JP6545552B2 - 水性分散体 - Google Patents
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Description
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(A)は、重量平均分子量が2万以上である。重量平均分子量が2万未満であると、得られる乾燥皮膜の強度が低くなる。該重量平均分子量は、好ましくは3万以上、より好ましくは5万以上である。また、重量平均分子量の上限は特に制限されないが、乳化性を考慮すれば、好ましくは40万以下であり、より好ましくは20万以下である。なお、ポリオレフィン樹脂(A)の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定した値を採用するものとする。
本発明で用いられる高分子分散剤(B)は、スチレン系単量体(b−1)およびイタコン酸(b−2)を含む単量体成分を共重合して得られるポリマーである。高分子分散剤(B)の形態は特に限定されず、交互共重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
本発明の高分子分散剤の(b−1)成分であるスチレン系単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、ハロゲンで核置換されたスチレン、1−ビニルナフタレン、p−メチルスチレン、p−プロピルスチレン、p−シクロヘキシルスチレン、p−ドデシルスチレン等の芳香族ビニル単量体が挙げられる。これらの中でも、スチレン、またはα−メチルスチレンが好ましい。
エチレン性不飽和単量体の例としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド単量体、1,3−ブタジエン、イソプレン等のジエン化合物;ビニルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル、2−アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等のエチレン性不飽和スルホン酸もしくはその塩;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体;酢酸ビニル等が挙げられる。
本発明の高分子分散体の必須成分であるイタコン酸(b−2)以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で他の不飽和カルボン酸を用いることができる。例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。これらは単独でも、または2種以上組み合わせても用いることができる。
本発明の水性分散体は、上記の重量平均分子量が2万以上であるポリオレフィン樹脂(A)と、上記の高分子分散剤(B)とを含む。
カラム:東ソー株式会社製 GPWXL
測定温度:40℃
検出器:示差屈折計
(製造例1)
温度計、冷却器、攪拌機、および窒素導入管を備えた五つ口フラスコに、スチレン161.7質量部、イタコン酸67.3質量部、アクリル酸ブチル29.4質量部、およびイソプロピルアルコール246.6質量部をそれぞれ仕込んだ。窒素雰囲気下、80℃まで加熱、攪拌を行った。その後、重合開始剤として2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)6.6質量部を加え、80℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを除き、さらに加熱乾燥することで、重量平均分子量が31,500である高分子分散剤1を得た。
製造例1と同様の反応装置に、スチレン176.1質量部、イタコン酸73.3質量部、シクロヘキシルアクリレート7.1質量部、およびイソプロピルアルコール247.0質量部をそれぞれ仕込んだ。窒素雰囲気下、80℃まで加熱、攪拌を行った。その後、重合開始剤として2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)8.8質量部を加え、80℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを除き、さらに加熱乾燥することで、重量平均分子量が25,200である高分子分散剤2を得た。
製造例1と同様の反応装置に、スチレン161.7質量部、イタコン酸67.3質量部、アクリル酸ブチル29.4質量部、イソプロピルアルコール246.6質量部、およびn−オクチルメルカプタン5.0質量部をそれぞれ仕込んだ。窒素雰囲気下、80℃まで加熱、攪拌を行った。その後、重合開始剤として2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)6.6質量部を加え、80℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを除き、さらに加熱乾燥することで、重量平均分子量が12,800である高分子分散剤3を得た。
製造例1と同様の反応装置に、スチレン176.1質量部、イタコン酸73.3質量部、2−エチルヘシキルアクリレート8.5質量部、イソプロピルアルコール245.6質量部、およびn−オクチルメルカプタン5.0質量部をそれぞれ仕込んだ。窒素雰囲気下、80℃まで加熱、攪拌を行った。その後、重合開始剤として2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)8.8質量部を加え、80℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを除き、さらに加熱乾燥することで、重量平均分子量が12,000である高分子分散剤4を得た。
製造例1と同様の反応装置に、スチレン156.5質量部、イタコン酸97.8質量部、アクリル酸ブチル5.9質量部、およびイソプロピルアルコール246.1質量部をそれぞれ仕込んだ。窒素雰囲気下、80℃まで加熱、攪拌を行った。その後、重合開始剤として2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)8.8質量部を加え、80℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを除き、さらに加熱乾燥することで、重量平均分子量が26,800である高分子分散剤5を得た。
製造例1と同様の反応装置に、スチレン156.5質量部、イタコン酸97.8質量部、アクリル酸ブチル5.9質量部、イソプロピルアルコール246.1質量部、およびn−オクチルメルカプタン5.0質量部をそれぞれ仕込んだ。窒素雰囲気下、80℃まで加熱、攪拌を行った。その後、重合開始剤として2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)8.8質量部を加え、80℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを除き、さらに加熱乾燥することで、重量平均分子量が10,300である高分子分散剤6を得た。
製造例1と同様の反応装置に、スチレン114.6質量部、イタコン酸85.8質量部、アクリル酸ブチル56.3質量部、イソプロピルアルコール247.7質量部をそれぞれ仕込んだ。窒素雰囲気下、80℃まで加熱、攪拌を行った。その後、重合開始剤として2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)8.5質量部を加え、80℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを除き、さらに加熱乾燥することで、重量平均分子量が33,400である高分子分散剤7を得た。
製造例1と同様の反応装置に、スチレン212.5質量部、イタコン酸40.6質量部、アクリル酸ブチル6.1質量部、イソプロピルアルコール244.3質量部、およびn−オクチルメルカプタン5.3質量部をそれぞれ仕込んだ。窒素雰囲気下、80℃まで加熱、攪拌を行った。その後、重合開始剤として2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)9.2質量部を加え、80℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを除き、さらに加熱乾燥することで、重量平均分子量が12,500である高分子分散剤8を得た。
製造例1と同様の反応装置に、スチレン212.5質量部、イタコン酸46.9質量部、およびイソプロピルアルコール249.6質量部をそれぞれ仕込んだ。窒素雰囲気下、80℃まで加熱、攪拌を行った。その後、重合開始剤として2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)9.2質量部を加え、80℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを除き、さらに加熱乾燥することで、重量平均分子量が25,900である高分子分散剤9を得た。
製造例1と同様の反応装置に、スチレン167.7質量部、イタコン酸89.7質量部、およびイソプロピルアルコール247.9質量部をそれぞれ仕込んだ。窒素雰囲気下、80℃まで加熱、攪拌を行った。その後、重合開始剤として2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)8.9質量部を加え、80℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを除き、さらに加熱乾燥することで、重量平均分子量が27,200である高分子分散剤10を得た。
製造例1と同様の反応装置に、スチレン143.7質量部、イタコン酸119.7質量部、およびイソプロピルアルコール248.9質量部、およびn−オクチルメルカプタン5.0質量部をそれぞれ仕込んだ。窒素雰囲気下、80℃まで加熱、攪拌を行った。その後、重合開始剤として2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)8.9質量部を加え、80℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを除き、さらに加熱乾燥することで、重量平均分子量が11,000である高分子分散剤11を得た。
製造例1と同様の反応装置に、スチレン200.0質量部、イタコン酸15.6質量部、アクリル酸ブチル46.2質量部、およびイソプロピルアルコール252.2質量部をそれぞれ仕込んだ。窒素雰囲気下、80℃まで加熱、攪拌を行った。その後、重合開始剤として2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)9.2質量部を加え、80℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを除き、さらに加熱乾燥することで、重量平均分子量が34,200である比較の分散剤12を得た。
製造例1と同様の反応装置に、スチレン91.7質量部、イタコン酸157.4質量部、アクリル酸ブチル14.1質量部、およびイソプロピルアルコール249.7質量部、およびn−オクチルメルカプタン4.8質量部をそれぞれ仕込んだ。窒素雰囲気下、80℃まで加熱、攪拌を行った。その後、重合開始剤として2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)8.5質量部を加え、80℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、イソプロピルアルコールを除き、さらに加熱乾燥することで、重量平均分子量が10,400である比較の分散剤13を得た。
(実施例1)
攪拌機、温度計、温度コントローラーを備えた内容量1.0Lの乳化設備を有するオートクレーブに、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(EASTMAN CHEMICAL COMPANY製「EASTMAN G3003」、重量平均分子量:120,000、酸価:8)154.2g、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三井化学株式会社製「ハイワックス NP0555A」重量平均分子量:30,000、酸価:45)66.1g、(製造例1で製造した高分子分散剤1(高分子分散剤1の濃度:100質量%)10.6g、オレイン酸(日油株式会社製「NAA−34」)13.4g、オレイン酸ジエタノールアマイド(青木油脂工業株式会社製、「ブライトンOL−2」)11.5g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(東邦化学工業株式会社製、ペグノールC−18)11.0g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(青木油脂工業株式会社製、ブラウノンSR−715)6.6g、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(東邦化学工業株式会社製、ペグノールO−16A)4.8g、ジメチルエタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、アミノアルコール 2Mabs)3.8g、N-メチルモルホリン(花王株式会社製、カオーライザーNo.21)14.4g、48%苛性カリ水溶液3.7g、イオン交換水 259.9gを加え、170℃まで加熱し800rpmで1時間熟成した。その後、120℃まで冷却し内圧を下げた後、別途用意した170℃のイオン交換水140gを加え再度170℃まで加熱し、800rpmで1時間熟成した。熟成後40℃まで冷却し、無水マレイン酸変性ポリプロピレンを含む固形分濃度が40質量%である水性分散体1を得た。
表2に示す処方に基づいて、実施例1と同様の操作を行い、水性分散体2〜12を得た。
表2に示す処方に基づいて、実施例1と同様の操作を行った。しかし比較例3、4では無水マレイン酸変性ポリプロピレンの未乳化物が多量に発生した。
1.乳化安定性
水性分散体製造後、常温(25℃)で1ヶ月保存した後の状態を、目視にて観察した。
実施例1〜9で得られた水性分散体の性状および各種評価結果を表2に示す。
2.pH
JIS K−6833に準じて測定した。
3.粘度
JIS Z−8802に準じて測定した。
4.平均粒径
Particle sizing systems社製、NICOMP 380にて、散乱光の光強度分布より、樹脂粒子の平均粒径を測定した。
5.界面剪断応力(マイクロドロップレット試験)
複合材料界面特性評価装置H M410(東栄産業株式会社製)を使用し、マイクロドロップレット法により接着性を評価した。フェザーフィールド社から購入したガラス繊維ロービング(平均フィラメント径:12μm、材質:E−ガラス)を電気炉に入れ600℃×3時間の熱処理を施しフィラメント(単繊維)表面に付着している集束剤を除去した後、そのロービングからフィラメントを取り出した。得られたフィラメントを複合材料界面特性評価装置専用台紙の所定の位置に取り付けて、固形分換算5〜10wt%に希釈した実施例に示すエマルションをフィラメントに霧吹きにて吹き付けたのち、窒素雰囲気にした自然対流式乾燥機に入れ、180℃×5分の加熱を行った後100℃まで冷却し再度180℃×5分の熱処理を加え、室温までの冷却を行いガラス繊維フィラメント上にドロップを作製した。これを測定用の試料として複合材料界面特性評価装置にセッティングし、ドロップを装置ブレードで挟み、ガラス繊維フィラメントを装置上で0.12mm/分の速度で走行させ、室温下におけるガラス繊維フィラメントからドロップを引き抜く際の最大引き抜き荷重Fを測定した。
次式により界面剪断強度τを算出し、ガラス繊維フィラメントとエマルション成分(不揮発分)との接着性を評価した。
界面剪断強度τ ( 単位: M P a ) = F / π d l
F : 最大引き抜き荷重
d : ガラス繊維フィラメント直径
l : ドロップの引き抜き方向の粒子径)
Claims (4)
- 重量平均分子量が2万以上であるポリオレフィン樹脂(A)と、
スチレン系単量体(b−1)50〜90モル%と、イタコン酸(b−2)10〜50モル%を含む単量体成分を共重合して得られる高分子分散剤(B)と、
を含む、水性分散体。 - 前記単量体成分が、さらに(メタ)アクリル酸エステルを高分子分散剤(B)を構成する全単量体に対し、2〜30モル%含む、請求項1に記載の水性分散体。
- 前記ポリオレフィン樹脂(A)の含有量が前記水性分散体の全質量に対して10〜50質量%であり、
前記高分子分散剤(B)の含有量がポリオレフィン樹脂(A)の量を100質量部として、1〜35質量部である、請求項1または2に記載の水性分散体。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性分散体を含む、繊維用集束剤。
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