JP2001179394A - 鋳造金型 - Google Patents

鋳造金型

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JP2001179394A JP36737299A JP36737299A JP2001179394A JP 2001179394 A JP2001179394 A JP 2001179394A JP 36737299 A JP36737299 A JP 36737299A JP 36737299 A JP36737299 A JP 36737299A JP 2001179394 A JP2001179394 A JP 2001179394A
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晃 宝
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圭三 松村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶湯から金型への放熱量が熱伝達率と接触面
積及び温度差に比例することに基づき、溶湯と金型の温
度差を小さくすることにより、成形機や金型の初期コス
トと運転コストを抑え、大型でかつ薄肉の成形品であっ
ても高品質、高精度に成形することのできる鋳造金型を
提供する。 【解決手段】 溶融金属を成形する鋳造金型において、
金型を金型母材4a,5aとキャビティ3に面する複数
の層とにより形成し、このキャビティ3に面する層7
は、金型母材4a,5aに対して熱伝導率の良い材料か
らなる伝熱層7にて形成し、この伝熱層7と金型母材4
a,5aの間の層を、金型母材に対して熱伝導率の悪い
材料からなる低伝熱層8で形成して、上記課題を解決し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料を成形す
るための鋳造金型及びこの鋳造金型を用いて成形品を製
造する製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に鋳造成形を行う場合には、図4に
示されるような鋳造金型が用いられる。この図4の鋳造
金型おいて、金型Aは主として、固定型金型4及び移動
型金型5によって構成され、この両金型4,5の間にキ
ャビティ3が形成されている。この図4における1は金
型の湯口、6は湯口1からの湯道、2はキャビティ3の
湯口である。
【0003】この鋳造金型を用いて成形する場合には、
成形材料を溶融状態にしてなる溶湯を成形機より湯口1
に流し込むと、溶湯は金型Aの湯道6及びキャビティ3
の湯口2を通ってキャビティ3内に流入する。溶湯はキ
ャビティ3内で冷却されることによって、キャビティ3
に設けられている所定の立体形状に対応する形状を保持
したまま固化し、金型Aを開くことによって所望の形状
を有する成形品が得られる。
【0004】成形材料が例えば金属である場合、溶湯は
溶融状態に保つために成形機内において、成形材料であ
る金属の融点以上または固相線温度以上の温度に保つ必
要がある。
【0005】例えば、成形材料がマグネシュウム合金で
ある場合には、成形機の溶解炉は500℃以上に設定さ
れている。一方、金型の温度は一般に200〜300℃
に設定されているため、溶融金属をなす溶湯がキャビテ
ィ内に注入されると、金型に対し放熱を開始して、溶湯
自体の温度は降下し、溶湯の凝固を早めることになる。
【0006】溶湯の凝固時間が速いことは、成形サイク
ルを縮めることには有利であるが成形品の欠陥、特に未
充填や湯境、湯じわの原因にもなる。
【0007】未充填等の欠陥の発生が予測される場合、
溶湯の凝固を遅延する施策がなされる。溶湯の凝固は溶
湯から金型への熱放出によって起こるため、一般に遅延
するためには溶湯−金型間の熱伝達を抑制するか、両者
の温度差を小さくすることが行われる。
【0008】溶湯と金型の温度差を小さくすることを考
えるとき溶湯の温度は、物性としての融点や固相線温度
の問題から簡単に下げることができないので、金型の全
体温度をこれまでより高い温度に設定して、成形するこ
とも試みられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱容量
の膨大な金型の全体温度を300℃以上の高温に保つた
めには、金型に内蔵すべきヒータの容量も非常に大きな
ものが必要であり、またヒータの運転コストも金型の設
定温度を上げれば上げるだけ多くかかってしまうという
問題がある。
【0010】本発明では、溶湯から金型への放熱量が熱
伝達率と接触面積及び温度差に比例することに基づき、
溶湯と金型の温度差を小さくすることにより、成形機や
金型の初期コストと運転コストを抑え、大型でかつ薄肉
の成形品であっても高品質、高精度に成形することので
きる鋳造金型を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の本発明の鋳造金型は、溶融金属を成形
する金型において、金型を金型母材とキャビティに面す
る複数の層とにより形成し、このキャビティに面する第
1の層を、金型母材に対して熱伝導率の良い材料からな
る伝熱層にて形成し、この伝熱層と金型母材の間に形成
した第2層を、金型母材に対して熱伝導率の悪い材料か
らなる低伝熱層で形成したことを特徴としている。
【0012】このような構成では、キャビティに面する
第1層を、金型母材に対して熱伝導率の良い材料からな
る伝熱層にて形成して、この伝熱層の温度を上昇させる
ことにより、金型母材自体ではなく、キャビティ側の金
型温度を上昇させることで溶湯の凝固を遅延させること
ができ、そのため溶湯から金型への熱伝達を抑制して、
成形機や金型の初期コストと運転コストを抑え、大型で
かつ薄肉の成形品であっても、温度低下による溶湯の粘
度の上昇や早期の凝固が起こりにくく、流動性が良く転
写性の良い高品質、高精度の成形品が得られる。
【0013】また、請求項2記載の本発明の鋳造金型
は、溶融金属を成形する金型において、金型を金型母材
とキャビティに面する層とにより形成し、このキャビテ
ィに面する層は、金型母材に対して熱伝導率の良い材料
からなる伝熱層にて形成し、上記金型母材を、熱伝導率
の悪い材料からなる低伝熱層として形成したことを特徴
としている。
【0014】このような構成では、上記請求項1の発明
の作用を有すると共に低伝熱層を形成するのに特別な部
材を設けて形成する必要がなく、金型本体を形成する金
型母材にて低伝熱層を形成することができるため、その
構成を簡略化することができる。
【0015】また、請求項3記載の本発明の鋳造金型
は、キャビティに面する伝熱層の熱伝導率は、150W
/m/℃以上の材料からなることを特徴としている。
【0016】このような構成では、上記請求項1または
2の発明の作用である伝熱効果をより良好に達成するこ
とができる。
【0017】また、請求項4記載の本発明の鋳造金型
は、低伝熱層の熱伝導率は、15W/m/℃以下の材料
からなることを特徴としている。
【0018】このような構成では、上記請求項1または
2の発明の作用である断熱効果をより良好に達成するこ
とができる。
【0019】また、請求項5記載の本発明の鋳造金型
は、キャビティに面する伝熱層を、溶解炉の先端に設け
られた射出ノズルに接触される金型本体の射出ノズルタ
ッチ部の位置まで延長して形成したことを特徴としてい
る。
【0020】このような構成では、成形機内の溶解炉を
加熱する熱を利用して、射出ノズルに接触される射出ノ
ズルタッチ部から伝熱層を加熱することができて、伝熱
層を加熱するための特別の加熱手段を設ける必要がな
い。
【0021】また、請求項6記載の本発明の鋳造金型
は、キャビティに面する伝熱層のごく近傍位置に、加熱
装置を備えたことを特徴としている。
【0022】このような構成では、加熱装置は、供給熱
量や供給時間を自由に設定できるため、成形品の形状や
欠陥の発生に応じた温度コントロールが可能であり、伝
熱層への加熱をより効率よく行うことができる。
【0023】また、請求項7記載の本発明の鋳造金型
は、低伝熱層は、チタン合金、ニッケル合金、メタルセ
ラミックスの群から選ばれる材料で形成したしたことを
特徴としている。
【0024】このような構成では、低伝熱層を、チタン
合金、ニッケル合金、メタルセラミックスの群から選ば
れる材料で形成したことにより、より断熱効果を高める
ことができる。
【0025】また、請求項8記載の本発明の鋳造金型
は、キャビティに面する伝熱層は、グラファイト、窒化
アルミニュウム、窒化硼素、炭化珪素、酸化ベリリュウ
ム等の高熱伝導セラミックスで形成したことを特徴とし
ている。
【0026】このような構成では、伝熱層を、グラファ
イト、窒化アルミニュウム、窒化硼素、炭化珪素、酸化
ベリリュウム等の高熱伝導セラミックスで形成したこと
により、より伝熱効果を高めることができる。
【0027】また、請求項9記載の本発明の成形品の製
造方法は、上記請求項1〜8の発明のいずれかの鋳造金
型において、マグネシュウム合金、アルミニュウム合
金、亜鉛合金等の低融点軽金属で成形品を製造すること
を特徴としている。
【0028】このような方法では、上記請求項1〜8の
発明と同様の作用を達成しながら、低融点軽金属の成形
品を製造することができる。
【0029】また、請求項10記載の本発明の成形品の
製造方法は、請求項1〜8の発明のいずれかの鋳造金型
を備えたチクソモールド成形機を用いて、マグネシュウ
ム合金、アルミニュウム合金のいずれかの群から選ばれ
る金属材料で成形品を製造することを特徴としている。
【0030】このような構成では、チクソモールド成形
機を用いて、上記金属材料で成形品を製造するようにし
ているため、上記請求項1〜8の発明と同様の作用を有
し、より精度よく加工性のよい成形品を製造することが
できる。
【0031】本発明のそれ以上の目的及び特徴は、以下
の詳細な説明及び図面によって明らかになる。本発明の
各特徴は、可能な限りにおいて、それ単独で、あるいは
種々な組み合わせで複合して用いることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明におけるいくつかの
実施の形態について図1〜図10を参照しながら説明
し、本発明の理解に供する。
【0033】(実施の形態1)本実施の形態1は、図1
に示されているように、溶融金属を成形する金型Aにお
いて、金型を金型母材とキャビティ3に面する複数の層
とにより形成し、このキャビティ3に面する第1の層
を、金型母材4a、5aに対して熱伝導率の良い材料か
らなる伝熱層7にて形成し、この伝熱層7と金型母材4
a、5aの間に形成される第2の層を、金型母材4a、
5aに対して熱伝導率の悪い材料からなる低伝熱層8で
形成している。金型母材4a,5aは、固定型金型4と
移動型金型5の主要部を構成し、この両金型4,5のそ
れぞれのキャビティ3に面する第1の層には、それぞれ
伝熱層7が設けられている。
【0034】固定型金型4及び移動型金型5のそれぞれ
の金型母材4a,5aは、安価な熱間ダイス鋼母材で形
成されている。
【0035】低伝熱層8は、伝熱層7と金型母材4a,
5a間に介在された断熱ブロック8、8により形成され
ると共にこの断熱ブロック8、8は、伝熱層7に対応し
た面に形成されている。
【0036】このような構成では、キャビティ3に面す
る層を、金型母材4a,5aに対して熱伝導率の良い材
料からなる伝熱層7にて形成して、この伝熱層7の温度
を上昇させることにより、金型本体を形成する金型母材
4a,5a自体ではなく、キャビティ3側の金型温度を
上昇させることで溶湯の凝固を遅延させることができ、
溶湯から金型Aへの熱伝達を抑制して、成形機や金型の
初期コストと運転コストを抑え、大型でかつ薄肉の成形
品であっても精度良く成形することのできるものとな
る。
【0037】また、図2に示される溶融金属を成形する
金型Aにおいては,両金型4,5を金型母材4a、5a
とキャビティ3に面する層とにより形成し、このキャビ
ティ3に面する層を、金型母材4a,5aに対して熱伝
導率の良い材料からなる伝熱層7にて形成し、上記金型
母材4a,5aを、熱伝導率の悪い材料からなる低伝熱
層8として形成している。
【0038】このような構成では、低伝熱層8を特別な
部材にて形成する必要がなく金型本体を形成する金型母
材4a,5aにて低伝熱層8を形成することができ、そ
の構成が簡略化されたものとなる。キャビティ3に面す
る伝熱層7の熱伝導率は、金型母材4a,5aの熱伝導
率50W/m/℃に対して熱伝導率の良い150W/m
/℃以上の材料からなることが好ましい。
【0039】また伝熱層7に面する低伝熱層8の熱伝導
率は、金型母材4a,5aの熱伝導率50W/m/℃に
対して15W/m/℃以下の材料からなることが好まし
い。
【0040】なお図2に示される金型母材4a,5aに
て低伝熱層8を形成する構成のものにおいては、この金
型母材4a,5aの熱伝導率も上記15W/m/℃以下
の材料からなることが好ましい。
【0041】また図1及び図2に示されるキャビティ3
に面する伝熱層7は、溶解炉11の先端に設けられた射
出ノズル12に接触されるように、金型Aをなす固定型
金型4に形成された射出ノズルタッチ部13の位置まで
延長して射出ノズル12に臨ませて形成している。
【0042】成形材料がマグネシュウム合金である場
合、成形機には多くのヒータ14が設けられており、こ
のヒータ14により、一般に溶解炉11の中は500℃
〜600℃、射出ノズル12は450℃以上に保温され
ている。
【0043】伝熱層7は製品を形作るキャビティ3面か
ら射出ノズルタッチ部13まで臨ませた連続的な層をな
しており、射出ノズル12が金型に接触した際に溶解炉
11の熱を上記射出ノズルタッチ部13から伝熱層7に
伝えることができるようにしてある。
【0044】このような構成では、成形機内の溶解炉1
1を加熱する熱を利用して、射出ノズル12に接触され
る射出ノズルタッチ部13から伝熱層7を加熱すること
ができて、伝熱層7を加熱するための特別の加熱手段を
設ける必要がないものとなり、また熱源が溶湯そのもの
でないため、溶湯の熱は奪われることなく、熱容量の大
きな成形機の溶解炉から継続的かつ安定に熱を供給する
ことができる。
【0045】また型開時に金型表面の温度を低下させる
際には、溶解炉11の射出ノズル12を金型の射出ノズ
ルタッチ部13から外し、熱が伝わらないようにするこ
とによって成形サイクルを早めることができる。
【0046】一方上記伝熱層7に面した低伝熱層8を形
成する断熱ブロック8は、チタン合金、ニッケル合金、
メタルセラミックス等の群から選ばれるいずれか1つの
材料で形成して、より断熱効果を高めるようにしてあ
る。
【0047】この断熱ブロック8は、両金型母材4a,
5aに対し螺子止め等の固着手段により着脱自在に固着
してある。
【0048】さらに、キャビティ3に面する伝熱層7
は、グラファイト、窒化アルミニュウム、窒化硼素、炭
化珪素、酸化ベリリュウム等の群から選ばれるいずれか
1つの高熱伝導セラミックスで形成して、より伝熱効果
を高めるようにしてある。
【0049】この伝熱層7を積層するための手段として
は、無機バインダを混入して吹き付ける方法やPVD,
CVD等の一般に良く行われる表面コーティング処理が
なされる。
【0050】この伝熱層7を積層するための表面コーテ
ィング処理する基板には、上記低伝熱層8を形成する断
熱ブロック8をその基板としてもよく、またライニング
板材を設けて、この板材をその表面コーティング処理の
基板としてもよい。
【0051】また図2に示される伝熱層7は、両金型母
材4a,5a自体に表面コーティング処理がなされる。
【0052】このような構造の金型のキャビティ3に溶
湯が流れ込むと、キャビティ3表面に設けられている伝
熱層7に沿って伝熱され、キャビティ3面は少ない熱量
で高温にすることができる。
【0053】また、キャビティ3面は熱伝導が良いが、
その外周は伝熱層7に面した低伝熱層8に囲まれている
ため、熱は外部に逃げにくくなり高温を維持してかつ均
一になりやすい。そしてキャビティ3面が高温で温度分
布が少ないため、温度低下による溶湯の粘度の上昇や早
期の凝固が起こりにくく薄肉であっても流動性が長く転
写性の良い高品質の成形品が得られる。
【0054】(実施の形態2)図3に示される本実施の
形態2の鋳造金型Aは、図1に示される実施の形態1の
鋳造金型と同様に、このキャビティに面する伝熱層7
は、金型母材4a,5aに対して熱伝導率の良い材料か
らなる伝熱層7にて形成し、この伝熱層7と金型母材4
a,5aの間に形成される層を、金型母材4a,5aに
対して熱伝導率の悪い材料からなる低伝熱層8で形成し
ている。
【0055】この図3に示される構成においては、伝熱
層7と低伝熱層8をなす断熱ブロック8との間であっ
て、固定型金型4と移動型金型5におけるそれぞれの伝
熱層7のごく近傍位置に、加熱装置21を備えている。
【0056】この加熱装置21は、電熱線ヒータや電磁
誘導加熱等一般的なものでよく使用されるものでよい。
本実施の形態では、瞬時に大量の熱を発生することがで
きる点で、電磁誘導加熱装置が用いられている。
【0057】この場合の加熱装置21は、ライニング板
材に伝熱層7を形成したものにおいて、この伝熱層7を
形成したライニング板材と低伝熱層8との間にあって、
それぞれの両金型4,5における伝熱層7、7のごく近
傍位置に設けてある。
【0058】この鋳造金型のキャビティ3においては、
溶湯が流れ込む直前に金型内の加熱装置を稼動させる
と、発生した熱は伝わりやすいキャビティ3表面の伝熱
層7を伝わりキャビティ3内の温度を上昇させることが
できる。
【0059】このような構成の加熱装置21では、供給
熱量や供給時間を自由に設定できるため、成形品の形状
や欠陥の発生に応じた温度コントロールをすることがで
き、伝熱層7への加熱をより効率よく行うことができ
る。
【0060】この鋳造金型を用いて成形品を製造する方
法の場合は、少なくとも1種の金属材料を用いるだけで
もよい。
【0061】また、この鋳造金型を用いて成形品を製造
する方法は、チクソモールド成形機を用いて、マグネシ
ュウム合金、アルミニュウム合金等のいずれかの群から
選ばれる金属材料で成形品を製造することができる。
【0062】このような方法では、より精度よく加工性
のよい成形品を製造することができる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、キャビティに面する層
を、金型母材に対して熱伝導率の良い材料からなる伝熱
層にて形成して、この伝熱層の温度を上昇させることが
できるので、金型本体を形成する金型母材自体ではな
く、この伝熱層の温度を上昇させることで溶湯の凝固を
遅延させることができ、溶湯から金型への熱伝達を抑制
して、成形機や金型の初期コストと運転コストを抑え、
大型でかつ薄肉の成形品であっても、温度低下による溶
湯の粘土の上昇や早期の凝固が起こりにくく、流動性が
長く転写性の良い高品質、高精度の成形品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を示す鋳造金型の
断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態の変形例を示す鋳
造金型の断面図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態を示す鋳造金型の
断面図である。
【図4】 従来例を示す鋳造金型の断面図である。
【符号の説明】
3 キャビティ 4 固定型金型 4a 金型母材 5 移動型金型 5a 金型母材 7 伝熱層 8 低伝熱層 11 溶解炉 12 射出ノズル 13 射出ノズルタッチ部 A 金型
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 21/04 B22D 21/04 A B 27/04 27/04 Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属を成形する金型において、金型
    を金型母材とキャビティに面する複数の層とにより形成
    し、このキャビティに面する第1の層を、金型母材に対
    して熱伝導率の良い材料からなる伝熱層にて形成し、こ
    の伝熱層と金型母材の間に形成される第2の層を、金型
    母材に対して熱伝導率の悪い材料からなる低伝熱層で形
    成したことを特徴とする鋳造金型。
  2. 【請求項2】 溶融金属を成形する金型において、金型
    を金型母材とキャビティに面する層とにより形成し、こ
    のキャビティに面する層を、金型母材に対して熱伝導率
    の良い材料からなる伝熱層にて形成し、上記金型母材
    を、熱伝導率の悪い材料からなる低伝熱層として形成し
    たことを特徴とする鋳造金型。
  3. 【請求項3】 キャビティに面する伝熱層の熱伝導率
    は、150W/m/℃以上の材料からなることを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の鋳造金型。
  4. 【請求項4】 低伝熱層の熱伝導率は、15W/m/℃
    以下の材料からなることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の鋳造金型。
  5. 【請求項5】 キャビティに面する伝熱層を、溶解炉の
    先端に設けられた射出ノズルに接触される金型本体の射
    出ノズルタッチ部の位置まで延長して形成したことを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鋳造金型。
  6. 【請求項6】 キャビティに面する伝熱層のごく近傍位
    置に、加熱装置を備えたことを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の鋳造金型。
  7. 【請求項7】 低伝熱層は、チタン合金、ニッケル合
    金、メタルセラミックスの群から選ばれる材料で形成し
    たことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の鋳
    造金型。
  8. 【請求項8】 キャビティに面する伝熱層は、グラファ
    イト、窒化アルミニュウム、窒化硼素、炭化珪素、酸化
    ベリリュウム等の高熱伝導セラミックスで形成したこと
    を特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の鋳造金
    型。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の鋳造金
    型を用いて、マグネシュウム合金、アルミニュウム合
    金、亜鉛合金等の低融点軽金属で成形品を製造すること
    を特徴とする成形品の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれかに記載の鋳造
    金型を備えたチクソモールド成形機を用いて、マグネシ
    ュウム合金、アルミニュウム合金のいずれかの群から選
    ばれる金属材料で成形品を製造することを特徴とする成
    形品の製造方法。
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