JP5741407B2 - 鋳造方法及び鋳造金型 - Google Patents

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本発明は、鋳造方法及び鋳造金型に関し、具体的には、鋳造品質を向上させる技術に関する。
従来、鋳造金型において鋳造を行う際に溶湯が凝固収縮することにより、製品の表面または内部に、粗い内壁を持った空洞状の欠陥である巣が生じる場合がある。このような巣の発生を抑止するための鋳造金型についての技術が知られており、これについて開示する文献も存在する(例えば、特許文献1から特許文献3を参照)。
前記特許文献1には、鋳造金型の内部において、キャビティに連通するスペースにピンを摺動可能に配設し、キャビティ内に溶湯を充填した後にピンを突出させて、キャビティ内の溶湯に圧力を加えて押湯作用を行う技術が記載されている。
また、前記特許文献2には、溶湯である鋳造アルミニウム合金に、ジルコニウムやホウ素などの元素を適量添加することにより、溶湯の凝固形態を変えて高密度化する技術が記載されている。
また、前記特許文献3には、キャビティ内に溶湯を充填した後に、鋳造金型に冷却ピンを挿入し、溶湯の凝固を促進させる技術が記載されている。
特開平10−146663号公報 特開平8−134576号公報 特開2005−193246号公報
しかし、前記特許文献1及び特許文献3に記載の技術の如く、鋳造金型における圧力や熱を制御する装置を別途設ける構成によれば、設備構成が複雑化、大型化するとともに、コスト増に繋がる。
また、前記特許文献1に記載の技術の如く、キャビティから離れた箇所に圧力を加える構成によれば、キャビティ内の製品への効果は限定的となるために巣の発生を抑止しきれない場合がある。加えて、キャビティ以外の部分に位置する溶湯に圧力を加えることから、溶湯が流入する容積が大きくなるために製品の歩留まりが悪化するという問題もある。
また、前記特許文献2に記載の技術の如く、溶湯の材料成分を変更する構成によれば、元素の添加によってコスト増となるとともに、製品の他の特性(例えば、引張強度や熱伝導率など)に影響が出る場合がある。
本発明は、上記の課題を鑑み、簡易でコンパクトな設備構成により、製品の品質に影響を与えることなく巣の発生を抑止することが可能となる、鋳造方法及び鋳造金型を提案するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、鋳造金型に形成されたキャビティに溶湯を充填して行う鋳造方法であって、前記鋳造金型において、前記キャビティを形成する部分のうち、少なくとも一部が薄板部で構成されるとともに、該薄板部の前記キャビティを形成する側と反対側の面に、前記薄板部よりも熱膨張率の大きい薄板部材である変形部が設けられて、前記薄板部と変形部とでバイメタル構造が形成され、前記変形部を加熱することにより前記変形部を膨張させて、前記キャビティの容積を増大させる、加熱工程と、前記加熱工程の後で前記溶湯がキャビティに充填される、充填工程と、前記充填工程の後で前記溶湯が凝固する際に前記変形部を冷却することにより前記変形部を収縮させて、前記キャビティの容積を縮小させる、冷却工程と、を備えるものである。
請求項2においては、前記加熱工程において、前記変形部を加熱する際の温度を、前記冷却工程での前記変形部の冷却による前記キャビティの容積縮小率と、前記溶湯の材料特性で定まる凝固収縮率と、が同一となるように制御するものである。
請求項3においては、前記冷却工程において前記溶湯が凝固する際に、前記薄板部の近傍において検出した前記キャビティの温度が、前記溶湯の凝固温度よりも低くなった時点で、前記変形部の冷却を開始するものである。
請求項4においては、前記薄板部の前記キャビティを形成する側の面に、溶湯の冷却を遅らせるための断熱処理を予め施すものである。
請求項5においては、キャビティに溶湯が充填されて鋳造が行われる鋳造金型であって、前記鋳造金型において前記キャビティを形成する部分のうち、少なくとも一部が薄板部で構成されるとともに、前記薄板部の前記キャビティを形成する側と反対側の面に、前記薄板部よりも熱膨張率の大きい薄板部材である変形部が設けられて、前記薄板部と変形部とでバイメタル構造が形成され、前記溶湯がキャビティに充填される前に前記変形部を加熱することにより前記変形部を膨張させて、前記キャビティの容積を増大させる、加熱手段と、前記溶湯が凝固する際に前記変形部を冷却することにより前記変形部を収縮させて、前記キャビティの容積を縮小させる、冷却手段と、が配設されるものである。
請求項6においては、前記加熱手段は、前記変形部を加熱する際の温度を、前記冷却手段により前記変形部を冷却することによる前記キャビティの容積縮小率と、前記溶湯の材料特性で定まる凝固収縮率と、が同一となるように制御するものである。
請求項7においては、前記薄板部の近傍に、前記キャビティに表出する温度検出手段を配設し、前記溶湯が凝固する際に、前記温度検出手段で検出した前記キャビティの温度が、前記溶湯の凝固温度よりも低くなった時点で、前記冷却手段による前記変形部の冷却が開始されるものである。
請求項8においては、前記薄板部の前記キャビティを形成する側の面には、溶湯の冷却を遅らせるための断熱処理が予め施されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明により、鋳造方法における鋳造金型を簡易でコンパクトな設備構成とすることにより、製品の品質に影響を与えることなく巣の発生を抑止することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る鋳造金型において鋳造前の状態を示した断面図。 同じく鋳造金型においてキャビティ形成時の状態を示した断面図。 同じく鋳造金型において加熱工程時の状態を示した断面図。 同じく鋳造金型において充填工程時の状態を示した断面図。 同じく鋳造金型において冷却工程時の状態を示した断面図。
以下に、本発明に係る鋳造金型、及び、鋳造方法について説明する。本明細書では便宜上、図1における右側を右側方、左側を左側方として説明する。
[鋳造金型10の全体構成]
まず、図1及び図2を用いて、鋳造金型10の全体構成について説明する。図1及び図2に示すように、鋳造金型10は、固定型11と、固定型11に対して近接離間可能に構成される可動型12と、を備える。可動型12が固定型11に向かって図1中に示す矢印Aの方向に接近し、図2に示すように当接した際は、固定型11と可動型12との間にキャビティ10aが形成される。本実施形態における固定型11及び可動型12には、金型用鋼であるSKDが素材として用いられる。
また、図1及び図2に示すように、鋳造金型10には、略円筒形状のスリーブ17が右側方に突出して付設されている。そして、スリーブ17内にて短円柱状のプランジャ18を左側方に摺動させ、給湯口17aよりスリーブ17内に供給された溶湯Aを押出して、キャビティ10a内に充填することにより鋳造する構成としている(図3及び図4を参照)。
本実施形態における鋳造金型10で鋳造する製品としては、例えばエンジンのシリンダブロックなどがあるが、製品の種類は限定されるものではない。また、本実施形態における溶湯Aは、一般的な量産ダイカスト材であるADC12が用いられている。なお、本実施形態において鋳造金型10は、キャビティ10a内を減圧する減圧装置や、鋳造した製品を押出すための押出装置等を備えるが、それらについての図示及び詳細な説明は省略している。
鋳造金型10における可動型12は、キャビティ10aを形成する部分が、薄肉の板状部である薄板部21で構成されている。具体的には図1及び図2に示す如く、可動型12における固定型11側の端部(図1及び図2における右側端部)であってキャビティ10aを形成する部分が、固定型11に対する可動型12の近接離間方向に厚みが小さく形成されて、薄板部21を構成しているのである。
本実施形態においては、薄板部21のキャビティ10aを形成する側(図1及び図2における右側)の面であるキャビティ形成面21aには、溶湯Aの冷却を遅らせるための断熱処理が予め施されている。具体的には、キャビティ形成面21aをナノカーボン炭素膜で被覆する、いわゆるカーボンコーティングを施すのである。なお、前記断熱処理はカーボンコーティングに限定されるものではなく、例えばセラミック溶射のようにキャビティ形成面21aの断熱性を高める処理であれば適用することが可能である。
なお、本実施形態において薄板部21は可動型12に形成されているが、固定型11のキャビティ10aを形成する部分に形成することも可能である。また、本実施形態においては、可動型12におけるキャビティ10aを形成する部分の全体が薄板部21として構成されているが、キャビティ10aを形成する部分のうち一部のみを薄板部21として構成することも可能である。
さらに、薄板部21のキャビティ10aを形成する側とは反対側(図1及び図2における左側)の面に、薄板部21よりも熱膨張率の大きい薄板部材である変形部31が設けられている。本実施形態においては変形部31として、可動型12を形成するSKDよりも熱膨張率の大きいジュラルミンが素材として用いられている。変形部31には、後述する加熱工程において加熱手段41により加熱されることから、耐熱性を有する合金が素材として用いられる。
このように、キャビティ10aの左側には、薄板部21と、薄板部21よりも熱膨張率の大きい変形部31とが隣接して配置されることにより、キャビティ10aの左側はバイメタル構造部10bとして形成されることになる。つまり、薄板部21と変形部31とで形成されるバイメタル構造部10bの温度が上昇すると、薄板部21の膨張量よりも変形部31の膨張量が大きくなるため、図3に示す如くバイメタル構造部10bが変形部31の側に膨らんで変形するのである。即ち、変形部31は対向する両端部(本実施形態においては上下端部)において、可動型12に固定されている。
鋳造金型10には、加熱手段41と冷却手段42とが配設される。
加熱手段41はヒーター又はバーナーで構成されており、溶湯Aがキャビティ10aに充填される前に変形部31を加熱することが可能に構成されている。即ち加熱手段41は、変形部31を加熱して膨張させて、バイメタル構造部10bを変形部31の側に膨らんで変形させることにより、キャビティ10aの容積を増大させるのである。
冷却手段42は水などの冷却媒体を放出するように構成されており、溶湯Aが凝固する際に変形部31を冷却することが可能に構成されている。即ち冷却手段42は、変形部31を冷却して収縮させて、変形部31の側に膨らんだバイメタル構造部10bを元の状態に変形させることにより、キャビティ10aを元の容積に縮小させるのである。
加熱手段41及び冷却手段42は、それぞれ図示しない駆動手段に配設されて、適宜その位置を変えることができる。つまり、加熱手段41によって変形部31を加熱する際には、図3に示す如く加熱手段41が変形部31に対向する位置に移動し、冷却手段42によって変形部31を冷却する際には、図5に示す如く冷却手段42が変形部31に対向する位置に移動するのである。
また、加熱手段41及び冷却手段42は、制御装置40と電気的に接続されている。制御装置40は入力機能、表示機能、記憶機能、通信機能、及び、各種演算機能等を備え、CPUやRAMやROMやインターフェース等のマイクロコンピュータを主体として構成される。そして、制御装置40からの指令に基づいて、加熱手段41及び冷却手段42の駆動及び変形部31に対する加熱、冷却が行われる。
さらに、本実施形態に係る鋳造金型10においては、薄板部21の近傍に、キャビティ10aに表出する温度検出手段である温度センサ23が配設されている。この温度センサ23により、図4に示す如くキャビティ10aに充填された溶湯Aの温度を測定するように構成されている。温度センサ23は制御装置40と電気的に接続されており、温度センサ23で測定した溶湯の温度情報を制御装置40で受信できるように構成されている。
[鋳造方法]
次に、図3から図5を用いて、鋳造金型10を用いた鋳造方法について説明する。
図1中に示す矢印Aの如く可動型12が固定型11に向かって接近して当接し、図2に示す如くキャビティ10aが形成された後で、図3に示す如く加熱手段41が変形部31を加熱することにより変形部31を膨張させて、キャビティ10aの容積を増大させる(加熱工程)。また、この加熱工程の際に、図3に示す如く溶湯Aを給湯口17aよりスリーブ17内に供給する。
加熱工程においては、バイメタル構造部10bの温度を上昇させて、薄板部21の膨張量よりも変形部31の膨張量を大きくする。そして、図3に示す如くバイメタル構造部10bを変形部31の側に膨らませて変形させるのである。この際、元のキャビティ10aの容積V0(図2を参照)に対して、増加したキャビティ10aの容積を容積V1とする(図3を参照)。
本実施形態においては、加熱手段41は、変形部31を加熱する際の温度を、後述する冷却工程における変形部31の冷却によるキャビティ10aの容積縮小率と、溶湯Aの材料特性で定まる凝固収縮率と、が同一となるように制御している。
その後、図示しない減圧装置によりキャビティ10a内を減圧してから、図4に示す如く、スリーブ17内にて短円柱状のプランジャ18を左側方に摺動させることにより、溶湯Aをプランジャ18で押出してキャビティ10a内に充填させる(充填工程)。この時、溶湯Aは元の容積V0から容積V1だけ増加したキャビティ10aに充填されることになる。
さらに、図5に示す如く冷却手段42が変形部31を冷却することにより変形部31を収縮させて、キャビティ10aの容積(V0+V1)を縮小させる(冷却工程)。詳細には、バイメタル構造部10bの温度を低下させて、薄板部21の収縮量よりも変形部31の収縮量を大きくする。
そして、図5に示す如く変形部31の側に膨らんだバイメタル構造部10bを元の状態に変形させることにより、キャビティ10aを元の容積V0に縮小させてから、冷却手段42による変形部31の冷却を停止するのである。
このように、キャビティ10aを縮小させてその容積を強制的に小さくすることにより、キャビティ10aの内部の溶湯Aに加わる圧力を大きくして、製品の内部に巣が発生することを防止するのである。
本実施形態においては、温度センサ23で検出したキャビティ10aの温度が、溶湯Aの凝固温度よりも低くなった時点で、冷却手段42による変形部31の冷却を開始することとしている。
ここで、前記の如く、変形部31の冷却によるキャビティ10aの容積縮小率と、溶湯Aの材料特性で定まる凝固収縮率と、が同一となるように制御されている。即ち、冷却前後におけるキャビティ10aの容積の縮小率(V0/(V0+V1))が、溶湯Aの凝固収縮率と同一となるように、加熱手段41の変形部31の加熱によって増大するキャビティ10aの容積が設定されている。
具体的には、本実施形態に係るキャビティ10aの容積縮小率は、溶湯AであるADC12の凝固収縮率と同程度の3%となるように設定されているのである。また、溶湯Aとして例えば純アルミニウムを用いた場合はキャビティ10aの容積縮小率は、溶湯Aである純アルミニウムの凝固収縮率と同程度の6.6%となるように設定される。
なお、溶湯Aの液相状態においては、温度変化によって膨張又は収縮がなされるが、凝固収縮による体積変化と比べると非常に小さいため、考慮しなくても差し支えない。
その後、可動型12を固定型11から離間させてから、図示しない押出装置により鋳造した製品を押出すことにより、鋳造金型10から製品を取り出すのである。
本実施形態によれば上記の如く、鋳造金型10において、キャビティ10aを形成する部分が薄板部21で構成されるとともに、薄板部21のキャビティ10aを形成する側と反対側の面に、薄板部21よりも熱膨張率の大きい薄板部材である変形部31が設けられてバイメタル構造部10bが形成されている。
そして、本実施形態に係る鋳造方法は、変形部31を加熱することにより変形部31を膨張させて、キャビティ10aの容積を増大させる加熱工程と、加熱工程の後で溶湯Aがキャビティ10aに充填される充填工程と、充填工程の後で溶湯Aが凝固する際に変形部31を冷却することにより変形部31を収縮させて、キャビティ10aの容積を縮小させる冷却工程と、を備えるのである。
本実施形態によれば上記の如く構成することにより、従来技術のように鋳造金型における圧力や熱を制御する装置を別途設ける構成と比較して、設備構成を簡易化、コンパクト化することができるため、鋳造を行う際に製品における巣の発生を防止するためのコストを抑制することが可能となる。
また、キャビティ10aの容積を直接的に変化させる構成であるため、キャビティ10aの内部の製品への影響を大きくでき、巣の発生を効果的に抑止できる。加えて、キャビティ10aの内部に位置する溶湯Aに対して直接的に圧力を加えることから、溶湯Aが流入する容積を必要以上に大きくすることがないため、製品の歩留まり悪化を防止することができる。
また、溶湯Aの材料成分を変更することがないため、元素の添加によるコスト増や、製品の他の特性への影響が発生しない。
上記の如く、本実施形態に係る鋳造金型10による鋳造方法においては、簡易でコンパクトな設備構成により、製品の品質に影響を与えることなく巣の発生を抑止することが可能となるのである。
さらに、本実施形態においては、加熱工程において、変形部31を加熱する際の温度を、変形部31の冷却によるキャビティ10aの容積縮小率と、溶湯Aの材料特性で定まる凝固収縮率と、が同一となるように制御している。
上記の如く構成することにより、変形部31の側に膨らんだバイメタル構造部10bが元の状態に変形してキャビティ10aが元の容積に縮小する率が、溶湯Aの凝固収縮による体積変化率と一致する。これにより、キャビティ10aの内部の溶湯Aに加わる圧力を適正な値に調節して、製品の内部における巣の発生をより効果的に防止できるのである。
加えて、本実施形態においては、薄板部21の近傍において検出したキャビティ10aの温度が、溶湯Aの凝固温度よりも低くなった時点で、変形部31の冷却を開始している。
これにより、変形部31の側に膨らんだバイメタル構造部10bが元の状態に変形してキャビティ10aが元の容積に縮小するタイミングと、溶湯Aの凝固収縮のタイミングを一致させることができる。つまり、キャビティ10aの内部の溶湯Aに圧力を加えるタイミングを調節することができるため、製品の内部における巣の発生をより効果的に防止できるのである。
また、本実施形態においては、薄板部21のキャビティ10aを形成する側の面であるキャビティ形成面21aに、溶湯Aの冷却を遅らせるための断熱処理としてカーボンコーティングを予め施している。
これにより、キャビティ形成面21aがナノカーボン炭素膜で被覆されることで濡れ性が低下するため、溶湯Aの冷却による凝固を遅らせることができるのである。即ち、溶湯Aが完全に凝固する前にキャビティ10aを元の容積に縮小させることができるため、製品の内部における巣の発生をより効果的に防止できるのである。
10 鋳造金型
10a キャビティ
10b バイメタル構造部
11 固定型
12 可動型
21 薄板部
31 変形部

Claims (8)

  1. 鋳造金型に形成されたキャビティに溶湯を充填して行う鋳造方法であって、
    前記鋳造金型において、前記キャビティを形成する部分のうち、少なくとも一部が薄板部で構成されるとともに、該薄板部の前記キャビティを形成する側と反対側の面に、前記薄板部よりも熱膨張率の大きい薄板部材である変形部が設けられて、前記薄板部と変形部とでバイメタル構造が形成され、
    前記変形部を加熱することにより前記変形部を膨張させて、前記キャビティの容積を増大させる、加熱工程と、
    前記加熱工程の後で前記溶湯がキャビティに充填される、充填工程と、
    前記充填工程の後で前記溶湯が凝固する際に前記変形部を冷却することにより前記変形部を収縮させて、前記キャビティの容積を縮小させる、冷却工程と、を備える、
    ことを特徴とする、鋳造方法。
  2. 前記加熱工程において、前記変形部を加熱する際の温度を、前記冷却工程での前記変形部の冷却による前記キャビティの容積縮小率と、前記溶湯の材料特性で定まる凝固収縮率と、が同一となるように制御する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の鋳造方法。
  3. 前記冷却工程において前記溶湯が凝固する際に、前記薄板部の近傍において検出した前記キャビティの温度が、前記溶湯の凝固温度よりも低くなった時点で、前記変形部の冷却を開始する、
    ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の鋳造方法。
  4. 前記薄板部の前記キャビティを形成する側の面に、溶湯の冷却を遅らせるための断熱処理を予め施す、
    ことを特徴とする、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の鋳造方法。
  5. キャビティに溶湯が充填されて鋳造が行われる鋳造金型であって、
    前記鋳造金型において前記キャビティを形成する部分のうち、少なくとも一部が薄板部で構成されるとともに、前記薄板部の前記キャビティを形成する側と反対側の面に、前記薄板部よりも熱膨張率の大きい薄板部材である変形部が設けられて、前記薄板部と変形部とでバイメタル構造が形成され、
    前記溶湯がキャビティに充填される前に前記変形部を加熱することにより前記変形部を膨張させて、前記キャビティの容積を増大させる、加熱手段と、
    前記溶湯が凝固する際に前記変形部を冷却することにより前記変形部を収縮させて、前記キャビティの容積を縮小させる、冷却手段と、が配設される、
    ことを特徴とする、鋳造金型。
  6. 前記加熱手段は、前記変形部を加熱する際の温度を、前記冷却手段により前記変形部を冷却することによる前記キャビティの容積縮小率と、前記溶湯の材料特性で定まる凝固収縮率と、が同一となるように制御する、
    ことを特徴とする、請求項5に記載の鋳造金型。
  7. 前記薄板部の近傍に、前記キャビティに表出する温度検出手段を配設し、
    前記溶湯が凝固する際に、前記温度検出手段で検出した前記キャビティの温度が、前記溶湯の凝固温度よりも低くなった時点で、前記冷却手段による前記変形部の冷却が開始される、
    ことを特徴とする、請求項5又は請求項6に記載の鋳造金型。
  8. 前記薄板部の前記キャビティを形成する側の面には、溶湯の冷却を遅らせるための断熱処理が予め施される、
    ことを特徴とする、請求項5から請求項7の何れか1項に記載の鋳造金型。
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