JPWO2020110198A1 - 鉛の製造方法および製造設備 - Google Patents

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Abstract

鉛の製造方法は、グリッドリードを有しまたは有しない鉛ペースト、またはガレナ鉱石を原材料とする鉛の製造方法であって、水溶液に酢酸塩、塩化物、硝酸塩、又はクエン酸塩又はこれらの塩の化合物のいくつかと、イオンおよび分子の金属鉛イオンへ結合する材料とを含む溶媒と接触させ、所望の鉛を選択的に溶解させ、それにより高濃度鉛イオン溶液を生成する。前記高濃度鉛イオン溶液に、鉛とは別のアルミニウム、鉄、銅又は亜鉛の金属粉末の鉛還元促進剤、またはヒドラジン、臭化ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムの化学還元促進剤を加えて鉛イオンの還元を促進し、鉛を回収する工程を有し、高濃度鉛イオン溶液から鉛が析出した後の溶媒を再生する。

Description

本発明は、無害な化学的方法を用いてバッテリペーストから鉛を抽出およびリサイクルし、鉛塩や金属鉛を含む鉛化合物を生産する新規のプロセスに関する。より詳細には、本方法によれば、溶解および回収の後、ナノまたはマイクロ金属粉末を用いることによって、PbS鉱石(方鉛鉱)を金属鉛に変換することが可能となる。
現在、鉛の85%以上が鉛バッテリーの製造に使用されている。そのうち略100%が回収とリサイクルが容易である。2013年には、世界のリサイクル鉛の生産量は670万トンで、世界の総鉛生産量の54%に相当する。米国での鉛生産は全てリサイクルプロセスで得られ、ヨーロッパでは回収率は74%に達する。現在、北米および欧州における鉛リサイクル率は略100%である。
廃棄されたバッテリーおよび鉛鉱石の鉛ペーストから鉛の回収と抽出することは、原材料の供給源としても、有害廃棄物の処理が困難であることより、経済的に重要である。長年にわたり、バッテリースクラップおよび硫化鉱物(PbS鉱石)中の硫黄および塩化物の存在は、広範な抽出プロセスにおいて重大な問題を引き起こしている。鉛バッテリーのバッテリーペーストから鉛を抽出することは、広義の産業活動であり、様々な周知の抽出方法を使用する主な理由である。
製錬に基づく鉛のリサイクルプロセスは、非常に汚染され、エネルギー集約的で危険である。特許文献1(米国特許第4,118,219号明細書)に開示されているように、この鉛のリサイクルプロセスにおいて、乾式鉛バッテリーペーストには、カーボンブラック、プラスチック、繊維、鉛と硫酸のような硫酸塩含有化合物が含まれている。バッテリーペーストを得るために使用される特定の方法は、正確なバッテリー組成の決定が必要である。乾式鉛バッテリーを組成するバッテリー廃棄物は、化合物55〜65wt%、カーボンブラック15〜40wt%、プラスチック5〜25wt%および1〜5wt%の繊維%をそれぞれ含有する。バッテリーペーストは、硫酸を含んでいてもよい。
分離した使用済みバッテリーの主成分は硫酸塩(PbSO)であり、水酸化ナトリウム(NaOH)または炭酸ナトリウム(NaCO)などのアルカリ物質の溶液で処理して、以下の反応式1、2によって二酸化硫黄(SO)の放出を減少させる。
PbSO+2NaOH→Pb(OH)+NaS0・・・・(式1)
PbSO+NaC0→PbC0+NaS0・・・・・(式2)
(式1)、(式2)に示すように、リサイクルにより脱硫された鉛は、硫酸塩(PbSO)中にかなりの量の硫黄を含むスラッジの形態であり、硫黄成分を脱硫するために過剰量のアルカリ試薬で繰り返し洗浄しても未反応のままである。非脱硫ペースト中の硫黄比は6wt%が測定され、脱硫ペースト中の硫黄含有量は通常、全硫黄の約1%以下である。
製錬炉内の硫化ペーストと硫黄の製錬プロセスは、大量の二酸化硫黄(SO)を放出するため、硫黄を結合させるためにフラックスの添加が必要とされる。これらの廃棄物の量は、脱硫酸化によって減少する。この方法は、特許文献2(米国特許第6,177,056号明細書)に開示されている。
最も古い一般的な方法では、金属ペーストは、従来の製錬用高炉にバッテリーペーストを充填し、高温で分解することによって得られる。この金属ペースト材料は、硫酸塩(PbSO)の形態の多量の硫黄を含有する。この化合物の分解は、比較的高い温度、典型的には1100℃以上で起こる。
特許文献3(米国特許第8,323,376号明細書)は、二酸化硫黄(SO)のような有害なガスが環境に放出されるのを防ぐために、硫酸塩(PbSO)の乾式冶金プロセスにより多くのステップを行っている。さらに、高温で行われるプロセスは、有害な鉛を含む煙霧、粉塵およびスラグが相当量生成される。高価な有害物質を管理するためには特別な装置が必要である。さらに、有害な副生成物を除去するプロセスは面倒で時間がかかる。硫化鉱物(PbS鉱石)から鉛濃縮物を粉砕して製造した後、鉛が製造される。この鉛は汚染されている。
特許文献3に記載されている乾式冶金法の欠点を以下に列挙する。
1.二酸化炭素や硫酸ガスなどの汚染ガスの排出は大気汚染の重要な役割を果たし、地域の生態系を変化させる。
2.地域のSOxガスに起因する酸性雨の可能性がある。
3.環境中の望ましくない臭いと、鉛による汚水の漏れの可能性がある。
4.有害な環境および人間の影響を有する鉛工場からの鉛化合物のいくつかの蒸発は、常に居住環境のリスクとみなされる。
5.このようにして、多くの廃水が生成される。
6.炉内で行われるプロセスは、約1000℃の高温が必要である。これらの温度は、化石燃料または汚染物質または高価な電気を使用することによって達成される。
7.この方法を使用して金属成分が完全に除去される可能性はない。
特許文献4(米国特許第6340423号明細書)は鉛の湿式製錬法を示す。湿式製錬法を使用する目的は、バッテリーペースト中の既存の硫黄を可溶性金属硫酸塩の形態に変換することであり、これは処理工程で形成される不溶性鉛生成物から分離することができる。しかし、硫酸塩(PbSO)の形の相当量の硫黄は、分離された鉛製品にしばしば残る。二酸化硫黄(SO)の排出が完全に制御されることを確実にするための適切な措置を講じる必要がある。
この湿式製錬法には次のような欠点がある。
1.生産プロセスが遅い。
2.硫黄と二酸化炭素の排出量は、他の方法と比較して、排出量のレベルは低い。
3.初期生産とフィルターは非常に高価である。
4.抽出およびインゴット鋳造には溶融炉が必要である。
特許文献1は、使い古したバッテリーを回収するプロセスを明らかにしている。硫酸塩(PbSO)などの鉛成分は、硫酸を使用して鉛(Pb)および一酸化鉛(PbO)に変換される。か焼または過酸化水素のような他の化学還元剤を用いてバッテリーペースト中の二酸化鉛(PbO)を還元し、次いでこれを硫酸と反応させて硫酸塩(PbSO)を生成させる。得られた硫酸塩(PbSO)を、硫酸アンモニウム水溶液を含む高濃度の浸出溶液に溶解する。水溶液(浸出溶液)を濾過して溶解した鉛から不純物を除去する。このプロセスに続いて、鉛の炭酸塩の形の鉛を沈殿させ、それを溶解した不純物および未反応の鉛(Pb)および一酸化鉛(PbO)から分離する。次いで、炭酸鉛を炉内で一酸化鉛(PbO)または鉛(Pb)に焼成する。
特許文献5(米国特許第4,269,810号明細書)は、(式1)、(式2)のように、粉砕されたバッテリー成分に炭酸ナトリウム(NaCo)または水酸化ナトリウム(NaOH)などの還元剤の水溶液を添加することによって鉛バッテリーを脱硫する方法を開示している。この方法において、使い古したバッテリーの硫酸塩(PbSO)成分は硫酸ナトリウムのような可溶性の金属硫酸塩を生成し、鉛化合物は炭酸塩(PbCO)と水酸化鉛(Pb(OH))を含む化合物に転化して析出する。沈殿した鉛化合物は、沈降または遠心分離のような従来の分離技術を用いて、固体の一酸化鉛(PbO)およびPbと共に分離される。
特許文献3(米国特許第8,323,376号明細書)は、鉛含有廃棄物から鉛をリサイクルする方法を記載している。この方法は、バッテリーペーストにクエン酸水溶液を添加することによってクエン酸鉛を生成する。鉛および/または酸化鉛は、水溶液からクエン酸鉛を単離することによって得られる。
特許文献6(米国特許第4,460,442号明細書)は、鉛および二酸化鉛を粉砕し、強アルカリ性溶液と反応させて最小固体の四酸化鉛(Pb)を生成させ、その後、鉛を溶解するために高温のフルオロシリルまたはフルオロホウ酸とさらに反応させる鉛回収プロセスを開示し、グラファイトカソード上に電着(電気めっき)される。
同様に、特許文献7(米国特許第4,769,116号明細書)は、鉛ペーストの炭酸化反応と、それに続くフルオロシリルまたはフルオロホウ酸との反応によって、鉛がメッキされる電解質を形成することを開示している。そのようなプロセスは製錬を禁止するが、それにもかかわらず様々な障害が残る。最も注目すべきことは、フルオロシリルまたはフルオロホウ酸を使用する鉛化合物の消化(分解)は汚染物質の生成プロセスであり、環境的に望ましくなく、相当量の硫酸鉛がしばしば残る。鉛ペーストの脱硫プロセスは、苛性ソーダ(NaOH)またはソーダ灰(NaCo)を用いて実施して、鉛の水酸化物または硫酸鉛からの鉛の炭酸塩を生成することができる。
あるいは、非特許文献1((Journal of Achievements in Materials and Manufacturing Engineering 2012、Vol.55(2)、855〜859頁))に開示のように、アミン溶媒を使用して、鉛ペーストを脱硫し、精製硫酸鉛およびリサイクルアミン溶媒を製造することができる。残念ながら、そのようなプロセスは純粋な元素の鉛を生成する。
一般的に、鉛鉱石からの鉛を生成するには湿式化学的方法が用いられる。この方法は、粉砕と浮遊選鉱に基づいて濃縮鉛溶液を生成する。金属鉛は、電解質としてフルオロチタン酸塩を使用し、アノードとして不純な鉛を使用し、カソードまたはカソードに鉛を析出させる電気製錬プロセスを用いて再循環される。この方法はベッツ(Betts)プロセスとして特許文献8−12に開示されている。
脱硫について、特許文献13(WO2015/057189号)には、鉛酸化物を酸および還元剤で処理して鉛塩を形成し、次いでこれを高温で二酸化炭素(CO)を含まない雰囲気下で酸化剤と反応させて一酸化鉛(PbO)を生成させることが開示されている。
しかし、特許文献13に記載された方法を用いて一酸化鉛(PbO)を製造するためには、いくつかの溶媒処理工程および種々の試薬を必要とする。さらに、純粋な元素の鉛は、そのようなプロセスから直ちに生成されない。
特許文献14(US2010/043600号公報)は、酸化鉛を最初に酸に溶解し、不溶性二酸化鉛を還元したペーストから高純度の鉛化合物を回収する方法を開示している。得られた鉛酸化物は硫酸鉛に変換され、対応する炭酸塩、酸化物または水酸化物を含む。残念なことに、そのようなプロセスは比較的複雑であり、したがって経済的に魅力的ではない。
電解採取も複雑になる可能性がある。溶解した鉛の適切な形態は、化学物質の複雑な混合物によって生成される電気化学セルで処理する必要がある。そのようなセルはエネルギー集約的である。この方法には、以下の欠点がある。
1.リザーバーおよび電極の建設には初期投資コストが高い。
2.時間の経過とともに電極を使用する。
3.効率は低いが高純度である。
4.消費電力が大きいため、全体の製造コストが高くなる。
特許文献15(米国特許公開2016/0294024号明細書)には、連続プロセスを用いて水性電気処理溶媒中で鉛をリサイクルし、電気精製および使用済み電気処理溶媒が回収プロセスを用いてリサイクルされることが開示されている。
次に、フッ素含有電解質は、脱硫プロセスにいくつかの困難を生じさせる可能性がある。特許文献16(米国特許第5,262,020号明細書)、特許文献17(米国特許第5,520,794号明細書)には、脱硫された活性鉛材料をメタンスルホン酸に溶解することによってこの問題を解決する方法が記載されている。硫酸鉛はメタンスルホン酸にはほとんど溶けにくいので、脱硫前処理が必要である。残りの不溶性材料は、全体的な効率を低下させ、経済的に魅力的ではない。
硫酸鉛に関連する問題の少なくともいくつかを克服するために、特許文献18(国際公開2014/076544号)に記載されているように、酸素および/またはメタンスルホン酸第二鉄を添加することができ、または特許文献19(国際公開2014/076547号)に開示されているように種々の混合酸化物を製造することができる。
しかしながら、効率の改善がなされたが、いくつかの欠点が残る。とりわけ、これらのプロセスにおける溶媒の再使用は、しばしばさらなる努力を必要とし、残留硫酸塩は廃棄物として失われる。さらに、カソードが除去され、鉛が剥がされ、バッチ運転が最も問題にならない限り、電解鉛回収操作では、予期せぬプロセス条件または停電中にめっきされた金属鉛の電解液への溶解が可能である。
このプロセスでは、使い古した鉛バッテリーのリサイクルについて開示されている。この方法では、残留鉛化合物および合金の一部を含む破砕された非金属成分は、硝酸の混合物によって還元され、不溶性+4状態の鉛を可溶性+2状態鉛のスラリーに変換する。この方法に続いて、スラリーを濾過して、鉛が豊富な濾液からプラスチックおよびセパレータを分離し、鉛が豊富な濾液を硫酸と接触させて、硫酸鉛ペーストおよび硝酸を得る。金属含有成分は、金属含有成分中に存在する鉛および他の金属の硫酸塩を含むペーストを形成するように処理され、硫酸鉛ペーストおよび鉛および他の金属の硫酸塩を含むペーストをアルカリ溶液と接触させて鉛酸化物を析出させ、カルボン酸と接触させて可溶性鉛カルボン酸塩を形成する。一酸化鉛は、可溶性鉛カルボン酸塩を処理することによって得られる。
米国特許第4,118,219号明細書 米国特許第6,177,056号明細書 米国特許第8,323,376号明細書 米国特許第6,340,423号明細書 米国特許第4,269,810号明細書 米国特許第4,460,442号明細書 米国特許第4,769,116号明細書 米国特許第679,824号明細書 米国特許第713,277号明細書 米国特許第713,278号明細書 米国特許第4,177,117号明細書 米国特許第4,416,746号明細書 国際公開2015/057189号 米国特許公開2010/043600号明細書 米国特許公開2016/0294024号明細書 米国特許第5,262,020号明細書 米国特許第5,520,794号明細書 国際公開2014/076544号 国際公開2014/076547号
Journal of Achievements in Materials and Manufacturing Engineering 2012、Vol.55(2)、855〜859頁
従来の鉛の製造方法では、脱硫された溶液を用いて希少な鉛化合物を製造するが、これらの化合物は環境を汚染する。
本発明の目的は、鉛の抽出温度を下げることができ、それに加えて、鉛製造時の汚染を大幅に減少できる湿式化学的方法による鉛の製造方法及び鉛の製造設備を提供することにある。
本発明の目的を実現する鉛の製造方法は、温度を低下させ、または排除する試みがなされている。それに加えて、新しい材料の使用は汚染を大幅に減少させた。例えば、無害の使用は、種々の濃度の鉛の可溶性化合物を生産する。本発明の鉛の製造方法では、鉛化合物は水性溶媒に完全に可溶である。この溶媒は、硝酸、塩酸、ギ酸、クエン酸アンモニウム溶液、クエン酸ナトリウム溶液、クエン酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、クエン酸アンモニウムなどの鉛化合物を溶解することができる酸性および工業用酸化剤の混合物である。
したがって、環境条件の鉛の製造方法や、環境リスクを低減し、経済性を高めたナノ金属粉を添加して分解することも可能である。このプロセスで得られた製品は、すべてリサイクルして販売することが可能である(金属鉛が必要である)。
さらに、実施された実験は、この方法を実施することにより、高純度化された鉛が生産可能であることを示している。この方法は、溶解し、ナノ金属粉末によって回収した後、ガレナ鉱石PbSを金属鉛に変換することができる。従来の方法では、硫酸を添加することによって硫化鉛を硫酸鉛に変換した。しかしながら、この新しい方法では、硫酸を使用せずに硫酸鉛と硫化物の溶解を可能とする。
この方法の手順を以下に示す。
1つ目は、無毒溶液に鉛ペーストを溶解することである。
2つ目は、非常に短時間で透明な溶液が得られることである。
3つ目は、透明な鉛錯体溶液にナノ金属粉末またはマイクロ粉末を添加することである。
4つ目は、ナノ金属粉末を添加された溶液から結果として鉛が得られることである。
この方法は、環境にやさしく低初期投資要件を含むいくつかの態様のための古い方法に匹敵する。従来の方法において、希少な鉛化合物は脱硫溶液を使用して生成されるが、これらの化合物は環境を汚染する。本発明方法の主な目的は抽出温度を下げることにある。それに加えて、新しい材料の使用は汚染を大幅に減少させた。このプロセスで得られた製品は、すべてリサイクルして販売することができる。
古い電池やPbSの鉱石から鉛を抽出する本発明の効果は以下の通りである。
1.迅速な処理:鉛抽出処理の時間が他の既存の方法よりもずっと速い。
2.低初期および反応温度のために、プロセスに必要なエネルギーがより少ない。
3.抽出プロセスの還元時間および温度は、スラグとしての鉛の酸化およびオーバーシュートを防止する。
4.低温度での動作(最大75℃)を可能とし、硫黄ガスの放出量を最小にできる。
5.加熱撹拌能力を有するタンクのみが必要とされるので、初期の製造コストの低減が図れる。
6.副産物を産業界に販売可能である。
7.溶液の再利用が可能である。
8.鉛化合物を選択的に処理可能である。鉛を製造するための複数のステップの中で、例えば最後のステップで鉛を抽出可能とする。
9.インゴット鋳造の必要はない。
10.クエン酸鉛、硝酸鉛、酸化物などの各種鉛塩を製造する能力を有する。
11.製造工程に炉を不要とする。
12.製造工程中に有害なガスが存在しない。
13.硫黄化合物が溶解プロセスで使用されない。
本発明方法を実施する鉛ペーストから鉛をリサイクルする大量生産プロセスのブロック図である。 Pb(C)のX線回折スペクトラム図。 鉛のX線回折解析スペクトラム図。
以下本発明による鉛の製造方法を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
なお、詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載された様々な実施形態は、例示的なものであり、限定を意味するものではない。本明細書に提示される主題の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態が使用されてもよく、他の変更が行われてもよい。本明細書に一般的に記載され、図に示されるような本開示の態様は、本明細書ですべて企図される多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、分離、および設計され得ることが理解される。
図1は本発明方法を実施する鉛ペーストから鉛をリサイクルする大量生産プロセスのブロック図である。なお、鉛製造の原材料として鉛ペーストに代えて鉛鉱石を粉砕したものも適用することができる。
図1において、鉛の生産設備1は、セパレータ10と、粉砕機11と、コンベヤ12と、ポンプ内蔵の液体充填タンク20と、撹拌機31を備えた合成溶媒収容部をなす第1タンク30と、撹拌機41を備えた鉛溶解部をなす第2タンク40と、撹拌機51を備えた鉛沈殿部をなす第3タンク50と、撹拌機61を備えた鉛塩沈殿部をなす第4タンク60と、酸塩供給部をなす第5タンク70を有する。第2タンク40はヒータ42を備え、タンク内溶液の温度を制御可能とし、例えば70℃に制御可能とする。液体充填タンク20と第1タンク30は、工業用プロピレンまたはSUS316ステンレス鋼、低炭素鋼で形成され、酸化剤および酸性物質に耐性を有する。鉛バッテリー2は、粉砕機11で粉砕され、セパレータ11により、鉛ペースト3とプラスチック類4等に仕分けされ、鉛ペースト2がコンベヤ12に送られる。コンベヤ12により鉛ペースト3は第2タンク40に移送される。
第1フィーダ13は例えばアンモニア又はクエン酸を第1タンク30に供給する。液体充填タンク20内に、クエン酸塩または酢酸塩の液体化合物を入れることができる。第2フィーダ14は例えばヒドラジン水和物のような還元剤を第2タンク40に供給する。第3フィーダ15は例えば過酸化水素および金属粉末の促進剤を第3タンク50に供給する。さらに、例えば、第5タンク70から第4タンク60に酢酸硝酸塩または硝酸塩が供給される。
また、生産設備1は、洗浄機能を備えたろ過器80A、80Bと、第1送液ポンプ81と、第2送液ポンプ82と、第3送液ポンプ83と、低温乾燥用のドライヤー84有する。この鉛の生産設備1は、鉛バッテリー2内の鉛(PbSO)3をリサイクルし、例えば金属鉛100として取り出し、また各種の鉛塩101を製造する。
各タンク20、30、40、50、60の容量は、例えば300リットルで、各タンクを接続するパイプの内径はポンプの動力により変わる。ポンプの動力は毎分50リッターである。また、各撹拌機はブレードを一列にすることができる。さらに、第1タンク30の底部を円錐形状とし、鉛が埋まるようにしても良い。前記各種の鉛塩101としては、鉛の硝酸塩(lead(II) nitrate)、クエン酸鉛および塩化鉛(II)などの鉛塩粉末を製造することができる。
第2タンク40内には、鉛ペースト3等の鉛誘導体を溶解するために、酸化物,水酸化物,硫酸塩等の各種鉛化合物を溶解することができる合成溶媒が水と共に収容されている。アンモニア、クエン酸塩および酢酸塩化合物の必要量は、第1フィーダ13によって液体充填タンク20に供給され、調整された液体(第1溶液とする)は、溶解液充填タンクである第1タンク30に供給される。第1タンク30内の第1溶液は、第1撹拌機31によって攪拌され、混合され、第2タンク40に第1送液ポンプ81によりポンプ輸送されて所定の温度に加熱される。
第2タンク40には、第1送液ポンプ81を介してクエン酸塩や酢酸化合物(例えば、クエン酸アンモニウムやクエン酸)を含む第1溶液が移送される。鉛ペースト3が移送された第2タンク40には、鉛化合物のための所定量の可溶性物質が第2フィーダ14を介して供給される。撹拌機41は、第2タンク40内の溶液を混合する。
この段階の第2タンク40には、バッテリーの鉛ペースト3および第1タンク30からポンプで移送された液体を含む。第2タンク40内の溶液を溶解反応速度を高めるために、70℃の温度に加熱して、鉛ペーストを完全に溶解させる(この溶液を第2溶液とする)。第2フィーダ14は、還元剤を第2タンク40内の第2溶液に添加し、次に第2溶液を、鉛ペースト3が溶解するのに必要な時間の経過後に、第2送液ポンプ82により第3タンク50に注入する。
第2溶液が移送された第3タンク50には、所定量の過酸化水素とヒトラジン水和物と還元触媒が第3フィーダ15を介して所定量添加される。第3タンク50内の溶液は撹拌機51により撹拌される。第2溶液が移送された第3タンク50内には、所定容量の第3フィーダ15を介して所定量の還元金属促進剤が添加される。第3タンク50内の溶液は、第3撹拌機51によって撹拌され、混合される(この溶液を第3溶液とする)。そして、第3溶液中に鉛が沈殿する。沈殿した鉛を第1濾過器80Aにより第3溶液から単離し、ドライヤー84により乾燥し、金属鉛100が抽出される。金属鉛100はインゴットに製造することができる。
第3溶液から析出した鉛が除去された溶液は、再生液として第1タンク30に戻されて再利用される。さらに、第3溶液から金属促進剤を含む金属酸化物、金属塩を製造することができる。この段階では、第3送液ポンプ85によりヒータ91を備えた金属再生部をなす第6タンク90内の第3溶液を移送し、第6タンク90にいくらかの量の酸を添加する。そして、第6タンク90を加熱後、金属促進剤の金属塩又は金属酸化物102が得られる。この金属塩又は金属酸化物102は別の方法で再び使用することができる。
また、第2タンク40中の第2溶液を第3送液ポンプ83を介して第4タンク60に移送し、第4タンク60に第5タンク70から酢酸硝酸塩又は硝酸塩を供給し、撹拌機61で撹拌すると、鉛塩が沈殿する。この沈殿物を第2濾過器80Bにより洗浄し、単離すると鉛塩101が得られる。
鉛バッテリーは、プラスチック電槽(容器)内に充填された電解液である希硫酸の中に鉛の電極板が入っており、例えば正極(陽極)には二酸化鉛、負極(陰極)には海綿状(スポンジ状)の鉛が使われている。また、ペースト式の鉛バッテリーは、鉛合金製の格子体とよばれる極板の骨組みにペースト状にした活物質を塗り込んで極板(グリッドリード)にし、正極と負極両方に使用されている。正極と負極の間はセルロース繊維で構成されたセパレータによりセパレートされている。
硫酸鉛、酸化鉛、および金属鉛を含むバッテリーペーストは、他のプラスチック部品と分離する必要がある。この分離プロセスでは、バッテリーの酸をできるだけ除去する。
図1において、トラック等により運搬された鉛バッテリー2は、まず粉砕機11に投入されて粉砕され、少量の溶解した硫酸鉛および硫酸を含む酸が除去される。硫酸塩ペーストおよび酸化鉛の活物質で被覆された表面を有する鉛グリッドは、その後、螺旋状の粉砕機11によって粉砕され、活物質が分離される。次に、得られた鉛ペーストを100℃〜150℃の温度で乾燥する前処理を行う。乾燥した鉛ペースト(原材料とする)3は、コンベア12を介して溶解タンクである第2タンク40へ移送される。なお、粉砕機11で粉砕された硫酸等の液体やプラスチックは、セパレータ10により鉛ペースト3と分別される。
また、前記前処理において、バッテリーペースト中のセルロース繊維は、500℃以上の温度で有機溶媒を用いて除去され、次いで水で洗浄される。この前処理を用いる利点は、リサイクルシステムにおいて、炭酸ナトリウムを中和する必要がないことである。したがって、20〜30%の酸化鉛を含み、金属鉛の量が少ない硫酸鉛化合物がリサイクルのために準備される。
本実施形態の鉛の製造方法には第1の方法と第2の方法があり、以下のステップが含まれる。
第1の方法は以下の通りである。
・1:鉛鉱石又はバッテリーの鉛を粉砕したものを原材料とする。
・2:第2タンク40に鉛化合物用の可溶性物質を第1タンク30から供給する。
・3:第2タンク40に、イオン及び分子が第1溶液中の溶解した鉛金属イオンと結合する還元剤(ヒドラジン水和物)を添加する。
・4:原材料を第2タンク40に移送し、第2タンク40の温度を所定の温度まで上昇させ、原材料を溶解する。溶解した溶液は、高濃度鉛イオン溶液(Lead ion enriched solution)となる。溶解が進むにつれて溶液が透明になり、これを第2溶液とする。
・5:第2タンク40内の第2溶液を第3タンク50に移送する。
・6:第3タンク50内の第2溶液に還元促進剤を添加する(更に、ヒドラジン水和物と過酸化水素を添加する)。
・7:第3タンク50に金属鉛が沈殿し、沈殿した金属鉛の単離と乾燥。
・8:第3タンク50内に鉛が沈殿した後の溶液を第3溶液とし、原材料を溶解する再生溶液として再利用する。
・9:単離した鉛を乾燥し、インゴットの製造を可能とする。
・10:第2タンク40内の第2溶液を第4タンク40に移送し、鉛塩を抽出する。
第2の方法は、以下の通りである。
・1:鉛鉱石又はバッテリーの鉛を粉砕したものを原材料とする。
・2:第1タンク30内の溶液を第2タンク40に移送する。
・3:第2タンク40に鉛化合物用の可用性物質を供給する。
・4:原材料を第2タンク40に移送し、第2タンク40の温度を上昇させ、原材料を溶解する。
・5:第2タンク40内の溶液を第3タンク50に移送する。
・6:第3タンク50に必要なクエン酸ナトリウム又は他の酸を添加する。
・7:第3タンク50に金属鉛が沈殿し、沈殿した鉛を単離し、乾燥する。
・8:第3タンク50内の溶液を原材料を溶解する再生溶液として再利用する。
・9:単離した鉛を乾燥し、インゴットの製造を可能とする。
・10:第2タンク40内の溶液を第4タンク60に移送し、鉛塩を抽出する。
本方法では、鉛ペースト等の鉛誘導体を溶解するために、酸化物、水酸化物、硫酸塩等の各種鉛化合物を溶解することができる合成溶媒を使用する。次のステップでは、2価または3価の金属ナノ金属粉末を使用すると、二重置換反応によって、第2溶液中の既存の金属性鉛が析出する。濾過後、残った金属化合物はpH範囲を変えることによって還元され、金属ナノ粉末と共に強塩基を添加すると酸化物の形態で沈殿する。
本発明の酸化物化合物は、そのタイプに応じて他の産業において副生物(酸化亜鉛のような金属酸化物)として適用される。リサイクルされた溶液は、再充填後の鉛リサイクルの次のサイクルで使用される。この溶液は中性のpHを有し、環境に対して危険な汚染を有しない。
実施例1
鉛鉱石の溶解および金属鉛の抽出には、硫化鉛(ガレナ:PbS)のような一般的な鉛鉱石を用いることができる。この点に関して、硫化鉛を粉砕して、工業用または粉砕機を使用して、5ミクロン〜1mmの粒度を有する粒子を生成した。最良の溶解速度および総コストは、10〜50ミクロンのサイズを有する粒子に関連する。粉砕後、純度25%の工業用アンモニア(アンモニアを75重量%の水で希釈)を適正純度で35〜60%の範囲で鉱石に添加した。
硫化物の硫酸塩への変換は、アンモニアとHの添加によって開始する。このプロセスを促進するために、種々の過酸化水素含有量が系に添加され、硫化物の硫酸鉛への転化率に影響を及ぼす可能性がある。この含有量は、アンモニアの10〜50重量%の範囲内である。溶解速度を評価するために、純度25%のアンモニアと比較して過酸化水素の異なる比率について以下の実験を行った。これによれば、最高転化率は、過酸化水素の重量で35%(65重量%の水で希釈されたH)で得られる。
式3の反応は、黒鉛硫化物が白硫酸鉛に変換されることを示す。
PbS+4H→PbSO+4HO・・・(式3)
現在のステップでは、不安定な硫酸鉛は酸化鉛に変換される。鉛酸化物がアンモニアと接触して形成された活性鉛錯体が金属ナノ粉末またはヒドラジンのような還元剤を使用すると、タンクの底部にスポンジ状の鉛として沈殿する。以下の式4、式5の反応は、溶解および沈殿プロセスを示す。
PbSO+H→Pb(SO+HO・・・(式4)
3PbO(S)+2NHOH(l)→3Pb(S)+N(g)+5HO(l)・・・(式5)
(S)は固体、(l)は液体、(g)は気体を示す。
このサンプルでは、硫化鉛(PbS)の硫酸鉛(PbSO)への転化率は、硫化鉛鉱石とアンモニアの異なる比率、ならびに過酸化水素の様々な比率で実験を行った。
実験例1
この実験例1では、粉砕して平均粒径5ミクロンの粒子を生成した硫化鉛100gを使用した。アンモニアの純度は25%であり、不純物は水である。実験例1では、硫化鉛(PbS)が硫酸鉛(PbSO)に転化する時間(分)を計測した。実験結果を表1に示す。
試料番号1、3、5、7は、アンモニア溶液と硫化鉛(PbS)は等しく、試料番号2、4、6、8は、アンモニア溶液を硫化鉛の半分の重さとしている。また、アンモニア溶液中の過酸化水素の重量比(wt%)は、試料番号1と2の値が共に15、試料番号3と4の値が共に25、試料番号5と6の値が共に35、試料番号7と8の値が共に45、としている。
Figure 2020110198
実験結果は、試料番号5が最も転化時間が短く(38分)、試料番号3と4が次に短かかった(50分)。逆に、試料番号2が最も転化時間が長かった(154分)。また、過酸化水素の割合が同じであると、アンモニアの量が多い方がてな時間が短くなる傾向がある。
実施例2
主としてアンモニア溶液によって制御される水性媒体のpHに依存する硫化物酸化プロセスの種々の状態は、Hを用いて行われる。アルカリ性pHでのHの反応性の増加は、前記反応がより速く達成されるように導く。
大量の硫化物を含有する溶液を処理するとかなりの熱が発生し、分解のさらなる工程を行うことがある。これには2つのメカニズムがある。先に言及したものと、硫化物のSOxのような種類のガスを発生させる硫酸塩への変換を説明しているものがある。得られたガスはアンモニアと反応し、不安定なNHHSを生成する。したがって、汚染ガスが発生しない。前記反応は、アルカリ性溶液でより効率的に作用するので、反応の生成、進行、吸収および中和におけるアンモニアの重要性は明らかである。
数千mg/Lの硫化物を含む溶液を処理する場合、熱を分解する必要があるかもしれない。熱の進行に加えて、特にHが過剰に又は不適切に混合され、特に11〜12を超えるpHで非生産的分解が重大な問題になる可能性がある。pHが7から9に変化すると、以下の結果が得られる。
1.反応生成物は、硫黄元素から硫酸塩に移行する。
2.反応速度が速くなる。
NHOHの効果は非常に興味深い。この反応において、硫酸塩は、それ以上の吸収が起こらなくなるまで、濃NHOH溶液の3部と反応する。次いで、濃NHOH溶液の2部を添加してNHHSを中和する。
硫酸鉛および他の鉛化合物の溶解のために、クエン酸、塩酸、酢酸および硝酸を含む酸と共に、アンモニア、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムのようなアルカリ性化合物が様々な割合で使用される。
前記割合を異ならせてpHを例えばアルカリ性の範囲で変更することにより、鉛化合物の溶解速度を制御する。溶解性を向上させ、促進するために、添加物を用いて活性鉛錯体を形成することができる。過酸化水素、ヒドラジン水和物、二硫化水素およびヒドロキシルアミン三リン酸のようなこれらの物質は、様々な割合で酸化鉛および金属鉛の異なる割合で鉛ペーストを溶解させるために使用される酸化剤である。
第1溶液を生成するために、ステンレス鋼製タンクである液体充填タンク20の容積の30〜50%が水で満たされる。この水は工業用または脱イオン化することができる。無機鉱物のない脱イオン水を使用すると、溶解と沈殿のプロセスが変更される。次に、全液体重量の約30〜50%の工業用酢酸を液体充填タンク20に加える。
鉛ペーストに依存して、第1溶液の酸性の特性は全液体重量の60%まで増加する。従来の鉛ペーストの最良の比率は、約30〜45重量%で得られる。次いで、全液相の20〜60重量%のアンモニアを第1溶液に加える。最良の結果は、純度25%のアンモニア30重量%で達成される。
鉛ペーストの酸化速度を高め、活性鉛錯体を形成するために、全液体の20〜〜45%の酢酸アンモニウムおよび酢酸を過酸化水素系または他の従来の酸化剤、例えば純度50〜65%のヒドラジン水和物、二硫化炭素およびヒドロキシルアミン三リン酸に加える。純度50%(50重量%の水で希釈)で30重量%のヒドラジン水和物、および第1溶液の10重量%の二硫化水素について、最高の溶解効率が達成される。溶解タンクである第2タンク40内で溶液を調製した後、ドライバッテリーペーストをコンベヤ11によって第2タンク40に充填し、混合する。
したがって、アルカリ性環境における過酸化水素の意図は、硫黄を酸化および排出することである。
PbSO+H→Pb(SO+HO・・・(式6)
濃度10〜40%過酸化水素(H)および濃度10〜40%のクエン酸の溶液をミキサーおよびホットベルト要素を備えたタンク内で調製した。汚れたセパレータを、過酸化水素およびクエン酸溶液を含有する反応槽中で攪拌し、20〜70℃で15〜30分間攪拌した。セパレータ対溶液の重量比は、約1:2〜3に維持した。所望の攪拌速度は200〜500rpmである。以下の反応が起こり、その後、クリーンなセパレータは溶液上に浮遊し、リサイクルすることができる。この式は、種々の鉛化合物の溶解能力に起因する塩基および溶液と考えられる。以下の式7、式8は、変換プロセスおよび過酸化水素の役割を説明する。
PbO+H→PbO+HO+O・・・(式7)
Pb+H→PbO+HO・・・・・・(式8)
ヒドラジン水和物の存在は、ゆっくりと達成することができるより速い反応をもたらし、PbOの形態の酸化鉛全体が還元される。次のステップでは、金属ナノ粉末を使用して置換反応を行うと、金属の鉛が沈殿する。
撹拌速度は溶解プロセスに影響し、500〜1050rpmで変動する。この速度は、バッテリーペーストのサイズおよびタイプまたは鉱石の粒径に関連する。鉛ペーストのサイズが5ミクロンを超えると、溶解プロセスを促進するために、より速い撹拌速度を適用することができる。粒子のサイズが45ミクロンで、600rpmの速度で攪拌しているバッテリーペーストについて、最良の溶解効率が達成された。鉛ペーストの粒径が1mmよりも大きと、リザーバ(第2タンク40)を加熱し、鉛ペーストの溶解速度を高めた。溶解のための所望の温度は、鉛ペースト粒子のサイズおよび配合に基づいて決定され、50〜89℃で変化する。
全ての所望の鉛ペーストの溶解時間は約15〜60分である。持続時間は、鉛ペーストのタイプおよびサイズに従って決定される。バッテリーペーストを溶媒に完全に溶解した後、透明な溶液が得られた。鉱石を使用し、酢酸およびヒドラジン水和物の添加を含む他の工程を実施して、ナノ金属粉末を用いてより速い鉛還元を達成する場合には、硫化物の硫酸塩への転化を達成すべきである。
多くの場合、電池は大量の鉛酸化物および金属相を有する。鉛と酸化鉛を完全に溶解させるために、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの酸化剤を添加して、鉛を酸化した後、フィルターを用いて鉛ペーストの他の部分から分離することが可能である。最も効率的な方法は、異なる割合でクエン酸とクエン酸ナトリウムを使用することである。この酸は鉛および酸化鉛を溶解することができる。最も高い溶解効率は、温度60℃までおよび10〜50重量%のクエン酸で得られる。
場合によっては、酢酸をクエン酸で置き換えることができる。少量の水酸化ナトリウムとともにクエン酸およびクエン酸ナトリウムの量を増加させると、クエン酸鉛のようないくつかの副生成物を抽出することができる。クエン酸鉛は、燃焼反応を触媒として使用する軍事用途の白色粉末である。
アンモニアは硫酸塩および他の同様の組成物と反応して、不安定なNHHSの生成をもたらす。ヒドラジン水和物は還元剤である。この組成物は、水に溶解する不安定な鉛水酸化物を生成する。クエン酸ナトリウムおよびクエン酸アンモニウム、または酢酸アンモニウムおよびクエン酸ナトリウムなどの置換組成物の適用は、pHをアルカリ性範囲に制御することができる。その結果、pHを制御したクエン酸ナトリウムおよびクエン酸アンモニウムの高い含量は、硫酸鉛および酸化鉛の溶解能力を高める。
酢酸および酢酸アンモニウムは、過酸化水素およびヒドラジンと接触すると透明な溶液を生成する。この方法では、PbOの鉛が還元され、アンモニアと過酸化水素を用いてPbOに変換され、次いで酢酸鉛に変換される。酢酸塩をpHがアルカリ性の溶液に溶解し、ヒドラジンと接触させて透明な溶液を形成する。
このプロセスを促進するために、酢酸を使用することができるが、pHは8−10未満に低下すべきではない。プロセスが崩壊すると、PbOの転化反応が停止する。クエン酸アンモニウムの割合は、第一次物質の50〜80%の間で変化し、過酸化水素およびヒドラジンの含量は、総水量のそれぞれ10〜20%および0.1〜10%である。この方法では、硫酸塩組成物の存在は、アンモニアを添加することによって改善される酸化物の形成をもたらす。
クエン酸塩組成物は、硫酸亜鉛を鉛鉱石を変えるために使用された酸化物に変換するのに有効であり、溶解プロセスを改善する。系に添加されるこの物質の含有量は、原鉱石の20〜50重量%である。鉛成分の溶解に対する代替材料の影響を評価するために、鉛を含む電池ペーストを用いていくつかの実験を行った。
実験例2
本処方では、酢酸ナトリウムおよび酢酸アンモニウムを使用すると、クエン酸化合物の沈殿の可能性が低下する。酢酸、アンモニア、過酸化水素およびヒドラジン水和物を含む溶液に、粒径5〜10ミクロンの電池ペースト100gを添加した実験を行った。鉛ペーストの溶解まで溶解プロセスについて、第1実験と第2実験を行い、溶解時間(分)を測定した。第1実験の結果を表2、第2実験の結果を表3に示す。
第1実験と第2実験では、第1溶液中の溶媒の種類が酢酸ナトリウムであるか酢酸アンモニアであるかの点で相違し、第1実験ではヒドラジン水和物とアンモニアと過酸化水素と酢酸と酢酸ナトリウムで組成された第1溶液を使用した。第2実験ではヒドラジン水和物とアンモニアと過酸化水素と酢酸と酢酸アンモニアで組成された第1溶液を使用した。第1実験と第2実験において、第1溶液の各組成物の割合は、第1溶液の重さに対する重量比(wt%)としている。また、第1実験と第2実験において、ヒトラジン水和物と過酸化水素の量は共に5%とし、アンモニアの量は第1実験では30%、第2実験では45%とした。なお、全ての材料は600gの水の中に入っている。
Figure 2020110198
Figure 2020110198
実験1において、試料番号14〜16の溶解時間が短く、試料番号11,12の溶解時間が長い傾向にあった。実験2において、試料番号24〜26の溶解時間が短く、試料番号21,22の溶解時間が長い傾向にあった。
実験1、2の結果によれば、酢酸化合物がアルカリpHで使用されている場合、鉛化合物の溶解がより高いペースで発生することが明確になった。
したがって、2つの別個の方法が生じる。一つは前のシステムに基づくものであり、もう一つはクエン酸またはクエン酸アンモニウムによる鉛および酸化鉛の溶解方法である。この方法では、クエン酸を添加してクエン酸鉛を沈殿させることが可能であり、これを戦略的生産に使用する。
具体的には、アンモニア溶液と過酸化水素を用いて脱硫したPbOをクエン酸水溶液と50〜70℃で反応させた。反応終了後、得られた沈殿物を15〜30分間静置した後、ろ過し、蒸留水で洗浄し、100℃で乾燥させた。
実施例3
実施例3では、鉛化合物の透明溶液を得るために、クエン酸、アンモニア、過酸化水素及びヒドラジン水和物を含む塩基溶液に5〜10ミクロンの粒子径を有するドライバッテリー鉛ペースト100gを加えた。本工程では、溶解時間(分)を実験ベースとして決定した。次いで、クエン酸を様々な割合でクエン酸アンモニウムおよびクエン酸ナトリウムで置換する。以下の表4は、各試料(試料番号31〜36)の溶解時間プロセスを示す。この実施例3における溶解時間は、溶液が透明になるまでの時間としている。
実施例3ではクエン酸とクエン酸アンモニウムの和は第1溶液の重量に対して60wt%とし、ヒトラジン水和物とアンモニアと過酸化水素の割合は、第1溶液の重量に対する割合を示している。
表4に示すように、異なった割合のクエン酸とクエン酸アンモニウムを含む第1溶液中に試料番号31〜36の鉛ペーストを混合し、第1溶液が透明になるまでの時間を測定した。
また、実施例4において、実施例3のクエン酸アンモニウムに代えてクエン酸ナトリウムを用いた実験を行った。このため、下記する実施例4において、実施例3の結果について実施例4と共に考察する。なお、全ての材料は600gの水の中に入っている。
Figure 2020110198
実施例4
実施例4では、クエン酸ナトリウムを用いて実施例3の実験条件を繰り返し行った。実験結果を表5に示す。表5に示すように、異なった割合のクエン酸とクエン酸ナトリウムを含む第1溶液中に試料番号41〜46の鉛ペーストを混合し、第1溶液が透明になるまでの時間を測定した。
Figure 2020110198
表4と表5より、クエン酸アンモニウムとクエン酸ナトリウムが30wt%〜35wt%の割合で存在すると、溶解時間が短い傾向にあり(試料番号33、34、43、44)、クエン酸アンモニウムとクエン酸ナトリウムが40wt%〜60wt%の割合で存在する場合にクエン酸鉛が沈殿した。
実施例4において、混合物を含む1モルのPbO、2モルのHと4モルのCOを含む混合物を20℃でpH8のアンモニウム溶液で60分間処理した結果、クエン酸鉛Pb(C)・HOが得られた。
また、鉛組成物の析出が必要の場合、あるいはクエン酸ナトリウム、溶解のために使用されているクエン酸アンモニウム(Na(C)・2HO)は、水酸化ナトリウムを加えることにより沈殿する。
実施例3、4において、最も高い溶解収率は、以下の条件で得られる。過酸化水素が第1溶液の10〜20重量%で、ヒドラジン水和物が第1溶液の2〜10重量%で、硫酸鉛、クエン酸アンモニウム、クエン酸およびクエン酸ナトリウムの割合が1:1の場合である。このサンプルから得られたX線回折は、図2において高純度のクエン酸鉛相の存在を証明する。
実施例5
酢酸、酢酸アンモニウムおよび酢酸ナトリウムを含む塩基性製剤と共にクエン酸と同様の化合物の存在は、鉛化合物の溶解に有効であり、次の工程(溶解工程後の工程)では鉛化合物の還元が起こることになる。代替のクエン酸化合物は、約10〜35%の酢酸、および溶解収率を改善する他の同様の化合物で置換することができる。
実施例5では、以下の事項を目的として実験を行った。クエン酸塩化合物の効果を検証するために、一定量のクエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、クエン酸および酢酸を用い、前記した実施例のパラメーター(ヒトラジン水和物5wt%、アンモニア30wt%、過酸化水素5wt%)を用いて実験を行った。過酸化水素、アンモニア及びヒドラジン水和物の含有量は一定と考えられ、5〜10ミクロンのサイズの鉛電池ペースト100gを用いて結果を比較した。
実験結果を表6に示す。クエン酸塩化合物を第2部とし、試料番号51に対しては20wt%のクエン酸、試料番号52に対しては20wt%のクエン酸アンモニウム、試料番号53に対しては20wt%のクエン酸ナトリウム、試料番号54に対しては酢酸アンモニウムを含む溶液を用いた。また、酢酸の割合は試料番号51〜54に対して35wt%とした。
Figure 2020110198
表6に示すように、試料番号52、53、54の溶解時間(分)が試料番号51よりも短かった。実験結果によれば、最良の溶解時間収率は、pH上昇(アルカリ性pH)をもたらした化合物(クエン酸アンモニウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム)に関連する。なお、全ての材料は600gの水の中に入っている。
実施例6
高率の硫酸鉛を含有するバッテリーペーストから鉛をリサイクルする別の方法では、鉛ペーストの溶解反応中にアンモニアが存在する必要はない。この方法では、クエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、酢酸アンモニウムおよび酢酸ナトリウムの溶液を用いて、50〜70℃の範囲の水溶液中に硫酸鉛をゆっくり溶解させることができる。
システムのpHは、中性範囲で制御することができる。実施例6では、酢酸アンモニア、クエン酸アンモニウムおよびクエン酸ナトリウムを用いて、鉛ペーストの重量比で0.1〜6wt%の硫酸鉛を溶解する実験を行った。実施例6の実験結果を表7、表8、表9に示す。表7〜表9に示す実験において、ヒドラジン水和物は、水600gに対して表7の実験(実験3)では10wt%、表8の実験(実験4)では0.1wt%、表9の実験(実験5)では30wt%とした。また、実験3では酢酸アンモニウム溶液、実験4では酢酸アンモニウム溶液、実験5ではクエン酸アンモニウム溶液を用いた。
実験3〜実験5において、各試料(試料番号61〜65、試料番号71〜75、試料番号81〜85)に対し、ヒドラジン水和物の量は一定とした。
実験3〜実験5において、酢酸アンモニウム溶液、酢酸アンモニウム溶液、クエン酸アンモニウム溶液の割合は、水600gに対する重量比で、各試料に対して80wt%、60wt%、40wt%、20wt%、10wt%とした。
この試料中のヒドラジン水和物の比は0.1〜5重量%である。鉛ペーストの比率が一定である硫酸鉛および異なる量のクエン酸アンモニウムおよび酢酸アンモニウムの溶解速度を、以下の実験で測定した。硫酸アンモニウムの量は、各試験について100gであった。
Figure 2020110198
Figure 2020110198
Figure 2020110198
実施された実験3〜実験5によれば、硫酸アンモニウムの溶解は、アンモニアを使用することなく、クエン酸アンモニウムおよび酢酸アンモニウムを含む化合物の存在下で可能である。
そこで、クエン酸アンモニウムと酢酸アンモニウムを80重量%含む水溶液を調製し、ヒドラジン水和物と硫酸鉛の含有量を一定とすると共に、50〜70℃(最適温度70℃)で一定に保った。得られた溶解速度の結果を表10に示す。硫酸鉛およびヒドラジン水和物の含量は、全溶解タンクの20重量%で一定に保った。
Figure 2020110198
実施例7
実施例7は鉛溶液の還元を示す。
鉛溶液の還元
前述したように透明な鉛の溶液が生成され、鉛の完全な溶解が、化学量論的反応に基づいて二重置換プロセスを実施する二価または三価のナノ金属粉末を使用して達成されるとき、スポンジ金属の鉛が析出する。還元剤としてのヒドラジン水和物およびクエン酸の存在は、より高いペースで鉛還元をもたらす。ヒドラジン含有量が10〜20重量%に達すると、初期還元後の鉛酸化の可能性が高まるので、内容の変更は非常に重要である。
前述した方法で得られた透明溶液から金属鉛の生成速度を増加させるために、ナノメートルまたはマイクロメートルスケールの金属化合物を使用することができる(粒子の最大サイズは5〜10マイクロメートルである)。そこで、価数の異なる4種の金属元素(Zn,Al,Cu,Fe)について検討した。表11は、異なる金属パーセンテージの実験結果を示す。酢酸アンモニウムとクエン酸アンモニウムの最適溶液を一定の比率で調べた。ヒドラジン水和物の比は、5重量パーセントで一定に保たれる。
表11に示すように、試料番号101は金属が亜鉛、試料番号102は金属がアルミニウム、試料番号103は金属が銅、試料番号104は金属が鉄である。
鉛ペーストの割合(wt%)は、各金属において、異なる4つの割合で実験を行った。そして、鉛の回収効率は、回収した鉛の重量を測定し、重量比(wt%)で表した。
Figure 2020110198
表11に示す実験結果によれば、いずれの金属元素も鉛の回収効率が良いことが確認できた。
実施例8
有機および無機の還元剤を使用して、鉛溶液を還元することができる。酸化還元反応(レドックス)は化学反応のうち、反応物から生成物が生ずる過程において、原子やイオンあるいは化合物間で電子の授受がある反応のことである。クエン酸ナトリウムはレドックスであり、システムが長期間2〜10日間動かないと、クエン酸ナトリウムによって還元された鉛結晶がタンククラストに現れる。水素化ホウ素ナトリウムのようないくつかの還元剤は、還元速度を高めるために溶解した鉛ペーストの化学量論比で使用することができる。溶解した鉛ペーストの量に応じて、様々な比率の還元剤を使用することができる。ヒドラジンを他の酸と併用して鉛ペーストを溶解することができる。実施例8の実験結果を表12に示す。
表12に示すように、試料番号111〜115において、鉛ペーストの重量は前述した各実験と同様に100gとし、ヒドラジン水和物の量も一定とした。ヒドラジン水和物は、水600gに対して30wt%とした。還元剤は硝酸塩又は硝酸アンモニウム、塩酸と塩化アンモニウムを使用し、溶液中の割合を異ならせた。
表12に示す実験結果によれば、還元剤として硝酸塩又は硝酸アンモニウム、塩酸と塩化アンモニウムを使用可能であることが確認できた。
Figure 2020110198
実施例9
実施例9では、溶媒の再生について実験を行った。
溶媒再生のために、金属水酸化物およびいくつかの酸を添加することができる。酸および水酸化物の添加量は、鉛ペースト中の硫酸塩を除去するための化学量論的量であり、鉛の回収に添加される金属粉末である。実験結果を表13に示す。
表13において、水酸化物として水酸化カルシウムと酸化カルシウムを使用し、酸として、リン酸、硝酸、塩酸、酢酸を用いた。試料番号121、122、123では酸としてリン酸が用いられ、水酸化物として水酸化カルシウム、酸化カルシウムの併用の場合に高い溶液再生効率が得られた。溶液再生効率の計算は、再生溶液を再利用し、それを溶解した鉛ペーストの初期状態と比較した。
Figure 2020110198
実施例10
より良い結果を得るには十分な水が必要である。水の量が溶解時間に及ぼす影響を知見するために、実施例6の表10に示す試料番号91の水の量を100g、300g、600g、1000gの4通りに変更して実験を行った。実験結果を表14に示す。
Figure 2020110198
実験結果より、水の量が多くなると、溶解時間が早くなる傾向にあることが確認された。
実施例11
前述した実施例により回収した鉛のX線回折分析のスペクトラム図を図3に示し、鉛のXRF−X線蛍光による結果を表15に示す。表15に示すように、得られる鉛の生成物は純度が99.55%までであった。
Figure 2020110198
1:鉛の生産設備 3:鉛ペースト
11:粉砕機 12:コンベヤ
13:第1フィーダ 14:第2フィーダ 15:第3フィーダ
20:液体充填タンク 30:第1タンク 40:第2タンク
50:第3タンク 60:第4タンク 70:第5タンク
90:第6タンク




具体的には、アンモニアと過酸化水素を用いて脱硫したPbOをクエン酸水溶液と50〜70℃で反応させた。反応終了後、得られた沈殿物を15〜30分間静置した後、ろ過し、蒸留水で洗浄し、100℃で乾燥させた。

Claims (18)

  1. グリッドリードを有しまたは有しない鉛ペースト、またはガレナ鉱石を原材料とする鉛の製造方法であって、
    水溶液に酢酸塩、塩化物、硝酸塩、又はクエン酸塩又はこれらの塩の化合物のいくつかと、イオンおよび分子の金属鉛イオンへ結合する材料とを含む溶媒と接触させ、所望の鉛を選択的に溶解させ、それにより高濃度鉛イオン溶液を生成することを特徴とする鉛の製造方法。
  2. 請求項1に記載の鉛の製造方法において、
    前記高濃度鉛イオン溶液に、鉛とは別のアルミニウム、鉄、銅又は亜鉛の金属粉末の鉛還元促進剤、またはヒドラジン、臭化ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムの化学還元促進剤を加えて鉛イオンの還元を促進し、鉛を回収する工程を有し、高濃度鉛イオン溶液から鉛が析出した後の溶媒を再生することを特徴とする鉛の製造方法。
  3. 請求項2に記載の鉛の製造方法において、
    前記鉛高濃度鉛イオン溶液中の溶媒の再生は、酸、燐酸、硝酸、塩酸、酢酸のいずれかの酸、酸化カルシウム、酸化カルシウムのいずれかの金属酸化物および/または水酸化ナトリウム、およびそれらを組合せたものを前記鉛を抽出した後の溶液に添加することを特徴とする鉛の製造方法。
  4. 請求項1に記載の鉛の製造方法において、
    前記原料の鉛ペーストは電池ペースト中の鉛の活物質を予め脱硫されることを特徴とする鉛の製造方法。
  5. 請求項1に記載の鉛の製造方法において、
    前記原材料がガレナ鉱石の場合、まず酸化物形態に変換され、次いで溶解されることを特徴とする鉛の製造方法。
  6. 請求項2に記載の鉛の製造方法において、
    前記回収された鉛の純度は少なくとも98%であることを特徴とする鉛の製造方法。
  7. 請求項1に記載の鉛の製造方法において、
    前記イオンおよび分子の金属鉛イオンへ結合する溶媒は、0.1〜30重量%の量で存在するヒドラジンであることを特徴とする鉛の製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の鉛の製造方法において、
    前記溶媒は、酢酸塩(酢酸、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム)、クエン酸塩(クエン酸、クエン酸ナトリウムクエン酸アンモニウム)、硝酸塩(硝酸、硝酸アンモニウム)、塩化物(塩酸アンモニウム塩化物)のいずれかまたはこれらの組み合わせであることを特徴とする鉛の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の鉛の製造方法において、
    前記水溶液の加熱温度は20℃から80℃の間であることを特徴とする鉛の製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の鉛の製造方法において、
    前記水中の溶媒の量は、鉛の活性物質の10〜600重量%であることを特徴とする鉛の製造方法。
  11. 請求項10に記載の鉛の製造方法において、
    前記水の量は、鉛の活物質の少なくとも100重量%であることを特徴とする鉛の製造方法。
  12. 請求項2から11のいずれかに記載の鉛の製造方法において、
    前記還元剤の量は鉛の活性材料の10〜300重量%であることを特徴とする鉛の製造方法。
  13. 請求項2から12のいずれかに記載の鉛の製造方法において、
    前記還元剤はマイクロまたはナノスケールの金属粉末である場合、この粉末のサイズが100ミクロン未満であることを特徴とする鉛の製造方法。
  14. グリッドリードを有しまたは有しない鉛ペースト、またはガレナ鉱石を原材料として鉛を製造する鉛の製造設備であって、
    水に酢酸塩、塩化物、硝酸塩、又はクエン酸塩又はこれらの塩の化合物のいくつかと、金属鉛イオンにイオンおよび分子が結合する還元剤とを含む合成溶媒を含む第1溶液と共に前記原材料が収容され、第1溶液と前記原材料を撹拌する撹拌手段を備えた鉛溶解部と、
    前記溶解部で撹拌済みの第2溶液が収容され、前記第2溶液を撹拌する撹拌手段を備えた鉛沈殿部と、
    前記鉛溶解部に前記還元剤を供給する還元剤供給部と、
    前記鉛沈殿部に、第2溶液中の金属鉛イオンへイオンおよび分子が結合する還元促進剤を供給する促進剤供給部と、
    を有する鉛の製造設備。
  15. 請求項14に記載の鉛の製造設備において、
    前記鉛溶解部は、収容物を加熱する加熱手段を有することを特徴とする鉛の製造設備。
  16. 請求項14または15に記載の鉛の製造設備において、
    前記溶解部に、前記第1溶液を収容する合成溶媒収容部を有することを特徴とする鉛の製造設備。
  17. 請求項14から16のいずれかに記載の鉛の製造設備において、
    前記鉛溶解部中の第2溶液が収容される鉛塩沈殿部を有し、前記鉛塩沈殿部に酢酸硝酸塩又は硝酸塩を供給する酸塩供給部を有することを特徴とする鉛の製造設備。
  18. 請求項14から17のいずれかに記載の鉛の製造設備において、
    前記鉛沈殿部中の第2溶液から鉛が沈殿した後の第3溶液が収容され、収容物を撹拌する撹拌手段と収容物を加熱する加熱手段を備えた金属再生部と、前記金属再生部に酸を供給する酸供給部とを有することを特徴とする鉛の製造設備。
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