のデバイス22に分割され、個々に分割されてデバイス22は図13に示すように表面および側面がモールド樹脂40によって被覆されたウエーハレベルチップサイズパッケージ(WLCSP)を構成している。
次に、上記バンプ露出工程以降の本発明によるウエーハの加工方法の第2の実施形態について、上記各実施形態と図14乃至図17を参照して説明する。
ウエーハの加工方法の第2の実施形態は、上記モールディング工程およびバンプ露出工程を実施した後に半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程を実施する。即ち、図14に示すように半導体ウエーハ2の表面2aに敷設されたモールド樹脂40の表面に保護部材としての保護テープ6を貼着する。なお、保護テープ6は、上記第1の実施形態において用いたものと同様のものを用いる。
保護部材貼着工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の裏面を研削して切削溝210を表出させ切削溝210に埋設されたモールド樹脂を半導体ウエーハ2の裏面に露出させる裏面研削工程を実施する。この裏面研削工程は、上記図9に示す第1の実施形態における裏面研削工程と同様に実施する。この結果、半導体ウエーハ2の裏面2bが研削され、図15の(a)および(b)で示すように切削溝210が半導体ウエーハ2の裏面2bに表出し、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40が半導体ウエーハ2の裏面2bに露出せしめられる。
上述した裏面研削工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の裏面にサポート部材を貼着するとともに半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の表面に貼着されている保護部材としての保護テープ6を剥離するサポート部材貼着工程を実施する。このサポート部材貼着工程は上記図10で示す第1の実施形態におけるサポート部材貼着工程と同様に、図16に示すように、環状のフレームFの内側開口部を覆うように外周部が装着されたサポート部材としてのダイシングテープTの表面に上述した裏面研削工程が実施された半導体ウエーハ2の裏面2bを貼着し、半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の表面に貼着されている保護テープ6を剥離する。従って、ダイシングテープTの表面に貼着された半導体ウエーハ2は、表面に敷設されたモールド樹脂40が上側となる。
上述したサポート部材貼着工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の外周部を環状に除去して切削溝210を表出させ切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を半導体ウエーハ2の表面に露出させるモールド樹脂除去工程を実施する。このモールド樹脂除去工程は、上記第1の実施形態おけるモールド樹脂除去工程と同様に図6に示す切削装置30を用いて実施する。即ち、図17の(a)に示すように、切削装置30のチャックテーブル31上に上記サポート部材貼着工程が実施された半導体ウエーハ2のダイシングテープT側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することによってチャックテーブル31上にダイシングテープTを介して半導体ウエーハ2を吸引保持する。従って、チャックテーブル31上にダイシングテープTを介して保持された半導体ウエーハ2は、半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40が上側となる。なお、図17の(a)においてはダイシングテープTが装着された環状のフレームFを省いて示しているが、環状のフレームFはチャックテーブル31に配設された適宜のフレーム保持手段に保持される。このようにして、半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル31は、切削ブレード323による切削加工領域に移動され、図17の(a)に示すように半導体ウエーハ2の外周部を切削ブレード323の直下に位置付ける。
次に、上記図6に示す第1の実施形態におけるモールド樹脂除去工程と同様に、切削ブレード323を図17の(a)において矢印322aで示す方向に所定の回転速度で回転せしめるとともに矢印Z1で示すように下方に切り込み送りする。この切り込み送り位置は、モールド樹脂40が敷設された半導体ウエーハ2の表面に達する位置に設定されている。そして、チャックテーブル31を図17の(a)において矢印31aで示す方向に1回転させる。この結果、図17の(b)に示すように半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の外周部が環状に除去されて切削溝210が表出されるとともに切削溝210に埋設されたモールド樹脂40は半導体ウエーハ2の表面に露出される。
上述したモールド樹脂除去工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の外周部に露出された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を検出し、上記第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードをモールド樹脂40の幅方向中央に位置付け、切削ブレードによってモールド樹脂40を切削溝210に沿って切削する切削工程を実施する。この切削工程は、上記図11に示す切削装置300を用いて、図11および図12に示す上記第1の実施形態における切削工程と同様に実施する。この切削工程は、上述したように半導体ウエーハ2の外周部表面に露出された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の幅方向中央を切削ブレード323と対応する位置に位置付けて実施するので、半導体ウエーハ2の表面にモールド樹脂40が敷設されていても切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の幅方向中央を切削ブレード323によって切削溝210に沿って正確に切削することができるため、デバイスの側面に傷を付けるという問題が解消される。
次に、上記バンプ露出工程以降の本発明によるウエーハの加工方法の第3の実施形態について、上記各実施形態と図18乃至図21を参照して説明する。
ウエーハの加工方法の第3の実施形態は、上記図6および図7に示す第1の実施形態におけるモールド樹脂除去工程を実施した後に、半導体ウエーハ2の外周部に露出された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を検出し、上記第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードをモールド樹脂40の幅方向中央に位置付け、切削ブレードによってモールド樹脂40を切削溝210に沿って切削する切削工程を実施する。なお、第3の実施形態における切削工程においては、上記切削溝210の底面に達する切断溝を形成する。この切削工程は、上記図11に示す切削装置300を用いて実施する。
上記図11に示す切削装置300を用いて切削工程と実施するには、切削装置300のチャックテーブル31上に上記モールド樹脂除去工程が実施された半導体ウエーハ2の裏面2b側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することによってチャックテーブル31上に半導体ウエーハ2を吸引保持する。従って、チャックテーブル31上に保持された半導体ウエーハ2は、図18の(a)に示すように表面2aに敷設されたモールド樹脂40が上側となる。このようにして、チャックテーブル31上に半導体ウエーハ2を吸引保持したならば、上記第1の実施形態における切削工程のアライメント工程と同様に半導体ウエーハ2に形成された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の切削すべき切削領域を検出するアライメント作業を実行する。このアライメント工程においては、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40が半導体ウエーハ2の外周部表面に露出されているので、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を撮像手段33によって撮像することによって明確に検出することができる。
次に、半導体ウエーハ2を保持したチャックテーブル31を切削加工領域の切削開始位置に移動する。このとき、図18の(a)で示すように半導体ウエーハ2は切削すべき切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の一端(図18の(a)において左端)が切削ブレード323の環状の切れ刃323cの直下より所定量右側に位置するように位置付けるとともに、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の幅方向中央を切削ブレード323と対応する位置に位置付ける。
このようにして切削装置300のチャックテーブル31上に保持された半導体ウエーハ2が切削加工領域の切削開始位置に位置付けられたならば、切削ブレード323を図18の(a)において2点鎖線で示す待機位置から矢印Z1で示すように下方に切り込み送りし、図18の(a)において実線で示すように所定の切り込み送り位置に位置付ける。この切り込み送り位置は、図18の(c)に示すように切削ブレード323の環状の切れ刃323cの下端が切削溝210の底面210aに達する位置に設定されている。
次に、切削ブレード323を図18の(a)において矢印322aで示す方向に所定の回転速度で回転せしめ、チャックテーブル31を図18の(a)において矢印X1で示す方向に所定の切削送り速度で移動せしめる。そして、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の他端(図18の(b)において右端)が切削ブレード323の環状の切れ刃323bの直下より所定量左側に位置する位置まで達したら、チャックテーブル31の移動を停止する。このようにチャックテーブル31を切削送りすることにより、図18の(d)で示すように半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40および切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の厚さより深く半導体ウエーハ2に達する幅が20μmの切削溝410が形成される。この切削工程は、上述したアライメント工程において検出され半導体ウエーハ2の外周部表面に露出された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の幅方向中央を切削ブレード323と対応する位置に位置付けて実施するので、半導体ウエーハ2の表面にモールド樹脂40が敷設されていても切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の幅方向中央を切削ブレード323によって切削溝210に沿って正確に切削することができるため、デバイスの側面に傷を付けるという問題が解消される。
次に、切削ブレード323を図18の(b)において矢印Z2で示すように上昇させて2点鎖線で示す待機位置に位置付け、チャックテーブル31を図18の(b)において矢印X2で示す方向に移動して、図18の(a)に示す位置に戻す。そして、チャックテーブル31を紙面に垂直な方向(割り出し送り方向)にモールド樹脂40が埋設された切削溝210の間隔(分割予定ライン21の間隔)に相当する量だけ割り出し送りし、次に切削すべき切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を切削ブレード323と対応する位置に位置付ける。このようにして、次に切削すべき切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を切削ブレード323と対応する位置に位置付けたならば、上述した切削工程を実施する。そして、上述した切削工程を半導体ウエーハ2に形成された全ての切削溝210に埋設されたモールド樹脂40に対応した領域に実施する。
上述したように切削工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程を実施する。即ち、図19に示すように半導体ウエーハ2の表面2aに敷設されたモールド樹脂40の表面に切削工程が実施された保護部材としての保護テープ6を貼着する。なお、保護テープ6は、上記第1の実施形態において用いたものと同様のものを用いる。
上記のようにして保護部材貼着工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の裏面を研削して切削溝210を表出させ切削溝210に埋設されたモールド樹脂を半導体ウエーハ2の裏面に露出させる裏面研削工程を実施する。この裏面研削工程は、上記図9に示す第1の実施形態における裏面研削工程と同様に実施する。この結果、半導体ウエーハ2の裏面2bが研削され、図20の(a)および(b)で示すように切削溝210が半導体ウエーハ2の裏面2bに表出し、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40およびモールド樹脂40を切断した切削溝410が半導体ウエーハ2の裏面2bに露出せしめられる。従って、半導体ウエーハ2は分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割される。
上述した裏面研削工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の裏面にサポート部材を貼着するとともに半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の表面に貼着されている保護部材としての保護テープ6を剥離するサポート部材貼着工程を実施する。即ち、図21に示すように、環状のフレームFの内側開口部を覆うように外周部が装着されたサポート部材としてのダイシングテープTの表面に上述した裏面研削工程が実施された半導体ウエーハ2の裏面2bを貼着する。そして、半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の表面に貼着されている保護テープ6を剥離する。従って、ダイシングテープTの表面に貼着されている半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40を切断した切削溝410が露出される。
以上のようにして、サポート部材貼着工程が実施された半導体ウエーハ2は、次工程であるピックアップ工程に搬送され、個々のデバイス毎にピックアップされる。このようにしてピックアップされたデバイス22は、上記図13に示すように表面および側面がモールド樹脂40によって被覆されたウエーハレベルチップサイズパッケージ(WLCSP)を構成している。
次に、上記バンプ露出工程以降の本発明によるウエーハの加工方法の第4の実施形態について、上記各実施形態と図22乃至図25を参照して説明する。
ウエーハの加工方法の第4の実施形態は、上記モールディング工程およびバンプ露出工程を実施した後に、半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、半導体ウエーハ2の裏面を研削して切削溝210を表出させ切削溝210に埋設されたモールド樹脂を半導体ウエーハ2の裏面に露出させる裏面研削工程を実施する。即ち、保護部材貼着工程は上記第2の実施形態における図14に示す保護部材貼着工程を実施し、裏面研削工程は上記第2の実施形態における図15に示す裏面研削工程を実施する。
上述した裏面研削工程を実施したならば、上記第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードによって半導体ウエーハ2の裏面側から切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を略半分の深さで切削してハーフカット溝を形成するハーフカット溝形成工程を実施する。このハーフカット溝形成工程は、上記図11に示す切削装置300を用いて実施する。
図11に示す切削装置300を用いてハーフカット溝形成工程を実施するには、チャックテーブル31上に上記裏面研削工程が実施された半導体ウエーハ2の保護テープ6側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することによってチャックテーブル31上に半導体ウエーハ2を保護テープ6を介して吸引保持する。従って、チャックテーブル31上に保持された半導体ウエーハ2は、図22の(a)に示すように裏面2bが上側となる。このようにして、半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル31は、図示しない切削送り手段によって撮像手段33の直下に位置付けられる。
チャックテーブル31が撮像手段33の直下に位置付けられると、撮像手段33および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2に形成された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を切削してハーフカット溝を形成すべき切削領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段33および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ2の所定方向に形成されている切削溝210に埋設されたモールド樹脂40と、切削ブレード323との位置合わせを行うための画像処理を実行し、切削領域のアライメントを遂行する(アライメント工程)。また、半導体ウエーハ2に形成されている上記所定方向に対して直交する方向に形成された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40に対しても、同様に切削領域のアライメントが遂行される。
以上のようにしてチャックテーブル31上に保持されている半導体ウエーハ2の切削領域を検出するアライメントが行われたならば、半導体ウエーハ2を保持したチャックテーブル31を切削加工領域の切削開始位置に移動する。このとき、図22の(a)で示すように半導体ウエーハ2は切削すべき切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の一端(図22の(a)において左端)を切削ブレード323の環状の切れ刃3231cの直下より所定量右側に位置するように位置付けるとともに、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の幅方向中央を切削ブレード323と対応する位置に位置付ける。
このようにして切削装置300のチャックテーブル31上に保持された半導体ウエーハ2が切削加工領域の切削開始位置に位置付けられたならば、切削ブレード323を図22の(a)において2点鎖線で示す待機位置から矢印Z1で示すように下方に切り込み送りし、図22の(a)において実線で示すように所定の切り込み送り位置に位置付ける。この切り込み送り位置は、図22の(c)に示すように切削ブレード323の環状の切れ刃323bの下端が切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の厚み方向中間位置に設定されている。
次に、切削ブレード323を図22の(a)において矢印322aで示す方向に所定の回転速度で回転せしめ、チャックテーブル31を図22の(a)において矢印X1で示す方向に所定の切削送り速度で移動せしめる。そして、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の他端(図22の(b)において右端)が切削ブレード323の環状の切れ刃323bの直下より所定量左側に位置する位置まで達したら、チャックテーブル31の移動を停止する。このようにチャックテーブル31を切削送りすることにより、図22の(d)で示すように切削溝210に埋設されたモールド樹脂40は略半分の深さで切削され幅が20μmのハーフカット溝401が形成される(ハーフカット溝形成工程)。
上述したハーフカット溝形成工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の裏面にサポート部材を貼着するとともに半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の表面に貼着されている保護部材としての保護テープ6を剥離するサポート部材貼着工程を実施する。このサポート部材貼着工程は上記図16で示す第2の実施形態におけるサポート部材貼着工程と同様に図23に示すように、環状のフレームFの内側開口部を覆うように外周部が装着されたサポート部材としてのダイシングテープTの表面に上述した裏面研削工程が実施された半導体ウエーハ2の裏面2bを貼着し、半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の表面に貼着されている保護テープ6を剥離する。このようにしてダイシングテープTに貼着された半導体ウエーハ2に形成された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40には、上記ハーフカット溝401が形成されている。
次に、半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の外周部を環状に除去して切削溝210を表出させ切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を半導体ウエーハ2の表面に露出させるモールド樹脂除去工程を実施する。このモールド樹脂除去工程は、上記図6に示す切削装置30を用いて、上記第2の実施形態における図17の(a)および(b)に示すモールド樹脂除去工程と同様に実施する。この結果、図24に示すように半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の外周部が環状に除去されて切削溝210が表出されるとともに切削溝210に埋設されたモールド樹脂40は半導体ウエーハ2の表面に露出される。なお、半導体ウエーハ2に形成された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40には、上記ハーフカット溝401が形成されている。
上述したモールド樹脂除去工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の外周部に露出された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を検出し、上記第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードをモールド樹脂40の幅方向中央に位置付け、切削溝210に埋設された残存するモールド樹脂40を完全に切削する切削工程を実施する。この切削工程は、上記図11に示す切削装置300を用いて、図25の(a)乃至(d)に示すように実施する。即ち、切削装置300のチャックテーブル31上に上記モールド樹脂除去工程が実施された半導体ウエーハ2が貼着されたサポート部材としてのダイシングテープT側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、ダイシングテープTを介して半導体ウエーハ2をチャックテーブル31上に吸引保持する(ウエーハ保持工程)。従って、チャックテーブル31に保持された半導体ウエーハ2は、図25の(a)に示すように表面に敷設されたモールド樹脂40が上側となる。このようにして、半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル31は、図示しない切削送り手段によって撮像手段33の直下に位置付けられる。
チャックテーブル31が撮像手段33の直下に位置付けられると、撮像手段33および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2に形成された切削溝210に埋設された残存するモールド樹脂40を完全に切削すべき切削領域を検出するアライメント工程を実行する。このアライメント工程は、上記第1の実施形態における切削工程のアライメント工程と同様に半導体ウエーハ2に形成された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の切削すべき切削領域を検出するアライメント作業を実行する。このアライメント工程においては、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40が半導体ウエーハ2の外周部表面に露出されているので、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を撮像手段33によって撮像することによって明確に検出することができる。
以上のようにしてチャックテーブル31上に保持されている半導体ウエーハ2の切削領域を検出するアライメントが行われたならば、半導体ウエーハ2を保持したチャックテーブル31を切削加工領域の切削開始位置に移動する。このとき、図25の(a)で示すように半導体ウエーハ2は切削すべき切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の一端(図25の(a)において左端)が切削ブレード323の環状の切れ刃323cの直下より所定量右側に位置するように位置付けるとともに、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の幅方向中央を切削ブレード323と対応する位置に位置付ける。
このようにして切削装置300のチャックテーブル31上に保持された半導体ウエーハ2が切削加工領域の切削開始位置に位置付けられたならば、切削ブレード323を図25の(a)において2点鎖線で示す待機位置から矢印Z1で示すように下方に切り込み送りし、図25の(a)において実線で示すように所定の切り込み送り位置に位置付ける。この切り込み送り位置は、図25の(c)に示すように切削ブレード323の環状の切れ刃323cの下端がハーフカット溝401に達する位置に設定されている。
次に、切削ブレード323を図25の(a)において矢印322aで示す方向に所定の回転速度で回転せしめ、チャックテーブル31を図25の(a)において矢印X1で示す方向に所定の切削送り速度で移動せしめる。そして、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の他端(図25の(b)において右端)が切削ブレード323の環状の切れ刃323bの直下より所定量左側に位置する位置まで達したら、チャックテーブル31の移動を停止する。このようにチャックテーブル31を切削送りすることにより、図25の(d)で示すように切削溝210に埋設された残存するモールド樹脂40はハーフカット溝401に達する幅が20μmの分割溝402によって完全切削される(切削工程)。この切削工程は、上述したアライメント工程において検出され半導体ウエーハ2の外周表面に露出された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の幅方向中央を切削ブレード323と対応する位置に位置付けて実施するので、半導体ウエーハ2の表面にモールド樹脂40が敷設されていても切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の幅方向中央を切削ブレード323によって切削溝210に沿って正確に切削することができるため、デバイスの側面に傷を付けるという問題が解消される。
次に、切削ブレード323を図25の(b)において矢印Z2で示すように上昇させて2点鎖線で示す待機位置に位置付け、チャックテーブル31を図25の(b)において矢印X2で示す方向に移動して、図25の(a)に示す位置に戻す。そして、チャックテーブル31を紙面に垂直な方向(割り出し送り方向)にモールド樹脂40が埋設された切削溝210の間隔(分割予定ライン21の間隔)に相当する量だけ割り出し送りし、次に切削すべき切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を切削ブレード323と対応する位置に位置付ける。このようにして、次に切削すべき切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を切削ブレード323と対応する位置に位置付けたならば、上述した切削工程を実施する。そして、上述した切削工程を半導体ウエーハ2に形成された全ての切削溝210に埋設されたモールド樹脂40に実施する。この結果、半導体ウエーハ2は、分割予定ラインに沿って形成された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40に沿って個々のデバイスに分割される。この切削工程が実施され個々のデバイスに分割された半導体ウエーハ2は、環状のフレームFに装着されたダイシングテープTに貼着された状態で次工程であるピックアップ工程に搬送され、個々のデバイス毎にピックアップされる。このようにしてピックアップされたデバイス22は、上記図13に示すように表面および側面がモールド樹脂40によって被覆されたウエーハレベルチップサイズパッケージ(WLCSP)を構成している。
次に、上記バンプ露出工程以降の本発明によるウエーハの加工方法の第5の実施形態について、上記各実施形態において実施した各工程を参照して説明する。
ウエーハの加工方法の第5の実施形態は、上記モールディング工程およびバンプ露出工程を実施した後に、半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の外周を環状に除去して切削溝210を表出させ切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を半導体ウエーハ2の表面に露出させるモールド樹脂除去工程と、半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、半導体ウエーハ2の裏面を研削して切削溝210を表出させ切削溝210に埋設されたモールド樹脂を半導体ウエーハ2の裏面に露出させる裏面研削工程を実施する。なお、モールド樹脂除去工程は上記第1の実施形態における図6および図7に示すモールド樹脂除去工程を実施し、保護部材貼着工程は上記第1の実施形態における図8に示す保護部材貼着工程を実施し、裏面研削工程は上記第1の実施形態における図9に示す裏面研削工程を実施する。
上述した裏面研削工程を実施したならば、上記第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードによって半導体ウエーハ2の裏面側から切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を略半分の深さで切削してハーフカット溝を形成するハーフカット溝形成工程と、半導体ウエーハ2の裏面にサポート部材を貼着するとともに半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の表面に貼着されている保護部材としての保護テープ6を剥離するサポート部材貼着工程と、半導体ウエーハ2の外周部に露出された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を検出し、上記第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードをモールド樹脂40の幅方向中央に位置付け、切削溝210に埋設された残存するモールド樹脂40を完全に切削する切削工程を実施する。なお、ハーフカット溝形成工程は上記第4の実施形態における図22に示すハーフカット溝形成工程を実施し、サポート部材貼着工程は上記第4の実施形態における図23に示すサポート部材貼着工程を実施し、切削工程は上記第4の実施形態における図25に示す切削工程を実施する。この結果、半導体ウエーハ2は、分割予定ラインに沿って形成された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40に沿って個々のデバイスに分割される。この切削工程が実施され個々のデバイスに分割された半導体ウエーハ2は、環状のフレームFに装着されたダイシングテープTに貼着された状態で次工程であるピックアップ工程に搬送され、個々のデバイス毎にピックアップされる。このようにしてピックアップされたデバイス22は、上記図13に示すように表面および側面がモールド樹脂40によって被覆されたウエーハレベルチップサイズパッケージ(WLCSP)を構成している。
次に、上記バンプ露出工程以降の本発明によるウエーハの加工方法の第6の実施形態について、上記各実施形態および図26および図27を参照して説明する。
ウエーハの加工方法の第6の実施形態は、上記モールディング工程およびバンプ露出工程を実施した後に、半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の外周部を環状に除去して切削溝210を表出させ切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を半導体ウエーハ2の表面に露出させるモールド樹脂除去工程を実施する。このモールド樹脂除去工程は、上記第1の実施形態における図6および図7に示すモールド樹脂除去工程を実施する。
上述したモールド樹脂除去工程を実施したならば、モールド樹脂除去工程を実施することにより半導体ウエーハ2の外周部に露出された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を検出し、上記第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードをモールド樹脂40の幅方向中央に位置付け、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を略半分の深さで切削してハーフカット溝を形成する切削工程を実施する。このハーフカット溝を形成する切削工程は、上記図11に示す切削装置300を用いて実施する。
図11に示す切削装置300を用いてハーフカット溝形成工程を実施するには、チャックテーブル31上に上記モールド樹脂除去工程が実施された半導体ウエーハ2の裏面2b側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することによってチャックテーブル31上に半導体ウエーハ2を吸引保持する。従って、チャックテーブル31上に保持された半導体ウエーハ2は、図26の(a)に示すように半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40が上側となる。このようにして、半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル31は、図示しない切削送り手段によって撮像手段33の直下に位置付けられる。
チャックテーブル31が撮像手段33の直下に位置付けられると、撮像手段33および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2に形成された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を切削してハーフカット溝を形成すべき切削領域を検出するアライメント工程を実行する。このアライメント工程は、上記第1の実施形態における切削工程のアライメント工程と同様に半導体ウエーハ2に形成された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の切削すべき切削領域を検出するアライメント作業を実行する。このアライメント工程においては、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40が半導体ウエーハ2の外周部表面に露出されているので、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を撮像手段33によって撮像することによって明確に検出することができる。
以上のようにしてチャックテーブル31上に保持されている半導体ウエーハ2の切削領域を検出するアライメントが行われたならば、半導体ウエーハ2を保持したチャックテーブル31を切削加工領域の切削開始位置に移動する。このとき、図26の(a)で示すように半導体ウエーハ2は切削すべき切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の一端(図26の(a)において左端)が切削ブレード323の環状の切れ刃323cの直下より所定量右側に位置するように位置付けるとともに、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の幅方向中央を切削ブレード323と対応する位置に位置付ける。
このようにして切削装置300のチャックテーブル31上に保持された半導体ウエーハ2が切削加工領域の切削開始位置に位置付けられたならば、切削ブレード323を図26の(a)において2点鎖線で示す待機位置から矢印Z1で示すように下方に切り込み送りし、図26の(a)において実線で示すように所定の切り込み送り位置に位置付ける。この切り込み送り位置は、図26の(c)に示すように切削ブレード323の環状の切れ刃323cの下端が切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の厚み方向中間位置に設定されている。
次に、切削ブレード323を図26の(a)において矢印322aで示す方向に所定の回転速度で回転せしめ、チャックテーブル31を図26の(a)において矢印X1で示す方向に所定の切削送り速度で移動せしめる。そして、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の他端(図26の(b)において右端)が切削ブレード323の環状の切れ刃323cの直下より所定量左側に位置する位置まで達したら、チャックテーブル31の移動を停止する。このようにチャックテーブル31を切削送りすることにより、図26の(d)で示すように切削溝210に埋設されたモールド樹脂40は略半分の深さで切削され幅が20μmのハーフカット溝403が形成される(切削工程)。この切削工程は、上述したアライメント工程において検出され半導体ウエーハ2の外周部表面に露出された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の幅方向中央を切削ブレード323と対応する位置に位置付けて実施するので、半導体ウエーハ2の表面にモールド樹脂40が敷設されていても切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の幅方向中央を切削ブレード323によって切削溝210に沿って正確に切削することができるため、デバイスの側面に傷を付けるという問題が解消される。
上述したハーフカット溝403を形成する切削工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、半導体ウエーハ2の裏面を研削して切削溝210を表出させ切削溝210に埋設されたモールド樹脂を半導体ウエーハ2の裏面に露出させる裏面研削工程を実施する。なお、保護部材貼着工程は上記第1の実施形態における図8に示す保護部材貼着工程を実施し、裏面研削工程は上記第1の実施形態における図9に示す裏面研削工程を実施する。
上述した裏面研削工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の外周部に露出された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40を検出し、上記第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードによって半導体ウエーハ2の裏面側から切削溝210に埋設された残存するモールド樹脂40を完全に切削して半導体ウエーハ2を個々のデバイスに分割する分割工程を実施する。この分割工程は、上記図11に示す切削装置300を用いて実施する。即ち、切削装置300のチャックテーブル31上に上記裏面研削工程が実施された半導体ウエーハ2の保護テープ6側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、保護テープ6を介して半導体ウエーハ2をチャックテーブル31上に吸引保持する(ウエーハ保持工程)。従って、チャックテーブル31に保持された半導体ウエーハ2は、図27の(a)に示すように裏面2bが上側となる。このようにして、半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル31は、図示しない切削送り手段によって撮像手段33の直下に位置付けられる。
チャックテーブル31が撮像手段33の直下に位置付けられると、撮像手段33および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2に形成された切削溝210に埋設された残存するモールド樹脂40を完全に切削すべき切削領域を検出するアライメント工程を実行する。このアライメント工程は、上記第4の実施形態におけるハーフカット溝形成工程のアライメント工程と同様に半導体ウエーハ2に形成された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の切削すべき切削領域を検出するアライメント作業を実行する。
次に、半導体ウエーハ2を保持したチャックテーブル31を切削加工領域の切削開始位置に移動する。このとき、図27の(a)で示すように半導体ウエーハ2は切削すべき切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の一端(図27の(a)において左端)が切削ブレード323の環状の切れ刃323cの直下より所定量右側に位置するように位置付けるとともに、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の幅方向中央を切削ブレード323と対応する位置に位置付ける。
このようにして切削装置300のチャックテーブル31上に保持された半導体ウエーハ2が切削加工領域の切削開始位置に位置付けられたならば、切削ブレード323を図27の(a)において2点鎖線で示す待機位置から矢印Z1で示すように下方に切り込み送りし、図27の(a)において実線で示すように所定の切り込み送り位置に位置付ける。この切り込み送り位置は、図27の(c)に示すように切削ブレード323の環状の切れ刃323cの下端がハーフカット溝403に達する位置に設定されている。
次に、切削ブレード323を図27の(a)において矢印322aで示す方向に所定の回転速度で回転せしめ、チャックテーブル31を図27の(a)において矢印X1で示す方向に所定の切削送り速度で移動せしめる。そして、切削溝210に埋設されたモールド樹脂40の他端(図27の(b)において右端)が切削ブレード323の環状の切れ刃323bの直下より所定量左側に位置する位置まで達したら、チャックテーブル31の移動を停止する。このようにチャックテーブル31を切削送りすることにより、図27の(d)で示すように切削溝210に埋設された残存するモールド樹脂40はハーフカット溝403に達する幅が20μmの切削溝404によって完全切削され、半導体ウエーハ2は個々のデバイスに分割される(分割工程)。
上述した分割工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の裏面にサポート部材を貼着するとともに半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の表面に貼着されている保護部材としての保護テープ6を剥離するサポート部材貼着工程を実施する。このサポート部材貼着工程は、上記第4の実施形態における図23に示すサポート部材貼着工程と同様に図28に示すように、環状のフレームFの内側開口部を覆うように外周部が装着されたサポート部材としてのダイシングテープTの表面に上述した分割工程が実施された半導体ウエーハ2の裏面2bを貼着し、半導体ウエーハ2の表面に敷設されたモールド樹脂40の表面に貼着されている保護テープ6を剥離する。このようにしてダイシングテープTに貼着された半導体ウエーハ2に形成された切削溝210に埋設されたモールド樹脂40には、上記ハーフカット溝403と切削溝404が形成されている。このサポート部材貼着工程が実施された半導体ウエーハ2は、次工程であるピックアップ工程に搬送され、個々のデバイス毎にピックアップされる。このようにしてピックアップされたデバイス22は、上記図13に示すように表面および側面がモールド樹脂40によって被覆されたウエーハレベルチップサイズパッケージ(WLCSP)を構成している。
2:半導体ウエーハ
21:分割予定ライン
22:デバイス
3,30:切削装置
31:切削装置のチャックテーブル
32:切削手段
323:切削ブレード
4:樹脂被覆装置
40:モールド樹脂
5:研磨装置
51:研磨装置のチャックテーブル
52:研磨手段
524:研磨工具
6:保護テープ
7:研削装置
71:研削装置のチャックテーブル
72:研削手段
76:研削ホイール
F:環状のフレーム
T:ダイシングテープ

Claims (7)

  1. 表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域に表面にバンプを備えたデバイスが形成されたウエーハの加工方法であって、
    第1の厚みを有する切削ブレードによってウエーハの表面側から分割予定ラインに沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの切削溝を形成する切削溝形成工程と、
    該切削溝形成工程が実施されたウエーハの表面にモールド樹脂を敷設するとともに該切削溝にモールド樹脂を埋設するモールディング工程と、
    該モールディング工程が実施されたウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の外周部を環状に除去して該切削溝を表出させ該切削溝に埋設されたモールド樹脂をウエーハの表面に露出させるモールド樹脂除去工程と、
    該モールド樹脂除去工程が実施されウエーハの外周部に露出された該切削溝に埋設されたモールド樹脂を検出し、該第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードをモールド樹脂の幅方向中央に位置付け、切削ブレードによってモールド樹脂を該切削溝に沿って切削する切削工程と、を含み、
    該モールディング工程では、該バンプが露出するようにウエーハの表面にモールド樹脂を被覆して、該モールド樹脂除去工程を実施する前に該モールド樹脂で被覆されたウエーハの表面に該バンプが露出した状態とするか、又は、該モールディング工程において、該バンプがモールド樹脂によって被覆される場合は、デバイスの表面に形成された該バンプを露出させるバンプ露出工程を実施して、該モールド樹脂除去工程を実施する前に該モールド樹脂で被覆されたウエーハの表面に該バンプが露出した状態とするウエーハ加工方法。
  2. 該モールド樹脂除去工程を実施した後に、ウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、ウエーハの裏面を研削してデバイスの仕上がり厚さに形成する裏面研削工程と、ウエーハの裏面にサポート部材を貼着するとともにウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に貼着されている保護部材を剥離するサポート部材貼着工程とを実施し、該切削工程は該サポート部材貼着工程を実施した後に実施する、請求項1記載のウエーハの加工方法。
  3. 該モールディング工程を実施した後に、ウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、ウエーハの裏面を研削してデバイスの仕上がり厚さに形成する裏面研削工程と、ウエーハの裏面にサポート部材を貼着するとともにウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に貼着されている保護部材を剥離するサポート部材貼着工程とを実施し、その後に該モールド樹脂除去工程と該切削工程を実施する、請求項1記載のウエーハの加工方法。
  4. 該モールド樹脂除去工程を実施した後に、該切削工程において該切削溝の底面に達する切断溝を形成し、その後にウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、ウエーハの裏面を研削してデバイスの仕上がり厚さに形成してウエーハを個々のデバイスに分割する裏面研削工程と、ウエーハの裏面にサポート部材を貼着するとともにウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に貼着されている保護部材を剥離するサポート部材貼着工程を実施する、請求項1記載のウエーハの加工方法。
  5. 表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域に表面にバンプを備えたデバイスが形成されたウエーハの加工方法であって、
    第1の厚みを有する切削ブレードによってウエーハの表面側から分割予定ラインに沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの切削溝を形成する切削溝形成工程と、
    該切削溝形成工程が実施されたウエーハの表面にモールド樹脂を敷設するとともに該切削溝にモールド樹脂を埋設するモールディング工程と、
    該モールディング工程が実施されたウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の外周部を環状に除去して該切削溝を表出させ該切削溝に埋設されたモールド樹脂をウエーハの表面に露出させるモールド樹脂除去工程と、
    該モールド樹脂除去工程が実施されウエーハの外周部に露出された該切削溝に埋設されたモールド樹脂を検出し、該第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードをモールド樹脂の幅方向中央に位置付け、切削ブレードによってモールド樹脂を該切削溝に沿って切削する切削工程と、を含み、
    該モールディング工程を実施した後に、ウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、ウエーハの裏面を研削してデバイスの仕上がり厚さに形成するとともに該切削溝を表出させ該切削溝に埋設されたモールド樹脂をウエーハの裏面に露出させる裏面研削工程と、該第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードによってウエーハの裏面側から該切削溝に埋設されたモールド樹脂を略半分の深さで切削してハーフカット溝を形成するハーフカット溝形成工程と、ウエーハの裏面にサポート部材を貼着するとともにウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に貼着されている保護部材を剥離するサポート部材貼着工程とを実施し、その後に該モールド樹脂除去工程と該切削工程を実施する、請求項1記載のウエーハの加工方法。
  6. 表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域に表面にバンプを備えたデバイスが形成されたウエーハの加工方法であって、
    第1の厚みを有する切削ブレードによってウエーハの表面側から分割予定ラインに沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの切削溝を形成する切削溝形成工程と、
    該切削溝形成工程が実施されたウエーハの表面にモールド樹脂を敷設するとともに該切削溝にモールド樹脂を埋設するモールディング工程と、
    該モールディング工程が実施されたウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の外周部を環状に除去して該切削溝を表出させ該切削溝に埋設されたモールド樹脂をウエーハの表面に露出させるモールド樹脂除去工程と、
    該モールド樹脂除去工程が実施されウエーハの外周部に露出された該切削溝に埋設されたモールド樹脂を検出し、該第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードをモールド樹脂の幅方向中央に位置付け、切削ブレードによってモールド樹脂を該切削溝に沿って切削する切削工程と、を含み、
    該モールド樹脂除去工程を実施した後に、ウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、ウエーハの裏面を研削してデバイスの仕上がり厚さに形成するとともに該切削溝を表出させ該切削溝に埋設されたモールド樹脂をウエーハの裏面に露出させる裏面研削工程と、該第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードによってウエーハの裏面側から該切削溝に埋設されたモールド樹脂を略半分の深さで切削してハーフカット溝を形成するハーフカット溝形成工程と、ウエーハの裏面にサポート部材を貼着するとともにウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に貼着されている保護部材を剥離するサポート部材貼着工程とを実施し、その後に該切削工程を実施する、請求項1記載のウエーハの加工方法。
  7. 表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域に表面にバンプを備えたデバイスが形成されたウエーハの加工方法であって、
    第1の厚みを有する切削ブレードによってウエーハの表面側から分割予定ラインに沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの切削溝を形成する切削溝形成工程と、
    該切削溝形成工程が実施されたウエーハの表面にモールド樹脂を敷設するとともに該切削溝にモールド樹脂を埋設するモールディング工程と、
    該モールディング工程が実施されたウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の外周部を環状に除去して該切削溝を表出させ該切削溝に埋設されたモールド樹脂をウエーハの表面に露出させるモールド樹脂除去工程と、
    該モールド樹脂除去工程が実施されウエーハの外周部に露出された該切削溝に埋設されたモールド樹脂を検出し、該第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードをモールド樹脂の幅方向中央に位置付け、切削ブレードによってモールド樹脂を該切削溝に沿って切削する切削工程と、を含み、
    該モールド樹脂除去工程を実施した後に、該切削工程において該切削溝に埋設されたモールド樹脂の略半分の深さのハーフカット溝を形成し、その後にウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に保護部材を貼着する保護部材貼着工程と、ウエーハの裏面を研削してデバイスの仕上がり厚さに形成するとともに該切削溝を表出させ該切削溝に埋設されたモールド樹脂をウエーハの裏面に露出させる裏面研削工程と、該第1の厚みより薄い第2の厚みを有する切削ブレードによってウエーハの裏面側から該切削溝に埋設された残存するモールド樹脂を完全に切削して個々のデバイスに分割する分割工程と、ウエーハの裏面にサポート部材を貼着するとともにウエーハの表面に敷設されたモールド樹脂の表面に貼着されている保護部材を剥離するサポート部材貼着工程とを実施する、請求項1記載のウエーハの加工方法。
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