JP6551180B2 - 車両用サイドドア構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用サイドドア構造に関する。
窓開口の車両後側の縦窓枠部を構成するドアフレームと、窓開口を開閉するドアガラスとを備える車両用フロントサイドドアが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開昭63−212125号公報 特開2005−255113号公報
特許文献2に開示された技術では、センタピラーの車両幅方向外側に、縦ドアフレーム(サッシュ)の閉断面状部が配置されている。この閉断面状部の車両幅方向外側には、車両用フロントサイドドアの外装パネル(ガーニッシュ)が取り付けられている。
ここで、センタピラーの車両幅方向外側に縦ドアフレームの閉断面状部が配置されていると、閉断面状部によってセンタピラーの車両幅方向外側への張出し量が制限される。したがって、センタピラーの車両幅方向の剛性を高めることが困難になる可能性がある。
本発明は、上記を考慮し、センタピラーの車両幅方向の剛性を高めることができる車両用サイドドア構造を提供することを目的とする。
第1態様に係る車両用サイドドア構造は、上部に窓開口を有する車両用サイドドアと、前記車両用サイドドアに設けられ、昇降に伴って前記窓開口を開閉するドアガラスと、前記車両用サイドドアに設けられ、前記ドアガラスの車両前後方向一方側、かつ、センタピラーの車両幅方向外側に配置される外装パネルと、前記センタピラーと前記外装パネルとの間に配置され、車両上下方向に延びるとともに該外装パネルから前記ドアガラスの車両幅方向内側へ延出する昇降ガイドレールと、前記ドアガラスの車両幅方向内側の内面に固定され、前記昇降ガイドレールに沿って移動するスライダと、前記スライダの車両幅方向内側に配置されるとともに車両上側から見た断面形状が閉断面状を成す閉断面状部を有し、前記窓開口の前記センタピラー側の縦窓枠部を形成する縦ドアフレームと、前記縦ドアフレームにおける車両幅方向外側の外板を形成するドアフレームアウタパネルと、前記ドアフレームアウタパネルの車両幅方向内側に配置され、該ドアフレームアウタパネルとで前記閉断面状部を形成するインナパネル本体部と、前記インナパネル本体部から延出し、前記センタピラーの車両幅方向外側において前記昇降ガイドレール及び前記外装パネルが取り付けられるレール取付部と、を有し、前記縦ドアフレームにおける車両幅方向内側の内板を形成するドアフレームインナパネルと、を備える。
第1態様に係る車両用サイドドア構造によれば、縦ドアフレームの車両幅方向外側の外板は、ドアフレームアウタパネルによって形成されている。一方、縦ドアフレームの車両幅方向内側の内板は、ドアフレームインナパネルによって形成されている。ドアフレームインナパネルは、インナパネル本体部と、レール取付部とを有している。
レール取付部は、インナパネル本体部から延出し、センタピラーの車両幅方向外側において、昇降ガイドレール及び外装パネルが取り付けられている。つまり、昇降ガイドレール及び外装パネルは、縦ドアフレームのアウタパネルではなく、インナパネル本体部から延出するレール取付部に取り付けられている。
これにより、ドアフレームアウタパネル及びドアフレームインナパネルによってセンタピラーの車両幅方向外側に閉断面状部を形成する場合と比較して、レール取付部の車両幅方向内側のスペースを広くすることができる。このレール取付部の車両幅方向内側のスペースを利用して、センタピラーの車両幅方向外側への張出し量を大きくすることができる。したがって、センタピラーの車両幅方向の剛性を高めることができる。
また、レール取付部には、昇降ガイドレールが取り付けられている。このレール取付部及び昇降ガイドレールをセンタピラーの車両幅方向外側に配置することにより、レール取付部、昇降ガイドレール及びセンタピラーを含む車両側部の剛性(車両幅方向の剛性)を高めることができる。
第2態様に係る車両用サイドドア構造は、第1態様に係る車両用サイドドア構造において、前記レール取付部を車両幅方向に貫通し、前記昇降ガイドレールと前記レール取付部とを接合するボルト部材を備える。
第2態様に係る車両用サイドドア構造によれば、レール取付部を車両幅方向に貫通するボルト部材によって、昇降ガイドレールとレール取付部とが接合されている。この場合、例えば、レール取付部に車両幅方向外側からボルト部材を貫通させることで、昇降ガイドレールとレール取付部とを容易に接合することができる。したがって、レール取付部に対する昇降ガイドレールの取り付け性(組み付け性)が向上する。
第3態様に係る車両用サイドドア構造は、第2態様に係る車両用サイドドア構造において、前記ボルト部材は、前記昇降ガイドレール及び前記レール取付部にそれぞれ形成された取付孔を車両幅方向に貫通するボルト軸部と、前記ボルト軸部の端部に設けられ、前記昇降ガイドレールの車両幅方向外側の外面に係合されるボルト頭部と、を有し、前記外装パネルは、前記ボルト頭部を車両幅方向外側から覆った状態で前記レール取付部に接合されている。
第3態様に係る車両用サイドドア構造によれば、ボルト部材は、昇降ガイドレールの車両幅方向外側の外面に係合されるボルト頭部を有している。また、外装パネルは、ボルト頭部を車両幅方向外側から覆った状態で、レール取付部に接合されている。これにより、外装パネルによってボルト頭部が隠されるため、車両用サイドドアの意匠性が向上する。
第4態様に係る車両用サイドドア構造は、第1態様第3態様の何れか1つに係る車両用サイドドア構造において、前記閉断面状部における車両幅方向外側の外面に設けられ、該閉断面状部に沿って車両上下方向に延びるとともに、該閉断面状部と前記スライダとの隙間を塞ぐ内側ウェザストリップを備える。
第4態様に係る車両用サイドドア構造によれば、縦ドアフレームの閉断面状部における車両幅方向外側の外面には、当該閉断面状部に沿って車両上下方向に延びる内側ウェザストリップが設けられている。この内側ウェザストリップによって、縦ドアフレームの閉断面状部とスライダとの隙間が塞がれている。
このように、縦ドアフレームの閉断面状部に内側ウェザストリップを設けることにより、スライダに対する内側ウェザストリップのシール性を確保することができる。
以上説明したように、本発明に係る車両用サイドドア構造によれば、センタピラーの車両幅方向の剛性を高めることができる。
一実施形態に係る車両用サイドドア構造が適用された車両用サイドドアを車両幅方向内側から見た内面図である。 図1の2−2線に沿って切断した拡大断面図である。 図2に示される車両用サイドドアの分解断面図である。
以下、図面を参照しながら、一実施形態に係る車両用サイドドア構造について説明する。なお、各図において適宜示される矢印FRは、車両前側(車両前後方向前側)を示している。また、矢印UPは、車両上側(車両上下方向上側)を示している。さらに、矢印OUTは、車両幅方向外側(車室外側)を示している。また、以下の説明における前後、上下及び左右は、特に断りがない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下及び車両幅方向の左右をそれぞれ意味する。
図1には、本実施形態に係る車両用サイドドア構造10が適用された車両用サイドドア12が示されている。車両用サイドドア12は、後述するセンタピラー30(図2参照)と、センタピラー30の車両前側に配置された図示しないフロントピラーとに亘る車両用フロントサイドドアとされている。車両用サイドドア12は、フロントピラーに回動可能に支持されている。
図1に示されるように、車両用サイドドア12は、サイドドア本体14と、ドアフレーム20と、ドアガラス(ドアウィンドガラス)26とを備えている。サイドドア本体14は、車両前後方向及び車両上下方向に沿って配置されており、車両用サイドドア12の下部を構成している。このサイドドア本体14は、ドアインナパネル16と、ドアインナパネル16の車両幅方向外側に配置された図示しないドアアウタパネルとを有している。
ドアフレーム20は、車両下側が開口したU字状を成しており、車両用サイドドア12の上部を構成している。このドアフレーム20は、サイドドア本体14の上端部(ベルトライン部)と共に窓枠部22を形成している。この窓枠部22によって、車両用サイドドア12の上部に窓開口24が形成されている。
また、ドアフレーム20は、上側横ドアフレーム20U、前側縦ドアフレーム20F及び後側縦ドアフレーム20Rを有している。これらの上側横ドアフレーム20U、前側縦ドアフレーム20F及び後側縦ドアフレーム20Rは、窓枠部22の上側横窓枠部22U、前側縦窓枠部22F及び後側縦窓枠部22Rをそれぞれ形成している。
ドアガラス26は、後側縦ドアフレーム20Rに沿って車両上下方向に昇降可能とされている。このドアガラス26の昇降に伴って、窓開口24が開閉される。なお、ドアガラス26は、窓枠部22に対して降下した状態で、ドアインナパネル16とドアアウタパネル(図示省略)との間に収容される。また、以下の説明におけるドアガラス26は、特に断りがない限り、窓開口24を閉じた状態のドアガラス26を意味する。
次に、図2に示されるように、ドアガラス26のセンタピラー30側(車両後側)のガラス端部26Rを例に、ドアガラス26の昇降構造について説明する。
センタピラー30は、車両の側部の骨格を構成する金属製の柱状骨格部材とされている。このセンタピラー30は、図示しないフロントピラーとの間にドア開口(フロントドア開口)を形成している。また、センタピラー30は、図示しないリヤピラーとの間にドア開口(リヤドア開口)を形成している。なお、リヤピラーは、センタピラー30の車両後側に配置されている。
センタピラー30を車両上側から見た断面形状は、閉断面状部を成している。このセンタピラー30は、センタピラーアウタパネル30Aと、センタピラーアウタパネル30Aの車両幅方向内側に配置される図示しないセンタピラーインナパネルと、センタピラーアウタパネル30Aの車両幅方向外側に配置されるサイドアウタパネル30Bとを有している。このセンタピラー30の車両幅方向外側には、後述する昇降ガイドレール80及び外装パネル90が配置されている。
ドアガラス26のガラス端部26Rにおける車両幅方向内側の内面26Aには、スライダ40が設けられている。スライダ40は、ドアガラス26のガラス端部26Rに沿って車両上下方向に延びている。また、スライダ40を車両上側から見た断面形状は、車両後側(昇降ガイドレール80側)が開口されたU字状を成している。このスライダ40には、車両後側が開口されたスライド溝部42が形成されている。また、スライダ40の車両幅方向外側の外側壁部40Aは、ガラス端部26Rの内面26Aに両面テープ44によって固定されている。
スライダ40の車両幅方向内側には、縦ドアフレームとしての後側縦ドアフレーム20Rが配置されている。後側縦ドアフレーム20Rは、窓枠部22のセンタピラー30側の後側縦窓枠部22Rの骨格を構成する金属製の骨格部材である。この後側縦ドアフレーム20Rは、車両上下方向に延びている。なお、後側縦窓枠部22Rは、縦窓枠部の一例である。
後側縦ドアフレーム20Rは、閉断面状部60を有している。閉断面状部60の車両上側から見た断面形状は、閉断面状を成している。この後側縦ドアフレーム20Rは、ドアフレームアウタパネル50と、ドアフレームアウタパネル50の車両幅方向内側に配置されたドアフレームインナパネル52とを有している。
ドアフレームアウタパネル50は、対向壁部50Aと、一対のフランジ部50B,50Cとを有している。対向壁部50Aは、車両前後方向に延びるとともに、スライダ40と車両幅方向に対向している。一対のフランジ部50B,50Cは、対向壁部50Aの車両前後方向の両端部に設けられている。
ドアフレームインナパネル52は、インナパネル本体部54と、レール取付部56とを有している。インナパネル本体部54は、ドアフレームアウタパネル50の車両幅方向内側に配置されており、ドアフレームアウタパネル50と溶接等によって接合されている。このインナパネル本体部54とドアフレームアウタパネル50とによって、前述した閉断面状部60が形成されている。なお、本実施形態では、ドアフレームインナパネル52が、ドアインナパネル16(図1参照)と一体とされているが、ドアフレームインナパネル52とドアインナパネル16とは別体とされても良い。
閉断面状部60における車両幅方向外側の外面には、リベット62によってブラケット64が固定されている。ブラケット64は、後側縦ドアフレーム20Rに沿って車両上下方向に延びている。また、ブラケット64を車両上側から見た断面形状は、車両幅方向外側(スライダ40側)が開口されたC字状を成している。このブラケット64の内方には、スライダ40の車両幅方向内側の内側壁部40Bが挿入(配置)されている。このスライダ40がブラケット64に沿って車両上下方向に移動することにより、ドアガラス26の昇降がブラケット64によって案内される。
ブラケット64には、内側ウェザストリップ66が取り付けられている。内側ウェザストリップ66は、ゴム等の弾性体によって形成されている。この内側ウェザストリップ66によって、ブラケット64とスライダ40との隙間、及びブラケット64とドアガラス26の内面26Aとの隙間が塞がれている。
インナパネル本体部54は、対向壁部54Aと、前壁部54Bと、フランジ部54Cと、後壁部54Dとを有している。対向壁部54Aは、ドアフレームアウタパネル50の対向壁部50Aと車両幅方向に対向している。この対向壁部50Aの車両前側の端部には、前壁部54Bを介してフランジ部54Cが接続されている。このフランジ部54Cには、ドアフレームアウタパネル50の前側のフランジ部50Bが溶接等によって接合されている。
一方、対向壁部54Aの車両後側の端部には、スライダ40の車両後側へ延出する後壁部54Dが接続されている。この後壁部54Dには、スライダ40の車両後側において、ドアフレームアウタパネル50の後側のフランジ部50Cが溶接等によって接合されている。また、後壁部54Dにおける車両後側(スライダ40と反対側)の面54D1には、センタピラー30に圧接されるピラー用ウェザストリップ68が取り付けられている。さらに、後壁部54Dの車両幅方向外側の端部には、レール取付部56が接続されている。
レール取付部56は、後壁部54Dの車両幅方向外側の端部からスライダ40と反対側(車両後側)へ延出している。レール取付部56は、センタピラー30と後述する外装パネル90との間に、車両前後方向及び車両上下方向に沿って配置されている。このレール取付部56には、ボルト部材70及びナット72によって、昇降ガイドレール80及び外装パネル90が取り付けられている。具体的には、レール取付部56の車両前後方向の中央部には、当該中央部を車両幅方向に貫通する取付孔74が形成されている。
昇降ガイドレール80は、金属板等によって形成されている。この昇降ガイドレール80は、フランジ部80Aと、傾斜壁部80Bと、ガイド片部80Cとを有している。フランジ部80Aは、レール取付部56に沿って車両前後方向に延びており、当該レール取付部56に車両幅方向外側から重ねられている。
フランジ部80Aの車両前後方向の中央部には、当該中央部を車両幅方向に貫通する取付孔82が形成されている。この取付孔82及びレール取付部56の取付孔74には、ボルト部材70のボルト軸部70Aが車両幅方向に貫通されている。このボルト軸部70Aに、レール取付部56の車両幅方向内側からナット72を締め込むことにより、レール取付部56にフランジ部80Aが固定されている。
また、フランジ部80Aの車両幅方向内側には、内装パネル84が配置されている。内装パネル84は、例えば、樹脂によってパネル状に形成されており、ナット72を車両幅方向内側から覆った状態で、昇降ガイドレール80に取り付けられている。この内装パネル84は、例えば、車室内側の意匠面を形成するインナガーニッシュとされている。
ボルト軸部70Aの車両幅方向外側の端部には、ボルト頭部70Bが設けられている。このボルト頭部70Bは、フランジ部80Aの外面80A1に係合されている。また、ボルト頭部70Bは、フランジ部80Aの外面80A1に溶接等によって固定されている。これにより、ボルト軸部70Aにナット72を締め込む際に、ボルト軸部70Aとナット72との共回りが防止されている。
フランジ部80Aには、傾斜壁部80Bを介してガイド片部80Cが接続されている。ガイド片部80Cは、傾斜壁部80Bの車両前側の端部からスライド溝部42内へ延出している。このガイド片部80Cに沿ってスライダ40が車両上下方向に移動することにより、ドアガラス26の昇降がガイド片部80Cによって案内される。
また、フランジ部80Aにおける車両幅方向外側の外面80A1には、外装パネル90が接合されている。外装パネル90は、樹脂によってパネル状に形成されている。また、外装パネル90は、車両前後方向及び車両上下方向に延びるアウタガーニッシュとされている。この外装パネル90は、車両用サイドドア12の車両幅方向外側の外面(意匠面)を形成している。
外装パネル90は、センタピラー30の車両幅方向外側に配置されている。この外装パネル90は、ボルト頭部70Bを車両幅方向外側から覆った状態で、フランジ部80Aの外面80A1に両面テープ92によって接合されている。なお、外装パネル90の車両後側には、車両用リヤサイドドア100のドアガラス102が配置されている。
また、外装パネル90は、ドアガラス26の車両前後方向一方側としての車両後側に車両前後方向に沿って配置されている。さらに、外装パネル90におけるドアガラス26側の端部90Fは、窓開口24の車両後側の縁部を形成している。この外装パネル90の端部90Fにおける車両幅方向外側の外面90F1と、ガラス端部26Rにおける車両幅方向外側の外面26Bとは、面一とされている。これにより、車両用サイドドア12の意匠性が高められている。
なお、ここでいう「外装パネル90の端部90Fの外面90F1とガラス端部26Rの外面26Bとが面一」とは、外面90F1と外面26Bとの間に段差がない場合だけでなく、ドアガラス26及び外装パネル90の製造誤差等によって外面90F1と外面26Bとの間に僅かな段差がある場合も含む概念である。
外装パネル90の端部90Fには、外側ウェザストリップ94が取り付けられている。外側ウェザストリップ94は、外装パネル90の端部90Fと昇降ガイドレール80のガイド片部80Cとに亘って設けられている。
次に、後側縦ドアフレーム20Rに対する昇降ガイドレール80及び外装パネル90の取付方法について説明する。
図3に示されるように、本実施形態では、ボルト部材70、昇降ガイドレール80、外装パネル90及び外側ウェザストリップ94がユニット化された状態で、後側縦ドアフレーム20Rに取り付けられる。なお、以下では、ボルト部材70、昇降ガイドレール80、外装パネル90及び外側ウェザストリップ94をユニット化した部材をガイドレールユニット96という。
昇降ガイドレール80のフランジ部80Aの取付孔82には、ボルト部材70のボルト軸部70Aが挿入されている。このボルト部材70のボルト頭部70Bは、フランジ部80Aの外面80A1に溶接によって接合されている。
また、外装パネル90は、ボルト頭部70Bを車両幅方向外側から覆った状態で、フランジ部80Aの外面80A1に両面テープ92によって接合されている。さらに、外装パネル90の端部90Fには、外側ウェザストリップ94の一端部が取り付けられている。この外側ウェザストリップ94の他端部は、昇降ガイドレール80のガイド片部80Cに取り付けられている。これにより、ガイドレールユニット96が形成されている。
このようにユニット化されたガイドレールユニット96は、後側縦ドアフレーム20Rのレール取付部56の車両幅方向外側に配置される。次に、昇降ガイドレール80のフランジ部80Aから車両幅方向内側へ突出するボルト軸部70Aが、レール取付部56の取付孔74に挿入される。この状態で、レール取付部56の車両幅方向内側からボルト軸部70Aにナット72を締め込むことにより、ガイドレールユニット96がレール取付部56に取り付けられる。その後、レール取付部56の車両幅方向内側に、内装パネル84が取り付けられる。
このようにボルト部材70、昇降ガイドレール80、外装パネル90及び外側ウェザストリップ94をユニット化することにより、後側縦ドアフレーム20Rに対するガイドレールユニット96の取り付け性が向上する。
また、外装パネル90は、ボルト頭部70Bを車両幅方向外側から覆った状態で昇降ガイドレール80のフランジ部80Aの外面80A1に接合されている。これにより、外装パネル90によってボルト頭部70Bが隠されるため、車両用サイドドア12の意匠性が向上する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図2に示されるように、本実施形態に係る車両用サイドドア構造10によれば、外装パネル90の車両幅方向内側に、昇降ガイドレール80が配置されている。また、昇降ガイドレール80のガイド片部80Cは、外装パネル90からガラス端部26Rの車両幅方向内側へ延出し、当該ガラス端部26Rの内面26Aに固定されたスライダ40のスライド溝部42内に挿入されている。
また、後側縦ドアフレーム20Rの閉断面状部60の外面には、ブラケット64が固定されている。このブラケット64内には、スライダ40の内側壁部40Bが挿入されている。このスライダ40がガイド片部80C及びブラケット64に沿って移動することにより、ドアガラス26の昇降がガイド片部80C及びブラケット64によって案内される。
このようにガラス端部26Rの内面26Aにスライダ40を固定することにより、ガラス端部26Rの外面26Bと、外装パネル90の端部90Fの外面90F1とを面一にすることができる。したがって、車両用サイドドア12の意匠性が向上する。
また、ブラケット64内には、内側ウェザストリップ66が設けられている。この内側ウェザストリップ66によって、ブラケット64とスライダ40との隙間、及びブラケット64とドアガラス26との隙間が塞がれている。
このように、剛性が高い後側縦ドアフレーム20Rの閉断面状部60にブラケット64を介して内側ウェザストリップ66を設けることにより、スライダ40に対する内側ウェザストリップ66のシール性を確保することができる。
また、閉断面状部60を形成するインナパネル本体部54には、レール取付部56が接続されている。レール取付部56は、インナパネル本体部54の後壁部54Dの車両幅方向外側の端部から車両後側へ延出し、センタピラー30の車両幅方向外側に配置されている。このレール取付部56に、ボルト部材70及びナット72によって、昇降ガイドレール80のフランジ部80A及び外装パネル90が取り付けられている。つまり、昇降ガイドレール80及び外装パネル90は、ドアフレームアウタパネル50ではなく、インナパネル本体部54から延出するレール取付部56に取り付けられている。
これにより、ドアフレームアウタパネル50及びドアフレームインナパネル52の両方によってセンタピラー30の車両幅方向外側に閉断面状部を形成する場合と比較して、レール取付部56の車両幅方向内側のスペースを広くすることができる。このレール取付部56の車両幅方向内側のスペースを利用して、センタピラー30の車両幅方向外側への張出し量Sを大きくすることができる。したがって、センタピラー30の車両幅方向の剛性を高めることができる。
また、レール取付部56には、ドアガラス26の昇降を案内する昇降ガイドレール80のフランジ部80Aが取り付けられている。この昇降ガイドレール80のフランジ部80Aによって、レール取付部56が補強される。これにより、レール取付部56、昇降ガイドレール80のフランジ部80A及びセンタピラー30を含む車両側部の剛性(車両幅方向の剛性)が高められる。
さらに、インナパネル本体部54の後壁部54Dは、インナパネル本体部54の対向壁部54Aからスライダ40の車両後側へ延出している。この後壁部54Dにおける車両後側の面54D1には、センタピラー30の張出し量Sに応じてピラー用ウェザストリップ68を適宜設定することができる。これにより、ピラー用ウェザストリップ68によって、センタピラー30と後側縦ドアフレーム20Rとのシール性を確保することができる。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、昇降ガイドレール80、ボルト部材70、外装パネル90及び外側ウェザストリップ94がガイドレールユニット96としてユニット化されているが、上記実施形態はこれに限らない。昇降ガイドレール80、ボルト部材70、外装パネル90及び外側ウェザストリップ94は、ユニット化されなくても良い。
また、上記実施形態では、ボルト部材70のボルト軸部70Aが、昇降ガイドレール80のフランジ部80Aを車両幅方向に貫通するが、上記実施形態はこれに限らない。例えば、昇降ガイドレール80のフランジ部80Aに取付孔82を形成せずに、当該フランジ部80Aの車両幅方向内側の内面にボルト部材としてのスタッドボルト等を溶接によって接合しても良い。
また、上記実施形態では、昇降ガイドレール80のフランジ部80Aとレール取付部56とが、ボルト部材70によって接合されるが、上記実施形態はこれに限らない。昇降ガイドレール80のフランジ部80Aとレール取付部56とは、溶接等によって接合されても良い。
また、上記実施形態では、車両用サイドドア構造10が、車両用サイドドア12としてのフロントサイドドアに適用されるが、上記実施形態はこれに限らない。上記実施形態に係る車両用サイドドア構造10は、車両用サイドドアとしての車両用リヤサイドドアにも適用可能である。この場合、車両用リヤサイドドアのドアガラスの車両前後方向一方側としての車両前側、かつ、センタピラー30の車両幅方向外側に外装パネルが配置される。また、センタピラー30側の縦窓枠部及び縦ドアフレームは、それぞれ窓枠部の前側縦窓枠部及びドアフレームの前側縦ドアフレームとなる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 車両用サイドドア構造
12 車両用サイドドア
20R 後側縦ドアフレーム(縦ドアフレーム)
22R 後側縦窓枠部(縦窓枠部)
24 窓開口
26 ドアガラス
26A 内面(ドアガラスの車両幅方向内側の内面)
30 センタピラー
40 スライダ
50 ドアフレームアウタパネル
52 ドアフレームインナパネル
54 インナパネル本体部
56 レール取付部
60 閉断面状部(縦ドアフレームの閉断面状部)
66 内側ウェザストリップ
70 ボルト部材
70A ボルト軸部
70B ボルト頭部
74 取付孔(レール取付部の取付孔)
80 昇降ガイドレール
82 取付孔(昇降ガイドレールの取付孔)
90 外装パネル

Claims (4)

  1. 上部に窓開口を有する車両用サイドドアと、
    前記車両用サイドドアに設けられ、昇降に伴って前記窓開口を開閉するドアガラスと、
    前記車両用サイドドアに設けられ、前記ドアガラスの車両前後方向一方側、かつ、センタピラーの車両幅方向外側に配置される外装パネルと、
    前記センタピラーと前記外装パネルとの間に配置され、車両上下方向に延びるとともに該外装パネルから前記ドアガラスの車両幅方向内側へ延出する昇降ガイドレールと、
    前記ドアガラスの車両幅方向内側の内面に固定され、前記昇降ガイドレールに沿って移動するスライダと、
    前記スライダの車両幅方向内側に配置されるとともに車両上側から見た断面形状が閉断面状を成す閉断面状部を有し、前記窓開口の前記センタピラー側の縦窓枠部を形成する縦ドアフレームと、
    前記縦ドアフレームにおける車両幅方向外側の外板を形成するドアフレームアウタパネルと、
    前記ドアフレームアウタパネルの車両幅方向内側に配置され、該ドアフレームアウタパネルとで前記閉断面状部を形成するインナパネル本体部と、前記インナパネル本体部から延出し、前記センタピラーの車両幅方向外側において前記昇降ガイドレール及び前記外装パネルが取り付けられるレール取付部と、を有し、前記縦ドアフレームにおける車両幅方向内側の内板を形成するドアフレームインナパネルと、
    を備え
    前記レール取付部と前記昇降ガイドレール及び前記外装パネルとの接合部が、前記センタピラーの車両幅方向外側に配置される、
    車両用サイドドア構造。
  2. 上部に窓開口を有する車両用サイドドアと、
    前記車両用サイドドアに設けられ、昇降に伴って前記窓開口を開閉するドアガラスと、
    前記車両用サイドドアに設けられ、前記ドアガラスの車両前後方向一方側、かつ、センタピラーの車両幅方向外側に配置される外装パネルと、
    前記センタピラーと前記外装パネルとの間に配置され、車両上下方向に延びるとともに該外装パネルから前記ドアガラスの車両幅方向内側へ延出する昇降ガイドレールと、
    前記ドアガラスの車両幅方向内側の内面に固定され、前記昇降ガイドレールに沿って移動するスライダと、
    前記スライダの車両幅方向内側に配置されるとともに車両上側から見た断面形状が閉断面状を成す閉断面状部を有し、前記窓開口の前記センタピラー側の縦窓枠部を形成する縦ドアフレームと、
    前記縦ドアフレームにおける車両幅方向外側の外板を形成するドアフレームアウタパネルと、
    前記ドアフレームアウタパネルの車両幅方向内側に配置され、該ドアフレームアウタパネルとで前記閉断面状部を形成するインナパネル本体部と、前記インナパネル本体部から延出し、前記センタピラーの車両幅方向外側において前記昇降ガイドレール及び前記外装パネルが取り付けられるレール取付部と、を有し、前記縦ドアフレームにおける車両幅方向内側の内板を形成するドアフレームインナパネルと、
    前記レール取付部を車両幅方向に貫通し、前記昇降ガイドレールと前記レール取付部とを接合するボルト部材と、
    備える車両用サイドドア構造。
  3. 前記ボルト部材は、前記昇降ガイドレール及び前記レール取付部にそれぞれ形成された取付孔を車両幅方向に貫通するボルト軸部と、前記ボルト軸部の端部に設けられ、前記昇降ガイドレールの車両幅方向外側の外面に係合されるボルト頭部と、を有し、
    前記外装パネルは、前記ボルト頭部を車両幅方向外側から覆った状態で前記レール取付部に接合されている、
    請求項2に記載の車両用サイドドア構造。
  4. 前記閉断面状部における車両幅方向外側の外面に設けられ、該閉断面状部に沿って車両上下方向に延びるとともに、該閉断面状部と前記スライダとの隙間を塞ぐ内側ウェザストリップを備える、
    請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用サイドドア構造。
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