JP6541286B1 - 無線受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】RF信号を直接AD変換して信号処理を行う無線受信装置では、強い妨害電波の受信でADコンバータが飽和しないようにRF信号を可変アッテネータで減衰すると、微弱な受信信号を検出し難くなる。
【解決手段】RF信号をそのままAD変換して信号処理する広帯域処理部61と、RF信号からミキサ26で抽出した希望波信号の帯域幅を制限した後にAD変換して信号処理する狭帯域処理部62とを設ける。広帯域処理部61は広帯域スペクトラムデータD2を生成し、狭帯域処理部62はベースバンド信号D5と希望波を含む狭帯域スペクトラムデータD4を生成する。ベースバンド信号D5により音声再生すると共に、双方のスペクトラムデータD2,D4が合成されてスペクトラムスコープが表示される。妨害電波の受信があっても、良好なS/N比での音声再生ができ、希望波付近のD/U比の悪化を回避できる。
【選択図】図1

Description

本発明は無線受信装置に係り、特に、受信したRF信号をそのままAD変換してFPGA(Field-Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processor)で構成される信号処理部で所要処理を行う無線受信装置におけるADコンバータのオーバーフロー対策に関する。
近年、デジタル信号処理技術の進歩によってアナログ信号処理が中心であった無線システムは大きく様変わりし、アマチュア無線機などでは、その主要部がソフトウェア無線(SDR:Software Defined Radio)の技術によって構成されているのが当然のことのようになっている。
このSDRは、もともと広帯域を使用するデータ通信向けに開発されたものであり、電子回路(ハードウェア)に変更を加えることなく、制御ソフトウェアを変更することによって、無線通信方式を切り替えることが可能な無線通信技術である。
具体的には、広い周波数範囲で多くの変調方式が適用できるように、汎用性の高いプログラマブルなハードウェアをソフトウェアで制御するものであり、入出力段を高速動作のAD/DAコンバータとし、信号処理部を大規模で高性能なFPGA(Field-Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processor)で構成して、デシメーション処理などをソフトウェアによって実行するようになっている。
そして、アマチュア無線機にSDRが適用される利点は、多数の変調方式をソフトウェアの変更で容易に実現できることだけでなく、狭帯域を使用した音声通信(例えば、SSB形式の音声通信は3kHz程度の帯域幅)を行いながら、同時に広帯域を受信して、その音声通信に係る周波数を含んだ広帯域(例えば、500kHz程度の帯域幅)の使用状況を把握できることにもある。
しかしながら、SDRの無線受信機の場合、受信信号の周波数を中間周波数に変換して目的帯域外の信号を減衰させるような処理を行うことなく、受信した広帯域のRF信号をADコンバータへ直接入力するダイレクトサンプリング方式を採用しているため、RF信号内に強い妨害信号が含まれているとADコンバータでオーバーフローが発生し易く、混変調ひずみやスプリアス応答などの不具合が発生して受信音声が聴き取り難くなる。
この問題点について、下記特許文献1においては、デジタル信号処理部をDSPやFPGAで構成したダイレクトサンプリング方式の無線受信装置において、ADコンバータの前段にRF信号のレベル調整を行う可変アッテネータを、デジタル信号処理部にはADコンバータから入力されるデジタル信号に対してレベル調整を行うAGC(Automatic Gain Control)手段を設けると共に、システム制御部を介して前記可変アッテネータ又は前記AGC手段を制御することで前記RF信号または前記デジタル信号のレベル調整を行う操作手段を設けておき、操作手段が操作された時点で、ADコンバータの状態フラグが飽和状態を示している場合には可変アッテネータの制御を優先し、非飽和状態を示している場合にはAGC手段の制御を優先するようにした構成が提案されている。
なお、ADコンバータが状態フラグを出力しないものである場合には、デジタル信号処理部におけるADコンバータからのデジタル信号の入力段にレベル検知手段を設けておき、そのレベル検地手段が前記状態フラグと同等のフラグをシステム制御部へ出力させるようにした構成も提案されている。
また、下記特許文献2の無線受信装置では、前記のようにADコンバータの状態フラグやデジタル信号処理部のレベル検知手段によらず、デジタル信号処理部においてBPF(Band Pass Filter)手段から出力されたデジタル信号に飽和フラグが含まれているか否かを検出する飽和検出手段を設け、システム制御部が飽和検出手段の検出結果に応じて可変アッテネータの制御を行う構成が提案されている。
特開2017−184164号公報 特開2017−184171号公報
上記のように、ダイレクトサンプリング方式の無線受信装置ではADコンバータでのオーバーフローが発生しやすく、それによって受信音声に歪みが生じているような場合にはデジタル信号処理部のAGCで増幅率を調整しても有効ではないため、前記特許文献1及び2の発明においては、ADコンバータの前段に配置した可変アッテネータで受信帯域全体のRF信号を減衰させることにより、ADコンバータがオーバーフロー状態になることを防止している。
なお、前記特許文献1及び2の発明では、可変アッテネータの制御とデジタル信号処理部のAGC手段の制御のいずれを優先させるかを、ADコンバータの状態フラグなどから判断している。
しかしながら、前記のように受信帯域全体のRF信号が減衰せしめられると、希望波信号の電力が小さい場合には、希望波の音声に係る聴覚上のS/N比が著しく低下する。
また、RF信号に強い妨害信号が含まれていることでADコンバータがオーバーフローになっているような場合には、その強信号の周波数を中心として隣接する一定範囲の帯域に電力が分散していることが多く、希望波信号の電力が小さいとその影響をより大きく受けてD/U(Desired Signal/Undesired Signal)比が悪化するが、これは受信帯域全体のRF信号を減衰させることで解消できる訳ではない。
そして、無線受信装置においては、受信周波数を希望波の運用周波数に合わせる場合は出力音声を聴きながらダイアル操作を行い、また、多数の希望波から一つの希望波を選択する場合にはスペクトルスコープの波形を参照しながらダイアル操作やタッチ操作などを行うが、前記のように強信号による聴覚上のS/N比の低下や視覚上のD/U比の悪化があると、それらの設定・選択操作が困難になる。
そこで、本願発明は、ダイレクトサンプリング方式の無線受信装置において、広帯域のRF信号中にADコンバータがオーバーフロー状態になるような強い妨害電波の信号が含まれていても、出力音声への影響を回避させることができ、また、前記妨害電波の信号の影響を排して受信希望波の周辺帯域の電波状況をスペクトルスコープから明確に観測できるようにすることを目的として創作された。
本発明は、高周波増幅器から出力される広帯域受信信号をデジタル信号に変換する第1のADコンバータと、前記第1のADコンバータが変換したデジタル信号に対して直交復調処理を施して直交2相信号を生成し、その直交2相信号について周波数解析処理を行うことにより前記広帯域受信信号の周波数スペクトラムデータ(以下、「第1のスペクトラムデータ」という)を生成する第1の信号処理部と、前記広帯域受信信号と周波数可変の局発信号とを混合して中間周波数の希望波信号を生成するミキサと、前記ミキサが生成した中間周波数の希望波信号の帯域幅を選択的に制限することが可能な帯域制限フィルタと、前記帯域制限フィルタが帯域幅を制限した中間周波数の希望波信号をデジタル信号に変換する第2のADコンバータと、前記第2のADコンバータが変換したデジタル信号に対して直交復調処理を施して直交2相信号を生成し、その直交2相信号について周波数解析処理を行うことにより前記帯域幅制限後の希望波信号の周波数スペクトラムデータ(以下、「第2のスペクトラムデータ」という)を生成し、またその直交2相信号にデシメーション処理と直交変調処理を施すことによりベースバンド信号を生成する第2の信号処理部と、前記第1のスペクトラムデータと前記第2のスペクトラムデータを合成するデータ合成部とを備え、前記第2の信号処理部が生成したベースバンド信号に復調処理を施して音声信号とし、表示制御部が前記データ合成部で合成された周波数スペクトラムデータに基づいて表示部にスペクトラムスコープを表示させることを特徴とする無線受信装置に係る。
本発明では、第1のADコンバータと第1の信号処理部で広帯域信号を扱い、ミキサと帯域制限フィルタと第2のADコンバータと第2の信号処理部で狭帯域信号を扱うようになっている。
第2の信号処理部が出力させる希望波信号は音声信号へ復調されて再生出力されることになるが、ミキサで抽出した中間周波数の希望波信号を帯域制限フィルタで狭帯域の希望波信号に制限して第2のADコンバータに入力させているため、広帯域受信信号に強い妨害電波が含まれていても、それが希望波信号の占有周波数帯域又はその近傍帯域にない限り、第2のADコンバータにオーバーフロー状態が生じることはなく、良好なS/N比での受信音声の再生が可能になる。
一方、スペクトラムスコープの表示データについては、第1の信号処理部が出力する第1のスペクトラムデータと第2の信号処理部が出力する第2のスペクトラムデータを合成して構成しており、広帯域の電波の使用状態を確認できると共に、帯域制限フィルタを通過する希望波信号付近の帯域については、前記と同様に強い妨害電波の影響を排して、電波の使用状態を高い精度で観測することができる。
本発明における前記データ合成部は、前記第1のスペクトラムデータにおける前記希望波の中心周波数を中心とする前記帯域制限フィルタによる制限帯域幅に相当する周波数帯域の部分を、周波数方向に関する表示データ密度が前記第1のスペクトラムデータと同一になるように、前記第2のスペクトラムデータを周波数方向に縮小調整したスペクトラムデータで置換して合成データを生成する第1の合成モードと、前記第1のスペクトラムデータにおける、前記第2のスペクトラムデータを前記希望波の中心周波数を中心としてスペクトラムスコープ上にそのままの表示データ密度で表示した場合の表示幅に相当する周波数帯域の部分を、前記第2のスペクトラムデータで置換して合成データを生成する第2の合成モードを選択的に実行するものであることが望ましい。
データ合成部はスペクトラムスコープの表示データを生成するが、第1の合成モードでは広帯域の電波状況を表示させるための表示データを、第2の合成モードでは希望波の周波数に近い帯域を周波数方向に拡大して詳細に見せるための表示データを生成する。
その場合、第2のスペクトラムデータはアナログ受信信号の段階で狭帯域に制限された信号をAD変換して処理されているため、第1の合成モードによる場合は帯域制限フィルタで選択された帯域幅にもよるが、第2の合成モードでは常にスペクトラムスコープで希望波の周波数に近い帯域が良好なD/U比で観測できる。
また、本発明において、前記表示部にスペクトラムスコープを表示させる場合に、前記第2のスペクトラムデータの周波数帯域に係る表示領域の背景色を他の表示領域と異ならせることは、受信中の希望波がスペクトラムスコープの何れの帯域にあるかを確認させる上で望ましい。
本発明の無線受信装置では、高周波増幅器から得られる広帯域受信信号を直接AD変換して信号処理することにより広帯域の周波数スペクトラムデータを生成する一方、ミキサと帯域制限フィルタにより前記広帯域受信信号から希望波信号を含む狭帯域受信信号を生成し、それを別途AD変換して信号処理することにより、ベースバンド信号を復調すると共に、希望波信号を含む帯域の精細な周波数スペクトラムデータを生成させており、広帯域受信信号中に含まれている強い妨害電波の信号によってADコンバータのオーバーフロー状態が生じても、狭帯域受信信号を処理して得られている希望波信号や希望波の周波数スペクトラムデータに混変調ひずみやスプリアス応答等の影響が生じることを防止できる。
また、データ合成部では、第1の合成モードと第2の合成モードで広帯域側の周波数スペクトラムデータと狭帯域側の周波数スペクトラムデータの合成の仕方を切換えており、第1の合成モードでは主に広帯域を確認するためのスペクトラムスコープの表示データを、第2の合成モードでは狭帯域を詳細に確認するためのスペクトラムスコープの表示データを生成するが、第2の合成モードにおいては希望波付近の帯域の電波状況について常に高い精度での観測が可能である。
これは、従来技術のダイレクトサンプリング方式の無線受信機において、ADコンバータのオーバーフロー状態が生じた際にアッテネータでADコンバータへの入力信号を減衰させているため、スペクトラムスコープ上でのD/U比が全体的に低下して微弱な受信信号を見落とし易くなるのと対照的である。
本発明の実施形態に係る無線受信装置のブロック図である。 (A)は希望波の中心周波数が7.250MHzであり、帯域制限フィルタによる制限帯域幅が4kHzである場合の広帯域確認モードにおけるスペクトラムスコープでの表示態様を示す図であり、(B)はその場合に狭帯域処理部側から得られている狭帯域のスペクトラムデータによる周波数スペクトルを示す図である。 図2の広帯域確認モードから狭帯域確認モードへ切換えた場合におけるスペクトラムスコープでの表示態様を示す図である。 図3の狭帯域確認モードにおいて、強力な妨害電波の受信があった場合におけるスペクトラムスコープでの表示態様を示す図である。 (A)は希望波の中心周波数が7.150MHzであり、帯域制限フィルタによる制限帯域幅が100kHzである場合の広帯域確認モードにおけるスペクトラムスコープでの表示態様を示す図であり、(B)はその場合に狭帯域処理部側から得られている狭帯域のスペクトラムデータによる周波数スペクトルを示す図である。 図5の広帯域確認モードから狭帯域確認モードへ切換えた場合におけるスペクトラムスコープでの表示態様を示す図である。 図6の狭帯域確認モードで信号強度拡大モードを設定した場合におけるスペクトラムスコープでの表示態様を示す図である。
以下、本発明の実施形態の無線受信装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1はSDR無線受信装置のブロック図であり、1a,1bはアンテナ、2はアンテナセレクタ、3はRFユニット、4はSDRモジュール、5aは音声信号復調用のDSP、5bは低周波アンプ、5cはスピーカ、6は表示制御用のMCU(Micro Controller Unit)、7はタッチパネル式の液晶表示器、8はシステム制御用のCPU、9は操作部(ダイアル、スイッチ類等)を示し、液晶表示器7と操作部9で前面パネル10を構成している。
ここで、RFユニット3はアンテナ信号に対するアナログ処理部である。
まず、アンテナ1a,1bで受信してアンテナセレクタ2を介して入力されるアンテナ信号は、過度な電力入力を防止するアッテネータ21と広帯域BPF22と高周波アンプ23で調整された広帯域受信信号S1として、可変アッテネータ24とアンプ25を経てSDRモジュール4へ出力されている。
一方、前記経路とは別に、前記高周波アンプ23から出力される広帯域受信信号S1はミキサ26へも入力されており、ミキサ26では広帯域受信信号S1と周波数可変の局発信号LOとを混合して中間周波数の希望波信号S2を生成し、その希望波信号S2はアンプ27で増幅された後、帯域制限フィルタ28において希望波信号S2の中心周波数を中心として帯域幅が制限され、その制限後の希望波信号S3がアンプ29と可変アッテネータ29を経てSDRモジュール4へ出力されている。
ここで、帯域制限フィルタ28の帯域幅は希望波の運用モードに対応させて操作部9からCPU8を介して設定できるようになっている。
具体的には、CW(Continuous Wave)モードの場合の占有帯域幅は約500Hz、SSB(Single Side Band)モードの場合の占有帯域幅は約3kHz、AM(Amplitude Modulation)モードの場合の占有帯域幅は約6kHz、FM(Frequency Modulation)モードの場合の占有帯域幅は約20kHzであるが、それぞれのモードについて広めの帯域幅をとって600Hz/4kHz/12kHz/50kHzを選択的に設定できるようになっている。また、希望波信号を中心として更に広い帯域幅まで拡げられるように、100kHzの帯域幅も設けられている。
なお、局発信号LOについては、操作部9でのダイアル操作等によってCPU8が発振器31の発振周波数を設定し、発振器31が出力するその発振信号をDAコンバータ32でアナログ信号へ変換してバラン(balun:平衡-不平衡変換器)33からフィルタ34を介してRFユニット3側へ出力し、RFユニット3側ではフィルタ35,37とアンプ36を介してミキサ26へ入力するようになっている。
次に、RFユニット3から可変アッテネータ24とアンプ25を経てSDRモジュール4へ出力された広帯域受信信号S1は、バラン41を経てADコンバータ42でデジタル信号D1に変換されてFPGA4aに入力されるが、FPGA4aではその信号D1を直交ミキサで構成された直交復調部43でI/Q信号に変換し、そのI/Q信号を周波数解析処理部44へ入力させてDFT(Discrete Fourier transform:離散フーリエ変換)又はFFT(Fast Fourier transform:高速フーリエ変換)により周波数スペクトラムデータD2を得るようになっている。
一方、RFユニット3で選択生成され帯域制限が施された希望波信号S3は、アンプ29と可変アッテネータ30を経てSDRモジュール4へ出力されているが、前記と同様に、バラン45を経てADコンバータ46でデジタル信号D3に変換されてFPGA4aに入力されるが、FPGA4aではその信号D3を直交ミキサで構成された直交復調部47でI/Q信号に変換し、そのI/Q信号を周波数解析処理部48へ入力させてDFT又はFFTにより周波数スペクトラムデータD4を得るようになっている。
また、希望波信号S3を直交復調したI/Q信号については、別途にデシメーションフィルタ49でサンプリング周波数を減じた後、直交ミキサで構成された直交変調部50で希望波のベースバンドデジタル信号D5へ変換される。
そして、希望波のベースバンドデジタル信号D5はSDRモジュール4からDSP5aへ出力されており、DSP5aで復調された音声信号が低周波アンプ5bで増幅されてスピーカ5cから音声再生される。
この実施形態の無線受信装置の場合、図1において点線と一点鎖線で囲んで示されているとおり、広帯域処理部61と狭帯域処理部62をRFユニット3とSDRモジュール4に亘って独立に設けており、希望波の音声信号については狭帯域処理部62側で運用モードに応じて帯域制限を施して抽出するようになっているため、仮に広帯域受信信号S1に強力な妨害信号が存在しても、その影響は排除されてSDRモジュール4のADコンバータ46がオーバーフロー状態になることを防止でき、常にS/N比が高く歪みの少ない音声再生が実現できる
また、この実施形態の無線受信装置では、液晶表示部7にスペクトラムスコープを表示させるようになっている。
その周波数スペクトラムの表示データは、広帯域処理部61側の周波数解析処理部44が生成する周波数スペクトラムデータD2と狭帯域処理部62側の周波数解析処理部48が生成する周波数スペクトラムデータD4をデータ合成部70で合成して作成され、その合成データに基づいてMPU6が液晶表示器7にスペクトラムスコープを表示させる
データ合成部70は、操作部9からの選択操作に基づいて、次の2つの合成モードを実行する。
(1) 広帯域確認モード
周波数解析処理部44から得られるスペクトラムデータD2における希望波の中心周波数を中心として帯域制限フィルタ28に設定した周波数帯域幅に相当する周波数帯域の部分を、周波数方向に関する表示データ密度がスペクトラムデータD2と同一になるように、周波数解析処理部48から得られるスペクトラムデータD4を周波数方向に縮小調整したスペクトラムデータで置換した合成データD6を生成させる。
(2) 狭帯域確認モード
周波数解析処理部44から得られるスペクトラムデータD2における、周波数解析処理部48から得られるスペクトラムデータD4を希望波の中心周波数を中心としてスペクトラムスコープ上にそのままの表示データ密度で表示した場合の表示幅に相当する周波数帯域の部分を、前記スペクトラムデータD4に置換した合成データD7を生成させる。
そして、これら各モードでの表示データの合成制御については、操作部9からの前記各確認モード(1)又は(2)の選択入力に基づいて、CPU8が直交復調部43,47と周波数解析処理部44,48とタイミング制御部71へ周波数設定信号C1とスパン設定信号C2を出力すると共に、それらの設定信号C1, C2に基づいて、タイミング制御部71がデータ合成部70による内部メモリに対する各スペクトラムデータD2,D4の書き込みを制御することにより実行され、データ合成部70から前記各確認モード(1),(2)に対応した周波数スペクトラムの合成データD6,D7がMCU6へ出力される。
具体的なスペクトラムスコープの表示例として、図2(A)は、受信したSSBの希望波の中心周波数が7.250MHzであり、帯域制限フィルタ28が4kHzの帯域幅に設定されている場合における、広帯域確認モードでのスペクトラムスコープの表示態様を示している。
スペクトラムスコープには、6.950〜7.550MHzの帯域の大部分に周波数解析処理部44から得られている広帯域のスペクトラムデータD2のスペクトラムが表示されているが、希望波付近の7.250MHzを中心とする4kHzの帯域には、周波数解析処理部48から得られる狭帯域のスペクトラムデータD4[図2(B)]を周波数方向について均等間引きした態様での1/50の縮小データとして表示されている。
この場合、広帯域での概要的な電波状況を観測することはできるが、希望波付近はスペクトラムスコープの全幅に対して極めて小さい幅での表示となるため、希望波付近のスペクトラムを視覚的に確認することはできない。
一方、前記の希望波の中心周波数と帯域制限フィルタ28の帯域幅の条件で操作部9から狭帯域確認モードが設定されると、スペクトラムスコープは、図3に示すように、図2(A)の7.250MHzを中心に図2(B)の画像をそのまま組み込んだ表示態様になり、図2(A)における7.248〜7.252MHzの帯域のスペクトラム画像が周波数方向へ50倍拡大されて表示される。
したがって、狭帯域確認モードでのスペクトラムスコープの表示態様では、周波数目盛上での連続性はなくなるが、狭帯域のスペクトラムデータD4に基づく7.248〜7.252MHzの精細な電波状況を観測することが可能になり、受信中の希望波付近に注目すべき呼出局等があるかどうかを容易に見出すことができ、特にその呼出局の電波信号が弱い場合などには有効であるといえる。
なお、広帯域確認モードと狭帯域確認モードのいずれにおいても、狭帯域のスペクトラムデータD4による表示領域の背景色は他の領域(例えば灰色)と異なる色彩(例えば緑色)に設定されており、色彩の相違によって希望波を含む狭帯域のスペクトラム領域であることが容易に分かるようになっている。
この背景色の付与は表示制御用のMCU6で実行される。
次に、図4は、狭帯域確認モード(図3の状態)で強力な妨害電波の受信があった場合におけるスペクトラムスコープを示す。
図4において、80で示すような周波数スペクトラムの発生は、広帯域処理部61側のADコンバータ42にオーバーフローを生じさせるような強力な妨害電波が受信されていることを表しており、その影響は当然に広帯域のスペクトラムデータD2に現れているため、そのスペクトラムデータD2による表示部分は不正確なものとなる。
一方、希望波を含む7.248〜7.252MHzの帯域のスペクトラムデータD4については、狭帯域処理部62におけるRFユニット3の段階で帯域制限フィルタ28が4kHzの狭い帯域幅に制限した信号を処理したものであり、妨害電波の影響を受けていない正確なスペクトラム分布を表示させることができる。
この具体例では受信希望波の運用モードがSSBの場合について説明したが、他の運用モードCW/AM/FMの場合においても、狭帯域処理部62側のスペクトラムデータD4の帯域幅が異なるだけで、基本的には同様の切換え表示態様となる。
さらに、図5(A)は受信した希望波の中心周波数が7.150MHzであり、帯域制限フィルタ28が希望波の運用モードとは関係なく広めに設定できる100kHzの帯域幅に設定されている場合における、広帯域確認モードでのスペクトラムスコープの表示態様を示す図であり、図5(B)はその場合に狭帯域処理部62側から得られているスペクトラムデータD4による周波数スペクトルを示す図である。
すなわち、帯域制限フィルタ28が100kHzの帯域幅に設定されて広くなっているために、希望波を含む狭帯域のスペクトラムデータは図5(A)でも比較的広くなっている。
しかし、希望波を中心とした100kHzの帯域幅の中をさらに精細に観測したい場合もあり、その場合には、図2及び図3の場合と同様に操作部9から狭帯域確認モードを設定し、図5(A)における7.100〜7.200MHzの帯域のスペクトラム画像が周波数方向へ2倍拡大して、図6に示すようなスペクトラムスコープとして表示させる。
その拡大した部分のスペクトラム画像は、前記のように狭帯域処理部62側から得られているスペクトラムデータD4によるものであるため、拡大しても高精細なスペクトラム画像であり、比較的広い100kHzの帯域幅の中に含まれている希望波以外の微弱な受信信号を検出し易くなる。
また、図7に示すように、前記の周波数方向へ2倍拡大した部分のスペクトラムを電力方向へ2倍又はそれ以上の倍数で拡大するモードを設けておけば、微弱な受信信号の視覚的検出がさらに容易になることもある。
なお、図2のブロック図では、広帯域処理部61と狭帯域処理部62におけるRFユニット3に属する部分ではそれぞれ可変アッテネータ24,30がAGC信号によって制御でき、先行技術文献と同様にADコンバータ42,46のオーバーフロー状態が防止できるようにもなっているが、本実施形態の場合にあっては、通常状態では可変アッテネータ24,30の減衰量を0に設定しておき、希望波の帯域内又はその近傍に強力な妨害電波があってADコンバータ46がオーバーフローするような場合に限って可変アッテネータ24,30の減衰量を上げるようにすればよい。
通常状態で可変アッテネータ24,30をAGC信号で制御することは、本実施形態の無線受信装置にあっては微弱信号の検出を無駄に難しくすることになる。
本発明はアマチュア無線の受信装置等に適用することができる。
1a,1b…アンテナ、2…アンテナセレクタ、3…RFユニット、4…SDRモジュール、5a…DSP、5b…低周波アンプ、5c…スピーカ、6…MCU、7…液晶表示器、8…CPU、9…操作部、10…前面パネル、21…アッテネータ、22…広帯域BPF、23…高周波アンプ、24…可変アッテネータ、25…アンプ、26…ミキサ、27…アンプ、28…帯域制限フィルタ、29…アンプ、30…可変アッテネータ、31…変調器、32…DAコンバータ、33…バラン(平衡-不平衡変換器)、34…フィルタ、35…フィルタ、36…アンプ、37…フィルタ、41…バラン、42…ADコンバータ、43…直交復調器、44…周波数解析処理部、45…バラン、46…ADコンバータ、47…直交復調器、48…周波数解析処理部、49…デシメーションフィルタ、50…直交変調器、61…広帯域処理部、62…狭帯域処理部、70…データ合成部、71…タイミング制御部。

Claims (4)

  1. 高周波増幅器から出力される広帯域受信信号をデジタル信号に変換する第1のADコンバータと、
    前記第1のADコンバータが変換したデジタル信号に対して直交復調処理を施して直交2相信号を生成し、その直交2相信号について周波数解析処理を行うことにより前記広帯域受信信号の周波数スペクトラムデータ(以下、「第1のスペクトラムデータ」という)を生成する第1の信号処理部と、
    前記広帯域受信信号と周波数可変の局発信号とを混合して中間周波数の希望波信号を生成するミキサと、
    前記ミキサが生成した中間周波数の希望波信号の帯域幅を選択的に制限することが可能な帯域制限フィルタと、
    前記帯域制限フィルタが帯域幅を制限した中間周波数の希望波信号をデジタル信号に変換する第2のADコンバータと、
    前記第2のADコンバータが変換したデジタル信号に対して直交復調処理を施して直交2相信号を生成し、その直交2相信号について周波数解析処理を行うことにより前記帯域幅制限後の希望波信号の周波数スペクトラムデータ(以下、「第2のスペクトラムデータ」という)を生成し、またその直交2相信号にデシメーション処理と直交変調処理を施すことによりベースバンド信号を生成する第2の信号処理部と、
    前記第1のスペクトラムデータと前記第2のスペクトラムデータを合成するデータ合成部とを備え、
    前記第2の信号処理部が生成したベースバンド信号に復調処理を施して音声信号とし、表示制御部が前記データ合成部で合成された周波数スペクトラムデータに基づいて表示部にスペクトラムスコープを表示させることを特徴とする無線受信装置。
  2. 前記データ合成部が、前記第1のスペクトラムデータにおける前記希望波の中心周波数を中心とする前記帯域制限フィルタによる制限帯域幅に相当する周波数帯域の部分を、周波数方向に関する表示データ密度が前記第1のスペクトラムデータと同一になるように、前記第2のスペクトラムデータを周波数方向に縮小調整したスペクトラムデータで置換して合成データを生成する第1の合成モードと、前記第1のスペクトラムデータにおける、前記第2のスペクトラムデータを前記希望波の中心周波数を中心としてスペクトラムスコープ上にそのままの表示データ密度で表示した場合の表示幅に相当する周波数帯域の部分を、前記第2のスペクトラムデータで置換して合成データを生成する第2の合成モードを選択的に実行することとした請求項1に記載の無線受信装置。
  3. 前記表示制御部が前記表示部にスペクトラムスコープを表示させる場合に、前記第2のスペクトラムデータの周波数帯域に係る表示領域の背景色を他の表示領域と異ならせることとした請求項2に記載の無線受信装置。
  4. 前記第1の信号処理部、前記第2の信号処理部及びデータ合成部をFPGA(Field Programmable Gate Array)で構成した請求項1、請求項2又は請求項3に記載の無線受信装置。
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