JP6544877B2 - たばこフィルター用巻取紙、そのたばこフィルター用巻取紙を用いたたばこフィルター、およびそのたばこフィルターを用いたシガレット - Google Patents
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Description
一方、フィルター付シガレットのフィルターに、流体材料を封入したカプセルを導入し、喫煙者がそのカプセルを押圧することで、カプセル内の流体材料をフィルターの濾材に浸透させ、喫煙時に喫味を変化させるようなシガレットが知られている(特許文献1)。
特許文献1には、フィルターアセンブリの少なくとも一部を、流体材料の不透過性材料でカバーすることが記載されている。そしてそのような構成とすることで、カプセルから流体材料が放出されるときに先端紙の汚染を防止または解消できることが記載されている。流体材料の不透過性材料としては、セロファン、ポリ塩化ビニリデン、又は実質的に不浸透性のフィルムまたはシートが記載されている。
また、たばこフィルターの濾材に水溶性液体を含侵させる場合、巻取後にその水溶性液体がフィルター外に漏れださないという保存安定性が求められる。さらに、水溶性液体を予め浸透させたフィルターの濾材を巻取する際に、巻取が良好に行われるようにするために、巻取紙はその水溶性液体に対する耐久性を有していることが求められる。
従来から存在するたばこフィルター用の巻取紙では、以上の特性を全て満たすものは存在しなかった。
[1]疎水性繊維からなり、繊維間結合点を有する不織布の層を含み、表面と裏面の少なくとも一方の面の水に対する接触角が90°以上であり、厚さが100μm〜300μmである、たばこフィルター用巻取紙。
[2] 疎水性繊維からなり、繊維間結合点を有する不織布の層と、空気不透過性層を含み、表面と裏面の少なくとも一方の面の水に対する接触角が50°以上であり、厚さが100μm〜300μmである、たばこフィルター用巻取紙。
[3] 空気不透過性層が、ポリオレフィンからなる層である、[2]に記載のたばこフィルター用巻取紙。
[4] 表面と裏面の少なくとも一方のRa値が10以上である、[1]〜[3]の何れかに記載のたばこフィルター用巻取紙。
[5] 疎水性繊維が、二重芯鞘構造を有する繊維である、[1]〜[4]の何れかに記載のたばこフィルター用巻取紙。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載のたばこフィルター用巻取紙と、濾材を含む、たばこフィルター。
[7] 前記濾材には水溶性液体が添加されている、[6]に記載のたばこフィルター。
[8] [6]または[7]に記載のたばこフィルターと、たばこロッドを含む、シガレット。
本発明の第一の態様では、たばこフィルター用巻取紙において、疎水性繊維から構成される不織布が巻取紙を形成する。
不織布を構成する疎水性繊維は、繊維間結合点を有している。繊維間結合点を有していることで、巻取紙に要求される引張強度をもたらし、高速での巻上特性に優れるものになる。本発明でいう繊維間結合点とは、疎水性繊維同士が熱融着や接着剤を介して結合している点を複数有していることを意味する。
巻取紙の厚さとしては、200〜300μmであることがより好ましい。水溶性液体が添加されたフィルター濾材からの水溶性液体の漏出を防ぎ、ラップ部の接着性を長期間にわたって確保するという観点からは、できるだけ厚いほうが好ましい。また、厚さが100μm以上であることで、たばこフィルター用巻取紙としての成形性に優れる。本明細書において、成形性に優れるとは、所定の速度でのフィルター濾材への巻取紙の巻上を行えるという意味である。
本発明の第一の態様では、巻取紙の層厚は、それを構成する不織布の厚さに相当する。
なお、本発明において「水溶性液体」とは、水を3重量%以上含む液体のことをいう。このような水溶性の液体は、疎水性繊維とは馴染まない。
上記の測定法により得られる巻取紙の厚さは、平均厚さである。
水に対する接触角は、測定器として(株)協和界面科学「DROP MASTER」を用い、測定条件として、蒸留水の液滴2μLを試験体に滴下し、0.1秒後の接触角を1/2θ法にて測定する。水に対する接触角の測定法は、以下の第二の態様でも同様である。水に対する接触角を概念的に示したものが図5である。
これらの中でもポリオレフィンの繊維を用いることが好ましく、その中でもポリエチレンもしくはポリプロピレンの繊維を用いることが、熱により繊維間結合点を形成させる場合、低い温度で繊維間を融着でき、より好ましい。
疎水性繊維を構成するポリオレフィンのような熱可塑性樹脂の分子量としては特に制限はないが、GPC(Gel Permeation Chromatography)で測定し、標準ポリスチレンの検量線で換算した質量平均分子量(Mw)は、通常、20,000〜300,000である態様を挙げることができる。
例えば、内側がポリプロピレンで構成され、外側がそのポリプロピレンと比較して融点の低い上記の樹脂を組み合わせた二重芯鞘構造を有するものが使いやすい。
また、例えば外側がポリエチレンで構成され、内側がポリプロピレンで構成されている二重芯鞘構造を好ましく用いることができる。このような二重芯鞘構造とすることで、熱融着により繊維間結合点を生成させる場合、繊維同士の熱融着点を増やしつつ、繊維形状を維持できるため、不織布の厚み/強度を増すのに好適である。
このような二重芯鞘構造を有する繊維を構成する樹脂についても、上記の分子量の範囲を適用できる。
不織布を構成する疎水性繊維の繊維径としては例えば0.1〜20dtexを挙げることができる。
以下で説明する本発明の第二の態様で用いる不織布を構成する繊維についても、上記で説明した製造方法、樹脂の種類、分子量等の条件について同様の条件を用いることができる。
たばこフィルター用巻取紙のいずれか一方の表面の接触角が大きいことで、水溶性液体がたばこフィルター用巻取紙の内部に浸透することを防ぐことができ、水溶性液体が浸透することによる、たばこフィルター用巻取紙が破れたり脆くなったりすることを防止できる。
通常のたばこフィルター用巻取紙は、パルプを原料とした紙で構成されており、その紙を構成する繊維間結合は、分子間力や一部水素結合で繊維同士が結合している。そのため、水溶性液体が巻取紙内部に浸透することで、繊維同士の弱い結合が分離されて破れたり脆くなったりする。それに対して本発明では、疎水性繊維間の空隙が多く一見水が染み込みやすいような印象を受けるが、疎水性繊維で構成されていることと、繊維間結合点により結合されていることから、水が浸透しにくいし、浸透したとしても破れたり脆くなったりしない。
不織布を製造する過程で疎水性繊維同士の熱接着点を有する不織布は、疎水性繊維同士が繊維間結合点を有しているので、水溶性液体が浸透した際の耐久性を有し、そもそも、疎水性繊維で構成されていることで、水溶性液体が染み込みにくい。
不織布を製造する過程で疎水性繊維同士の非水溶性接着剤による接着点を有する不織布は、疎水性繊維同士が、繊維間結合点を有していることで、水溶性液体が浸透した際の耐久性を有し、そもそも、疎水性繊維で構成されていることで、水溶性液体が染み込みにくい。
繊維同士を結合させる方法として、サーマルボンド法を用いることが、表面粗さの制御が容易で、かつ、シガレット香喫味影響が少ないため好ましい。
巻取紙としての不織布の表面粗さRaは、例えば、不織布の製造後に圧延処理を行ったり、不織布を形成する疎水性繊維の繊維径を調整したり、不織布の坪量を調整したりすることにより調整できる。
なお、巻取紙のRa値は、例えば、株式会社ミツトヨ製「サーフテストSJ−201(スタイラス先端R=2μm及び先端角度60°)」を用い、フィルタ処理としてガウシアンフィルタを用いて、ISO1997に準拠した条件(カットオフ値λc=2.5mm、λs=8μm、区間数(N)4)を採用して、測定することができる。
本発明の第一の態様の巻取紙は、実質的に空気透過性である。これは巻取紙に空隙が存在することを意味し、これにより、フィルターを巻装する際のラップ部を接着する際にアンカー効果が得られ、ラップ部の接着性が向上し、フィルター濾材の巻取後に巻取紙が剥離したりすることがない。
坪量が上記範囲であると、巻取紙の防水性の向上に寄与するとともに、フィルター濾材に水溶性液体が添加されていても、その水溶性液体がフィルター外部に漏出することを防止できる。
この坪量は、巻取紙に用いる不織布の製造時に供給する繊維の量を調整したり、不織布の厚さを調整したりすることにより調整可能である。
坪量は、不織布を1辺10cmの正方形形状にカットした後、秤量し、単位面積当たりの重量を計算によって求めた。秤量は22℃、60%の環境下で平衡水分となるのに十分な時間蔵置した後に行う。以下の第二の態様でも同様である。
本発明の第一の態様では、基本的に不織布が単独で巻取紙を形成することを想定しているが、上記で説明した特徴を損ねない限り、不織布以外の他の構成、例えば何らかの補強材等を含んでいてもよい。
本発明の第二の態様は、疎水性繊維から構成され、繊維間結合を有する不織布(以下、単に不織布ともいう)の層と、空気不透過性層から構成される層を有する巻取紙である。
上記不織布の層と、空気不透過性層は、それぞれの一面が対向して接するように積層されている。
積層の方法については、不織布の層と空気不透過層を重ねたうえで熱をかけて加圧して接着する方法や、基材となる不織布に対して熱可塑性樹脂を溶融してフィルム上に押し出しながらラミネートする押し出しラミネート法を挙げることができる。
不織布の層に加え、空気不透過性層を巻取紙が有していることで、上記で説明した不織布により得られる効果が得られることに加え、水溶性液体が添加されているフィルター濾材を巻取する場合でも、十分な防水性を確保することができ、保存安定性に優れる。保存安定性に優れるとは、水溶性液体が添加されているフィルター濾材を巻取した後、水溶性液体がフィルター外に漏出しないことをいう。
また、使用者による当該巻取紙で巻取されたフィルターの使用時にフィルターが押圧された場合であっても、水溶性液体が外部に漏出することを防止できる。
フィルター濾材に水溶性液体が添加されている場合、ラップ部において巻取紙の切断面に露出した不織布の層から水溶性液体が染み込み、水溶性液体がフィルター外に漏出する現象が発生しやすくなる。このような場合、巻取紙の厚さが100μm以上であることで、巻取紙がバッファーとなって、水溶性液体がフィルター外部に漏出すること防ぐことができる。
本発明の第二の態様の巻取紙の層厚としては、100〜200μmであることがより好ましい。水溶性液体が添加されたフィルターからの水溶性液体の漏出を防ぐという観点からは、できるだけ厚いほうが好ましい。また、厚さが100μm以上であることで、たばこフィルター用巻取紙として十分な引張強度を確保でき、その成形性に優れる。成形性に優れるとは、所定の速度でのフィルター濾材への巻取紙の巻上を行えるということである。
なお、本発明の第二の態様の巻取紙の層厚は、不織布の層と空気不透過性層をラミネート加工した後の層厚を意味する。
不織布から構成される層と、空気不透過性層のそれぞれの厚さについては特に制限はないが、不織布から構成される層の厚さとして50〜290μm、空気不透過性層の厚さとして10〜50μmを挙げることができる。なお、これらの厚さは、巻取紙として成形された後(ラミネート加工された後)の厚さを意味する。
本発明の第二の態様では、巻装するフィルター濾材に水溶性液体が含まれている場合、空気不透過層で水溶性液体を止めて、上記のような十分な厚さの不織布の層により、製造後の長期間にわたるラップ部の接着性を担保できる。
また、空気不透過性層は、空気を透過させないものであるとともに、水溶性液体も透過させないものである。空気不透過性層がそのような性質を有することで、本発明の巻取紙に要求される成形性や防水性を確保することができる。
空気不透過性層の態様としては、ポリオレフィンを代表として、その他にも熱可塑性原料からなるフィルムを挙げることができる。熱可塑性原料からなるフィルムは市販されているものを使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンの共重合体、ナイロン、ポリエステルのフィルムを挙げることができる。
ポリオレフィンの分子量としては特に制限はないが、GPC(Gel Permeation Chromatography)で測定し、標準ポリスチレンの検量線で換算した質量平均分子量(Mw)は、通常、20,000〜300,000である態様を挙げることができる。
水に対する接触角が50°以上であると巻取紙の耐水性に優れ、フィルターの濾材に水溶性液体が添加されている場合でも、巻取紙の外部に漏出したり、巻取紙の引張強度が低下したりすることがない。
また、本発明の第二の態様の巻取紙では、その表面か裏面の少なくとも一方の表面粗さが、Ra値で10以上であることが好ましい。Ra値が10以上であることで、ラップ部の接着性が良好になる。これによりフィルター濾材から巻取紙が剥落することを防止できる。
上記のRa値を有する巻取紙の面は、フィルターの外面側の面であることが好ましい。また、この面は、不織布から構成される層の外面に露出する面であることが好ましい。そうすることで、フィルター濾材に水溶液体を染み込ませた場合に、空気不透過層の存在により巻取紙への水溶性液体の染み込を防ぎつつ、ラップ部の長期間にわたる接着性が優れたものになる。
なお、第二の態様において、ラップ部は巻取紙の巻取方向の両端部が重ね合わされて形成されるが、不織布から構成される層の面と、空気不透過性層の面とが重ね合わされる部分で糊付けしたり、巻取紙の巻取方向の一方の端部を内面側(フィルター濾材側)に折りたたむことで、不織布から構成される層の面同士が接触するように糊付けしたりしてもよい。また、巻取紙の巻取方向の両端部が重ね合される部分において、空気不透過性層のみを除去し、不織布から構成される層同士を接触させて糊付けしてもよい。
坪量が上記範囲であると、巻取紙の防水性の向上に寄与し、フィルター濾材に水溶性液体が添加されていても、その水溶性液体がフィルター外部に漏出することを防止できる。
この坪量は、巻取紙を構成する不織布から構成される層と空気不透過性層の厚さを調整することにより調整可能である。
通気度は、例えば不織布の製造時の繊維の種類、繊維の太さ、繊維の量と不織布厚さ等を調整することで調整できる。
本発明の第二の態様では、空気不透過性層を巻取紙が有することで、第二の態様の巻取紙の通気度は0になる。
本発明でいう通気度は、紙の片面(2cm2)から1kPaの一定圧力下で空気を通過させた際の、1分・1cm2あたりの通気(透過)した空気流量をいう。
本発明の第二の態様では、基本的に不織布と空気不透過性層が巻取紙を形成することを想定しているが、上記で説明した特徴を損ねない限り、不織布と空気不透過性層以外の他の構成、例えば何らかの補強材等を含んでいてもよい。
図1は、本発明の巻取紙の一例を用いたフィルター付シガレット1の一態様の分解斜視図である。シガレット1は、たばこロッド2と、このたばこロッド2の一端にチップペーパー3を介して接続されたフィルター4とを備えるフィルター付きシガレットである。
巻取紙6としては、本発明の第一の態様のもの(図2)や第二の態様のもの(図3)を用いることができる。第二の態様のものを用いる場合は、その不織布から構成される層が、外面側として巻き取ることが、巻装する際や巻装した後の巻取紙のラップ部の接着力担保の観点で望ましい。
巻取紙6を用いて濾材5を巻き取る方法は、公知の巻上機等により行うことができ、公知の接着剤を用いて巻取紙のラップ部を接着して濾材5を包み込みむことができる。
本実施形態におけるフィルターセクション7の濾材5には、水溶性液体が添加されている態様を挙げることができる。水溶性液体は、下記で説明するプロピレングリコール(PG)、グリセリン(G)、水などを含有する。なお、フィルターセクション7を本発明のフィルターともいう。
本発明の巻取紙は、フィルターの濾材の巻き取りに用いられるものである。本発明の巻取紙は、巻き取るフィルターの濾材に対して、プロピレングリコール、グリセリン、水などを含有する水溶性液体が添加されているものを巻き取るのに適している。
フィルターの濾材に添加する水溶性液体は特に制限されず、上記のようにプロピレングリコール、グリセリン、水等を含有するものの他に、これらに加えて、様々な香料等の添加物を含むものであってもよい。
フィルター濾材に添加される水溶性液体におけるプロピレングリコール、グリセリン、水の重量比については特に制限はなく、円周24.0〜25.0mmの一般的なフィルター付シガレットの場合においてフィルター付シガレットのフィルター濾材に添加されている量として、例えばプロピレングリコールは10〜100mg/filterである態様を挙げることができ、グリセリンは1〜150mg/filterである態様を挙げることができ、水は5〜100mg/filterである態様を挙げることができる。
フィルター濾材に添加される水溶性液体の量は、特に制限されないが、目安として円周24.0〜25.0mmの一般的なフィルター付シガレットの場合において、フィルター付シガレットのフィルター濾材に添加されている量として、10〜300mg/filterを挙げることができる。
以下の試験では、各種試料の物性(設計)と紙質物性及び機械適性(成形性)、防水性(耐久性に影響する)、実機巻上で剥離強度(ラップ部の接着性)、漏液度(保存安定性)についての測定を行った。
以下の試験に用いた試料について説明する。
<巻取紙試験品>
比較例として、通常用いられている巻取紙(木材パルプを主成分とする紙)、ポリプロピレンフィルム(空気不透過性フィルム)、セロハンフィルム(高密度セルロース)を用いた。
本発明の巻取紙として、表1に示すような、疎水性繊維としてポリエチレンが使用された不織布と、その不織布にポリエチレンフィルムが積層されたものを採用した。いずれの不織布も、熱融着により生成した繊維間結合点を有している。
なお、実施例2で用いた巻取紙は、不織布の層厚は145μm、ポリエチレンフィルムの層厚は20μmのものを用いた。実施例4で用いた巻取紙は、不織布の層厚は220μm、ポリエチレンフィルムの層厚は20μmのものを用いた。実施例2と実施例4ともに不織布とポリエチレンフィルムとをラミネート加工する際に圧力が加えられるため、不織布とポリエチレンフィルムのラミネート加工前のそれぞれの厚さを合計したものと比して、ラミネート加工後は厚さが減少し、実施例2のラミネート後の巻取紙の厚さは126μmであり、実施例4のラミネート後の巻取紙の厚さは194μmとなった。
<机上試験方法>
表1に記載される項目のうち、厚さ、表面粗さ(Ra)、水に対する接触角は以下の方法により測定を行った。
1.紙質物性評価
ii) 厚さ
JISP8118 紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法 に基づき測定した。紙面加圧は100kPaとした。
ii) 粗さ
・測定器 株式会社ミツトヨ製「サーフテストSJ−210」を用いた。
(スタイラス先端R=2μmおよび先端角度60°)
・フィルタ処理 ガウシアンフィルタ
・測定条件 ISO1997に準拠した。
(カットオフ値λc=2.5mm、λs=8μm、区間数(N)4)
iii) 接触角
・測定器 (株)共和界面科学「DROP MASTER」
・測定条件 蒸留水の液滴2μlを試験体に滴下し、0.1秒後の接触角を1/2θ法にて計測
iv) 坪量
坪量は、不織布を1辺10cmの正方形形状にカットした後、秤量し、単位面積当たりの重量を計算によって求めた。秤量は22℃、60%の環境下で平衡水分となるのに十分な時間蔵置した後に行なった。
シャーレ内に、6cm四方の試験片の下に同じサイズのろ紙を密着させたセットを入れ、試験片上面に、赤色色素を加えた蒸留水2gを一度に乗せ、速やかに蓋をして密閉する。73時間経過後に、下のろ紙を観察し、漏液により生じたろ紙上の赤色色素の直径が1cmを超えるものについては「防水性無し ×」、 1cm未満のものについては「△」、赤色が目視できないものについては「防水性あり 〇」と判断した。
この「防水性」は、巻取紙の耐久性に影響し、防水性が良好なほど耐久性が高い。
以下の表1に示す各巻取紙を、フィルター巻上機を用いてフィルター濾材に巻上した。その際、安定して巻上が可能な最大回転数を確認した。また、フィルターの蔵置後のラップ部の剥離強度と巻取紙への吸水、外側表面への漏液の程度を確認した。蔵置は巻上後、ビニル袋に密閉し23℃60%の状態で放置することにより行った。なお、片側がラミネート面の試料については、巻き上げ時にラミネート面が内側(トウ側)になるように巻き上げた。
水単体では蒸発揮散してしまうため、実用上はプロピレングリコール、グリセリン及び水の混合液として使用した。
・フィルター濾材の素材 6y35000
・添加液 (プロピレングリコール:グリセリン:水)=50:25:25(w/w/w) (漏液有無の確認用にごく微量の着色剤を添加)
・添加量 50mg/10mmフィルター
作成したフィルターの巻取紙について、ラップ部の反対側をラップ糊付け線と平行に切開した。
切り出された巻取紙のラップ部先端を手で少しはがして、つまみ部を作成した。各つまみ部をそれぞれ剥離試験機に装着し180度の剥離試験を実施した。測定結果は、測定開始から40mmまでの中央値を求め、その5回繰り返しの平均値をg単位で表した。
測定結果が15g未満を×、15g以上を〇とした。
巻取紙全体の赤色着色程度、及び表面にティッシュを押さえつけた時の色移り具合で判断した。この結果は、巻取紙の巻取後の保存安定性を示すものである。
[漏液の程度]
×:巻取紙全面(ほぼ100%)、△:部分的に漏液、○:僅かに漏液、◎:無し
(3)フィルター巻上速度
巻上機定格性能 3300rpmに対し現行汎用品実績1500rpmを目標とした。1500rpmで巻き上げを行うことができたものは、成形性に優れる。
上記の条件で測定を行った結果を以下の表1に示す。
比較例1(普通紙):材料としてパルプを用いて抄紙した巻取紙である。
比較例2(高通気度紙):レーヨンとパルプを混ぜて得られた巻取紙である。
比較例3(セロハン):ビスコースを用いて得られたフィルム状の巻取紙である。
比較例4(ラミ−紙):パルプを用いて抄紙した紙の片面に、ポリエチレンから構成されるフィルムを積層して得た巻取紙である。
比較例5(ラミ−紙−ラミ):パルプを用いて抄紙した紙の両面に、ポリエチレンから構成されるフィルムを積層して得た巻取紙である。
実施例1(オレフィンPPPE25):疎水性繊維として内側にポリプロピレン、外側にポリエチレンからなる二重芯鞘構造繊維を用いて得られた不織布(坪量25gsm)からなる巻取紙である。
実施例2(オレフィンPPPE25ラミ):疎水性繊維として内側にポリプロピレン、外側にポリエチレンからなる二重芯鞘構造繊維を用いて得られた不織布(坪量25gsm)にポリエチレンフィルムを積層して得られた巻取紙である。
実施例3:(オレフィンPPPE40):疎水性繊維として内側にポリプロピレン、外側にポリエチレンからなる二重芯鞘構造繊維を用いて得られた不織布(坪量40gsm)からなる巻取紙である。
実施例4(オレフィンPPPE40ラミ):内側にポリプロピレン、外側にポリエチレンからなる二重芯鞘構造繊維を用いて得られた不織布(坪量40gsm)にポリエチレンフィルムを積層して得られた巻取紙である。
比較例1は木材パルプを主成分とする繊維より構成されるいわゆる汎用の紙(普通紙)からなる巻取紙である。汎用のため巻上機では高速運転可能であるが水に対する接触角は低く、濡れやすいため、主体である親水性の結合部分は容易に崩壊し結果的に剥離を生じた。
しかしながら経時と共に徐々に繊維間の親水性結合部位に水溶性液体が入り込むこと、あわせて水溶性液体のバッファーゾーンとなる厚みが55μmと十分でないことから最終的には崩壊、及び漏液が生じた。今回の添加フィルター中の液量では一日蔵置後の漏液性評価が△であり、実用の限界とみられる。より安全に使用するためには、更にウエッブ自体の防水性を高め、厚みは55μm以上が好ましい。
ただ、フィルター成型時は一定の圧力がかかるため貫通孔に水が押し込まれる現象が生じる。そこで、実施例3のように厚みを増して水溶性液体のバッファーゾーンを付与することで、防水性を更に向上させることができる。なお、水に強い繊維間結合と非常に大きい表面粗さの効果により十分な剥離強度が得られる。
2・・・たばこロッド
3・・・チップペーパー
4・・・フィルター
5・・・濾材
6・・・巻取紙
7・・・フィルターセクション
8・・・疎水性繊維
9・・・繊維間結合点
10・・・融着部分
61・・・空気不透過層
62・・・不織布から構成される層
Claims (8)
- 疎水性繊維からなり、繊維間結合点を有する不織布の層を含み、表面と裏面の少なくとも一方の面の水に対する接触角が90°以上であり、厚さが100μm〜300μmである、たばこフィルター用巻取紙。
- 疎水性繊維からなり、繊維間結合点を有する不織布の層と、空気不透過性層を含み、表面と裏面の少なくとも一方の面の水に対する接触角が50°以上であり、厚さが100μm〜300μmである、たばこフィルター用巻取紙。
- 空気不透過性層が、ポリオレフィンからなる層である、請求項2に記載のたばこフィルター用巻取紙。
- 表面と裏面の少なくとも一方のRa値が10以上である、請求項1〜3の何れか一項に記載のたばこフィルター用巻取紙。
- 疎水性繊維が、二重芯鞘構造を有する繊維である、請求項1〜4の何れか一項に記載のたばこフィルター用巻取紙。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のたばこフィルター用巻取紙と、濾材を含む、たばこフィルター。
- 前記濾材には水溶性液体が添加されている、請求項6に記載のたばこフィルター。
- 請求項6または7に記載のたばこフィルターと、たばこロッドを含む、シガレット。
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