JP6550582B1 - 鉛の製造方法および製造設備 - Google Patents
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Abstract
Description
PbSO4+2NaOH→Pb(OH)2+Na2S04・・・・(式1)
PbSO4+Na2C03→PbC03+Na2S04・・・・・(式2)
(式1)、(式2)に示すように、リサイクルにより脱硫された鉛は、硫酸塩(PbSO4)中にかなりの量の硫黄を含むスラッジの形態であり、硫黄成分を脱硫するために過剰量のアルカリ試薬で繰り返し洗浄しても未反応のままである。非脱硫ペースト中の硫黄比は6wt%が測定され、脱硫ペースト中の硫黄含有量は通常、全硫黄の約1%以下である。
1.二酸化炭素や硫酸ガスなどの汚染ガスの排出は大気汚染の重要な役割を果たし、地域の生態系を変化させる。
2.地域のSOxガスに起因する酸性雨の可能性がある。
3.環境中の望ましくない臭いと、鉛による汚水の漏れの可能性がある。
4.有害な環境および人間の影響を有する鉛工場からの鉛化合物のいくつかの蒸発は、常に居住環境のリスクとみなされる。
5.このようにして、多くの廃水が生成される。
6.炉内で行われるプロセスは、約1000℃の高温が必要である。これらの温度は、化石燃料または汚染物質または高価な電気を使用することによって達成される。
7.この方法を使用して金属成分が完全に除去される可能性はない。
1.生産プロセスが遅い。
2.硫黄と二酸化炭素の排出量は、他の方法と比較して、排出量のレベルは低い。
3.初期生産とフィルターは非常に高価である。
4.抽出およびインゴット鋳造には溶融炉が必要である。
1.リザーバーおよび電極の建設には初期投資コストが高い。
2.時間の経過とともに電極を使用する。
3.効率は低いが高純度である。
4.消費電力が大きいため、全体の製造コストが高くなる。
このプロセスでは、使い古した鉛バッテリーのリサイクルについて開示されている。この方法では、残留鉛化合物および合金の一部を含む破砕された非金属成分は、硝酸の混合物によって還元され、不溶性+4状態の鉛を可溶性+2状態鉛のスラリーに変換する。この方法に続いて、スラリーを濾過して、鉛が豊富な濾液からプラスチックおよびセパレータを分離し、鉛が豊富な濾液を硫酸と接触させて、硫酸鉛ペーストおよび硝酸を得る。金属含有成分は、金属含有成分中に存在する鉛および他の金属の硫酸塩を含むペーストを形成するように処理され、硫酸鉛ペーストおよび鉛および他の金属の硫酸塩を含むペーストをアルカリ溶液と接触させて鉛酸化物を析出させ、カルボン酸と接触させて可溶性鉛カルボン酸塩を形成する。一酸化鉛は、可溶性鉛カルボン酸塩を処理することによって得られる。
1つ目は、無毒溶液に鉛ペーストを溶解することである。
2つ目は、非常に短時間で透明な溶液が得られることである。
3つ目は、透明な鉛錯体溶液にナノ金属粉末またはマイクロ粉末を添加することである。
4つ目は、ナノ金属粉末を添加された溶液から結果として鉛が得られることである。
1.迅速な処理:鉛抽出処理の時間が他の既存の方法よりもずっと速い。
2.低初期および反応温度のために、プロセスに必要なエネルギーがより少ない。
3.抽出プロセスの還元時間および温度は、スラグとしての鉛の酸化およびオーバーシュートを防止する。
4.低温度での動作(最大75℃)を可能とし、硫黄ガスの放出量を最小にできる。
5.加熱撹拌能力を有するタンクのみが必要とされるので、初期の製造コストの低減が図れる。
6.副産物を産業界に販売可能である。
7.溶液の再利用が可能である。
8.鉛化合物を選択的に処理可能である。鉛を製造するための複数のステップの中で、例えば最後のステップで鉛を抽出可能とする。
9.インゴット鋳造の必要はない。
10.クエン酸鉛、硝酸鉛、酸化物などの各種鉛塩を製造する能力を有する。
11.製造工程に炉を不要とする。
12.製造工程中に有害なガスが存在しない。
13.硫黄化合物が溶解プロセスで使用されない。
なお、詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載された様々な実施形態は、例示的なものであり、限定を意味するものではない。本明細書に提示される主題の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態が使用されてもよく、他の変更が行われてもよい。本明細書に一般的に記載され、図に示されるような本開示の態様は、本明細書ですべて企図される多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、分離、および設計され得ることが理解される。
・1:鉛鉱石又はバッテリーの鉛を粉砕したものを原材料とする。
・2:第2タンク40に鉛化合物用の可溶性物質を第1タンク30から供給する。
・3:第2タンク40に、イオン及び分子が第1溶液中の溶解した鉛金属イオンと結合する還元剤(ヒドラジン水和物)を添加する。
・4:原材料を第2タンク40に移送し、第2タンク40の温度を所定の温度まで上昇させ、原材料を溶解する。溶解した溶液は、高濃度鉛イオン溶液(Lead ion enriched solution)となる。溶解が進むにつれて溶液が透明になり、これを第2溶液とする。
・5:第2タンク40内の第2溶液を第3タンク50に移送する。
・6:第3タンク50内の第2溶液に還元促進剤を添加する(更に、ヒドラジン水和物と過酸化水素を添加する)。
・7:第3タンク50に金属鉛が沈殿し、沈殿した金属鉛の単離と乾燥。
・8:第3タンク50内に鉛が沈殿した後の溶液を第3溶液とし、原材料を溶解する再生溶液として再利用する。
・9:単離した鉛を乾燥し、インゴットの製造を可能とする。
・10:第2タンク40内の第2溶液を第4タンク40に移送し、鉛塩を抽出する。
・1:鉛鉱石又はバッテリーの鉛を粉砕したものを原材料とする。
・2:第1タンク30内の溶液を第2タンク40に移送する。
・3:第2タンク40に鉛化合物用の可用性物質を供給する。
・4:原材料を第2タンク40に移送し、第2タンク40の温度を上昇させ、原材料を溶解する。
・5:第2タンク40内の溶液を第3タンク50に移送する。
・6:第3タンク50に必要なクエン酸ナトリウム又は他の酸を添加する。
・7:第3タンク50に金属鉛が沈殿し、沈殿した鉛を単離し、乾燥する。
・8:第3タンク50内の溶液を原材料を溶解する再生溶液として再利用する。
・9:単離した鉛を乾燥し、インゴットの製造を可能とする。
・10:第2タンク40内の溶液を第4タンク60に移送し、鉛塩を抽出する。
鉛鉱石の溶解および金属鉛の抽出には、硫化鉛(ガレナ:PbS)のような一般的な鉛鉱石を用いることができる。この点に関して、硫化鉛を粉砕して、工業用または粉砕機を使用して、5ミクロン〜1mmの粒度を有する粒子を生成した。最良の溶解速度および総コストは、10〜50ミクロンのサイズを有する粒子に関連する。粉砕後、純度25%の工業用アンモニア(アンモニアを75重量%の水で希釈)を適正純度で35〜60%の範囲で鉱石に添加した。
PbS+4H2O2→PbSO4+4H2O・・・(式3)
現在のステップでは、不安定な硫酸鉛は酸化鉛に変換される。鉛酸化物がアンモニアと接触して形成された活性鉛錯体が金属ナノ粉末またはヒドラジンのような還元剤を使用すると、タンクの底部にスポンジ状の鉛として沈殿する。以下の式4、式5の反応は、溶解および沈殿プロセスを示す。
PbSO4+H2O2→Pb2(SO3)3+H2O・・・(式4)
3PbO(S)+2NH4OH(l)→3Pb(S)+N2(g)+5H2O(l)・・・(式5)
(S)は固体、(l)は液体、(g)は気体を示す。
この実験例1では、粉砕して平均粒径5ミクロンの粒子を生成した硫化鉛100gを使用した。アンモニアの純度は25%であり、不純物は水である。実験例1では、硫化鉛(PbS)が硫酸鉛(PbSO4)に転化する時間(分)を計測した。実験結果を表1に示す。
主としてアンモニア溶液によって制御される水性媒体のpHに依存する硫化物酸化プロセスの種々の状態は、H2O2を用いて行われる。アルカリ性pHでのH2O2の反応性の増加は、前記反応がより速く達成されるように導く。
1.反応生成物は、硫黄元素から硫酸塩に移行する。
2.反応速度が速くなる。
PbSO4+H2O2→Pb2(SO3)3+H2O・・・(式6)
PbO2+H2O2→PbO+H2O+O2・・・(式7)
Pb+H2O2→PbO+H2O・・・・・・(式8)
本処方では、酢酸ナトリウムおよび酢酸アンモニウムを使用すると、クエン酸化合物の沈殿の可能性が低下する。酢酸、アンモニア、過酸化水素およびヒドラジン水和物を含む溶液に、粒径5〜10ミクロンの電池ペースト100gを添加した実験を行った。鉛ペーストの溶解まで溶解プロセスについて、第1実験と第2実験を行い、溶解時間(分)を測定した。第1実験の結果を表2、第2実験の結果を表3に示す。
実施例3では、鉛化合物の透明溶液を得るために、クエン酸、アンモニア、過酸化水素及びヒドラジン水和物を含む塩基溶液に5〜10ミクロンの粒子径を有するドライバッテリー鉛ペースト100gを加えた。本工程では、溶解時間(分)を実験ベースとして決定した。次いで、クエン酸を様々な割合でクエン酸アンモニウムおよびクエン酸ナトリウムで置換する。以下の表4は、各試料(試料番号31〜36)の溶解時間プロセスを示す。この実施例3における溶解時間は、溶液が透明になるまでの時間としている。
実施例4では、クエン酸ナトリウムを用いて実施例3の実験条件を繰り返し行った。実験結果を表5に示す。表5に示すように、異なった割合のクエン酸とクエン酸ナトリウムを含む第1溶液中に試料番号41〜46の鉛ペーストを混合し、第1溶液が透明になるまでの時間を測定した。
酢酸、酢酸アンモニウムおよび酢酸ナトリウムを含む塩基性製剤と共にクエン酸と同様の化合物の存在は、鉛化合物の溶解に有効であり、次の工程(溶解工程後の工程)では鉛化合物の還元が起こることになる。代替のクエン酸化合物は、約10〜35%の酢酸、および溶解収率を改善する他の同様の化合物で置換することができる。
高率の硫酸鉛を含有するバッテリーペーストから鉛をリサイクルする別の方法では、鉛ペーストの溶解反応中にアンモニアが存在する必要はない。この方法では、クエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、酢酸アンモニウムおよび酢酸ナトリウムの溶液を用いて、50〜70℃の範囲の水溶液中に硫酸鉛をゆっくり溶解させることができる。
実施例7は鉛溶液の還元を示す。
鉛溶液の還元
前述したように透明な鉛の溶液が生成され、鉛の完全な溶解が、化学量論的反応に基づいて二重置換プロセスを実施する二価または三価のナノ金属粉末を使用して達成されるとき、スポンジ金属の鉛が析出する。還元剤としてのヒドラジン水和物およびクエン酸の存在は、より高いペースで鉛還元をもたらす。ヒドラジン含有量が10〜20重量%に達すると、初期還元後の鉛酸化の可能性が高まるので、内容の変更は非常に重要である。
有機および無機の還元剤を使用して、鉛溶液を還元することができる。酸化還元反応(レドックス)は化学反応のうち、反応物から生成物が生ずる過程において、原子やイオンあるいは化合物間で電子の授受がある反応のことである。クエン酸ナトリウムはレドックスであり、システムが長期間2〜10日間動かないと、クエン酸ナトリウムによって還元された鉛結晶がタンククラストに現れる。水素化ホウ素ナトリウムのようないくつかの還元剤は、還元速度を高めるために溶解した鉛ペーストの化学量論比で使用することができる。溶解した鉛ペーストの量に応じて、様々な比率の還元剤を使用することができる。ヒドラジンを他の酸と併用して鉛ペーストを溶解することができる。実施例8の実験結果を表12に示す。
実施例9では、溶媒の再生について実験を行った。
溶媒再生のために、金属水酸化物およびいくつかの酸を添加することができる。酸および水酸化物の添加量は、鉛ペースト中の硫酸塩を除去するための化学量論的量であり、鉛の回収に添加される金属粉末である。実験結果を表13に示す。
より良い結果を得るには十分な水が必要である。水の量が溶解時間に及ぼす影響を知見するために、実施例6の表10に示す試料番号91の水の量を100g、300g、600g、1000gの4通りに変更して実験を行った。実験結果を表14に示す。
前述した実施例により回収した鉛のX線回折分析のスペクトラム図を図3に示し、鉛のXRF−X線蛍光による結果を表15に示す。表15に示すように、得られる鉛の生成物は純度が99.55%までであった。
11:粉砕機 12:コンベヤ
13:第1フィーダ 14:第2フィーダ 15:第3フィーダ
20:液体充填タンク 30:第1タンク 40:第2タンク
50:第3タンク 60:第4タンク 70:第5タンク
90:第6タンク
Claims (15)
- グリッドリードを有しまたは有しない鉛ペースト、またはガレナ鉱石を原材料とする鉛の製造方法であって、
水溶液に酢酸塩、塩化物、硝酸塩、又はクエン酸塩又はこれらの塩の化合物のいくつかと、イオンおよび分子の金属鉛イオンへ結合するヒドラジンを含む溶媒と前記原材料を溶解させて接触させ、所望の鉛を選択的に溶解させ、それにより高濃度鉛イオン溶液を生成することを含むことを特徴とする鉛の製造方法。 - 請求項1に記載の鉛の製造方法において、
前記高濃度鉛イオン溶液に、鉛とは別のアルミニウム、鉄、銅又は亜鉛の金属粉末の鉛還元促進剤、またはヒドラジン、臭化ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムの化学還元促進剤を加えて鉛イオンの還元を促進し、鉛を回収する工程を有し、高濃度鉛イオン溶液から鉛が析出した後の溶媒を再生することを特徴とする鉛の製造方法。 - 請求項2に記載の鉛の製造方法において、
前記鉛高濃度鉛イオン溶液中の溶媒の再生は、酸、燐酸、硝酸、塩酸、酢酸のいずれかの酸、酸化カルシウム、酸化カルシウムのいずれかの金属酸化物および/または水酸化ナトリウム、およびそれらを組合せたものを前記鉛を抽出した後の溶液に添加することを特徴とする鉛の製造方法。 - 請求項1に記載の鉛の製造方法において、
前記原材料は脱硫されることを特徴とする鉛の製造方法。 - 請求項1に記載の鉛の製造方法において、
前記原材料がガレナ鉱石の場合、まず酸化物形態に変換され、次いで溶解されることを特徴とする鉛の製造方法。 - 請求項2に記載の鉛の製造方法において、
前記回収された鉛の純度は少なくとも98%であることを特徴とする鉛の製造方法。 - 請求項1に記載の鉛の製造方法において、
前記溶媒中のヒドラジンはヒドラジン水和物であって、前記溶媒中に0.1〜30重量%の量で前記ヒドラジン水和物が存在することを特徴とする鉛の製造方法。 - 請求項1から7のいずれかに記載の鉛の製造方法において、
前記酢酸塩は酢酸、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウムのいずれかであり、前記クエン酸塩はクエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウムのいずれかであり、前記硝酸塩は硝酸、硝酸アンモニウムのいずれかであり、前記塩化物は塩酸アンモニウム塩化物であることを特徴とする鉛の製造方法。 - 請求項1から8のいずれかに記載の鉛の製造方法において、
前記水溶液の加熱温度は20℃から80℃の間であることを特徴とする鉛の製造方法。 - 請求項1に記載の鉛の製造方法において、
前記水溶液中の水の量は、前記原材料の少なくとも100重量%であることを特徴とする鉛の製造方法。 - グリッドリードを有しまたは有しない鉛ペースト、またはガレナ鉱石を原材料として鉛を製造する鉛の製造設備であって、
水に酢酸塩、塩化物、硝酸塩、又はクエン酸塩又はこれらの塩の化合物のいくつかと、金属鉛イオンにイオンおよび分子が結合する還元剤とを含む合成溶媒を含む第1溶液と共に前記原材料が収容され、第1溶液と前記原材料を撹拌する撹拌手段を備えた鉛溶解部と、
前記溶解部で撹拌済みの第2溶液が収容され、前記第2溶液を撹拌する撹拌手段を備えた鉛沈殿部と、
前記鉛溶解部に前記還元剤を供給する還元剤供給部と、
前記鉛沈殿部に、第2溶液中の金属鉛イオンへイオンおよび分子が結合する還元促進剤を供給する促進剤供給部と、
を有する鉛の製造設備。 - 請求項11に記載の鉛の製造設備において、
前記鉛溶解部は、収容物を加熱する加熱手段を有することを特徴とする鉛の製造設備。 - 請求項11または12に記載の鉛の製造設備において、
前記溶解部に、前記第1溶液を収容する合成溶媒収容部を有することを特徴とする鉛の製造設備。 - 請求項11から13のいずれかに記載の鉛の製造設備において、
前記鉛溶解部中の第2溶液が収容される鉛塩沈殿部を有し、前記鉛塩沈殿部に酢酸硝酸塩又は硝酸塩を供給する酸塩供給部を有することを特徴とする鉛の製造設備。 - 請求項11から14のいずれかに記載の鉛の製造設備において、
前記鉛沈殿部中の第2溶液から鉛が沈殿した後の第3溶液が収容され、収容物を撹拌する撹拌手段と収容物を加熱する加熱手段を備えた金属再生部と、前記金属再生部に酸を供給する酸供給部とを有することを特徴とする鉛の製造設備。
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