JP6542733B2 - 容器詰飲料 - Google Patents
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Description
(A)非重合体カテキン類 0.08〜0.6質量%、及び、
(B)重量平均分子量が5,000〜200,000であるでんぷん由来の高分子糖を含有し、
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が1〜30である、容器詰飲料を提供するものである。
なお、成分(B)の含有量は、通常知られている高分子糖の分析法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の容器詰飲料中の成分(D)の含有量の範囲としては、1気圧、0℃におけるガス容量として、好ましくは1〜3(v/v)、より好ましくは1.5〜2.7(v/v)、更に好ましくは2〜2.5(v/v)である。ここで、本明細書において「ガス容量(GV)」とは、1気圧、0℃における容器詰飲料中に溶解している炭酸ガスの容積と飲料の容積比を表す。成分(D)の分析は、通常知られている炭酸ガスの測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
単糖としては、例えば、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、キシロース、ガラクトース及びマンノースから選択される1種又は2種以上が挙げられ、中でも、保存時における色調変化を効果的に抑制する観点から、グルコース及びフルクトースから選択される1種又は2種が好ましく、グルコースが更に好ましい。
二糖としては、例えば、マルトース(麦芽糖)、ラクトース(乳糖)、スクロース(ショ糖)及びパラチノースから選択される1種又は2種以上が挙げられ、中でも、保存時における色調変化を効果的に抑制する観点から、マルトース及びスクロースから選択される1種又は2種が好ましく、マルトースが更に好ましい。 鎖状オリゴ糖を構成する単位構成糖としては、例えば、前述の単糖において例示したものと同様のものを挙げることができる。単位構成糖の結合方式としては直鎖状及び/又は分岐鎖状に単位構成糖が連結できれば特に限定されないが、例えば、α−1,4結合、α−1,6結合、β−1,2結合、β−1,3結合、β−1,4結合、又はβ−1,6結合等を挙げることができる。なお、単位構成糖は単一の結合方式のみで連結していても、2種以上の結合方式により連結していてもよい。中でも、単位構成糖の結合方式としては、α−1,4結合及びα−1,6結合から選択される1種又は2種が好ましい。このような結合方式の鎖状オリゴ糖として、例えば、マルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、アラビノオリゴ糖等が挙げられる。中でも、マルトオリゴ糖が好ましい。例えば、グルコース3〜7個がα−1,4−グルコシド結合により連結したマルトオリゴ糖として、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース等を挙げることができる。
本発明の容器詰飲料中の成分(G)の含有量は、長期保存したときの非重合体カテキン類の残存率向上、色調変化の抑制の観点から、好ましくは0.001〜5質量%であり、より好ましくは0.005〜3質量%であり、更に好ましくは0.01〜1質量%である。
また、本発明の容器詰飲料中の成分(A)と成分(G)との質量比[(G)/(A)]は、長期保存したときの非重合体カテキン類の残存率向上、色調変化の抑制の観点から、好ましくは0.005〜40であり、より好ましくは0.01〜30であり、更に好ましくは0.05〜5である。
なお、pHは、飲料約100mLを300mLのビーカーに量り取り、温度調整をして測定するものとする。また、飲料中に炭酸ガスが含まれる場合は、飲料約100mLを300mLのビーカーに測りとり、スターラーピースを入れてスターラーで20分間攪拌して、炭酸ガスを取り除いた後、温度調整をして測定するものとする。
(i)茶抽出物を水、又は水と水溶性有機溶媒(例えば、エタノール)との混合物(以下、「有機溶媒水溶液」という)に懸濁して生じた沈殿を除去する方法(例えば、特開2004−147508号公報、特開2004−149416号公報)。
(ii)茶抽出物を活性炭、酸性白土及び活性白土から選択される少なくとも1種の吸着剤と接触させる方法(例えば、特開2007−282568号公報)。
上記(i)及び(ii)の方法において、茶抽出物としてタンナーゼ処理したものを使用することも、(i)及び(ii)の処理後、タンナーゼ処理することもできる。ここで、「タンナーゼ処理」とは、茶抽出物を、タンナーゼ活性を有する酵素と接触させることをいう。なお、タンナーゼ処理における具体的な操作方法は公知の方法を採用することが可能であり、例えば、特開2004−321105号公報に記載の方法を挙げることができる。
また、加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、飲料を容器に充填後、容器ごと加熱殺菌が容易な場合にあってはレトルト殺菌や充填後殺菌法(パストリゼーション)を採用することができる。
また、PETボトルのようにレトルト殺菌しづらい場合については、飲料をあらかじめ上記と同等の殺菌条件で加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填や、ホットパック充填等を採用することができる。このような加熱殺菌条件であると、本発明の効果が十分に享受される。
以上より、好適な加熱殺菌条件としては、例えば保存時における色調変化を抑制する観点から、60〜140℃で0.1〜30分間がより好ましく、60〜120℃で0.3〜25分間が更に好ましい。
純水で溶解希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。なお、グラジエント条件は以下の通りである。
時間 A液濃度 B液濃度
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
60分 97% 3%
(1)定量法
試料を純水で希釈した後、シリカベースの充填剤(BONDELUTE C18、バリアン社製)0.5g、強塩基性アニオン交換樹脂(SAX、バリアン社製)0.5g、強酸性カチオン交換樹脂(SCX、バリアン社製)0.5gに順次通液して試料を調製した。
高速クロマトグラフフに強陰イオン交換カラム(TSKgel Suger Axi、東ソー株式会社製)を装着し、カラム温度70℃でポストカラム反応法により測定した。
移動相液はホウ酸0.5mol/L含有する蒸留水溶液とし、流速は0.4mL/分、試料注入量は10μLとした。また、ポストカラム反応試薬は、アルギニン1%及びホウ酸3%を含有する蒸留水溶液とし、150℃で反応させた。検出器は蛍光検出計を用い、励起波長は320nm、蛍光検出波長は430nmの条件で行った。
試料2.5gを正確に量り、水に溶かして200mLとする。この液10mLを正確に量り、0.04mol/Lヨウ素溶液10mLと、0.04mol/L水酸化ナトリウム溶液15mLを加えて20分間暗所に放置する。次に、2mol/L塩酸を5mL加えて混和した後、0.04mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。滴定の終点近くで液が微黄色になったら、でんぷん指示薬2滴を加えて滴定を継続し、液の色が消失した時点を滴定の終点とする。別に空試験を行う。次式によりデキストロース当量(DE)を求める。
試料10gに5%過塩酸5mLを加え、水で50mLに定容する。これを必要に応じて 各種カルボン酸の検量線の範囲内に入るように水で希釈したものを試験溶液とする。試験 溶液を高速液体クロマトグラフに注入し、電気伝導度を測定し、各種カルボン酸を検量線 より算出する。
・分離カラム:Shim-pack SCR-102H(島津製作所製) ・移動相:5mmol/L p-トルエンスルホン酸
・検出試薬:5mmol/L p-トルエンスルホン酸、 100μmol/L EDTA、 20mmol/L Bis-Tris緩衝液
・注入量:10μL
・流量:0.8mL/分
・電気伝導度検出器:CDD-10AVP(島津製作所製)
・温度:40℃
6%(w/v)メタリン酸水溶液を試料の5倍容量(v/v)添加した(メタリン酸の最終濃度5%(w/v))。このメタリン酸処理した各サンプル100μLに、10mMのジチオトレイトールを含む1MのK2HPO4水溶液を50μL添加し、室温で5分間静置した。続いて25%(w/v)メタリン酸水溶液を50μL加え、0.45μmのフィルターでろ過した後、以下のHPLC条件で分析した。
・使用機種:Waters社製Alliance HPLCシステム
・カラム:Atlantis T3 3μm 3.0mm×150mm
・カラム温度:40℃
・移動相:1%メタリン酸水溶液
・流速:1mL/min
・測定波長:242nm
「最新・ソフトドリンクス(最新・ソフトドリンクス編集委員会、株式会社光琳、平成15年9月30日発行)」の第VI編 3−1−2ガス内圧力の検査に記載の方法を用いた。具体的には、以下のとおりである。
1)測定前に試料を恒温槽にて20℃まで温め、液温を均一にした。
2)前記1)の試料を測定機(京都電子工業(株)、ガスボリューム測定装置GVA-500A)にかけ、スニフト(スニフトバルブを開放し、大気圧までゲージを戻す)を行う。スニフト操作を行うことによりヘッドスペース中のエアーを抜いた。
3)次に激しく振動させゲージ圧が一定値を示したら、その値を読み、試料の温度を測定し、表(スニフト用ガスボリュームチャート)よりガスボリュームを求めた。
pHメータ(HORIBA コンパクトpHメータ、堀場製作所製)を用いて、20℃に温度調整をして測定した。なお、飲料中に炭酸ガスを含有する場合は、試料約100mLを300mLのビーカーに量り取り、ビーカー内にスターラーピースを入れ、スターラーで20分間攪拌して炭酸ガスを取り除いた後、20℃に温度調整をして測定した。
保存前(5℃で7日間保存後)の容器詰飲料中の非重合体カテキン類の含有量、及び55℃で7日間保存後の容器詰飲料中の非重合体カテキン類の含有量から、下記式により非重合体カテキン類の残存率を求めた。
分光光度計(形式Color Meter ZE-2000、日本電色工業社製)を使用し、試料を光路長10mmの石英セルに入れてLab表色系のb値を測定した。55℃で7日間保存後の容器詰飲料のb値から、保存前(5℃で7日間保存後)の容器詰飲料のb値を減じた値(Δb)を求めた。なお、b値の測定は、透過法にて行い、測色色差計の受光条件はJIS Z 8722にしたがった。
緑茶抽出物の精製物
ポリフェノンG(三井農林社製)200gを、25℃にて250r/min攪拌条件下の95質量%エタノール水溶液800g中に分散させ、酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)100gを投入後、約10分間攪拌を続けた。次に、2号ろ紙で濾過した後、濾液に活性炭16gを添加し、再び2号ろ紙で濾過した。次に0.2μmメンブランフィルターで再濾過した。次に、40℃、減圧下にて濾液からエタノールを留去し、イオン交換水で非重合体カテキン類濃度を15質量%に調整して、緑茶抽出物の精製物を得た。緑茶抽出物の精製物は、非重合体カテキン類中のガレート体の割合が46質量%であった。
表1に示す各成分を配合して飲料を調製した後、容量200mLのPETボトルに充填し加熱殺菌した。殺菌条件は、65℃、20分で行った。得られた容器詰飲料の分析結果及び評価結果を表1に併せて示す。また、実施例1〜5、7〜9及び11の容器詰飲料について、非重合カテキン類の残存率を評価した。その結果を表2に示す。
表1に示す各成分をイオン交換水に混合溶解し45gにした後、10%グルコン酸でpH3.4に調整して、イオン交換水で全量を50gとした。次に、4℃に冷却したGV=3.1v/vの炭酸水で全量200g(GV=2.3v/v)とし、容量200mLのPETボトルに充填し加熱殺菌した(ポストミックス方式)。殺菌条件は、65℃、20分で行った。得られた容器詰飲料の分析結果及び評価結果を表1に併せて示す。また、得られた容器詰飲料について、非重合カテキン類の残存率を評価した。その結果を表2に示す。
表3に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により容器詰飲料を調製した。得られた容器詰飲料の分析結果及び評価結果を表3に併せて示す。また、各容器詰飲料について、非重合カテキン類の残存率を評価した。その結果を表4に示す。
Claims (4)
- 次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)非重合体カテキン類 0.08〜0.6質量%
(B)重量平均分子量が5,000〜200,000であるでんぷん由来の高分子糖、
及び
(C)グルコン酸及びその塩から選ばれる1種又は2種
を含有し、
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が1〜30である、容器詰飲料。 - pHが2.5〜8である、請求項1記載の容器詰飲料。
- 成分(B)の含有量が0.15〜10質量%である、請求項1又は2記載の容器詰飲料。
- 更に成分(D)として炭酸ガスを含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
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