JP6541286B1 - 無線受信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】RF信号をそのままAD変換して信号処理する広帯域処理部61と、RF信号からミキサ26で抽出した希望波信号の帯域幅を制限した後にAD変換して信号処理する狭帯域処理部62とを設ける。広帯域処理部61は広帯域スペクトラムデータD2を生成し、狭帯域処理部62はベースバンド信号D5と希望波を含む狭帯域スペクトラムデータD4を生成する。ベースバンド信号D5により音声再生すると共に、双方のスペクトラムデータD2,D4が合成されてスペクトラムスコープが表示される。妨害電波の受信があっても、良好なS/N比での音声再生ができ、希望波付近のD/U比の悪化を回避できる。
【選択図】図1
Description
具体的には、広い周波数範囲で多くの変調方式が適用できるように、汎用性の高いプログラマブルなハードウェアをソフトウェアで制御するものであり、入出力段を高速動作のAD/DAコンバータとし、信号処理部を大規模で高性能なFPGA(Field-Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processor)で構成して、デシメーション処理などをソフトウェアによって実行するようになっている。
なお、ADコンバータが状態フラグを出力しないものである場合には、デジタル信号処理部におけるADコンバータからのデジタル信号の入力段にレベル検知手段を設けておき、そのレベル検地手段が前記状態フラグと同等のフラグをシステム制御部へ出力させるようにした構成も提案されている。
なお、前記特許文献1及び2の発明では、可変アッテネータの制御とデジタル信号処理部のAGC手段の制御のいずれを優先させるかを、ADコンバータの状態フラグなどから判断している。
また、RF信号に強い妨害信号が含まれていることでADコンバータがオーバーフローになっているような場合には、その強信号の周波数を中心として隣接する一定範囲の帯域に電力が分散していることが多く、希望波信号の電力が小さいとその影響をより大きく受けてD/U(Desired Signal/Undesired Signal)比が悪化するが、これは受信帯域全体のRF信号を減衰させることで解消できる訳ではない。
第2の信号処理部が出力させる希望波信号は音声信号へ復調されて再生出力されることになるが、ミキサで抽出した中間周波数の希望波信号を帯域制限フィルタで狭帯域の希望波信号に制限して第2のADコンバータに入力させているため、広帯域受信信号に強い妨害電波が含まれていても、それが希望波信号の占有周波数帯域又はその近傍帯域にない限り、第2のADコンバータにオーバーフロー状態が生じることはなく、良好なS/N比での受信音声の再生が可能になる。
一方、スペクトラムスコープの表示データについては、第1の信号処理部が出力する第1のスペクトラムデータと第2の信号処理部が出力する第2のスペクトラムデータを合成して構成しており、広帯域の電波の使用状態を確認できると共に、帯域制限フィルタを通過する希望波信号付近の帯域については、前記と同様に強い妨害電波の影響を排して、電波の使用状態を高い精度で観測することができる。
その場合、第2のスペクトラムデータはアナログ受信信号の段階で狭帯域に制限された信号をAD変換して処理されているため、第1の合成モードによる場合は帯域制限フィルタで選択された帯域幅にもよるが、第2の合成モードでは常にスペクトラムスコープで希望波の周波数に近い帯域が良好なD/U比で観測できる。
これは、従来技術のダイレクトサンプリング方式の無線受信機において、ADコンバータのオーバーフロー状態が生じた際にアッテネータでADコンバータへの入力信号を減衰させているため、スペクトラムスコープ上でのD/U比が全体的に低下して微弱な受信信号を見落とし易くなるのと対照的である。
図1はSDR無線受信装置のブロック図であり、1a,1bはアンテナ、2はアンテナセレクタ、3はRFユニット、4はSDRモジュール、5aは音声信号復調用のDSP、5bは低周波アンプ、5cはスピーカ、6は表示制御用のMCU(Micro Controller Unit)、7はタッチパネル式の液晶表示器、8はシステム制御用のCPU、9は操作部(ダイアル、スイッチ類等)を示し、液晶表示器7と操作部9で前面パネル10を構成している。
まず、アンテナ1a,1bで受信してアンテナセレクタ2を介して入力されるアンテナ信号は、過度な電力入力を防止するアッテネータ21と広帯域BPF22と高周波アンプ23で調整された広帯域受信信号S1として、可変アッテネータ24とアンプ25を経てSDRモジュール4へ出力されている。
具体的には、CW(Continuous Wave)モードの場合の占有帯域幅は約500Hz、SSB(Single Side Band)モードの場合の占有帯域幅は約3kHz、AM(Amplitude Modulation)モードの場合の占有帯域幅は約6kHz、FM(Frequency Modulation)モードの場合の占有帯域幅は約20kHzであるが、それぞれのモードについて広めの帯域幅をとって600Hz/4kHz/12kHz/50kHzを選択的に設定できるようになっている。また、希望波信号を中心として更に広い帯域幅まで拡げられるように、100kHzの帯域幅も設けられている。
また、希望波信号S3を直交復調したI/Q信号については、別途にデシメーションフィルタ49でサンプリング周波数を減じた後、直交ミキサで構成された直交変調部50で希望波のベースバンドデジタル信号D5へ変換される。
この実施形態の無線受信装置の場合、図1において点線と一点鎖線で囲んで示されているとおり、広帯域処理部61と狭帯域処理部62をRFユニット3とSDRモジュール4に亘って独立に設けており、希望波の音声信号については狭帯域処理部62側で運用モードに応じて帯域制限を施して抽出するようになっているため、仮に広帯域受信信号S1に強力な妨害信号が存在しても、その影響は排除されてSDRモジュール4のADコンバータ46がオーバーフロー状態になることを防止でき、常にS/N比が高く歪みの少ない音声再生が実現できる
その周波数スペクトラムの表示データは、広帯域処理部61側の周波数解析処理部44が生成する周波数スペクトラムデータD2と狭帯域処理部62側の周波数解析処理部48が生成する周波数スペクトラムデータD4をデータ合成部70で合成して作成され、その合成データに基づいてMPU6が液晶表示器7にスペクトラムスコープを表示させる
(1) 広帯域確認モード
周波数解析処理部44から得られるスペクトラムデータD2における希望波の中心周波数を中心として帯域制限フィルタ28に設定した周波数帯域幅に相当する周波数帯域の部分を、周波数方向に関する表示データ密度がスペクトラムデータD2と同一になるように、周波数解析処理部48から得られるスペクトラムデータD4を周波数方向に縮小調整したスペクトラムデータで置換した合成データD6を生成させる。
(2) 狭帯域確認モード
周波数解析処理部44から得られるスペクトラムデータD2における、周波数解析処理部48から得られるスペクトラムデータD4を希望波の中心周波数を中心としてスペクトラムスコープ上にそのままの表示データ密度で表示した場合の表示幅に相当する周波数帯域の部分を、前記スペクトラムデータD4に置換した合成データD7を生成させる。
スペクトラムスコープには、6.950〜7.550MHzの帯域の大部分に周波数解析処理部44から得られている広帯域のスペクトラムデータD2のスペクトラムが表示されているが、希望波付近の7.250MHzを中心とする4kHzの帯域には、周波数解析処理部48から得られる狭帯域のスペクトラムデータD4[図2(B)]を周波数方向について均等間引きした態様での1/50の縮小データとして表示されている。
この場合、広帯域での概要的な電波状況を観測することはできるが、希望波付近はスペクトラムスコープの全幅に対して極めて小さい幅での表示となるため、希望波付近のスペクトラムを視覚的に確認することはできない。
したがって、狭帯域確認モードでのスペクトラムスコープの表示態様では、周波数目盛上での連続性はなくなるが、狭帯域のスペクトラムデータD4に基づく7.248〜7.252MHzの精細な電波状況を観測することが可能になり、受信中の希望波付近に注目すべき呼出局等があるかどうかを容易に見出すことができ、特にその呼出局の電波信号が弱い場合などには有効であるといえる。
この背景色の付与は表示制御用のMCU6で実行される。
図4において、80で示すような周波数スペクトラムの発生は、広帯域処理部61側のADコンバータ42にオーバーフローを生じさせるような強力な妨害電波が受信されていることを表しており、その影響は当然に広帯域のスペクトラムデータD2に現れているため、そのスペクトラムデータD2による表示部分は不正確なものとなる。
一方、希望波を含む7.248〜7.252MHzの帯域のスペクトラムデータD4については、狭帯域処理部62におけるRFユニット3の段階で帯域制限フィルタ28が4kHzの狭い帯域幅に制限した信号を処理したものであり、妨害電波の影響を受けていない正確なスペクトラム分布を表示させることができる。
すなわち、帯域制限フィルタ28が100kHzの帯域幅に設定されて広くなっているために、希望波を含む狭帯域のスペクトラムデータは図5(A)でも比較的広くなっている。
その拡大した部分のスペクトラム画像は、前記のように狭帯域処理部62側から得られているスペクトラムデータD4によるものであるため、拡大しても高精細なスペクトラム画像であり、比較的広い100kHzの帯域幅の中に含まれている希望波以外の微弱な受信信号を検出し易くなる。
通常状態で可変アッテネータ24,30をAGC信号で制御することは、本実施形態の無線受信装置にあっては微弱信号の検出を無駄に難しくすることになる。
Claims (4)
- 高周波増幅器から出力される広帯域受信信号をデジタル信号に変換する第1のADコンバータと、
前記第1のADコンバータが変換したデジタル信号に対して直交復調処理を施して直交2相信号を生成し、その直交2相信号について周波数解析処理を行うことにより前記広帯域受信信号の周波数スペクトラムデータ(以下、「第1のスペクトラムデータ」という)を生成する第1の信号処理部と、
前記広帯域受信信号と周波数可変の局発信号とを混合して中間周波数の希望波信号を生成するミキサと、
前記ミキサが生成した中間周波数の希望波信号の帯域幅を選択的に制限することが可能な帯域制限フィルタと、
前記帯域制限フィルタが帯域幅を制限した中間周波数の希望波信号をデジタル信号に変換する第2のADコンバータと、
前記第2のADコンバータが変換したデジタル信号に対して直交復調処理を施して直交2相信号を生成し、その直交2相信号について周波数解析処理を行うことにより前記帯域幅制限後の希望波信号の周波数スペクトラムデータ(以下、「第2のスペクトラムデータ」という)を生成し、またその直交2相信号にデシメーション処理と直交変調処理を施すことによりベースバンド信号を生成する第2の信号処理部と、
前記第1のスペクトラムデータと前記第2のスペクトラムデータを合成するデータ合成部とを備え、
前記第2の信号処理部が生成したベースバンド信号に復調処理を施して音声信号とし、表示制御部が前記データ合成部で合成された周波数スペクトラムデータに基づいて表示部にスペクトラムスコープを表示させることを特徴とする無線受信装置。 - 前記データ合成部が、前記第1のスペクトラムデータにおける前記希望波の中心周波数を中心とする前記帯域制限フィルタによる制限帯域幅に相当する周波数帯域の部分を、周波数方向に関する表示データ密度が前記第1のスペクトラムデータと同一になるように、前記第2のスペクトラムデータを周波数方向に縮小調整したスペクトラムデータで置換して合成データを生成する第1の合成モードと、前記第1のスペクトラムデータにおける、前記第2のスペクトラムデータを前記希望波の中心周波数を中心としてスペクトラムスコープ上にそのままの表示データ密度で表示した場合の表示幅に相当する周波数帯域の部分を、前記第2のスペクトラムデータで置換して合成データを生成する第2の合成モードを選択的に実行することとした請求項1に記載の無線受信装置。
- 前記表示制御部が前記表示部にスペクトラムスコープを表示させる場合に、前記第2のスペクトラムデータの周波数帯域に係る表示領域の背景色を他の表示領域と異ならせることとした請求項2に記載の無線受信装置。
- 前記第1の信号処理部、前記第2の信号処理部及びデータ合成部をFPGA(Field Programmable Gate Array)で構成した請求項1、請求項2又は請求項3に記載の無線受信装置。
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