JP6544270B2 - 鋳造装置および鋳造製品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳造装置および鋳造製品の製造方法に関する。
従来、型閉じ時に可動金型と固定金型との間に形成される空間であるキャビティに溶融金属を流し込んで製品形状を成形する鋳造が製法として用いられている。特許文献1に記載のように、キャビティに対し前進後退可能な可動入れ子が鋳造金型内部に設けられている鋳造装置が知られている。
特開2002−059252号公報
一般に、ハーゲン・ポアズイユの式で表されるように、溶融金属のような粘性流体の流れにおいて、キャビティにおける狭い流路を溶融金属が流れる速さは、広い流路を溶融金属が流れる速さよりも遅くなる。このため、薄肉部と厚肉部とが混在する偏肉部を有する鋳造製品を製造する場合、薄肉部における溶融金属の流れが遅いため、溶融金属がキャビティの一部を未充填のまま凝固する湯回り不良が発生する。または、溶融金属が熱量不足で十分融合しないまま凝固する湯境等の欠陥が発生する。
湯回り不良または湯境等の問題を防止するため、特許文献1に記載のような可動入れ子が用いられる。可動入れ子は、キャビティに溶融金属を注入する前である初期状態において後退している。キャビティに溶融金属を注入し充填した後、可動入れ子は前進し、溶融金属を押し退けながら、偏肉部を有する製品形状を形成する。
可動入れ子が前進するとき、溶融金属と摩擦し、可動入れ子は溶融金属から抵抗を受ける。このため、可動入れ子に比較的大きな力を加えて、可動入れ子と金型とが摺動する。比較的大きな力で可動入れ子と金型とが摺動するとき、可動入れ子と金型との摩擦力が大きくなり、可動入れ子と鋳造金型との摩耗が増大する。
また、キャビティ内における溶融金属が凝固して鋳造製品が完成し、鋳造製品を取り出すとき、鋳造製品は可動入れ子に付着している。このため、鋳造製品を取り出すために、可動入れ子が後退するとき、比較的大きな力を加えて、鋳造製品と可動入れ子とを引き剥がす。このとき、鋳造製品が変形する虞がある。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、偏肉部を有する鋳造製品を製造可能にし、鋳造金型における摩耗を抑制し、鋳造製品の変形を抑制する鋳造装置および鋳造製品の製造方法を提供することにある。
本発明は、薄肉部(31)と厚肉部(32)とが混在する偏肉部(33)を有する製品を鋳造する鋳造装置であって、可動金型(10)、固定金型(7)、注入部(60)可動入れ子(15)、金型温度センサ(13)、溶融金属保持炉(62)、配管(64)、溶融金属温度センサ(66)および入れ子制御部(25)を備える。、
可動金型は、筒状で開閉方向に移動可能である。
固定金型は、型閉じ時に可動金型との間にキャビティ(8)を形成する。
注入部は、溶融金属(5)を加圧してキャビティに注入する。
可動入れ子は、可動金型に収容され、キャビティに対し前進後退可能に形成されており、前進したときキャビティ内における溶融金属により薄肉部および厚肉部を成形する。
金型温度センサは、可動金型の温度である金型温度(Td)を測定可能である。
溶融金属保持炉は、溶融金属を貯蔵する。
配管は、溶融金属保持炉と固定金型とを連通する。
溶融金属温度センサは、配管内の溶融金属の温度である溶融金属温度(Tm)を測定可能である。
入れ子制御部は、可動入れ子がキャビティに対し前進する時刻である入れ子前進時刻(x_ns)を制御可能である。
た、可動入れ子は、可動金型における内側壁(141)と対向する外側面(153)に、キャビティに向かって径が縮小するように傾斜する傾斜面(154)が形成されている。可動入れ子は、キャビティに対し前進したとき、先端面と固定金型の対向する面との間に厚肉部を成形し、傾斜面と固定金型の対向する面との間に薄肉部を成形する。
さらに、可動金型における内側壁と傾斜面との間に、キャビティと連通し薄肉部として成形される溶融金属が注入される隙間(155)が形成されている。
注入部が溶融金属をキャビティに注入したときの時刻を注入時刻(x_in)とする。
入れ子制御部は、注入時刻における金型温度である注入時金型温度(Td_in)および注入時刻における溶融金属温度である注入時溶融金属温度(Tm_in)に基づいて、入れ子前進時刻を決定する。
本発明の鋳造装置は、可動入れ子によって、薄肉部または厚肉部が混在する偏肉部を有する鋳造製品を製造可能にする。また、可動入れ子の傾斜面および隙間が形成されていることによって、可動入れ子が前進するときに生じる溶融金属との抵抗力が低減する。これにより、可動入れ子が前進するときに加える力を小さくすることができ、鋳造装置の摩耗を抑制することができる。さらに、可動入れ子の傾斜面が形成されていることによって、可動入れ子が後退するときに生じる鋳造製品との抵抗力が低減する。これにより、可動入れ子が後退するときに加える力を小さくすることができ、鋳造製品の変形を抑制することができる。
また、本発明は、上記鋳造装置を用いた鋳造製品の鋳造方法として提供される。
この鋳造製品の製造方法は、溶融金属を注入したときから溶融金属が凝固完了するまでに、可動入れ子がキャビティに向かって前進し、キャビティ内における溶融金属に薄肉部または厚肉部を形成する偏肉部成形工程(S405)を含む。また、可動入れ子が前進した状態で溶融金属を凝固させ、溶融金属が凝固完了後、可動入れ子がキャビティとは反対側に向かって後退する凝固工程(S406)を含む。これにより上記鋳造装置と同様の効果を奏する。
本発明の第1実施形態による鋳造装置の断面図。 本発明の第1実施形態による金型温度制御部が行う処理を説明するためのフローチャート。 本発明の第1実施形態による溶融金属温度制御部が行う処理を説明するためのフローチャート。 本発明の第1実施形態による入れ子制御部が行う処理を説明するためのフローチャート。 本発明の第1実施形態による可動金型と固定金型とが型閉じしたときにおける鋳造装置の断面図。 図5におけるVI部拡大図。 本発明の第1実施形態によるキャビティに溶融金属が注入されたときにおける鋳造装置の断面図 図7におけるVIII部拡大図。 本発明の第1実施形態による可動入れ子が前進したときにおける鋳造装置の断面図。 図9におけるX部拡大図。 本発明の第1実施形態による可動入れ子が前進するときにおける力の作用図。 本発明の第1実施形態による可動入れ子が後退するときにおける力の作用図。 本発明の第1実施形態による金型温度、可動入れ子のストロークおよび溶融金属注入してから凝固するまでのサイクルタイムの関係を示す特性図。 本発明の第1実施形態による溶融金属温度、可動入れ子のストロークおよび溶融金属注入してから凝固するまでのサイクルタイムの関係を示す特性図。 本発明の第2実施形態による可動入れ子が前進したときにおける断面図。 本発明の第1実施形態による鋳造製品の製造方法を説明するためのフローチャート。 比較例の可動入れ子が前進するときにおける力の作用図。 比較例の可動入れ子が後退するときにおける力の作用図。
以下、本発明の実施形態による鋳造装置1を図面に基づいて説明する。複数の実施形態の説明において、第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明する。また、「本実施形態」という場合、第1および第2実施形態を包括する。これらの実施形態の鋳造装置は、例えば、鋳造方法の1つである低圧鋳造法に用いられる。
(第1実施形態)
図1に示すように、鋳造装置1は、固定金型7、支持部9、可動金型10、金型駆動部51、金型温度制御部52、注入部60を備える。
固定金型7は、可動金型10と対向し、型閉じ時に可動金型10との間に空間であるキャビティ8を形成する。
支持部9は、2つのスプリング91、92を介して可動金型10を支持している。スプリング91、92は、開閉方向に可動金型10を付勢する。
可動金型10は、筒状に形成されており、開閉方向に移動可能である。また、可動金型10は、筒部11、金型ヒータ12、金型温度センサ13、固定入れ子14、可動入れ子15および入れ子駆動部16を有する。
筒部11は、可動金型10に収容され、開閉方向に延びるように筒状に形成されており、可動金型10内を摺動可能である。可動金型10における閉方向側の先端部111および先端部111とは反対側に基端部112を含む。
金型ヒータ12は、棒状に形成され、筒部11に収容されている。また、金型ヒータ12は、加熱部121を先端部111側に含む。
加熱部121は、可動金型10を加熱可能で、アルミナや窒化珪素等のセラミックスに発熱体が内蔵されるセラミックヒータである。
金型温度センサ13は、棒状に形成されており、筒部11の内部に設けられている。金型温度センサ13は、例えば、2種類の金属線の先端同士が接触した回路を作り、接合点に発生する熱起電力を通じて温度差を測定する熱電対である。金型温度センサ13は、例えば、JIS規格熱電対であるK熱電対が用いられる。
金型温度センサ13は、先端部111側に温度測定部131を含み、温度測定部131は、可動金型10における温度である金型温度Td[℃]を測定可能である。
固定入れ子14は、奥行方向における断面がL字形状で、先端部111側に収容されている。
可動入れ子15は、固定入れ子14に収容され、円筒状に形成されている。可動入れ子15の内側面151と先端部111の外側壁113とが係合している。
また、可動入れ子15は、外側面153に摺動面152と後述の傾斜面154を有する。摺動面152は、固定入れ子14の内側壁141に沿って摺動する。可動入れ子15は、筒部11、金型ヒータ12および金型温度センサ13とともにキャビティ8に対し前進後退可能である。可動入れ子15がキャビティ8に対し前進したとき、キャビティ8内における溶融金属5を押し退け、溶融金属5に薄肉部31または厚肉部32を形成する。
さらに、可動入れ子15は、材料としてチタン合金が用いられている。チタン合金は、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、クロム(Cr)または鉄(Fe)の少なくとも1つの元素を含むチタン合金である。
入れ子駆動部16は、リンク機構17、エアシリンダ18および入れ子制御部25を含む。
リンク機構17は、第1連結部材19、第2連結部材20および回転体21で構成されている。
第1連結部材19は、一端191が基端部112に連結しており、他端192が回転体21に連結している。
第2連結部材20は、一端201が回転体21に連結しており、他端202がエアシリンダ18のピストン22に連結している。
第1連結部材19と第2連結部材20とは、回転体21の軸方向において互いに異なる面で連結しており、回転体21の径方向において互いに異なる位置で連結されている。
エアシリンダ18は、可動金型10に取り付けられる架台181に搭載され、ピストン22を収容する。エアシリンダ18は、圧縮空気を機械的な動力に変え、ピストン22が第2連結部材20とともに開閉方向に向かって直線運動を行う。エアシリンダ18に代替して、油圧を機械的な動力に変える油圧シリンダを用いてもよい。
エアシリンダ18内に圧縮空気を導入しない初期状態では、第2連結部材20は第1連結部材19よりも閉方向に位置している。
エアシリンダ18内に圧縮空気を導入するとき、圧縮空気の圧力によってピストン22は開方向に移動する。第2連結部材20が開方向に移動し、回転体21が回転する。回転体21が反時計回りに回転して、第1連結部材19が閉方向に移動する。このとき、第1連結部材19とともに、筒部11、金型ヒータ12、金型温度センサ13および可動入れ子15が閉方向に移動する。
エアシリンダ18内に圧縮空気の導入を止めたとき、エアシリンダ18内の圧力が低下し、ピストン22は閉方向に移動する。第2連結部材20が閉方向に移動し、回転体21が回転する。回転体21が時計回りに回転して、第1連結部材19が開方向に移動する。このとき、第1連結部材19とともに、筒部11、金型ヒータ12、金型温度センサ13および可動入れ子15が開方向に移動する。
入れ子制御部25は、マイコンを主体として構成されている。入れ子制御部25における処理は、ROM等の実体的なメモリ装置に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理であってもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理であってもよい。
入れ子制御部25は、エアシリンダ18内に圧縮空気を導入し、エアシリンダ18内の圧力を制御可能である。入れ子制御部25は、圧力制御をすることによって、可動入れ子15がキャビティ8に対し前進後退する時刻を制御可能になる。
入れ子制御部25は、後述の注入部60からキャビティ8に溶融金属5を注入した時刻である注入時刻x_inを取得する。
注入時刻x_inにおける金型温度Tdである注入時金型温度Td_in[℃]とし、注入時刻x_inにおける後述の溶融金属温度Tmを注入時溶融金属温度Tm_in[℃]とする。
入れ子制御部25は、注入時金型温度Td_inと注入時溶融金属温度Tm_inに基づいて、可動入れ子15がキャビティ8に対し前進する時刻である入れ子前進時刻x_nsを制御する。
金型駆動部51は、図示しないエアシリンダが用いられる。金型駆動部51によって可動金型10が開閉方向に移動可能になる。また、金型駆動部51は、油圧シリンダを用いてもよい。
金型温度制御部52は、入れ子制御部25と同様に、マイコンを主体として構成されている。
金型温度制御部52は、金型温度センサ13が測定した金型温度Tdに基づいて金型ヒータ12を加熱し、可動金型10の金型温度Tdを制御可能である。金型温度制御部52は、破線矢印で示すように、金型温度センサ13からの信号が入力され、金型温度Tdを検出する。金型温度制御部52は、金型温度Tdを制御することによって、キャビティ8内の温度およびキャビティ8内における溶融金属5の温度を制御可能である。
注入部60は、溶融金属5を加圧して、キャビティ8に溶融金属5を注入する。
注入部60は、材料投入部61、溶融金属保持炉62、加圧制御部63、配管64、配管ヒータ65、溶融金属温度センサ66および溶融金属温度制御部67を有する。
材料投入部61は、溶融する材料が投入される。溶融する材料は、例えば、アルミニウム(Al)が用いられる。材料投入部61の周囲に設けられる投入部ヒータ611によって、材料を加熱溶融し、溶融金属5を生成可能にする。
溶融金属保持炉62は、奥行方向における断面がL字形状で筒状に形成されている。溶融金属保持炉62は、材料投入部61と連結しており、材料投入部61によって生成した溶融金属5を貯蔵する。溶融金属保持炉62は、図示しないヒータが内蔵されており、溶融金属5が固体化しない温度になっており、溶融金属5を保持する。図中において、溶融金属5の所在を明確にするため、溶融金属5をドット柄で記載している。
加圧制御部63は、溶融金属保持炉62が保持する溶融金属5に空気圧を用いて加圧し、溶融金属5を配管64に供給する。
配管64は、溶融金属保持炉62と固定金型7とを連通する。配管64を介して加圧された溶融金属がキャビティ8に注入される。
配管ヒータ65は、シース外径が1.0〜6.4mmの細管シース型マイクロヒータが用いられており、配管64の外側面に巻き付けられている。また、配管ヒータ65に、高純度のアルミナ(Al23)およびシリカ(SiO2)を主成分とした人造無機繊維であるセラミックファイバーに、発熱体を一定の配列で埋め込まれたセラミックファイバーヒータを用いてもよい。
溶融金属温度センサ66は、配管64の側部に挿入されており、配管64における溶融金属5の温度である溶融金属温度Tm[℃]を測定可能である。配管64における配管温度を測定することによって、キャビティ8に注入される溶融金属温度Tmを測定可能である。溶融金属温度センサ66は、例えば、金型温度センサ13と同様に、JIS規格熱電対であるK熱電対が用いられる。
溶融金属温度制御部67は、入れ子制御部25や金型温度制御部52と同様に、マイコンを主体として構成されている。
溶融金属温度制御部67は、溶融金属温度センサ66が測定した溶融金属温度Tmに基づいて配管ヒータ65を加熱し、溶融金属温度Tmを制御可能にする。破線矢印に示すように、溶融金属温度センサ66から溶融金属温度Tmが溶融金属温度制御部67に入力される。
(作用)
金型温度制御部52、溶融金属温度制御部67および入れ子制御部25が行う処理について説明する。
金型温度制御部52が行う処理について、図2のフローチャートに基づき説明する。以下、フローチャートにおいて、記号「S」はステップを意味する。可動金型10における予め設定された温度を金型設定温度Tsとする。金型設定温度Tsは、溶融する材料、実験またはシミュレーション等によって求めることができる。金型設定温度Tsは、例えば、数百度以上から千数百度以下である。
ステップ101において、金型温度センサ13によって測定された金型温度Tdを取得する。
ステップ102において、金型温度Tdと金型設定温度Tsから5℃を減算した値Ts−5とを比較する。金型温度TdがTs−5を下回るとき、ステップ103に移行する。
ステップ103において、金型ヒータ12によって可動金型10を加熱し、金型温度Tdが上昇し、ステップ101に戻る。
一方、ステップ102において、金型温度TdがTs−5以上になるとき、ステップ104に移行する。
ステップ104において、金型温度Tdと金型設定温度Tsに5℃を加算した値Ts+5とを比較する。金型温度TdがTs+5を下回るとき、ステップ105に移行する。
ステップ105において、金型温度Tdと金型設定温度Tsとを比較し、金型温度Tdが金型設定温度Tsを下回るとき、ステップ106に移行する。
ステップ106において、金型ヒータ12によって可動金型10を加熱し、金型温度Tdが上昇し、ステップ104に戻る。
一方、ステップ104おいて、金型温度TdがTs+5以上となるとき、終了する。また、一方、ステップ105において、金型温度Tdが金型設定温度Ts以上となるとき、終了する。
金型温度制御部52は、金型温度Tdが金型設定温度Tsとなるように制御しつつ、金型温度Tdが、Ts−5以上でTs+5以下の範囲となるように、すなわち、Ts−5≦Td≦Ts+5 となるように制御する。ここで、「=」は、常識的な誤差範囲を含む。以下、「=」、「等しく」、「等しい」は、同様に拡大解釈するものとする。
溶融金属温度制御部67が行う処理について説明する。配管64内の溶融金属5における予め設定された温度を溶融金属設定温度Tpとする。溶融金属設定温度Tpは、金型設定温度Tsと同様に求めることができる。
溶融金属温度制御部67が行う処理は、金型温度制御部52の処理において、金型温度Tdを溶融金属温度Tmに置換し、金型設定温度Tsを溶融金属設定温度Tpに置換した処理と同様である。
溶融金属温度制御部67が行う処理について、図3のフローチャートに基づき説明する。
ステップ201において、溶融金属温度センサ66によって測定された溶融金属温度Tmを取得する。
ステップ202において、溶融金属温度Tmと溶融金属設定温度Tpから5℃を減算した値Tp−5とを比較する。溶融金属温度TmがTp−5よりも下回るとき、ステップ203に移行する。
ステップ203において、配管ヒータ65によって配管64を加熱し、配管64の温度が上昇する。溶融金属温度Tmが上昇し、ステップ201に戻る。
一方、ステップ202において、溶融金属温度TmがTp−5以上になるとき、ステップ204に移行する。
ステップ204において、溶融金属温度Tmと溶融金属設定温度Tpに5℃を加算した値Tp+5とを比較する。溶融金属温度TmがTp+5を下回るとき、ステップ205に移行する。
ステップ205において、溶融金属温度Tmと溶融金属設定温度Tpとを比較する。溶融金属温度Tmが溶融金属設定温度Tpを下回るとき、ステップ206に移行する。
ステップ206において、配管ヒータ65によって配管64を加熱し、配管64の温度が上昇する。溶融金属温度Tmが上昇し、ステップ204に戻る。
一方、ステップ205において、溶融金属温度TmがTp+5以上になるとき、終了する。一方、ステップ206において、溶融金属温度Tmが溶融金属設定温度Tp以上になるとき、終了する。
溶融金属温度制御部67は、溶融金属温度Tmが溶融金属設定温度Tpとなるように制御しつつ、溶融金属温度TmがTp−5以上でTp+5以下の範囲となるように、すなわち、Tp−5≦Tm≦Tp+5となるように制御する。
入れ子制御部25が行う処理について、図4のフローチャートに基づき説明する。可動入れ子15がキャビティ8に向かって前進する時刻を入れ子前進時刻x_nsとする。
ステップ301において、注入部60における加圧制御部63が溶融金属5を加圧し、キャビティ8に注入した注入時刻x_inを取得する。
ステップ302において、注入時金型温度Td_inを金型温度制御部52から取得し、注入時溶融金属温度Tm_inを溶融金属温度制御部67から取得する。
ステップ303において、注入時金型温度Td_inおよび注入時溶融金属温度Tm_inに基づいて、入れ子前進時刻x_nsを決定する。
ステップ304において、入れ子前進時刻x_nsにおいて、圧縮空気を導入する指令をエアシリンダ18にし、可動入れ子15が前進する。
鋳造装置1の作用について説明する。
初期状態では、可動金型10は開いており、エアシリンダ18に圧縮空気は導入されていない。また、金型温度制御部52によって金型温度Tdは制御されており、溶融金属温度制御部67によって溶融金属温度Tmは制御されている。さらに、注入部60において溶融金属5が生成され、溶融金属保持炉62に貯蔵されている。
図5、6に示すように、金型駆動部51によって可動金型10が閉方向に移動したとき、スプリング91、92が可動金型10を閉方向に付勢し、可動金型10と固定金型7とが密閉される。このとき、可動金型10と固定金型7との間にキャビティ8が形成され、金型温度Tdは、金型設定温度Tsに調整される。
図7、8に示すように、固定金型7と可動金型10と型閉じ後、加圧制御部63が溶融金属5を加圧し、配管64を介してキャビティ8に溶融金属5が注入される。このとき、溶融金属温度Tmは、溶融金属設定温度Tpに調整されている。
破線矢印に示すように、加圧制御部63から入れ子制御部25に注入時刻x_inが入力される。入れ子制御部25は金型温度制御部52から注入時金型温度Td_inを取得し、溶融金属温度制御部67から注入時溶融金属温度Tm_inを取得する。
入れ子制御部25は、注入時金型温度Td_inおよび注入時溶融金属温度Tm_inに基づいて、入れ子前進時刻x_nsを決定する。
図9、10に示すように、キャビティ8に溶融金属5が充填され、入れ子制御部25が決定した入れ子前進時刻x_nsに、エアシリンダ18に圧縮空気が導入される。圧縮空気が導入され、ピストン22と第2連結部材20とが開方向に移動する。回転体21が反時計回りに回転し、第1連結部材19が閉方向に移動する。
第1連結部材19が閉方向に移動し、可動入れ子15がキャビティ8に向かって前進する。可動入れ子15が前進したとき、薄肉部31と厚肉部32とが混在する偏肉部33を有する製品形状に、キャビティ8内における溶融金属5を成形する。薄肉部31は、厚肉部32と比較して、流路の幅が狭くなるように調整されている。
可動入れ子15が前進した状態で溶融金属5が凝固完了後、入れ子制御部25がエアシリンダ18内に圧縮空気の導入を停止する。エアシリンダ18内の圧力が低下し、可動入れ子15が後退する。可動入れ子15が後退後、金型駆動部51によって可動金型10が開方向に移動し、鋳造製品6が完成する。図中において、鋳造製品は、溶融金属5と区別するため、斜線のハッチングで示す。
図17に示すように、従来、比較例1である鋳造装置900において、可動入れ子901が溶融金属5を押し退けるため、可動入れ子901に比較的大きな力を加えて、可動入れ子901が前進していた。可動入れ子901がキャビティ903に向かって前進する方向に加える力をFaとし、可動入れ子901と可動金型902との摩擦力をFcとし、可動入れ子901と溶融金属5との生じる抵抗力(せん断力)をτsとする。
可動入れ子901が前進するとき、以下関係式(1)が満たされている。可動入れ子901に力Faを加えるとき、溶融金属5から力Faと同等の抵抗力(せん断力)が可動入れ子901に発生し、可動入れ子901の摩耗が増大していた。
Fa>Fc+τs ・・・(1)
また、可動入れ子901が前進した状態で溶融金属5が凝固完了後、可動入れ子901は、鋳造製品90と付着している。このため、可動入れ子901に比較的大きな力を加えて可動入れ子901が後退し、可動入れ子901と鋳造製品90とを引き剥がしていた。可動入れ子901が後退する方向に加える力をFbとし、可動入れ子901の外側面905と鋳造製品904との間に働く抵抗力をFsとし、可動入れ子901の端面907と鋳造製品904との間に働く抵抗力をFpとする。
抵抗力Fsは、可動入れ子901が後退するときの可動入れ子901の外側面905と鋳造製品904とに摩擦力によって生じる。抵抗力Fpは、端面907と鋳造製品904とが付着力によって生じる。
図18に示すように、可動入れ子901が後退するとき、以下関係式(2)が満たされている。可動入れ子901に力Fbを加えるとき、力Fbによって鋳造製品904が変形する虞があった。
Fb>Fc+Fs+Fp ・・・(2)
そこで、本実施形態では、偏肉部を有する鋳造製品を製造可能にし、鋳造金型における摩耗を抑制し、鋳造製品の変形を抑制するため、可動入れ子15に「ある工夫」をしている。以下、本実施形態の特徴構成を説明する。
(特徴構成)
図6に戻って、本実施形態における可動入れ子15は、固定入れ子14の内側壁141と対向する外側面153に、キャビティ8に向かって可動入れ子15の径が縮小するように傾斜する傾斜面154が形成されている。
傾斜面154は、外側面153において摺動面152を除く範囲Aiに形成されている。範囲Aiにおける可動入れ子15はテーパ状に形成されている。固定入れ子14の内側壁141に平行する面と傾斜面154とのなす角度を勾配角度θとする。勾配角度θは、数度から十数度である。図中において、傾斜面154は、特徴を示すために、誇張して記載している。
また、固定入れ子14の内側壁141と傾斜面154との間に、隙間155が形成されている。固定入れ子14の内側壁141から傾斜面154までの最小距離を隙間155における距離である隙間距離Lとする。範囲Aiにおける可動入れ子15の最大径をDmaxとし、範囲Aiにおける可動入れ子15の最小径をDminとし、最大径Dmaxと最小径Dminとの差の2分の1を差分ΔDとする。
隙間距離Lは、差分ΔDよりも大きくなるように、すなわち、L>ΔD となるように、隙間155が形成され、固定入れ子14および可動入れ子15の径が調整されている。
(効果)
[1]本実施形態における可動入れ子15は、薄肉部または厚肉部が混在する偏肉部を有する鋳造製品を製造可能にし、キャビティ8に向かって径が縮小するように傾斜する傾斜面154が形成されている。傾斜面154によって、可動入れ子15を前進後退するときに加える力を低減でき、可動入れ子15の摩耗および鋳造製品6の変形を抑制することができる。
可動入れ子15がキャビティ8に向かって前進する方向に働く力をFa_vとする。
図11に示すように、可動入れ子15が前進するとき、力Fa_v、摩擦力Fcおよび抵抗力(せん断力)τs×cosθが加わる。可動入れ子15と固定入れ子14との摩擦力は、摩擦力Fcと働く方向および力の大きさは同一である。また、可動入れ子15が前進するときに溶融金属5から受ける抵抗力は、可動入れ子901が前進するときに溶融金属5から受ける抵抗力τsと働く力の方向は異なるが、力の大きさは同一である。
可動入れ子15が前進するとき、以下関係式(3)が満たされる。関係式(1)と関係式(3)とを比較すると、可動入れ子15が前進するのを妨げる方向(後退方向)に向く抵抗力τsの成分が勾配角度θによって低減し、力Fa_vは力Faよりも低減する。したがって、可動入れ子15の摩耗を抑制することができる。
Fa_v>Fc+τs×cosθ ・・・(3)
可動入れ子15が前進した状態で溶融金属5が凝固後、可動入れ子15が後退方向に加える力をFb_vとする。
図12に示すように、可動入れ子15が後退するとき、力Fb_v、摩擦力Fc、抵抗力Fsおよび抵抗力Fpが加わる。傾斜面154と鋳造製品6との抵抗力は、抵抗力Fsと働く力の方向は異なるが、力の大きさは同一である。また、抵抗力Fpは働く方向および力の大きさは同一である。
可動入れ子15が後退するとき、以下関係式(4)が満たされる。関係式(2)と関係式(4)とを比較すると、可動入れ子15が後退するのを妨げる方向(前進方向)に向く抵抗力Fsの成分が勾配角度θによって低減し、力Fb_vは力Fbよりも低減する。したがって、鋳造製品6の変形を抑制することができる。
Fb_v>Fc+Fs×cosθ+Fp ・・・(4)
[2]固定入れ子14の内側壁141と傾斜面154との間に、隙間距離Lが、差分ΔDよりも大きい隙間155が形成されている。隙間が形成されていることによって、充填時に隙間155に入り込む溶融金属5の熱容量が大きくなる。このため、内側壁141と傾斜面154との間に入る溶融金属5が充填中に凝固してしまうことが抑制され、抵抗力τsが低減する。したがって、可動入れ子15が前進するときに加える力Fa_vをさらに低減することができる。
[3]金型温度制御部52は、金型温度TdがTs−5以上で、Ts+5以下となるように、制御する。
図13は、金型温度Td、ストロークおよびサイクルタイムの関係を示す特性図である。ストロークは、可動入れ子15が前進可能な移動量である。金型温度Tdが高くなるに伴い、溶融金属5の粘度が低下し、溶融金属5が流動しやすくなるため、ストロークを大きくすることができる。
サイクルタイムは、溶融金属5を注入してから溶融金属5が凝固するまでの時間である。冷却して凝固する時間が長くなるため、金型温度Tdが高くなるに伴いサイクルタイムは長くなる。
本実施形態に用いられる鋳造装置1のストロークに関する特性に基づいて検討すると、金型温度TdをTs−5以上にすることによって、ストロークが許容値以上となる。
また、サイクルタイムに関する特性に基づいて検討すると、金型温度TdをTs+5以上にすることによって、サイクルタイムが許容値以下となる。
[4]溶融金属温度制御部67は、溶融金属温度TmがTp−5以上でTp+5以下となるように制御する。
図14は、溶融金属温度Tm、ストロークおよびサイクルタイムの関係を示す特性図である。金型温度Tdと同様に、溶融金属温度Tmが高くなるに伴い、ストロークは大きくなり、サイクルタイムも長くなる。
本実施形態に用いられる鋳造装置1のストロークに関する特性に基づいて検討すると、溶融金属温度TmをTp−5以上にすることによって、ストロークが許容値以上となる。また、サイクルタイムに関する特性に基づいて検討すると、溶融金属温度TmをTp−5以下にすることのよって、サイクルタイムが許容値以下となる。
[5]可動入れ子15に、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、または鉄(Fe)の少なくとも1つの元素を含むチタンであるチタン合金が用いられている。チタン合金は強度が比較的高く、熱伝導率が比較的低いため、可動金型10の強度と断熱性とを両立して確保することができる。
[6]入れ子制御部25が、注入時金型温度Td_inおよび注入時溶融金属温度Tm_inに基づいて、入れ子前進時刻x_nsが決定されるため、キャビティ8内の溶融金属5の凝固状態を予測して、可動入れ子15がキャビティ8に対し前進することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態の構成では、可動入れ子が前進したとき、可動入れ子が固定金型に接触する点を除き、第1実施形態と同様である。
図15に示すように、溶融金属5が鋳造装置2におけるキャビティ8に充填され、可動入れ子15がキャビティ8に向かって前進したとき、可動入れ子15の外側面153と固定金型7の内側面71とが接触する。可動入れ子15と固定金型7との接触部である閉塞部157が形成されるように、可動入れ子15および固定金型7の径が調整されている。閉塞部157が形成されている状態で、溶融金属5を凝固する。このような構成において、第1実施形態と同様の効果を奏する。さらに、閉塞部157が形成されていることによって、孔を有する鋳造製品6が製造可能になる。
(製造方法)
鋳造装置1を用いた鋳造製品6の製造方法について、図16のフローチャートおよび図3〜10を参照して説明する。
鋳造製品6の製造方法は、キャビティ形成工程、金型加熱工程、材料溶融工程、溶融金属注入工程、偏肉部成形工程、凝固工程および冷却工程を含む。
ステップ401のキャビティ形成工程では、図5、6に示すように、金型駆動部51によって可動金型10を閉じ、可動金型10と固定金型7との間にキャビティ8を形成する。
ステップ402の金型温度制御工程では、金型ヒータ12を加熱する。可動金型10、固定金型7およびキャビティ8の温度が上昇し、金型温度Tdが上昇する。図3に示すように、金型温度制御部52によって、金型温度TdがTs−5以上、且つ、Ts+5以下になるように調整する。
ステップ403の材料溶融工程では、材料投入部61に材料を投入し、材料投入部61に設けられる投入部ヒータ611によって材料を加熱溶融し、溶融金属5を生成する。加圧制御部63により生成された溶融金属5を加圧し、配管64に溶融金属5を供給する。
このとき、図4に示すように、溶融金属温度制御部67によって、溶融金属温度TmがTp―5以上、且つ、Tp+5以下になるように調整する。
ステップ404の溶融金属注入工程では、図7、8に示すように、加圧制御部63によりさらに加圧し、配管64の溶融金属5をキャビティ8に注入する。
ステップ405の偏肉部成形工程では、図9、10に示すように、溶融金属5を注入したときから注入した溶融金属5が凝固完了するまでの期間内に、可動入れ子15が前進する。入れ子前進時刻x_nsに可動入れ子15が前進し、薄肉部31と厚肉部32とが混在する偏肉部33を有する製品形状にキャビティ8内における溶融金属5を形成する。鋳造装置1を用いるとき、このときの可動入れ子15の摩耗を抑制することができる。
ステップ406の凝固工程では、可動入れ子15が前進した状態で溶融金属5を冷却し、凝固させる。溶融金属5が凝固完了後、可動入れ子15がキャビティ8とは反対側に後退する。金型駆動部51によって可動金型10を開き、鋳造製品6が完成する。鋳造装置1を用いるとき、可動入れ子15が後退時に生じる鋳造製品6の変形を抑制することができる。
(その他実施形態)
(i)本実施形態では、可動入れ子を1つとしたが、製品形状によって複数設ける構成にしてもよい。第1実施形態と同様の効果を奏する。
(ii)可動入れ子は、開閉方向の断面が円形形状に限らず、多角形形状や楕円形状であってもよい。第1実施形態と同様の効果を奏する。
(iii)本実施形態に用いられる鋳造は、低圧鋳造法に限らず、キャビティに溶融金属を高圧で注入するダイカストや、溶融金属を遠心力で注入する遠心鋳造法であってもよい。
(iv)配管ヒータは、発熱体に耐熱ニッケルクロムリボン線を配線され、マイカ板で絶縁後、金属外装板で圧縮されたヒータであるバンドヒータを用いてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
5 ・・・溶融金属、
7 ・・・固定金型、
8 ・・・キャビティ、
10 ・・・可動金型、
141 ・・・内側壁、
15 ・・・可動入れ子、
152 ・・・摺動面、 153 ・・・外側面、 154 ・・・傾斜面、
155 ・・・隙間。

Claims (7)

  1. 薄肉部(31)と厚肉部(32)とが混在する偏肉部(33)を有する製品を鋳造する鋳造装置であって、
    開閉方向に移動可能な可動金型(10)と、
    型閉じ時に前記可動金型との間にキャビティ(8)を形成する固定金型(7)と、
    溶融金属(5)を加圧して前記キャビティに注入する注入部(60)と、
    前記可動金型に収容され、前記キャビティに対し前進後退可能に形成されており、前進したとき前記キャビティ内における融金属により前記薄肉部および前記厚肉部を成形する可動入れ子(15)と、
    前記可動金型の温度である金型温度(Td)を測定可能な金型温度センサ(13)と、
    前記溶融金属を貯蔵する溶融金属保持炉(62)と、
    前記溶融金属保持炉と前記固定金型とを連通する配管(64)と、
    前記配管内の溶融金属の温度である溶融金属温度(Tm)を測定可能な溶融金属温度センサ(66)と、
    前記可動入れ子が前記キャビティに対し前進する時刻である入れ子前進時刻(x_ns)を制御可能な入れ子制御部(25)と、
    を備え、
    前記可動入れ子は、前記可動金型における内側壁(141)と対向する外側面(153)に、前記キャビティに向かって径が縮小するように傾斜する傾斜面(154)が形成されており、前記キャビティに対し前進したとき、先端面と前記固定金型の対向する面との間に前記厚肉部を成形し、前記傾斜面と前記固定金型の対向する面との間に前記薄肉部を成形し、
    前記可動金型における内側壁と前記傾斜面との間に、前記キャビティと連通し前記薄肉部として成形される溶融金属が注入される隙間(155)が形成されており、
    前記注入部が溶融金属を前記キャビティに注入したときの時刻を注入時刻(x_in)とすると、
    前記入れ子制御部は、前記注入時刻における前記金型温度である注入時金型温度(Td_in)および前記注入時刻における前記溶融金属温度である注入時溶融金属温度(Tm_in)に基づいて、前記入れ子前進時刻を決定する鋳造装置。
  2. 前記可動金型を加熱可能な金型ヒータ(12)と、
    記金型温度に基づいて前記金型ヒータを加熱し、前記金型温度を制御可能な金型温度制御部(52)と、
    をさらに備え、
    前記金型温度制御部は、予め設定される金型設定温度(Ts)に対し、前記金型設定温度から5℃を減算した値(Ts−5)以上で前記金型設定温度に5℃を加算した値(Ts+5)以下となるように、前記金型温度を制御する請求項に記載の鋳造装置。
  3. 記配管を加熱可能な配管ヒータ(65)と、
    記溶融金属温度に基づいて前記配管ヒータを加熱し、前記溶融金属温度を制御可能な溶融金属温度制御部(67)と、
    をさらに備え、
    前記溶融金属温度制御部は、予め設定される溶融金属設定温度(Tp)に対し、前記溶融金属設定温度から5℃を減算した値(Tp−5)以上で前記溶融金属設定温度に5℃を加算した値(Tp+5)以下となるように、前記溶融金属温度を制御する請求項1または2に記載の鋳造装置。
  4. 前記隙間は、前記可動金型の内側壁から前記傾斜面までの距離(L)が前記傾斜面における前記可動入れ子の最大径(Dmax)と前記可動入れ子の最小径(Dmin)との差の2分の1(ΔD)よりも大きくなるように形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の鋳造装置。
  5. 前記可動入れ子は、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、または鉄(Fe)の少なくとも1つの元素を含むチタン合金で形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の鋳造装置。
  6. 前記可動入れ子が前進し前記可動入れ子の前記傾斜面が前記固定金型の対向する面に接触したとき、前記キャビティの周方向の少なくとも一部において閉塞部(157)を有する請求項1〜3のいずれか一項または2に記載の鋳造装置。
  7. 薄肉部(31)と厚肉部(32)とが混在する偏肉部(33)を有する製品を鋳造する鋳造装置を用いた鋳造製品の鋳造方法であって、
    前記鋳造装置は、
    筒状で開閉方向に移動可能な可動金型(10)と、
    型閉じ時に前記可動金型との間にキャビティ(8)を形成する固定金型(7)と、
    溶融金属(5)を加圧して前記キャビティに注入する注入部(60)と、
    前記可動金型に収容され、前記キャビティに対し前進後退可能に形成されており、前進したとき前記キャビティ内における溶融金属により前記薄肉部および前記厚肉部を成形する可動入れ子(15)と、
    前記可動金型の温度である金型温度(Td)を測定可能な金型温度センサ(13)と、
    前記溶融金属を貯蔵する溶融金属保持炉(62)と、
    前記溶融金属保持炉と前記固定金型とを連通する配管(64)と、
    前記配管内の溶融金属の温度である溶融金属温度(Tm)を測定可能な溶融金属温度センサ(66)と、
    前記可動入れ子が前記キャビティに対し前進する時刻である入れ子前進時刻(x_ns)を制御可能な入れ子制御部(25)と、
    を備え、
    前記可動入れ子は、前記可動金型における内側壁(141)と対向する外側面(153)に、前記キャビティに向かって径が縮小するように傾斜する傾斜面(154)が形成されており、前記キャビティに対し前進したとき、先端面と前記固定金型の対向する面との間に前記厚肉部を成形し、前記傾斜面と前記固定金型の対向する面との間に前記薄肉部を成形し、
    前記可動金型における内側壁と前記傾斜面との間に、前記キャビティと連通し前記薄肉部として成形される溶融金属が注入される隙間(155)が形成されており、
    前記注入部が溶融金属を前記キャビティに注入したときの時刻を注入時刻(x_in)とすると、
    前記入れ子制御部は、前記注入時刻における前記金型温度である注入時金型温度(Td_in)および前記注入時刻における前記溶融金属温度である注入時溶融金属温度(Tm_in)に基づいて、前記入れ子前進時刻を決定するものであり、
    融金属を注入したときから融金属が凝固完了するまでに、前記可動入れ子が前記キャビティに向かって前進し、前記キャビティ内における融金属により前記薄肉部および前記厚肉部を成形する偏肉部成形工程(S405)と、
    前記可動入れ子が前進した状態で融金属を凝固させ、融金属が凝固完了後、前記可動入れ子が前記キャビティとは反対側に向かって後退する凝固工程(S406)と、
    を含む鋳造製品の製造方法。
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