JP7296131B2 - 吊持支持金具 - Google Patents

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Description

本発明は、吊持支持金具に関する。
従来、野縁等の天井下地材をH型鋼から垂下状に吊持支持される吊り部材として、下記特許文献1に記載のような吊りボルトが採用されている。
特開2016-204926号公報
しかしながら、このような吊りボルトを使用すると、天井高が低くなってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、天井高を高くすることができる吊持支持金具を提供することを目的としている。
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1の発明によれば、天井梁材であるH型鋼(F)の下部フランジ片(F1)を押圧する押圧ボルト(B1)が挿入可能な上部片(2)と、
前記上部片(2)の両側部に垂直方向に設けられている一対の垂直片(3)と、
前記一対の垂直片(3)に設けられている固定具挿通孔(ビス挿通孔3d)と、
前記一対の垂直片(3)の前記上部片(2)側に設けられている前記下部フランジ片(F1)を挿入可能なH型鋼挿入部(一対の垂直片3の左側面3a間に形成された第1挿入孔33)と、
前記一対の垂直片(3)間に設けられると共に、前記H型鋼挿入部(一対の垂直片3の左側面3a間に形成された第1挿入孔33)と対向する位置に設けられている天井下地材挿入部(一対の垂直片3の右側面3c間に形成された第1挿入孔33)と、
前記一対の垂直片(3)間に設けられ、吊り部材であるL型鋼(M)が挿入可能なL型鋼挿入部(第2挿入孔34)と、を有し、
前記天井下地材挿入部(一対の垂直片3の右側面3c間に形成された第1挿入孔33)には、天井下地材である野縁受け(Na)が挿入され、該野縁受け(Na)は、前記固定具挿通孔(ビス挿通孔3d)に挿入された固定具(ビスB2)によって固定されてなり、
前記L型鋼挿入部(第2挿入孔34)に挿入された前記L型鋼(M)は、前記固定具挿通孔(ビス挿通孔3d)に挿入された固定具(ビスB4)によって固定されてなることを特徴としている。
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1に係る発明によれば、天井梁材であるH型鋼(F)と、天井下地材である野縁受け(Na)とを接続することが可能であるから、従来のように吊りボルトを使用する必要がなくなり、もって、天井高を高くすることができる。
また、請求項に係る発明によれば、吊り部材であるL型鋼(M)を取り付けることも可能であるから、吊り部材を使用する場合にも利用することができる。
本発明の一実施形態に係る吊持支持金具の斜視図である。 (a)は同実施形態に係る吊持支持金具の正面図、(b)は同実施形態に係る吊持支持金具の右側面図である。 同実施形態に係る吊持支持金具の展開平面図である。 同実施形態に係る吊持支持金具を使用して天井梁材であるH型鋼と、天井下地材である野縁受けを接続し、天井を組み立てた状態を示す斜視図である。 同実施形態に係る吊持支持金具を使用して天井梁材であるH型鋼と、天井下地材である野縁受けを接続し、天井を組み立てた状態を示す正面図である。 図5に示すX-X線断面矢視図である。 同実施形態に係る吊持支持金具に吊り部材であるL型鋼を取り付け、天井を組み立てた状態を示す正面図である。 同実施形態に係る吊持支持金具に吊り部材であるL型鋼を取り付けた状態を示す一部破断斜視図である。 図7に示すY-Y線断面矢視図である。
以下、本発明に係る吊持支持金具の一実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
本実施形態に係る吊持支持金具1は、図4及び図5に示すように、天井梁材であるH型鋼Fと、天井下地材である野縁受けNaを接続可能とするものである。より具体的に説明すると、吊持支持金具1は、図1に示すように、矩形状の上部片2と、上部片2の前後側面より一体的に垂直方向に突出して設けられている一対の垂直片3と、で主に構成されている。上部片2は、図3に明瞭に示されているように、矩形状に形成され、図1及び図3に示すように、長手方向に向かって、所定間隔置きに、複数の円形状のボルト挿通孔2a(図示では3個)が上下方向に貫通して設けられている。
一方、垂直片3は、図1及び図2(a)に示すように、略コ字状に形成されており、左側面3aの上部片2側には、コ字状の第1切欠き部30が設けられている。さらに、垂直片3には、左側面3aの下面3b側に台形状の第2切欠き部31が設けられている。しかして、このように設けられた第1切欠き部30と、第2切欠き部31との間には、略矩形状の突出片32が設けられることとなる。
一方、垂直片3には、図1及び図2(a)に示すように、垂直方向及び水平方向に、適当間隔を置いて、複数の円形状のビス挿通孔3dが前後方向に貫通して設けられている。そしてさらに、図1及び図2(a)に示すように、突出片32の基端部32a側に、円形状のボルト挿通孔3eが前後方向に貫通して設けられている。なお、図1及び図2(a)に示すように、垂直片3の左側面3aの上部片2側には、ビス挿通孔3dが設けられていない。これは、後述するように、上部片2のボルト挿通孔2a内に押圧ボルトB1がねじ込まれるためである。
かくして、このように形成される垂直片3は、図1に示すように、上部片2の前後側面より一体的に垂直方向に突出して設けられることとなる。これにより、一対の垂直片3の間には、左側面3aから右側面3cに向かって、空間Kが形成されることとなる。それゆえ、図2(b)に示すように、一対の垂直片3の左側面3a間、及び、一対の垂直片3の右側面3c間には、所定の部材が挿入できる第1挿入孔33が形成され、一対の垂直片3の下面3b間には、所定の部材が挿入できる第2挿入孔34が形成されることとなる。
ところで、上記のように構成される吊持支持金具1は、図3に示すように、金型等を用いて平板状に形成され、折り曲げ線Oに沿って、折り曲げ加工されることにより、図1に示すような形状となる。
かくして、上記のように形成される吊持支持金具1は、以下のように使用される。
すなわち、図4及び図5に示すように、一般に鉄骨造り又は鉄筋コンクリート造りの建物の天井躯体である天井コンクリートスラブSの下面には、天井梁材であるH型鋼Fが取り付けられている。それゆえ、吊持支持金具1は、このようなH型鋼Fを利用することとなる。すなわち、図4及び図5に示すように、H型鋼Fの下部フランジ片F1を、一対の垂直片3の左側面3a間に形成されている第1挿入孔33(図6参照)内に挿入させることによって、一対の垂直片3の第1切欠き部30内に挿入し、もって、一対の垂直片3の突出片32の上面32bにH型鋼Fの下部フランジ片F1を載置する。この状態で、図4及び図5に示すように、垂直片3の左側面3a側に形成されている2個のボルト挿通孔2a内に押圧ボルトB1をねじ込み、その押圧ボルトB1の先端部にて、下部フランジ片F1の表面F1aを押圧する。これにより、H型鋼Fの下部フランジ片F1に吊持支持金具1が支持されることとなる。なお、押圧ボルトB1には、図6に示すように、押圧ボルトB1の位置を固定するため、上部片2の下面2bに接するようにナットB1aが螺合されている。
次いで、H型鋼Fの下部フランジ片F1に吊持支持金具1が支持されると、図4及び図5に示すように、一対の垂直片3の右側面3c間に形成されている第1挿入孔33(図6参照)内に、天井下地材である断面視コ字状の野縁受けNaが挿入され、もって、H型鋼Fの下部フランジ片F1の下面F1bに野縁受けNaが位置することとなる。この状態で、図6に示すように、一対の垂直片3のビス挿通孔3dのうち、一方のビス挿通孔3d(図示では左側)の所定箇所(図4及び図5参照)に、ビスB2が挿入されることによって、野縁受けNaがビス止め固定されることとなる。
しかして、このようにして、天井梁材であるH型鋼Fと、天井下地材である野縁受けNaとを、吊持支持金具1にて接続することができる。
ところで、吊持支持金具1に固定された野縁受けNaには、図4~図6に示すように、周知のクリップCによって天井下地材である野縁Nbが、野縁受けNaに直交して取り付けられ、この野縁Nbの下面に、ビス又は接着剤によって、天井ボードTが固着されることとなる。これにより、天井が組み立てられることとなる。
しかして、以上説明した本実施形態によれば、天井梁材であるH型鋼Fと、天井下地材である野縁受けNaとを、吊持支持金具1にて接続することができるから、従来のように吊りボルトを使用する必要がなくなり、もって、天井高を高くすることができる。
なお、本実施形態において示した吊持支持金具1は、あくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。例えば、本実施形態においては、H型鋼Fの下部フランジ片F1に吊持支持金具1を支持するにあたって、2本の押圧ボルトB1を使用する例を示したが、単数でも良い。しかしながら、複数の押圧ボルトB1を使用するのが好ましい。強力な外部負荷がかかった場合、単数の押圧ボルトB1のみで支持していると、押圧ボルトB1を支点として吊持支持金具1に対して、水平方向への捩じり現象が生起する可能性があるためである。それゆえ、例え強力な外部負荷がかかったとしても、吊持支持金具1の捩じり現象を生起することなく安定して下部フランジ片F1を支持するようにするため、複数の押圧ボルトB1を使用するのが好ましい。
また、本実施形態においては、天井梁材であるH型鋼Fと、天井下地材である野縁受けNaとを、吊持支持金具1にて接続する例を示したが、天井高の高さをそれほど求めず、吊り部材を使用する場合にも、吊持支持金具1を使用することが可能である。この点、図7~図9を参照して具体的に説明する。なお、以下では、図1~図6を参照して説明した部分と同一部分は、同一の符号を付することにより説明を省略し、異なる部分の説明のみ行うこととする。
図7及び図8に示すように、H型鋼Fの下部フランジ片F1に吊持支持金具1を支持した後、図9に示す一対の垂直片3の下面3b間に形成されている第2挿入孔34内に、吊り部材であるL型鋼Mを挿入し、L型鋼Mの上面Maを上部片2の下面2bに当接させる。この状態で、図9に示すように、一対の垂直片3のビス挿通孔3dのうち、一方のビス挿通孔3d(図示では左側)には、所定箇所(図7及び図8参照)に、ビスB4が挿入され、もって、L型鋼Mがビス止め固定される。これにより、吊持支持金具1に吊り部材であるL型鋼Mが取り付けられることとなる。しかして、このように、吊持支持金具1に取り付けられたL型鋼Mの下面Mb側に、図7及び図9に示すように、天井下地材である野縁受けNaを抱持している固定用ハンガーHを沿わせ、固定用ハンガーHから固定ビスB5をL型鋼Mの下面Mb側にねじ込むことにより、L型鋼Mの下面Mb側に、固定用ハンガーHをビス止め固定することができる。そして、図7及び図9に示すように、そのビス止め固定された固定用ハンガーHに抱持されている野縁受けNaには、周知のクリップCによって天井下地材である野縁Nbが、野縁受けNaに直交して取り付けられ、この野縁Nbの下面に、ビス又は接着剤によって、天井ボードTが固着される。これにより、天井が組み立てられこととなる。なお、図7及び図9に示すように、固定用ハンガーHには、野縁受けNaが固定用ハンガーHから脱落しないように、ボルトB6が架設されている。
しかして、本実施形態に係る吊持支持金具1は、天井梁材であるH型鋼Fと、天井下地材である野縁受けNaとを接続することができるばかりか、吊り部材であるL型鋼Mを使用する場合にも、使用することができる。
1 吊持支持金具
2 上部片
3 垂直片
3a 左側面
3b 下面
3c 右側面
3d ビス挿通孔(固定具挿通孔)
3e ボルト挿通孔
33 第1挿入孔(H型鋼挿入部、天井下地材挿入部)
34 第2挿入孔(L型鋼挿入部)
B1 押圧ボルト
B2 ビス(固定具)
B4 ビス(固定具)
Na 野縁受け
Nb 野縁
T 天井ボード
M L型鋼

Claims (1)

  1. 天井梁材であるH型鋼の下部フランジ片を押圧する押圧ボルトが挿入可能な上部片と、
    前記上部片の両側部に垂直方向に設けられている一対の垂直片と、
    前記一対の垂直片に設けられている固定具挿通孔と、
    前記一対の垂直片の前記上部片側に設けられている前記下部フランジ片を挿入可能なH型鋼挿入部と、
    前記一対の垂直片間に設けられると共に、前記H型鋼挿入部と対向する位置に設けられている天井下地材挿入部と、
    前記一対の垂直片間に設けられ、吊り部材であるL型鋼が挿入可能なL型鋼挿入部と、を有し、
    前記天井下地材挿入部には、天井下地材である野縁受けが挿入され、該野縁受けは、前記固定具挿通孔に挿入された固定具によって固定されてなり、
    前記L型鋼挿入部に挿入された前記L型鋼は、前記固定具挿通孔に挿入された固定具によって固定されてなる吊持支持金具。
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