JP6541543B2 - 中和処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、中和処理装置に関するものである。
従来、建設現場や工場などで発生するアルカリ性の排液などの中和処理を行う中和処理装置が知られている。中和処理は、炭酸ガスおよび排液などをノズルから反応槽に供給して、反応槽において行われる。ノズルには、炭酸ガスとアルカリ性の排液などとが反応して生成される炭酸カルシウム(スケール)が付着することにより、ノズル詰まりが生じるという問題点があった。そこで、従来では、この問題を解消するための中和処理装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に記載の中和処理装置は、炭酸ガスおよび排ガスを反応槽に供給するノズルを備えている。中和処理装置は、ノズルへの炭酸カルシウムの付着を抑制するために、犠牲面を有する炭酸カルシウムの結晶を反応槽内に配置している。なお、犠牲面とは、反応槽で炭酸カルシウムを積極的に発生させる面である。犠牲面で炭酸カルシウムを積極的に発生させることにより、相対的にノズルへの炭酸カルシウムの付着が抑制される。
特開平8−108038号公報
しかしながら、上記特許文献1の中和処理装置では、ノズルへの炭酸カルシウム(スケール)の付着を抑制することはできるが、一旦ノズルに付着した炭酸カルシウムを除去することはできないという不都合がある。そのため、上記特許文献1の中和処理装置では、たとえば、定期的なメンテナンス時に、ノズルに付着した炭酸カルシウムの除去作業が必要となるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、メンテナンス時等において除去作業をすることなく、ノズルに付着した炭酸カルシウムを除去することが可能な中和処理装置を提供することである。
この発明の一の局面による中和処理装置は、アルカリ性の排水と炭酸ガスとが中和反応する反応槽と、反応槽に排水および炭酸ガスを供給するノズルと、スケール除去剤をノズルの内面に供給する除去剤供給部とを備え
除去剤供給部は、スケール除去剤を貯蔵する除去剤貯蔵部を含み、ノズル側で発生された負圧により、ノズルに、排水と、除去剤貯蔵部に貯蔵されたスケール除去剤とを引き込むように構成されている
この発明の一の局面による中和処理装置では、上記のように、反応槽にアルカリ性の排水および炭酸ガスを供給するノズルの内面に、スケール除去剤を供給する除去剤供給部を設ける。これにより、ノズルの内面にスケール除去剤を供給することができるので、ノズルの内面に付着したスケール(炭酸カルシウム)を除去することができる。その結果、ノズル詰まりを解消することができる。また、定期的なメンテナンス時などに、ノズルの内面に付着したスケールの除去作業を行う手間を削減することができる。また、ノズルにスケール除去剤を引き込むことにより、容易に、ノズルの内面にスケール除去剤を供給することができる。
上記一の局面による中和処理装置において、好ましくは、除去剤供給部は、除去剤貯蔵部からノズルに向かってスケール除去剤を送り出すように構成されている。このように構成すれば、ノズルに向かってスケール除去剤を送り出すことにより、容易に、ノズルの内面にスケール除去剤を供給することができる。
上記一の局面による中和処理装置において、好ましくは、除去剤供給部は、ノズルに接続され、反応槽の流体を循環させるとともに、流体の循環によってノズル側に負圧を発生させることにより、ノズルにスケール除去剤および排水を引き込む第1ポンプを含む。このように構成すれば、第1ポンプの作動により生じる負圧により、排水をノズルに引き込むとともに、スケール除去剤をノズルに引き込むことができるので、排水とスケール除去剤とを別々の構成によりノズルに供給する場合と比較して、装置構成を簡素化することができる。
上記除去剤供給部が除去剤貯蔵部を含む構成において、好ましくは、除去剤供給部は、除去剤貯蔵部側に設けられ、除去剤貯蔵部からノズルに向かってスケール除去剤を送り出す第2ポンプを含む。このように構成すれば、ノズルへの流体の供給を停止させた状態でも第2ポンプによりスケール除去剤をノズルに供給することができる。この場合、ノズルに供給されたスケール除去剤が流体により希釈されるのを抑制することができる。その結果、効果的に、ノズルの内面に付着したスケールを除去することができる。
上記一の局面による中和処理装置において、好ましくは、除去剤供給部は、スケールが付着していない状態のノズルから供給される流体の流量から、流量が減少した場合に、スケール除去剤を供給するように構成されている。ここで、ノズルにスケールが付着するとノズルを通る流体の流量が減少する。したがって、上記のように構成すれば、ノズルにスケールが付着している状態でスケール除去剤を供給することができる。すなわち、必要以上のスケール除去剤が無駄に使用されるのを抑制することができる。また、ノズルにスケールが付着すると、自動的にスケール除去剤が供給されるので、ノズルにスケールが付着し続けるのを抑制することができる。その結果、ノズル詰まりが発生するのを自動的に抑制することができる。
この場合、好ましくは、反応槽に供給される排水の流量、または、反応槽から排出される中和処理後の流体の流量を測定する流量計をさらに備え、除去剤供給部は、ノズルにスケールが付着していない状態の流量から、流量計により測定された流量が所定値以下の流量に減少した場合に、スケール除去剤を供給するように構成されている。このように構成すれば、流量計により測定された流量に基づいてスケール除去剤が供給されるので、より確実に、ノズルにスケールが付着している状態でスケール除去剤を供給することができる。すなわち、必要以上のスケール除去剤が無駄に使用されるのをより効果的に抑制することができる。また、流量計の測定結果に基づいて、自動的にスケール除去剤が供給されるので、より確実に、ノズルにスケールが付着し続けるのを抑制することができる。その結果、より確実に、ノズル詰まりが発生するのを自動的に抑制することができる。
上記一の局面による中和処理装置において、好ましくは、反応槽のPH値を測定するPH測定部をさらに備え、除去剤供給部は、PH測定部により測定されたPH値が、ノズルにスケールが付着していない状態のPH値の変動幅よりも小さい所定の変動幅を継続して推移することにより、スケールが付着していない状態のノズルから供給される流体の流量から、流量が減少していると推定される場合に、スケール除去剤を供給するように構成されている。ここで、一般的に、ノズル詰まりが発生すると、反応槽に供給される排水の量が少なくなるため、流体のPH値の変動幅が小さくなる(PH値が安定する)傾向がある。したがって、上記のように構成すれば、PH測定部により測定されたPH値に基づいてスケール除去剤が供給されるので、より確実に、ノズルにスケールが付着している状態でスケール除去剤を供給することができる。すなわち、必要以上のスケール除去剤が無駄に使用されるのをより効果的に抑制することができる。また、PH測定部の測定結果に基づいて、自動的にスケール除去剤が供給されるので、ノズルにスケールが付着し続けるのを抑制することができる。その結果、ノズル詰まりが発生するのを自動的に抑制することができる。
上記一の局面による中和処理装置において、好ましくは、除去剤供給部は、ノズルを通る流体の流れを停止させる際に、スケール除去剤を供給するように構成されている。このように構成すれば、ノズルを通る流体の流れを停止する際にスケール除去剤が供給されるので、継続的にノズルに流体が供給される場合と比較して、ノズルを通る流体により、ノズルの内面に供給されたスケール除去剤が洗い流されるのを抑制することができる。また、比較的多くのスケール除去剤をノズル内に留めておくことができる。その結果、効果的に、ノズルの内面に付着したスケールを除去することができるので、ノズル詰まりを効果的に抑制することができる。
この場合、好ましくは、ノズルは、ノズルを通る流体の流れが停止した場合に、ノズルの吐出口を塞ぐ、開閉可能な蓋部を含む。このように構成すれば、蓋部によりスケール除去剤がノズルの外部へ流出するのを抑制することができるので、より効果的に、ノズルの内面に付着したスケールを除去することができる。
上記一の局面による中和処理装置において、好ましくは、スケール除去剤は、酸性である。このように構成すれば、スケール除去剤によっても排水の中和処理を行うことができるので、酸性以外のスケール除去剤を使用する場合と比較して、炭酸ガスの消費を抑制することができるとともに、より効果的に中和処理を行うことができる。
上記一の局面による中和処理装置において、好ましくは、ノズルは、排水が流入する流入部分の近傍に、反応槽に供給される流体中に気泡を発生させる孔部を含む。このように構成すれば、孔部によりノズル内で気泡を発生させることができるので、ノズルの内面へのスケールの付着を効果的に抑制することができる。
本発明によれば、上記のように、メンテナンス時等において除去作業をすることなく、ノズルに付着したスケールを除去することが可能な中和処理装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態による中和処理装置の全体構成を示した概略図である。 本発明の第1実施形態による中和処理装置のノズルを示した模式的な断面図である。 本発明の第1実施形態による中和処理装置のスケール除去剤の供給制御処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態による中和処理装置の全体構成を示した概略図である。 本発明の第3実施形態による中和処理装置の全体構成を示した概略図である。 本発明の第3実施形態による中和処理装置のPH値の変動について説明するためのグラフである。 本発明の第3実施形態による中和処理装置のスケール除去剤の供給制御処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第4実施形態による中和処理装置のノズルを示した模式的な断面図である。 本発明の第1〜第4実施形態の変形例による中和処理装置のノズルを示した模式的な断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(中和処理装置の構成)
図1に示すように、中和処理装置100は、排水貯留部1と、ガス供給部2と、中和処理部3とを備えている。排水貯留部1は、原水槽10を含んでいる。ガス供給部2は、炭酸ガスボンベ20を含んでいる。中和処理部3は、ノズル30と、反応槽31と、除去剤貯蔵部32と、自吸ポンプ33とを含んでいる。中和処理装置100は、排水貯留部1からアルカリ性の排水、および、ガス供給部2から炭酸ガスを中和処理部3に供給するように構成されている。また、中和処理装置100は、中和処理部3において、ノズル30から排水と炭酸ガスとを反応槽31にそれぞれ供給するように構成されている。そして、中和処理装置100は、中和処理部3において、反応槽31内で排水と炭酸ガスとを撹拌することにより中和反応させる(中和処理する)ように構成されている。なお、除去剤貯蔵部32は、特許請求の範囲の「除去剤供給部」の一例である。
ここで、第1実施形態では、中和処理装置100は、中和処理部3において、ノズル30の内面30a(図2参照)にスケール除去剤を供給するように構成されている。これにより、中和処理装置100は、ノズル30の内面30aに発生したスケールを取り除いて、ノズル詰まりを解消することが可能なように構成されている。
ノズル30と、原水槽10、炭酸ガスボンベ20、除去剤貯蔵部32および自吸ポンプ33とをそれぞれ接続する構成について説明する。
ノズル30と原水槽10とは、給水ホース11により接続されている。また、ノズル30と炭酸ガスボンベ20とは、ガス供給管21により接続されている。また、ノズル30と除去剤貯蔵部32とは、除去剤供給管36により接続されている。また、ノズル30と自吸ポンプ33とは、流体供給管34により接続されている。
なお、流体供給管34とガス供給管21とは、ノズル30との間の合流部G1(図1参照)において合流している。したがって、合流部G1とノズル30との間における供給管は、流体供給管34およびガス供給管21として機能する。また、流体供給管34と除去剤供給管36とは、ノズル30との間の合流部G2(図1参照)において合流している。したがって、合流部G2とノズル30との間における供給管は、流体供給管34および除去剤供給管36として機能する。
(排水貯留部の構成)
排水貯留部1は、図1に示すように、原水槽10と、給水ホース11と、液位計12とを含んでいる。なお、排水貯留部1自体は、排水を中和処理部3(ノズル30)に供給(送り込む)する機能を有していない。排水貯留部1に貯留された排水は、中和処理部3の機能により、中和処理部3に供給される(引き込まれる)。詳細については後述する。
原水槽10は、外部のポンプ(図示せず)から送り込まれるアルカリ性の排水(原水)を貯留するように構成されている。なお、アルカリ性の排水は、建設現場や工場で用いられるセメントなどから発生する。
給水ホース11は、一方端が原水槽10内(排水内)に配置され、他方端がノズル30の横孔部30c(図2参照)に接続されている。また、給水ホース11の一方端側は、原水槽10内から上方に延びている。また、給水ホース11の一方端には、ストレーナ11aが設けられている。また、給水ホース11の一方端と他方端との間には、弁11bが設けられている。弁11bは、たとえば、手動式のボールバルブなどである。
液位計12は、原水槽10内の排水(原水)の液位を検知可能に構成されている。詳細には、液位計12は、上下異なる高さ位置に配置される2つのフロートを有しており、下側のフロートで原水槽10の最低液位h1、上側のフロートで原水槽10の最高液位h2を検知可能に構成されている。また、液位計12での測定結果は、後述する制御部40により受信される。そして、制御部40は、原水槽10が最低液位h1に達した場合には、反応槽31(ノズル30)への排水の供給(引き込み)を停止し、原水槽10が最高液位h2に達した場合には、原水槽10から排水が溢れることを防止するために原水槽10への排水の供給を停止するなどの制御を行うように構成されている。なお、制御部40は、特許請求の範囲の「除去剤供給部」の一例である。
(ガス供給部の構成)
ガス供給部2は、図1に示すように、複数(2つ)の炭酸ガスボンベ20と、ガス供給管21と、圧力調整器22と、電磁弁23と、逆止弁24とを含んでいる。
炭酸ガスボンベ20には、炭酸ガスが封入されている。ガス供給管21は、一方端が炭酸ガスボンベ20に接続され、他方端がノズル30の上孔部30b(図2参照)に接続されている。また、ガス供給管21には、炭酸ガスボンベ20側から順に、圧力調整器22と、電磁弁23と、逆止弁24とが設置されている。
圧力調整器22は、ヒータ(図示せず)を有しており、ヒータで炭酸ガスを加熱することにより、ガス供給管21内の炭酸ガス圧を中和処理部3(ノズル30)側へ供給(噴射)するのに適した所定圧力に調整するように構成されている。なお、圧力調整器22は、中和処理部3の後述する制御部40による制御の下、炭酸ガスの圧力調整を行うように構成されている。
電磁弁23は、制御部40による制御の下、所定のタイミングで開閉されるように構成されている。なお、所定のタイミングは、反応槽31内に貯留された流体のPH値に基づいて制御部40(制御部40のPH指示計40a)によって決定される。詳細については、後述する。
逆止弁24は、炭酸ガスボンベ20側から中和処理部3(ノズル30)側に炭酸ガスを通し、中和処理部3(ノズル30)側から炭酸ガスボンベ20側に炭酸ガスを含む流体を通さないように構成されている。
(中和処理部の構成)
中和処理部3は、図1に示すように、ノズル30と、反応槽31と、除去剤貯蔵部32と、複数(2つ)の自吸ポンプ33と、流体供給管34と、PH測定部35と、除去剤供給管36と、電磁弁37と、排水ホース38と、流量計39と、PH指示計40aを含む制御部40と、PH記録計41と、操作部42とを含んでいる。なお、自吸ポンプ33は、特許請求の範囲の「第1ポンプ」および「除去剤供給部」の一例である。
ノズル30は、図2に示すように、略直線状に延びる円筒状の内面30aを有する筒形状に形成されている。また、ノズル30は、略直線状に延びる円筒状の内面30aが上下方向に沿うように、反応槽31内に設置されている。また、ノズル30には、上孔部30bと、横孔部30cと、下孔部30dとが設けられている。
上孔部30bは、炭酸ガスボンベ20と、除去剤貯蔵部32と、自吸ポンプ33とにそれぞれ接続されている。また、上孔部30bは、炭酸ガスボンベ20、除去剤貯蔵部32および自吸ポンプ33から、それぞれ、炭酸ガス、流体およびスケール除去剤を、ノズル30に供給可能に構成されている。また、上孔部30bは、下方に小径部30eを有しており、小径部30eに向かうにつれて径が小さくなるように構成されている。上孔部30bを通過する流体は、小径部30eにおいて径が絞られることにより、加速された状態で下方に(下孔部30d)向けて射出される。また、小径部30eに対向するノズル30内の下方側には、小径部30eよりも径が大きい大径部30fが設けられている。小径部30eから出射された流体は、大径部30fに到達すると、加速された流体の周囲に負圧を発生させる。
横孔部30cは、原水槽10に接続されており、原水槽10からノズル30に排水を供給可能に構成されている。また、横孔部30cは、ノズル30の横方向側(側部)に設けられている。また、横孔部30cは、上孔部30bの近傍の高さ位置に設けられている。また、横孔部30cには、上記の通り、原水槽10から排水を供給する給水ホース11が接続されている。また、給水ホース11は、一方端が排水に浸かっている。ノズル30内で負圧が発生した場合には、排水が給水ホース11を介して負圧側に引き込まれる。結果として、横孔部30cから供給された排水は、ノズル30内で上孔部30bから供給された流体に合流し、下孔部30cに向けて流される。
下孔部30dは、ノズル30内から下方端(開放部分)に向けて内径が拡大するラッパ形状に形成されている。また、下孔部30dは、炭酸ガスおよび排水を含む流体を反応槽31に供給(排出)するように構成されている。すなわち、下孔部30dは、反応槽31に流体(排水および炭酸ガス)を供給する吐出口として機能する。
反応槽31は、図1に示すように、ノズル30から供給されたアルカリ性の排水と炭酸ガスとが内部で中和反応するように構成されている。すなわち、反応槽31は、環境への影響を考慮して、炭酸ガスにより排水のPH値を下げるように構成されている。
除去剤貯蔵部32には、スケール除去剤が貯留されている。スケール除去剤は、固体状の炭酸カルシウムS(図2参照)を溶かす機能を有している。すなわち、スケール除去剤により、ノズル30の内面30a(図2参照)に付着した固体状の炭酸カルシウムSに起因するノズル詰まりを解消することが可能である。また、スケール除去剤は、酸性であることが望ましい。
自吸ポンプ33は、反応槽31内に配置されている。また、自吸ポンプ33は、流体供給管34を介してノズル30に接続されている。また、自吸ポンプ33は、反応槽31の流体を吸い込んで、ノズル30に供給し、再び、反応槽31に供給するように構成されている。すなわち、自吸ポンプ33は、反応槽31の流体を、流体供給管34およびノズル30を介して循環させるように構成されている。この循環によって、自吸ポンプ33は、ノズル30内に負圧を発生させるように構成されている。その結果、自吸ポンプ33は、ノズル30に排水を引き込むように構成されている。なお、自吸ポンプ33は、制御部40による制御の下、作動および停止するように構成されている。
また、自吸ポンプ33は、ノズル30側で発生された負圧により除去剤貯蔵部32からスケール除去剤を引き込むように構成されている。詳細には、自吸ポンプ33は、流体供給管34内の流体の循環によって、ノズル30内に負圧を発生させることにより、除去剤貯蔵部32から合流点g2を介してノズル30内にスケール除去剤を引き込むように構成されている。
流体供給管34は、一方端が自吸ポンプ33に接続され、他方端がノズル30の上孔部30bに接続されている。
PH測定部35は、反応槽31内に配置され、反応槽31に貯留された流体のPH値を測定可能に構成されている。また、PH測定部35での測定結果は、制御部40(PH指示計40a)により受信される。
除去剤供給管36は、一方端が除去剤貯蔵部32に接続され、他方端がノズル30の上孔部30bに接続されている。
電磁弁37は、除去剤供給管36に設置されている。また、電磁弁37は、後述する制御部40による制御の下、所定のタイミングで開閉されるように構成されている。なお、電磁弁37が開かれることにより、除去剤貯蔵部32のスケール除去剤は、流体供給管34内の流体の循環で発生される負圧によって、ノズル30に引き込まれる。
排水ホース38は、反応槽31の上部の側面に接続されている。また、排水ホース38は、反応槽31への接続部分から下方に延びており、越流により反応槽31から処理水(中和処理後の流体)を排出することが可能に構成されている。
流量計39は、排水ホース38に設置され、反応槽31から排出される処理水(中和処理後の流体)の流量を測定可能に構成されている。つまり、流量計39は、排水ホース38を通る処理水の流量を測定可能に構成されている。また、流量計39での測定結果は、制御部40により受信される。なお、越流により排水ホース38から排水される際の反応槽31から排出される処理水(中和処理後の流体)の流量は、反応槽31に供給される排水の流量に等しい。
制御部40は、液位計12から原水槽10の液位についての信号を受信して自吸ポンプ33を運転または停止させるように構成されている。具体的には、制御部40は、原水槽10の液位がh1よりも高くかつh2よりも低い(運転可能液位)場合には、自吸ポンプ33を運転させるように構成されている。また、制御部40は、原水槽10の液位がh1以下またはh2以上(非運転可能液位)である場合には、自吸ポンプ33を停止させるように構成されている。なお、自吸ポンプ33が停止している際に、ノズル30側に炭酸ガスが供給されることはない。
制御部40は、炭酸ガスをノズル30側に供給する前に、圧力調整器22により、炭酸ガスを供給するのに適した所定圧力に調整するように構成されている。
制御部40は、PH指示計40aを含んでいる。PH指示計40aは、反応槽31内の流体のPH値に基づいて炭酸ガスの供給を制御する。詳細には、PH指示計40a(制御部40)は、PH測定部35から反応槽31のPH値についての信号を受信してガス供給部2の電磁弁23を開閉させることにより、炭酸ガスを連続供給、間欠供給または供給停止させるように構成されている。
たとえば、具体例として、PH指示計40a(制御部40)は、反応槽31内の流体のPH値が7.5以上である場合には、電磁弁23の開状態を継続することにより、炭酸ガスを連続供給するように構成されている。
PH指示計40a(制御部40)は、反応槽31内の流体のPH値が7.0よりも大きくかつPH値が7.5未満である場合には、電磁弁23の開状態および閉状態を交互に繰り返すことにより、炭酸ガスを間欠供給するように構成されている。たとえば、2秒の開状態と5秒の閉状態とを交互に繰り返すように構成されている。
PH指示計40a(制御部40)は、反応槽31内の流体のPH値が7.0以下である場合には、電磁弁23の閉状態を継続することにより、炭酸ガスを供給停止するように構成されている。
制御部40は、ノズル30を通る流体の流れを停止させる際(自吸ポンプ33の停止信号を受信した際)に、電磁弁37を開状態にすることにより、スケール除去剤をノズル30の内面30a(図2参照)に供給するように構成されている。
具体的には、制御部40は、原水槽10の液位が非運転可能液位にあることを示す信号(停止信号)を受信した場合、または、操作部42から自吸ポンプ33の停止信号を受信した場合などに、電磁弁37を開状態にすることにより、スケール除去剤をノズル30の内面30a(図2参照)に供給するように構成されている。なお、スケール除去剤の供給は、たとえば、所定量のスケール除去剤が供給されるように、所定時間だけ電磁弁37を開状態にしてもよい。
また、制御部40は、ノズル30にスケールが付着していない状態の流量(以下、初期流量Xとする)から、流量計39により測定された流量が所定値以下の流量に減少した場合に、スケール除去剤を供給するように構成されている。たとえば、制御部40は、初期流量Xから、流量計39により測定された流量が0.9X以下に減少(10%以上減少)した場合に、スケール除去剤を供給するように構成されている。なお、制御部40は、内部に記憶部(図示せず)を含んでおり、ノズル30にスケールが付着していない状態の流量を記憶している。また、スケール除去剤の供給は、たとえば、所定量のスケール除去剤が供給されるように、所定時間だけ電磁弁37を開状態にしてもよい。また、ノズル詰まりが解消されるまで、間欠的にスケール除去剤を供給してもよい。
PH記録計41は、時間とPH値との関係(PH値の時間変化)を示したグラフを、ユーザが確認可能なように用紙に出力するように構成されている。
操作部42は、ユーザからの各種操作を受け付け可能に構成されている。具体的には、操作部42は、自吸ポンプ33を停止または運転させる操作や、スケール除去剤を供給させる操作などを受け付け可能に構成されている。また、操作部42が操作された場合には、操作に基づく信号が制御部40に送信される。その結果、制御部40により、自吸ポンプ33を停止または運転させる制御や、スケール除去剤を供給させる制御が行われる。
(スケール除去剤の供給制御処理の説明)
次に、図1および図3を参照して、制御部40によるスケール除去剤の供給制御処理について説明する。
ステップS1において、制御部40により、流量計39により測定された排水ホース38を通る処理水の流量が、初期流量X(ノズル30にスケールが付着していない状態の流量)から所定値以下の流量に減少したか否かが判断される。そして、初期流量Xから所定値以下の流量に減少した場合には、ステップS2に進み、制御部40により、ノズル30にスケール除去剤が供給される。なお、この際、自吸ポンプ33は、流体を循環させ続けている。そして、ステップS1に戻る。
なお、繰り返しステップS2に進む場合とは、流量計39により測定された排水ホース38を通る処理水の流量が所定値よりも大きい流量に回復した後、再び、所定値以下の流量に減少した場合である。
また、ステップS1において、初期流量Xから所定値以下の流量に減少していない場合には、ステップS3に進む。そして、ステップS3において、制御部40により、自吸ポンプ33の停止信号が受信されたか否かが判断される。そして、停止信号が受信されていないならば、ステップS1に戻る。また、停止信号が受信されたならば、ステップS4に進み、制御部40により、ノズル30にスケール除去剤が供給される。そして、ステップS5に進み、制御部40により、自吸ポンプ33が停止される。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、反応槽31にアルカリ性の排水および炭酸ガスを供給するノズル30の内面30aに、スケール除去剤を供給する制御を行なう制御部40を設ける。これにより、制御部40によりノズル30の内面30aにスケール除去剤を供給することができるので、ノズル30の内面30aに付着したスケール(炭酸カルシウム)を除去することができる。その結果、ノズル詰まりを解消することができる。また、定期的なメンテナンス時などに、ノズル30の内面30aに付着したスケールの除去作業を行う手間を削減することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、スケール除去剤を貯蔵する除去剤貯蔵部32を設け、ノズル30側で発生された負圧により除去剤貯蔵部32からノズル30にスケール除去剤を引き込むように構成する。これにより、ノズル30にスケール除去剤を引き込むことにより、容易に、ノズル30の内面30aにスケール除去剤を供給することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ノズル30に接続され、反応槽31の流体を循環させるとともに、流体の循環によってノズル30側に負圧を発生させることにより、ノズル30にスケール除去剤および排水を引き込む自吸ポンプ33を設ける。これにより、自吸ポンプ33の作動により生じる負圧により、排水をノズル30に引き込むとともに、スケール除去剤をノズル30に引き込むことができるので、排水とスケール除去剤とを別々の構成によりノズル30に供給する場合と比較して、装置構成を簡素化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部40により、スケールが付着していない状態のノズル30から供給される流体の流量から、流量が減少した場合に、スケール除去剤を供給するように構成する。ここで、ノズル30にスケールが付着するとノズル30を通る流体の流量が減少する。したがって、上記のような構成により、ノズル30にスケールが付着している状態でスケール除去剤を供給することができる。すなわち、必要以上のスケール除去剤が無駄に使用されるのを抑制することができる。また、ノズル30にスケールが付着すると、自動的にスケール除去剤が供給されるので、ノズル30にスケールが付着し続けるのを抑制することができる。その結果、ノズル詰まりが発生するのを自動的に抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、反応槽31に供給される排水の流量を測定する流量計39を設け、制御部40により、ノズル30にスケールが付着していない状態の流量から、流量計39により測定された流量が所定値以下の流量に減少した場合に、スケール除去剤を供給する。これにより、流量計39により測定された流量に基づいてスケール除去剤が供給されるので、より確実に、ノズル30にスケールが付着している状態でスケール除去剤を供給することができる。すなわち、スケール除去剤が無駄に使用されるのをより効果的に抑制することができる。また、流量計39の測定結果に基づいて、自動的にスケール除去剤が供給されるので、より確実に、ノズル30にスケールが付着し続けるのを抑制することができる。その結果、より確実に、ノズル詰まりが発生するのを自動的に抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部40により、ノズル30を通る流体の流れを停止させる際に、スケール除去剤を供給する。これにより、ノズル30を通る流体の流れを停止する際にスケール除去剤が供給されるので、継続的にノズル30に流体が供給される場合と比較して、ノズル30を通る流体により、ノズル30の内面30aに供給されたスケール除去剤が洗い流されるのを抑制することができる。また、比較的多くのスケール除去剤をノズル30内に留めておくことができる。その結果、ノズル30に付着したスケールを効果的に除去することができるので、ノズル詰まりを効果的に抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、酸性のスケール除去剤を使用する。これにより、スケール除去剤によっても排水の中和処理を行うことができるので、酸性以外のスケール除去剤を使用する場合と比較して、炭酸ガスの消費を抑制することができるとともに、より効果的に中和処理を行うことができる。
[第2実施形態]
次に、図4を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、中和処理部3が電磁弁を備える上記第1実施形態とは異なり、中和処理部3aが電磁弁37に代えて送出ポンプ37aを備える構成について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。また、送出ポンプ37aは、特許請求の範囲の「第2ポンプ」および「除去剤供給部」の一例である。
図4に示すように、第2実施形態による中和処理装置200は、排水貯留部1と、ガス供給部2と、中和処理部3aとを備えている。
中和処理部3aは、ノズル30と、反応槽31と、除去剤貯蔵部32と、2つの自吸ポンプ33と、流体供給管34と、PH測定部35と、除去剤供給管36と、送出ポンプ37aと、排水ホース38と、流量計39と、PH指示計40aを含む制御部40と、PH記録計41と、操作部42とを含んでいる。
送出ポンプ37aは、流体供給管34に設けられている。また、送出ポンプ37aは、除去剤供給管36の合流部G2よりも除去剤貯蔵部32側に設けられている。また、送出ポンプ37aは、除去剤貯蔵部32からノズル30に向かってスケール除去剤を送出可能に構成されている。たとえば、送出ポンプ37aは、ユーザが操作部42によりスケール除去剤を供給する操作をした場合には、除去剤貯蔵部32からノズル30に向かってスケール除去剤を送出するように構成されている。なお、送出ポンプ37aは、自吸ポンプ33とは独立して動作可能であり、スケール除去剤は、自吸ポンプ33が停止および運転している状態のいずれの状態でも供給可能である。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、反応槽31にアルカリ性の排水および炭酸ガスを供給するノズル30の内面30aに、スケール除去剤を供給する制御を行なう制御部40を設ける。これにより、ノズル30の内面30aに付着したスケールを除去することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、スケール除去剤を貯蔵する除去剤貯蔵部32を設け、除去剤貯蔵部32からノズル30に向かってスケール除去剤を送り出すように構成する。これにより、ノズル30に向かってスケール除去剤を送り出すことにより、容易に、ノズル30の内面30aにスケール除去剤を供給することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、除去剤貯蔵部32側に設けられ、除去剤貯蔵部32からノズル30に向かってスケール除去剤を送り出す送出ポンプ37aを設ける。これにより、ノズル30への流体の供給を停止させた状態でも送出ポンプ37aによりスケール除去剤をノズル30に供給することができる。この場合、ノズル30に供給されたスケール除去剤が流体により希釈されるのを抑制することができる。その結果、効果的に、ノズル30の内面30aに付着したスケールを除去することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
次に、図5〜図7を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、制御部40が流量計39により測定された流量に基づいてスケール除去剤を供給する制御を行った上記第1実施形態とは異なり、制御部340がPH測定部35により測定されたPH値に基づいてスケール除去剤を供給する制御を行う構成について説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。
図5に示すように、第3実施形態による中和処理装置300は、排水貯留部1と、ガス供給部2と、中和処理部3bとを備えている。
中和処理部3bは、ノズル30と、反応槽31と、流体供給管34と、2つの自吸ポンプ33と、PH測定部35と、除去剤供給管36と、電磁弁37と、除去剤貯蔵部32と、排水ホース38と、PH指示計40aを含む制御部340と、PH記録計41と、操作部42とを含んでいる。上記第1実施形態とは異なり、この第3実施形態では、中和処理部3bには、流量計39が設けられていない。
制御部340は、図6(a)、(b)に示すように、ノズル30(図5参照)にスケールが付着していない状態のPH値の変動幅B(たとえば、PH値6.6〜8.2)よりも小さい所定の変動幅C(たとえば、PH値7.0〜7.8)を継続して推移することにより、スケールが付着していない状態のノズル30から供給される流体の流量から、流量が減少していると推定される場合に、スケール除去剤を供給するように構成されている。たとえば、制御部340(図5参照)は、図6(b)に示すように、ユーザが設定する所定時間Tの間、継続してPH値が変動幅Cの範囲内を推移した場合に、所定の変動幅Cを継続して推移しているとして、スケール除去剤を供給するように構成されている。
なお、図5に示す中和処理部3bは、反応槽31への排水の供給(反応槽31からの処理水の排出)が少なくなると、反応槽31における中和処理の負荷が軽減されるため、PH値が安定する(PH値の変動幅が小さくなる)傾向がある。すなわち、中和処理部3bは、ノズル詰まりが発生し、反応槽31内へのアルカリ性排水の流入が減少すると、PH値が安定する傾向がある。
(スケール除去剤の供給制御処理の説明)
次に、図5〜図7を参照して、制御部340によるスケール除去剤の供給制御処理について説明する。なお、ステップS2〜S5は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略し、ステップS1aについてのみ説明する。
ステップS1aにおいて、制御部340により、PH測定部35により測定された流体のPH値の変動幅Bよりも小さい所定の変動幅Cを所定時間継続して推移しているか否かが判断される。要するに、流体のPH値が変動幅Cの範囲内で安定しているか否かが判断される。そして、流体のPH値が安定している場合には、ステップS2に進み、スケール除去剤の供給を行う。また、流体のPH値が安定していない場合には、ステップS3に進む。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、反応槽31にアルカリ性の排水および炭酸ガスを供給するノズル30の内面30aに、スケール除去剤を供給する制御を行なう制御部340を設ける。これにより、ノズル30の内面30aに付着したスケールを除去することができる。
また、第3実施形態では、上記のように、反応槽31のPH値を測定するPH測定部35を設け、制御部340により、PH測定部35により測定されたPH値が、ノズル30にスケールが付着していない状態のPH値の変動幅よりも小さい所定の変動幅を継続して推移することによって、スケールが付着していない状態のノズル30から供給される流体の流量から、流量が減少していると推定される場合に、スケール除去剤を供給する。ここで、一般的に、ノズル詰まりが発生すると、反応槽31に供給される排水の量が少なくなるため、流体のPH値の変動幅が小さくなる(PH値が安定する)傾向がある。したがって、上記のような構成により、PH測定部35により測定されたPH値に基づいてスケール除去剤が供給されるので、より確実に、ノズル30にスケールが付着している状態でスケール除去剤を供給することができる。すなわち、必要以上のスケール除去剤が無駄に使用されるのをより効果的に抑制することができる。また、PH測定部35の測定結果に基づいて、自動的にスケール除去剤が供給されるので、ノズル30にスケールが付着し続けるのを抑制することができる。その結果、ノズル詰まりが発生するのを自動的に抑制することができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第4実施形態]
次に、図1および図8を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、上記第1実施形態のノズル30の構成に加えて、ノズル430が蓋部430aを有する構成について説明する。なお、第4実施形態においてノズル430以外の構成は、上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態であるので、説明を省略する。
図1に示すように、第4実施形態による中和処理装置400は、排水貯留部1と、ガス供給部2と、中和処理部3cとを備えている。
中和処理部3cは、図1に示すように、ノズル430と、反応槽31と、除去剤貯蔵部32と、2つの自吸ポンプ33と、流体供給管34と、PH測定部35と、除去剤供給管36と、電磁弁37と、排水ホース38と、流量計39と、PH指示計40aを含む制御部40と、PH記録計41と、操作部42とを含んでいる。
図8に示すように、ノズル430には、上孔部30bと、横孔部30cと、下孔部30dと、蓋部430aが設けられている。蓋部430aは、開閉可能に構成されている。詳細には、蓋部430aは、バネ(図示せず)を有しており、バネにより下孔部30d(吐出口)を塞ぐ方向(閉状態にする方向)に付勢されるように構成されている。また、蓋部430aは、ノズル430を通る流体の流れがある場合には、バネの付勢力に抗して開状態になるように構成されている。また、蓋部430aは、ノズル430を通る流体の流れが停止した場合には、バネの付勢力により下孔部30d(吐出口)を塞ぐ閉状態になるように構成されている。
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第4実施形態では、上記第1実施形態と同様に、反応槽31にアルカリ性の排水および炭酸ガスを供給するノズル430の内面30aに、スケール除去剤を供給する制御を行なう制御部40を設ける。これにより、ノズル430の内面30aに付着したスケールを除去することができる。
また、第4実施形態では、上記のように、ノズル430に、ノズル430を通る流体の流れが停止した場合に、ノズル430の下孔部30dを塞ぐ、開閉可能な蓋部430aを設ける。これにより、蓋部430aによりスケール除去剤がノズル430の外部へ流出するのを抑制することができるので、より効果的に、ノズル430の内面30aに付着したスケールを除去することができる。
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1、第2および第4実施形態では、流量計を排水ホースに設けて処理水の流量を測定した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、流量計を給水ホースに設けて反応槽へ供給される排水の流量を測定してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、流量計およびPH測定部の一方の測定結果に基づいて、スケール除去剤を供給した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、流量計およびPH測定部の両方の測定結果に基づいて、スケール除去剤を供給してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、2つのフロートを有する液位計を備える例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、1つのフロートを有する液位計を備えていてもよい。また、液位計は電極式であってもよい。また、液位計はなくてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、排水ホースから中和処理済みの流体を処理水として排出するように構成した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、PH値などに応じて、再び、流体を原水槽に戻してもよい(フィードバックしてもよい)。
また、上記第1〜第4実施形態のノズルの構成に加えて、図9に示す変形例のノズル530ように、排水が流入する流入部分(横孔部30c)の近傍に、ノズル530内を通る流体に気泡を発生させる孔部530aを有していてもよい。なお、孔部530aの直径は、少なくとも、小径部30eの直径よりも小さい。このように構成すれば、孔部530aによりノズル30内で気泡を発生させることができるので、ノズル30の内面30aへのスケールの付着を抑制することができる。
また、上記第1〜第4実施形態では、上孔部からノズルにスケール除去剤を供給した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、横孔部からノズルに排水とともにスケール除去剤を供給してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態の反応槽の構成に加えて、反応槽内の取り出し容易な位置に固体状の炭酸カルシウムを配置してもよい。このように構成すれば、固体状の炭酸カルシウムにおいて積極的にスケールが発生されるので、ノズルにおけるスケールの発生を抑制することができる。また、反応槽の内面に発生するスケールを抑制することができる。
また、上記第1〜第4実施形態のノズルの構成に加えて、ノズルの内面を滑らかにして、スケールの付着を抑制するコーティングまたは表面処理を施してもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、本発明の第1ポンプとしての自吸ポンプを2つ備える例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、本発明の第1ポンプとしての自吸ポンプを1つまたは3つ以上備えていてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、炭酸ガスボンベを2つ備える例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、炭酸ガスボンベを1つまたは3つ以上備えていてもよい。
また、上記第1〜第4実施形態では、酸性のスケール除去剤を使用した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、中性のスケール除去剤を使用してもよい。
30、430、530 ノズル
31 反応槽
32 除去剤貯蔵部(除去剤供給部)
33 自吸ポンプ(第1ポンプ、除去剤供給部)
35 PH測定部
37a 送出ポンプ(第2ポンプ、除去剤供給部)
39 流量計
40、340 制御部(除去剤供給部)
100、200、300、400 中和処理装置
430a 蓋部
530a 孔部

Claims (11)

  1. アルカリ性の排水と炭酸ガスとが中和反応する反応槽と、
    前記反応槽に前記排水および前記炭酸ガスを供給するノズルと、
    スケール除去剤を前記ノズルの内面に供給する除去剤供給部とを備え
    前記除去剤供給部は、前記スケール除去剤を貯蔵する除去剤貯蔵部を含み、前記ノズル側で発生された負圧により、前記ノズルに、前記排水と、前記除去剤貯蔵部に貯蔵された前記スケール除去剤とを引き込むように構成されている、中和処理装置。
  2. 前記除去剤供給部は、前記除去剤貯蔵部から前記ノズルに向かって前記スケール除去剤を送り出すように構成されている、請求項1に記載の中和処理装置。
  3. 前記除去剤供給部は、前記ノズルに接続され、前記反応槽の流体を循環させるとともに、流体の循環によって前記ノズル側に負圧を発生させることにより、前記ノズルに前記スケール除去剤および前記排水を引き込む第1ポンプを含む、請求項1または2に記載の中和処理装置。
  4. 前記除去剤供給部は、前記除去剤貯蔵部側に設けられ、前記除去剤貯蔵部から前記ノズルに向かって前記スケール除去剤を送り出す第2ポンプを含む、請求項2に記載の中和処理装置。
  5. 前記除去剤供給部は、スケールが付着していない状態の前記ノズルから供給される流体の流量から、流量が減少した場合に、前記スケール除去剤を供給するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の中和処理装置。
  6. 前記反応槽に供給される排水の流量、または、前記反応槽から排出される中和処理後の流体の流量を測定する流量計をさらに備え、
    前記除去剤供給部は、前記ノズルにスケールが付着していない状態の流量から、前記流量計により測定された流量が所定値以下の流量に減少した場合に、前記スケール除去剤を供給するように構成されている、請求項5に記載の中和処理装置。
  7. 前記反応槽のPH値を測定するPH測定部をさらに備え、
    前記除去剤供給部は、前記PH測定部により測定されたPH値が、前記ノズルにスケールが付着していない状態のPH値の変動幅よりも小さい所定の変動幅を継続して推移することにより、スケールが付着していない状態の前記ノズルから供給される流体の流量から、流量が減少していると推定される場合に、前記スケール除去剤を供給するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の中和処理装置。
  8. 前記除去剤供給部は、前記ノズルを通る流体の流れを停止させる際に、前記スケール除去剤を供給するように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の中和処理装置。
  9. 前記ノズルは、前記ノズルを通る流体の流れが停止した場合に、前記ノズルの吐出口を塞ぐ、開閉可能な蓋部を含む、請求項8に記載の中和処理装置。
  10. 前記スケール除去剤は、酸性である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の中和処理装置。
  11. 前記ノズルは、前記排水が流入する流入部分の近傍に、前記反応槽に供給される流体中に気泡を発生させる孔部を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の中和処理装置。
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