[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係る毛管水耕栽培装置は、水平に配設される樋状の枠体及びその枠体内に充填される複数の粒子を有し、作物を着生させる培地部と、培養液が貯留され、この培養液の液面が上記培地部の粒子層の上面より低レベルになるよう上記培地部と平行に配設される樋状の貯留槽と、この貯留槽内の培養液を毛管現象によって上記培地部の粒子層の底部に供給する送液部と、上記培地部及び貯留槽を懸架する架台とを備える毛管水耕栽培装置であって、上記貯留槽の構成材料が合成樹脂を主成分とし、上記貯留槽と架台との係合機構が、相対的に貯留槽の長手方向に移動可能な遊びを有している。
当該毛管水耕栽培装置は、貯留槽の構成材料が合成樹脂を主成分としているので、貯留槽の製造コストを比較的低く抑えることができると共に、貯留槽の軽量化を図り、装置の取扱性を向上することができる。また、当該毛管水耕栽培装置は、貯留槽と架台との係合機構が相対的に貯留槽の長手方向に移動可能な遊びを有しているので、貯留槽が太陽光等によって熱収縮した場合でも、貯留槽及び架台の熱収縮率の相違に起因して貯留槽が破損することを防止することができる。
上記架台が、上記貯留槽の短手方向両側に立設される複数対の支柱と、上記複数対の支柱における各対の支柱に十字状に連結される複数の桟材と、上記複数の桟材に連結され、水平に配設される複数の桁材とを備えるとよい。このように、各対の支柱に桟材が十字状に連結され、かつ複数の桁材が複数の桟材に連結されていることによって、各桟材の支柱との連結部を支柱の軸方向に位置調整することで複数の桁材を水平に配設できる。そのため、当該毛管水耕栽培装置の設置面が水平でない場合であっても、貯留槽を水平に配設して培養液の漏水等を防止することができる。
上記係合機構が貯留槽の上部から突出する複数のフックを有し、これらの複数のフックが上記複数の桁材に引っ掛けられているとよい。このように、上記係合機構が貯留槽の上部から突出する複数のフックを有し、これらの複数のフックが上記複数の桁材に引っ掛けられていることによって、貯留槽を水平に配設することが容易であると共に、貯留槽の破損を容易かつ確実に防止することができる。
上記複数のフックが引っ掛けられている複数の桁材に上記培地部の枠体が懸架されているとよい。このように、複数のフックが引っ掛けられている複数の桁材に上記培地部の枠体が懸架されていることによって、枠体及び貯留槽を共に水平に配設することが容易であると共に、送液部を介して培養液を粒子層の底部に供給し易い。また、かかる構成によると、当該毛管水耕栽培装置の省スペース化を促進し易い。
なお、本明細書において、「枠体が水平に配設される」とは、軸と垂直な任意の断面における枠体の最下部間の鉛直方向距離が2cm以下であることをいい、好ましくは1cm以下であることをいう。また、「桁材が水平に配設される」とは、桁材の中心軸の両端での鉛直方向距離が2cm以下であることをいい、好ましくは1cm以下であることをいう。「樋状」とは、底壁及び対向する一対の側壁によって画定される溝を有する形状をいい、一対の側壁の断面形状等については何ら限定されるものではない。「平行」とは、一方の対象物の中心軸上の各点における他方の対象物の中心軸までの垂直方向距離の差が2cm以下であることをいい、好ましくは1cm以下であることをいう。「主成分」とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。支柱及び桟材が「十字状に連結される」とは、支柱及び桟材が中心軸同士のなす角が90°±10°以下の状態で連結されていることをいい、好ましくは、中心軸同士のなす角が90°±5°以下の状態で連結されていることをいう。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る毛管水耕栽培装置について説明する。
[第1実施形態]
<毛管水耕栽培装置>
図1及び図2の毛管水耕栽培装置1は、水平に配設される樋状の枠体11及び枠体11内に充填される複数の粒子12を有し、作物Xを着生させる培地部2と、培養液Yが貯留され、この培養液Yの液面が培地部2の粒子層(枠体11に複数の粒子12が充填されることで形成される層)の上面より低レベルになるよう培地部2と平行に配設される樋状の貯留槽3と、貯留槽3内の培養液Yを毛管現象により培地部2の粒子層の底部に供給する送液部4と、培地部2及び貯留槽3を懸架する架台5とを備える。また、当該毛管水耕栽培装置1は、貯留槽3の構成材料が合成樹脂を主成分としている。当該毛管水耕栽培装置1は、貯留槽3と架台5との係合機構が、相対的に貯留槽3の長手方向に移動可能な遊びを有している。
当該毛管水耕栽培装置1は、貯留槽3の構成材料が合成樹脂を主成分としているので、貯留槽3の製造コストを比較的低く抑えることができると共に、貯留槽3の軽量化を図り、装置の取扱性を向上することができる。また、当該毛管水耕栽培装置1は、貯留槽3と架台5との係合機構が相対的に貯留槽3の長手方向に移動可能な遊びを有しているので、貯留槽3が太陽光等によって熱収縮した場合でも、貯留槽3及び架台5の熱収縮率の相違に起因して貯留槽3が破損することを防止することができる。
さらに、当該毛管水耕栽培装置1は、培地部2の枠体11が樋状に形成されているのでこの枠体11の長手方向に複数の株を一列に配置することができる。加えて、当該毛管水耕栽培装置1は、樋状の貯留槽3が培地部2と平行に配設されているので、この貯留槽3内の培養液Yを送液部4を介して各株に効率的に供給し易い。従って、当該毛管水耕栽培装置1は、複数の株を比較的小さいスペースで効率的かつ確実に栽培することができる。
(培地部)
培地部2は、樋状の枠体11内に複数の粒子12が充填された構成を有する。枠体11は、長手方向と垂直方向の断面がU字状に構成されている。枠体11は、透水性及び防根性を有する帯状の透水シートによって構成されている。詳細には、枠体11は、上記透水シートが後述する一対の桁材23に懸架されることで形成されている。上記透水シートは、幅方向の中心部を下方に弛ませた状態で幅方向の両端側が一対の桁材23に固定されている。上記透水シートは、例えば幅方向の両端側が一対の桁材23に当接した状態で、軸方向の切欠きを有する筒状の固定具13を外側から嵌め込むことで一対の桁材23に固定される。なお、枠体11は、必ずしも1枚の透水シートから構成される必要はなく、複数枚の透水シートが連続的又は断続的に配設されて構成されてもよい。
枠体11の素材としては、特に限定されるものではなく、例えば紙、織布、不織布等が挙げられる。
枠体11の平均厚さの下限としては、0.1mmが好ましく、0.2mmがより好ましい。一方、枠体11の平均厚さの上限としては、5mmが好ましく、3mmがより好ましい。枠体11の平均厚さが上記下限に満たないと、防根性が損なわれるおそれがある。逆に、枠体11の平均厚さが上記上限を超えると、上記透水シートのコストが高くなり過ぎるおそれがある。なお、「平均厚さ」とは、任意の10点の厚さの平均値をいう。
枠体11の平均深さ(一対の桁材23の上端から枠体11の最下部までの鉛直方向の平均長さ)の下限としては、2cmが好ましく、3cmがより好ましい。一方、枠体11の平均深さの上限としては、15cmが好ましく、14cmがより好ましい。枠体11の平均深さが上記下限に満たないと、枠体11内に粒子12を十分に充填できないおそれがある。逆に、枠体11の平均深さが上記上限を超えると、抵抗が大きくなり過ぎて毛管現象による吸水速度が小さくなり過ぎるおそれがある。また、枠体11の平均深さが上記上限を超えると、枠体11内に充填される粒子12が不要に多くなるおそれや、培地部2に着生される作物Xを手入れし難くなるおそれがある。
枠体11の長手方向長さの下限としては、1mが好ましく、1.5mがより好ましく、2mがさらに好ましい。一方、枠体11の長手方向長さの上限としては、30mが好ましく、26mがより好ましく、24mがさらに好ましい。枠体11の長手方向長さが上記下限に満たないと、多数の株を効率的に栽培することが困難になるおそれがある。逆に、枠体11の長手方向長さが上記上限を超えると、当該毛管水耕栽培装置1が大きくなり過ぎて取扱性が低下するおそれがある。なお、当該毛管水耕栽培装置1は、貯留槽3内の培養液Yを上記粒子層の底部に供給するものであるため、枠体11の長手方向長さは後述する貯留槽3の長手方向長さと略等しいことが好ましい。
複数の粒子12は、枠体11内に充填されて粒子層を構成する。粒子12としては、枠体11内に充填されて毛管現象を発現するものであれば特に限定されないが、例えば土壌、パミスサンド等の微粒軽石、多孔性の火山岩の粉砕粒、粒状のロックウール、コーラルサンド、サンゴ、木炭等が挙げられる。これらは2種以上を混合して用いてもよい。中でも、良好な毛管現象が確保され、また不要になった場合に自然土に返せる観点から、土壌が好ましい。
上記土壌としては、例えば市販の園芸用の培土、バーミキュライト、ベントナイト、ゼオライト、砂、鹿沼土、赤玉土、真砂土等が挙げられる。これらの中でも、作物Xの根病を発生し難い点から、一般的な培土に比べて有機物含量が低く微生物生息数も少ない砂が好ましい。
粒子12の粒子径の下限としては、0.1mmが好ましく、0.15mmがより好ましい。一方、粒子12の粒子径の上限としては、1mmが好ましく、0.6mmがより好ましい。粒子12の粒子径が上記下限に満たないと、培養液Yを作物Xの根部に供給する領域の空隙部分が少なくなり過ぎて過湿となり、雑菌が繁殖し易くなるおそれがある。逆に、粒子12の粒子径が上記上限を超えると、培養液Yを作物Xの根部に供給する領域の空隙が大きくなり過ぎて毛管現象が弱くなり、所定量の培養液Yを作物Xの根部に供給できなくなるおそれがある。なお、「粒子径」とは、JIS−Z8801−1:2006に規定される篩を用い、目開きの大きい篩から順に粒子をかけて篩上の粒子数と各篩の目開きとから算出される粒子の平均径である。
粒子径0.1mm以上1mm以下の粒子12の含有割合の下限としては、50質量%が好ましく、80質量%がより好ましい。上記含有割合が上記下限に満たないと、複数の粒子12によって発現される毛管現象が弱くなり、所定量の培養液Yを作物Xの根部に供給できなくなるおそれがある。
(貯留槽)
貯留槽3は、枠体11の下方に配設されている。また、貯留槽3は、平面視で上記粒子層を含むよう配設されている。貯留槽3は、長手方向に伸びる一対の側壁の上部に後述するフック31を係合するための複数の貫通孔を有する。貯留槽3は、長手方向の両端が一対の端壁によって封止されており、これによって内部に培養液Yを貯留可能に構成されている。貯留槽3は、一対の側壁の上辺が水平になるよう配設されている。貯留槽3は、内部に貯留される培養液Yの液面が枠体11の底面よりも低レベルになるよう設けられている。
貯留槽3の短手方向の断面形状としては、特に限定されるものではないが、中心鉛直線を基準として左右対称に構成されることが好ましい。当該毛管水耕栽培装置1は、貯留槽3の短手方向の断面形状が中心鉛直線を基準として左右対称に構成されることによって、貯留槽3をバランスよく維持し易い。貯留槽3の短手方向の具体的断面形状としては、例えばU字状、角U字状、V字状、T字状等が挙げられる。
貯留槽3の構成材料は、合成樹脂を主成分としている。上記合成樹脂としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。また、上記熱可塑性樹脂の中でも、軽量性及び断熱性に優れる点において、発泡ABS樹脂、発泡AES樹脂、発泡ASA樹脂、発泡ポリスチレン、発泡ポリエステル、発泡ポリプロピレン等の発泡熱可塑性樹脂が好ましい。これらの発泡熱可塑性樹脂の中でも、耐候性、耐水性、成形性、寸法安定性、耐酸性、耐アルカリ性、強度等を向上できる点において発泡ポリスチレンが特に好ましい。
上記発泡樹脂の発泡倍率の下限としては、1.5倍が好ましく、1.8倍がより好ましい。一方、上記発泡樹脂の発泡倍率の上限としては、2.5倍が好ましく、2.2倍がより好ましい。上記発泡樹脂の発泡倍率が上記下限に満たないと、十分に軽量化できないおそれがある。逆に、上記発泡樹脂の発泡倍率が上記上限を超えると、貯留槽3の強度が不十分となり、貯留槽3が破損し易くなるおそれがある。なお、「発泡倍率」とは、未発泡状態の素材の密度を発泡させた素材の密度で割った値を意味する。また、上述の貫通孔にフック31を係合する場合、貫通孔の周囲の強度を向上させるため、貫通孔の周囲(特に貫通孔の上縁近辺)については、それ以外の部分より発泡倍率の小さい発泡樹脂を用いて形成されてもよい。
貯留槽3の長手方向長さの下限としては、1mが好ましく、1.5mがより好ましく、2mがさらに好ましい。一方、貯留槽3の長手方向長さの上限としては、30mが好ましく、26mがより好ましく、24mがさらに好ましい。貯留槽3の長手方向長さが上記下限に満たないと、多数の株を効率的に栽培することが困難になるおそれがある。逆に、貯留槽3の長手方向長さが上記上限を超えると、当該毛管水耕栽培装置1が大きくなり過ぎて取扱性が低下するおそれがある。なお、貯留槽3は、1個の樋状部材から形成されてもよく、複数の樋状部材を接着剤を用いて長手方向に連結することで形成されてもよい。
貯留槽3の各壁(底壁、側壁及び端壁)の平均厚さの下限としては、5mmが好ましく、6mmがより好ましい。一方、上記平均厚さの上限としては、10mmが好ましく、9mmがより好ましい。上記平均厚さが上記下限に満たないと、貯留槽3の強度が不十分となり、貯留槽3が破損し易くなるおそれがある。逆に、上記平均厚さが上記上限を超えると、貯留槽3が重くなると共に製造コストが高くなるおそれがある。なお、上述の貫通孔にフック31を係合する場合、貫通孔の上縁近辺に荷重がかかるので、貫通孔の上縁近辺の平均厚さを他の部分よりも厚くしてもよい。
(送液部)
送液部4は、貯留槽3内の培養液Yを毛管現象により揚水し、上記粒子層の底部に供給する。送液部4は、一端側が貯留槽3内の培養液Yに浸漬されると共に、他端側が枠体11の底面に当接する給水マットから構成されている。送液部4の他端側は、後述する一対の第1棒材24に載置され、かつ上方から枠体11の底面に押さえつけられている。当該毛管水耕栽培装置1は、このように送液部4が一対の第1棒材24及び枠体11によって挟持されていることによって、比較的簡易な構造により培養液Yを上記粒子層の底部に容易かつ確実に安定供給することができる。なお、送液部4は、必ずしも1枚の給水マットから構成される必要はなく、複数枚の給水マットが連続的又は断続的に配設されて構成されてもよい。
送液部4の素材としては、毛管現象によって培養液Yを上記粒子層の底部に供給可能である限り特に限定されないが、例えば不織布、ロックウールシート、フェルトシート、ウレタンシート等が挙げられる。中でも、適度な毛管現象の発現及び適切な吸水率を発揮できる点から不織布が好ましい。
送液部4の透水率の下限としては、0.01%が好ましく、1%がより好ましい。一方、送液部4の透水率の上限としては、40%が好ましく、30%がより好ましい。送液部4の透水率が上記下限に満たないと、上記粒子層の底部に供給される培養液Yの量が不十分となるおそれがある。逆に、送液部4の透水率が上記上限を超えると、給水マットのコストが高くなり過ぎるおそれがある。なお、「透水率」とは、平面状の給水マットの表面から水を散布した際に給水マットの裏面へ通過した水の比率をいう。
送液部4の平均厚さの下限としては、0.5mmが好ましく、0.7mmがより好ましい。一方、送液部4の平均厚さの上限としては、2mmが好ましく、1.5mmがより好ましい。送液部4の平均厚さが上記下限に満たないと、給水マットの強度が低下し破断するおそれがある。逆に、送液部4の平均厚さが上記上限を超えると、給水マットのコストが高くなるおそれがある。
送液部4の揚水高さの下限としては、3cmが好ましく、10cmがより好ましく、20cmがさらに好ましい。一方、送液部4の揚水高さの上限としては、300cmが好ましく、200cmがより好ましく、40cmがさらに好ましい。送液部4の揚水高さが上記下限に満たないと、上記粒子層の底部に供給される培養液Yの量が不十分となり水切れが起こるおそれがある。逆に、送液部4の揚水高さが上記上限を超えると、給水マットのコストが高くなるおそれがある。なお、「揚水高さ」とは、以下の手法で測定される値を意味する。まず、給水マットを幅4cm、長さ120cmに切断したシートを平均厚さ0.03mmのポリエチレンフィルムで被覆(熱圧着で袋状としたフィルムにシートを挿入して周りを被覆)したものを測定サンプルとし、鉛直に測定サンプルを吊り下げられるようにした架台にセットする。このとき、下部を5cm開放して液面に接しておくようにする。そして、24時間で液面から揚水した高さを5回測定し、その値の平均値を揚水高さとする。
送液部4が当接する枠体11の下面と貯留槽3に貯留される培養液Yの液面との最小距離の下限としては、60mmが好ましく、90mmがより好ましい。一方、上記最小距離の上限としては、160mmが好ましく、130mmがより好ましい。上記最小距離が上記下限に満たないと、培養液Yの供給量が多くなり過ぎて作物Xが根腐れするおそれがある。逆に、上記最小距離が上記上限を超えると、十分な量の培養液Yを上記粒子層の底部に供給できないおそれがある。
(架台)
架台5は、貯留槽3の短手方向両側に立設される複数対の支柱21と、複数対の支柱21における各対の支柱21に十字状に連結される複数の桟材22と、複数の桟材22に連結され、水平に配設される一対の桁材23とを備える。当該毛管水耕栽培装置1は、複数対の支柱21の下端部を地中に埋め込んで設置される。各支柱21は鉛直方向に立設されており、各対の支柱21は、培地部2及び貯留槽3を挟むように配設されている。各桟材22は、水平に配設されている。各対の支柱21は、桟材22を介して互いに連結されている。各桟材22は同じ高さに配設されており、換言すれば一定高さの仮想水平面に各桟材22が配設されている。一対の桁材23は、複数の桟材22上に固定されている。一対の桁材23は、平行に配設されており、その軸は複数の桟材22の軸と垂直である。また、架台5は、複数の桟材22の下方に水平に配設される一対の第1棒材24と、一対の第1棒材24を複数の桟材22に固定する複数の固定具25とを備える。また、架台5は、複数の桟材22の下方において各対の支柱21に十字状に連結される複数の下梁材26と、複数の桟材22の上方において各対の支柱21に連結され水平方向に伸びる複数の上梁材27と、複数の上梁材27の両端側において一対の桁材23と平行かつ水平に架け渡される一対の第2棒材28とを備える。一対の第1棒材24は、固定具25によって複数の桟材22と平面視で直交した状態で保持されており、これにより平面視において一対の桁材23と平行かつ一対の桁材23の内側に配設されている。なお、「桟材」、「第1棒材」、「上梁材」及び「第2棒材」に関し、「水平に配設される」とは、中心軸の両端での鉛直方向距離が2cm以下であることをいい、好ましくは1cm以下であることをいう。
支柱21、桟材22、下梁材26、上梁材27、桁材23、第1棒材24及び第2棒材28は、例えば円筒状のパイプから構成されている。また、支柱21、桟材22、下梁材26、上梁材27、桁材23、第1棒材24及び第2棒材28の主成分としては、特に限定されるものではなく、例えば金属、合成樹脂、木材等が挙げられる。中でも、当該毛管水耕栽培装置1を高強度に保つことができる点から金属が好ましく、耐久性に優れる鋼鉄又はステンレス鋼が特に好ましい。
各対の支柱21及び複数の桟材22は、それぞれ固定具29によって連結されている。固定具29は、図3及び図4に示すように、断面U字状に湾曲した板状の嵌合部材29aと、嵌合部材29aの対向壁の一対の自由端(湾曲端と反対側の端部)に係合される板部材29bとを有する。嵌合部材29aの一対の対向壁のそれぞれの対向位置には、自由端から湾曲端側に切欠きが形成されている。固定具29は、嵌合部材29aに板部材29bが係合されることで、上記切欠きと板部材29bとによって画定される貫通孔29cを有する。固定具29は、嵌合部材29aの湾曲部の内側に支柱21を嵌め込み、貫通孔29cに桟材22を挿入することで支柱21及び桟材22を連結している。当該毛管水耕栽培装置1は、かかる構成を有することで、支柱21に対して固定具29を上下方向に摺動可能に構成されている。つまり、当該毛管水耕栽培装置1は、固定具29を支柱21に対して上下に摺動することで桟材22の鉛直方向位置を調整可能に構成されている。
当該毛管水耕栽培装置1は、各対の支柱21に複数の桟材22が十字状に連結され、かつ一対の桁材23がこれらの桟材22に連結されているので、各桟材22の支柱21との連結部を上下に位置調整することで複数の桁材23を水平に配設できる。そのため、当該毛管水耕栽培装置1は、設置面が水平でない場合であっても、貯留槽3を水平に配設して培養液Yの漏水等を防止し易い。
桟材22の下端と第1棒材24の上端との鉛直方向距離の下限としては、1.5cmが好ましく、2.5cmがより好ましい。一方、上記鉛直方向距離の上限としては、14.5cmが好ましく、13.5cmがより好ましい。上記鉛直方向距離が上記下限に満たないと、枠体11の深さが十分に得られず、枠体11内に粒子12を十分に充填できないおそれがある。逆に、上記鉛直方向距離が上記上限を超えると、枠体11の深さが深くなり過ぎて枠体11内に充填される粒子12が不要に多くなるおそれや、培地部2に着生される作物Xを手入れし難くなるおそれがある。当該毛管水耕栽培装置1は、適切な鉛直方向長さを有する固定具25を用いることで、枠体11の深さを容易かつ確実に調整することができる。
各対の支柱21の中心軸間の水平方向距離L1の下限としては、15cmが好ましく、20cmがより好ましい。一方、上記水平方向距離L1の上限としては、140cmが好ましく、130cmがより好ましい。上記水平方向距離L1が上記下限に満たないと、培地部2の幅が小さくなり過ぎて作物Xを栽培し難くなるおそれがある。また、上記水平方向距離L1が上記下限に満たないと、当該毛管水耕栽培装置1が設置状態で不安定になるおそれがある。逆に、上記水平方向距離L1が上記上限を超えると、当該毛管水耕栽培装置1の省スペース化の要請に反するおそれがある。
一対の桁材23の長手方向に隣接する支柱21の中心軸間の水平方向距離L2の下限としては、1mが好ましく、1.5mがより好ましい。一方、上記水平方向距離L2の上限としては、4mが好ましく、3mがより好ましい。上記水平方向距離L2が上記下限に満たないと、支柱21の数が不要に多くなり、作物Xを栽培するに当たって支柱21が邪魔になるおそれがある。逆に、上記水平方向距離L2が上記上限を超えると、当該毛管水耕栽培装置1の強度が不十分となるおそれがある。
支柱21の下端と桟材22の中心軸との鉛直方向距離L3の下限としては、25cmが好ましく、35cmがより好ましい。一方、上記鉛直方向距離L3の上限としては、110cmが好ましく、90cmがより好ましい。上記鉛直方向距離L3が上記下限に満たないと、上記粒子層の上面が低くなり過ぎて作物Xを低姿勢で栽培する必要が生じ、作物Xを手入れし難くなるおそれがある。また、上記鉛直方向距離L3が上記下限に満たないと、当該毛管水耕栽培装置1を設置した土壌等から上記粒子層に病害が浸入するおそれがある。逆に、上記鉛直方向距離L3が上記上限を超えると、上記粒子層の上面が高くなり過ぎて作物Xから果実を収穫する際等の作業効率が低下するおそれがある。
一対の桁材23の中心軸間の水平方向距離L4の下限としては、8cmが好ましく、13cmがより好ましい。一方、上記水平方向距離L4の上限としては、130cmが好ましく、120cmがより好ましい。上記水平方向距離L4が上記下限に満たないと、培地部2の幅が小さくなり過ぎて作物Xを栽培し難くなるおそれがある。逆に、上記水平方向距離L4が上記上限を超えると、培地部2が不要に大きくなり、作物Xの栽培効率が低下するおそれがある。
複数の下梁材26は、当該毛管水耕栽培装置1を設置した状態で一部が設置面に当接する位置に配設されている。当該毛管水耕栽培装置1は、複数の下梁材26を有することで、設置状態での転倒を抑制することができる。
複数の下梁材26は、複数の桟材22を各対の支柱21に連結する固定具29と同様の構成を有する固定具30によって、それぞれ支柱21に連結されている。複数の下梁材26は、それぞれ固定具30によって支柱21に連結されることで、鉛直方向位置を調整可能に構成されている。当該毛管水耕栽培装置1は、固定具30を支柱21に対して上下に摺動することで下梁材26の鉛直方向位置を調整することができるので、設置面が水平でない場合であっても安定的に設置可能である。なお、当該毛管水耕栽培装置1は、設置状態での転倒を抑制するため、複数の下梁材26に加えて、又は複数の下梁材26に代えて、一対の桁材23の軸方向に隣接する支柱21の下部に連結される棒材を有していてもよい。
複数の第2棒材28は、作物Xの誘因部として構成されている。複数の第2棒材28には、作物Xの蔓を引っ掛けるためのフック(図示省略)が懸架されている。複数の第2棒材28は、このフックによって作物Xの蔓を外側に誘引する。当該毛管水耕栽培装置1は、枠体11の長手方向に着生される複数の株を一方の第2棒材28及び他方の第2棒材28に交互に誘引することで、作物Xの蔓を斜めに保持できる。これにより、当該毛管水耕栽培装置1は、作物Xの存在スペースを広く取ることができる。また、当該毛管水耕栽培装置1は、かかる構成によれば、各作物Xの果実を収穫し易い。
支柱21の下端から第2棒材28の中心軸までの鉛直方向距離L5の下限としては、130cmが好ましく、150cmがより好ましい。一方、上記鉛直方向距離L5の上限としては、220cmが好ましく、200cmがより好ましい。上記鉛直方向距離L5が上記下限に満たないと、誘引時に蔓が水平方向に傾き過ぎて同じ側に誘引される複数の蔓同士が近接し過ぎるおそれがある。逆に、上記鉛直方向距離L5が上記上限を超えると、誘引作業が困難になるおそれがある。
一対の第2棒材28の中心軸間の水平方向距離L6の下限としては、40cmが好ましく、50cmがより好ましい。一方、上記水平方向距離L6の上限としては、180cmが好ましく、170cmがより好ましい。上記水平方向距離L6が上記下限に満たないと、作物Xの存在スペースを十分に広く取ることができないおそれがある。逆に、上記水平方向距離L6が上記上限を超えると、当該毛管水耕栽培装置1が設置状態で不安定になるおそれがある。
<係合機構>
続いて、図5及び図6を参照して、当該毛管水耕栽培装置1における貯留槽3及び架台5の係合機構について説明する。
上記係合機構は、貯留槽3の上部から突出する複数のフック31を有する。この複数のフック31は、複数の桁材23に引っ掛けられている。具体的には、各フック31は、一端側及び他端側にそれぞれ鉤状の係止部を有し、一方の係止部が貯留槽3の一対の側壁に形成される上述の貫通孔に係合されると共に、他方の係止部が桁材23に引っ掛けられている。当該毛管水耕栽培装置1は、フック31を介して桁材23に貯留槽3が垂下されている。これにより、当該毛管水耕栽培装置1は、貯留槽3の長手方向長さが熱によって変化した際に複数のフック31がこの貯留槽3の長手方向長さの変化に合わせて桁材23の軸方向に摺動するので、桁材23の熱膨張係数及び貯留槽3の熱膨張係数の相違に起因する貯留槽3の破損を防止することができる。また、当該毛管水耕栽培装置1は、貯留槽3の短手方向長さが変化した際にも複数のフック31が桁材23の径方向に揺動するので、貯留槽3の破損を防止することができる。なお、当該毛管水耕栽培装置1は、複数のフック31が摺動する部分には複数のフック31の摺動を妨げる部材を設けないことが好ましい。
フック31の具体的形状としては、貯留槽3を桁材23の軸方向に移動可能である限り特に限定されないが、比較的安価で取扱性に優れるS字状フックが好ましい。なお、当該毛管水耕栽培装置1は、フック31に代えて、ワイヤー、結束バンド、金具等を用いることも可能である。
貯留槽3の長手方向における複数のフック31の配設間隔の下限としては、1mが好ましく、1.5mがより好ましい。一方、貯留槽3の長手方向における複数のフック31の配設間隔の上限としては、3mが好ましく、2.5mがより好ましい。貯留槽3の長手方向における複数のフック31の配設間隔が上記下限に満たないと、フック31の個数が不要に多くなり、取扱性が低下するおそれがある。逆に、貯留槽3の長手方向における複数のフック31の配設間隔が上記上限を超えると、貯留槽3の各貫通孔の上縁近辺にかかる荷重が増加して貯留槽3が破損するおそれがある。
上記係合機構が貯留槽3の破損を防止できる仕組みについて詳説する。例えば貯留槽3の主構成材料として発泡ポリスチレンを用いる場合、発泡ポリスチレンの線膨張係数は6×10−5/K以上8×10−5/K以下程度であるので、貯留槽3の長手方向長さは、温度が10℃変化すると長さ1m当たり0.6mm以上0.8mm以下程度変化する。ここで、温室内の温度は15℃以上50℃以下程度の範囲で変化するので、貯留槽3の長手方向長さは、温室内の温度変化範囲において長さ1m当たり1.2mm以上4mm以下程度変化する。そのため、例えば貯留槽3の側壁にビス等を打ち込むことによって貯留槽3を桁材23に固定すると、ビスの打ち込みによって貯留槽3の側壁に穿設された孔の周辺が貯留槽3の長手方向長さの変化に対応して破損する。その結果、この破損部分から培養液Yが漏水するおそれがあり、またこの破損部分が側壁の上端等に至った場合には貯留槽3が脱落するおそれがある。また、例えば複数の樋状部を連結することで貯留槽3が形成されている場合には、貯留槽3の長手方向長さの変化に起因して連結部分が破断して貯留槽3から培養液Yが漏水するおそれがある。
これに対し、当該毛管水耕栽培装置1は、上述のように上記係合機構が貯留槽3の上部から突出する複数のフック31を有し、これらの複数のフック31が上記複数の桁材23に引っ掛けられているので、貯留槽3の破損を容易かつ確実に防止することができる。また、当該毛管水耕栽培装置1は、一対の桁材23を水平に保つことが容易であるので、一対の桁材23から複数のフック31が垂下されることによって、貯留槽3を水平に配設することが容易である。さらに、当該毛管水耕栽培装置1は、複数のフック31を用いることで上記係合機構に要するコストを低く抑えることができる。
当該毛管水耕栽培装置1は、複数のフック31が引っ掛けられている一対の桁材23に枠体11が懸架されている。当該毛管水耕栽培装置1は、複数のフック31が引っ掛けられている一対の桁材23に培地部2の枠体11が懸架されていることによって、枠体11及び貯留槽3を共に水平に配設することが容易であると共に、送液部4を介して培養液Yを作物Xに供給し易い。また、当該毛管水耕栽培装置1は、かかる構成によると、装置の省スペース化を促進し易い。
[第2実施形態]
図7の毛管水耕栽培装置41は、水平に配設される樋状の枠体11及び枠体11内に充填される複数の粒子12を有し、作物Xを着生させる培地部2と、培養液Yが貯留され、この培養液Yの液面が培地部2の粒子層の上面より低レベルになるよう培地部2と平行に配設される樋状の貯留槽3と、貯留槽3内の培養液Yを毛管現象により培地部2の粒子層の底部に供給する送液部4と、培地部2及び貯留槽3を懸架する架台5とを備える。また、当該毛管水耕栽培装置41は、少なくとも貯留槽3の一部を覆うよう配設される遮光シート42を備える。当該毛管水耕栽培装置41は、遮光シート42を備える以外は図1の毛管水耕栽培装置1と同様に構成される。そのため、以下では遮光シート42についてのみ説明する。
(遮光シート)
遮光シート42は、作物Xを露出させるための複数の開口を有する。遮光シート42は、一対の桁材23間に架け渡されると共に、一対の桁材23から垂下される両端側が貯留槽3の一対の側壁を外側から覆っている。遮光シート42は、貯留槽3の一対の側壁の全面を外側から覆ってもよく、例えば太陽光等によって温度が上昇し易い領域のみを覆ってもよい。また、遮光シート42は、上記一対の側壁に加え、貯留槽3の長手方向の両端を封止する一対の端壁を覆うよう配設されてもよい。
遮光シート42の具体的構成としては、遮光性を有する限り特に限定されるものではなく、例えば黒色の合成樹脂シート、金属シート、合成樹脂シートに金属を蒸着した蒸着シート、ゴムシート等が挙げられる。
当該毛管水耕栽培装置41は、貯留槽3の少なくとも一部を覆うよう配設される遮光シート42を備えるので、貯留槽3の一対の側壁の長さが熱によって変化することを抑制することができる。そのため、当該毛管水耕栽培装置41は、例えば遮光シート42によって貯留槽3の熱変化し易い領域を覆うことで、貯留槽3の熱による長手方向長さの変化を抑制して貯留槽3の破損をより的確に防止することができる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば貯留槽及び架台の係合機構は、上記実施形態で説明した構成に限られるものではなく、図8及び図9に示す構成を採用することも可能である。図8及び図9に示す係合機構は、一対の桁材51に外側(毛管水耕栽培装置の幅方向の外側)から固定される複数の螺子部材52を有する。また、貯留槽53の一対の側壁には螺子部材52が挿入される複数のスリット54が形成されている。各スリット54は、一対の側壁の長手方向に平行に形成される。そのため、この係合機構によると、貯留槽53の長手方向長さが熱によって変化した場合でも複数のスリット54の長さ分の遊びを有するため、螺子部材52が貯留槽53の長手方向に相対的に移動でき、これにより貯留槽53の破損を防止することができる。なお、当該毛管水耕栽培装置にあっては、このように複数種の係合機構が考えられるが、貯留槽の長手方向長さの変化により柔軟に対応可能な点から、上記実施形態のようにフックを用いる構成が特に好ましい。
当該毛管水耕栽培装置は、培養液の液面が培地部の粒子層の上面よりも低レベルになるよう培地部及び貯留槽が平行に配設されている限り、培地部及び貯留槽の位置関係は特に限定されるものではない。当該毛管水耕栽培装置は、例えば貯留槽が培地部と平面視で重なる領域に配設されていなくてもよい。但し、当該毛管水耕栽培装置の省スペース化の観点からは、貯留槽及び培地部は平面視で重なるよう配設されることが好ましい。
送液部は、必ずしも給水マットから構成される必要はない。送液部は、例えば貯留槽と培地部とに接続される板状部材又は筒状部材であってもよい。具体的には、送液部は、例えば土壌、パミスサンド等の微粒軽石、多孔性の火山岩の粉砕粒、粒状のロックウール、コーラルサンド、サンゴ、木炭等を板状又は筒状に成形することで形成された部材であってもよい。
当該毛管水耕栽培装置における架台の構成は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば上記架台は複数の桟材に連結される一対の桁材を有していなくてもよい。一対の桁材を有しない具体的構成としては、例えば長手方向に隣接する支柱に連結される他の桟材を設け、この桟材に培地部の枠体及び貯留槽を懸架する構成が挙げられる。
また、当該毛管水耕栽培装置は、3以上の桁材を有していてもよい。3以上の桁材を有する具体的構成としては、例えば複数の桁材を軸方向に連続的に配設する構成や、3以上の桁材を平行に配設して、軸と垂直方向に複数の枠体を配設する構成が挙げられる。
当該毛管水耕栽培装置は、必ずしも一対の第1棒材を有する必要はない。当該毛管水耕栽培装置は、例えば3以上の第1棒材を有していてもよい。また、当該毛管水耕栽培装置は、下梁材、上梁材、第2棒材を有していなくてもよい。
当該毛管水耕栽培装置は、遮光シートを有している場合でも、この遮光シートは貯留槽の長手方向長さの熱による変化を抑制できる位置に配設される限り、必ずしも一対の桁材間に架け渡される必要はない。