JP6543570B2 - 被覆導体用ポリマーコーティング - Google Patents

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Description

関連出願の参照
本出願は、2012年6月27日に出願された米国仮出願番号61/664,779の恩恵を主張する。
本発明の各種実施形態は被覆された導体用ポリマーコーティングに関する。このようなポリマーコーティングはα−オレフィンブロック複合体及びα−オレフィン系ポリマーを含む。ポリマーコーティングは少なくとも部分的に導体を取り囲んでいる。
電力送電製品(例えば、電力ケーブル)及び付属品(例えば、ジョイント、ターミネーション、他の固体絶縁部品)は地下又は海底の状態で使用される時、湿気が侵入する影響を受ける。水は、一般的な埋設深さ1mにおいて相対湿度100%で通常存在し、経時的にこのような製品のポリマー層を貫通する可能性がある。
湿潤状態で数年使用すると、電力ケーブル及び他のケーブル部品は水トリーにより劣化する。水トリーは、ポリマー絶縁体に物理的な空隙を形成し、未使用のポリエチレンより水の溶解度を高めるのを促進し、化学的に変化したポリマー領域を形成する。水トリーの電気機械的メカニズムは、圧力及びクラック又は疲労タイプの損傷を引き起こす分子又はイオンに電気的なストレスにより誘起された機械的な力に基づいている。さらに水トリーは、酸化などの化学的プロセスから生じ得る。したがって、水トリーは単一のメカニズムではなく、むしろ様々なメカニズムの複雑な組合せによる。
進歩はなされてきたが、水トリーに対する耐性を有する電力ケーブル及び部品の分野において改善が必要とされている。
1つの実施形態は、
導電性コアと、
前記導電性コアを少なくとも部分的に取り囲むポリマーコーティングと、
を備え、前記ポリマーコーティングはα−オレフィン系ポリマー及びα−オレフィンブロック複合体を含む被覆された導体である。
図1は、実施例1で調製された試料の絶縁破壊強度の図であり、特に、0.01M NaClでエージング前と後の具体的な絶縁破壊性能の図である。 図2は、実施例1で調製された試料の絶縁破壊強度の図であり、特に、1.0M NaClでエージング前と後の具体的な絶縁破壊性能の図である。 図3は、実施例2で調製された試料の粘性損失係数(G’’/G’)対ずり速度1/sのグラフである。 図4は、湿式電気的エージングで使用されるUチューブ装置の模式図である。
本発明の各種実施形態は、ポリマーコーティングにより少なくとも部分的に取り囲まれた導電性コアを含む被覆された導体に関する。ポリマーコーティングはα−オレフィン系ポリマー及びα−オレフィンブロック複合体とを含む。ブロック複合体は以下に記述するように「ハード」ポリマーセグメント及び「ソフト」コポリマーセグメントを有するジブロックコポリマーを含む。
ポリマーコーティングの組成物
はじめに、ポリマーコーティングはα−オレフィン系ポリマーを含む。本明細書で用いられる用語「α−オレフィン系ポリマー」は、重合性モノマーの全重量を基準にして重合化したα−オレフィンモノマーの過半数の重量パーセント(「wt%」)を含むポリマーを意味する、及び場合によっては、少なくとも1つの重合化したコモノマーを含むことができる。コモノマーは、他のα−オレフィンモノマー、又は非α−オレフィンモノマーであることができる。α−オレフィン系ポリマーはα−オレフィン系ポリマーの全重量に対して、α−オレフィンモノマーから派生した50より多く、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、又は少なくとも90wt%単位を含むことができる。α−オレフィン系ポリマーはチーグラーナッタ触媒ポリマー、メタロセン触媒ポリマー、及び/又は拘束幾何触媒の触媒ポリマーあることができる。さらに、α−オレフィン系ポリマーは、気相、溶液又はスラリーポリマー製造プロセスを用いて作製することができる。
α−オレフィンモノマーの好ましいタイプはC2−20(即ち、2から20個の炭素原子を有する)直鎖、分岐、又は環状α−オレフィンを含むが、これらに限定されない。好ましいC2−20α−オレフィンの非限定的な例は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン及び1−オクタデセンである。α−オレフィンはシクロヘキサン又はシクロペンタンのような環状構造を含むことができ、結果として3−シクロヘキシル−1−プロペン(アリルシクロヘキサン)及びビニルシクロヘキセンのようなα−オレフィンになる。α−オレフィン系ポリマーは、塩素、臭素、フッ素等のハロゲン基をさらに含むことができる。
各種実施形態において、α‐オレフィン系ポリマーはエチレン及び1つ以上のコモノマーのインターポリマーであり得る。インターポリマーの例には、エチレン/プロピレン、エチレン/ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテン、エチレン/スチレン、エチレン/プロピレン/1−オクテン、エチレン/プロピレン/ブテン、エチレン/ブテン/1−オクテン、エチレン/プロピレン/ジエンモノマー(「EPDM」)及びエチレン/ブテン/スチレンがある。インターポリマーはランダムインターポリマーであり得る。
実施形態では、α−オレフィン系ポリマーはポリエチレンホモポリマーを含む。本明細書で用いる場合、用語「ホモポリマー」は単一のモノマータイプから派生する繰り返し単位を含むポリマーを示すが、連鎖移動剤のようなホモポリマーを調製する際に使用される他の成分の残留量を排除するものではない。
実施形態では、α−オレフィン系ポリマーは低密度ポリエチレン(「LDPE」)であり得る。本明細書で用いる場合、用語「低密度ポリエチレン」は、ASTM D792で決定される0.910から0.930g/cmの範囲の密度を有するエチレン系ポリマーを意味する。高密度ポリエチレンと比較して、LDPEは高密度の短鎖分岐及び/又は高密度の長鎖分岐を有している。
実施形態では、LDPEは少なくとも105℃又は少なくとも110℃、115℃又は125℃までのピーク融解温度を有し得る。LDPEは、ASTM D−1238(190℃/2.16kg)に従って決定される0.5g/10分、又は1.0g/10分、又は1.5g/10分、又は2.0g/10分から10.0g/10分、又は8.0g/10分、又は、6.0g/10分、又は5.0g/10分、又は3.0g/10分までの融解インデックス(「I」)を有する。また、LDPEは、ゲル浸透クロマトグラフ法で決定される1.0から30.0の範囲、又は2.0から15.0の範囲の多分散係数(「PDI」)(即ち、重量平均分子量/数平均分子量、「Mw/Mn」、又は分子量分布(「MWD」))を有している。
実施形態では、LDPEは直鎖状低密度ポリエチレンである。
各種実施形態において、α−オレフィン系ポリマーは高密度ポリエチレンである。用語「高密度ポリエチレン」(「HDPE」)は0.941g/cm以上の密度を有するエチレン系ポリマーを意味する。実施形態ではHDPEはASTM D−792に従って決定される0.945から0.97g/cmの密度を有する。HDPEは少なくとも130℃又は132℃から134℃までのピーク融解温度を有することができる。HDPEは、ASTM D−1238(190℃/2.16kg)に従って決定される0.1g/10分、又は0.2g/10分、又は0.3g/10分、又は0.4g/10分から5.0g/10分、又は4.0g/10分、又は3.0g/10分、又は2.0g/10分、又は1.0g/10分、又は0.5g/10分までのIを有している。HDPEは、ゲル浸透クロマトグラフ法で決定される、1.0から30.0の範囲の、又は2.0から15.0の範囲のPDIも有することができる。
各種実施形態において、α−オレフィン系ポリマーはエチレン−プロピレンラバー(「EPR」)又はエチレン−プロピレン−ジエンモノマー(「EPDM」)ポリマーである。EPR又はEPDMポリマーは少なくとも130℃のピーク融解温度、あるいは−40℃から100℃のピーク融解温度を有することができる。EPR又はEPDMポリマーは、ASTM D−1238(190℃/2.16kg)に従って決定される0.10g/10分又は5.0g/10分から20.0g/10分又は100g/10分のIを有することができる。EPR又はEPDMポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフ法で決定される1.0から30.0又は2.0から15.0の範囲のPDIも有することができる。
各種実施形態において、α−オレフィン系ポリマーはポリプロピレンである。ポリプロピレンは150℃から170℃の範囲にピーク融解温度を有することができる。ポリプロピレンは、ASTM D−1238(190℃/2.16kg)に従って決定される0.1.0g/10分又は5.0g/10分から20.0g/10分又は100g/10分のIを有することができる。ポリプロピレンポリマーも、ゲル浸透クロマトグラフ法で決定される1.0から30.0又は2.0から15.0の範囲のPDIを有することができる。
上述したように、α−オレフィン系ポリマーに加えて、ポリマーコーティングはブロック複合体を含む。用語「ブロック複合体」はソフトコポリマー、ハードポリマー、並びにソフトセグメント及びハードセグメントを有するブロックコポリマーを含むポリマーを意味する。ここでブロックコポリマーのハードセグメントはブロック複合体のハードポリマーと同じ組成であり、ブロックコポリマーのソフトセグメントはブロック複合体のソフトコポリマーと同じ組成である。ブロックコポリマーは直鎖状又は分岐状であり得る。より具体的には、連続プロセスで製造される場合、ブロック複合体は1.7から15、1.8から3.5、1.8から2.2、又は1.8から2.1のPDIを有することができる。バッチ又はセミバッチプロセスで作製される時、ブロック複合体は1.0から2.9、1.3から2.5、1.4から2.0、又は1.4から1.8のPDIを有することができる。実施形態では、ブロック複合体はα−オレフィンブロック複合体であることができる。用語「α−オレフィンブロック複合体」とは単独で、又は実質的に単独で2つ以上のα−オレフィン型のモノマーから調製されたブロック複合体を指す。各種実施形態では、α−オレフィンブロック複合体は2つだけのα−オレフィン型モノマー単位から構成されることができる。α−オレフィンブロック複合体の例は、エチレン及びプロピレンコモノマー残基だけ又は実質的にそれだけを含むソフトセグメント及びソフトポリマーを有し、プロピレンモノマー残基だけ又は実質的にそれだけを含むハードセグメント及びハードポリマーである。
本明細書で使用する場合、「ハード」セグメントは、単一のモノマーが95モルパーセント(「mol%」)よりも多い量、又は98mol%より多い量で存在する重合単位の高結晶質ブロックを指す。言い換えると、ハードセグメント中のコモノマーの含有量が5mol%未満、又は2mol%未満である。いくつかの実施形態において、ハードセグメントは、すべて又は実質的にすべてのプロピレン単位を含む。一方、「ソフト」セグメントは、10mol%を超えるコモノマー含有量を有する重合単位の非晶質、実質的に非晶質又はエラストマーブロックを指す。いくつかの実施形態において、ソフトセグメントはエチレン/プロピレンインターポリマーを含む。
ブロックポリマーに言及する場合、用語「ポリエチレン」は、エチレンのホモポリマー及び少なくとも50モル%のエチレンを含むエチレンのコポリマー及び1つ以上のC3−8α−オレフィンを含む。用語「プロピレンコポリマー」又は「プロピレンインターポリマー」は、プロピレン及び1つ以上の共重合性コモノマーを含むコポリマーを意味し、ポリマー(結晶質ブロック)中の少なくとも1つのブロック又はセグメントの複数の共重合性モノマー単位は、少なくとも90モルパーセント、少なくとも95モルパーセント、又は少なくとも98モルパーセントの量で存在することができるプロピレンを含む。例えば、4−メチル−1−ペンテンなどの異なるα−オレフィンから主に製造されたポリマーは、同様に命名されるであろう。用語「結晶質」とは、示差走査熱量測定(「DSC」)又は同等の技法によって決定される1次転移又は結晶融点(「Tm」)を有するポリマー又はポリマーブロックを指す。用語「結晶質」は、用語「半結晶質」と互換的に使用されてもよい。「非晶質」という用語は、結晶の融点がないポリマーを意味する。用語「アイソタクチック」は、13C−核磁気共鳴(「NMR」)分析によって決定される少なくとも70%のアイソタクチックペンタッドを有するポリマーの繰り返し単位を意味する。「高アイソタクチック」は少なくとも90%のアイソタクチックペンタッドを有するポリマーを意味する。
用語「ブロックコポリマー」又は「セグメント化コポリマー」は、直鎖状に結合した2つ以上の化学的に異なる領域又はセグメント(「ブロック」と呼ばれる)、即ち、ぶら下がり又はグラフト結合でと言うより重合エチレン官能基に関して端と端が結合した化学的に区別される単位を含むポリマーを含むポリマーを指す。実施形態では、ブロックは、その中に組み込まれるコモノマーの量若しくはタイプ、密度、結晶質の量、このような組成のポリマーに起因する結晶子のサイズ、立体規則性の種類若しくは程度(アイソタクチック又はシンジオタクチック)、レジオ規則性若しくはレジオ不規則性、長鎖分岐若しくは超分岐を含む分岐の量、均質性、又は任意の他の化学的若しくは物理的特性が異なる。好ましい実施形態では、ブロック複合体を調製する際に使用される触媒と組み合わせたシャトリング剤の効果により、本発明のブロックコポリマーは、ポリマーPDI、ブロック長分布、及び/又はブロック数分布の独特の分布により特徴付けられる。
本明細書で用いられるブロック複合体は、付加重合条件下で付加重合性モノマー又はモノマーの混合物を、少なくとも1つの付加重合触媒、助触媒及び鎖シャトリング剤(「CSA」)を含む組成物と接触させることを含むプロセスによって調製できる。このプロセスは、定常状態重合条件下で動作する2つ以上のリアクタにおいて、又はプラグフロー重合条件下で動作するリアクタの2つ以上のゾーンにおいて、分化プロセス条件下で成長ポリマー鎖の少なくとも一部を形成することを特徴とする。
本発明のブロック複合体を調製する際に使用する適切なモノマーは、任意のα−オレフィンを含む任意のオレフィン又はジオレフィンモノマーのような任意の付加重合性モノマーを含む。適切なモノマーの例は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン並びに1−エイコセン、及び、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1、3−ペンタジエン、1、3−ペンタジエン、1、4−ペンタジエン、1、5−ヘキサジエン、1、4−ヘキサジエン、1、3ヘキサジエン、1、3−オクタジエン、1、4−オクタジエン、1、5−オクタジエン、1、6−オクタジエン、1、7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1、7−ノナジエン、並びに5、9−ジメチル−1、4、8−デカトリエンのようなジ及びポリオレフィンのような、2から30又は2から20の炭素原子の直鎖又は分岐α−オレフィンを含む。様々な実施形態では、エチレン及び少なくとも1つの共重合性コモノマー、プロピレン及び4個から20個の炭素を有する少なくとも1つの共重合性コモノマー、1−ブテン及び2個若しくは5個から20個の炭素を有する少なくとも1つの共重合性コモノマー、又は4−メチル−1−ペンテン及び4個から20個の炭素を有する少なくとも1つの異なる共重合性コモノマーを使用することができる。実施形態では、ブロック複合体は、プロピレン及びエチレンモノマーを用いて調製される。
得られたブロック複合体中のコモノマー含有量は、NMR分光法などの任意の適切な技術を用いて測定することができる。たとえ、主にプロピレン、1−ブテン、又は4−メチル−1−ペンテンを重合体中に含む場合でも、ポリマーブロックの一部又は全部は、プロピレン、1−ブテン、又は4−メチル−1−ペンテン及びコモノマーのコポリマー、特にエチレンを有するプロピレン、1−ブテン、又は4−メチル−1−ペンテンのランダムコポリマー、及び残りのポリマーブロック(ハードセグメント)のような非晶質又は比較的非晶質のポリマーを含むことが非常に望ましい。好ましくは、このようなハードセグメントは、高結晶質又は立体特異性ポリプロピレン、ポリブテン又はポリ−4−メチル−1−ペンテン、特にアイソタクチックホモポリマーである。
さらに、ブロック複合体のブロックコポリマーは、10から90wt%のハードセグメント及び10から90wt%のソフトセグメントを含む。
ソフトセグメント内では、コモノマーのモルパーセントは5から90wt%、又は10から60wt%の範囲である。コモノマーがエチレンである場合には、10から75wt%又は30から70wt%の量で存在することができる。実施形態では、プロピレンは、ソフトセグメントの残りの部分を構成している。
実施形態では、ブロック複合体のブロックコポリマーは80から100wt%のプロピレンであるハードセグメントを含む。ハードセグメントは、90wt%より多い、95wt%より多い、又は98wt%より多いプロピレンとすることができる。
本明細書に記載されたブロック複合体は、逐次モノマー付加を介して調製された従来のランダムコポリマー、ポリマーの物理的混合物、及びブロックコポリマーと区別することができる。ブロック複合体は、以下に説明するように、同じ量のコモノマーのより高い融解温度、ブロック複合体指数、のような特性によりランダムコポリマーから;より低温におけるブロック複合体インデックス、より優れた引っ張り強度、改善された破壊強度、より微細な形態、改良された光学特性、及びより大きな衝撃強度などの特性によって物理的混合物から;分子量分布、レオロジー、ずり減粘、レオロジー比、及びブロックの多分散性により、逐次モノマー添加によって調製されたブロックコポリマーから、区別することができる。
いくつかの実施形態では、ブロック複合体は、以下に定義されるような、即ちゼロより大きいが0.4未満、又は0.1から0.3であるブロック複合体指数(「BCI」)を有する。他の実施形態では、BCIは、0.4より大きく1.0までである。また、BCIは、0.4から0.7まで、0.5から0.7、又は0.6から0.9の範囲である。いくつかの実施形態では、BCIは、0.3から0.9、0.3から0.8まで、0.3から0.7まで、0.3から0.6まで、0.3から0.5まで、又は0.3から0.4までの範囲である。他の実施形態では、BCIは、0.4から1.0まで、0.5から1.0まで、0.6から1.0まで、0.7から1.0まで、0.8から1.0、又は0.9から1.0の範囲である。BCIは、本明細書では100%で割ったジブロックコポリマーの重量百分率に等しくなるように定義される(即ち、重量分率)。ブロック複合体指数の値は0から1の範囲であり、1は100%本発明のジブロックであり、及びゼロは従来の混合物又はランダムコポリマーのような材料である。例えば、BCIを決定するための方法は、米国公開特許出願第2011/0082258号の段落[0030]から[0031]で見つけることができる。
ブロック複合体は100℃より高いTmを有してもよく、より好ましくは120℃より高く、さらにより好ましくは125℃より高いTmを有してもよい。ブロック複合体のメルトフローレート(「MFR」)(230℃、2.16kg)は、0.1から1000dg/分まで、0.1から50dg/分まで、0.1から30dg/分まで、又は1から10dg/分までの範囲である。ブロック複合体は、10,000から2,500,000まで、35,000から1,000,000まで、50,000から300,000まで、又は50,000から200,000g/molまでの重量平均分子量(「Mw」)を有する。
本発明のブロック複合体を製造するのに有用な適切な方法は、例えば、2008年10月30日に公開された米国特許出願公開番号第2008/0269412号で見つけることができる。本発明での使用に適した触媒及び触媒前駆体は、特に国際公開第2005/090426、20ページの30行から53ページの20行に開示されているような金属錯体を含む。適切な触媒は、米国特許出願公開第2006/0199930号、同第2007/0167578号、同第2008/0311812号、同第2011/0082258号、米国特許第7,355,089号、又は、国際公開第2009/012215号にも開示されている。適切な共触媒は、国際公開第2005/090426号に開示され、特に54ページ1行から60ページ12行までに開示されている。適切な鎖シャトリング剤は、国際公開第2005/090426号に開示され、特に19ページ21行から20ページ12行までに開示されている。特に好ましい鎖シャトリング剤は、ジアルキル亜鉛化合物である。
ポリマーコーティングの調製
各種実施形態では、上記のα−オレフィン系ポリマー及びブロック複合体は、ワイヤ及び/又はケーブルのポリマーコーティング(例えば、絶縁体及び/又はジャケット)を作製するために混合されてもよい。α−オレフィン系ポリマーは、α−オレフィン系ポリマー及びブロック複合体の合計重量に基づいて、少なくとも10wt%、少なくとも20wt%、少なくとも30wt%、又は少なくとも40wt%、90wt%まで、80wt%、70wt%、又は60wt%までの量で混合物中に存在することができる。ブロック複合体は、α−オレフィン系ポリマー及びブロック複合体の合計重量に基づいて、少なくとも10wt%、少なくとも20wt%、少なくとも30wt%、又は少なくとも40wt%、90wt%まで、80wt%、70wt%、又は60wt%までの量で混合物中に存在することができる。
製品に用いる場合、混合物は、有機過酸化物、加工助剤、充填剤、カップリング剤、紫外線吸収剤又は安定剤、帯電防止剤、核剤、スリップ剤、可塑剤、潤滑剤、粘度調節剤、粘着付与剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、エキステンダー油、酸捕捉剤、難燃剤、湿気硬化触媒、ビニルアルコキシシラン、及び金属不活性化剤を含む他の添加剤を含み得るが、これに限定されない。充填剤以外の添加剤は、一般的には全組成物重量に基づいて0.01wt%以下から10wt%以上の範囲の量で使用される。充填剤は、組成物の重量に基づいて0.01wt%以下から65wt%以上の重量範囲であってもよいが、より大きな量が一般に添加される。充填剤の具体例としては、15ナノメータより大きい代表的な算術平均粒子径を有する粘土、沈降シリカ及びシリケート、ヒュームドシリカ、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化マグネシウム、金属酸化物、粉砕鉱物、三水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、並びにカーボンブラックを含む。
さらに、酸化防止剤は、ポリマーコーティングで使用することができる。代表的な酸化防止剤は、ヒンダードフェノール(例えば、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン);亜リン酸エステル及び亜ホスホン酸エステル(例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート);チオ化合物(例えば、ジラウリルチオジプロピオネート);様々なシロキサン;及び種々のアミン(例えば、重合2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)が挙げられる。酸化防止剤は、ポリマーコーティング材料の全組成物の重量に基づいて0.1から5wt%の量で使用することができる。
本発明の組成の予想外の利点は、水トリー抑制添加剤を用いずに、水トリーを軽減する能力である。したがって、種々の実施形態において、ポリマーコーティングは、全く又は実質的に水トリー抑制添加剤を含まない。本明細書で使用する場合、用語「実質的に含まない」とは、全体のポリマーコーティングの重量を基準にして百万分の10部未満(「ppm」)の濃度を意味する。実施形態において、ポリマーコーティングは、全く又は実質的にポリエチレングリコールを含まない。
ポリマーコーティングの調合は、当業者に公知の標準的な装置によって行うことができる。調合装置は、例えばBanbury(商標)又はBolling(商標)密閉式ミキサー等の密閉式バッチミキサーである。あるいは、Farrel(商標)連続ミキサー、Werner and Pfleiderer(商標)ツインスクリューミキサー、又はBuss(商標)混錬連続押出機のような連続式シングル、又はツインスクリューミキサーが使用される。
混合されたポリマーコーティングは少なくとも25kV/mm、少なくとも30kV/mm、少なくとも35kV/mmの湿式エージングを受けた絶縁破壊を有することができる。様々な実施形態では、混合されたポリマーコーティングは25から45kV/mmの範囲の、30から40kV/mmの範囲の、又は35から40kV/mmの範囲の湿式エージングを受けた絶縁破壊を有することができる。絶縁破壊は、ASTM D149−09に従って決定される。湿式エージングは、以下の実施例に記載の手順に従って実施され、21日間0.01、1.0、又は3.5M塩化ナトリウム(「NaCl」)水溶液を用いて決定される。理論に束縛されることを望まないが、それは、ブロック複合体の単一相の表面形態は、湿式エージングによる劣化を抑制する、所定の加速湿式エージング条件における電気分解のための過酷なパスを受けると考えられる。実施形態では、混合されたポリマーコーティングは、3.5MのNaCl水溶液中で21日間の湿式エージングにより、ASTM D149−09に従って厚み40mils、直径2インチの円板で決定された、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の破壊強度保持率を有することができる。
被覆導体
種々の実施形態では、導体及び絶縁層を含むケーブルは、上述したポリマーコーティング混合物を用いて調製することができる。ポリマーコーティング混合物を含む絶縁層を含むケーブルは様々なタイプ押出機(例えば、シングル又はツインスクリュータイプ)を用いて調製することができる。従来の押出機の説明は、米国特許第4,857,600号に記載されている。あるいは共押出及び押出機の例は、米国特許第5,575,965号に記載されている。
押し出し後、押し出された中間ケーブルは、架橋触媒の存在下でポリマーコーティングの架橋を促進するために、押出金型の下流の加熱硬化ゾーンを通過することができる。加熱硬化ゾーンは175〜260℃の範囲の温度に維持されてもよい。加熱ゾーンは、加圧蒸気によって加熱又は加圧窒素ガスによって誘導的に加熱することができる。
本開示に従って調製された交流ケーブルは、低電圧、中電圧、高電圧又は超高電圧ケーブルであってもよい。さらに、本開示に従って調製された直流ケーブルは、高又は超高電圧ケーブルを含む。
定義
「ワイヤ」は、導電性金属の一本の素線、例えば、銅、アルミニウム、又は光ファイバの一本の素線を意味する。
「ケーブル」及び「電力ケーブル」はシース内、例えば絶縁被覆又は保護外側ジャケット内の少なくとも1つのワイヤ又は光ファイバを意味する。一般的に、ケーブルは、一般的には共通の絶縁カバー及び/又は保護ジャケット内に一緒に束ねられた2本以上のワイヤ又は光ファイバである。シースの内側の個々のワイヤ又はファイバはむき出しか、被覆されているか又は絶縁されていてもよい。組合せケーブルは、電線及び光ファイバの両方を含むことができる。ケーブルは、低、中、及び/又は高電圧用途用に設計されてもよい。一般的なケーブル設計は、米国特許第5,246,783号、同第6,496,629号及び同第6,714,707号に例示されている。
「導体」とは、熱、光、及び/又は電気を通すための1つ以上のワイヤ又はファイバを意味する。導体は単一のワイヤ/ファイバ又は複数のワイヤ/ファイバであってもよく、素線状の形体又はチューブ状の形体であってもよい。適切な導体の非限定的な例としては、銀、金、銅、カーボン、及びアルミニウムなどの金属が挙げられる。導体は、ガラス又はプラスチックのいずれかから作られた光ファイバであってもよい。
「ポリマー」は、同じタイプ又は異なるタイプのモノマーを反応(即ち、重合)させることによって作られた高分子化合物を意味する。「ポリマー」は、ホモポリマー及びインターポリマーを含む。
「インターポリマー」は、少なくとも2つの異なるモノマーの重合によって作られるポリマーを意味する。この一般的な用語は、通常、2つの異なるモノマーから作られるポリマーを指すために使われるコポリマー、3つ以上の異なるモノマーから作られるポリマー、例えば、ターポリマー(3種の異なるモノマー)、テトラポリマー(4種の異なるモノマー)等、を含む。
試験方法
密度
密度は、ASTM D1928に従って調製されたサンプルに対して、ASTM D792、方法Bに従って決定される。密度測定は、試料プレスの1時間以内に行われる。
融解インデックス
融解インデックス(I)は、ASTM D1238、条件190℃/2.16kgに従って測定され、10分ごとに溶出したグラム単位で報告される。I10は、ASTM D1238、条件190℃/10.16kgに従って測定され、10分ごとに溶出したグラム単位で報告される。
湿式エージング
直径2インチ×40milsの円板を、円板の位置を保持するためにクランプを使用してNaCl溶液(以下に説明するように0.01、1.0、又は3.5のいずれか)を含むU字管装置に挿入する(図4参照)。6kVの交流(「AC」)電源に試料円板を接続する。この条件の下で21日間(504時間)試料円板をエージングする。
絶縁破壊
絶縁破壊強度は、ASTM D149−09に従って決定される。
実施例1:湿式エージング後の絶縁破壊
以下の実施例で用いられる材料は以下のとおりである。ダウ・ケミカル・カンパニーから市販されている低密度ポリエチレン(「LDPE」)DXM−446であり、密度0.92g/cm、融点108℃、及び約2.1の融解インデックス(I)を有している。ブロック複合体1はアイソタクチックポリプロピレン/エチレン−プロピレン組成である(「iPP−EP」)(40/60 w/w エチレン−プロピレン/アイソタクチックポリプロピレン;65wt%のエチレン含有エチレン−プロピレンブロック)。ブロック複合体2はアイソタクチックポリプロピレン/エチレン−プロピレン組成である(「iPP−EP」)(20/80w/wエチレン−プロピレン/アイソタクチックポリプロピレン;65wt%のエチレン含有エチレン−プロピレンブロック)。
ブロック複合体の調製
米国特許第5,919,983号、実施例2に実質的に開示されているように、触媒−1([[レル−2’、2’’’−[(1R、2R)−1、2−シクロヘキサンジイルビス(メチレンオキシ−κO)]ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)−5−メチル[1、1’−ビフェニル]−2−オラト−κO]](2−)]ジメチル−ハフニウム)、及び共触媒−1である(テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸塩のメチルジ(C14−18アルキル)アンモニウム塩の混合物は、長鎖三アルキルアミン(Armeen(商標)M2HT、アクゾ・ノーベル社から入手可能)、HCl及びLi[B(C]との反応によって調製され、ボウルダー・サイエンティフィック社から購入され、さらなる精製なしに使用される。
CSA−1(ジエチル亜鉛又はDEZ)及び共触媒−2(変性メチルアルモキサン(「MMAO」)はアクゾ・ノーベル社から購入され、さらなる精製なしに使用される。重合反応の溶媒はエクソンモービル・ケミカル・カンパニーから入手可能な炭化水素混合物「ISOPAR(登録商標)E」で、使用前に13−Xモレキュラーシーブ床で純化される。
ブロック複合体は連続して結合された2つの連続する撹拌タンクリアクタ(「CSTR」)を用いて調製される。第1リアクタは、容積が約12ガロン、一方第2リアクタは容積が26ガロンである。各リアクタは油圧で満たされ定常状態で動作するように設定されている。モノマー、溶媒、水素、触媒−1、共触媒−1、共触媒−2及びCSA−1は表1に略述したプロセス条件に従って第1リアクタに送られる。表1に示したような第1リアクタの内容物は連続して第2リアクタに送られる。追加のモノマー、溶媒、水素、触媒−1、共触媒−1、及び必要に応じて共触媒−2は第2リアクタに加えられる。
上述したように調製されたブロック複合体は表2に示す以下の特性を有している。
上述したように調製されたブロック複合体を用いて、以下の表3に記載される以下の組成を有する試料を調製する。使用する酸化防止剤は、TBM6、ヒンダードチオビスフェノール(CAS99−69−5)である。
300gの混合ボールを用いて30rpmで180℃で15分間、ブラベンダーミキサーで原料を混合することにより表3に示す試料を調製する。各試料40gを120℃で2,000psiで5分間、180℃で25トンで25分間、そして外気温まで冷却しながら25トンで10分間、型プレスすることにより約8インチ×8インチ×40milsの成形体を調製した。湿式エージングのために、試料を直径2インチの円板にカットする。
ASTM D149に記載されているように、絶縁破壊のために各試料(未エージング)をテストする。上述した手順に従って0.01M及び1.0MのNaCl水溶液中で各試料を湿式エージングし、ASTM D149に記載されているように絶縁破壊のために湿式エージングした各試料をテストする。これらの分析結果は図1及び図2に示される。
図1及び図2は、iPP−EPブロック複合体自体及びLDPEとの混合物が電力ケーブル用途用の絶縁化合物の湿式エージングを改善することができることを示している。0.01MのNaCl条件下において、iPP−EPブロック複合体の絶縁破壊強度の保持特性は比較試料1(LDPE標準)を超えている。同様に1.0MのNaCl条件下において、iPP−EPブロック複合体の絶縁破壊強度の保持特性はLDPE標準値を十分に超えている。
実施例2:高塩分湿式エージング電気的絶縁破壊
以下では、HFDB−4202は、ダウ・ケミカル・カンパニーから市販されている水トリー抑制添加成分を含む水トリー抑制架橋ポリエチレン(「TR−XLPE」)である。
以下の組成を有する試料を用意する:
上記の実施例1に記載された方法で表4に示す試料を調製する。ASTM D149に記載されたように、絶縁破壊のために各試料(未エージング)をテストする。3.5MのNaCl水溶液を用いて上述した手順に従って、各試料を湿式エージングする。これらの解析結果は下記表5にある。
表5は、iPP−EPブロックコポリマー自体及びLDPEとの混合体が、水トリー抑制添加物の非存在下及び高塩分条件下においても、電力ケーブル用途用の絶縁化合物の湿式エージング後、絶縁破壊強度を改善できることを示している。LDPEとの混合体のみならずiPP−EPブロックコポリマー自体の強誘電破強度の保持特性はTR−XLPEに比較して同等かそれ以上であり、LDPEより非常に高い。
実施例3:密度
上述した手順に従って、実施例2で調製した各試料の密度を決定する。結果は下の表6に示される。
ベース樹脂の密度が低下するに従い、より柔軟になっている。実施例7−10のようにより低い密度は絶縁体の柔軟性が増加ことによりケーブルの設置が容易になり得る。
実施例4:粘弾性
実施例2で準備された比較試料5及び試料7−10の損失弾性率(G’’)及び弾性率(G’)を決定する。動的レオメータ(TAインスツルメント)で溶融物のレオロジー特性を測定する。140℃で0.01から10S−1の周波数範囲で2パーセントの歪を加える。
分析結果は図3に示す。ブロック複合体及びLDPEとの混合物は、LDPE単体より
、広いずり速度範囲において低いレオロジー損失係数を示し、液体のような粘性挙動より
、より固体に近い応力誘起エネルギに対応する弾性特性を示している。この結果は、テス
トされた広いずり速度範囲にわたって、単一の相の形態に起因する可能性のある有効な動
的機械的減衰挙動も示唆している。この固体のような応答はまた、高い温度において、ケ
ーブル及び製造された絶縁部品の寸法の安定性が高まり、並びに電気機械破壊応力に対す
る耐性能力が向上したことも示している。

上記の開示によって提供される発明として、以下のものが挙げられる。
[1] 導電性コアと、前記導電性コアを少なくとも部分的に取り巻くポリマーコーティングとを備え、前記ポリマーコーティングはα−オレフィン系ポリマー及びα−オレフィンブロック複合体を含む、被覆された導体。
[2] 前記α−オレフィンブロック複合体はハードポリプロピレンセグメント及びソフトエチエレン−プロピレンセグメントを有するジブロックコポリマーを含む[1]記載の被覆された導体。
[3] 前記ポリプロピレンセグメントは高アイソタクチックである[2]記載の被覆された導体。
[4] 前記α−オレフィンブロック複合体は、前記ポリプロピレンセグメント及び前記エチレン−プロピレンセグメントの合計重量に対して、10から90重量%の範囲の前記ポリプロピレンセグメントを含み、前記α−オレフィンブロック複合体は、前記ポリプロピレンセグメント及び前記エチレン−プロピレンセグメントの合計重量に対して、10から90重量%の範囲の前記エチレン−プロピレンセグメントを含む[2]記載の被覆された導体。
[5] 前記エチレン−プロピレンセグメントは、前記エチレン−プロピレンセグメント全重量に対して35から70重量%のエチレンを含む[2]記載の被覆された導体。
[6] 前記α−オレフィンブロック複合体は、少なくとも0.10のブロック複合体指数を有する前記[1]〜[5]のいずれかに記載の被覆された導体。
[7] 前記α−オレフィン系ポリマーは、低密度のポリエチレンである、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の被覆された導体。
[8] 前記α−オレフィン系ポリマーは、前記α−オレフィン系ポリマー及び前記α−オレフィンブロック複合体の合計重量に対して30から70重量%の範囲で前記ポリマーコーティング中に存在し、前記α−オレフィンブロック複合体は、前記α−オレフィン系ポリマー及び前記α−オレフィンブロック複合体の合計重量に対して30から70重量%の範囲で前記ポリマーコーティング中に存在する前記[1]〜[7]のいずれかに記載の被覆された導体。
[9] 前記ポリマーコーティングは、ASTM D149−09による厚み40milsの試料を3.5Mの塩化ナトリウム水溶液中で21日間の湿式エージングで決定された、少なくとも70%の絶縁破壊保持率を有する前記[1]〜[8]のいずれかに記載の被覆された導体。
[10] 前記ポリマーコーティングは、ポリエチレングリコールを実質的に含まない、前記[1]〜[9]のいずれかに記載の被覆された導体。

Claims (10)

  1. 導電性コアと、
    前記導電性コアを少なくとも部分的に取り巻くポリマーコーティングと、
    を備える被覆された導体であって、
    前記ポリマーコーティングはα−オレフィン系ポリマー及びα−オレフィンブロック複合体を含み、
    前記α−オレフィンブロック複合体はα−オレフィン系ポリマー及びα−オレフィンブロック複合体の総重量に対して少なくとも40重量%の量で存在し、
    前記α−オレフィンブロック複合体はソフトコポリマー、ハードポリマー、及びソフトセグメントとハードセグメントとを含むブロックコポリマーを含み、前記ブロックコポリマーのハードセグメントは前記α−オレフィンブロック複合体中のハードポリマーと同じ組成であり、前記ブロックコポリマーのソフトセグメントは前記α−オレフィンブロック複合体中のソフトコポリマーと同じ組成であり、
    前記ブロックコポリマーは直鎖状の様式で結合している前記ソフトセグメントと前記ハードセグメントとを含む、被覆された導体。
  2. 前記α−オレフィンブロック複合体はハードポリプロピレンセグメント及びソフトエチレン−プロピレンセグメントを有するジブロックコポリマーを含む請求項1記載の被覆された導体。
  3. 前記ハードポリプロピレンセグメントは高アイソタクチックである請求項2記載の被覆された導体。
  4. 前記α−オレフィンブロック複合体は、前記ハードポリプロピレンセグメント及び前記ソフトエチレン−プロピレンセグメントの合計重量に対して、10から90重量%の範囲の前記ハードポリプロピレンセグメントを含み、前記α−オレフィンブロック複合体は、前記ハードポリプロピレンセグメント及び前記ソフトエチレン−プロピレンセグメントの合計重量に対して、10から90重量%の範囲の前記ソフトエチレン−プロピレンセグメントを含む請求項2記載の被覆された導体。
  5. 前記ソフトエチレン−プロピレンセグメントは、前記ソフトエチレン−プロピレンセグメント全重量に対して35から70重量%のエチレンを含む請求項2記載の被覆された導体。
  6. 前記α−オレフィンブロック複合体は、少なくとも0.10のブロック複合体指数を有する請求項1〜5のいずれかに記載の被覆された導体。
  7. 前記α−オレフィン系ポリマーは、低密度のポリエチレンである、請求項1〜6のいずれかに記載の被覆された導体。
  8. 前記α−オレフィン系ポリマーは、前記α−オレフィン系ポリマー及び前記α−オレフィンブロック複合体の合計重量に対して30から60重量%の範囲で前記ポリマーコーティング中に存在し、前記α−オレフィンブロック複合体は、前記α−オレフィン系ポリマー及び前記α−オレフィンブロック複合体の合計重量に対して40から70重量%の範囲で前記ポリマーコーティング中に存在する請求項1〜7のいずれかに記載の被覆された導体。
  9. 前記ポリマーコーティングは、ASTM D149−09による厚み40mil(1milを0.0254mmと換算すると1.016mm)の試料を3.5Mの塩化ナトリウム水溶液中で21日間の湿式エージングで決定された、少なくとも70%の絶縁破壊保持率を有する請求項1〜8のいずれかに記載の被覆された導体。
  10. 前記ポリマーコーティングは、ポリエチレングリコールを実質的に含まない、請求項1〜9のいずれかに記載の被覆された導体。
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