JP6544270B2 - 鋳造装置および鋳造製品の製造方法 - Google Patents
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Description
可動金型は、筒状で開閉方向に移動可能である。
固定金型は、型閉じ時に可動金型との間にキャビティ(8)を形成する。
注入部は、溶融金属(5)を加圧してキャビティに注入する。
可動入れ子は、可動金型に収容され、キャビティに対し前進後退可能に形成されており、前進したときキャビティ内における溶融金属により薄肉部および厚肉部を成形する。
金型温度センサは、可動金型の温度である金型温度(Td)を測定可能である。
溶融金属保持炉は、溶融金属を貯蔵する。
配管は、溶融金属保持炉と固定金型とを連通する。
溶融金属温度センサは、配管内の溶融金属の温度である溶融金属温度(Tm)を測定可能である。
入れ子制御部は、可動入れ子がキャビティに対し前進する時刻である入れ子前進時刻(x_ns)を制御可能である。
さらに、可動金型における内側壁と傾斜面との間に、キャビティと連通し薄肉部として成形される溶融金属が注入される隙間(155)が形成されている。
注入部が溶融金属をキャビティに注入したときの時刻を注入時刻(x_in)とする。
入れ子制御部は、注入時刻における金型温度である注入時金型温度(Td_in)および注入時刻における溶融金属温度である注入時溶融金属温度(Tm_in)に基づいて、入れ子前進時刻を決定する。
この鋳造製品の製造方法は、溶融金属を注入したときから溶融金属が凝固完了するまでに、可動入れ子がキャビティに向かって前進し、キャビティ内における溶融金属に薄肉部または厚肉部を形成する偏肉部成形工程(S405)を含む。また、可動入れ子が前進した状態で溶融金属を凝固させ、溶融金属が凝固完了後、可動入れ子がキャビティとは反対側に向かって後退する凝固工程(S406)を含む。これにより上記鋳造装置と同様の効果を奏する。
図1に示すように、鋳造装置1は、固定金型7、支持部9、可動金型10、金型駆動部51、金型温度制御部52、注入部60を備える。
固定金型7は、可動金型10と対向し、型閉じ時に可動金型10との間に空間であるキャビティ8を形成する。
支持部9は、2つのスプリング91、92を介して可動金型10を支持している。スプリング91、92は、開閉方向に可動金型10を付勢する。
筒部11は、可動金型10に収容され、開閉方向に延びるように筒状に形成されており、可動金型10内を摺動可能である。可動金型10における閉方向側の先端部111および先端部111とは反対側に基端部112を含む。
加熱部121は、可動金型10を加熱可能で、アルミナや窒化珪素等のセラミックスに発熱体が内蔵されるセラミックヒータである。
金型温度センサ13は、先端部111側に温度測定部131を含み、温度測定部131は、可動金型10における温度である金型温度Td[℃]を測定可能である。
可動入れ子15は、固定入れ子14に収容され、円筒状に形成されている。可動入れ子15の内側面151と先端部111の外側壁113とが係合している。
リンク機構17は、第1連結部材19、第2連結部材20および回転体21で構成されている。
第1連結部材19は、一端191が基端部112に連結しており、他端192が回転体21に連結している。
第2連結部材20は、一端201が回転体21に連結しており、他端202がエアシリンダ18のピストン22に連結している。
第1連結部材19と第2連結部材20とは、回転体21の軸方向において互いに異なる面で連結しており、回転体21の径方向において互いに異なる位置で連結されている。
エアシリンダ18内に圧縮空気を導入するとき、圧縮空気の圧力によってピストン22は開方向に移動する。第2連結部材20が開方向に移動し、回転体21が回転する。回転体21が反時計回りに回転して、第1連結部材19が閉方向に移動する。このとき、第1連結部材19とともに、筒部11、金型ヒータ12、金型温度センサ13および可動入れ子15が閉方向に移動する。
入れ子制御部25は、後述の注入部60からキャビティ8に溶融金属5を注入した時刻である注入時刻x_inを取得する。
入れ子制御部25は、注入時金型温度Td_inと注入時溶融金属温度Tm_inに基づいて、可動入れ子15がキャビティ8に対し前進する時刻である入れ子前進時刻x_nsを制御する。
金型温度制御部52は、入れ子制御部25と同様に、マイコンを主体として構成されている。
注入部60は、材料投入部61、溶融金属保持炉62、加圧制御部63、配管64、配管ヒータ65、溶融金属温度センサ66および溶融金属温度制御部67を有する。
材料投入部61は、溶融する材料が投入される。溶融する材料は、例えば、アルミニウム(Al)が用いられる。材料投入部61の周囲に設けられる投入部ヒータ611によって、材料を加熱溶融し、溶融金属5を生成可能にする。
配管64は、溶融金属保持炉62と固定金型7とを連通する。配管64を介して加圧された溶融金属がキャビティ8に注入される。
溶融金属温度制御部67は、溶融金属温度センサ66が測定した溶融金属温度Tmに基づいて配管ヒータ65を加熱し、溶融金属温度Tmを制御可能にする。破線矢印に示すように、溶融金属温度センサ66から溶融金属温度Tmが溶融金属温度制御部67に入力される。
金型温度制御部52、溶融金属温度制御部67および入れ子制御部25が行う処理について説明する。
金型温度制御部52が行う処理について、図2のフローチャートに基づき説明する。以下、フローチャートにおいて、記号「S」はステップを意味する。可動金型10における予め設定された温度を金型設定温度Tsとする。金型設定温度Tsは、溶融する材料、実験またはシミュレーション等によって求めることができる。金型設定温度Tsは、例えば、数百度以上から千数百度以下である。
ステップ102において、金型温度Tdと金型設定温度Tsから5℃を減算した値Ts−5とを比較する。金型温度TdがTs−5を下回るとき、ステップ103に移行する。
ステップ103において、金型ヒータ12によって可動金型10を加熱し、金型温度Tdが上昇し、ステップ101に戻る。
ステップ104において、金型温度Tdと金型設定温度Tsに5℃を加算した値Ts+5とを比較する。金型温度TdがTs+5を下回るとき、ステップ105に移行する。
ステップ106において、金型ヒータ12によって可動金型10を加熱し、金型温度Tdが上昇し、ステップ104に戻る。
一方、ステップ104おいて、金型温度TdがTs+5以上となるとき、終了する。また、一方、ステップ105において、金型温度Tdが金型設定温度Ts以上となるとき、終了する。
溶融金属温度制御部67が行う処理は、金型温度制御部52の処理において、金型温度Tdを溶融金属温度Tmに置換し、金型設定温度Tsを溶融金属設定温度Tpに置換した処理と同様である。
ステップ201において、溶融金属温度センサ66によって測定された溶融金属温度Tmを取得する。
ステップ202において、溶融金属温度Tmと溶融金属設定温度Tpから5℃を減算した値Tp−5とを比較する。溶融金属温度TmがTp−5よりも下回るとき、ステップ203に移行する。
ステップ203において、配管ヒータ65によって配管64を加熱し、配管64の温度が上昇する。溶融金属温度Tmが上昇し、ステップ201に戻る。
ステップ204において、溶融金属温度Tmと溶融金属設定温度Tpに5℃を加算した値Tp+5とを比較する。溶融金属温度TmがTp+5を下回るとき、ステップ205に移行する。
ステップ206において、配管ヒータ65によって配管64を加熱し、配管64の温度が上昇する。溶融金属温度Tmが上昇し、ステップ204に戻る。
ステップ301において、注入部60における加圧制御部63が溶融金属5を加圧し、キャビティ8に注入した注入時刻x_inを取得する。
ステップ302において、注入時金型温度Td_inを金型温度制御部52から取得し、注入時溶融金属温度Tm_inを溶融金属温度制御部67から取得する。
ステップ304において、入れ子前進時刻x_nsにおいて、圧縮空気を導入する指令をエアシリンダ18にし、可動入れ子15が前進する。
初期状態では、可動金型10は開いており、エアシリンダ18に圧縮空気は導入されていない。また、金型温度制御部52によって金型温度Tdは制御されており、溶融金属温度制御部67によって溶融金属温度Tmは制御されている。さらに、注入部60において溶融金属5が生成され、溶融金属保持炉62に貯蔵されている。
破線矢印に示すように、加圧制御部63から入れ子制御部25に注入時刻x_inが入力される。入れ子制御部25は金型温度制御部52から注入時金型温度Td_inを取得し、溶融金属温度制御部67から注入時溶融金属温度Tm_inを取得する。
入れ子制御部25は、注入時金型温度Td_inおよび注入時溶融金属温度Tm_inに基づいて、入れ子前進時刻x_nsを決定する。
可動入れ子15が前進した状態で溶融金属5が凝固完了後、入れ子制御部25がエアシリンダ18内に圧縮空気の導入を停止する。エアシリンダ18内の圧力が低下し、可動入れ子15が後退する。可動入れ子15が後退後、金型駆動部51によって可動金型10が開方向に移動し、鋳造製品6が完成する。図中において、鋳造製品は、溶融金属5と区別するため、斜線のハッチングで示す。
Fa>Fc+τs ・・・(1)
抵抗力Fsは、可動入れ子901が後退するときの可動入れ子901の外側面905と鋳造製品904とに摩擦力によって生じる。抵抗力Fpは、端面907と鋳造製品904とが付着力によって生じる。
Fb>Fc+Fs+Fp ・・・(2)
そこで、本実施形態では、偏肉部を有する鋳造製品を製造可能にし、鋳造金型における摩耗を抑制し、鋳造製品の変形を抑制するため、可動入れ子15に「ある工夫」をしている。以下、本実施形態の特徴構成を説明する。
図6に戻って、本実施形態における可動入れ子15は、固定入れ子14の内側壁141と対向する外側面153に、キャビティ8に向かって可動入れ子15の径が縮小するように傾斜する傾斜面154が形成されている。
隙間距離Lは、差分ΔDよりも大きくなるように、すなわち、L>ΔD となるように、隙間155が形成され、固定入れ子14および可動入れ子15の径が調整されている。
[1]本実施形態における可動入れ子15は、薄肉部または厚肉部が混在する偏肉部を有する鋳造製品を製造可能にし、キャビティ8に向かって径が縮小するように傾斜する傾斜面154が形成されている。傾斜面154によって、可動入れ子15を前進後退するときに加える力を低減でき、可動入れ子15の摩耗および鋳造製品6の変形を抑制することができる。
図11に示すように、可動入れ子15が前進するとき、力Fa_v、摩擦力Fcおよび抵抗力(せん断力)τs×cosθが加わる。可動入れ子15と固定入れ子14との摩擦力は、摩擦力Fcと働く方向および力の大きさは同一である。また、可動入れ子15が前進するときに溶融金属5から受ける抵抗力は、可動入れ子901が前進するときに溶融金属5から受ける抵抗力τsと働く力の方向は異なるが、力の大きさは同一である。
Fa_v>Fc+τs×cosθ ・・・(3)
図12に示すように、可動入れ子15が後退するとき、力Fb_v、摩擦力Fc、抵抗力Fsおよび抵抗力Fpが加わる。傾斜面154と鋳造製品6との抵抗力は、抵抗力Fsと働く力の方向は異なるが、力の大きさは同一である。また、抵抗力Fpは働く方向および力の大きさは同一である。
Fb_v>Fc+Fs×cosθ+Fp ・・・(4)
図13は、金型温度Td、ストロークおよびサイクルタイムの関係を示す特性図である。ストロークは、可動入れ子15が前進可能な移動量である。金型温度Tdが高くなるに伴い、溶融金属5の粘度が低下し、溶融金属5が流動しやすくなるため、ストロークを大きくすることができる。
サイクルタイムは、溶融金属5を注入してから溶融金属5が凝固するまでの時間である。冷却して凝固する時間が長くなるため、金型温度Tdが高くなるに伴いサイクルタイムは長くなる。
また、サイクルタイムに関する特性に基づいて検討すると、金型温度TdをTs+5以上にすることによって、サイクルタイムが許容値以下となる。
図14は、溶融金属温度Tm、ストロークおよびサイクルタイムの関係を示す特性図である。金型温度Tdと同様に、溶融金属温度Tmが高くなるに伴い、ストロークは大きくなり、サイクルタイムも長くなる。
第2実施形態の構成では、可動入れ子が前進したとき、可動入れ子が固定金型に接触する点を除き、第1実施形態と同様である。
図15に示すように、溶融金属5が鋳造装置2におけるキャビティ8に充填され、可動入れ子15がキャビティ8に向かって前進したとき、可動入れ子15の外側面153と固定金型7の内側面71とが接触する。可動入れ子15と固定金型7との接触部である閉塞部157が形成されるように、可動入れ子15および固定金型7の径が調整されている。閉塞部157が形成されている状態で、溶融金属5を凝固する。このような構成において、第1実施形態と同様の効果を奏する。さらに、閉塞部157が形成されていることによって、孔を有する鋳造製品6が製造可能になる。
鋳造装置1を用いた鋳造製品6の製造方法について、図16のフローチャートおよび図3〜10を参照して説明する。
鋳造製品6の製造方法は、キャビティ形成工程、金型加熱工程、材料溶融工程、溶融金属注入工程、偏肉部成形工程、凝固工程および冷却工程を含む。
ステップ402の金型温度制御工程では、金型ヒータ12を加熱する。可動金型10、固定金型7およびキャビティ8の温度が上昇し、金型温度Tdが上昇する。図3に示すように、金型温度制御部52によって、金型温度TdがTs−5以上、且つ、Ts+5以下になるように調整する。
このとき、図4に示すように、溶融金属温度制御部67によって、溶融金属温度TmがTp―5以上、且つ、Tp+5以下になるように調整する。
ステップ405の偏肉部成形工程では、図9、10に示すように、溶融金属5を注入したときから注入した溶融金属5が凝固完了するまでの期間内に、可動入れ子15が前進する。入れ子前進時刻x_nsに可動入れ子15が前進し、薄肉部31と厚肉部32とが混在する偏肉部33を有する製品形状にキャビティ8内における溶融金属5を形成する。鋳造装置1を用いるとき、このときの可動入れ子15の摩耗を抑制することができる。
(i)本実施形態では、可動入れ子を1つとしたが、製品形状によって複数設ける構成にしてもよい。第1実施形態と同様の効果を奏する。
(ii)可動入れ子は、開閉方向の断面が円形形状に限らず、多角形形状や楕円形状であってもよい。第1実施形態と同様の効果を奏する。
(iv)配管ヒータは、発熱体に耐熱ニッケルクロムリボン線を配線され、マイカ板で絶縁後、金属外装板で圧縮されたヒータであるバンドヒータを用いてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
7 ・・・固定金型、
8 ・・・キャビティ、
10 ・・・可動金型、
141 ・・・内側壁、
15 ・・・可動入れ子、
152 ・・・摺動面、 153 ・・・外側面、 154 ・・・傾斜面、
155 ・・・隙間。
Claims (7)
- 薄肉部(31)と厚肉部(32)とが混在する偏肉部(33)を有する製品を鋳造する鋳造装置であって、
開閉方向に移動可能な可動金型(10)と、
型閉じ時に前記可動金型との間にキャビティ(8)を形成する固定金型(7)と、
溶融金属(5)を加圧して前記キャビティに注入する注入部(60)と、
前記可動金型に収容され、前記キャビティに対し前進後退可能に形成されており、前進したとき前記キャビティ内における溶融金属により前記薄肉部および前記厚肉部を成形する可動入れ子(15)と、
前記可動金型の温度である金型温度(Td)を測定可能な金型温度センサ(13)と、
前記溶融金属を貯蔵する溶融金属保持炉(62)と、
前記溶融金属保持炉と前記固定金型とを連通する配管(64)と、
前記配管内の溶融金属の温度である溶融金属温度(Tm)を測定可能な溶融金属温度センサ(66)と、
前記可動入れ子が前記キャビティに対し前進する時刻である入れ子前進時刻(x_ns)を制御可能な入れ子制御部(25)と、
を備え、
前記可動入れ子は、前記可動金型における内側壁(141)と対向する外側面(153)に、前記キャビティに向かって径が縮小するように傾斜する傾斜面(154)が形成されており、前記キャビティに対し前進したとき、先端面と前記固定金型の対向する面との間に前記厚肉部を成形し、前記傾斜面と前記固定金型の対向する面との間に前記薄肉部を成形し、
前記可動金型における内側壁と前記傾斜面との間に、前記キャビティと連通し前記薄肉部として成形される溶融金属が注入される隙間(155)が形成されており、
前記注入部が溶融金属を前記キャビティに注入したときの時刻を注入時刻(x_in)とすると、
前記入れ子制御部は、前記注入時刻における前記金型温度である注入時金型温度(Td_in)および前記注入時刻における前記溶融金属温度である注入時溶融金属温度(Tm_in)に基づいて、前記入れ子前進時刻を決定する鋳造装置。 - 前記可動金型を加熱可能な金型ヒータ(12)と、
前記金型温度に基づいて前記金型ヒータを加熱し、前記金型温度を制御可能な金型温度制御部(52)と、
をさらに備え、
前記金型温度制御部は、予め設定される金型設定温度(Ts)に対し、前記金型設定温度から5℃を減算した値(Ts−5)以上で前記金型設定温度に5℃を加算した値(Ts+5)以下となるように、前記金型温度を制御する請求項1に記載の鋳造装置。 - 前記配管を加熱可能な配管ヒータ(65)と、
前記溶融金属温度に基づいて前記配管ヒータを加熱し、前記溶融金属温度を制御可能な溶融金属温度制御部(67)と、
をさらに備え、
前記溶融金属温度制御部は、予め設定される溶融金属設定温度(Tp)に対し、前記溶融金属設定温度から5℃を減算した値(Tp−5)以上で前記溶融金属設定温度に5℃を加算した値(Tp+5)以下となるように、前記溶融金属温度を制御する請求項1または2に記載の鋳造装置。 - 前記隙間は、前記可動金型の内側壁から前記傾斜面までの距離(L)が前記傾斜面における前記可動入れ子の最大径(Dmax)と前記可動入れ子の最小径(Dmin)との差の2分の1(ΔD)よりも大きくなるように形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の鋳造装置。
- 前記可動入れ子は、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、または鉄(Fe)の少なくとも1つの元素を含むチタン合金で形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の鋳造装置。
- 前記可動入れ子が前進し前記可動入れ子の前記傾斜面が前記固定金型の対向する面に接触したとき、前記キャビティの周方向の少なくとも一部において閉塞部(157)を有する請求項1〜3のいずれか一項または2に記載の鋳造装置。
- 薄肉部(31)と厚肉部(32)とが混在する偏肉部(33)を有する製品を鋳造する鋳造装置を用いた鋳造製品の鋳造方法であって、
前記鋳造装置は、
筒状で開閉方向に移動可能な可動金型(10)と、
型閉じ時に前記可動金型との間にキャビティ(8)を形成する固定金型(7)と、
溶融金属(5)を加圧して前記キャビティに注入する注入部(60)と、
前記可動金型に収容され、前記キャビティに対し前進後退可能に形成されており、前進したとき前記キャビティ内における溶融金属により前記薄肉部および前記厚肉部を成形する可動入れ子(15)と、
前記可動金型の温度である金型温度(Td)を測定可能な金型温度センサ(13)と、
前記溶融金属を貯蔵する溶融金属保持炉(62)と、
前記溶融金属保持炉と前記固定金型とを連通する配管(64)と、
前記配管内の溶融金属の温度である溶融金属温度(Tm)を測定可能な溶融金属温度センサ(66)と、
前記可動入れ子が前記キャビティに対し前進する時刻である入れ子前進時刻(x_ns)を制御可能な入れ子制御部(25)と、
を備え、
前記可動入れ子は、前記可動金型における内側壁(141)と対向する外側面(153)に、前記キャビティに向かって径が縮小するように傾斜する傾斜面(154)が形成されており、前記キャビティに対し前進したとき、先端面と前記固定金型の対向する面との間に前記厚肉部を成形し、前記傾斜面と前記固定金型の対向する面との間に前記薄肉部を成形し、
前記可動金型における内側壁と前記傾斜面との間に、前記キャビティと連通し前記薄肉部として成形される溶融金属が注入される隙間(155)が形成されており、
前記注入部が溶融金属を前記キャビティに注入したときの時刻を注入時刻(x_in)とすると、
前記入れ子制御部は、前記注入時刻における前記金型温度である注入時金型温度(Td_in)および前記注入時刻における前記溶融金属温度である注入時溶融金属温度(Tm_in)に基づいて、前記入れ子前進時刻を決定するものであり、
溶融金属を注入したときから溶融金属が凝固完了するまでに、前記可動入れ子が前記キャビティに向かって前進し、前記キャビティ内における溶融金属により前記薄肉部および前記厚肉部を成形する偏肉部成形工程(S405)と、
前記可動入れ子が前進した状態で溶融金属を凝固させ、溶融金属が凝固完了後、前記可動入れ子が前記キャビティとは反対側に向かって後退する凝固工程(S406)と、
を含む鋳造製品の製造方法。
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