JP6542285B2 - 感光性樹脂組成物およびプリント配線基板 - Google Patents
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Description
金メッキの代表的な方法の一つとして、無電解ニッケル−金メッキ法(ENIG法:Electroless Nickel Immersion Gold)がある。また、近年、他の金メッキの方法として、無電解ニッケル−パラジウム−金メッキ法(ENEPIG法:Electroless Nickel Electroless Palladium Immersion Gold)が検討されている。この方法では、無電解ニッケルメッキ処理の後、無電解パラジウムメッキ処理を行い、続いて無電解金メッキ処理を行う。また、この方法では、回路や端子部分における導体材料の拡散防止および耐食性向上、ニッケル酸化防止および拡散防止が可能である。さらに、この方法では、無電解パラジウムメッキ被膜を設けることによって、金によるニッケル酸化を防止することができるので、熱負荷の大きい鉛フリー半田接合の信頼性が向上し、さらに金の膜厚を厚くしなくてもニッケル拡散が生じない。このように、無電解ニッケル−パラジウム−金メッキ法では、無電解ニッケル−金メッキ法よりも低コスト化できる利点もある。
一方で、感光性樹脂組成物の組成において、銅との密着性や耐金メッキ性を向上させるための添加剤を用いたり、それを増量したりすることも考えられる。しかしながら、このような添加剤は、感光性樹脂組成物の現像不良を引き起こす可能性がある。また、目視による外観上では感光性樹脂組成物が現像されていても、銅上に微量な成分が残存する場合がある。金メッキ処理を行う場合には、この成分の程度によって、脱脂やソフトエッチングなどの前処理による除去もできないまま、無電解ニッケル、パラジウムおよび金などの析出性に支障をきたし、最終的に均一で且つ緻密なメッキ被膜を形成できない場合がある。これによって、金メッキ処理後の表面に数ミクロンのピンホールを発生する場合があり、はんだ接合強度やワイヤーボンディングの接続信頼性の低下が懸念される。そこで、感光性樹脂組成物としては、銅上に均一で且つ緻密なメッキ被膜を形成できるような性質(金メッキ処理性)も要求される。
このように、銅との密着性および耐金メッキ性と、金メッキ処理性とを両立できるような感光性樹脂組成物はなかった。
すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、(E)分子中に下記構造式(1)で表される構造を有するカルボン酸付加物を含有している。(E)成分は、常温においてはカルボキシル基がブロックされているため、メラミンなどのアミン類や(D)エポキシ化合物などが存在しても、予備乾燥中に容易に反応することはない。そのため、感光性樹脂組成物の現像性を確保できる。一方で、(E)成分は、ポストキュア工程で加熱をした際に、カルボキシル基のブロックが外れることにより、(D)成分やメラミンなどと反応することができる。これにより、銅との密着性を向上でき、金メッキ処理性を低下させずに、耐金メッキ性を向上できる。以上のようにして、上記本発明の効果が達成されるものと本発明者らは推察する。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、以下説明する(A)カルボキシル基含有感光性樹脂、(B)光重合開始剤、(C)反応性希釈剤、(D)エポキシ化合物、および(E)カルボン酸付加物を含有するものである。
本実施形態に用いる(A)カルボキシル基含有感光性樹脂は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する感光性のカルボキシル基含有樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂としては、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能性エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレートなどのラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得た後に、生成した水酸基にさらに多塩基酸またはその無水物を反応させて得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレートなどの多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂が挙げられる。
本実施形態に用いる(B)光重合開始剤としては、特に限定されず、適宜公知のものを使用できる。この光重合開始剤としては、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、およびP−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本実施形態に用いる(C)反応性希釈剤は、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つの重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の光硬化性を向上できる。
本実施形態に用いる(D)エポキシ化合物は、エポキシ基を有する化合物である。このエポキシ化合物により、アルカリ可溶性透明樹脂組成物の硬化物の架橋密度を上げることができる。
エポキシ化合物には、例えば、エポキシ樹脂を挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、ビスフェノールA型変性柔軟性エポキシ樹脂、核水添ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂)、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型)、ビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂(ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたエポキシ樹脂)、脂環式エポキシ樹脂(シクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、および、アダマンタン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
本実施形態に用いる(E)カルボン酸付加物は、分子中に下記構造式(1)で表される構造を有するカルボン酸付加物である。この(E)成分としては、例えば、下記一般式(2)で表されるカルボン酸付加物が挙げられる。
nが1の場合には、X1は1価の炭化水素基である。
1価の炭化水素基としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアリケニル基、および、炭素数6〜18(好ましくは6)のアリール基などが挙げられる。アルキル基およびアルケニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
2価の炭化水素基としては、炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数1〜18のアルケニレン基、炭素数6〜18(好ましくは6)のアリーレン基、および、炭素数34の二量体化した炭化水素基などが挙げられる。アルキレン基およびアルケニレン基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。また、これらの中でも、炭素数1〜18のアルキレン基がより好ましい。
2価の有機基としては、例えば、−(CH2)m−O−(CH2)m−などのエーテル結合を有する有機基が挙げられる。なお、mは1〜10(好ましくは1〜3、より好ましくは1)の整数を示す。
3価の炭化水素基としては、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜18(好ましくは6)の芳香族炭化水素基、および、炭素数51の三量体化した炭化水素基などが挙げられる。
3価の有機基としては、例えば、3価の炭化水素基の水素の一部が水酸基などに置換された基などが挙げられる。
4価の炭化水素基としては、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、および、炭素数6〜18(好ましくは6)の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
4価の有機基としては、例えば、4価の炭化水素基の水素の一部が水酸基などに置換された基などが挙げられる。
5価の炭化水素基としては、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、および、炭素数6〜18(好ましくは6)の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
5価の有機基としては、例えば、5価の炭化水素基の水素の一部が水酸基などに置換された基などが挙げられる。
6価の炭化水素基としては、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、および、炭素数6〜18(好ましくは6)の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
6価の有機基としては、例えば、6価の炭化水素基の水素の一部が水酸基などに置換された基などが挙げられる。
R1はアルキル基である。アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。アルキル基の炭素数は、特に限定されないが、1以上20以下であることが好ましく、3以上18以下であることがより好ましい。
R2はアルキレン基またはオキシアルキレン基である。アルキレン基およびオキシアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。アルキレン基およびオキシアルキレン基の炭素数は、特に限定されないが、1以上20以下であることが好ましく、3以上18以下であることがより好ましい。
Y2は−O−L1−または−O−L2−O−L2−を示す。
L1はアルキレン基である。アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。アルキレン基の炭素数は、特に限定されないが、1以上5以下であることが好ましく、1以上3以下であることがより好ましい。
L2はアルキレン基である。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、およびプロピレン基などが挙げられる。これらの中でも、エチレン基が好ましい。
Zは、水素原子、下記一般式(3a)で表される基、または、下記一般式(3b)で表される基を示す。
これらのカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、8−エチルオクタデカン二酸、7,12−ジメチルオクタデカン−1,18−ジカルボン酸、プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、8,13−ジメチル−8,12−エイコサジエン二酸、ジグリコール酸、シトラコン酸、トリメリット酸、ダイマー酸、およびトリマー酸などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
H2C=CH−O−R1 ・・・(4)
前記一般式(4)において、R1は、アルキル基である。アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
H2C=CH−O−R2−OH・・・(5)
前記一般式(5)において、R2は、アルキレン基、またはオキシアルキレン基である。アルキレン基およびオキシアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
このビニルエーテル化合物の炭素数は、特に限定されないが、3以上22以下であることが好ましく、3以上20以下であることがより好ましい。
このビニルエーテル化合物としては、n−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、およびジエチレングリコールモノビニルエーテルなどが挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、水酸基を有するものを用いることが好ましい。水酸基を有するビニルエーテル化合物としては、下記一般式(6)で表される化合物、および、下記一般式(7)で表される化合物が挙げられる。
H2C=CH−O−L1−OH・・・(6)
前記一般式(6)において、L1はアルキレン基である。アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。アルキレン基の炭素数は、特に限定されないが、1以上5以下であることが好ましく、1以上3以下であることがより好ましい。
H2C=CH−O−L2−O−L2−OH・・・(7)
前記一般式(7)において、L2はアルキレン基である。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基およびプロピレン基などが挙げられる。これらの中でも、エチレン基が好ましい。
水酸基を有するビニルエーテル化合物としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、およびジエチレングリコールモノビニルエーテルなどが挙げられる。
(E)成分を試料として10mg±3mg秤量し、30℃〜250℃まで加熱しつつ、下記条件にて、TG/DTA測定を行う。なお、リファレンスとしては、不活性なアルミナ粉末を10mg±3mg秤量し使用する。
測定装置:セイコーインスツルメンツ社製の「TG/DTA6200」
雰囲気:大気
昇温レート:10℃/min
本実施形態に用いる感光性樹脂組成物には、上記した(A)成分〜(E)成分の他に、必要に応じて、(F)潜在性硬化剤を配合してもよい。
潜在性硬化剤としては、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド(DICY)およびその誘導体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)およびその誘導体、グアナミンおよびその誘導体、メラミンおよびその誘導体、アミンイミド(AI)並びにポリアミンなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また、これらの中でも、耐金メッキ性および金メッキ処理性の両立という観点から、メラミンおよびジシアンジアミドの組み合わせで用いることが好ましい。
このような潜在性硬化剤を用いる場合、その配合量としては、耐金メッキ性および金メッキ処理性の両立という観点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上4質量部以下であることがより好ましく、1質量部以上3質量部以下であることが特に好ましい。
溶剤の配合量としては、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、1質量部以上200質量部以下であることが好ましく、5質量部以上100質量部以下であることがより好ましく、10質量部以上80質量部以下であることが特に好ましい。これらの配合量が前記範囲内であれば、得られる感光性樹脂組成物の諸特性に影響を与えずに、感光性樹脂組成物の粘度や乾燥性を調整できる。
フィラーの配合量としては、感光性樹脂組成物の硬化物の物理的強度の観点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、1質量部以上100質量部以下であることが好ましく、3質量部以上50質量部以下であることがより好ましく、5質量部以上20質量部以下であることが特に好ましい。
酸化防止剤、カップリング剤、およびイオンキャッチャーとしては、適宜公知のものを使用できる。
本実施形態のプリント配線基板は、前述した本実施形態の感光性樹脂組成物からなるソルダーレジスト膜を備えるものである。そして、本実施形態のプリント配線基板は、前述した本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて、ソルダーレジスト膜を形成することによって作製できる。
ここで、塗膜の塗布方法としては、スクリーン印刷、スプレーコータおよびカーテンコータなどが挙げられる。
予備乾燥の条件は、感光性樹脂組成物の種類に応じて異なり、特に限定されないが、例えば、60℃以上80℃以下の範囲の温度で15分間以上60分間以下の範囲で加熱すればよい。このような予備乾燥により、感光性樹脂組成物中の溶剤などを揮散させて、タックフリーな塗膜を形成できる。
塗膜の厚み(DRY膜厚)は、特に限定されないが、通常、5μm以上200μm以下であり、好ましくは、10μm以上70μm以下である。
このときの露光量は、感光性樹脂組成物の種類や露光装置の種類に応じて、適宜設定できる。例えば、露光量は、10mJ/cm2以上500mJ/cm2以下であることが好ましく、10mJ/cm2以上300mJ/cm2以下であることがより好ましい。
現像方法としては、例えば、スプレー法、およびシャワー法などが挙げられる。
希アルカリ水溶液としては、例えば、0.5質量%以上5質量%以下の炭酸ナトリウム水溶液などが挙げられる。
熱処理条件としては、感光性樹脂組成物の種類に応じて異なり、特に限定されない。例えば、熱処理炉としては、熱風循環式の乾燥機、および遠赤外線炉などを採用できる。また、熱風循環式の乾燥機を用いる場合、熱処理温度は、130℃以上170℃以下であることが好ましく、熱処理時間は、30分間以上80分間以下であることが好ましい。さらに、遠赤外線炉を用いる場合、熱処理温度は、200℃以上250℃以下であることが好ましく、熱処理時間は、3分間以上10分間以下であることが好ましい。熱処理条件が、前記範囲内であれば、熱処理により前記(E)成分のカルボキシル基のブロックを外すことができ、このカルボキシル基と前記(D)成分との反応などにより、感光性樹脂組成物を十分に硬化させることができる。
カルボキシル基含有感光性樹脂A:商品名「リポキシSP−4621」、昭和電工社製、固形分は62.5質量%
カルボキシル基含有感光性樹脂B:商品名「ZFR−1124」、日本化薬社製
((B)成分)
光重合開始剤A:2,4−ジエチルチオキサントン、商品名「Chemcure DETX」、日本シイベルヘグナー社製
光重合開始剤B:2−メチル1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノープロパン−1−オン、商品名「Irgacure907」、BASF社製
光重合開始剤C:9−(2−エチルヘキシル)−(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)−(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン−O−アセチルオキシム、商品名「NCI−831」、ADEKA社製
光重合開始剤D:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、商品名「OXA−02」、BASF社製
光重合開始剤E:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、商品名「Irgacure369」、BASF社製
((C)成分)
反応性希釈剤A:トリエチレングルコールジアクリレート、商品名「ライトアクリレート4EG−A」、共栄社化学社製
反応性希釈剤B:ウレタンアクリレート、商品名「EBECRYL8405」、ダイセル・オルネクス社製
反応性希釈剤C:2−エチルヘキシルビニルエーテル
((D)成分)
エポキシ化合物:ビフェニル型エポキシ樹脂、商品名「YX−4000」、三菱化学社製
((E)成分)
カルボン酸付加物A:下記調製例1で得られたカルボン酸付加物、示差走査熱量測定(DSC)による分解開始温度は約170℃
カルボン酸付加物B:下記調製例2で得られたカルボン酸付加物、示差走査熱量測定(DSC)による分解開始温度は約180℃
((F)成分)
潜在性硬化剤A:メラミン、日産化学工業社製
潜在性硬化剤B:ジシアンジアミド、商品名「DICY−7」、三菱化学社製
(他の成分)
カルボン酸:コハク酸
イオンキャッチャー:商品名「IXE−100」、東亞合成社製
着色剤A:商品名「LIONOL BLUE FG7351」、東洋インキ製造社製
着色剤B:商品名「クロモフタルイエロー AGR」、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
フィラー:水酸化アルミニウム、商品名「ハイジライト H−42STV」、昭和電工社製
溶剤:ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、商品名「EDGAC」、三洋化成品社製
消泡剤:シリコーン系消泡剤、商品名「KS−66」、信越化学工業社製
カルボン酸(コハク酸)41.1gと、ビニルエーテル化合物(n−ブチルビニルエーテル)126.9gとを反応容器内に投入した後、30分間かけて常温から120℃まで加熱するとともに攪拌した。その後、反応容器内の温度を120℃に維持しながら4時間反応させて、カルボン酸付加物Aを得た。
得られたカルボン酸付加物Aの酸価を測定したところ、酸価は10mgKOH/g以下であり、反応が完了していることが確認できた。
溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)45gと、カルボン酸無水物(無水コハク酸)41.2gと、ビニルエーテル化合物(ジエチレングリコールモノビニルエーテル)108.8gとを反応容器内に投入した後、30分間かけて常温から80℃まで加熱するとともに攪拌した。その後、反応容器内の温度を80℃に維持しながら4時間反応させ、その後、エバポレーターを用いて溶剤を除去して、カルボン酸付加物Bを得た。
得られたカルボン酸付加物Bの酸価を測定したところ、酸価は14mgKOH/gであった。
カルボキシル基含有感光性樹脂A150質量部、光重合開始剤A0.5質量部、光重合開始剤B1.6質量部、反応性希釈剤A12質量部、反応性希釈剤B12質量部、エポキシ化合物34質量部、カルボン酸付加物A2質量部、潜在性硬化剤A3質量部、潜在性硬化剤B0.5質量部、イオンキャッチャー2.4質量部、フィラー11質量部、溶剤5質量部および消泡剤2質量部を容器に投入し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールを用いて室温にて混合し分散させて感光性樹脂組成物を得た。
そして、配線基板(ガラスエポキシ基材、FR−4、基材厚み:1.6mm、導体厚み:50μm)を、バフ研磨により表面処理後、スクリーン印刷法にて、得られた感光性樹脂組成物を、DRY膜厚が20〜23μmとなるように塗布した。塗布後、BOX炉にて80℃で20分間の予備乾燥を行った。予備乾燥後、塗膜上に露光装置(オーク社製「HMW−680GW」)にて、露光量が250mJ/cm2の条件で露光をした。露光後、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて、現像温度30℃、スプレー圧0.2MPa、現像時間60秒間の条件で、現像した。その後、BOX炉にて150℃で60分間のポストキュアを行い、基板上にソルダーレジスト膜を形成して、評価用基板を作製した。ソルダーレジスト膜の厚みは、20μmであった。
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物および評価用基板を得た。
[比較例1〜3]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、感光性樹脂組成物および評価用基板を得た。
感光性樹脂組成物の評価(密着性、耐金メッキ性、金メッキ処理性、現像性、現像後の外観)を以下のような方法で行った。得られた結果を表1に示す。
(1)密着性
評価用基板のソルダーレジスト膜について、JIS K5600−5−6の記載に準じた方法にて、下記の基準に従って、密着性を評価した。
0:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない。
1:カットの交差点における塗膜の小さなはがれがある。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に5%を上回ることはない。
2:塗膜がカットの縁に沿って、および/または交差点においてはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に5%を超えるが15%を上回ることはない。
3:塗膜がカットの縁に沿って、部分的または全面的に大はがれを生じており、および/または目のいろいろな部分が、部分的または全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に15%を超えるが35%を上回ることはない。
4:塗膜がカットの縁に沿って、部分的または全面的に大はがれを生じており、および/または数か所の目が部分的または全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に35%を上回ることはない。
5:分類4でも分類できないはがれ程度のいずれか。
(2)耐金メッキ性、および、(3)金メッキ処理性
評価用基板を2枚準備した。そして、一方の評価用基板に対し、市販の金メッキ浴を用いて、無電解ニッケル−金メッキ法(ENIG法)で、ニッケル3〜5μm、金0.05μmの条件でメッキ処理を行った。また、他方の評価用基板に対し、市販の金メッキ浴を用いて、無電解ニッケル−パラジウム−金メッキ法(ENEPIG法)で、ニッケル3〜5μm、パラジウム0.1μm、金0.05μmの条件でメッキ処理を行った。
ENIG法でメッキ処理がされた評価用基板およびENEPIG法でメッキ処理がされた評価用基板のそれぞれについて、セロハンテープによるピーリング試験を行った。その後、ソルダーレジスト膜の剥がれの有無やメッキのしみ込みの有無を観察し、以下の基準に従って、耐金メッキ性を評価した。
○:ソルダーレジスト膜に異常がない。
△:若干メッキのしみ込みがある。
×:ソルダーレジスト膜に剥がれがある。
また、ピーリング試験後の評価基板のそれぞれについて、走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、メッキがされた部分のピンホールの有無を観察した。そして、以下の基準に従って、金メッキ処理性を評価した。
○:1μm以上のピンホールはない。
△:1μm超3μm未満のピンホールがある。
×:3μm以上のピンホールがある。
(4)現像性
評価用基板を作製する際に、現像後における回路パターン上を目視で観察し、残さの有無を確認した。そして、以下の基準に従って、現像性を評価した。
○:回路パターン上に残さがない。
△:回路パターン上に残さが若干残る。
×:回路パターン上に残さがある。
(5)現像後の外観
評価用基板を作製する際に、現像後における塗膜表面の状態を目視にて観察した。そして、以下の基準に従って、現像後の外観を評価した。
○:塗膜に異常がない。
△:塗膜表面が若干失沢している。
×:塗膜表面が失沢している。
これに対し、カルボン酸付加物を含有していない感光性樹脂組成物を用いた場合(比較例1〜3)には、密着性、耐金メッキ性および金メッキ処理性のうちの少なくともいずれかが劣っていることが分かった。
Claims (4)
- 請求項1に記載の感光性樹脂組成物において、
(F)潜在性硬化剤を、さらに含有し、
前記(F)成分が、メラミンおよびジシアンジアミドを含有する
ことを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 請求項1または請求項2に記載の感光性樹脂組成物において、
無電解ニッケル−パラジウム−金メッキ法により金メッキ処理されるプリント配線基板のソルダーレジスト膜を形成する際に用いる
ことを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物からなるソルダーレジスト膜を備えることを特徴とするプリント配線基板。
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