実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用いる。
本明細書において、”第1”、”第2”、”第3”という序数詞は構成要素の混同を避けるために付す場合があり、この場合は数的に限定するものではなく、また順序を限定するものでもない。この場合は、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと置き換えることが可能である。
トランジスタの「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」という用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
電圧は、ある電位と、基準の電位(例えば接地電位(GND)またはソース電位)との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧を電位と言い換えることが可能である。なお、電位とは、相対的なものである。よって、接地電位と記載されていても、必ずしも、0Vを意味しない場合もある。
例えば、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも、図または文章に記載されているものとする。
ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
XとYとが直接的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に接続されていない場合であり、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)を介さずに、XとYとが、接続されている場合である。
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。または、スイッチは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有している。なお、XとYとが電気的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合を含むものとする。
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。なお、XとYとが機能的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合と、XとYとが電気的に接続されている場合とを含むものとする。
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とが、本明細書等に開示されているものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同様な内容が、本明細書等に開示されているものとする。
なお、例えば、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1を介して(又は介さず)、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2を介して(又は介さず)、Yと電気的に接続されている場合や、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1の一部と直接的に接続され、Z1の別の一部がXと直接的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2の一部と直接的に接続され、Z2の別の一部がYと直接的に接続されている場合では、以下のように表現することが出来る。
例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的に接続されている。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている」と表現することができる。または、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
または、別の表現方法として、例えば、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)との間の経路であり、前記第1の接続経路は、Z1を介した経路であり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有しておらず、前記第3の接続経路は、Z2を介した経路である。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路によって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した接続経路を有し、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路によって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有していない。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の電気的パスによって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の電気的パスは、第2の電気的パスを有しておらず、前記第2の電気的パスは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)からトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)への電気的パスであり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の電気的パスによって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の電気的パスは、第4の電気的パスを有しておらず、前記第4の電気的パスは、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)からトランジスタのソース(又は第1の端子など)への電気的パスである。」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続経路について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
なお、これらの表現方法は、一例であり、これらの表現方法に限定されない。ここで、X、Y、Z1、Z2は、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
また、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線及び電極両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における電気的に接続とは、このような一の導電膜が複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
なお、本明細書等においては、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(容量素子、抵抗素子など)などが有するすべての端子について、その接続先を特定しなくても、当業者であれば、発明の一態様を構成することは可能な場合がある。つまり、接続先を特定しなくても、発明の一態様が明確であると言える。そして、接続先が特定された内容が、本明細書等に記載されている場合、接続先を特定しない発明の一態様が、本明細書等に記載されていると判断することが可能な場合がある。特に、端子の接続先が複数のケース考えうる場合には、その端子の接続先を特定の箇所に限定する必要はない。したがって、能動素子(トランジスタ、ダイオードなど)、受動素子(容量素子、抵抗素子など)などが有する一部の端子についてのみ、その接続先を特定することによって、発明の一態様を構成することが可能な場合がある。
なお、本明細書等においては、ある回路について、少なくとも接続先を特定すれば、当業者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。または、ある回路について、少なくとも機能を特定すれば、当業者であれば、発明を特定することが可能な場合がある。つまり、機能を特定すれば、発明の一態様が明確であると言える。そして、機能が特定された発明の一態様が、本明細書等に記載されていると判断することが可能な場合がある。したがって、ある回路について、機能を特定しなくても、接続先を特定すれば、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。または、ある回路について、接続先を特定しなくても、機能を特定すれば、発明の一態様として開示されているものであり、発明の一態様を構成することが可能である。
(実施の形態1)
本発明の一態様に係る半導体装置を、図1乃至図3を用いて説明する。
図1(A)に、メモリセル100と書き込み/読み出し回路200の構成例を示す。
メモリセル100は、トランジスタ101と、トランジスタ102と、トランジスタ103と、容量素子104とを有する。メモリセル100には、配線VH、配線VTから電圧が供給され、配線SE、配線TCから制御信号が供給され、配線BLにメモリセルのデータが入出力される。
トランジスタ101のドレインは配線VHに接続され、トランジスタ101のソースは容量素子104の第1の端子とトランジスタ102のソースに接続され、トランジスタ101のゲートは容量素子104の第2の端子とトランジスタ103のドレインに接続されている。トランジスタ102のドレインは配線BLに接続され、トランジスタ102のゲートは配線SEに接続されている。トランジスタ103のソースは配線VTに接続され、トランジスタ103のゲートは配線TCに接続されている。
書き込み/読み出し回路200は、トランジスタ111とトランジスタ112と読み出し検出回路201を有する。読み出し検出回路201は、電流の検出機能を有し、読み出し検出回路201が流す電流Icがゼロとなる時点を検出し、その検出結果を示す信号を出力する機能を有する。例えば、読み出し検出回路201は、配線BLに流れる電流Ibとトランジスタ111が流す電流Idが等しくなった時点を検出する機能を有する。
メモリセル100にデータを書き込む際は、トランジスタ102とトランジスタ103とを導通状態とし、書き込み/読み出し回路200のトランジスタ112を非導通状態とし、トランジスタ111のゲートに配線BRからデータに対応した電圧を印加する。
トランジスタ111に流れる電流Idと等しい電流をトランジスタ101が流し、その際、トランジスタ101のゲート−ソース間電圧は、トランジスタ111に流れる電流Idに応じた電圧となる。安定して均衡がとれた状態となった段階で、トランジスタ102とトランジスタ103を非導通状態とすることで、容量素子104にトランジスタ111に流れる電流Idと等しい電流を流すトランジスタ101のゲート−ソース間電圧を保存する。
データを書き込む際には、データに対応したトランジスタ111に流れる電流Idと、トランジスタ101が流す電流Iaと、が等しくなるまで、容量素子104の電圧が変化する。このような構成とすることで、メモリセル100を構成するトランジスタの特性ばらつきに関係なく、または、トランジスタがノーマリオンの特性であっても、多値の所望の電圧を書き込むことができる。
配線BLにプリチャージ回路を追加し、配線BLを書き込みする電圧範囲の中間の電圧でプリチャージすることでさらに書き込み時間を短くすることができる。
また、メモリセル100には保持するそのもののデータに対応した電圧を書きこむので、データを逐次読み出しながら所望の閾値電圧になるまでデータを書き込む方法、所謂ベリファイ駆動をしなくてもよく、ベリファイ駆動をしないことで、多値のデータの書き込みを高速かつ容易に行うことができる。
メモリセル100からデータを読み出す際は、トランジスタ102を導通状態とし、トランジスタ103を非導通状態とし、書き込み/読み出し回路200のトランジスタ112を導通状態とする。
容量素子104に保持された電圧がトランジスタ101のゲート−ソース間電圧となり、トランジスタ101には書き込みの際と同じ大きさの電流Iaが流れる。トランジスタ102が導通、トランジスタ103が非導通なのでトランジスタ101の電流Iaは、配線BLに流れる。配線BLに他のリーク等がなければ、配線BLに流れる電流Ibは、ほぼトランジスタ101の流す電流Iaとなる。
ここでトランジスタ111のゲートに印加する配線BRの電圧をスイープすると、読み出し検出回路の流す電流Icには、トランジスタ111が流す電流Idに対して、配線BLに流れる電流Ibとの差分の電流が流れる。
読み出し検出回路201は、電流の検出機能を有し、読み出し検出回路201が流す電流がゼロとなる時点を出力する機能を有する。つまり、配線BLに流れる電流Ibとトランジスタ111が流す電流Idが等しくなった時点を検出することができる。
読み出し検出回路201は、トランジスタ111のゲートに印加する電圧をスイープし、配線BLに流れる電流Ibと、トランジスタ111が流す電流Idと、が等しくなった時点を検出する。配線BLに流れる電流Ibは、ほぼトランジスタ101の流す電流Iaとなるので、トランジスタ111が流す電流Idとトランジスタ101の流す電流Iaの電流が同じになる時点を検出することになる。
配線BLに流れる電流Ibと、トランジスタ111が流す電流Idと、が等しくなる時点つまり、トランジスタ101が流す電流Iaとトランジスタ111が流す電流Idが等しくなる時点では、トランジスタ111のゲートの電圧は、メモリセル100にデータを書き込んだ際のゲートの電圧に等しい。読み出し検出回路201は、配線BLに流れる電流Ibと、トランジスタ111が流す電流Idが等しくなった時点を検出し、その時点のトランジスタ111のゲートの電圧、つまり、配線BRの電圧を取得することで書き込んだデータを取得することができる。したがって多値のデータの読み出しを正確に行うことが可能になる。
トランジスタ102とトランジスタ103は、非導通状態において容量素子104の電圧を維持する。そのため、非導通状態においてトランジスタ102のソース−ドレイン間のリーク電流とトランジスタ103のソース−ドレイン間のリーク電流は、極力低いことが求められる。つまり、一例としては、オフ電流が少ないトランジスタが用いられることが好適である。オフ電流が少ないトランジスタとしては、例えば、半導体層に酸化物半導体を有するトランジスタが挙げられる。
トランジスタ101とトランジスタ111をPchトランジスタとすることも可能である。図1(B)に、トランジスタ101とトランジスタ111にPchトランジスタを用いたメモリセル100と書き込み/読み出し回路200の構成例を示す。
読み出し検出回路201の回路構成の一例を含めた書き込み/読み出し回路200の回路図の一例を図3に示す。
読み出し検出回路201は、トランジスタ211乃至トランジスタ216、コンパレータCMP、インバータ221、およびインバータ222を有する。読み出し検出回路201には、配線VDD、配線VRef、配線VSS、配線VSS2から電圧が供給され、配線BR、配線BC、配線BOから制御信号が供給され、配線OLに信号が出力される。
トランジスタ111のソースは配線VLに、トランジスタ111のドレインは配線BLに、トランジスタ111のゲートは配線BRに接続されている。トランジスタ112のソースはトランジスタ211のドレインに、トランジスタ112のドレインは配線BLに、トランジスタ112のゲートは配線BCに接続されている。トランジスタ211のソースはトランジスタ211のゲートとコンパレータCMPの第1の入力端子に接続されている。トランジスタ212のソースは配線VDDに、トランジスタ212のドレインはコンパレータCMPの第1の入力端子に、トランジスタ212のゲートはコンパレータCMPの出力端子に接続されている。トランジスタ213のソースは配線VDDに、トランジスタ213のドレインは配線STに、トランジスタ213のゲートはコンパレータCMPの出力端子に接続されている。トランジスタ214のソースは配線VSSに、トランジスタ214のドレインは配線STに、トランジスタ214のゲートは配線BOに接続されている。トランジスタ215のソースは配線VSS2に、トランジスタ215のドレインは配線OLに、トランジスタ215のゲートは配線BOに接続されている。トランジスタ216のソースは配線VSS2に、トランジスタ216のドレインはインバータ221の入力端子に、トランジスタ216のゲートは配線STに接続されている。インバータ221の出力端子は配線OLに接続されている。インバータ222の入力端子は配線OLに、インバータ222の出力端子はインバータ221の入力端子に接続されている。
コンパレータの第2の入力端子は配線VRefに接続されている。なお、インバータ221とインバータ222は配線OLのデータを保持するラッチ回路を構成し、当該ラッチ回路は、トランジスタ215のゲートが”H”となるとリセット、すなわち、配線OLは”L”となり、トランジスタ216のゲートが”H”となるとセット、すなわち、配線OLは”H”となる。
これらの構成により、読み出し検出回路201は、配線BLが流す電流Ibと、トランジスタ111が流す電流Idの電流が等しくなった時点を検出することができる。
図2は、メモリセル100及び書き込み/読み出し回路200の動作例を示すタイミングチャートである。ここで、配線VHは高電圧、配線VTは高電圧、配線VLは低電圧、配線VSSは低電圧、配線VSS2は低電圧、配線VRefは調整電圧が入力されることとする。
図2において、時刻T1―時刻T3では、メモリセル100へのデータ書き込み動作が行われる。時刻T1―時刻T2において、配線SEを”H”、配線TCを”H”、配線BRを書き込みデータに対応した書き込み電圧とする。ここで、書き込み電圧は、書き込みデータに一意に対応する電圧とする。
書き込み電圧は、具体的には、多ビットの書き込みデータを入力とするD/Aコンバータで生成する構成が好ましい。なお、トランジスタ111が飽和領域で動作する範囲で配線BRの電圧を設定する。
この時、容量素子104の第2の端子の電圧は、配線VTの電圧となる。また、トランジスタ101を介して流れる電流Iaが、トランジスタ111が流しうる電流Idより大きい場合、容量素子104の第1の端子の電圧が上昇し、トランジスタ101を介して流れる電流Iaが、トランジスタ111が流しうる電流Idと等しくなった時点で、容量素子104の第1の端子の電圧が一定となる。
すなわち、容量素子104の電圧が一定となるが、この電圧は、トランジスタ111のゲートの電圧、つまり、前記書き込み電圧に対応する。
時刻T2―時刻T3において、配線SEを”H”、配線TCを”L”、配線BRを前記書き込み電圧とする。この期間、容量素子104は電圧を保持する。
時刻T4―時刻T7では、メモリセル100からのデータ読み出し動作が行われる。
時刻T4―時刻T5において、配線BOを”H”とする。この時、配線STは”L”となり、配線OLは”L”にリセットされる。
時刻T5―時刻T7において、配線SEを”H”、配線BCを”H”、配線BOを”L”とし、配線BRの電圧を低電圧から高電圧に徐々に昇圧していく。なお、トランジスタ111は飽和領域で動作する範囲で配線BRの電圧を設定する。
時刻T5―時刻T6では、配線BRの電圧を前記書き込み電圧より低い電圧とする。ここで、トランジスタ111を流れる電流Idは、トランジスタ101が流しうる電流Iaより低い。そのため、配線BLの電圧が高くなり、トランジスタ211には電流が流れず、コンパレータCMPの第1の入力端子の電圧も高くなり、コンパレータCMPは”H”を出力する。つまり、トランジスタ212及びトランジスタ213の電流供給能力は低く、配線STは”L”のままとなる。また、配線OLも”L”のままとなる。
時刻T6―時刻T7では、配線BRの電圧を前記書き込み電圧より高い電圧とする。ここで、トランジスタ111を流れる電流Idは、トランジスタ101が流しうる電流Iaより高い。そのため、不足する電流がトランジスタ112、トランジスタ211を介して流れ、コンパレータCMPの第1の入力端子の電圧が低くなり、コンパレータCMPは”L”を出力する。つまり、トランジスタ212及びトランジスタ213の電流供給能力は高くなり、配線STは”H”となる。また、配線OLは”H”にセットされる。
なお、時刻T6―時刻T7において、上記の不足する電流が小さくなると、コンパレータCMPの第1の入力端子の電圧は高くなり、コンパレータCMPは”H”を出力する。以降、コンパレータCMPは”L”と”H”を交互に出しつつ、不足する電流がトランジスタ112、トランジスタ211を介して流れることになる。よって、時刻T6―時刻T7において、配線STは”H”またはフローティングの状態に交互に切り替わるが、配線STの寄生容量もしくは保持容量により、概ね”H”を保つ。また、配線OLは、配線STが一度”H”になったら”H”を保持し続ける。
ここで、時刻T6は、配線OLが”L”から”H”に切り替わる時点であり、配線BRの電圧が前記書き込み電圧に等しくなった時点となる。すなわち、メモリセル100に書き込まれたデータを配線BRの電圧から取得することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で説明したメモリセルを有する半導体装置の一例について説明する。
<半導体装置の構成例>
図4は半導体装置の構成例を示すブロック図である。
図4に示す半導体装置300は、メモリセルアレイ301、行ドライバ302、および列ドライバ303を有する。
メモリセルアレイ301は、複数のメモリセル100、複数の配線SE、複数の配線TC、複数の配線BL、複数の配線VTを有する。メモリセル100はm行n列(m、nは2以上の整数)のマトリクス状に設けられている。図4には、代表的に、4個のメモリセル100、(m−1)行目のワード選択線である配線SE[m−1]、(m−1)行目のワード制御線である配線TC[m−1]、m行目のワード選択線である配線SE[m]、m行目のワード制御線である配線TC[m]、(n−1)列目のビット線である配線BL[n−1]、n列目のビット線である配線BL[n]、及び配線VTを示している。また、メモリセルの寄生容量を同一とするため、メモリ端にdummy配線を設けることがあり、配線SE[dummy]、配線TC[dummy]も示している。なおメモリセル100の構成や動作の説明は、実施の形態1の説明を援用する。
なお、図4に示すメモリセルアレイ301では、隣り合うメモリセル100で、配線VTを共有化した構成としている。該構成を採用することにより、配線VTが占めていた分の面積の縮小が図られる。そのため該構成を採用する半導体装置では、単位面積あたりの記憶容量の向上を図ることができる。
行ドライバ302は、書き込みおよび読み出し時に行アドレス値に該当するワード選択線となる配線SEに接続するメモリセル100のトランジスタ102の導通状態を制御する機能、及び書き込み時に行アドレス値に該当するワード制御線となる配線TCに接続するメモリセル100のトランジスタ103の導通状態を制御する機能を備える回路である。行ドライバ302を備えることで、半導体装置300は、メモリセル100へのデータの書き込み及び読み出しを行毎に選択して行うことができる。
列ドライバ303は、図1に示す書き込み/読み出し回路200を有する。図4の例では、書き込み/読み出し回路200は列ごと(配線BLごと)に設けられている。列ドライバ303は、行ドライバ302により選択された行のn個のメモリセル100に対してデータを書き込む機能およびデータを読み出す機能を備える回路である。列ドライバ303を備えることで、半導体装置300は、任意の列を選択して、メモリセル100へのデータの書き込み及び読み出しを行うことができる。
〈行ドライバの構成例〉
図5は、図4に示す行ドライバ302の構成例を示すブロック図である。
図5に示す行ドライバ302は、デコーダ401、及び読み出し書き込み制御回路402を有する。デコーダ401には、読み出し書き込み制御回路402が行毎に接続される。また各行の読み出し書き込み制御回路402は、ワード選択線となる配線SE、及びワード制御線となる配線TCに接続される。
デコーダ401は、ワード選択線となる配線SE及びワード制御線となる配線TCが設けられている行を選択するための信号を出力する機能を備える回路である。具体的には、配線RowAddressから行アドレス信号が入力され、該行アドレス信号に従っていずれかの行の読み出し書き込み制御回路402を選択する回路である。デコーダ401を備えることで、行ドライバ302は、任意の行を選択して、データの書き込み又は読み出しを行うことができる。
読み出し書き込み制御回路402は、デコーダ401で選択された行の、ワード選択信号及びワード制御信号を出力する機能を備える回路である。具体的には、RowAddressから入力される信号によってデコーダ401が指定した一の読み出し書き込み制御回路402は、配線WEBから入力される書き込み制御信号、配線PWSから入力されるパルス幅制御信号、およびデコーダ401から入力される制御信号に従ってワード選択信号又は/およびワード制御信号を出力する。読み出し書き込み制御回路402を備えることで、行ドライバ302は、デコーダ401が選択した行での、ワード選択信号又は/およびワード制御信号を出力することができる。
〈列ドライバの構成例〉
図6は、図4に示す列ドライバ303の構成例を示す回路ブロック図である。
図6に示す列ドライバ303は、デコーダ(Decoder)411、ラッチ1回路(Latch1)412、ラッチ2回路(Latch2)413、D/Aコンバータ(DAC)414、セレクタ回路(SEL)415、プリチャージ回路(PRC)416、および書き込み/読み出し(W/R)回路200を有する。ラッチ1回路412、ラッチ2回路413、D/Aコンバータ414、セレクタ回路415および書き込み/読み出し回路200は、列毎に設けられる。また各列の書き込み/読み出し回路200は、ビット線である配線BLに接続される。
デコーダ411は、複数の配線ColumnAddressから列アドレス信号が入力され、配線WEBから書き込み制御信号が入力され、配線PWL1、配線PWL2からパルス幅制御信号が入力され、列アドレス信号に対応する列を選択する。具体的には、列アドレス信号とパルス幅制御信号が入力され、該列アドレス信号とパルス幅制御信号に従っていずれかの列のラッチ1回路412もしくは、セレクタ回路415を選択する回路である。デコーダ411を備えることで、列ドライバ303は、任意の列を選択することができる。
ラッチ1回路412は、複数の配線IN_Dataから供給される入力データを一時的に記憶する機能を備える回路である。具体的には、ラッチ1回路412は、デコーダ411から選択信号が入力され、該選択信号に従って入力データを記憶し、配線LAT1_Dataを介して記憶したデータをD/Aコンバータ414に出力する回路である。ラッチ1回路412を備えることで、列ドライバ303は、任意のタイミングで書き込むデータを記憶することができる。
D/Aコンバータ414は、ラッチ1回路412で記憶されたデジタル値のデータを、多値のデータに対応するアナログ電圧に変換する機能を備えた回路である。具体的にD/Aコンバータ414は、ラッチ1回路412から入力されるデータのビット数が3ビットであれば、複数の電圧V0乃至V7の8段階の電位のいずれかを選択して、配線BRに出力する。D/Aコンバータ414を備えることで、列ドライバ303は、メモリセル100に書き込むデータを、多値のデータに対応するアナログ電圧に変換することができる。
書き込み/読み出し回路200は、書き込みと読み出し機能を備えた回路である。書き込み時は、D/Aコンバータ414から配線BRを介して書き込み/読み出し回路200に多値のデータに対応するアナログ電圧が入力される。書き込み/読み出し回路200は、行ドライバ302で選択されたメモリセル100に対して、配線BRから入力された多値のアナログ電圧に応じた多値のデータを書き込む。書き込み/読み出し回路200内のトランジスタ111に流れる電流と該メモリセルのトランジスタ101に流れる電流が等しくなることにより、多値データに応じた電圧が該メモリセル100の容量素子104に保存される。
読み出し時は、書き込み/読み出し回路200内のトランジスタ111とメモリセル内のトランジスタ101の電流値が同じとなった状態を検出し、配線OLからラッチ信号を出力する。
ラッチ2回路413には、複数の配線IN_Dataから供給される入力データ、書き込み/読み出し回路200の配線OLからラッチ信号が入力される。複数の配線LAT2_Dataより信号を出力する。ラッチ2回路413は、書き込み/読み出し回路200の配線OLからのラッチ信号のタイミングにあわせて、複数の配線IN_Dataから供給されるデータを記憶する機能を有する。
読み出し時において、メモリセルの値との一致を検出するため、複数の配線IN_Dataには、順次変更したデータが供給される。ラッチ2回路413は、書き込み/読み出し回路200が生成するラッチ信号が配線OLより入力されたとき、複数の配線IN_Dataの信号の値を記憶する。複数の配線LAT2_Dataより記憶した値を出力する。すなわち、ラッチ2回路413は、メモリセルに記憶されたデータをデジタルデータとして記憶する機能を有する。
セレクタ回路415は、デコーダ411からの選択信号線、ラッチ2回路からの複数の配線LAT2_Data、および複数の配線OUT_Dataと接続する。セレクタ回路415は、ラッチ2回路からの複数の配線LAT2_Dataより、ラッチ2回路で記憶されたデータが入力された時に、デコーダ411からの選択信号が有効であれば複数の配線LAT2_Dataと複数の配線OUT_Dataを導通状態とする。
プリチャージ回路416には、プリチャージ制御信号が供給される配線PR、プリチャージ電圧が供給される配線VPREおよび配線BLが接続される。配線BLにプリチャージ回路416を設け、配線BLを書き込みする電圧範囲の中間の電圧で配線BLをプリチャージすることでさらに書き込み時間を短縮する。
図7は、図4乃至図6の半導体装置のデータ書き込み動作例を説明するタイミングチャートである。
図7において、WEBが”H”となり、データ書き込みの動作となる。
時刻T1−時刻T6では、ColumnAddressの列アドレス信号で指定された列が選択される。各列のLAT1は、列アドレス信号によって選択され、かつPWL1のパルス幅制御信号が”H”の間、”H”の信号となる。各列のLAT1の立ち上がりパルスのタイミングに合わせて、IN_Dataの入力データを記憶する。各列の記憶されたデータは、次の各列のLAT1の立ち上がりまで記憶され続ける。列アドレスを順次送り、IN_Dataに入力データを送ることで1行分のデータを各列のラッチ1回路412に記憶する。
各列のラッチ1回路412に記憶されたデータは、各列のD/Aコンバータ414に入力されて、各列のBRに多値のアナログ電圧として出力される。
時刻T6−時刻T7では、行ドライバのRowAddressで送られる行アドレスで選択された行のSEおよびTCが”H”となり、書き込み/読み出し回路200により、各列のBLに多値のデータに相当するアナログ電圧が出力される。書き込み/読み出し回路200と接続するメモリセル100の容量素子104に多値のアナログ電圧に対応した電圧が保存される。
図8は、図4乃至図6の半導体装置のデータ読み出し動作例を説明するタイミングチャートである。
図8において、WEBの書き込み制御信号が”L”となり、データ読み出し動作となる。
WEBが”L”のとき、ColumnAddressの列アドレス信号に関係なく、すべての列のラッチ1回路412が動作する。つまり、各列のラッチ1回路412のLAT1には、PWL1のパルス幅制御信号に依存した信号が送られる。
時刻T0―時刻T9において、IN_Dataの入力データの値を”000”、”001”、”010”、”011”、”100”、”101”、”110”、”111”と順次変更する。すべての列のLAT1の立ち上がりですべてのラッチ1回路が入力データを記憶する。ラッチ1回路に記憶されたデータがD/Aコンバータに入力されることで、D/Aコンバータ414から出力される電圧は、低電圧から高電圧に段階的にあがる。
ここで、メモリに保存されているデータが”100”に相当する多値データであるとする。時刻T5で、当該D/Aコンバータ414の入力が接続するLAT1を”011”から”100”に変更した時に、トランジスタ111が流す電流Idがメモリに保存されていたデータに対応した配線BLに流れる電流Ibと一致する。その際、当該書き込み/読み出し回路200内の読み出し検出回路201が、電流値がゼロになったことを検出し、当該OLが”L”から”H”に切り替わる。
当該ラッチ2回路は、当該書き込み/読み出し回路200のOLの立ち上がりタイミングにて、IN_Dataの入力データの値を記憶する。当該ラッチ2回路の保存された値を出力する当該LAT2_Dataには、記憶されたIN_Dataの入力データの値が出力される。
各列のメモリセルに保存されていたデータと一致したタイミングで各ラッチ2回路にIN_Dataの入力データの値が記憶される。
時刻T10以降において、各ラッチ2回路に記憶した値を読み出す。ColumnAddressの列アドレス信号で順次列を選択する。PWL2のパルス幅制御信号と列アドレスの選択信号のANDをとった信号を当該SELECTに送る。
各SELECTが”H”のとき、接続するセレクタ回路415を選択する。当該ラッチ2回路の出力LAT2_Dataがセレクタ回路415を介して、OUT_Dataに接続され、OUT_Dataにデータが出力される。これによりメモリセルに保存したデータをデジタルデータとして読み出すことができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1に示す半導体装置に用いることができるOSトランジスタの一例について説明する。
〈トランジスタの構成例1〉
図9(A)乃至図9(D)は、トランジスタ600の上面図および断面図である。図9(A)は上面図であり、図9(A)に示す一点鎖線Y1−Y2方向の断面が図9(B)に相当し、図9(A)に示す一点鎖線X1−X2方向の断面が図9(C)に相当し、図9(A)に示す一点鎖線X3−X4方向の断面が図9(D)に相当する。なお、図9(A)乃至図9(D)では、図の明瞭化のために一部の要素を拡大、縮小、または省略して図示している。また、一点鎖線Y1−Y2方向をチャネル長方向、一点鎖線X1−X2方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
なお、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネル幅(以下、実効的なチャネル幅と呼ぶ。)と、トランジスタの上面図において示されるチャネル幅(以下、見かけ上のチャネル幅と呼ぶ。)と、が異なる場合がある。例えば、立体的な構造を有するトランジスタでは、実効的なチャネル幅が、トランジスタの上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる場合がある。例えば、微細かつ立体的な構造を有するトランジスタでは、半導体の上面に形成されるチャネル領域の割合に対して、半導体の側面に形成されるチャネル領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも、実際にチャネルの形成される実効的なチャネル幅の方が大きくなる。
ところで、立体的な構造を有するトランジスタにおいては、実効的なチャネル幅の、実測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
そこで、本明細書では、トランジスタの上面図において、半導体とゲート電極とが重なる領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さである見かけ上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチャネル幅などは、断面TEM像などを取得して、その画像を解析することなどによって、値を決定することができる。
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求める場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
本明細書において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態(非導通状態、遮断状態、ともいう)にあるときのドレイン電流をいう。オフ状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低い状態、pチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも高い状態をいう。例えば、nチャネル型のトランジスタのオフ電流とは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低いときのドレイン電流を言う場合がある。
トランジスタのオフ電流は、Vgsに依存する場合がある。従って、トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、トランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを言う場合がある。トランジスタのオフ電流は、所定のVgsにおけるオフ状態、所定の範囲内のVgsにおけるオフ状態、または、十分に低減されたオフ電流が得られるVgsにおけるオフ状態、等におけるオフ電流を指す場合がある。
一例として、しきい値電圧Vthが0.5Vであり、Vgsが0.5Vにおけるドレイン電流が1×10−9Aであり、Vgsが0.1Vにおけるドレイン電流が1×10−13Aであり、Vgsがー0.5Vにおけるドレイン電流が1×10−19Aであり、Vgsがー0.8Vにおけるドレイン電流が1×10−22Aであるようなnチャネル型トランジスタを想定する。当該トランジスタのドレイン電流は、Vgsが−0.5Vにおいて、または、Vgsが−0.5V乃至−0.8Vの範囲において、1×10−19A以下であるから、当該トランジスタのオフ電流は1×10−19A以下である、と言う場合がある。当該トランジスタのドレイン電流が1×10−22A以下となるVgsが存在するため、当該トランジスタのオフ電流は1×10−22A以下である、と言う場合がある。
本明細書では、チャネル幅Wを有するトランジスタのオフ電流を、チャネル幅Wあたりを流れる電流値で表す場合がある。また、所定のチャネル幅(例えば1μm)あたりを流れる電流値で表す場合がある。後者の場合、オフ電流の単位は、電流/長さの次元を持つ単位(例えば、A/μm)で表される場合がある。
トランジスタのオフ電流は、温度に依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、室温、60℃、85℃、95℃、または125℃におけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証される温度、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)におけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、室温、60℃、85℃、95℃、125℃、当該トランジスタが含まれる半導体装置の信頼性が保証される温度、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場合がある。
トランジスタのオフ電流は、ドレインとソースの間の電圧Vdsに依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V、3V、3.3V、10V、12V、16V、または20Vにおけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証されるVds、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVdsにおけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V、3V、3.3V、10V、12V、16V、20V、当該トランジスタが含まれる半導体装置の信頼性が保証されるVds、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVds、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場合がある。
上記オフ電流の説明において、ドレインをソースと読み替えてもよい。つまり、オフ電流は、トランジスタがオフ状態にあるときのソースを流れる電流を言う場合もある。
本明細書では、オフ電流と同じ意味で、リーク電流と記載する場合がある。
本明細書において、オフ電流とは、例えば、トランジスタがオフ状態にあるときに、ソースとドレインとの間に流れる電流を指す場合がある。
トランジスタ600は、基板640と、基板640上の絶縁膜652と、絶縁膜652上に、半導体661、半導体662の順で形成された積層と、半導体662の上面と接する導電膜671および導電膜672と、半導体661、半導体662、導電膜671および導電膜672と接する半導体663と、半導体663上の絶縁膜653および導電膜673と、導電膜673および絶縁膜653上の絶縁膜654と、絶縁膜654上の絶縁膜655を有する。なお、半導体661、半導体662および半導体663をまとめて、半導体660と呼称する場合がある。
導電膜671は、トランジスタ600のソース電極としての機能を有する。導電膜672は、トランジスタ600のドレイン電極としての機能を有する。なお、トランジスタの「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」という用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
導電膜673は、トランジスタ600のゲート電極としての機能を有する。
絶縁膜653は、トランジスタ600のゲート絶縁膜としての機能を有する。
図9(C)に示すように、半導体662の側面は、導電膜673に囲まれている。上記構成をとることで、導電膜673の電界によって、半導体662を電気的に取り囲むことができる(導電膜(ゲート電極)の電界によって、半導体を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(s−channel)構造とよぶ。)。そのため、半導体662の全体(バルク)にチャネルが形成される場合がある。s−channel構造は、トランジスタのソース−ドレイン間に大電流を流すことができ、導通時の電流(オン電流)を高くすることができる。また、s−channel構造は、高周波でも動作可能なトランジスタを提供することができる。
s−channel構造は、高いオン電流が得られるため、微細化されたトランジスタに適した構造といえる。トランジスタを微細化できるため、該トランジスタを有する半導体装置は、集積度の高い、高密度化された半導体装置とすることが可能となる。例えば、トランジスタは、チャネル長が好ましくは100nm以下、さらに好ましくは60nm以下、より好ましくは30nm以下の領域を有し、かつ、トランジスタは、チャネル幅が好ましくは100nm以下、さらに好ましくは60nm以下、より好ましくは30nm以下の領域を有する。
s−channel構造は、高いオン電流が得られるため、高周波での動作が要求されるトランジスタに適した構造といえる。該トランジスタを有する半導体装置は、高周波で動作可能な半導体装置とすることが可能となる。
以下に、本実施の形態の半導体装置に含まれる構成要素について、詳細に説明する。
〈〈基板〉〉
基板640としては、例えば、絶縁体基板、半導体基板または導電体基板を用いればよい。絶縁体基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板など)、樹脂基板などがある。また、半導体基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどの単体半導体基板、または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムからなる化合物半導体基板などがある。さらには、前述の半導体基板内部に絶縁体領域を有する半導体基板、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板などがある。導電体基板としては、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板などがある。または、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板などがある。さらには、絶縁体基板に導電体または半導体が設けられた基板、半導体基板に導電体または絶縁体が設けられた基板、導電体基板に半導体または絶縁体が設けられた基板などがある。または、これらの基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子などがある。
また、基板640として、可とう性基板を用いてもよい。なお、可とう性基板上にトランジスタを設ける方法としては、非可とう性の基板上にトランジスタを作製した後、トランジスタを剥離し、可とう性基板である基板640に転置する方法もある。その場合には、非可とう性基板とトランジスタとの間に剥離層を設けるとよい。なお、基板640として、繊維を編みこんだシート、フィルムまたは箔などを用いてもよい。また、基板640が伸縮性を有してもよい。また、基板640は、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有してもよい。または、元の形状に戻らない性質を有してもよい。基板640の厚さは、例えば、5μm以上700μm以下、好ましくは10μm以上500μm以下、さらに好ましくは15μm以上300μm以下とする。基板640を薄くすると、半導体装置を軽量化することができる。また、基板640を薄くすることで、ガラスなどを用いた場合にも伸縮性を有する場合や、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有する場合がある。そのため、落下などによって基板640上の半導体装置に加わる衝撃などを緩和することができる。即ち、丈夫な半導体装置を提供することができる。
可とう性基板である基板640としては、例えば、金属、合金、樹脂もしくはガラス、またはそれらの繊維などを用いることができる。可とう性基板である基板640は、線膨張率が低いほど環境による変形が抑制されて好ましい。可とう性基板である基板640としては、例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、5×10−5/K以下、または1×10−5/K以下である材質を用いればよい。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミドなど)、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリルなどがある。特に、アラミドは、線膨張率が低いため、可とう性基板である基板640として好適である。
〈〈下地絶縁膜〉〉
絶縁膜652の上面はCMP(Chemical Mechanical Polishing)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていることが好ましい。
絶縁膜652は、酸化物を含むことが好ましい。特に加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を含むことが好ましい。好適には、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物を用いることが好ましい。化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物膜は、加熱により一部の酸素が脱離する。絶縁膜652から脱離した酸素は酸化物半導体である半導体660に供給され、酸化物半導体中の酸素欠損を低減することが可能となる。その結果、トランジスタの電気特性の変動を抑制し、信頼性を高めることができる。
化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物膜は、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm3以上、好ましくは3.0×1020atoms/cm3以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、または100℃以上500℃以下の範囲が好ましい。
例えばこのような材料として、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含む材料を用いることが好ましい。または、金属酸化物を用いることもできる。金属酸化物として、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等を用いる事ができる。なお、本明細書中において、酸化窒化物とは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化物とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
また絶縁膜652に酸素を過剰に含有させるために、絶縁膜652に酸素を導入して酸素を過剰に含有する領域を形成してもよい。例えば、成膜後の絶縁膜652に酸素(少なくとも酸素ラジカル、酸素原子、酸素イオンのいずれかを含む)を導入して酸素を過剰に含有する領域を形成する。酸素の導入方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオン注入法、プラズマ処理などを用いることができる。
〈〈半導体〉〉
次に、半導体661、半導体662、半導体663などに適用可能な半導体について説明する。
トランジスタ600は、非導通状態においてソースとドレインとの間を流れる電流(オフ電流)が低いことが好適である。オフ電流が低いトランジスタとしては、半導体に酸化物半導体を有するトランジスタが挙げられる。
半導体662は、例えば、インジウム(In)を含む酸化物半導体である。半導体662は、例えば、インジウムを含むと、キャリア移動度(電子移動度)が高くなる。また、半導体662は、元素Mを含むと好ましい。元素Mは、好ましくは、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)またはスズ(Sn)などとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素(B)、シリコン(Si)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)などがある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。元素Mは、例えば、酸素との結合エネルギーが高い元素である。例えば、酸素との結合エネルギーがインジウムよりも高い元素である。または、元素Mは、例えば、酸化物半導体のエネルギーギャップを大きくする機能を有する元素である。また、半導体662は、亜鉛(Zn)を含むと好ましい。酸化物半導体は、亜鉛を含むと結晶化しやすくなる場合がある。
ただし、半導体662は、インジウムを含む酸化物半導体に限定されない。半導体662は、例えば、亜鉛スズ酸化物、ガリウムスズ酸化物などの、インジウムを含まず、亜鉛を含む酸化物半導体、ガリウムを含む酸化物半導体、スズを含む酸化物半導体などであっても構わない。
半導体662は、例えば、エネルギーギャップが大きい酸化物を用いる。半導体662のエネルギーギャップは、例えば、2.5eV以上4.2eV以下、好ましくは2.8eV以上3.8eV以下、さらに好ましくは3eV以上3.5eV以下とする。
半導体662は、後述するCAAC−OS膜であることが好ましい。
例えば、半導体661および半導体663は、半導体662を構成する酸素以外の元素一種以上、または二種以上から構成される酸化物半導体である。半導体662を構成する酸素以外の元素一種以上、または二種以上から半導体661および半導体663が構成されるため、半導体661と半導体662との界面、および半導体662と半導体663との界面において、界面準位が形成されにくい。
半導体661、半導体662および半導体663は、少なくともインジウムを含むと好ましい。なお、半導体661がIn−M−Zn酸化物のとき、InおよびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50atomic%より高く、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic%より高いとする。また、半導体662がIn−M−Zn酸化物のとき、InおよびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが25atomic%より高く、Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%より高く、Mが66atomic%未満とする。また、半導体663がIn−M−Zn酸化物のとき、InおよびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50atomic%より高く、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic%より高くする。なお、半導体663は、半導体661と同種の酸化物を用いても構わない。ただし、半導体661または/および半導体663がインジウムを含まなくても構わない場合がある。例えば、半導体661または/および半導体663が酸化ガリウムであっても構わない。
次に、半導体661、半導体662、および半導体663の積層により構成される半導体660の機能およびその効果について、図10(B)に示すエネルギーバンド構造図を用いて説明する。図10(A)は、図9(B)に示すトランジスタ600のチャネル部分を拡大した図で、図10(B)は、図10(A)にA1−A2の鎖線で示した部位のエネルギーバンド構造を示している。また、図10(B)は、トランジスタ600のチャネル形成領域のエネルギーバンド構造を示している。
図10(B)中、Ec652、Ec661、Ec662、Ec663、Ec653は、それぞれ、絶縁膜652、半導体661、半導体662、半導体663、絶縁膜653の伝導帯下端のエネルギーを示している。
ここで、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差(「電子親和力」ともいう。)は、真空準位と価電子帯上端のエネルギーとの差(イオン化ポテンシャルともいう。)からエネルギーギャップを引いた値となる。なお、エネルギーギャップは、分光エリプソメータを用いて測定できる。また、真空準位と価電子帯上端のエネルギー差は、紫外線光電子分光分析(UPS:Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy)装置を用いて測定できる。
絶縁膜652と絶縁膜653は絶縁体であるため、Ec653とEc652は、Ec661、Ec662、およびEc663よりも真空準位に近い(電子親和力が小さい)。
半導体662は、半導体661および半導体663よりも電子親和力の大きい酸化物を用いる。例えば、半導体662として、半導体661および半導体663よりも電子親和力の0.07eV以上1.3eV以下、好ましくは0.1eV以上0.7eV以下、さらに好ましくは0.15eV以上0.4eV以下大きい酸化物を用いる。なお、電子親和力は、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差である。
なお、インジウムガリウム酸化物は、小さい電子親和力と、高い酸素ブロック性を有する。そのため、半導体663がインジウムガリウム酸化物を含むと好ましい。ガリウム原子割合[Ga/(In+Ga)]は、例えば、70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上とする。
このとき、ゲート電圧を印加すると、半導体661、半導体662、半導体663のうち、電子親和力の大きい半導体662にチャネルが形成される。
ここで、半導体661と半導体662との間には、半導体661と半導体662との混合領域を有する場合がある。また、半導体662と半導体663との間には、半導体662と半導体663との混合領域を有する場合がある。混合領域は、界面準位密度が低くなる。そのため、半導体661、半導体662および半導体663の積層体は、それぞれの界面近傍において、エネルギーが連続的に変化する(連続接合ともいう。)バンド構造となる。
このとき、電子は、半導体661中および半導体663中ではなく、半導体662中を主として移動する。上述したように、半導体661および半導体662の界面における界面準位密度、半導体662と半導体663との界面における界面準位密度を低くすることによって、半導体662中で電子の移動が阻害されることが少なく、トランジスタのオン電流を高くすることができる。
トランジスタのオン電流は、電子の移動を阻害する要因を低減するほど、高くすることができる。例えば、電子の移動を阻害する要因のない場合、効率よく電子が移動すると推定される。電子の移動は、例えば、チャネル形成領域の物理的な凹凸が大きい場合にも阻害される。
トランジスタのオン電流を高くするためには、例えば、半導体662の上面または下面(被形成面、ここでは半導体661)の、1μm×1μmの範囲における二乗平均平方根(RMS:Root Mean Square)粗さが1nm未満、好ましくは0.6nm未満、さらに好ましくは0.5nm未満、より好ましくは0.4nm未満とすればよい。また、1μm×1μmの範囲における平均面粗さ(Raともいう。)が1nm未満、好ましくは0.6nm未満、さらに好ましくは0.5nm未満、より好ましくは0.4nm未満とすればよい。また、1μm×1μmの範囲における最大高低差(P−Vともいう。)が10nm未満、好ましくは9nm未満、さらに好ましくは8nm未満、より好ましくは7nm未満とすればよい。RMS粗さ、RaおよびP−Vは、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製走査型プローブ顕微鏡システムSPA−500などを用いて測定することができる。
または、例えば、チャネルの形成される領域中の欠陥準位密度が高い場合にも、電子の移動は阻害される。
例えば、半導体662が酸素欠損(VOとも表記。)を有する場合、酸素欠損のサイトに水素が入り込むことでドナー準位を形成することがある。以下では酸素欠損のサイトに水素が入り込んだ状態をVOHと表記する場合がある。VOHは電子を散乱するため、トランジスタのオン電流を低下させる要因となる。なお、酸素欠損のサイトは、水素が入るよりも酸素が入る方が安定する。したがって、半導体662中の酸素欠損を低減することで、トランジスタのオン電流を高くすることができる場合がある。
例えば、半導体662のある深さにおいて、または、半導体662のある領域において、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)で測定される水素濃度は、2×1020atoms/cm3以下、好ましくは5×1019atoms/cm3以下、より好ましくは1×1019atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm3以下とする。
半導体662の酸素欠損を低減するために、例えば、絶縁膜652に含まれる過剰酸素を、半導体661を介して半導体662まで移動させる方法などがある。この場合、半導体661は、酸素透過性を有する層(酸素を通過または透過させる層)であることが好ましい。
なお、トランジスタがs−channel構造を有する場合、半導体662の全体にチャネルが形成される。したがって、半導体662が厚いほどチャネル領域は大きくなる。即ち、半導体662が厚いほど、トランジスタのオン電流を高くすることができる。例えば、10nm以上、好ましくは20nm以上、さらに好ましくは40nm以上、より好ましくは60nm以上、より好ましくは100nm以上の厚さの領域を有する半導体662とすればよい。ただし、半導体装置の生産性が低下する場合があるため、例えば、300nm以下、好ましくは200nm以下、さらに好ましくは150nm以下の厚さの領域を有する半導体662とすればよい。なお、チャネル形成領域が縮小していくと、半導体662が薄いほうがトランジスタの電気特性が向上する場合もある。よって、半導体662の厚さが10nm未満であってもよい。
また、トランジスタのオン電流を高くするためには、半導体663の厚さは小さいほど好ましい。例えば、10nm未満、好ましくは5nm以下、さらに好ましくは3nm以下の領域を有する半導体663とすればよい。一方、半導体663は、チャネルの形成される半導体662へ、隣接する絶縁体を構成する酸素以外の元素(水素、シリコンなど)が入り込まないようブロックする機能を有する。そのため、半導体663は、ある程度の厚さを有することが好ましい。例えば、0.3nm以上、好ましくは1nm以上、さらに好ましくは2nm以上の厚さの領域を有する半導体663とすればよい。また、半導体663は、絶縁膜652などから放出される酸素の外方拡散を抑制するために、酸素をブロックする性質を有すると好ましい。
また、信頼性を高くするためには、半導体661は厚く、半導体663は薄いことが好ましい。例えば、10nm以上、好ましくは20nm以上、さらに好ましくは40nm以上、より好ましくは60nm以上の厚さの領域を有する半導体661とすればよい。半導体661の厚さを、厚くすることで、隣接する絶縁体と半導体661との界面からチャネルの形成される半導体662までの距離を離すことができる。ただし、半導体装置の生産性が低下する場合があるため、例えば、200nm以下、好ましくは120nm以下、さらに好ましくは80nm以下の厚さの領域を有する半導体661とすればよい。
例えば、半導体662と半導体661との間に、例えば、SIMS分析において、1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは2×1018atoms/cm3未満のシリコン濃度となる領域を有する。また、半導体662と半導体663との間に、SIMSにおいて、1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは2×1018atoms/cm3未満のシリコン濃度となる領域を有する。
また、半導体662の水素濃度を低減するために、半導体661および半導体663の水素濃度を低減すると好ましい。半導体661および半導体663は、SIMSにおいて、2×1020atoms/cm3以下、好ましくは5×1019atoms/cm3以下、より好ましくは1×1019atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm3以下の水素濃度となる領域を有する。また、半導体662の窒素濃度を低減するために、半導体661および半導体663の窒素濃度を低減すると好ましい。半導体661および半導体663は、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下の窒素濃度となる領域を有する。
上述の3層構造は一例である。例えば、半導体661または半導体663のない2層構造としても構わない。または、半導体661の上もしくは下、または半導体663上もしくは下に、半導体661、半導体662および半導体663として例示した半導体のいずれか一を有する4層構造としても構わない。または、半導体661の上、半導体661の下、半導体663の上、半導体663の下のいずれか二箇所以上に、半導体661、半導体662および半導体663として例示した半導体のいずれか一を有するn層構造(nは5以上の整数)としても構わない。
以上、半導体661、半導体662及び半導体663を上述の構成にすることで、トランジスタ600は高いオン電流が得られ、高周波での動作が可能になる。
〈〈導電膜〉〉
導電膜671、導電膜672及び導電膜673は、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、金(Au)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉛(Pb)、錫(Sn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ストロンチウム(Sr)の低抵抗材料からなる単体、もしくは合金、またはこれらを主成分とする化合物を含む導電膜の単層または積層とすることが好ましい。特に、耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましい。また、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。さらに、Cu−Mn合金を用いると、酸素を含む絶縁体との界面に酸化マンガンを形成し、酸化マンガンがCuの拡散を抑制する機能を持つので好ましい。
また、導電膜671、導電膜672及び導電膜673には、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物等の透光性を有する導電性材料を適用することもできる。また、上記透光性を有する導電性材料と、上記金属元素の積層構造とすることもできる。
また、導電膜671、導電膜672及び導電膜673には、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、ストロンチウムルテナイトなど、貴金属を含む導電性酸化物を用いることが好ましい。これらの導電性酸化物は、酸化物半導体と接しても酸化物半導体から酸素を奪うことが少なく、酸化物半導体の酸素欠損を作りにくい。
〈〈ゲート絶縁膜〉〉
絶縁膜653には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を用いることができる。また、絶縁膜653は上記材料の積層であってもよい。なお、絶縁膜653に、ランタン(La)、窒素、ジルコニウム(Zr)などを、不純物として含んでいてもよい。
また、絶縁膜653の積層構造の一例について説明する。絶縁膜653は、例えば、酸素、窒素、シリコン、ハフニウムなどを有する。具体的には、酸化ハフニウム、および酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含むと好ましい。
酸化ハフニウムは、酸化シリコンや酸化窒化シリコンと比べて比誘電率が高い。したがって、酸化シリコンを用いた場合と比べて膜厚を大きくできるため、トンネル電流によるリーク電流を小さくすることができる。即ち、オフ電流の小さいトランジスタを実現することができる。
〈〈保護絶縁膜〉〉
絶縁膜654は、酸素、水素、水、アルカリ金属、アルカリ土類金属等のブロッキングできる機能を有する。絶縁膜654を設けることで、半導体660からの酸素の外部への拡散と、外部から半導体660への水素、水等の入り込みを防ぐことができる。絶縁膜654としては、例えば、窒化物絶縁膜を用いることができる。該窒化物絶縁膜としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム等がある。なお、酸素、水素、水、アルカリ金属、アルカリ土類金属等のブロッキング効果を有する窒化物絶縁膜の代わりに、酸素、水素、水等のブロッキング効果を有する酸化物絶縁膜を設けてもよい。酸素、水素、水等のブロッキング効果を有する酸化物絶縁膜としては、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等がある。
酸化アルミニウム膜は、水素、水分などの不純物、および酸素の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高いので絶縁膜654に適用するのに好ましい。したがって、酸化アルミニウム膜は、トランジスタの作製工程中および作製後において、トランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物の半導体660への混入防止、半導体660を構成する主成分材料である酸素の酸化物半導体からの放出防止、絶縁膜652からの酸素の不必要な放出防止の効果を有する保護膜として用いることに適している。また、酸化アルミニウム膜に含まれる酸素を酸化物半導体中に拡散させることもできる。
〈〈層間絶縁膜〉〉
また、絶縁膜654上には絶縁膜655が形成されていることが好ましい。絶縁膜655には、酸化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどから選ばれた一種以上含む絶縁体を用いることができる。また、絶縁膜655には、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の有機樹脂を用いることもできる。また、絶縁膜655は上記材料の積層であってもよい。
〈〈酸化物半導体膜の構造〉〉
以下では、半導体662に適用可能な、酸化物半導体膜の構造について説明する。
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」とは、二つの直線が−30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
以下では、酸化物半導体膜の構造について説明する。
酸化物半導体膜は、非単結晶酸化物半導体膜と単結晶酸化物半導体膜とに分けられる。または、酸化物半導体は、例えば、結晶性酸化物半導体と非晶質酸化物半導体とに分けられる。
なお、非単結晶酸化物半導体としては、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶酸化物半導体、微結晶酸化物半導体、非晶質酸化物半導体などがある。また、結晶性酸化物半導体としては、単結晶酸化物半導体、CAAC−OS、多結晶酸化物半導体、微結晶酸化物半導体などがある。
まずは、CAAC−OS膜について説明する。
CAAC−OS膜は、c軸配向した複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つである。
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OS膜の明視野像および回折パターンの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察することで複数の結晶部を確認することができる。一方、高分解能TEM像によっても明確な結晶部同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
試料面と略平行な方向から、CAAC−OS膜の断面の高分解能TEM像を観察すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
一方、試料面と略垂直な方向から、CAAC−OS膜の平面の高分解能TEM像を観察すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnO4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。
なお、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜は、不純物濃度の低い酸化物半導体膜である。不純物は、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などの酸化物半導体膜の主成分以外の元素である。特に、シリコンなどの、酸化物半導体膜を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体膜から酸素を奪うことで酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体膜内部に含まれると、酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。なお、酸化物半導体膜に含まれる不純物は、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。
また、CAAC−OS膜は、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜である。例えば、酸化物半導体膜中の酸素欠損は、キャリアトラップとなることや、水素を捕獲することによってキャリア発生源となることがある。
CAAC−OS膜のように、不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い(酸素欠損の少ない)ことを、高純度真性または実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。したがって、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリアトラップが少ない。そのため、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。なお、酸化物半導体膜のキャリアトラップに捕獲された電荷は、放出するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、不純物濃度が高く、欠陥準位密度が高い酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
なお、本明細書等において実質的に真性という場合、酸化物半導体膜のキャリア密度は、1×1017/cm3未満、1×1015/cm3未満、または1×1013/cm3未満である。酸化物半導体膜を高純度真性化することで、トランジスタに安定した電気特性を付与することができる。
酸化物半導体膜を真性または実質的に真性とするためには、SIMS分析において、例えば、酸化物半導体膜のある深さにおいて、または、酸化物半導体膜のある領域において、シリコン濃度を1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。また、水素濃度は、例えば、酸化物半導体膜のある深さにおいて、または、酸化物半導体膜のある領域において、2×1020atoms/cm3以下、好ましくは5×1019atoms/cm3以下、より好ましくは1×1019atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm3以下とする。また、窒素濃度は、例えば、酸化物半導体膜のある深さにおいて、または、酸化物半導体膜のある領域において、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体膜が結晶を含む場合、シリコンや炭素が高濃度で含まれると、酸化物半導体膜の結晶性を低下させることがある。酸化物半導体膜の結晶性を低下させないためには、例えば、酸化物半導体膜のある深さにおいて、または、酸化物半導体膜のある領域において、シリコン濃度を1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする部分を有していればよい。また、例えば、酸化物半導体膜のある深さにおいて、または、酸化物半導体膜のある領域において、炭素濃度を1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする部分を有していればよい。
また、CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。
次に、微結晶酸化物半導体膜について説明する。
微結晶酸化物半導体膜は、高分解能TEM像において、結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。微結晶酸化物半導体膜に含まれる結晶部は、1nm以上100nm以下、または1nm以上10nm以下の大きさであることが多い。特に、1nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下の微結晶であるナノ結晶(nc:nanocrystal)を有する酸化物半導体膜を、nc−OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)膜と呼ぶ。また、nc−OS膜は、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。
nc−OS膜は、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OS膜は、分析方法によっては、非晶質酸化物半導体膜と区別が付かない場合がある。例えば、nc−OS膜に対し、結晶部よりも大きい径のX線を用いるXRD装置を用いて構造解析を行うと、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークが検出されない。また、nc−OS膜に対し、結晶部よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子回折(制限視野電子回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc−OS膜に対し、結晶部の大きさと近いか結晶部より小さいプローブ径の電子線を用いるナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測される。また、nc−OS膜に対しナノビーム電子回折を行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。また、nc−OS膜に対しナノビーム電子回折を行うと、リング状の領域内に複数のスポットが観測される場合がある。
nc−OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも規則性の高い酸化物半導体膜である。そのため、nc−OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OS膜は、CAAC−OS膜と比べて欠陥準位密度が高くなる。
酸化物半導体膜がCAAC−OS膜であったとしても、部分的にnc構造などと同様の回折パターンが観測される場合がある。したがって、CAAC−OS膜の良否は、一定の範囲におけるCAAC構造の回折パターンが観測される領域の割合(CAAC比率、またはCAAC化率ともいう。)で表すことができる場合がある。ここで、CAAC比率は、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上100%以下である。
次に、非晶質酸化物半導体膜について説明する。
非晶質酸化物半導体膜は、膜中における原子配列が不規則であり、結晶部を有さない酸化物半導体膜である。石英のような無定形状態を有する酸化物半導体膜が一例である。
非晶質酸化物半導体膜は、高分解能TEM像において結晶部を確認することができない。
非晶質酸化物半導体膜に対し、XRD装置を用いた構造解析を行うと、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークが検出されない。また、非晶質酸化物半導体膜に対し、電子回折を行うと、ハローパターンが観測される。また、非晶質酸化物半導体膜に対し、ナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測されず、ハローパターンが観測される。
なお、酸化物半導体膜は、nc−OS膜と非晶質酸化物半導体膜との間の物性を示す構造を有する場合がある。そのような構造を有する酸化物半導体膜を、特に非晶質ライク酸化物半導体(a−like OS:amorphous−like Oxide Semiconductor)膜と呼ぶ。
a−like OS膜は、高分解能TEM像において鬆(ボイドともいう。)が観察される場合がある。また、高分解能TEM像において、明確に結晶部を確認することのできる領域と、結晶部を確認することのできない領域と、を有する。a−like OS膜は、TEMによる観察程度の微量な電子照射によって、結晶化が起こり、結晶部の成長が見られる場合がある。一方、良質なnc−OS膜であれば、TEMによる観察程度の微量な電子照射による結晶化はほとんど見られない。
なお、a−like OS膜およびnc−OS膜の結晶部の大きさの計測は、高分解能TEM像を用いて行うことができる。例えば、InGaZnO4の結晶は層状構造を有し、In−O層の間に、Ga−Zn−O層を2層有する。InGaZnO4の結晶の単位格子は、In−O層を3層有し、またGa−Zn−O層を6層有する、計9層がc軸方向に層状に重なった構造を有する。よって、これらの近接する層同士の間隔は、(009)面の格子面間隔(d値ともいう。)と同程度であり、結晶構造解析からその値は0.29nmと求められている。そのため、高分解能TEM像における格子縞に着目し、格子縞の間隔が0.28nm以上0.30nm以下である箇所においては、それぞれの格子縞がInGaZnO4の結晶のa−b面に対応する。
また、酸化物半導体膜は、構造ごとに密度が異なる場合がある。例えば、ある酸化物半導体膜の組成がわかれば、該組成と同じ組成における単結晶の密度と比較することにより、その酸化物半導体膜の構造を推定することができる。例えば、単結晶の密度に対し、a−like OS膜の密度は78.6%以上92.3%未満となる。また、例えば、単結晶の密度に対し、nc−OS膜の密度およびCAAC−OS膜の密度は92.3%以上100%未満となる。なお、単結晶の密度に対し密度が78%未満となる酸化物半導体膜は、成膜すること自体が困難である。
上記について、具体例を用いて説明する。例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体膜において、菱面体晶構造を有する単結晶InGaZnO4の密度は6.357g/cm3となる。よって、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体膜において、a−like OS膜の密度は5.0g/cm3以上5.9g/cm3未満となる。また、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体膜において、nc−OS膜の密度およびCAAC−OS膜の密度は5.9g/cm3以上6.3g/cm3未満となる。
なお、同じ組成の単結晶が存在しない場合がある。その場合、任意の割合で組成の異なる単結晶を組み合わせることにより、所望の組成の単結晶に相当する密度を算出することができる。所望の組成の単結晶の密度は、組成の異なる単結晶を組み合わせる割合に対して、加重平均を用いて算出すればよい。ただし、密度は、可能な限り少ない種類の単結晶を組み合わせて算出することが好ましい。
なお、酸化物半導体膜は、例えば、非晶質酸化物半導体膜、a−like OS膜、微結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
以下では、CAAC−OSの組成について説明する。なお、組成の説明には、CAAC−OSとなる酸化物半導体であるIn−M−Zn酸化物の場合を例示する。なお、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズなどとする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステンなどがある。
図11は、各頂点にIn、MまたはZnを配置した三角図である。また、図中の[In]はInの原子濃度を示し、[M]は元素Mの原子濃度を示し、[Zn]はZnの原子濃度を示す。
In−M−Zn酸化物の結晶はホモロガス構造を有することが知られており、InMO3(ZnO)m(mは自然数。)で示される。また、InとMとを置き換えることが可能であるため、In1+αM1−αO3(ZnO)mで示すこともできる。これは、図11において、[In]:[M]:[Zn]=1+α:1−α:1、[In]:[M]:[Zn]=1+α:1−α:2、[In]:[M]:[Zn]=1+α:1−α:3、[In]:[M]:[Zn]=1+α:1−α:4、および[In]:[M]:[Zn]=1+α:1−α:5と表記した破線で示される組成である。
図11の破線上の太線は、例えば、原料となる酸化物を混合し、1350℃で焼成した場合に単一相の固溶域をとり得ることが知られている組成である。また、図11に四角のシンボルで示す座標は、スピネル型の結晶構造が混在しやすいことが知られている組成である。
例えば、スピネル型の結晶構造を有する化合物として、ZnGa2O4などのZnM2O4で表される化合物が知られている。図11に示すようにZnM2O4の近傍の組成、つまり(In,Zn,M)=(0,1,2)に近い値を有する場合には、スピネル型の結晶構造が形成、あるいは混在しやすい。CAAC−OS膜は、特にスピネル型の結晶構造が含まれないことが好ましい。
また、キャリア移動度を高めるためにはInの含有率を高めることが好ましい。インジウム、元素M及び亜鉛を有する酸化物半導体では主として重金属のs軌道がキャリア伝導に寄与しており、インジウムの含有率を多くすることにより、より多くのs軌道が重なるため、インジウムの含有率が多い酸化物はインジウムの含有率が少ない酸化物と比較して移動度が高くなる。そのため、酸化物半導体膜にインジウムの含有量が多い酸化物を用いることで、キャリア移動度を高めることができる。
よって、図9の半導体662の組成は、図11に示した太線の組成の近傍であることが好ましい。こうすることで、トランジスタのチャネル形成領域を、CAAC化率の高い領域とすることができる。さらに、半導体662のInの含有率を高めることで、トランジスタのオン電流を大きくすることができる。
以上、トランジスタのチャネル形成領域をCAAC−OSとすることで、信頼性が高く、オン電流の高いトランジスタを提供することが可能になる。また、高周波でも動作可能なトランジスタを提供することができる。
ところで、CAAC−OSをスパッタリング法で成膜する際には、被成膜面である基板表面の加熱、または空間加熱などの影響で、ソースとなるターゲットなどの組成と膜の組成とが異なる場合がある。例えば、酸化亜鉛は、酸化インジウムや酸化ガリウムなどと比べて昇華しやすいため、ソースと膜との組成のずれが生じやすい。したがって、あらかじめ組成の変化を考慮したソースを選択することが好ましい。なお、ソースと膜との組成のずれ量は、温度以外にも圧力や成膜に用いるガスなどの影響でも変化する。
また、CAAC−OSをスパッタリング法で成膜する際は、多結晶構造を含むターゲットを用いることが好ましい。
〈トランジスタの構成例2〉
図9において、トランジスタに1つのゲート電極が設けられている場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。トランジスタに複数のゲート電極が設けられていてもよい。一例として、図9に示したトランジスタ600に、第2のゲート電極として導電膜681が設けられている例を、図12(A)乃至図12(D)に示す。図12(A)は上面図であり、図12(A)に示す一点鎖線Y1−Y2方向の断面が図12(B)に相当し、図12(A)に示す一点鎖線X1−X2方向の断面が図12(C)に相当し、図12(A)に示す一点鎖線X3−X4方向の断面が図12(D)に相当する。なお、図12(A)乃至図12(D)では、図の明瞭化のために一部の要素を拡大、縮小、または省略して図示している。
図12は、基板640と絶縁膜652との間に、絶縁膜651、導電膜681及び絶縁膜682を有している点で、図9と異なる。
絶縁膜651は、基板640と導電膜681を電気的に分離させる機能を有する。絶縁膜651には、酸化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどから選ばれた一種以上含む絶縁体を用いてもよい。また、絶縁膜651には、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の有機樹脂を用いてもよい。また、絶縁膜651は上記材料の積層であってもよい。
導電膜681は、導電膜673の説明で記載された材料を用いることができる。導電膜681は、第2のゲート電極としての機能を有する。導電膜681は、一定の電位が供給されていてもよいし、導電膜673と同じ電位や、同じ信号が供給されていてもよい。
絶縁膜682は、絶縁膜652に含まれる酸素が、導電膜681に含まれる金属と結びつき、絶縁膜652に含まれる酸素が減少することを防ぐ機能を有する。絶縁膜682は、絶縁膜654の説明で記載された材料を用いることができる。
〈トランジスタの構成例3〉
図9に示すトランジスタ600は、半導体663及び絶縁膜653を、導電膜673と同時にエッチングしてもよい。一例として、図13(A)乃至図13(D)に示す。図13(A)は上面図であり、図13(A)に示す一点鎖線Y1−Y2方向の断面が図13(B)に相当し、図13(A)に示す一点鎖線X1−X2方向の断面が図13(C)に相当し、図13(A)に示す一点鎖線X3−X4方向の断面が図13(D)に相当する。なお、図13(A)乃至図13(D)では、図の明瞭化のために一部の要素を拡大、縮小、または省略して図示している。
図13では、半導体663及び絶縁膜653が、導電膜673の下のみに存在し、それ以外の場所では除去されている。
〈トランジスタの構成例4〉
図9に示すトランジスタ600は、導電膜671及び導電膜672が、半導体661の側面及び半導体662の側面と接していてもよい。一例として、図14(A)乃至図14(D)に示す。図14(A)は上面図であり、図14(A)に示す一点鎖線Y1−Y2方向の断面が図14(B)に相当し、図14(A)に示す一点鎖線X1−X2方向の断面が図14(C)に相当し、図14(A)に示す一点鎖線X3−X4方向の断面が図14(D)に相当する。なお、図14(A)乃至図14(D)では、図の明瞭化のために一部の要素を拡大、縮小、または省略して図示している。
〈トランジスタの構成例5〉
図9に示すトランジスタ600において、導電膜671は導電膜671aと導電膜671bの積層構造としてもよい。また、導電膜672は導電膜672aと導電膜672bの積層構造としてもよい。一例として、図15(A)乃至図15(D)に示す。図15(A)は上面図であり、図15(A)に示す一点鎖線Y1−Y2方向の断面が図15(B)に相当し、図15(A)に示す一点鎖線X1−X2方向の断面が図15(C)に相当し、図15(A)に示す一点鎖線X3−X4方向の断面が図15(D)に相当する。なお、図15(A)乃至図15(D)では、図の明瞭化のために一部の要素を拡大、縮小、または省略して図示している。
導電膜671bおよび導電膜672bとしては、例えば、透明導電体、酸化物半導体、窒化物半導体または酸化窒化物半導体を用いればよい。導電膜671bおよび導電膜672bとしては、例えば、インジウム、スズおよび酸素を含む膜、インジウムおよび亜鉛を含む膜、インジウム、タングステンおよび亜鉛を含む膜、スズおよび亜鉛を含む膜、亜鉛およびガリウムを含む膜、亜鉛およびアルミニウムを含む膜、亜鉛およびフッ素を含む膜、亜鉛およびホウ素を含む膜、スズおよびアンチモンを含む膜、スズおよびフッ素を含む膜またはチタンおよびニオブを含む膜などを用いればよい。または、これらの膜が水素、炭素、窒素、シリコン、ゲルマニウムまたはアルゴンを含んでも構わない。
導電膜671bおよび導電膜672bは、可視光線を透過する性質を有しても構わない。または、導電膜671bおよび導電膜672bは、可視光線、紫外線、赤外線もしくはX線を、反射もしくは吸収することで透過させない性質を有しても構わない。このような性質を有することで、迷光によるトランジスタの電気特性の変動を抑制できる場合がある。
また、導電膜671bおよび導電膜672bは、半導体662などとの間にショットキー障壁を形成しない層を用いると好ましい場合がある。こうすることで、トランジスタのオン特性を向上させることができる。
導電膜671aおよび導電膜672aとしては、例えば、ホウ素、窒素、酸素、フッ素、シリコン、リン、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、銀、インジウム、スズ、タンタルおよびタングステンを一種以上含む導電体を、単層で、または積層で用いればよい。例えば、合金膜や化合物膜であってもよく、アルミニウムを含む導電体、銅およびチタンを含む導電体、銅およびマンガンを含む導電体、インジウム、スズおよび酸素を含む導電体、チタンおよび窒素を含む導電体などを用いてもよい。
なお、導電膜671bおよび導電膜672bは、導電膜671aおよび導電膜672aよりも高抵抗の膜を用いると好ましい場合がある。また、導電膜671bおよび導電膜672bは、トランジスタのチャネルよりも低抵抗の膜を用いると好ましい場合がある。例えば、導電膜671bおよび導電膜672bの抵抗率を、0.1Ωcm以上100Ωcm以下、0.5Ωcm以上50Ωcm以下、または1Ωcm以上10Ωcm以下とすればよい。導電膜671bおよび導電膜672bの抵抗率を上述の範囲とすることにより、チャネルとドレインとの境界部における電界集中を緩和することができる。そのため、トランジスタの電気特性の変動を低減することができる。また、ドレインから生じる電界に起因したパンチスルー電流を低減することができる。そのため、チャネル長の短いトランジスタにおいても、飽和特性を良好にすることができる。なお、ソースとドレインとが入れ替わらない回路構成であれば、導電膜671bおよび導電膜672bのいずれか一方のみ(例えば、ドレイン側)を配置するほうが好ましい場合がある。
〈トランジスタの構成例6〉
図14に示すトランジスタおいて、導電膜671は導電膜671aと導電膜671bの積層構造としてもよい。また、導電膜672は導電膜672aと導電膜672bの積層構造としてもよい。一例として、図16(A)乃至図16(D)に示す。図16(A)は上面図であり、図16(A)に示す一点鎖線Y1−Y2方向の断面が図16(B)に相当し、図16(A)に示す一点鎖線X1−X2方向の断面が図16(C)に相当し、図16(A)に示す一点鎖線X3−X4方向の断面が図16(D)に相当する。なお、図16(A)乃至図16(D)では、図の明瞭化のために一部の要素を拡大、縮小、または省略して図示している。
図16の導電膜671a、導電膜671b、導電膜672a及び導電膜672bの詳細は、図15での記載を参照すればよい。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1に示す半導体装置の一例について、図17を用いて説明する。
図17は半導体装置の構成の一例を示す断面図である。図17に示す半導体装置は、トランジスタ101と、トランジスタ102と、トランジスタ103と、容量素子104と、基板730と、素子分離層731と、絶縁膜732と、絶縁膜733と、絶縁膜734と、プラグ711と、プラグ712と、プラグ713と、プラグ714と、配線721と、配線722と、配線723と、配線724と、を有している。なお、図17のある一つの構成要素に符号を与えた場合、該構成要素と同一の層に形成されている同じ構成要素は、煩雑さを避けるために符号の記載を省略している。
トランジスタ102及びトランジスタ103は、実施の形態3に記載のOSトランジスタを適用することができる。
トランジスタ101は、ソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域751及び不純物領域755と、ゲート電極752と、ゲート絶縁膜753と、側壁絶縁層754と、を有している。
トランジスタ101は第1の半導体材料を有し、トランジスタ102及びトランジスタ103は第2の半導体材料を有している。第1の半導体材料と第2の半導体材料は異なる禁制帯幅を持つ材料とすることが好ましい。例えば、第1の半導体材料を酸化物半導体以外の半導体材料(シリコン(歪シリコン含む)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウム、有機半導体など)とし、第2の半導体材料を酸化物半導体とすることができる。酸化物半導体以外の材料として単結晶シリコンなどを用いたトランジスタは、高速動作が容易である。一方で、酸化物半導体を用いたトランジスタは、先の実施の形態で例示したトランジスタを適用することで、優れたサブスレッショルド特性が得られ、微細なトランジスタとすることが可能である。また、スイッチ速度が速いため高速動作が可能であり、オフ電流が低いためリーク電流が小さい。
トランジスタ101は、nチャネル型のトランジスタまたはpチャネル型のトランジスタのいずれであってもよく、回路によって適切なトランジスタを用いればよい。本実施の形態では、トランジスタ101は、pチャネル型のトランジスタとして説明を行う。
また、トランジスタ101は、側壁絶縁層754の下に、LDD(Lightly Doped Drain)領域やエクステンション領域として機能する不純物領域を設けてもよい。特に、トランジスタ101をnチャネル型とする場合は、ホットキャリアによる劣化を抑制するため、LDD領域やエクステンション領域を設けることが好ましい。
また、トランジスタ101としてシリサイド(サリサイド)を有するトランジスタや、側壁絶縁層754を有さないトランジスタを用いてもよい。シリサイド(サリサイド)を有する構造であると、ソース領域およびドレイン領域がより低抵抗化でき、半導体装置の高速化が可能である。また、低電圧で動作できるため、半導体装置の消費電力を低減することが可能である。
基板730としては、シリコンや炭化シリコンからなる単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムからなる化合物半導体基板や、SOI(Silicon on Insulator)基板などを用いることができる。半導体基板を用いて形成されたトランジスタは、高速動作が容易である。なお、基板730としてp型の単結晶シリコン基板を用いた場合、基板730の一部にn型を付与する不純物元素を添加してn型のウェルを形成し、n型のウェルが形成された領域にp型のトランジスタを形成することも可能である。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)、砒素(As)等を用いることができる。p型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)等を用いることができる。
また、基板730は導電体基板、または絶縁基板上に半導体膜を設けたものでもよい。該導電体基板として、例えば、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板などが挙げられる。該絶縁基板として、例えば、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどが挙げられる。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板の一例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチック、又はアクリル等の可撓性を有する合成樹脂などがある。貼り合わせフィルムの一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。基材フィルムの一例としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。
なお、ある基板を用いて半導体素子を形成し、その後、別の基板に半導体素子を転置してもよい。半導体素子が転置される基板の一例としては、上述した基板に加え、紙基板、セロファン基板、アラミドフィルム基板、ポリイミドフィルム基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、特性のよいトランジスタの形成、消費電力の小さいトランジスタの形成、壊れにくい装置の製造、耐熱性の付与、軽量化、又は薄型化を図ることができる。
トランジスタ101は、素子分離層731により、基板730に形成される他のトランジスタと分離されている。素子分離層731は、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどから選ばれた一種以上含む絶縁体を用いることができる。
下層に設けられるトランジスタ101にシリコン系半導体材料を用いた場合、トランジスタ101の半導体膜の近傍に設けられる絶縁膜734は水素を含むことが好ましい。絶縁膜734に含まれる水素はシリコンのダングリングボンドを終端し、トランジスタ101の信頼性を向上させる効果がある。絶縁膜734には、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコンなどを用いることができる。
上層に設けられるトランジスタ102及びトランジスタ103に酸化物半導体を用いた場合、トランジスタ102及びトランジスタ103の半導体膜の近傍に設けられる絶縁膜中の水素は、酸化物半導体中にキャリアを生成する要因の一つとなるため、トランジスタ102及びトランジスタ103の信頼性を低下させる要因となる場合がある。したがって、シリコン系半導体材料を用いたトランジスタ101の上層に酸化物半導体を用いたトランジスタ102及びトランジスタ103を積層して設ける場合、これらの間に水素の拡散を防止する機能を有する絶縁膜732を設けることは特に効果的である。絶縁膜732により、下層に水素を閉じ込めることでトランジスタ102及びトランジスタ103の信頼性が向上することに加え、下層から上層に水素が拡散することが抑制されることでトランジスタ101の信頼性も同時に向上させることができる。
絶縁膜732としては、例えば酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等を用いることができる。
また、酸化物半導体膜を含んで構成されるトランジスタ102及びトランジスタ103を覆うように、水素の拡散を防止する機能を有する絶縁膜733を形成することが好ましい。絶縁膜733としては、絶縁膜732と同様の材料を用いることができ、特に酸化アルミニウムを適用することが好ましい。酸化アルミニウム膜は、水素、水分などの不純物および酸素の双方に対して膜を透過させない遮断(ブロッキング)効果が高い。したがって、トランジスタ102及びトランジスタ103を覆う絶縁膜733として酸化アルミニウム膜を用いることで、トランジスタ102及びトランジスタ103に含まれる酸化物半導体膜からの酸素の脱離を防止するとともに、酸化物半導体膜への水および水素の混入を防止することができる。
プラグ711乃至プラグ714は、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、金(Au)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉛(Pb)、錫(Sn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)の低抵抗材料からなる単体、もしくは合金、またはこれらを主成分とする化合物を含む導電膜の単層または積層とすることが好ましい。特に、耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましい。また、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。さらに、Cu−Mn合金を用いると、酸素を含む絶縁体との界面に酸化マンガンを形成し、酸化マンガンがCuの拡散を抑制する機能を持つので好ましい。
配線721乃至配線724は、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、金(Au)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉛(Pb)、錫(Sn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)の低抵抗材料からなる単体、もしくは合金、またはこれらを主成分とする化合物を含む導電膜の単層または積層とすることが好ましい。特に、耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましい。また、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。さらに、Cu−Mn合金を用いると、酸素を含む絶縁体との界面に酸化マンガンを形成し、酸化マンガンがCuの拡散を抑制する機能を持つので好ましい。
プラグ713及び配線723は、同じ製造工程で作製してもよい。
必要に応じて、トランジスタ102及びトランジスタ103の上に、実施の形態2で示したトランジスタをさらに形成してもよい。
図17において、符号及びハッチングパターンが与えられていない領域は絶縁体で構成された領域を表している。これらの領域には、酸化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどから選ばれた一種以上含む絶縁体を用いることができる。また、当該領域には、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の有機樹脂を用いることもできる。
ここで、トランジスタ101に換えて図18(A)及び図18(B)に示すトランジスタ750を用いてもよい。図18(B)には、一点鎖線E−Fによる図18(A)の断面を示す。トランジスタ750はチャネルが形成される半導体層756(半導体基板の一部)が凸形状を有し、その側面及び上面に沿ってゲート絶縁膜753及びゲート電極752が設けられている。また素子分離層731が設けられている。このようなトランジスタは半導体基板の凸部を利用していることからFIN型トランジスタとも呼ばれる。なお、凸部の上部に接して、凸部を形成するためのマスクとして機能する絶縁膜を有していてもよい。また、ここでは半導体基板の一部を加工して凸部を形成する場合を示したが、SOI基板を加工して凸形状を有する半導体層を形成してもよい。
半導体装置を、図17のような構成にすることで、OSトランジスタとPMOSトランジスタを同一基板上に作製することができる。また、トランジスタ102およびトランジスタ103は、占有面積が小さいため、集積度の高い半導体装置を提供することができる。
ただし、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、OSではなく、様々な半導体を有することができる。場合によっては、または、状況に応じて、OSの代わりに、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウム、有機半導体などを有することもできる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本発明の一態様に係る半導体装置を適用した半導体装置の構成の一例について、図19を用いながら説明する。
図19に示す半導体装置500は、CPUコア501、パワーマネージメントユニット521および周辺回路522を有する。パワーマネージメントユニット521は、パワーコントローラ502、およびパワースイッチ503を有する。周辺回路522は、メモリ504、バスインターフェース(BUS I/F)505、及びデバッグインターフェース(Debug I/F)506を有する。CPUコア501は、データバス523、制御装置507、PC(プログラムカウンタ)508、パイプラインレジスタ509、パイプラインレジスタ510、ALU(Arithmetic logic unit)511、及びレジスタファイル512を有する。CPUコア501と、メモリ504等の周辺回路522とのデータのやり取りは、データバス523を介して行われる。
本発明の一態様に係る半導体装置は、メモリ504に適用することができる。その結果、メモリの小型化、高密度化、または大容量化が可能となり、小型化した半導体装置、記憶容量のより大きな半導体装置、より高速で動作する半導体装置、或いはより低消費電力の半導体装置を提供できる。
制御装置507は、PC508、パイプラインレジスタ509、パイプラインレジスタ510、ALU511、レジスタファイル512、メモリ504、バスインターフェース505、デバッグインターフェース506、及びパワーコントローラ502の動作を統括的に制御することで、入力されたアプリケーションなどのプログラムに含まれる命令をデコードし、実行する機能を有する。
ALU511は、四則演算、論理演算などの各種演算処理を行う機能を有する。
PC508は、次に実行する命令のアドレスを記憶する機能を有するレジスタである。
パイプラインレジスタ509は、命令データを一時的に記憶する機能を有するレジスタである。
レジスタファイル512は、汎用レジスタを含む複数のレジスタを有しており、メインメモリから読み出されたデータ、またはALU511の演算処理の結果得られたデータ、などを記憶することができる。
パイプラインレジスタ510は、ALU511の演算処理に利用するデータ、またはALU511の演算処理の結果得られたデータなどを一時的に記憶する機能を有するレジスタである。
バスインターフェース505は、半導体装置500と半導体装置500の外部にある各種装置との間におけるデータの経路としての機能を有する。デバッグインターフェース506は、デバッグの制御を行うための命令を半導体装置500に入力するための信号の経路としての機能を有する。
パワースイッチ503は、半導体装置500が有する、パワーコントローラ502以外の各種回路への、電源電圧の供給を制御する機能を有する。上記各種回路は、幾つかのパワードメインにそれぞれ属しており、同一のパワードメインに属する各種回路は、パワースイッチ503によって電源電圧の供給の有無が制御される。また、パワーコントローラ502はパワースイッチ503の動作を制御する機能を有する。
上記構成を有する半導体装置500は、パワーゲーティングを行うことが可能である。パワーゲーティングの動作の流れについて、一例を挙げて説明する。
まず、CPUコア501が、電源電圧の供給を停止するタイミングを、パワーコントローラ502のレジスタに設定する。次いで、CPUコア501からパワーコントローラ502へ、パワーゲーティングを開始する旨の命令を送る。次いで、半導体装置500内に含まれる各種レジスタとメモリ504が、データの退避を開始する。次いで、半導体装置500が有するパワーコントローラ502以外の各種回路への電源電圧の供給が、パワースイッチ503により停止される。次いで、割込み信号がパワーコントローラ502に入力されることで、半導体装置500が有する各種回路への電源電圧の供給が開始される。なお、パワーコントローラ502にカウンタを設けておき、電源電圧の供給が開始されるタイミングを、割込み信号の入力に依らずに、当該カウンタを用いて決めるようにしてもよい。次いで、各種レジスタとメモリ504が、データの復帰を開始する。次いで、制御装置507における命令の実行が再開される。
このようなパワーゲーティングは、プロセッサ全体、もしくはプロセッサを構成する一つ、または複数の論理回路において行うことができる。また、短い時間でも電源の供給を停止することができる。このため、空間的に、あるいは時間的に細かい粒度で消費電力の削減を行うことができる。
本発明の一態様に係る半導体装置をメモリ504に適用することで、メモリ504は、電源電圧の供給が停止されても、長期間データを保持することができる。したがって、パワーゲーティングを行う際に、メモリ504のデータを保持し続けることができ、退避する必要がない。その結果、電力と時間を削減することができる。つまり、メモリ504に本発明の一態様に係る半導体装置を適用せず、揮発性のSRAMを用いる場合には、パワーゲーティングの際に、メモリのデータを半導体装置500の外部に退避する必要がある。データを半導体装置500の外部に退避する場合には、復帰時に半導体装置500の外部からデータを取ってくるエネルギーと時間(つまり、メモリのウォームアップに必要なエネルギーと時間)を要するが、本発明の一態様に係る半導体装置を適用することで、これを削減することができる。データを退避する場合には、データの退避および復帰に必要な電力と時間を要するが、本発明の一態様に係る半導体装置を適用することで、これを削減することができる。
なお、本発明の一態様に係る半導体装置は、CPUだけでなく、GPU(Graphics Processing Unit)、PLD(Programmable Logic Device)、DSP(Digital Signal Processor)、MCU(Microcontroller Unit)、RFID(Radio Frequency Identification)、RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)、カスタムLSIなどにも適用可能である。
(実施の形態6)
本発明の一態様に係る半導体装置を適用した半導体装置の構成の一例について、図20を用いながら説明する。
図20に示す半導体装置800は、RFICの構成の一例である。本実施の形態におけるRFICは、内部に記憶回路を有し、記憶回路に必要な情報を記憶し、非接触手段、例えば無線通信を用いて外部と情報の授受を行うものである。このような特徴から、RFICは、物品などの個体情報を読み取ることにより物品の識別を行う個体認証システムなどに用いることが可能である。
図20に示す半導体装置800は、アンテナ804、整流回路805、定電圧回路806、復調回路807、変調回路808、論理回路809、記憶回路810、ROM811を有している。
本発明の一態様に係る半導体装置は、記憶回路810に適用することができる。その結果、記憶回路810の小型化、高密度化、または大容量化が可能となり、小型化した半導体装置、あるいは記憶容量のより大きな半導体装置を提供できる。
アンテナ804は、通信器801に接続されたアンテナ802との間で無線信号803の送受信を行うためのものである。また、整流回路805は、アンテナ804で無線信号を受信することにより生成される入力交流信号を整流、例えば、半波2倍圧整流し、後段に設けられた容量素子により、整流された信号を平滑化することで入力電位を生成するための回路である。なお、整流回路805の入力側または出力側には、リミッタ回路を設けてもよい。リミッタ回路とは、入力交流信号の振幅が大きく、内部生成電圧が大きい場合に、ある電力以上の電力を後段の回路に入力しないように制御するための回路である。
定電圧回路806は、入力電位から安定した電源電圧を生成し、各回路に供給するための回路である。なお、定電圧回路806は、内部にリセット信号生成回路を有していてもよい。リセット信号生成回路は、安定した電源電圧の立ち上がりを利用して、論理回路809のリセット信号を生成するための回路である。
復調回路807は、入力交流信号を包絡線検出することにより復調し、復調信号を生成するための回路である。また、変調回路808は、アンテナ804より出力するデータに応じて変調を行うための回路である。
論理回路809は復調信号を解読し、処理を行うための回路である。記憶回路810は、入力された情報を保持する回路であり、ローデコーダ、カラムデコーダ、記憶領域などを有する。また、ROM811は、固有番号(ID)などを格納し、処理に応じて出力を行うための回路である。
なお、データの伝送形式は、一対のコイルを対向配置して相互誘導によって交信を行う電磁結合方式、誘導電磁界によって交信する電磁誘導方式、電波を利用して交信する電波方式などがある。本実施の形態に示す半導体装置800は、いずれの方式に用いることも可能である。
なお、上述の各回路は、必要に応じて、適宜、取捨することができる。
なお、記憶回路810以外の回路において、nチャネル型トランジスタには、先の実施の形態で説明した酸化物半導体を用いたトランジスタを用いることができる。当該トランジスタが低いオフ電流と高いオン電流を有するため低いリーク電流と高速動作を両立することができる。また、復調回路807に含まれる整流作用を示す素子に、先の実施の形態で説明した酸化物半導体を用いたトランジスタを用いてもよい。当該トランジスタが低いオフ電流を有するため、整流作用を示す素子の逆方向電流を小さく抑えることが可能となる。その結果、優れた整流効率を実現できる。また、これらの酸化物半導体を用いたトランジスタは同じプロセスで作製することができるため、プロセスコストを抑えたまま半導体装置800を高性能化できる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、上述の実施の形態で説明した半導体装置を電子部品に適用する例について、図21を用いて説明する。
図21(a)では上述の実施の形態で説明した半導体装置を電子部品に適用する例について説明する。なお電子部品は、半導体パッケージ、又はIC用パッケージともいう。この電子部品は、端子取り出し方向や、端子の形状に応じて、複数の規格や名称が存在する。そこで、本実施の形態では、その一例について説明することにする。
図17に示すようなトランジスタで構成される半導体装置は、組み立て工程(後工程)を経て、プリント基板に脱着可能な部品が複数合わさることで完成する。
後工程については、図21(a)に示す各工程を経ることで完成させることができる。具体的には、前工程で得られる素子基板が完成(ステップS1)した後、基板の裏面を研削する(ステップS2)。この段階で基板を薄膜化することで、前工程での基板の反り等を低減し、部品としての小型化を図る。
基板の裏面を研削して、基板を複数のチップに分離するダイシング工程を行う。そして、分離したチップを個々にピックアップしてリードフレーム上に搭載し接合する、ダイボンディング工程を行う(ステップS3)。このダイボンディング工程におけるチップとリードフレームとの接着は、樹脂による接着や、テープによる接着等、適宜製品に応じて適した方法を選択する。なお、ダイボンディング工程は、インターポーザ上に搭載し接合してもよい。
次いでリードフレームのリードとチップ上の電極とを、金属の細線(ワイヤー)で電気的に接続する、ワイヤーボンディングを行う(ステップS4)。金属の細線には、銀線や金線を用いることができる。また、ワイヤーボンディングは、ボールボンディングや、ウェッジボンディングを用いることができる。
ワイヤーボンディングされたチップは、エポキシ樹脂等で封止される、モールド工程が施される(ステップS5)。モールド工程を行うことで電子部品の内部が樹脂で充填され、機械的な外力による内蔵される回路部やワイヤーに対するダメージを低減することができ、また水分や埃による特性の劣化を低減することができる。
次いでリードフレームのリードをめっき処理する。そしてリードを切断及び成形加工する(ステップS6)。このめっき処理によりリードの錆を防止し、後にプリント基板に実装する際のはんだ付けをより確実に行うことができる。
次いでパッケージの表面に印字処理(マーキング)を施す(ステップS7)。そして最終的な検査工程(ステップS8)を経て電子部品が完成する(ステップS9)。
以上説明した電子部品は、先の実施の形態で説明した半導体装置を含む構成とすることができる。そのため、小型化、高密度化、または大容量化された記憶装置を有する電子部品を実現することができる。該電子部品は、小型化あるいは記憶容量の大容量化が図られた電子部品である。
また、完成した電子部品の斜視模式図を図21(b)に示す。図21(b)では、電子部品の一例として、QFP(Quad Flat Package)の斜視模式図を示している。図21(b)に示す電子部品700は、リード701及び半導体装置703を示している。図21(b)に示す電子部品700は、例えばプリント基板702に実装される。このような電子部品700が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板702上で電気的に接続されることで電子部品が実装された基板(実装基板704)が完成する。完成した実装基板704は、電子機器等の内部に設けられる。
(実施の形態8)
本発明の一態様に係る半導体装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図22に示す。
図22(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体901、筐体902、表示部903、表示部904、マイクロフォン905、スピーカ906、操作キー907、スタイラス908等を有する。なお、図22(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部903と表示部904とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
図22(B)は、携帯電話機であり、筐体911、表示部916、操作ボタン914、外部接続ポート913、スピーカ917、マイク912などを備えている。図22(B)に示す携帯電話機は、指などで表示部916に触れることで、情報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指などで表示部916に触れることにより行うことができる。また、操作ボタン914の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部916に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
図22(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体921、表示部922、キーボード923、ポインティングデバイス924等を有する。
図22(D)は電気冷凍冷蔵庫であり、筐体931、冷蔵室用扉932、冷凍室用扉933等を有する。
図22(E)はビデオカメラであり、第1筐体941、第2筐体942、表示部943、操作キー944、レンズ945、接続部946等を有する。操作キー944およびレンズ945は第1筐体941に設けられており、表示部943は第2筐体942に設けられている。そして、第1筐体941と第2筐体942とは、接続部946により接続されており、第1筐体941と第2筐体942の間の角度は、接続部946により変更が可能である。表示部943における映像を、接続部946における第1筐体941と第2筐体942との間の角度に従って切り替える構成としても良い。
図22(F)は自動車であり、車体951、車輪952、ダッシュボード953、ライト954等を有する。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を備えることができるRFICの使用例について図23を用いながら説明する。RFICの用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図23(A)参照)、記録媒体(DVDやビデオテープ等、図23(B)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図23(C)参照)、乗り物類(自転車等、図23(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植物類、動物類、人体、衣類、生活用品類、薬品や薬剤を含む医療品、または電子機器(液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置、または携帯電話)等の物品、若しくは各物品に取り付ける荷札(図23(E)、図23(F)参照)等に設けて使用することができる。
本発明の一態様に係るRFIC4000は、表面に貼る、または埋め込むことにより、物品に固定される。例えば、本であれば紙に埋め込み、有機樹脂からなるパッケージであれば当該有機樹脂の内部に埋め込み、各物品に固定される。本発明の一態様に係るRFIC4000は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後もその物品自体のデザイン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、または証書類等に本発明の一態様に係るRFIC4000を設けることにより、認証機能を設けることができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、または電子機器等に本発明の一態様に係るRFICを取り付けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図ることができる。また、乗り物類であっても、本発明の一態様に係るRFICを取り付けることにより、盗難などに対するセキュリティ性を高めることができる。
以上のように、本発明の一態様に係わるRFICを本実施の形態に挙げた各用途に用いることにより、情報の書込みや読み出しを含む動作電力を低減できるため、最大通信距離を長くとることが可能となる。また、電力が遮断された状態であっても情報を極めて長い期間保持可能であるため、書き込みや読み出しの頻度が低い用途にも好適に用いることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。