JP6545220B2 - 天井下地構造及び天井下地構造の施工方法 - Google Patents
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[天井下地構造]
本発明に係る天井用クリップ10(以下、「クリップ」と称する。)は、図1〜4に示す如き天井下地構造1に用いられる。同図に示すように、この天井下地構造1は、大略、野縁受4と、野縁受4の下面で交差する交差部材としての野縁5とを有する。さらに、天井下地構造1は、野縁5と並設される交差部材としての補強材6と、天井スラブ2近傍と野縁受4の間でV字状に架け渡されるブレース7を有する。野縁5及び補強材6の下面には、天井仕上材9が設けられている。そして、クリップ10は、図5,6に示すように、野縁受4に対し野縁5及び補強材6をそれぞれ連結させる。
クリップ10は、図5〜7に示すように、一対の第一、第二基板10A,10Bよりなる。第一基板10Aは、図5〜8に示すように、大略、板状の本体部11と、本体部11から上部へ延設される共に後方へ折り曲げられた折曲部12と、本体部11から下部へ延設される略T字形状の基端部13を有する。本体部11には、基端部13にかけて前方へ膨出させたリブ11aが形成されている。本体部11の略中央には、野縁受4のウェブ41に第一基板10Aを固定するためのビス19aを挿通させるビス孔11bが形成されている。
次に、クリップ10の取付手順について、野縁受4と補強材6との連結を例に以下説明する。
図10(a)に示すように、第一基板10Aを補強材6内にその長手方向に対し傾斜させるようにして配置する。また、第二基板10Bを野縁受4を挟んで反対側に同様に配置する。ここで、第一、第二基板10A,10Bは、図5〜7に示すように、第一基板10Aに対し第二基板10Bを反転させて、互いの裏面側が対向するように配置する。これにより、先の折曲部12より野縁受4を受け入れる空間が形成され、クリップ10を野縁受4に取付可能となる。しかも、第一、第二基板10A,10Bの裏面を対向配置させても、各基板の各固定片18が互いに干渉し衝突することもない。
ところで、本実施形態の天井下地構造において、地震等の水平変位を抑制するためにブレース7を設け、天井の耐震性を向上させている。このブレース7に地震等による水平荷重を効率よく伝達させる必要がある。そこで、本実施形態に係る天井下地構造1においては、図2〜4に示すように、野縁5の長手方向Yに傾斜状に設けられるブレース72を固定するブレース受材8に並行して補強材6を設け、ブレース受材8を補強材6と野縁受4とを連結するクリップ10に隣接させて連結部材81を介して野縁受4に取り付けている。上述したように、クリップ10は、地震等の水平荷重に対し変形や位置ずれが抑制される。そのクリップ10に隣接してブレース72を固定したブレース受材8を配置することで、天井に生じる水平荷重をより効率よくブレースに伝達することができ、天井の耐震性をさらに向上させることが可能となる。
上記実施形態において、交差部材としての野縁5及び補強材6に所謂シングル野縁を用い、このシングル野縁5と同一形状の補強材6と野縁受4との連結固定を例に説明した。しかし、図1,2に示すように、天井下地構造1には、野縁として、シングル野縁5の他、シングル野縁5より幅広の所謂ダブル野縁5’と謂われる野縁も設けられる。交差部材としてのダブル野縁5’と野縁受4とを連結固定する場合、図11〜15に示す如き、天井用クリップ10’を用いる。このクリップ10’は、上記実施形態のクリップ10より幅広であるが、他の構成は上記実施形態のクリップ10と同様である。当該クリップ10’においても、上記実施形態と同等の機能を発揮する。
上記各実施形態において、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で本体部11と固定部18との間でリブ等によって適宜補強しても構わない。例えば、図16(a)に示すように、基板10Aの下部17とその下部17に略直交する固定片18との角部に略三角形の板状の補強リブ20を設け、固定片18の屈曲を抑制してもよい。また、同図(b)に示すように、基板10Aの下部17と固定片18の角部に形成された屈曲部分18aの中間部分に押しリブ21を設けることも可能である。なお、これら図示の例に限らず、クリップ10自体の強度を向上させる他の補強手段を設けることは可能である。
Claims (5)
- 野縁受と、前記野縁受の下面で交差する交差部材と、前記野縁受と前記交差部材を連結する連結部材とを備える天井下地構造であって、
前記交差部材の下面に設けられる天井仕上材と、前記交差部材の長手方向に沿って傾斜状に設けられるブレースと、前記ブレースの下端部が固定されるブレース受材と、前記野縁受と前記ブレース受材を連結する第二の連結部材と、天井スラブ側の端部に前記ブレースの上端部が固定され前記野縁受を支持する吊材をさらに備え、
前記交差部材は、野縁及びこの野縁と並行し且つ隣接する野縁の間に配設される補強材よりなり、
前記ブレース受材は、前記ブレースの下端部及び前記第二の連結部材が固定される前記野縁受の長手方向に対して垂直な側面と、前記側面の裏面に対し前記野縁受の長手方向に沿って間隔をあけて対向し且つ前記吊材と前記野縁受を連結するハンガー部材が近傍に位置する第二の側面とを有し、
前記側面に固定された前記第二の連結部材の近傍に前記連結部材を配置させて、前記補強材と前記ブレースとを近接させてある天井下地構造。 - 前記補強材は、前記天井仕上材が取り付けられるウェブとこのウェブの両端から立ち上がる一対のフランジを有し、前記連結部材は、前記フランジにビス止めされる固定部を有する請求項1記載の天井下地構造。
- 前記補強材は、隣接する少なくとも3本の野縁受に連結されてある請求項1又は2記載の天井下地構造。
- 野縁受と、前記野縁受の下面で交差する交差部材と、前記野縁受と前記交差部材を連結する連結部材とを備える天井下地構造の施工方法であって、
前記天井下地構造は、前記交差部材の下面に設けられる天井仕上材と、前記交差部材の長手方向に沿って傾斜状に設けられるブレースと、前記ブレースの下端部が固定されるブレース受材と、前記野縁受と前記ブレース受材を連結する第二の連結部材と、天井スラブ側の端部に前記ブレースの上端部が固定され前記野縁受を支持する吊材をさらに備え、
前記交差部材は、野縁及びこの野縁と並行し且つ隣接する野縁の間に配設される補強材よりなり、
前記ブレース受材は、前記ブレースの下端部及び前記第二の連結部材が固定される前記野縁受の長手方向に対して垂直な側面と、前記側面の裏面に対し前記野縁受の長手方向に沿って間隔をあけて対向し且つ前記吊材と前記野縁受を連結するハンガー部材が近傍に位置する第二の側面とを有し、
前記側面に固定された前記第二の連結部材の近傍に前記連結部材を配置させて、前記補強材と前記ブレースとを近接させる天井下地構造の施工方法。 - 前記補強材は、天井仕上材が取り付けられるウェブとこのウェブの両端から立ち上がる一対のフランジを有し、前記連結部材を前記フランジにビス止めする請求項4記載の天井下地構造の施工方法。
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