JP6544033B2 - 不織布とその製造方法、および繊維強化プラスチック成形体 - Google Patents

不織布とその製造方法、および繊維強化プラスチック成形体 Download PDF

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Description

本発明は、繊維強化プラスチック成形体の成形材料として好適に使用される不織布と、該不織布が加熱加圧成形された繊維強化プラスチック成形体に関する。
炭素繊維、ガラス繊維等の補強材でマトリックス樹脂を補強した繊維強化プラスチック(FRP)成形体は、強度等の機械特性に優れる点から、幅広い分野で使用されている。マトリックス樹脂としては、FRP成形体に要求される特性、用途等に応じて、様々な熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が使用されている。たとえば、ポリオレフィン系樹脂は、成形性に優れ、汎用性があること等から、多用されている。
FRP成形体を製造する方法としては、たとえば、特許文献1等に開示されているように、マトリックス樹脂を形成する熱可塑性樹脂繊維と補強材とを含む不織布等の成形材料を製造し、これを加熱加圧成形する方法がある。また、熱可塑性樹脂繊維としてポリオレフィン系樹脂繊維を用いる場合には、補強材との接着性を向上するために、酸変性したポリオレフィン系樹脂繊維を使用することがある。
国際公開第2007/097436号
しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は、たとえばポリアミド、ポリカーボネート等に比べて、強度、弾性率等の機械特性が低い。そのため、ポリオレフィン系樹脂をマトリックス樹脂として用いた場合には、炭素繊維、ガラス繊維等の補強材を配合しても、充分な曲げ強度、曲げ弾性率等の機械特性を有するFRP成形体を得ることは困難であった。
本発明は、マトリックス樹脂としてポリオレフィン系樹脂を用いたものでありながら、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械特性が優れたFRP成形体を製造できる不織布と、該不織布が加熱加圧成形されたFRP成形体の提供を目的とする。
本発明者は鋭意検討した結果、マトリックス樹脂を形成する熱可塑性樹脂繊維として、酸変性したポリオレフィン系樹脂繊維を用いる際に、補強材として、表面にポリビニルピロリドンからなる集束剤が付着した補強繊維を組み合わせて用いると、得られるFRP成形体の曲げ強度、曲げ弾性率等の機械特性が大きく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の構成を有する。
[1]酸変性ポリオレフィン繊維(A1)と補強材とを含有し、前記補強材は、補強繊維(B)の表面にポリビニルピロリドンからなる集束剤が付着した繊維である、不織布。
[2]さらに、ポリビニルアルコールを含有する、[1]の不織布。
[3]前記補強繊維(B)は、炭素繊維である、[1]または[2]の不織布。
[4]前記補強材が単繊維状に分散している、[1]〜[3]の不織布。
[5][1]〜[4]の不織布が加熱加圧成形された、繊維強化プラスチック成形体。
本発明によれば、マトリックス樹脂としてポリオレフィン系樹脂を用いたものでありながら、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械特性が優れたFRP成形体を製造できる不織布と、該不織布が加熱加圧成形されたFRP成形体を提供できる。
補強材の断面の長径と短径を決定する方法を説明する説明図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<不織布>
本発明の不織布は、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)と補強材とを含有し、補強材は、補強繊維(B)の表面にポリビニルピロリドン(以下、「PVP」ともいう。)からなる集束剤が付着した繊維である。
本発明の不織布は、FRP成形体の成形材料(繊維強化プラスチック成形体用基材)等として好適に使用されるものである。本発明の不織布は、詳しくは後述するように、1枚で、または2枚以上重ねられて、加熱加圧成形されることにより、FRP成形体に成形される。
[酸変性ポリオレフィン繊維(A1)]
酸変性ポリオレフィン繊維(A1)は、本発明の不織布を用いて成形されたFRP成形体において、マトリックス樹脂として作用するものである。酸変性ポリオレフィン繊維(A1)は、不織布中では繊維状の形態を維持しているが、不織布を加熱加圧成形して得られるFRP成形体中では、繊維状の形態を維持していない。
また、本発明の不織布は、本発明の効果を損なわない範囲で、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)以外の、熱可塑性樹脂からなる後述のその他の繊維(A2)を含んでもよい。該繊維(A2)は、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)とともにFRP成形体のマトリックス樹脂として作用する。以下、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)と、繊維(A2)とをまとめて熱可塑性樹脂繊維(A)とし、説明する。
熱可塑性樹脂繊維(A)は、複数種の繊維の混合物であってもよいが、上述のとおり、少なくとも、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)を含む。酸変性ポリオレフィン繊維(A1)とは、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物の1種以上で変性されたポリオレフィン系樹脂(以下、「酸変性ポリオレフィン系樹脂」ともいう。)からなる樹脂成分で形成された繊維である。ポリオレフィン系樹脂は一般に成形性に優れるため、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)をマトリックス樹脂として含む不織布も、FRP成形体製造時の成形性に優れる。
熱可塑性樹脂繊維(A)100質量%中の酸変性ポリオレフィン繊維(A1)の含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましく、100質量%であってもよい。熱可塑性樹脂繊維(A)に対する酸変性ポリオレフィン繊維(A1)の含有量が上記下限値以上であれば、FRP成形体製造時の成形性に優れる不織布が得られる。また、後述するように、PVPが集束剤として補強繊維(B)の表面に付着している補強材と組み合わせて使用することにより、曲げ弾性率、曲げ強度等の機械特性が優れたFRP成形体が得られる。
ポリオレフィン系樹脂の変性に用いられる不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、ソルビン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。酸変性ポリオレフィン系樹脂は、これらの不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物の1種で変性されていても、2種以上により変性されていてもよい。
変性されるポリオレフィン系樹脂としては、1種のオレフィンが重合した単独重合体、2種以上のオレフィンが重合した共重合体等が挙げられ、1種以上を使用できる。
上記単独重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン等が挙げられ、上記共重合体としては、プロピレン−エチレンランダム共重合体等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂の変性は、公知の方法で行える。たとえば、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物の1種以上とポリオレフィン系樹脂とを溶融状態で反応させる方法、溶媒中で反応させる方法等が挙げられる。また、樹脂の繊維化も公知の方法で実施できる。更に、未変性のポリオレフィン系樹脂と混合して繊維化し、後述の酸価を調整することができる。
酸変性ポリオレフィン系樹脂としては、曲げ弾性率、曲げ強度等の機械特性により優れたFRP成形体が得られやすいことから、マレイン酸および無水マレイン酸の少なくとも1種により、ポリプロピレンおよびプロピレン−エチレンランダム共重合体の少なくとも1種から選択されるポリプロピレン系樹脂を変性した樹脂が好ましい。
酸変性ポリオレフィン繊維(A1)の酸価は、0.1mgKOH/g以上であることが好ましく、0.5mgKOH/g以上であることがより好ましい。酸価が上記下限値以上であれば、後述の補強材との親和性が優れる等の理由により、機械特性に優れたFRP成形体が得られやすい。酸価の上限には特に制限はないが、吸湿性の抑制された繊維が得られやすい点から、20mgKOH/g以下であることが好ましく、15mgKOH/g以下であることがより好ましく、5mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
酸変性ポリオレフィン系樹脂には、上述のとおり、未変性のポリオレフィン系樹脂(上記ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、プロピレン−エチレンランダム共重合体等。)等の樹脂が含まれていてもよい。
本明細書において、酸価は、JIS K 0070(1992)の中和滴定法に準じて測定した値を意味する。
酸変性ポリオレフィン繊維(A1)としては、たとえば、ダイワボウポリテック社製のマレイン酸変性ポリプロピレン繊維「PZ−AD」(酸価:1.4mgKOH/g、融点:165℃)等を使用できる。
不織布中において、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)は、芯鞘型構造の熱可塑性樹脂繊維(芯鞘型繊維)の芯の部分として存在していてもよい。
芯鞘型繊維は、通常、不織布において繊維同士を結合させるための成分として添加される。このような芯鞘型繊維は、融点またはガラス転移温度の高い熱可塑性樹脂からなる芯の外周上に、融点またはガラス転移温度の低い熱可塑性樹脂からなる鞘が形成された繊維である。
芯鞘型繊維の鞘の部分は、不織布の製造工程中に加えられた熱(たとえば後述の乾燥工程における加熱。)により溶融して繊維同士を結合するバインダーとして作用し、不織布中では繊維状の形態をほぼ維持していない。一方、芯鞘型繊維の芯の部分は、不織布の製造工程中に加えられた熱により溶融せず、繊維状の形態を維持している。
そのため、芯の部分については、不織布を構成する熱可塑性樹脂繊維(A)として取り扱う。そして、芯の部分が、酸変性ポリオレフィン繊維である場合には、該芯の部分を酸変性ポリオレフィン繊維(A1)として取り扱い、酸変性ポリオレフィン繊維以外の熱可塑性樹脂からなる場合には、該芯の部分を後述する繊維(A2)として取り扱う。
一方、芯鞘型繊維の鞘に由来する部分については、不織布を構成する熱可塑性樹脂繊維(A)には含めず、後述するバインダー成分として取り扱う。
なお、後述するように、バインダー成分としては、芯鞘型繊維以外のものが使用される場合がある。また、繊維同士を絡ませる方法として水流交絡法を採用することにより、繊維同士の結合にバインダー成分を使用しない場合もある。このように、芯鞘型繊維は、不織布の製造において、使用されない場合もある。
不織布において、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)100質量%中における、芯鞘型繊維の芯の部分からなる繊維(すなわち、芯鞘型繊維の芯の部分が繊維状に残っているもの。)の割合には特に制限はなく、0〜100質量%の範囲であってよい。しかしながら、不織布中に含まれる、芯鞘型繊維の芯の部分からなる繊維の割合が高いと、バインダー成分として取り扱われる鞘由来の樹脂の割合もそれに同伴して高まる。その場合、得られるFRP成形体の機械特性や、FRP成形体成形時の成形性が低下する可能性がある。このような観点から、不織布を構成している酸変性ポリオレフィン繊維(A1)100質量%中の、芯鞘型繊維の芯の部分からなる繊維の割合は、バインダー成分として取り扱われる鞘由来の樹脂の量が、熱可塑性樹脂繊維(A)と補強材の合計100質量部に対して後述するバインダー成分量の好ましい範囲内に収まるように、調整することが好ましい。
不織布を構成している酸変性ポリオレフィン繊維(A1)100質量%中の割合としては、芯鞘型繊維の芯の部分からなる酸変性ポリオレフィン繊維の割合は、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
熱可塑性樹脂繊維(A)は、上述のとおり、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、酸変性ポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂からなるその他の繊維(A2)を含んでもよい。繊維(A2)を含有する場合、該繊維(A2)の含有量は、FRP成形体の機械特性、FRP成形体製造時の成形性を確保する点から、熱可塑性樹脂繊維(A)に対して50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましく、0質量%であってもよい。
熱可塑性樹脂繊維(A)が含んでもよい繊維(A2)としては、上述のとおり、芯鞘型繊維の芯の部分(ただし、酸変性ポリオレフィン繊維以外。)が挙げられる。また、繊維(A2)としては、必要に応じて、酸変性ポリオレフィン以外の熱可塑性樹脂からなる繊維を別途配合してもよい。
上述のとおり、芯鞘型繊維の芯の部分は、不織布を構成する熱可塑性樹脂繊維(A)として取り扱い、該芯の部分が、酸変性ポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂からなる場合、該芯の部分は繊維(A2)として取り扱う。
繊維(A2)として取り扱われる芯の部分の樹脂の種類としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、酸変性ポリオレフィン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等。)等が挙げられる。
芯の部分が繊維(A2)に相当する芯鞘型繊維は、熱可塑性樹脂繊維(A)100質量%中の繊維(A2)の割合が上記上限値以下となる範囲で含まれてよい。
また、上述のとおり、不織布中に含まれる、芯鞘型繊維の芯の部分からなる繊維の割合が高いと、バインダー成分として取り扱われる鞘由来の樹脂の割合もそれに同伴して高まり、FRP成形体の機械特性、FRP成形体製造時の成形性に悪影響を与える場合がある。そのため、芯の部分が繊維(A2)に相当する芯鞘型繊維の使用割合は、バインダー成分として取り扱われる鞘由来の樹脂の量が、熱可塑性樹脂繊維(A)と補強材の合計100質量部に対して後述するバインダー成分量の好ましい範囲内に収まるように、調整することが好ましい。
熱可塑性樹脂繊維(A)の繊維長(長手方向)は、質量平均繊維長として、2〜100mmであることが好ましく、2〜50mmであることがより好ましく、3〜50mmであることがさらに好ましく、3〜40mmであることが特に好ましく、3〜25mmであることが最も好ましい。熱可塑性樹脂繊維(A)の繊維長が上記範囲の下限値以上であれば、不織布としての強度が充分であり、不織布の取扱い性に優れる。また、不織布がたとえば湿式不織布である場合、その製造工程のうちの抄紙工程において、熱可塑性樹脂繊維(A)がワイヤーから落下しにくく、熱可塑性樹脂繊維(A)の歩留まりに優れる。熱可塑性樹脂繊維(A)の繊維長が上記範囲の上限値以下であれば、抄紙工程において熱可塑性樹脂繊維(A)と補強材とが絡みにくい。
本明細書において、質量平均繊維長は、100本の繊維について測定した繊維長の質量平均値である。
熱可塑性樹脂繊維(A)の断面の長径および短径の平均値は、それぞれ、3〜100μmが好ましく、5〜60μmがより好ましく、5〜30μmが特に好ましい。熱可塑性樹脂繊維(A)の断面の長径および短径の平均値が上記範囲の下限値以上であれば、たとえば、熱可塑性樹脂繊維(A)を水に分散させて、後述の抄紙工程で抄紙する分散液を調製する際等に、熱可塑性樹脂繊維(A)の撚れなどが発生しにくく、繊維自体のハンドリング性が良好である。上記範囲の上限値以下であれば、繊維の絡み合いにより不織布の強度が充分となり、不織布の取扱い性に優れる。
本明細書において繊維の断面とは、繊維の長手方向に対して垂直な断面のことをいう。
本明細書において繊維の断面の長径とは、図1に示すように、繊維10の断面に外接する長方形Rを想定した時に、その長方形Rの長辺の長さLであり、繊維10の断面の短径とは、短辺の長さLである。なお、長辺の長さLは、繊維の断面の外周上の任意の2点間の距離のうちの最大値に等しい。
また、本明細書において、熱可塑性樹脂繊維(A)の断面の長径の平均値、短径の平均値、後述の補強材の断面の長径の平均値、短径の平均値は、それぞれ繊維100本についての平均値であり、各長径および短径は、顕微鏡観察により測定できる。
熱可塑性樹脂繊維(A)の断面の形状には特に制限はなく、いかなる形状であってもよい。たとえば、断面の長径と短径が等しい丸断面でもよいし、断面の長径と短径が異なる扁平形状でもよい。また、複数種の断面形状の混合物でもよいが、入手性およびコスト面から、丸断面繊維(断面の長径および短径が等しい繊維。)が好適である。
酸変性ポリオレフィン繊維(A1)および繊維(A2)は、それぞれ、1種のみであっても、樹脂の種類、断面の長径、断面の短径、繊維長、断面形状等のうちの1つ以上が異なる2種以上であってもよい。
熱可塑性樹脂繊維(A)は、不織布中で単繊維状に分散していることが好ましい。単繊維状に分散していることにより、得られたFRP成形体は、曲げ弾性率、曲げ強度等の機械特性が均質なものとなりやすい。なお、本明細書において「単繊維状に分散している」とは、不織布中でストランド状ではないことを意味し、単繊維同士の多少の重なりは許容される。
[補強材]
本発明で使用される補強材は、補強繊維(B)とその表面に付着したPVP(集束剤)より構成される。集束剤とは、補強繊維の取扱性を高める等の目的により、補強繊維の表面に付与されるものである。
マトリックス樹脂を構成する繊維として、上述の酸変性ポリオレフィン繊維(A1)を使用した場合に、補強材として、繊維表面にPVPからなる集束剤が付着した補強繊維(B)を組み合わせて得た不織布を用いると、集束剤として水が使用された補強繊維を組み合わせて得た不織布を用いたとき等に比べて、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械特性が大きく向上したFRP成形体が得られる。このような傾向は、熱可塑性樹脂繊維としてポリアミド繊維、ポリカーボネート繊維等の他の樹脂繊維を使用した場合にはほとんど認められない。この理由については必ずしも明らかではないが、補強繊維(B)の表面に付着しているPVPと、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)との親和性が向上する等、何らかの相互作用が働き、これによりFRP成形体の機械特性が優れるものと考えられる。
補強繊維(B)としては、炭素繊維、ガラス繊維等が挙げられ、FRP成形体の用途等に応じて、これらのうちの1種以上を使用できる。
炭素繊維には、その原料に応じて、ポリアクリロニトリル(PAN)系、石油・石炭ピッチ系、レーヨン系、リグニン系等の種類がある。炭素繊維としては、いずれの種類の繊維も使用できる。なかでも、機械特性に優れたFRP成形体が得られやすい点から、PAN系炭素繊維が好ましい。
補強繊維(B)が炭素繊維である場合、補強材の単繊維の引張強さは、3300MPa以上が好ましく、4500MPa以上が好ましく、引張弾性率は200GPa以上が好ましく、230GPa以上がより好ましい。引張強さの上限値は特に制限はないが、通常6600MPaである。引張弾性率の上限値は特に制限はないが、通常330GPaである。
本明細書において、引張強さおよび引張弾性率は、JIS R7606に準じて求めた値である。
PVPは、下記一般式で表される水溶性高分子ポリマーである。PVPのK値(ドイツの化学者フィケンチャーにより提案された重合度を表す定数。)は、5〜120が好ましく、20〜90がより好ましい。
なお、下記一般式中のnは、繰り返し単位の数を示す。
Figure 0006544033
補強繊維(B)に対するPVPの付着量は、補強材(補強繊維(B)+PVP)の全質量(100質量%)に対して、0.001〜10質量%の範囲が好ましく、0.01〜8質量%の範囲がより好ましく、0.1〜5質量%の範囲が特に好ましい。PVPの付着量が上記範囲の下限値以上であると、曲げ弾性率、曲げ強度等の機械特性により優れるFRP成形体が得られやすい。PVPの付着量が上記範囲の上限値以下であれば、補強材が単繊維状に良好に分散した不織布が得られやすく、その結果、FRP成形体の機械特性が均質になりやすい。
なお、湿式抄紙で不織布を製造する場合には、補強繊維(B)に付着していたPVPが水に溶解して補強繊維から脱離することも考えられるが、上記範囲で残留していれば本発明の効果を損なわない。湿式抄紙で不織布を製造する場合には、補強材として、補強繊維(B)に対するPVPの付着量が、補強材(補強繊維(B)+PVP)の全質量(100質量%)に対して、好ましくは0.002〜15質量%、より好ましくは0.02〜12質量%、さらに好ましくは0.2〜7質量%の範囲であるものを用いて抄紙を行うと、PVPを上記範囲で残留させることができる。
本明細書においては、補強材の質量をW1とし、該補強材を500℃で15分間強熱したときの質量減少をW2としたとき、下記式で計算される値を補強材のPVPの付着量(質量%)とする。
PVPの付着量(質量%)=W2×100/W1
補強材の繊維長(長手方向)は、質量平均繊維長として、3〜100mmであることが好ましく、3〜75mmであることがより好ましく、3〜50mmであることがさらに好ましく、6〜50mmであることが特に好ましい。補強材の繊維長が上記範囲の下限値以上であれば、不織布から補強材が脱落することを抑制することができ、かつ、強度に優れたFRP成形体を成形できる。また、不織布がたとえば湿式不織布である場合には、後述する抄紙工程を経て製造されるが、該抄紙工程において補強材がワイヤー(抄紙網)から落下しにくく、補強材の歩留まりに優れる。補強材の繊維長が上記範囲の上限値以下であれば、補強材の分散性が優れる。
補強材の断面の形状には特に制限はなく、いかなる形状であってもよい。たとえば、断面の長径と短径が等しい丸断面でもよいし、断面の長径と短径が異なる扁平形状でもよい。また、複数種の断面形状の混合物でもよい。
補強材を構成している補強繊維(B)が炭素繊維の場合には、入手性およびコスト面から、補強材は丸断面繊維が好適である。
一方、補強材を構成している補強繊維(B)がガラス繊維の場合には、補強材として丸断面繊維も好適に使用できるが、断面が扁平形状であり、該断面の長径と短径との比(長径/短径)が1を超え、たとえば該比(長径/短径)が1.5〜8の範囲内にある扁平繊維を使用すると、丸断面繊維を使用した場合に比べて、曲げ弾性率により優れるFRP成形体が得られる傾向にある。不織布中において、比(長径/短径)が上記範囲である扁平繊維は、その長径方向が不織布の面方向に沿うように配向しやすい。そして、このような不織布を用いて成形されたFRP成形体中においても、扁平繊維は、その長径方向がFRP成形体の面方向に沿うように配向しやすい。そのため、得られたFRP成形体は、曲げ弾性率に優れるものと考えられる。
また、後述するように、不織布が抄紙工程を経て製造された湿式不織布であると、該湿式不織布中において、扁平繊維は、その長径方向が不織布の面方向に沿うように、より配向しやすい。そのため、湿式不織布が加熱加圧成形されたFRP成形体は、曲げ弾性率により優れるものと考えられる。
上記比(長径/短径)は、2〜7が好ましく、2.5〜6がより好ましい。比(長径/短径)が上記範囲の下限値以上であると、得られたFRP成形体の曲げ弾性率がより優れる傾向にある。比(長径/短径)が上記範囲の上限値以下であると、繊維が薄くなりすぎず成形時等に破壊されにくく、所望の効果が得られすい。
補強材が丸断面繊維の場合の断面の長径(=短径)、補強材が扁平繊維である場合の断面の長径および短径は、いずれもその平均値として、3〜30μmが好ましく、3〜25μmがより好ましい。該平均値が上記範囲の下限値以上であれば、繊維自体の取扱い性が良好であり、上記範囲の上限値以下であれば、繊維同士の接点数の増加による不織布の強度向上が期待できる。
補強材は、1種のみであっても、補強材の種類、断面の長径、断面の短径、繊維長、断面形状等のうちの1つ以上が異なる2種以上であってもよい。
補強材としては、たとえば、台湾プラスチック社製の炭素繊維チョップドストランドである「TAIRYFIL(登録商標) CS−815」等の市販品を使用してもよい。このチョップドストランドの炭素繊維はPAN系であり、炭素繊維の表面にPVPが集束剤として付着している。上述したPVPの付着量は2質量%である。
補強材は、不織布中で単繊維状に分散していることが好ましい。単繊維状に分散していることにより、得られたFRP成形体は、曲げ弾性率、曲げ強度等の機械特性が均質なものとなりやすく、外観も優れる。なお、不織布の製造に用いる補強材は、使用前においては、ストランド状であってもよい。ストランド状である場合には、公知の方法で解繊処理をしてから、不織布の製造に用いてもよいし、たとえば後述の抄紙工程(湿式法)を採用する場合には、調製される分散液に分散剤を添加することにより、単繊維状に分散させてもよい。
[熱可塑性樹脂繊維(A)と補強材の配合比]
熱可塑性樹脂繊維(A)と補強材の合計100質量%に対して、熱可塑性樹脂繊維(A)の含有量が10〜90質量%、補強材の含有量が90〜10質量%であることが好ましく、熱可塑性樹脂繊維(A)の含有量が20〜80質量%、補強材の含有量が80〜20質量%であることがより好ましく、熱可塑性樹脂繊維(A)の含有量が25〜75質量%、補強材の含有量が75〜25質量%であることがさらに好ましく、熱可塑性樹脂繊維(A)の含有量が40〜60質量%、補強材の含有量が40〜60質量%であることが特に好ましい。各繊維の含有量が上記範囲内であると、熱可塑性樹脂繊維(A)の含有量と補強材の含有量のバランスが優れるため、不織布中で熱可塑性樹脂繊維(A)と補強材とが良好に分散し、成形性にも優れる。そのため、不織布を加熱加圧成形して得られるFRP成形体は、マトリックス樹脂に基づく特性と、補強材に基づく特性とをそれぞれ充分に発揮する。
また、補強材が扁平繊維である場合においても、不織布中に、扁平繊維と熱可塑性樹脂繊維(A)が均一に存在しやすくなる。
[その他の成分]
(バインダー成分)
本発明の不織布は、熱可塑性樹脂繊維(A)および補強材を互いに結合し、不織布の保形性を維持するためのバインダー成分を含んでもよい。
上述のように、不織布の材料に芯鞘型繊維を用いることにより、鞘の部分が溶融してバインダー成分となって不織布に含まれてもよいし、詳しくは後述するが、不織布の製造工程において、粉状、繊維状、液状(溶液、エマルション等。)等の形態でバインダー成分を付与することもできる。
また、必要に応じて、不織布の材料に芯鞘型構造の熱可塑性樹脂繊維を用い、かつ、不織布の製造工程において、粉状、繊維状、液状等の形態でバインダー成分を付与することもできる。
なお、不織布の製造工程において、後述する水流交絡法により繊維同士を絡ませる場合には、通常、不織布はバインダー成分を含まない。
バインダー成分としては、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」ともいう。)、(メタ)アクリル樹脂、変性PET(いわゆる低融点PET。)、ポリオレフィン系樹脂(PE、PP等。)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性樹脂が挙げられる。バインダー成分は、不織布の製造工程中に加えられる熱(たとえば後述の乾燥工程における加熱。)により溶融し、バインダーとして作用する。なお、乾燥工程は、熱可塑性樹脂繊維(A)が溶融しない温度で行う。
鞘の部分が溶融してバインダー成分となる芯鞘型繊維を使用する場合、鞘の部分を構成する熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリル樹脂、変性PET、ポリオレフィン系樹脂(PE、PP等。)、EVA等から選ばれる1種以上が好ましい。
このような芯鞘型繊維における具体的な芯および鞘の組合せとしては、「PET/変性PET」、「PET/EVA」、「PP/PE」等が挙げられる。ここで「/」の前に記載している材質が芯で、後ろに記載している材質が鞘を意味する。芯は、上述のとおり熱可塑性樹脂繊維(A)として取り扱う。
また、芯鞘型繊維の芯の部分と鞘の部分の断面積比には特に制限はないが、通常、芯:鞘=1:0.8〜1.2程度である。また、芯の部分と鞘の部分の質量比にも特に制限はないが、通常、芯:鞘=1:0.8〜1.2程度である。
不織布がバインダー成分を含む場合、バインダー成分としては、PVAを含むことが好ましい。詳しくは後述するが、PVAを含む不織布を加熱加圧成形することにより、機械特性により優れるFRP成形体が得られやすい。
バインダー成分は、不織布中に1種が含まれても2種以上が含まれてもよく、バインダー成分の総含有量は、熱可塑性樹脂繊維(A)と補強材の合計100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.3〜15質量部がより好ましく、1〜5質量部が特に好ましい。バインダー成分の量が上記範囲の下限値以上であれば、繊維を充分に結合でき、上記範囲の上限値以下であれば、FRP成形体の機械特性、FRP成形体製造時の成形性等に影響を与えにくい。
バインダー成分としてPVAを使用する場合には、バインダー成分の総含有量(100質量%)に対して、10質量%以上使用することが好ましく、100質量%であってもよい。
(他の成分)
本発明の不織布は、その効果を妨げない範囲で、各種フィラー、熱硬化性樹脂、顔料等のうちの1種以上を含んでもよい。
[坪量、厚み]
本発明の不織布の坪量は、5〜2000g/mであることが好ましく、10〜1000g/mであることがより好ましく、15〜800g/mであることがさらに好ましい。坪量が上記範囲内であれば、製造効率よく不織布を製造することができる。
本発明の不織布の密度は、たとえば後述の抄紙工程および乾燥工程を経た状態において、通常0.01〜0.80g/cm程度である。本発明の不織布はこのままの状態で使用することもできるが、輸送コストやハンドリング性などの観点から、その体積を小さくする目的において、該不織布に影響を与えない条件の加熱加圧プレス等によってこれを圧縮し、密度を高めてもよい。
本発明の不織布の厚みは、特に限定されず、坪量および密度により決まる。
<不織布の製造方法>
本発明の不織布を製造する方法には特に制限はなく、公知の方法で熱可塑性樹脂繊維(A)と補強材とを含むウェブを形成し、公知の方法でウェブ中の繊維同士を結合させればよい。
バインダー成分として少なくともPVAを使用する場合には、PVA繊維または粉末を用い、熱可塑性樹脂繊維(A)と補強材と、バインダー成分であるPVAとを含む分散液を抄紙する抄紙工程を有する湿式法を採用することが好ましい。湿式法を採用することにより、湿式不織布が得られる。分散液とは、抄紙工程で抄紙機のワイヤーに供給される、抄紙機のインレット内の液のことをいう。分散液の分散媒は、通常、水であり、後述のように粘剤が添加されてその粘度が調整される。抄紙機としては、円網抄紙機、長網抄紙機、傾斜型抄紙機等が挙げられる。
バインダー成分としてPVAを含む不織布を加熱加圧成形することにより、上述のとおり、機械特性のより優れたFRP成形体が得られる。その理由は必ずしも明らかではないが、バインダー成分としてPVAを使用すると、より密な不織布が得られやすい傾向にあり、このことが得られるFRP成形体の機械特性の向上と関連しているものと考えられる。また、PVAを用いる場合、PVA繊維を用いることが、ウェットウェブの強度、抄紙工程および乾燥工程を安定に行える点で好ましい。
分散液は、PVA以外のバインダー成分を含んでもよく、このようなバインダー成分としては、上述のとおり、(メタ)アクリル樹脂、変性PET、ポリオレフィン系樹脂(PE、PP等。)、EVA等の熱可塑性樹脂が挙げられ、粉末状、繊維状、液状(溶液、エマルション等。)等の状態で分散液に配合できる。また、分散液は、鞘の部分がバインダーとして作用する芯鞘型繊維を含んでよい。
分散液は、界面活性剤等の分散剤(熱可塑性樹脂繊維(A)と補強材の分散性を向上させる。)、必要に応じて使用されるフィラー等を含んでもよい。
インレット内の液には、不織布の坪量を均一にする観点から、粘剤を添加することが好ましい。粘剤としては、例えばポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド等が好ましい。粘剤が粉末の場合には、液中でダマになったり、未溶解物が残ったりしないように、0.3質量%以下の濃度となるように水にあらかじめ溶解しておき、その溶液を添加することが好ましい。
分散液の固形分濃度(インレット濃度)は、0.01〜5質量%であることが好ましい。分散媒の固形分濃度が上記下限値以上であると、生産効率に優れ、上記上限値以下であると、補強繊維の分散性が良好となる。
なお、固形分とは、熱可塑性樹脂繊維(A)、補強材およびバインダー成分である。
抄紙工程におけるジェットワイヤー比は、1以下であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.8以下であることが特に好ましい。ジェットワイヤー比は、繊維を等方向に配向させる点で、0.7以上が好ましい。
ジェットワイヤー比とは、抄紙機におけるワイヤーの走行速度(W)に対する分散液の流速(J)の比であり、J/Wで表される。J/Wを上記範囲に調整することにより、ワイヤー付近における分散液の流れを層流域にコントロールできる。
実生産上の抄紙機としては、上述のとおり、円網抄紙機、長網抄紙機、傾斜型抄紙機等の公知の抄紙機を使用できるが、分散性や地合いの点から、傾斜型抄紙機を使用することが好ましい。
傾斜型抄紙機におけるジェットワイヤー比の調整は、分散液のワイヤーへの供給速度と、供給された分散液中の分散媒をワイヤーを介して脱水ボックスで吸引する速度とをコントロールする常法により行える。
ワイヤーの走行速度(W)は、0.1〜200m/分が好ましい。ワイヤーの走行速度(W)が上記範囲内であると、得られる不織布の均一性が高まる。ワイヤーの走行速度(W)は、「抄速」に相当する。
抄紙工程は、たとえば以下のように行う。
まず、アジテータ付のタンク内で、分散液を調製する。具体的には、熱可塑性樹脂繊維(A)、補強材、水(分散媒)と、必要に応じて分散剤、粘剤を混合し、アジテータで撹拌する。補強材がストランド状であっても、ここで分散剤を使用することで、補強材は単繊維状に良好に分散する。分散剤は、水で溶解または希釈して添加してもよい。また、分散液には、バインダー成分を添加してもよく、バインダー成分としてPVAを使用する場合には、ここで分散液に添加する。これにより熱可塑性樹脂繊維(A)と補強材とがモノフィラメント(単繊維)化した原料液を調製する。
なお、鞘の部分がバインダーとして作用する芯鞘型繊維を用いる場合にも、分散液に加える。
熱可塑性樹脂繊維(A)および補強材としては、先に不織布について説明したものを用いる。
原料液の固形分濃度は、0.01〜5質量%程度に調整することが好ましい。
分散剤の添加量(正味量)は、補強材100質量部に対して0.1〜10質量部程度が好ましい。
ついで、このようにして調製された原料液に水(たとえば白水。)を加えて、固形分濃度が上記範囲である分散液を得る。ここで加える水にも、分散液の粘度が好ましい範囲となるように、あらかじめ粘剤を加えておくことが好ましい。
そして、分散液を抄紙機のインレットから抄紙機のワイヤーに供給し、繊維層を形成する。この際、ジェットワイヤー比は、上述の範囲に制御することが好ましい。
その後、繊維層を脱水し、ウェットウェブを得る。脱水は、繊維層をたとえばサクションボックスを通過させることで行う。
このような抄紙工程の後、必要に応じてバインダー供給工程または水流交絡工程を行う。その後、ヤンキードライヤー等によりウェットウェブの水分を、蒸発、乾燥させる乾燥工程を行う。
バインダー供給工程および水流交絡工程は、抄紙工程で得られたウェットウェブがバインダー成分を含んでいる場合に行ってもよいが、通常は、ウェットウェブがバインダー成分を含んでいない場合に行う。たとえば、抄紙工程で抄紙する分散液に、バインダー成分としてPVA成分を添加したり、芯鞘型繊維を添加したりして、ウェットウェブがバインダー成分を含んでいる場合には、ここでバインダー供給工程または水流交絡工程を行わなくてよい。
バインダー供給工程を行う場合には、たとえばバインダー成分を含む液を脱水後のウェットウェブに対してスプレー、塗布、含浸する方法等で行う。このようにして付与されたバインダー成分は、ついで行われる乾燥工程での熱で溶解し、繊維同士を結合する。ここで付与されるバインダー成分が(メタ)アクリル樹脂である場合には、バインダー成分を含む液として、エマルションが使用されることが好ましい。
水流交絡工程は、ウェットウェブに対して高圧水を噴射することにより、繊維同士を部分的に絡ませる工程であり、公知の方法で行える。
乾燥工程に供給されるウェットウェブがバインダー成分を含む場合には、この乾燥工程で加えられる熱により水分を蒸発、乾燥させることに加え、バインダー成分を溶融させ、繊維同士を結合させる。
乾燥工程に供給されるウェットウェブがバインダー成分を含まず、水流交絡工程を経たものである場合には、この乾燥工程では水分を蒸発、乾燥させる。
以上のようにして、熱可塑性樹脂繊維(A)と補強材を含む湿式不織布が得られる。
<繊維強化プラスチック成形体>
本発明のFRP成形体は、上述の不織布を加熱加圧成形することにより得られる。不織布は1枚のみを加熱加圧成形しても、2枚以上を重ねて加熱加圧成形してもよく、FRP成形体の用途等に応じて決定できる。
加熱加圧成形の温度は、150〜600℃が好ましい。
加熱加圧成形の圧力は、3〜50MPa程度であり、加熱加圧時間は、5〜1200秒程度である。
このようにして得られたFRP成形体は、本発明の不織布(酸変性ポリオレフィン繊維(A1)と補強材とを含有し、補強材が、補強繊維(B)の表面にPVP(集束剤)が付着した繊維である不織布。)が加熱加圧成形されたものである。そのため、マトリックス樹脂としてポリプロピレン系樹脂を用いたものでありながら、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械特性が格段に優れる。
本発明のFRP成形体の用途としては、たとえば、OA機器、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、パソコン(タブレットパソコンを含む。)、デジタルビデオカメラなどの携帯電子機器、エアコンその他家電製品などの筐体、及び筐体に貼り付けるリブ等の補強材;支柱、パネル、補強材などの土木、建材用部品;が挙げられる。
また、各種フレーム、各種車輪用軸受、各種ビーム、ドア、トランクリッド、サイドパネル、アッパーバックパネル、フロントボディー、アンダーボディー、各種ピラー、各種フレーム、各種ビーム、各種サポート、などの外板またはボディー部品及びその補強材;インストルメントパネル、シートフレームなどの内装部品;ガソリンタンク、各種配管、各種バルブなどの燃料系、排気系、または吸気系部品;エンジン冷却水ジョイント、エアコン用サーモスタットベース、ヘッドランプサポート、ペダルハウジング;などの自動車、二輪車用部品;が挙げられる。
また、ウィングレット、スポイラーなどの航空機用部品;鉄道車両用の座席用部材、外板パネル、外板パネルに貼り付ける補強材、天井パネル、エアコン等の噴出し口などの鉄道車両用部品;樹脂(熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂)からなる成形体の補強材、樹脂と強化繊維からなる成形体の補強材、植物由来のシート(クラフト紙、段ボール、耐油紙、絶縁紙、導電紙、剥離紙、含浸紙、グラシン紙、セルロースナノファイバーシートなど)の補強材などの部材、等に好適に使用される。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。
(実施例1)
以下のようにして、表1に示す割合で各繊維を含む不織布(湿式不織布)を抄紙工程(湿式法)を経て製造した。
なお、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)としては、質量平均繊維長が15mm、長径および短径が18μmの丸断面繊維である、ダイワボウポリテック社製のマレイン酸変性ポリプロピレン繊維「PZ−AD」(酸価:1.4mgKOH/g、融点:165℃)を用いた。
また、補強材としては、炭素繊維(補強繊維(B))の表面に、集束剤としてPVPが付着した、質量平均繊維長が12mm、長径および短径がいずれも7μmの丸断面繊維である、台湾プラスチック社製のチョップドストランド「TAIRYFIL(登録商標) CS−815」(PVPの付着量(補強材の質量全体を100質量%とする。):2質量%)を用いた。該補強材の単繊維の引張強さは、3450MPa、引張弾性率は、230GPaである。
また、芯鞘型繊維としては、芯がPET(融点:260℃)で、鞘が変性PET(融点:110℃)である熱可塑性樹脂繊維(質量平均繊維長が5mm、長径および短径がいずれも12.5μm、芯の長径および短径がいずれも8.8μm、芯および鞘の質量比率は芯:鞘=1:1。)を用いた。この繊維は、芯は、得られた不織布中で繊維(A2)として存在し、鞘はバインダー成分として存在する。
まず、プロペラ型アジテーター付のタンクに、補強材の濃度が0.25質量%となるように、補強材と水を投入した。さらに、分散剤として「エマノーン(登録商標)3199V」(花王株式会社製、ポリエチレングリコールモノステアレート)の0.6質量%水溶液を、その固形分が補強材100質量部に対して1質量部となるように添加し、プロペラ型アジテーターを用いて回転数500rpmで攪拌した。
ついで、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)と、芯鞘型繊維とを、表1の配合比(質量比)となるように投入し、回転数200rpmで攪拌を続けた。なお、表中では、芯鞘型繊維について、芯の部分と鞘の部分とに分けて記載した。
ついで、ポリアクリルアミド系粘剤(「FA−40MT」(アクアポリマー社製)、質量平均分子量:1700万)の0.05質量%水溶液を、得られる原料液に対してポリアクリルアミドの固形分が30ppmとなるように投入し、回転数200rpmで攪拌し、各繊維がモノフィラメント化した原料液を得た。
その後、これに水を加え、固形分濃度(酸変性ポリオレフィン繊維(A1)、補強材、芯鞘型繊維の合計濃度。)が0.2質量%となるように調整した。
その後、この原料液に水(白水)を加え、固形分濃度が0.03質量%の分散液を得た。
この分散液を用いて抄紙工程(湿式法)でウェットウェブを形成し、140℃で乾燥して、坪量100g/mの不織布を得た。
得られた坪量100g/mの不織布を14枚積層し、120℃に予熱したホットプレス内に入れ、温度:200℃、圧力:10MPa、時間:300秒間の条件で、加熱加圧成形を行った。
その後、50℃に冷却し、厚み1mmのFRP成形体を得た。
得られたFRP成形体について、以下の方法により、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
測定された値を表1に示す。
(曲げ強度および曲げ弾性率の測定方法)
JIS K7074「炭素繊維強化プラスチックの曲げ試験方法」の3点曲げ試験により測定した。
(比較例1)
表1に示すように、集束剤として水が使用された質量平均繊維長が13mm、長径および短径がいずれも7μmの丸断面繊維である炭素繊維を補強材として用いた以外は、実施例1と同様にして、不織布、FRP成形体を得た。
得られたFRP成形体について、実施例1と同様にして、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
測定された値を表1に示す。
(実施例2〜4)
実施例1と同様にして、表1に示す割合で各繊維を含む不織布を製造し、FRP成形体を得た。そして、FRP成形体について、実施例1と同様にして、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
測定された値を表1に示す。
ただし、実施例2では、補強材、水、分散剤が投入されているプロペラ型アジテーター付のタンクに、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)および芯鞘型繊維に加えて、バインダー成分としてPVA繊維(「VPB105−2」(クラレ社製))を表1の配合比(質量比)となるように投入した。そして、回転数200rpmで攪拌を続けた。PVA繊維は、乾燥工程でウェットウェブが含む水分に溶解するため、得られた不織布中では繊維の形態を維持していない。
一方、実施例3および4では、芯鞘型繊維を用いず、補強材、水、分散剤が投入されているプロペラ型アジテーター付のタンクに、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)と上記PVA繊維とを表1の配合比(質量比)となるように投入した。そして、回転数200rpmで攪拌を続けた。
(参考例1)
酸変性ポリオレフィン繊維(A1)に代えて、ポリアミド繊維(ポリアミド6、質量平均繊維長:15mm、長径および短径:19μmの丸断面繊維。)を用いた以外は、実施例1と同様にして不織布を製造し、FRP成形体を得た。なお、FRP成形体の製造においては、100g/mの不織布を15枚積層し、150℃に予熱したホットプレス内に入れ、温度:245℃、圧力:10MPa、時間:300秒間の条件で、加熱加圧成形を行った。
その後、50℃に冷却し、厚み1mmのFRP成形体を得た。
そして、FRP成形体について、実施例1と同様にして、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
測定された値を表2に示す。
(参考例2)
酸変性ポリオレフィン繊維(A1)に代えて、参考例1で用いたものと同じポリアミド繊維を用いた以外は、比較例1と同様にして不織布を製造し、FRP成形体を得た。なお、FRP成形体の製造においては、100g/mの不織布を15枚積層し、150℃に予熱したホットプレス内に入れ、温度:245℃、圧力:10MPa、時間:300秒間の条件で、加熱加圧成形を行った。
その後、50℃に冷却し、厚み1mmのFRP成形体を得た。
そして、FRP成形体について、実施例1と同様にして、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
測定された値を表2に示す。
(参考例3)
酸変性ポリオレフィン繊維(A1)に代えて、ポリカーボネート繊維(質量平均繊維長:15mm、長径および短径:30μmの丸断面繊維。)を用いた以外は、実施例1と同様にして不織布を製造し、FRP成形体を得た。なお、FRP成形体の製造においては、100g/mの不織布を15枚積層し、150℃に予熱したホットプレス内に入れ、温度:225℃、圧力:10MPa、時間:300秒間の条件で、加熱加圧成形を行った。
その後、70℃に冷却し、厚み1mmのFRP成形体を得た。そして、FRP成形体について、実施例1と同様にして、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
測定された値を表2に示す。
(参考例4)
酸変性ポリオレフィン繊維(A1)に代えて、参考例3で用いたものと同じポリカーボネート繊維を用いた以外は、比較例1と同様にして不織布を製造し、FRP成形体を得た。なお、FRP成形体の製造においては、100g/mの不織布を15枚積層し、150℃に予熱したホットプレス内に入れ、温度:225℃、圧力:10MPa、時間:300秒間の条件で、加熱加圧成形を行った。
その後、70℃に冷却し、厚み1mmのFRP成形体を得た。そして、FRP成形体について、実施例1と同様にして、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。
測定された値を表2に示す。
[評価]
(曲げ強度の向上度)
比較例1のFRP成形体の曲げ強度に対する、実施例1のFRP成形の曲げ強度の比率を百分率で求めた。同様に、参考例2のFRP成形体の曲げ強度に対する、参考例1のFRP成形の曲げ強度の比率と、参考例4のFRP成形体の曲げ強度に対する、参考例3のFRP成形の曲げ強度の比率を、それぞれ百分率で求めた。これらの結果を表3に示す。
(曲げ弾性率の向上度)
比較例1のFRP成形体の曲げ弾性率に対する、実施例1のFRP成形の曲げ弾性率の比率を百分率で求めた。同様に、参考例2のFRP成形体の曲げ弾性率に対する、参考例1のFRP成形の曲げ弾性率の比率と、参考例4のFRP成形体の曲げ弾性率に対する、参考例3のFRP成形の曲げ弾性率の比率を、それぞれ百分率で求めた。これらの結果を表3に示す。
Figure 0006544033
Figure 0006544033
Figure 0006544033
表1に示す実施例1と比較例1との比較から、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)と、補強繊維(B)の表面に、集束剤としてPVPが付着している補強材を含む不織布をFRP成形体用基材として用いると(実施例1)、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)と、集束剤として水を用いた炭素繊維とを含む不織布をFRP成形体用基材として用いた場合(比較例1)に比べて、得られるFRP成形体の曲げ強度および曲げ弾性率が格段に向上することがわかった。
また、実施例1〜4の結果から、不織布のバインダー成分としてPVAを用いることによって、得られるFRP成形体の曲げ強度および曲げ弾性率がより向上することがわかった。
表2に示すように、酸変性ポリオレフィン繊維(A1)の代わりにポリアミド繊維またはポリカーボネート繊維を使用した場合には、補強繊維(B)の表面に集束剤としてPVPが付着している補強材を使用しても、集束剤として水を用いた炭素繊維を補強材として用いた場合に比べて、FRP成形体の曲げ弾性率は多少向上したが、曲げ強度は向上せず低下した。

Claims (5)

  1. 酸変性ポリオレフィン繊維(A1)と補強材とを含有し、前記補強材は、補強繊維(B)の表面にポリビニルピロリドンからなる集束剤が付着した繊維であり、前記補強材が単繊維状に分散している、不織布。
  2. さらに、ポリビニルアルコールを含有する、請求項1に記載の不織布。
  3. 前記補強繊維(B)は、炭素繊維である、請求項1または2に記載の不織布。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の不織布が加熱加圧成形された、繊維強化プラスチック成形体。
  5. 酸変性ポリオレフィン繊維(A1)と、補強繊維(B)の表面にポリビニルピロリドンからなる集束剤が付着した繊維が単繊維状に分散している分散液を抄紙する、不織布の製造方法。
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