JP6520784B2 - 鋳造装置および鋳造製品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳造装置および鋳造製品の製造方法に関する。
従来、型閉じ時に可動金型と固定金型との間に形成される空間であるキャビティに溶融金属を流し込んで製品形状を成形する鋳造が製造方法として用いられている。非特許文献1に記載のように、振動によって金型から鋳造製品を離型する鋳造装置が知られている。
実開平03−014042号公報
振動によって鋳造製品を離型する場合、生産性向上のために、重力を利用して鋳造製品を落下させて離型することがある。ところで、金型および鋳造製品の温度が高い状態または金型および鋳造製品にかかる面圧が高い状態となるため、金型と鋳造製品とは凝着しやすい。この凝着力によって、鋳造製品の重量が小さい場合、鋳造製品が落下しないで離型できないことがある。これにより、鋳造装置が停止する原因となり、生産性が低下する虞がある。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、鋳造製品が軽量においても、容易に鋳造製品を離型し、生産性が向上する鋳造装置および鋳造製品の製造方法を提供することにある。
本発明の鋳造装置は、可動金型(10)、固定金型(40)、棒状部材(51)、接続部(61)、振動子(62)、板状部材(30)および離型ピン(70)を備える。
可動金型は、天側に設けられ、天地方向に移動可能で、天側に開口する有底穴(12)を有する。
固定金型は、地側に設けられ、可動金型が閉じたときに可動金型との間にキャビティ(41)を形成し、キャビティに溶融金属(5)が充填されたとき、鋳造製品(6)を成形可能である。
棒状部材は、筒部(52)および摺動部(53)を有する。
筒部は、有底筒状であり、摺動部は、筒部の内側面(58)に沿って摺動可能である。
また、棒状部材は、天側における摺動部の摺動部端面(59)および筒部の底面(55)の間に第1隙間(91)が形成されている。
接続部は、摺動部に接続されている。
振動子は、接続部に接続され、接続部を介して摺動部とともに天地方向に振動可能である。
板状部材は、有底穴に収容され、可動金型が天方向に移動したとき摺動部に接触する。
離型ピンは、可動金型内に収容され、板状部材に接続されており、鋳造製品が成形されたとき、鋳造製品に接触する接触面(73)を有する。また、離型ピンは、摺動部が板状部材に接触し、摺動部および板状部材を介して振動子とともに振動したとき、鋳造製品が地方向に落下し、接触面から鋳造製品を離型する。
第1隙間が形成されていることによって、摺動部が振動子とともに振動するとき、摺動部が板状部材および底面に衝突する。摺動部が板状部材および底面に衝突したときに生じる衝撃力(Fi)が鋳造製品の重力(Fg)および振動力(Fv)に加わる。重力および振動力に衝撃力が加わることで、鋳造製品にかかる地方向へ働く力が凝着力(Fa)を上回りやすくなり、鋳造製品が落下しやすくなる。したがって、鋳造製品が軽量においても、鋳造製品と離型ピンとを容易に離型し、生産性が向上する。
また、本発明は、上記鋳造装置を用いた鋳造製品の鋳造方法として提供される。
この鋳造製品の製造方法は、鋳造製品の重量が500gw以下に相当する溶融金属を前記キャビティに注入する溶融金属注入工程(S202)を含む。また、振動子とともに離型ピンを振動させ、接触面から鋳造製品を離型する離型工程(S204)を含む。これにより、上記鋳造装置と同様の効果を奏する。
本発明の一実施形態による鋳造装置の断面図。 図1のII部拡大図。 本発明の一実施形態によるエジェクタプレートおよび離型ピンの断面図。 本発明の一実施形態による温度制御部の処理を説明するためのフローチャート。 本発明の一実施形態による可動金型が閉じたときの鋳造装置の断面図。 本発明の一実施形態によるキャビティに溶融金属が注入されたときの鋳造装置の断面図。 本発明の一実施形態によるキャビティ内の溶融金属が凝固したときの鋳造装置の断面図。 本発明の一実施形態によるキャビティ内の溶融金属が凝固し、可動金型が開いたときの鋳造装置の断面図。 本発明の一実施形態によるエジェクタロッドがエジェクタプレートを押し出したときの鋳造装置の断面図。 本発明の一実施形態による離型ピンから鋳造製品が落下したときの鋳造装置。 本発明の一実施形態による鋳造製品と離型ピンとにかかる力の作用図。 本発明の一実施形態による第1隙間距離と凝着力との関係を示す特性図。 本発明の一実施形態による第2隙間距離と凝着力との関係を示す特性図。 本発明の一実施形態によるピン温度と凝着力との関係を示す特性図。 本発明の一実施形態による最大高さ粗さと凝着力との関係を示す特性図。 本発明の一実施形態による鋳造製品の重量と離型ピンから鋳造製品が落下可能か否かとの関係を示す表。 本発明の一実施形態による鋳造製品の製造方法を説明するためのフローチャート。
以下、本発明の実施形態による鋳造装置1を図面に基づいて説明する。一実施形態の鋳造装置は、例えば、鋳造方法の1つである低圧鋳造法に用いられる。
(一実施形態)
図1に示すように、鋳造装置1は、可動金型10、「板状部材」としてのエジェクタプレート30、固定金型40、「棒状部材」としての2つのエジェクタロッド51、振動部材60、離型ピン70、金型駆動部80および温度制御部81を備える。
可動金型10は、可動板11に取り付けられており、可動板11とともに天地方向に移動可能である。また、可動金型10は、天側に開口する有底穴12を有し、地側に成形部17を有する。
成形部17は、地側に設けられ、固定金型40に対向し、固定金型40を開閉可能である。
可動板11は、天側に設けられる天板13と地側に設けられる固定板14との間に取り付けられている。また、可動板11、天板13および固定板14は、支持棒15に接続されている。さらに、可動板11は、支持棒15に沿って移動可能で、天地方向に移動可能である。
また、可動板11は、後述のエジェクタロッド51が挿通可能な挿通穴16を有する。
挿通穴16は、有底穴12と連通しており、挿通穴16の径は、エジェクタロッド51の径よりも大きくなるように形成されている。
固定金型40は、固定板14に取り付けられており、可動金型10に対向し、可動金型10よりも地側に設けられている。固定金型40は、成形部17が閉じたときに可動金型10との間にキャビティ41を形成する。
キャビティ41は地方向に延びる凸空間42が形成されており、キャビティ41に溶融金属5が充填されたとき、鋳造製品6が成形される。溶融金属5の材料は、例えば、アルミニウム(Al)が用いられる。また、キャビティ41は、鋳造製品6の重量が500gw以下に相当する容積をもつように形成されている。
図2に示すように、エジェクタロッド51は、筒部52および摺動部53を有する。
筒部52は、天側の一端54がねじ状になっており、天板13と嵌合されている。また、筒部52は、有底筒状に形成され、地側に開口しており、天側に底面55および連通穴56を有する。連通穴56は、外側面57と内側面58とを連通する。
摺動部53は、棒状に形成され、内側面58に沿って摺動可能に形成されている。また、摺動部53は、連通穴56を介して、振動部材60と接続されている。
振動部材60は、接続部61および振動子62を有する。
接続部61は、L字形状の断面を有し、摺動部53の外側壁63および振動子62に接続されている。
振動子62は、接続部61を介して、摺動部53とともに天地方向に振動可能である。
振動子62は、電気または空気を駆動源として遠心力を振動力Fvに変換する回転式振動子が用いられる。また、振動子62は、空気を駆動源としてピストンの往復運動により振動力Fvを得るピストン式振動子を用いてもよい。
図1に戻って、エジェクタプレート30は、板状に形成され、長方形形状の断面を有し、有底穴12内に収容されている。
離型ピン70は、複数設けられ、可動金型10の内部を貫通しており、エジェクタプレート30とともに、成形部17内に沿って天地方向に移動可能である。
また、離型ピン70は、円形形状の断面を有し、地側に基端部72を有し、天側に先端部71を有する。
基端部72は、有底穴12内に収容されており、エジェクタプレート30に接続されている。
先端部71は、外部に露出しており、キャビティ41内の溶融金属5が凝固し、鋳造製品6が成形されたとき、鋳造製品6に接触する先端部71の端面である接触面73が形成される。
接触面73は、最大高さ粗さRzが0.2μm以上1.0μm以下の範囲となるように形成されている。バフ研磨を用いることによって、接触面73の最大高さ粗さRzが調整されている。一実施形態において、接触面73の最大高さ粗さRzが0.2μm未満となるように形成することは加工上不可能であり、接触面73の最大高さ粗さRzの下限値は0.2μmである。
また、最大高さ粗さRzは、JIS_B_0601に準拠した定義である。最大高さ粗さRzを測定する機器として、例えば、触針を用いる接触式表面粗さ測定機またはレーザーを用いる非接触式表面粗さ測定機が用いられる。
図3に示すように、「膜」としてのコーティング74が接触面73の表面に成膜されている。コーティング74は、窒化物、酸化物または炭化物であるセラミックスで形成されている。
コーティング74は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化クロム(CrN)、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)、炭窒素化チタン(TiCN)もしくは窒化アルミニウムクロムシリコン(AlCrSiN)等の金属窒化物が用いられる。
コーティング74の膜厚は、数μmであり、PVDまたは溶射によって成膜されている。PVDは、Physical Vapor Depositionの略で、物理蒸着法のことである。図中、コーティング74は、所在を明確にするために、誇張して記載しており、離型ピン70との寸法は必ずしも正確なものではない。
また、図1に戻り、金型駆動部80は、可動板11に取り付けられており、図示しない油圧シリンダによって、機械的な動力に油圧を変換する。金型駆動部80が駆動することによって、可動板11が支持棒15に沿って移動可能である。
油圧シリンダに代替して、モータおよびボールねじを用いた直動案内機構を用いてもよい。
温度制御部81は、マイコンを主体として構成されている。温度制御部81における処理は、ROM等の実体的なメモリ装置に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理であってもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理であってもよい。
温度制御部81は、冷却配管82および温度センサ83に接続されており、離型ピン70のピン温度Tp[℃]が制御可能である。
冷却配管82は有底穴12に連通し、冷却配管82を介して有底穴12に冷却媒体が導入され、離型ピン70が冷却可能である。冷却媒体は、例えば、空気、水または空気と水との混合物であるミストが用いられる。
温度センサ83は、ピン温度Tpが測定可能である。温度センサ83は、棒状に形成されており、離型ピン70に接触している。温度センサ83は、例えば、2種類の金属線の先端同士が接触した回路を作り、接合点に発生する熱起電力を通じて温度差を測定する熱電対である。温度センサ83は、例えば、JIS規格熱電対であるK熱電対が用いられる。
(作用)
温度制御部81が行う処理について、図4のフローチャートに基づき説明する。以下、
フローチャートにおいて、記号「S」はステップを意味する。離型ピン70における予め設定された温度を設定温度Ts[℃]とする。設定温度Tsは、離型ピン70もしくは溶融金属5に用いられる材料、実験またはシミュレーション等によって求めることができる。設定温度Tsは、200℃以上400℃以下の範囲である。
ステップ101において、温度制御部81は、温度センサ83によって測定されたピン温度Tpを取得する。
ステップ102において、温度制御部81は、ピン温度Tpと設定温度Tsとを比較する。ピン温度Tpが設定温度Tsを上回るとき、ステップ103に移行する。
ステップ103において、温度制御部81は、冷却配管82を介して冷却媒体を導入し、離型ピン70を冷却する。ピン温度Tpが低下し、ステップ101に戻る。
ステップ102において、温度制御部81は、ピン温度Tpが設定温度Ts以下になるとき、終了する。
このように、温度制御部81は、ピン温度Tpが設定温度Ts以下となるように、すなわち、Tp≦Ts となるように、ピン温度Tpを制御する。
鋳造装置1の作用について説明する。初期状態では、可動金型10は開いている。
図5に示すように、金型駆動部80によって可動板11とともに可動金型10が地方向へ移動し、固定金型40を閉じたとき、可動金型10と固定金型40との間にキャビティ41が形成される。
図6に示すように、キャビティ41が形成された後、図示しない溶融金属注入部が溶融金属5を注入し、キャビティ41内に溶融金属5が充填される。図中において、所在を明確にするため、溶融金属5をドット柄で示す。
図7に示すように、充填された溶融金属5が凝固し、鋳造製品6が成形される。図中において、溶融金属5と区別するため、鋳造製品6を斜線ハッチングで示す。
図8に示すように、金型駆動部80によって可動板11とともに可動金型10が天方向へ移動し、固定金型40を開いたとき、鋳造製品6は、地側における成形部17の端面である成形端面18と接触面73とに凝着している。金型駆動部80によって可動金型10が天方向へさらに移動するとき、エジェクタロッド51がエジェクタプレート30に接触する。
図9に示すように、エジェクタロッド51がエジェクタプレート30を地方向に押し出し、成形端面18から鋳造製品6が外れる。同時に、図示しない製品受取装置から鋳造製品6に対向する位置に製品受取板19が移動する。また、接触面73と鋳造製品6とが凝着し、凝着力Faが天方向に鋳造製品6にかかる。
振動部材60とともに摺動部53が振動し、エジェクタプレート30を介して離型ピン70が振動する。離型ピン70が振動するとき、振動力Fvと重力Fgが鋳造製品6にかかる。また、振動部材60とともに離型ピン70が振動を開始するとき、温度制御部81によって、ピン温度Tpは設定温度Ts以下になっている。
図10に示すように、鋳造製品6にかかる振動力Fvと重力Fgにより鋳造製品6が地方向に落下し、接触面73から鋳造製品6が離型する。落下した鋳造製品6を製品受取板19が受け、鋳造製品6が完成する。
従来、鋳造製品の重量が小さい場合、凝着力Faが重力Fgよりも大きくなるため、鋳造製品が落下しないことがあった。これにより、鋳造装置の停止原因となり、生産性が低下してしまう虞があった。
そこで、一実施形態では、鋳造製品6が軽量においても、鋳造製品6と離型ピン70とを容易に離型し、生産性が向上するように、離型ピン70に工夫を施している。
(特徴構成)
図2に戻って、一実施形態の鋳造装置1は、筒部52の底面55と天方向側における摺動部53の摺動部端面59との間の空間である第1隙間91が形成されている。底面55から摺動部端面59までの距離を第1隙間距離L1とする。
予め設定される第1隙間距離L1の下限値を第1下限値L1_lowとし、予め設定される第1隙間距離L1の上限値を第1上限値L1_uppとする。第1下限値L1_lowおよび第1上限値L1_uppは、鋳造製品6の重量または離型ピン70の大きさ等で決定し、実験やシミュレーション等で求めることができる。
第1隙間91は、第1隙間距離L1が第1下限値L1_low以上第1上限値L1_upp以下となるように、すなわち、L1_low≦L1≦L1_upp となるように形成されている。
連通穴56における筒部52の端面を一端面93とし、接続部61における一端面93に対向する面を対向面94とする。
第1隙間91に加えて、エジェクタロッド51は、一端面93と対向面94との間に空間である第2隙間92が形成されている。
一端面93から対向面94までの距離を第2隙間距離L2とし、予め設定される第2隙間距離L2の下限値を第2下限値L2_lowとし、予め設定される第2隙間距離L2の上限値を第2上限値L2_uppとする。第2下限値L2_lowおよび第2上限値L2_uppは、第1下限値L1_lowおよび第1上限値L1_uppと同様に求めることができる。
第2隙間92は、第2隙間距離L2が第2下限値L2_low以上第2上限値L2_upp以下の範囲となるように、すなわち、L2_low≦L2≦L2_upp となるように形成されている。一実施形態において、第2隙間92は、第2隙間距離L2が第1隙間距離L1と等しくなるように、すなわち、L1=L2となるように、形成されている。ここで、「等しく」および「=」は、常識的な誤差範囲を含む。一実施形態において、「=」、「等しく」、「等しい」は、同様に拡大解釈するものとする。
(効果)
[1]第1隙間91が形成されていることによって、摺動部53が天地方向に振動部材60とともに振動するとき、摺動部53がエジェクタプレート30および底面55に衝突する。
図11に示すように、摺動部53がエジェクタプレート30および底面55に衝突したときに生じる衝撃力Fiが鋳造製品6の重力Fgおよび振動力Fvに加わる。重力Fgと振動力Fvに衝撃力Fiが加わり、鋳造製品6にかかる地方向へ働く力が凝着力Faを上回りやすくなり、鋳造製品6は落下しやすくなる。したがって、鋳造製品6が軽量においても、鋳造製品6と離型ピン70とが容易に離型し、生産性が向上する。
図12に示すように、第1隙間距離L1を比較的小さくするとき、摺動部53が十分加速されず、運動量が小さいため、衝撃力Fiは小さくなる。また、第1隙間距離L1を大きくしていくと、運動量が大きくなり、衝撃力Fiは大きくなる。第1隙間距離L1が最適距離L1_optになるとき、衝撃力Fiが最大になる。
第1隙間距離L1を最適距離L1_optより大きくする場合、摺動部53が底面55に到達する期間に、摺動部53は自重によって、運動量が失われ、衝撃力Fiは小さくなる。一実施形態に用いられる鋳造装置1の衝撃力Fiに関する特性に基づいて検討すると、第1隙間距離L1が第1下限値L1_low以上第1上限値L1_upp以下のとき、衝撃力Fiが許容値以上となる。
[2]第2隙間92が形成されていることによって、接続部61が天地方向に振動部材60とともに振動するとき、接続部61が筒部52に衝突する。この衝突によって、衝撃力Fiが大きくすることができ、鋳造製品6と離型ピン70とがより容易に離型しやすくなる。
図13に示すように、第1隙間距離L1と同様に、第2隙間距離L2を比較的小さくするとき、衝撃力Fiは小さくなる。また、第2隙間距離L2が最適距離L2_optになるとき、衝撃力Fiが最大になり、第2隙間距離L2を最適距離L2_optより大きくするとき、衝撃力Fiは小さくなる。一実施形態に用いられる鋳造装置1の衝撃力Fiに関する特性に基づいて検討すると、第2隙間距離L2が第2下限値L2_low以上第2上限値L2_upp以下の範囲のとき、衝撃力Fiが許容値以上となる。
[3]振動部材60が振動を開始するときのピン温度Tpが200℃以上400℃以下の範囲である。このように設定することによって、凝着力Faが低減し、鋳造製品6と離型ピン70とがより容易に離型しやすくなる。なお、ピン温度Tpが200℃未満のとき、鋳造製品6と離型ピン70との温度差が大きくなり、発生する熱応力が大きくなり、このため、鋳造製品6が変形してしまう。
図14に示すように、ピン温度Tpを上げていくに伴い、凝着力Faは増加する。凝着力Faは、鋳造製品6と離型ピン70とを引き剥がしたときにかかる力を力センサで測定した値である。一実施形態に用いられる鋳造装置1の凝着力Faに関する特性に基づいて検討すると、ピン温度Tpが400℃以下になるとき、凝着力Faが許容値以下となる。
[4]接触面73の最大高さ粗さRzが0.2μm以上1.0μm以下の範囲となるように形成されている。これにより、凝着力Faが低減し、鋳造製品6と離型ピン70とがより容易に離型しやすくなる。
図15に示すように、接触面73の最大高さ粗さRzが大きくなるに伴い、アンカー効果により、凝着力Faが増加する。一実施形態に用いられる鋳造装置1の凝着力Faに関する特性に基づいて検討すると、接触面73の最大高さ粗さRzが1.0μm以下になるとき、凝着力Faが許容値以下となる。
[5]セラミックスのコーティング74が接触面73に成膜されている。セラミックスは耐熱性や耐食性が高いため、鋳造製品6と離型ピン70との凝着力Faを低減することができる。
図16の表に示すように、100gw、250gw、500gw、1000gw、3000gwと鋳造製品6の重量を変え、振動部材60が振動したときに、鋳造製品6が離型ピン70から離型が可能か否かを確認した。離型が可能か否かは、鋳造製品6が離型ピン70から落下するか否かを目視で確認することによって判断した。
隙間が設けられていない従来の鋳造装置では、鋳造製品6が1000gwのとき離型不可能である。第1隙間91のみが設けられている鋳造装置では、鋳造製品6が250gwまで、離型可能である。また、コーティング74が接触面に成膜されている鋳造装置1では、いずれの重量も離型可能である。一実施形態の鋳造装置1では、第1隙間91が形成されていることに加えて、コーティング74によって凝着力Faが低減したため、鋳造製品6が軽量においても離型がしやすくなっている。
(製造方法)
鋳造装置1を用いた鋳造製品6の製造方法について、図17のフローチャート、図1および図5から図10を参照して説明する。
鋳造製品6の製造方法は、キャビティ形成工程、溶融金属注入工程、凝固工程および離型工程を含む。
ステップ201のキャビティ形成工程では、図1および図5に示すように、金型駆動部80によって可動金型10を閉じ、可動金型10と固定金型40との間にキャビティ41を形成する。
ステップ202の溶融金属注入工程では、図6に示すように、キャビティ41に溶融金属5を注入する。このとき、鋳造製品6の重量が500g以下に相当する溶融金属5を投入する。
ステップ203の凝固工程では、図7に示すように、キャビティ41内の溶融金属5を冷却し、凝固させ、鋳造製品6が成形される。
ステップ204の離型工程では、図8に示すように、可動金型10を天方向へ移動させ、キャビティ41内の鋳造製品6を取り出す。次に、可動金型10をさらに天方向へ移動させ、エジェクタロッド51をエジェクタプレート30に接触させる。図9に示すように、エジェクタロッド51によって、エジェクタプレート30を地方向に押し出し、成形端面18から鋳造製品6を外す。同時に、鋳造製品6に対向する位置へ製品受取板19を移動させる。このとき、温度制御部81によって、ピン温度Tpを設定温度Tsにしておく。図10に示すように、振動部材60とともに離型ピン70を振動させ、鋳造製品6が製品受取板19に向かって落下し、製品受取板19が鋳造製品6を受け、鋳造製品6が完成する。
(その他実施形態)
(i)一実施形態に用いられる鋳造は、低圧鋳造法に限らず、キャビティに溶融金属を高圧で注入するダイカストや、キャビティに溶融金属を遠心力で注入する遠心鋳造法であってもよい。また、キャビティに溶融金属を重力(大気圧)で注入する重力鋳造法であってもよい。
(ii)コーティングは、炭化チタン(TiC)もしくは炭化タングステン(WC)等の金属炭化物で成膜されてもよい。また、アルミナ(Al23)もしくはチタニア(TiO2)等の金属酸化物で成膜されてもよい。
(iii)第2隙間は、第2隙間距離L2が第1隙間距離L1よりも大きくなるように、すなわち、L2>L1となるように、形成してもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
5 ・・・溶融金属、
6 ・・・鋳造製品、
10 ・・・可動金型、
12 ・・・有底穴、
30 ・・・板状部材(エジェクタプレート)、
40 ・・・固定金型、
41 ・・・キャビティ、
51 ・・・棒状部材(エジェクタロッド)、
52 ・・・筒部、
53 ・・・摺動部、
55 ・・・底面、
58 ・・・内側面、
59 ・・・摺動部端面、
61 ・・・接続部、
62 ・・・振動子、
70 ・・・離型ピン、
73 ・・・接触面、
91 ・・・第1隙間。

Claims (7)

  1. 天地方向に移動可能で、天側に開口する有底穴(12)を有する可動金型(10)と、
    前記可動金型よりも地側に設けられ、前記可動金型が閉じたときに前記可動金型との間にキャビティ(41)を形成し、前記キャビティに溶融金属(5)が充填されたとき、鋳造製品(6)を成形する固定金型(40)と、
    有底筒状の筒部(52)および前記筒部の内側面(58)に沿って摺動可能な摺動部(53)を有し、天側における前記摺動部の摺動部端面(59)および前記筒部の底面(55)の間に第1隙間(91)が形成されている棒状部材(51)と、
    前記摺動部に接続される接続部(61)と、
    前記接続部に接続され、前記接続部を介して前記摺動部とともに天地方向に振動可能な振動子(62)と、
    前記有底穴に収容され、前記可動金型が天方向に移動したとき前記摺動部に接触する板状部材(30)と、
    前記可動金型内に収容され、前記板状部材に接続されており、前記鋳造製品が成形されたとき、前記鋳造製品に接触する接触面(73)を有し、前記摺動部が前記板状部材に接触し、前記摺動部および前記板状部材を介して前記振動子とともに振動したとき、前記鋳造製品が地方向に落下し、前記接触面から前記鋳造製品を離型する離型ピン(70)と、
    を備える鋳造装置。
  2. 前記筒部は、前記内側面および前記筒部の外側面(57)を連通する連通穴(56)をさらに有し、
    前記接続部は、前記連通穴を介して前記摺動部の外側壁(63)に接続され、
    前記連通穴における前記筒部の端面を一端面(93)とし、前記接続部における前記一端面に対向する面を対向面(94)とすると、
    前記棒状部材は、前記一端面と前記対向面との間に第2隙間(92)が形成されている請求項1に記載の鋳造装置。
  3. 前記離型ピンの温度であるピン温度(Tp)を制御可能な温度制御部(80)をさらに備え、
    前記温度制御部は、前記振動子が振動を開始するとき、前記ピン温度が200℃以上400℃以下の範囲となるように制御する請求項1または2に記載の鋳造装置。
  4. 前記接触面は、最大高さ粗さ(Rz)が0.2μm以上1.0μm以下の範囲である請求項1から3のいずれか一項に記載の鋳造装置。
  5. 前記接触面は、セラミックスの膜(74)が成膜されている請求項1から4のいずれか一項に記載の鋳造装置。
  6. 前記キャビティは、前記鋳造製品の重量が500gw以下に相当する容積をもつように形成されている請求項1から5のいずれか一項に記載の鋳造装置。
  7. 天地方向に移動可能で、天側に開口する有底穴(12)を有する可動金型(10)と、
    前記可動金型よりも地側に設けられ、前記可動金型が閉じたときに前記可動金型との間にキャビティ(41)を形成し、前記キャビティに溶融金属(5)が充填されたとき、鋳造製品(6)を成形する固定金型(40)と、
    有底筒状の筒部(52)および前記筒部の内側面(58)に沿って摺動可能な摺動部(53)を有し、天側における前記摺動部の摺動部端面(59)および前記筒部の底面(55)の間に第1隙間(91)が形成されている棒状部材(51)と、
    前記摺動部に接続される接続部(61)と、
    前記接続部に接続され、前記接続部を介して前記摺動部とともに天地方向に振動可能な振動子(62)と、
    前記有底穴に収容され、前記可動金型が天方向に移動したとき前記摺動部に接触する板状部材(30)と、
    前記可動金型内に収容され、前記板状部材に接続されており、前記鋳造製品が成形されたとき、前記鋳造製品に接触する接触面(73)を有し、前記摺動部が前記板状部材に接触し、前記摺動部および前記板状部材を介して前記振動子とともに振動したとき、前記鋳造製品が地方向に落下し、前記接触面から前記鋳造製品を離型する離型ピン(70)と、
    を備える鋳造装置を用いた前記鋳造製品の製造方法であって、
    前記鋳造製品の重量が500gw以下に相当する前記溶融金属を前記キャビティに注入する溶融金属注入工程(S202)と、
    前記振動子とともに前記離型ピンを振動させ、前記接触面から前記鋳造製品を離型する離型工程(S204)と、
    を含む前記鋳造製品の製造方法。
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