JP4346102B2 - 水質測定システム - Google Patents
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Description
この残留塩素濃度計は、例えば次のようなプール水の循環流路で使用されていた。このプール水はプールから継続的に引き出されてバランシングタンクへと供給され、ここでプールの水位が調整される。次いで前記バランシングタンクからヘアキャッチャーを介して髪の毛などを除去し、循環ポンプを通ってろ過機へと送られ浄化され、さらに熱交換機を経て温度調節後に再びプールへと戻される。
そして、プール水等の水質浄化流路から一部の水をポンプで引き出し、且つバルブで更に1.0〜1.5L/分程度に流量調整して残留塩素濃度センサーに送ることにより濃度測定を行っていた。そして、残留塩素濃度センサーに送る適正量に対して流量が多い場合は、前記センサーの前側で分岐させたオーバーフロー管から横溢させていた。
しかし、水質浄化流路中のろ過機の負荷等の要因から前記流路の水量が変動することがあった。すなわち、水質浄化流路の水量が通常よりも増大した場合には余分な量がオーバーフロー管から横溢することとなり、このオーバーフロー水の処理は煩わしさが伴っていた。一方、水質浄化流路(外部循環流路)の水量が通常よりも減少した場合には残留塩素濃度センサーに適正な水量が供給されないこととなり、測定が不安定となる乃至は測定が不能になることがあった。
この発明の水質測定システムは、プール等の貯留槽の外部循環流路について水質測定を行う閉鎖系分岐経路を形成し、前記閉鎖系分岐経路には水質測定を行うセンサー機構が配設され、前記センサー機構は測定電極を内蔵する測定経路とこれを迂回するバイパス経路とを具備し、前記バイパス経路は前記測定経路よりも流水量を多く設定するようにし、前記センサー機構の測定経路とバイパス経路とを区画する測定室区画壁を有すると共に前記測定室区画壁は入水孔と出水孔を有し、前記外部循環流路の配管内に入水オリフィス機構を配設し、前記入水オリフィス機構から閉鎖系分岐経路へと被検液を導出するようにすると共に測定後の被検液をエジェクター式の出水オリフィス機構により外部循環流路に戻すようにしたことを特徴とする。
さらに以上のような構成から、高圧水流雰囲気(例えば10kg/cm2)となる外部循環流路に所謂ウォーター・ハンマー現象が起こったとしても、入水及び出水オリフィス機構、測定経路とバイパス経路、測定室区画壁の入水孔と出水孔の相乗効果によって外部の変動の影響が測定に及ぼされ難くすることができる。
ここで、前記測定水質として、残留塩素の濃度測定、導電率の測定、pHの測定等を例示することができる。前記残留塩素の濃度測定は、例えば公知のポーラログラフィー方式等により行うことができる。そして前記測定電極は、例えば作用電極、対電極、比較電極を有する公知の3電極方式とすることができる。前記プール等の貯留槽の外部循環流路として水質を清浄化するための流路を例示することができ、この流路にはろ過機やヘアキャッチャー、循環ポンプ、熱交換機などを配設することができる。
外部循環流路の水量の変動の影響を緩和することができるので従来よりも安定した測定が可能であると共に、オーバーフロー水の処理の煩わしさが不要な水質測定システムを提供することができる。
図1に示すように、この実施形態の水質測定システム(残留塩素濃度計)は、プール等の貯留槽1の外部循環流路2について残留塩素の濃度測定を行う閉鎖系分岐経路3を形成している。
前記測定水質としてこの残留塩素濃度計のような残留塩素の濃度測定の他に、導電率の測定、pHの測定等を例示することができる。前記残留塩素の濃度測定は例えば公知のポーラログラフィー方式等により行うことができる。
前記プール等の貯留槽1の外部循環流路2として水質を清浄化するための流路を形成しており、この流路にはバランシングタンク(図示せず)、ヘアキャッチャーH、循環ポンプP、ろ過機F、熱交換機(図示せず)などの公知の水質浄化設備を配設している。
前記外部循環流路2の配管内に公知の入水オリフィス機構を配設し、前記入水オリフィス機構から閉鎖系分岐経路3へと被検液を導出するようにすると共に測定後の被検液を公知のエジェクター式の出水オリフィス機構により外部循環流路2に戻すようにしている。具体的には、前記外部循環流路2の配管内に該管内水流に略直交して内蔵される金属製の略半球状の受水盤(図示せず)を配設し、前記受水盤から閉鎖系分岐経路3の分岐配管へと分岐水を導出するようにしている。すなわち、前記閉鎖系分岐経路3には外部循環流路2の循環ポンプ(図示せず)による水圧を利用して水を流通させている。外部循環流路2の配管の直径は150mm、略半球状の受水盤の直径は16mmに設定し、この受水盤に直径が22mmの導出用の分岐配管を溶接するようにしている。前記閉鎖系分岐経路3は、バルブVにより流量が4〜5L/分となるように調節している。また、閉鎖系分岐経路3から外部循環流路2(加圧状態下にある)へは、残塩濃度のセンシング後の分岐水がエジェクター方式で戻るようにしている。
また、前記閉鎖系分岐経路3には、残留塩素の濃度測定を行うセンサー機構Sが配設されている。残留塩素の濃度測定は、公知のポーラログラフィー方式により行うようにしている。図2に示すように、前記センサー機構Sは測定電極4を内蔵する測定経路5とこれを迂回するバイパス経路6とを具備する。前記測定電極4は作用電極7、比較電極8、対電極9を有する公知の3電極方式としている。
そして、前記センサー機構の測定経路5とバイパス経路6とを区画する測定室区画壁10を有するようにしていると共に、前記測定室区画壁10は入水孔11と出水孔12を有することとしている。前記バイパス経路6は前記測定経路5よりも流水量を多く設定するようにしている。具体的にはバイパス経路6の流量が2.5〜4.0L/分となるように、測定経路5の流量が1.0〜1.5L/分となるように設定している。
この水質測定システム(残留塩素濃度計)は、プール等の貯留槽1の外部循環流路2について水質測定を行う閉鎖系分岐経路3を形成したので、オーバーフロー水を出さないようにすることができその処理の煩わしさを回避することができるという利点がある。そして、水質測定(残留塩素の濃度測定)を行うセンサー機構は測定電極4を内蔵する測定経路5とこれを迂回するバイパス経路6とを具備し、前記バイパス経路6は前記測定経路5よりも流水量を多く設定するようにしたので、外部循環流路2の水量の変動の影響を緩和することができ、従来よりも安定した測定が可能であるという利点がある。すなわち、水質浄化流路中のろ過機の負荷等の要因から前記流路の水量が変動することがあったとしても、この影響をあまり受けずに残留塩素の測定が可能である。
そのうえ以上のような構成から、高圧水流雰囲気(例えば10kg/cm2)となる外部循環流路2に所謂ウォーター・ハンマー現象が起こったとしても、入水及び出水オリフィス機構、測定経路5とバイパス経路6、測定室区画壁10の入水孔11と出水孔12の相乗効果によって外部の変動の影響が測定に及ぼされ難くすることができるという利点がある。
そしてこの水質測定システムは、飲料用水、工業用水、電気洗濯機用洗濯用水、業務用殺菌洗浄水、食品加工用殺菌洗浄水、梅などの食品加工排水、スクラバー用循環殺菌水、クーリングタワー循環殺菌水、金属切削用クーラントエマルジョン殺菌水、温泉水循環殺菌水、浴場用循環殺菌水、噴水用循環水、殺菌管理用センサー、水質浄化管理センサー、藻類発生防止用の水その他の残留塩素濃度を好適に測定することができる。
2 外部循環流路
3 閉鎖系分岐経路
4 測定電極
5 測定経路
6 バイパス経路
10 測定室区画壁
11 入水孔
12 出水孔
S センサー機構
Claims (1)
- プール等の貯留槽(1)の外部循環流路(2)について水質測定を行う閉鎖系分岐経路(3)を形成し、前記閉鎖系分岐経路(3)には水質測定を行うセンサー機構(S)が配設され、前記センサー機構(S)は測定電極(4)を内蔵する測定経路(5)とこれを迂回するバイパス経路(6)とを具備し、前記バイパス経路(6)は前記測定経路(5)よりも流水量を多く設定するようにし、前記センサー機構(S)の測定経路(5)とバイパス経路(6)とを区画する測定室区画壁(10)を有すると共に前記測定室区画壁(10)は入水孔(11)と出水孔(12)を有し、前記測定室区画壁(10)を境として入水孔(11)と出水孔(12)とにより水の流通を制限し、入水孔(11)から測定室内に入り込む水流によって測定電極(4)回りに乱流を形成するようにしたことを特徴とする水質測定システム。
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