JP6545249B2 - 断熱箱体および断熱扉並びに冷蔵庫 - Google Patents
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Description
真空断熱材は、ガスバリア性を持つ2枚の外皮材を向かい合わせた状態で外周接着し、外皮材の内部にできる空間にグラスウールなどの芯材を真空引きしながら封入したものである。外皮材は、ナイロンフィルムなどの基材に、アルミニウム箔などを密着させたものである。外皮材同士を外周接着したヒレ部は、断熱壁内に充填されるポリウレタンフォームの原液注入経路を阻害しないよう、真空断熱材の板面に重ねるように同一平面に折り返されてテープや接着剤で固定される(例えば、特許文献1参照。)。
なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
さらに、明細書全文に表れている構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫1を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の冷凍室を天面から見た図1のA−A断面図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の内部を右側面から見た図1のB−B断面図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の内部を正面から見た図1のC−C断面図である。
図1〜図4に示すように、冷蔵庫1は、前面に開口を有する断熱箱体で構成された直方体形状の冷蔵庫本体2を備える。
冷蔵室10の後部には、冷蔵室ダクト30が設けられる。冷蔵室ダクト30の下流端部には、冷蔵室10への冷気量を調節する冷蔵室ダンパー24が設けられる。
切替室12の後部には、切替室ダクト31が設けられる。切替室ダクト31には、切替室12への冷気量を調節する切替室ダンパー23が設けられる。また、製氷室11の後部には、図示しない製氷室ダクトが設けられる。製氷室ダクトには、製氷室11への冷気量を調節する図示しない製氷室ダンパーが設けられる。
冷凍室13の後部には、冷却器21と、冷却用ファン22と、野菜室ダクト32と、を有する。
野菜室14の後部には、機械室15を配置している。機械室15内には、圧縮機20が設けられる。
各種真空断熱材は、天面真空断熱材40、背面真空断熱材41、底面真空断熱材42、左側面真空断熱材43、右側面真空断熱材44、冷蔵室左扉真空断熱材(図示せず)、冷蔵室右扉真空断熱材46、冷凍室扉真空断熱材47および野菜室扉真空断熱材48である。
これら各種真空断熱材は、冷蔵庫本体2並びに冷蔵室左扉3、冷蔵室右扉4、製氷室扉5、切替室扉6、冷凍室扉7および野菜室扉8の外箱(外板)と内箱(内板)との間或いは外板と内板との間に形成された空間に配置される。
発泡ポリウレタンフォームは、箱体ポリウレタンフォーム50、冷蔵室左扉ポリウレタンフォーム(図示せず)、冷蔵室右扉ポリウレタンフォーム52、製氷室扉ポリウレタンフォーム(図示せず)、切替室扉ポリウレタンフォーム54、冷凍室扉ポリウレタンフォーム55および野菜室扉ポリウレタンフォーム56である。
図5は、本発明の実施の形態1に係る冷凍室扉7の内部構成を示す図3のD部詳細図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る冷凍室扉7の内部構成を示す図2のE部詳細図である。
図5、図6に示すように、冷蔵庫1の冷凍室扉7は断熱壁に構成される。冷凍室扉7は、冷凍室13の内壁を構成する内板81と、冷凍室扉7の外壁を構成する外板84と、内板81と外板84とを固定する底部カバー82と、内板81と外板84とを固定する上部カバー83と、を有する。
内板81は、底部カバー82および上部カバー83の垂線方向の突出端部に貼り付け固定される。
外板84は、底部カバー82および上部カバー83の垂線方向に挟持可能な凹部に挟み込んで固定される。
外皮材47aは、ナイロンフィルムなどの基材に、アルミニウム箔などを密着させたものである。
キャップ60は、固着部材47cとの間にまたがるように貼り付けた固着部材61によって外皮材47aに固定される。
キャップ60は、例えばPP(ポリプロピレン)、ABS樹脂などの硬質プラスチックスを材料とし、厚みが2mm程度である。キャップ60は、冷凍室扉ポリウレタンフォーム55の発泡時の発熱が70℃程度であれば安価なPPやABS樹脂が採用できる。しかし、冷凍室扉ポリウレタンフォーム55の発泡時の発熱によって内部温度が100℃を超える場合にはPPは適さず、耐熱ABS樹脂やPC(ポリカーボネート)、PA(ポリアミド)などを選択する。
図7(a)に示すように、冷凍室扉真空断熱材47は、冷凍室扉7の左右側となるヒレ部47a2を冷凍室扉真空断熱材47の板面に重ねるように同一平面に長手方向全体にわたって折り返す。
図7(b)に示すように、冷凍室扉真空断熱材47は、折り返したヒレ部47a2である折り返し部47a4全体に固着部材47eを貼り付ける。
図7(c)に示すように、冷凍室扉真空断熱材47は、冷凍室扉7の上下側となるヒレ部47a1を冷凍室扉真空断熱材47の板面に重ねるように同一平面に長手方向全体にわたって折り返す。
図7(d)に示すように、冷凍室扉真空断熱材47は、折り返したヒレ部47a1である折り返し部47a3の側縁に固着部材47fを貼り付ける。
図7(e)に示すように、冷凍室扉真空断熱材47は、折り返したヒレ部47a1である折り返し部47a3の先端部分に固着部材47cを貼り付ける。
なお、本工程で用いられる固着部材には、例えば、テープや接着剤が用いられる。
図8(a)に示すように、冷凍室扉真空断熱材47は、折り返したヒレ部47a1である折り返し部47a3に被さるようにキャップ60の開口を折り返し部47a3に向け、キャップ60を折り返し部47a3側から装着する。
図8(b)に示すように、冷凍室扉真空断熱材47は、キャップ60が折り返し部47a3に被さる。キャップ60が被さった位置は、折り返し部47a3の先端部分に貼り付けた固着部材47cの手前までである。
図8(c)に示すように、冷凍室扉真空断熱材47は、キャップ60と固着部材47cとにまたがるようにキャップ60に固着部材61を貼り付ける。
なお、本工程で用いられる固着部材には、例えば、テープや接着剤が用いられる。
以上の実施の形態1では、冷凍室扉真空断熱材47のヒレ部47a1の折り返し部47a3の厚みよりも開口の狭いキャップ60を、折り返し部47a3を圧縮しながら挿入し、図5、図6に示すよう固着部材61によってキャップ60と冷凍室扉真空断熱材47の間にできた隙間を密閉してしまう構成であった。
次に、本実施の形態2では、実施の形態1のキャップを装着する際、真空断熱材の外皮材に傷が付くなど装着時の信頼性に問題が生じる場合の実施の形態について示す。
図9は、本発明の実施の形態2に係る冷凍室扉の内部構成を示す図3のD部詳細図である。図10は、本発明の実施の形態2に係る冷凍室扉の内部構成を示す図2のE部詳細図である。
図9、図10に示すように、キャップ62には、底面部に所定の間隔で発泡ポリウレタンフォームの流入口として複数のスリット62aが設けられている。また、キャップ62は、キャップ62と外皮材47aに収容された芯材47bとの間の挿入性を容易にするため、キャップ62と外皮材47aに収容された芯材47bとの間に隙間62bが設けられている。この隙間62bは、固着部材63によって塞がず、発泡ポリウレタンフォームの流入口として用いる。このように、キャップ62には、スリット62aおよび隙間62bが設けられているため、冷凍室扉ポリウレタンフォーム55が冷凍室扉真空断熱材47の周囲の隙間に発泡充填されると、キャップ62の内部にも発泡充填される。
図11(a)に示すように、冷凍室扉真空断熱材47は、折り返したヒレ部47a1である折り返し部47a3に被さるようにキャップ62の開口を折り返し部47a3に向け、キャップ62を折り返し部47a3側から装着する。キャップ62には、底面部に所定の間隔で複数のスリット62aが設けられている。このとき、キャップ62の開口は、折り返し部47a3の厚さに対して隙間62bが設けられて広がっている。このため、冷凍室扉真空断熱材47の外皮材47aがキャップ62の装着時に損傷することを防止でき、キャップ62の装着時の信頼性を向上することができる。
図11(b)に示すように、冷凍室扉真空断熱材47は、キャップ62が折り返し部47a3に被さる。キャップ62が被さった位置は、折り返し部47a3の先端部分に貼り付けた固着部材47cの手前までである。
図11(c)に示すように、冷凍室扉真空断熱材47は、キャップ62と固着部材47cとにまたがるようにキャップ62に固着部材63を短手方向両端部のみにて貼り付ける。このため、キャップ62は、芯材47bの長手方向中央部に塞がれていない隙間62bを有する状態を維持し、隙間62bが発泡ポリウレタンフォームの流入口となる。
なお、本工程で用いられる固着部材には、例えば、テープや接着剤が用いられる。
上記実施の形態1では、図5に示すように冷凍室扉真空断熱材47と内板81の向かい合う平面同士を固着部材85にて固定した際に、キャップ60の装着部分の厚み増加を内板81の形状が内側に広がって避ける構成とした。これにより、冷凍室扉真空断熱材47と内板81とを固定しても、冷凍室扉真空断熱材47が内板81によって変形しないようにした。
本実施の形態3は、左側面真空断熱材43と外箱91の内面の平面部とを貼り合わせて固定する際に、キャップ70の装着による厚み増加部分で左側面真空断熱材43を変形させずに固定できるように、左側面真空断熱材43のキャップ70の装着部分の厚みを薄くする。
図12は、本発明の実施の形態3に係る冷蔵庫本体2の内部構成を示す図4のF部詳細図である。
図12に示すように、左側面真空断熱材43は、外皮材43aと、芯材43bと、キャップ70と、を有する。左側面真空断熱材43は、冷蔵庫本体2の外箱91と内箱94とに覆われた空間に、左側面真空断熱材43が外側の平板状の外箱91に両面テープなどの固着部材95によって貼り付け固定される。左側面真空断熱材43の周囲の隙間には、箱体ポリウレタンフォーム50が発泡充填される。
キャップ70は、左側面真空断熱材43の外箱91側の板面を、圧縮加工部43fの成形されていない部分とキャップ70が被さった部分とで面一の平面状となる。これにより、左側面真空断熱材43の外箱91側の板面が両面テープなどの固着部材95にて外側に膨らみなどを有さない平坦な外箱91に貼り付け固定される。
キャップ70は、固着部材43cとの間にまたがるように貼り付けた固着部材71によって外皮材43aに固定される。
図13(a)に示すように、左側面真空断熱材43は、外皮材43aに芯材43bを収容した後に、ヒレ部43a1を折り返して重ねる部分に予めプレス加工を施して圧縮加工部43fを形成する。そして、左側面真空断熱材43は、冷蔵庫本体2の側壁の左右側となるヒレ部43a2を左側面真空断熱材43の板面に重ねるように同一平面に長手方向全体にわたって折り返す。
図13(b)に示すように、左側面真空断熱材43は、折り返したヒレ部43a2である折り返し部43a4全体に固着部材43eを貼り付ける。
図13(c)に示すように、左側面真空断熱材43は、冷蔵庫本体2の側壁の上下側となるヒレ部43a1を左側面真空断熱材43の圧縮加工部43fの板面に重ねるように同一平面に長手方向全体にわたって折り返す。
図13(d)に示すように、左側面真空断熱材43は、折り返したヒレ部43a1である折り返し部43a3の側縁に固着部材43gを貼り付ける。
図13(e)に示すように、左側面真空断熱材43は、折り返し部43a3の先端部分に固着部材43cを貼り付ける。
なお、本工程で用いられる固着部材には、例えば、テープや接着剤が用いられる。
図14(a)に示すように、左側面真空断熱材43は、折り返したヒレ部43a1である折り返し部43a3に被さるようにキャップ70の開口を折り返し部43a3に向け、キャップ70を折り返し部43a3側から装着する。
図14(b)に示すように、左側面真空断熱材43は、キャップ70が折り返し部43a3に被さる。キャップ70が被さった位置は、折り返し部43a3の先端部分に貼り付けた固着部材43cの手前までである。
図14(c)に示すように、左側面真空断熱材43は、キャップ70と固着部材43cとにまたがるようにキャップ70に固着部材71を貼り付ける。
なお、本工程で用いられる固着部材には、例えば、テープや接着剤が用いられる。
固着部材、43e 固着部材、43f 圧縮加工部、43g 固着部材、44 右側面真空断熱材、46 冷蔵室右扉真空断熱材、47 冷凍室扉真空断熱材、47a 外皮材、47a1 ヒレ部、47a2 ヒレ部、47a3 折り返し部、47a4 折り返し部、47b 芯材、47c 固着部材、47e 固着部材、47f 固着部材、48 野菜室扉真空断熱材、50 箱体ポリウレタンフォーム、52 冷蔵室右扉ポリウレタンフォーム、54 切替室扉ポリウレタンフォーム、55 冷凍室扉ポリウレタンフォーム、56 野菜室扉ポリウレタンフォーム、60 キャップ、61 固着部材、62 キャップ、62a スリット、62b 隙間、63 固着部材、70 キャップ、71 固着部材、81 内板、82 底部カバー、83 上部カバー、84 外板、85 固着部材、91 外箱、94 内箱、95 固着部材、100 キャップ。
Claims (12)
- 外箱と、
内箱と、
前記外箱と前記内箱との間に形成された空間に配置された真空断熱材と、
前記外箱と前記真空断熱材との間或いは前記内箱と前記真空断熱材との間に配置された発泡ポリウレタンフォームと、
を備え、
前記真空断熱材は、外皮材内に収納された板状の芯材と、前記芯材の無い部分の前記外皮材同士が接着されたヒレ部と、を有し、前記ヒレ部を前記真空断熱材の板面に重なるように折り返した折り返し部にキャップを被せ、
前記真空断熱材は、前記キャップが被さる部分の前記芯材に圧縮加工を施した断熱箱体。 - 外箱と、
内箱と、
前記外箱と前記内箱との間に形成された空間に配置された真空断熱材と、
前記外箱と前記真空断熱材との間或いは前記内箱と前記真空断熱材との間に配置された発泡ポリウレタンフォームと、
を備え、
前記真空断熱材は、外皮材内に収納された板状の芯材と、前記芯材の無い部分の前記外皮材同士が接着されたヒレ部と、を有し、前記ヒレ部を前記真空断熱材の板面に重なるように折り返した折り返し部にキャップを被せ、
前記キャップに前記発泡ポリウレタンフォームの充填時に前記発泡ポリウレタンフォームが流入する流入口を設けた断熱箱体。 - 外箱と、
内箱と、
前記外箱と前記内箱との間に形成された空間に配置された真空断熱材と、
前記外箱と前記真空断熱材との間或いは前記内箱と前記真空断熱材との間に配置された発泡ポリウレタンフォームと、
を備え、
前記真空断熱材は、外皮材内に収納された板状の芯材と、前記芯材の無い部分の前記外皮材同士が接着されたヒレ部と、を有し、前記ヒレ部を前記真空断熱材の板面に重なるように折り返した折り返し部にキャップを被せ、
前記真空断熱材は、前記芯材における前記キャップが被さる部分の厚みをそれ以外の部分よりも薄くした断熱箱体。 - 前記キャップは、前記ヒレ部の折り返し部を前記外皮材に固着させた固着部材と離間している請求項1〜3のいずれか1項に記載の断熱箱体。
- 前記キャップは、前記折り返し部に固着部材を巻き付けて前記折り返し部を閉塞して構成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の断熱箱体。
- 外板と、
内板と、
前記外板と前記内板との間に形成された空間に配置された真空断熱材と、
前記外板と前記真空断熱材との間或いは前記内板と前記真空断熱材との間に配置された発泡ポリウレタンフォームと、
を備え、
前記真空断熱材は、外皮材内に収納された板状の芯材と、前記芯材の無い部分の前記外皮材同士が接着されたヒレ部と、を有し、前記ヒレ部を前記真空断熱材の板面に重なるように折り返した折り返し部にキャップを被せ、
前記真空断熱材は、前記キャップが被さる部分の前記芯材に圧縮加工を施した断熱扉。 - 外板と、
内板と、
前記外板と前記内板との間に形成された空間に配置された真空断熱材と、
前記外板と前記真空断熱材との間或いは前記内板と前記真空断熱材との間に配置された発泡ポリウレタンフォームと、
を備え、
前記真空断熱材は、外皮材内に収納された板状の芯材と、前記芯材の無い部分の前記外皮材同士が接着されたヒレ部と、を有し、前記ヒレ部を前記真空断熱材の板面に重なるように折り返した折り返し部にキャップを被せ、
前記キャップに前記発泡ポリウレタンフォームの充填時に前記発泡ポリウレタンフォームが流入する流入口を設けた断熱扉。 - 外板と、
内板と、
前記外板と前記内板との間に形成された空間に配置された真空断熱材と、
前記外板と前記真空断熱材との間或いは前記内板と前記真空断熱材との間に配置された発泡ポリウレタンフォームと、
を備え、
前記真空断熱材は、外皮材内に収納された板状の芯材と、前記芯材の無い部分の前記外皮材同士が接着されたヒレ部と、を有し、前記ヒレ部を前記真空断熱材の板面に重なるように折り返した折り返し部にキャップを被せ、
前記真空断熱材は、前記芯材における前記キャップが被さる部分の厚みをそれ以外の部分よりも薄くした断熱扉。 - 前記キャップは、前記ヒレ部の折り返し部を前記外皮材に固着させた固着部材と離間している請求項6〜8のいずれか1項に記載の断熱扉。
- 前記キャップは、前記折り返し部に固着部材を巻き付けて閉塞して構成される請求項6〜9のいずれか1項に記載の断熱扉。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の断熱箱体を備えた冷蔵庫。
- 請求項6〜10のいずれか1項に記載の断熱扉を備えた冷蔵庫。
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