JP2012219316A - マンガン鉱石抽出残渣の処理方法 - Google Patents

マンガン鉱石抽出残渣の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マンガン鉱石を硫酸で溶解・抽出した後に残る抽出残渣のイオウ分を低減して、マンガン系合金鉄製造用原料として使用可能にする。
【解決手段】イオウを含有するマンガン鉱石抽出残渣を水中でスラリー化し、得られたスラリーに、添加終了直後の液pHが25℃で10.5以上となる量のアルカリを添加して残渣とアルカリとの接触状態を保持した後、固体分を回収する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マンガン鉱石を硫酸で溶解して硫酸マンガンとして抽出する技術分野および、電気炉または高炉にてマンガン系合金鉄を製造する技術分野に関する。より詳しくは、本発明は、マンガン鉱石を硫酸で溶解して硫酸マンガンとして抽出した後に残る抽出残渣のイオウ分を低減するための処理方法と、こうして処理した前記抽出残渣からなるマンガン系合金鉄製造用原料とに関する。
マンガン化合物は産業界においてさまざまな用途に用いられている。ごく一部の例を挙げれば、農業肥料用として硫酸マンガン及び炭酸マンガンが、家畜飼料用として硫酸マンガン及び炭酸マンガンが、マンガン−鉄系フェライト用原料として酸化マンガン及び炭酸マンガンが、触媒用として二酸化マンガンが、リチウムイオン二次電池の正極材料用としての金属マンガン及び硫酸マンガンが使用されている。
これらのマンガン化合物の元となるマンガン原料は、多くの場合、マンガン鉱石を鉱酸で抽出することにより得ている。鉱酸の種類としては硫酸、塩酸、硝酸などを用いることができるが、安価であること、設備の腐食が少ないこと、環境に与える負荷が少ないことなどの理由から、硫酸で抽出することが多い。マンガン鉱石を硫酸で抽出する工程を、以下に簡単に説明する。
図1はマンガン鉱石の抽出工程のフロー図である。原料のマンガン鉱石は、マンガンの価数が4価の二酸化マンガンであるが、これを還元性雰囲気中で焙焼して、酸溶解に適した2価の一酸化マンガンに還元する。この還元焙焼は、例えばメタン、水素、一酸化炭素などのガス状、あるいはコークス、タールピッチなどの固体状の還元剤の存在下、800〜1000℃程度の高温で必要な所定の時間をかけて行われる。得られた還元鉱石を粉砕した後、硫酸(通常は希硫酸)中で溶解し、マンガンを硫酸マンガンとして抽出する。抽出混合物をフィルタープレスなどの装置を用いてろ過することにより固液分離すれば、硫酸マンガン溶液が得られる。
このろ過工程で硫酸マンガン溶液を分離した後に残る固体、すなわち、マンガンの抽出残渣(図中では「マンガン残渣」)については、従来有効な利用方法は提案されておらず、最終的に産業廃棄物として処分場で埋立て処理される場合が多かった。しかし、処分場の容量には限りがあり、新たな処分場を設けるには用地の確保、環境アセスメントの実施、地元自治体、住民の同意を得るなど多くの課題を克服する必要があった。
この抽出残渣の処分方法として有望なのはマンガン系合金鉄原料として再利用することである。周知の通り、鉄鋼材料にとって、マンガンは添加元素としてしばしば使用され、重要な役割を果たしている。鉄鋼材料に添加される場合、マンガンはフェロマンガン、シリコマンガン、電解金属マンガンのような形態で、転炉などの鉄鋼の製造・精錬工程において添加される。このうち、フェロマンガン、シリコマンガンなどいわゆるマンガン系合金鉄は、電気炉、高炉などにより製造される。先ほど述べたマンガン鉱石を硫酸で抽出した後に残る抽出残渣は、まだ質量%で数%〜20数%ものマンガン分を含み、これらマンガン系合金鉄を製造する際の原材料となり得る。ことにシリコマンガンの製造にとっては、上記残渣はマンガン分のほかにシリコマンガンの製造に必要な鉄分、ケイ素分も含み、非常に有益に利用できると期待される。
しかし、上記抽出残渣は数%から10%程度のイオウ分を含んでおり、このことが抽出残渣をマンガン系合金鉄製造原料として使用することへの大きな障害となっていた。イオウ分が問題となる理由としては、マンガン系合金鉄を製造する設備を腐食すること、発生するガスは可燃性ガスとして各所へ供給され再利用されるが、このガス中のSOx濃度が増加し、供給先でやはり設備を腐食する等の問題を引き起こすことなどが挙げられる。
本発明の目的は、マンガン鉱石を硫酸で溶解・抽出した後に残る抽出残渣の有効活用、特にマンガン系合金鉄の製造用原料としての有効活用を図るため、この抽出残渣のイオウ分を低減することができる処理方法を提供することにある。
本発明によれば、上記抽出残渣をアルカリで処理することにより、そのイオウ分を低減することが可能になる。
まず、本発明者らは、上記抽出残渣中のイオウ分の存在形態に注目し、その中でも次に述べる二種類のものが残渣の多くを占めることを見出した。その第一の物は、鉱石を硫酸で抽出することによって生じた硫酸マンガンが、主に水洗不足のために抽出残渣に付着することによって生ずる、硫酸マンガンに由来するイオウ分である。第二の物は、鉱石を硫酸で抽出する過程において生成する、ジャロサイト(鉄明礬石)に由来するイオウ分である。
上記着目点に基づいてさらに研究を重ねた結果、上記二種類のイオウ分の分解・除去方法を見出し、本発明を完成させた。
まず、イオウ分の第一の物、即ち、硫酸マンガンは、残渣をスラリー状に撹拌し、アルカリを加え、反応温度が25℃の場合でpHを8ないし9またはそれ以上まで上げることにより、マンガンイオンは水酸化マンガンあるいは酸化マンガンとして固体として沈殿し、硫酸根は硫酸アルカリとして液中にとどまることにより、分離・除去することが可能である。
一方、第二の物、即ち、ジャロサイトは、同じく残渣をスラリー状に撹拌した状態で、さらにアルカリを加えて、反応温度が25℃の場合でpHを10.5以上、望ましくは12以上まで上げることにより、ジャロサイトが分解し、ジャロサイト中の硫酸根を硫酸アルカリとして液側に移行させることにより除去することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
ここで鉱石を硫酸で抽出する過程において生成する、ジャロサイトについてさらに詳しく説明する。ジャロサイトとは示性式がKFe3(SO4)2(OH)6で示される硫酸複塩である。
マンガン鉱石を硫酸で溶解・抽出する工程においては、鉱石中のK,Na,Mgといった元素は液側に抽出されやすく、回収される硫酸マンガン溶液にとっては不純物と見なされる。ことにKは鉱石中に含まれる割合が多く、しばしば問題となる。ところが、既に多くの文献で公知となっている通り、一定量の鉄イオンの存在下で所定の温度を保ちつつ、pH1.5前後の状態を保つことによりジャロサイトを生成させ、これを沈殿・分離することにより、抽出液として回収される硫酸マンガン溶液中のカリウム濃度を低減させる方法が広く知られ、利用されている。そのため、硫酸マンガンの溶解・抽出工程において、ジャロサイトは必然的に副生する物質であるということができる。しかし、ジャロサイトは、その示性式が示すように、その構造中に硫酸根を含むがゆえに、ジャロサイトを含む抽出残渣はイオウ含有量が高くなってしまい、前述したとおりそれを再利用しようとする時の障害となっていた。
本発明は、マンガン鉱石を硫酸で抽出する際に抽出液から固体として分離された、イオウを含有するマンガン鉱石抽出残渣を水中でスラリー化し、得られたスラリーに、添加終了直後の液pHが25℃で10.5以上となる量のアルカリを添加して残渣とアルカリとの接触状態を保持した後、固体分を回収することを特徴とする、前記抽出残渣の処理方法である。
本発明の好適態様を列挙すると次の通りである:
・前記アルカリの量が、前記抽出残渣中のイオウに対する当量比で1以上、2未満である;
・前記アルカリが水酸化ナトリウムである;
・前記アルカリの添加および接触状態の保持の間、前記スラリーに酸素を吹き込む;
・前記マンガン鉱石抽出残渣がジャロサイトを含有する;
・前記固体分が回収された後に残る溶液を、マンガンイオンを含む溶液と混合して中和する。
本発明はまた、上記方法により得られた、質量%でマンガン分を10%以上含み、イオウ分が3%以下である、マンガン鉱石抽出残渣、並びにこのマンガン鉱石抽出残渣からなるマンガン系合金鉄製造用原料にも関する。
本発明の処理方法によれば、マンガン鉱石を硫酸で抽出する際に抽出液から分離されたマンガン鉱石抽出残渣に含まれるイオウ分を、この抽出残渣がジャロサイトを含むイオウ分の高いものであっても、効果的に低減することができる。その結果、この抽出残渣を、例えば、製鋼に使用されるマンガン系合金鉄製造用原料として再利用しようとする時の、イオウ分を多く含むことによる弊害を回避することが可能となり、この抽出残渣の有効利用が促進されると期待される。そうなれば、従来は多くが埋立て処分されていたマンガン鉱石抽出残渣の処分が不要となり、経済面のみならず、資源面、環境面においても大きな効果が得られる。
マンガン鉱石の抽出工程のフロー図である。 実施例1で行った反応時のpHの推移を示す図である。 実施例2で行った反応時のpHの推移を示す図である。 実施例15で行った反応時のpHの推移を示す図である。 実施例1〜15および比較例1における、水酸化ナトリウム当量比と、処理後の固形分(処理後残渣)のイオウ分析値との関係を示す図である。
ア:添加開始時、イ:添加終了時、ウ:保持終了時
以下、本発明をその特定の形態について詳細に説明する。ただし、以下の説明は例示を目的とし、本発明を限定する意図はない。以下の説明において、%は特に指定のない限り質量%を意味する。
本発明の処理方法の処理対象は、マンガン鉱石を硫酸で溶解・抽出して硫酸マンガン溶液を回収した後に残るマンガン鉱石抽出残渣である。以下、このマンガン鉱石抽出残渣を単に抽出残渣ともいう。この抽出残渣は、前述したように、数%から10%程度ものイオウ分を含んでいる。特に、硫酸マンガン溶液へのカリウムの移行を防止するために、溶液を鉄イオンの存在下で所定の温度を保ちつつ、pH1.5前後の状態を保った場合には、カリウムがジャロサイトとして沈殿し、抽出残渣中に混入するため、そのイオウ分が高くなる。本発明の処理方法では、このようなジャロサイトを多く含む高イオウ分のマンガン鉱石抽出残渣であっても、イオウ分を3%以下、好ましくは1%以下まで低減させることができる。
マンガン鉱石は抽出効率を高めるために、粉砕された粉末形態で溶解・抽出工程に供される。従って、抽出後に残るマンガン鉱石抽出残渣は水分を含んだケーキ状であるが、これを乾燥・脱水したものは粉末形態である。この本来は粉末形態であるが、水分を含んでいるためケーキ状のマンガン鉱石抽出残渣をまず、水中で適宜手段により撹拌して、スラリー状態にする。撹拌手段は、撹拌羽根のような慣用の機械撹拌でよい。乾燥した粉末形態の抽出残渣を用いてスラリー化することもできる。
スラリーの濃度は、液量1リットル当りで水分を含んだウェットケーキ状の抽出残渣を50gから500g程度含む濃度とすることが好ましい。スラリー濃度がこの範囲を外れても、本発明による処理方法を実施できるが、濃度が薄すぎると処理効率上不利であり、濃すぎるとスラリーの粘性が増し、特殊の撹拌手段を用意する必要があるなどの問題がでてくる。
次いで、抽出残渣の水中スラリーにアルカリを添加し、添加終了直後の液pHが、25℃で10.5以上、望ましくは11以上、より望ましくは12以上とする。従って、アルカリの添加量は、添加終了直後の25℃における液pHを10.5以上、好ましくは11以上、より好ましくは12以上にするのに必要な量である。アルカリ添加終了後の液pHが10.5より低いと、特に抽出残渣に含まれるジャロサイトを十分に分解して、その硫酸根を液中に溶解させることができないので、イオウ低減効果が著しく低下する。アルカリは水溶液の形態で使用することが好ましい。水溶液の濃度は10〜40%程度が適当である。ことにアルカリの種類が水酸化ナトリウムの場合、濃度が25%程度の物が流通していることが比較的に多いが、これらは予め希釈するなど余分な操作をすることなく、そのまま使用することができる。
アルカリの好ましい添加量は、マンガン鉱石抽出残渣のイオウ分によっても異なってくる。すなわち、アルカリは、抽出残渣中のイオウに対する当量比で1以上、2未満となる量で添加することが好ましい。従って、抽出残渣中のイオウ分が多いほど、好ましいアルカリの添加量は増大する。ここで、イオウに対するアルカリの当量比は使用したアルカリ水溶液の濃度に応じて、後述する実施例1に示し式により算出される。実施例1に示したのは、アルカリ水溶液の濃度が25%の場合である。この当量比が1未満では、抽出残渣中のイオウを十分に硫酸根として液中に溶出させることができない。一方、このアルカリの当量比が2以上になると、アルカリが無駄となり、経済的に不利である。
アルカリの種類としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム(またはアンモニアガス)などを用いることができる。しかし、水酸化カリウムは高価であり、水酸化アンモニウム(アンモニア)は、処理後のろ液を排出する時に窒素濃度の規制があることと、高pHとなった時に重金属と錯塩をつくり、これを溶解させる場合があることから、アルカリとして水酸化ナトリウムを用いることが有利である。
水酸化ナトリウム(または他のアルカリ)の添加速度は、その必要所定量を数秒以内で添加し終えるほどの速い速度であっても、本発明の方法によるイオウ分の低減効果には何ら差し支えはない。しかし、後段の固液分離工程でろ過が遅くなる等の問題を生じる場合がある。また、この場合は、アルカリ添加直後はpHが変動しやすく、測定が困難であるので、例えば、5分程度が経過してpHが一定になった段階でアルカリ添加後のpHを測定する。一方、添加速度が遅すぎるのは、工程の処理効率上不利になる。通常は、必要所定量を30分から6時間程度で添加し終わるほどの添加速度が望ましい。
所定量のアルカリを添加し終わった後、25℃での液pHが10.5以上になったスラリーをさらに撹拌し続けて、マンガン鉱石抽出残渣とアルカリとの接触状態を保持する保持時間をとる。この保持時間中は撹拌を止めることも可能であるが、効率的に接触させるには撹拌を続けることが好ましい。
保持時間の長さは通常は15分以上、8時間以下であり、好ましくは30分以上、6時間以下である。保持時間はアルカリの添加時間にも依存し、アルカリをごく数秒といったごく短時間で添加した場合には、4時間以上の長い保持時間をとることが好ましい。逆に、アルカリを30分以上の時間をかけて添加した場合には、保持時間は15分〜4時間程度とすることが好ましく、より好ましくは30分〜2時間程度である。
この保持中もアルカリとイオウとの反応が進行し、液pHは一般に低下する傾向がある。保持時間中のpH低下によって保持後の25℃での液pHが10.5を下回ってもさしつかえないが、その場合でも保持終了後の液pHが25℃で9以上であることが好ましく、より好ましくは10.0以上である。
処理温度は、25℃といった常温でもよいが、これより高い温度にしても良い。処理温度の上限は85℃とすることが好ましい。これより処理温度が高くなると、液の蒸発が激しくなり、また実機スケールでの操業の場合には、反応槽からの湯気の吹き出しが激しくなり、作業環境が悪化するなどの弊害が生じる。処理温度を高くすることは、より少ない水酸化ナトリウムの量で抽出残渣のイオウ分を低減することができたり、保持時間を短くできる等の効果を持つ。しかし、温度を上げる為に燃料代等のコストがかかることや、後述するように過剰に入り過ぎた水酸化ナトリウムであっても、排水処理といった他の工程で有効に利用できることなどを鑑み、総合的な判断から処理温度を決めるのが良い。
また、同じスラリーであっても、温度が異なれば示すpHの値が変わってくることに注意しなくてはならない。本発明におけるアルカリ添加直後で10.5以上というpH値は、25℃での値であるので、処理温度がそれより高い場合は、少量のサンプルを25℃に冷却して25℃でのpH値を求める。
マンガン鉱石抽出残渣のスラリーへの水酸化ナトリウムの添加中および添加終了後に抽出残渣を水酸化ナトリウム水溶液と接触保持する間、スラリーに空気を吹き込んでもよい。空気の吹込みにより、後段の固液分離工程において、ろ過が速くなる効果が得られる場合がある。空気の吹込み量は、スラリーの液量が1リットルの場合で、0.1〜2L/min程度とすることが好ましい。空気の吹込みは、例えば、多孔質体を通して行うことができ、またエゼクター等の一般に市販されている水中ばっ気装置を用いることもできる。
保持時間が終了した後、フィルタープレスなどの公知のろ過方法を用いて、固液を分離し、固体分を回収する。アルカリによる処理中にイオウ分はほとんどが硫酸根として液中に移行するため、ろ過ケーキを洗浄すると、イオウ分が著しく低減した抽出残渣を得ることができる。この抽出残渣は、マンガン分を10%以上、好ましくは15%以上含み、イオウ分は3%以下、好ましくは1%以下である。この抽出残渣を乾燥させた後、ブリケットマシンなど公知の方法により固形化することにより、前述したようなシリコマンガンなどの合金鉄製造用原料として使用することができる、低イオウのマンガン鉱石抽出残渣が得られる。
固液の分離により得られたろ液は、一般に25℃でpH10を超えるアルカリ性を示すが、これは、例えばマンガンを少量含む廃液にアルカリを加えてマンガンを沈殿させることによりマンガンの濃度を排水規制値以下に低減させるといったような、排水処理におけるアルカリ剤の代りとして有用に用いることができる。
さらに付け加えて述べれば、かかるマンガンを少量含む廃液の処理方法として、固液分離を行う前の前記スラリー(マンガン鉱石抽出残渣を本発明に従ってアルカリで処理して得られたスラリー)そのものと混合する方法も行うことができる。この場合、本発明による処理を行った後のろ過と、廃液処理を行った後のろ過を、合わせて一度に行うことができという利点があるほか、廃液中に含まれていた少量のマンガンを、抽出残渣と一緒に合わせて回収することができるので、さらに有利である。
以下、実施例により本発明を具体的に示す。なお、実施例および比較例の条件および結果を表1にまとめて示す。
(実施例1)
マンガン鉱石を硫酸で溶解・抽出する処理で抽出液から分離された、MV(体積平均粒子径)が17.1μmで、水分を51.9%含むケーキ状のマンガン鉱石抽出残渣100gを1リットル容のビーカーに入れ、水403mlを加えて、撹拌羽根を備えた実験室用撹拌機で撹拌してスラリーにした。このスラリーを恒温槽に入れて温度を25℃に保ち、ガラスボールフィルターを使って毎分0.5リットルの割合で空気を吹き込みつつ、25%水酸化ナトリウム水溶液47.2mlを約50分かけて添加した。添加終了後、スラリーの撹拌と空気吹込みを2時間続けた。この2時間の保持が終了した後、ブフナー漏斗でスラリーを固液分離し、ろ過ケーキを純水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。
処理前の抽出残渣は、これを乾燥した後で分析した値が、マンガン15.7%,イオウ8.41%であったのに対して、処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン19.1%,イオウ0.47%であった。アルカリ(水酸化ナトリウム)水溶液の添加開始前のスラリーのpHは6.36、添加終了後は13.05、保持終了後は12.07であった。次に示す式1を用いて算出した、処理前の抽出残渣中に含まれるイオウに対する添加した水酸化ナトリウムの当量比の値は、1.49であった。
水酸化ナトリウム当量比=
[添加した水酸化ナトリウムの当量数]/[抽出残渣中イオウの当量数]=
[x×a×0.25÷w1]÷[y×(1−b÷100)×c÷100÷w2
・・・・・式1
x;25%水酸化ナトリウム水溶液の添加量(ml)
a;25%水酸化ナトリウム水溶液の比重(g/ml)
;水酸化ナトリウムの化学当量(=40.00)
y;処理前抽出残渣の質量(g)
b;処理前抽出残渣の含水率(%)
c;処理前抽出残渣の乾燥後のイオウ分析値(%)
;イオウの化学当量(=32.07)。
(実施例2)
実施例1で用いたのと同じマンガン鉱石抽出残渣100gに水403mlを加えて同様にスラリー化した後、温度を25℃に保ち、ガラスボールフィルターを使って毎分0.5リットルの割合で空気を吹き込みつつ、25%水酸化ナトリウム水溶液47.2mlを約6時間かけて添加した。その後、1時間の保持時間をとった後、ブフナー漏斗によりスラリーを固液分離した。ろ過ケーキを純水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。
処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン18.9%,イオウ0.49%であった。アルカリ水溶液添加終了後のスラリーのpHは12.52、保持終了後は12.24であった。実施例1と同じように、式1を用いて算出した水酸化ナトリウムの当量比の値は1.49であった。
(実施例3)
実施例1で用いたのと同じマンガン鉱石抽出残渣100gに水403mlを加えて同様にスラリー化した後、温度を80℃に保ち、ガラスボールフィルターを使って毎分0.5リットルの割合で空気を吹き込みつつ、25%水酸化ナトリウム水溶液47.2mlを約6時間かけて添加した。その後、1時間の保持時間をとった後、ブフナー漏斗を用いてスラリーを分離し、ろ過ケーキを純水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。
処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン19.2%,イオウ0.42%であった。アルカリ水溶液添加終了後のスラリーのpHは10.81、保持終了後は10.51であった。これらのpH値はいずれも80℃での測定値であり、少量のスラリーを採り、これを25℃の温度に合わせた時のpH値は、添加終了後で13.13、保持終了後で13.03であった。実施例1と同様に式1を用いて算出した水酸化ナトリウムの当量比は1.49であった。
(実施例4)
実施例1で用いたのと同じマンガン鉱石抽出残渣100gに水412mlを加えて同様にスラリー化した後、温度を60℃に保ち、ガラスボールフィルターを使って毎分0.5リットルの割合で空気を吹き込みつつ、25%水酸化ナトリウム水溶液37.8mlを約60分かけて添加した。その後、2時間の保持時間をとった後、ブフナー漏斗を用いてスラリーを分離し、ろ過ケーキを純水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。
処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン18.5%,イオウ0.45%であった。添加終了後のスラリーのpHは11.04、保持終了後は9.17であった。これらのpH値はいずれも60℃での測定値であり、少量のスラリーを採り、これを25℃の温度に合わせた時のpH値は、添加終了後で12.32、保持終了後で10.70であった。実施例1と同様に式1を用いて算出した水酸化ナトリウムの当量比は1.19であった。
(実施例5)
実施例1で用いたのと同じマンガン鉱石抽出残渣100gに水412mlを加えて同様にスラリー化した後、温度を40℃に保ち、ガラスボールフィルターを使って毎分0.5リットルの割合で空気を吹き込みつつ、25%水酸化ナトリウム水溶液37.8mlを約60分かけて添加した。その後、2時間の保持時間をとった後、ブフナー漏斗を用いてスラリーを分離し、ろ過ケーキを純水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。
処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン19.0%,イオウ0.50%であった。40℃の温度で添加終了後のスラリーのpHは11.59、保持終了後は10.18であった。これらのpH値はいずれも40℃での測定値であり、少量のスラリーを採り、これを25℃の温度に合わせた時のpH値は、添加終了後で12.20、保持終了後で10.75であった。実施例1と同様に式1を用いて算出した水酸化ナトリウムの当量比は1.19であった。
(実施例6)
実施例1で用いたのと同じマンガン鉱石抽出残渣100gに水412mlを加えて同様にスラリー化した後、温度を25℃に保ち、ガラスボールフィルターを使って毎分0.5リットルの割合で空気を吹き込みつつ、25%水酸化ナトリウム水溶液37.8mlを約60分かけて添加した。その後、3時間30分の保持時間をとった後、ブフナー漏斗を用いてスラリーを分離し、ろ過ケーキを純水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。
処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン19.0%,イオウ0.73%であった。添加終了後のスラリーのpHは12.08、保持終了後は10.23であった。実施例1と同様に式1を用いて算出した水酸化ナトリウムの当量比は1.19であった。
(実施例7)
実施例1で用いたのと同じマンガン鉱石抽出残渣100gに水418mlを加えて同様にスラリー化した後、温度を80℃に保ち、ガラスボールフィルターを使って毎分0.5リットルの割合で空気を吹き込みつつ、25%水酸化ナトリウム水溶液31.5mlを約60分かけて添加した。その後、2時間の保持時間をとった後、ブフナー漏斗を用いてスラリーを分離し、ろ過ケーキを純水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。
処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン18.7%,イオウ1.20%であった。添加終了後のスラリーのpHは9.10、保持終了後は7.65であった。これらのpH値はいずれも80℃での測定値であり、少量のスラリーを採り、これを25℃の温度に合わせた時のpH値は、添加終了後で10.63、保持終了後で9.05であった。実施例1と同様に式1を用いて算出した水酸化ナトリウムの当量比は0.99であった。
(実施例8)
実施例1で用いたのと同じマンガン鉱石抽出残渣100gに水409mlを加えて同様にスラリー化した後、温度を25℃に保ち、ガラスボールフィルターを使って毎分0.5リットルの割合で空気を吹き込みつつ、25%水酸化ナトリウム水溶液40.9mlを約60分かけて添加した。その後、2時間の保持時間をとった後、ブフナー漏斗を用いてスラリーを分離し、ろ過ケーキを純水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。
処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン19.8%,イオウ0.49%であった。添加終了後のスラリーのpHは12.39、保持終了後は11.14であった。実施例1と同様に式1を用いて算出した水酸化ナトリウムの当量比は1.29であった。
(実施例9)
実施例1〜8で用いた物とは発生ロットが異なる、MVが23.9μmで、水分を49.5%含むケーキ状のマンガン鉱石抽出残渣100gに、水400mlを加えて実施例1と同様にスラリー化した後、温度を25℃に保ち、ガラスボールフィルターを使って毎分0.5リットルの割合で空気を吹き込みつつ、pH12.4になるまで25%水酸化ナトリウム水溶液を添加した。添加した水酸化ナトリウムの量は44.3ml、添加に要した時間は約60分であった。その後、2時間の保持時間をとった後、ブフナー漏斗を用いてスラリーを分離し、ろ過ケーキを純水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。
処理前のマンガン鉱石抽出残渣は、乾燥後の分析値が、マンガン16.9%,イオウ8.83%であったのに対して、処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン23.1%,イオウ0.52%であった。添加開始前のスラリーのpHは6.07、保持終了後は10.98であり、実施例1と同様に式1を用いて算出した水酸化ナトリウムの当量比は1.26であった。
(実施例10)
実施例1〜9で用いた物とは発生ロットが異なる、MVが11.2μmで、水分を44.9%含むケーキ状のマンガン鉱石抽出残渣100gに、水400mlを加えて実施例1と同様にスラリー化した後、温度を25℃に保ち、ガラスボールフィルターを使って毎分0.5リットルの割合で空気を吹き込みつつ、pH12.4になるまで25%水酸化ナトリウム水溶液を添加した。添加した水酸化ナトリウムの量は54.7ml、添加に要した時間は約80分であった。その後、2時間の保持時間をとった後、ブフナー漏斗を用いてスラリーを分離し、ろ過ケーキを純水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。
処理前のマンガン鉱石抽出残渣は、乾燥後の分析値が、マンガン18.5%,イオウ10.0%であったのに対して、処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン26.6%,イオウ0.47%であった。添加開始前のスラリーのpHは5.36、保持終了後は10.66であり、実施例1と同様に式1を用いて算出した水酸化ナトリウムの当量比は1.26であった。
(実施例11)
実施例1で用いたのと同じマンガン鉱石抽出残渣100gに水409mlを加えて同様にスラリー化した後、温度を25℃に保ち、ガラスボールフィルターを使って毎分0.5リットルの割合で空気を吹き込みつつ、25%水酸化ナトリウム水溶液40.9mlを約60分かけて添加した後、2時間の保持時間をとった。添加終了後のスラリーのpHは12.35、保持終了後は11.00であった。
その後引き続き空気を吹き込みつつ、マンガンイオン濃度が2g/lの硫酸マンガン溶液を、pHが10.0に下がるまで添加した。添加した硫酸マンガン溶液の量は288.6ml、添加に要した時間は約60分であった。その後、さらに1時間の保持時間をとった後、ブフナー漏斗を用いてスラリーを分離し、ろ過ケーキを純水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。
処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン19.1%,イオウ0.49%であった。またブフナー漏斗を用いてスラリーを分離した時の、ろ液中のマンガンイオン濃度は4.4mg/lであった。実施例1と同様に式1を用いて算出した水酸化ナトリウムの当量比は1.29であった。
(実施例12)
実施例1で用いたのと同じマンガン鉱石抽出残渣100gに水387mlを加えて同様にスラリー化した後、温度を25℃に保ち、25%水酸化ナトリウム水溶液63.0mlを約5秒間で添加した。その後、6時間の保持時間をとった後、ブフナー漏斗を用いてスラリーを分離し、ろ過ケーキを純水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。
処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン19.1%,イオウ0.42%であった。添加終了30秒後のスラリーのpHは13.36であり、5分後は13.38、保持終了後は13.20であった。実施例1に記載の式1を用いて算出した水酸化ナトリウムの当量比は1.98であった。
(実施例13)
実施例1で用いたのと同じマンガン鉱石抽出残渣100gに水419mlを加えて同様にスラリー化した後、温度を25℃に保ち、25%水酸化ナトリウム水溶液31.5mlを約5秒間で添加した。その後、6時間の保持時間をとった後、ブフナー漏斗を用いてスラリーを分離し、ろ過ケーキを純水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。
処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン18.4%,イオウ1.82%であった。添加終了30秒後のスラリーのpHは12.79であり、5分後は11.84、保持終了後は10.95あった。実施例1と同様に式1を用いて算出した水酸化ナトリウムの当量比は0.99であった。
(実施例14)
実施例1で用いたのと同じマンガン鉱石抽出残渣200gに水337mlを加えて同様にスラリー化した後、温度を25℃に保ち、25%水酸化ナトリウム水溶液63.0mlを約5秒間で添加した。その後、6時間の保持時間をとった後、ブフナー漏斗を用いてスラリーを分離し、ろ過ケーキを純水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン19.1%,イオウ1.51%であった。添加終了30秒後のスラリーのpHは12.58であり、5分後は11.76、保持終了後は11.44であった。実施例1と同様に式1を用いて算出した水酸化ナトリウムの当量比は0.99であった。
(実施例15)
実施例1〜14で用いた物とは発生ロットが異なるマンガン鉱石抽出残渣100kgと、水300リットルとをタンクに入れ、室温で撹拌羽根を備えた撹拌機で撹拌することによりスラリー化した。さらに撹拌を続けつつ、毎分約200リットルの吐出能力を持つポンプを用いて、スラリーをタンク底部より抜き出し上部に戻すことで、これを循環させた。さらにポンプ吸入部に、毎分約80リットルの割合で空気を吹き込みつつ、pH12.4になるまで25%水酸化ナトリウム水溶液を添加した。添加した水酸化ナトリウムの量は26.75リットル、添加に要した時間は約80分であった。その後、2時間の保持時間をとった後、フィルタープレスにてスラリーを固液分離し、ろ過ケーキを工業用水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。
処理前のマンガン鉱石抽出残渣は含水率が57.1%であり、乾燥後の分析値は、マンガン11.9%,イオウ5.86%であったのに対して、処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン15.4%,イオウ0.43%であった。
添加開始前のスラリーの温度は23.5℃、液pHは6.84であり、保持終了後は温度29.3℃、液pH12.14であった。実施例1と同様に式1を用いて算出した水酸化ナトリウムの当量比は1.39であった。
(比較例1)
実施例1で用いたのと同じマンガン鉱石抽出残渣100gに水444mlを加えて同様にスラリー化した後、温度を25℃に保ち、ガラスボールフィルターを使って毎分0.5リットルの割合で空気を吹き込みつつ、pHが10.0になるまで約15分かけて25%水酸化ナトリウム水溶液を添加した後、pHを保ちながら18時間保持を行った。添加された水酸化ナトリウムの量は合計で24.4mlであった。その後、ブフナー漏斗を用いてスラリーを分離し、ろ過ケーキを純水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。
処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン17.0%,イオウ4.51%であった。実施例1と同様に式1を用いて算出した水酸化ナトリウムの当量比は0.77であった。
(比較例2)
実施例1で用いたのと同じマンガン鉱石抽出残渣100gに水407mlを加えて同様にスラリー化した後、温度を25℃に保ち、ガラスボールフィルターを使って毎分0.5リットルの割合で空気を吹き込みつつ、35%の塩酸42.9mlを約50分かけて添加した。その後、6時間の保持時間をとった後、ブフナー漏斗を用いてスラリーを分離し、ろ過ケーキを純水で洗浄した後、乾燥して、処理後の抽出残渣を得た。処理後の抽出残渣の分析値は、マンガン17.8%,イオウ3.99%であった。
Figure 2012219316
上の表1から、イオウ含有量が高いマンガン鉱石抽出残渣を本発明に従って処理することにより、マンガン含有量が増大し、イオウ含有量が著しく低減した抽出残渣を得ることができることがわかる。実施例15に示すように、本発明の方法は、実験室規模ではなく、工業的スケールでの実施においても有効である。従って、本発明はマンガン鉱石の精錬において大量に発生する、イオウ分が高いためにこれまでは廃棄されていたマンガン鉱石抽出残渣を、資源として有効活用することを可能にするものである。

Claims (8)

  1. マンガン鉱石を硫酸で抽出する際に抽出液から固体として分離された、イオウを含有するマンガン鉱石抽出残渣を水中でスラリー化し、得られたスラリーに、添加終了直後の液pHが25℃で10.5以上となる量のアルカリを添加して残渣とアルカリとの接触状態を保持した後、固体分を回収することを特徴とする、前記抽出残渣の処理方法。
  2. 前記アルカリの量が、前記抽出残渣中のイオウに対する当量比で1以上、2未満である、請求項1に記載の処理方法。
  3. 前記アルカリが水酸化ナトリウムである、請求項1または2に記載の処理方法。
  4. 前記アルカリの添加および接触状態の保持の間、前記スラリーに酸素を吹き込む、請求項1〜3のいずれかに記載の処理方法。
  5. 前記マンガン鉱石抽出残渣がジャロサイトを含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記固体分が回収された後に残る溶液を、マンガンイオンを含む溶液と混合して中和することを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の処理方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の方法により得られた、質量%でマンガン分を10%以上含み、イオウ分が3%以下である、マンガン鉱石抽出残渣。
  8. 請求項7記載のマンガン鉱石抽出残渣からなる、マンガン系合金鉄製造用原料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104307849A (zh) * 2014-10-13 2015-01-28 中国环境科学研究院 一种电解锰渣固化/稳定化处理方法
CN105084421A (zh) * 2015-09-22 2015-11-25 赵阳臣 中低品位软锰矿综合利用制备高纯碳酸锰的方法
CN115011799A (zh) * 2022-07-13 2022-09-06 重庆上甲电子股份有限公司 一种利用电解锰阳极泥生产软磁用四氧化三锰的方法

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