JP6555621B2 - 車体下部構造 - Google Patents
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Description
ところで、車体下部の空力を考慮してキャニスタがカバー部材で下方から覆われることがある。この場合、キャニスタ(すなわち、車載部品)の下方への変位がカバー部材で抑えられ、衝撃荷重の吸収が難しくなることが考えられる。
また、カバー部材にカバー変位許容手段を備えた。カバー変位許容手段は、車両の側方から衝撃荷重が入力した際に、車載部品の下方への変位を許容する。よって、カバー部材で覆われた車載部品を下方へ変位させることができる。これにより、車両の側部を好適に変形させて衝撃荷重を吸収できる。この結果、エネルギ源に作用する荷重を抑制して、エネルギ源を衝撃荷重から保護できる。
また、カバー本体を結合部(すなわち、カバー変位許容手段)で車載部品に結合させた。よって、カバー本体とともに車載部品を下方へ良好に変位させることができる。これにより、車体下部構造の側部を好適に変形させて衝撃荷重を吸収できる。
また、カバー部材をアンダカバーと別体とした。よって、カバー部材を下方へ移動させる際に、アンダカバーで抑制されることなくカバー部材を下方へ移動させることができる。これにより、カバー部材とともに車載部品を下方へ変位させることができる。
なお、実施形態の車体下部構造10は、左側部と右側部とが略左右対称の構成であり、以下、左側部と右側部との各構成部に同じ符号を付し、左側部の各構成部について詳しく説明する。
図1、図2ように、車体下部構造10は、フロアパネル12と、フロアパネル12の左外側部12aに設けられた左サイドシル13と、フロアパネル12の右外側部12bに設けられた右サイドシル14と、左サイドシル13の内側に設けられた左フロアフレーム16と、右サイドシル14の内側に設けられた右フロアフレーム17とを備える。
また、車体下部構造10は、左サイドシル13および右サイドシル14間に架け渡されたクロスメンバ18と、燃料タンク(エネルギ源)21と、排気ユニット22と、キャニスタ(車載部品)23と、カバーユニット25とを備える。
第1排気管27は、右フロアフレーム17の下方を経て消音器28まで延びている。第2排気管29は、消音器28からクロスメンバ18の下方を経て車体後方へ延びている。
消音器28は、フロアパネル12の下方で、かつ、右サイドシル14寄りの領域33に設けられている。領域33は、右サイドシル14および右フロアフレーム17間に形成されている。
キャニスタ23によれば、エンジンが作動している間は、インテークマニホールドの負圧によってキャニスタ23内の空気が吸引され、キャニスタ23内に外気が流入する。キャニスタ23の内部を外気が通過することにより、キャニスタ23内の活性炭に吸着された燃料蒸気が活性炭から分離され、エンジンの燃焼室に送られて燃焼される。
一対の外取付部41bは、車体前後方向に間隔をおいて配置されている。一対の内取付部41cは、車体前後方向に間隔をおいて配置されている。
一対の外取付部41bが、左サイドシル13の下部13aにボルト43、ナット44で取り付けられている。また、一対の内取付部41cが、左フロアフレーム16の下部55にボルト46、ナット47で取り付けられている。
この状態において、膨出部41aの右傾斜部41dが左フロアフレーム16側に位置する。右傾斜部41dは、一対の内取付部41cから車幅方向外側へ向けて上り勾配の傾斜状に形成されている。
左サイドシル13は、フロアパネル12の車幅方向左外側に設けられて車体前後方向へ延びている。また、左サイドシル13は、インナ部材53とアウタ部材54とで閉断面に形成されている。
下部55、内側壁56、外側壁57、内フランジ58および外フランジ59で右サイドシル14が断面略ハット状に形成されている。内フランジ58および外フランジ59がフロアパネル12に結合されている。左フロアフレーム16およびフロアパネル12で閉断面が形成されている。
アンダカバー65は、例えば、可撓性を有する樹脂材で形成されている。アンダカバー65は、右フロアフレーム17と左サイドシル13とに取り付けられている。具体的には、アンダカバー65は、右フロアフレーム17に沿って右側部71が形成され、左サイドシル13に沿って左側部72が形成されている。また、アンダカバー65は、キャニスタ23の下方の部位に開口部73が形成されている。
アンダカバー65の右側部71は、右フロアフレーム17に下方からボルト、ナット(図示せず)で取り付けられている。アンダカバー65の左側部72は、左サイドシル13の下部13aに下方からボルト、ナット(図示せず)で取り付けられている。これにより、アンダカバー65により、燃料タンク21、左フロアフレーム16、および右フロアフレーム17などが下方から覆われる。
アンダカバー65には、前スリット75および後スリット76が形成されている。
後スリット76は、開口部73の後角部73eから車体後方で、かつ車幅方向内側に向けて斜めに延びている。後角部73eは、開口内側部73aと開口後端部73cとが交差する部位である。
カバー部材66は、例えば、可撓性を有する樹脂材で形成されたカバー本体81と、カバー本体81に設けられたカバー変位許容手段82とを備えている。カバー本体81は、外側部81aと、内側部81bと、前端部81cと、後端部81dとを有する。外側部81a、内側部81b、前端部81cおよび後端部81dでカバー本体81が矩形状に形成されている。カバー本体81は、外側部81aの近傍の部位に折曲部81eが形成されている。折曲部81eは、下方へ向けて膨出するように折り曲げられている。
外側部81aは、左サイドシル13の下部13aにボルト85、ナット86で取り付けられている。内側部81bには内段差部87が上方へ向けて段差状に形成されている。内段差部87は、開口部73の開口内側部73aの内面に載置されている。
このように、内段差部87が開口内側部73aの内面に載置されている。前段差部88が開口前端部73bの内面に載置されている。後段差部89が開口後端部73cの内面に載置されている。
この状態において、アンダカバー65の下面高さ寸法H1と、カバー本体81の下面高さ寸法H1とが同等に設定されている。
これにより、車体下部の空気の流れをアンダカバー65とカバー部材66とで好適に保ち、空力性能を高めることができる。
特に、カバー本体81は、折曲部81eが下方へ向けて膨出するように折り曲げられている。よって、カバー部材66を一層良好に下方へ移動させることができる。このように、カバー部材66を一層良好に下方へ移動させることにより、カバー部材66とともにキャニスタ23を下方へ変位させることができる。
これにより、カバー部材66とアンダカバー65との間から、例えば雪などが車内側(すなわち、カバー部材66やアンダカバー65の上方側)に浸入することを抑制できる。
さらに、アンダカバー65に前スリット75および後スリット76を形成した。よって、アンダカバー65のうち、前スリット75および後スリット76間の開口内側部73aを、カバー本体81の内側部81bおよび内段差部87により下方に変形させることができる。
図6(a)に示すように、車両Veの側方から左サイドシル13に障害物95が衝突する。左サイドシル13に障害物95から衝撃荷重F2が入力する。
左サイドシル13の外側壁13bが変形した後、左サイドシル13が車幅方向内側へ矢印Aの如く移動する。すなわち、車体下部構造10の側部10aが変形する。よって、左サイドシル13とともにキャニスタ23が矢印A方向へ移動する。
キャニスタ23が移動することにより、一対の内取付部41cがボルト46(図4参照)から外れる。さらに、キャニスタ23が移動することにより、取付ブラケット41の右傾斜部41dが左フロアフレーム16の下部55に干渉する。
このように、荷重F3の下向き分力F4が作用することにより、キャニスタ23(特に、取付ブラケット41の一対の内取付部41c側)が下向き分力F4により矢印Bの如く下方へ押し下げられる。
さらに、カバー本体81の内面がキャニスタ23の下部23aに結合部91で結合されている。よって、カバー部材66とともにキャニスタ23を下方へ良好に変位させることができる。
これにより、キャニスタ23およびカバー部材66を矢印Bの如く円滑に下方に変位させることができる。
このように、車体下部構造10によれば、キャニスタ23に影響されることなく、左サイドシル13を左フロアフレーム16まで車幅方向内側に変形させることができる。よって、燃料タンク21に影響を与えることなく、左サイドシル13を車幅方向内側に好適に変形させることができる。これにより、左サイドシル13に入力した衝撃荷重F2を良好に吸収できる。
図8に示すように、カバーユニット100は、アンダカバー102と、カバー部材103とを備えている。カバーユニット100は、アンダカバー102とカバー部材103とが一体に形成され、アンダカバー102とカバー部材103との境界にカバー変位許容手段104が形成されている。カバー変位許容手段104は脆弱部105である。
カバー部材103は、第1実施形態のカバー変位許容手段82をカバー変位許容手段104に代えたものでその他の構成は第1実施形態のカバー部材66と同様である。
脆弱部105としては、例えば、カバー本体81の内面にスリット、穴、薄肉、材料などにより形成される。
脆弱部105は、内側脆弱部105a、前端脆弱部105b、後端脆弱部105cでU字状に形成されている。
図9に示すように、カバー部材120は、左サイドシル13に外側部120aが取り付けられ、左フロアフレーム16に内側部120bが取り付けられている。カバー部材120は、可撓性を有する樹脂材で形成され、カバー本体を形成する部材である。カバー部材120は、カバー変位許容手段121を備えている。
カバー変位許容手段121は、カバー部材120の外側部120aと内側部120bとの間の幅寸法W1をキャニスタの幅寸法W2よりも大きく設定している。
内側部120bは、車幅方向内側の端部である。内側部120bは、左フロアフレーム16の下部55(すなわち、車体)にボルト122、ナット123で取り付けられている。
カバー部材120の幅寸法W1は、外側部120aと内側部120bとの間の幅寸法である。カバー部材120の幅寸法W1は、カバー変位許容手段121により、キャニスタ23の幅寸法W2よりも充分に大きく設定されている。
特に、カバー部材120は、外折曲部120c、内折曲部120d(図9参照)が下方へ向けて膨出するように折り曲げられている。よって、カバー部材120を一層良好に下方へ充分に大きくたわませることができる。
これにより、キャニスタ23を下方へ変位させる際に、カバー部材120の影響を受けることなく、キャニスタ23を下方へ良好に変位させることができる。
このように、カバー部材120の幅寸法W1は、車両Veの側方から衝撃荷重F6が入力した際に、キャニスタ23の下方への変位を許容するようにカバー部材120が下方にたわむように設定されている。
例えば、前記第1実施形態〜第3実施形態では、エネルギ源として燃料タンク21を例示したが、これに限定しない。例えば、バッテリ、燃料電池スタック(fuel cell stack)などをエネルギ源として用いることも可能である。
この場合においても、脆弱部をカバー本体81の内側部81bおよび内段差部87で破断することにより、開口内側部73aを下方に変形させることができる。
10………車体下部構造
10a……車体下部構造の側部
12………フロアパネル
12a……フロアパネルの左外側部(車両の外側部)
12b……フロアパネルの右外側部(車両の外側部)
13,14…左右のサイドシル
13a……左サイドシルの下部(車体)
21………燃料タンク(エネルギ源)
23………キャニスタ(車載部品)
55………左フロアフレームの下部(車体)
65,102…アンダカバー
66,103,120…カバー部材
81…カバー本体
82,104,121…カバー変位許容手段
87………内段差部(カバー部材の少なくとも一部)
88………前段差部(カバー部材の少なくとも一部)
89………後段差部(カバー部材の少なくとも一部)
91………結合部
105……脆弱部
105a…内側脆弱部
105b…前端脆弱部
105c…後端脆弱部
120a…カバー部材の外側部
120b…カバー部材の内側部
F1,F2,F5,F6…衝撃荷重
H1………アンダカバーとカバー本体との下面高さ寸法
W1………カバー部材の幅寸法
W2………キャニスタの幅寸法
Claims (8)
- 車両のエネルギ源と、
前記エネルギ源の車幅方向に配置された車載部品と、
前記車載部品を下方から覆うカバー部材と、を備えた車体下部構造において、
前記エネルギ源を下方から覆い、前記車載部品の下方に開口部を有するアンダカバーを備え、
前記カバー部材は、
前記車載部品を下方から覆うカバー本体と、
前記カバー本体を下方に変位させることにより、前記車載部品の下方への変位を許容するカバー変位許容手段と、を備え、
前記カバー部材の前記カバー本体は、前記アンダカバーの前記開口部に配置されていることを特徴とする車体下部構造。 - 前記車両の外側部に設けられ、車体前後方向へ延びるサイドシルを備え、
前記サイドシルに前記カバー本体の外側部が取り付けられ、
前記カバー変位許容手段は、
前記カバー本体に前記車載部品を結合する結合部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の車体下部構造。 - 前記車載部品に結合された前記カバー部材とは別体の前記アンダカバーを備え、
前記アンダカバーと前記カバー部材の下面高さ寸法が同等であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車体下部構造。 - 前記カバー部材は、前記アンダカバーに対して、少なくとも一部が上下方向で重なるように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の車体下部構造。
- 前記カバー変位許容手段は、
前記カバー本体に設けられた脆弱部であることを特徴とする請求項1に記載の車体下部構造。 - 前記カバー部材は、
車幅方向外側の外側部と、車幅方向外側の内側部とが車体に取り付けられ、
前記カバー変位許容手段として、前記カバー部材を下方へたるませるように、前記外側部と前記内側部との間の幅寸法を前記車載部品の幅寸法よりも大きく設定した、
ことを特徴とする請求項1に記載の車体下部構造。 - 車両のエネルギ源と、
前記エネルギ源の車幅方向に配置された車載部品と、
前記車載部品を下方から覆うカバー部材と、を備えた車体下部構造において、
前記カバー部材は、
前記車載部品を下方から覆うカバー本体と、
前記カバー本体を下方に変位させることにより、前記車載部品の下方への変位を許容するカバー変位許容手段と、を備え、
前記車載部品に結合された前記カバー部材とは別体のアンダカバーを備え、
前記アンダカバーと前記カバー部材の下面高さ寸法が同等であることを特徴とする車体下部構造。 - 車両のエネルギ源と、
前記エネルギ源の車幅方向に配置された車載部品と、
前記車載部品を下方から覆うカバー部材と、を備えた車体下部構造において、
前記カバー部材は、
前記車載部品を下方から覆うカバー本体と、
前記カバー本体を下方に変位させることにより、前記車載部品の下方への変位を許容するカバー変位許容手段と、を備え、
前記カバー部材は、
車幅方向外側の外側部と、車幅方向外側の内側部とが車体に取り付けられ、
前記カバー変位許容手段として、前記カバー部材を下方へたるませるように、前記外側部と前記内側部との間の幅寸法を前記車載部品の幅寸法よりも大きく設定した、
ことを特徴とする車体下部構造。
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