JP3672834B2 - 受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、外来電波を受信探知し、その周波数分析を行う受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は従来の受信装置を示すブロック図である。図において、1は受信装置であり、2はその空中線、3は指示器である。受信装置1内において、11はスーパーヘテロダイン同調器、12はIF信号、13は掃引検波増幅器、14は振幅信号であり、15はチャネライザ受信機、16は分析表示処理器である。また、スーパーヘテロダイン同調器11内において、21は周波数同調発振器、22はミキサ、23は周波数フィルタである。掃引検波増幅器13内において、31は周波数掃引発振器、32はミキサ、33は狭帯域周波数フィルタ、34は増幅器、35は検波器である。チャネライザ受信機15内において、41はSAW(Surface Acoustic Wave)帯域フィルタによるSAWフィルタバンクであり、42は検波器、43は周波数検出器である。
【0003】
次に動作について説明する。
図9に示すように構成された従来の受信装置は、外来電波を受信し、目標として探知、分析する。すなわち、外来の電波は空中線2にて受信され、スーパーヘテロダイン同調器11に入力される。スーパーヘテロダイン同調器11ではその受信した外来電波をミキサ22に送り、周波数同調発振器21の発振する同調信号と混合して同調させ、それを周波数フィルタ23でフィルタリングして、広帯域の周波数帯域幅のIF信号12として出力する。このスーパーヘテロダイン同調器11より出力されたIF信号12は、掃引検波増幅器13およひチャネライザ受信機15に入力される。
【0004】
掃引検波増幅器13では入力されたIF信号12をミキサ32に送り、周波数掃引発振器31の出力する掃引信号と混合することによって高速に周波数掃引同調し、それを狭帯域周波数フィルタ33でフィルタリングして出力する。この狭帯域周波数フィルタ33の出力信号を増幅器34で増幅した後、検波器35によって検波し、検波ビデオとして振幅信号14を分析表示処理器16に出力する。分析表示処理器16はこの入力された振幅信号14について、横軸を掃引した周波数、縦軸を信号振幅とする表示化の処理を行い、指示器3に周波数スペクトラム分析表示させる。
【0005】
スーパーヘテロダイン同調器11より出力されたIF信号12は、周波数値の検出のためチャネライザ受信機15にも入力される。チャネライザ受信機15では入力されたIF信号12をSAWフィルタバンク41に入力する。SAWフィルタバンク41はチャネル数に等しい数のSAW帯域フィルタを備えており、入力されたIF信号12を周波数チャンネル分の信号に分配し、各周波数チャネル毎の検波器42に入力してそれぞれ検波する。各検波器42によって検波された振幅信号は周波数検出器43に入力され、探知された信号の周波数が検出される。検出された周波数は分析表示処理器16に送られて表示化の処理が行われ、指示器3に表示される。
【0006】
なお、このような従来の受信装置に関する記載がある文献としては、例えば特開平1−197683号公報、特開平2−64484号公報、実開昭56−8333号公報などがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の受信装置は以上のように構成されているので、広帯域の周波数帯域を受信する場合、スーパーヘテロダイン同調器11の出力するIF信号12の周波数帯域幅(周波数フィルタ23の帯域幅)が、掃引検波増幅器13における狭帯域による周波数掃引の幅の限界である。また、パルス繰り返し周期(PRI)が長い電波を対象とする場合、広帯域での掃引では掃引時間が長くなり、受信検出頻度が下がって、探知分析できない場合がある。また、チャネライザ受信機系で広帯域の周波数帯域を瞬時に受信検出して周波数を求めることができるがこの系では、十分な受信感度が得られないなどの課題があった。
【0008】
この発明は上記のような課題を解消するためになされたもので、外来電波を広帯域の周波数にわたり、高感度で受信して目標を探知し、その周波数スペクトラムを分析表示できる受信装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る受信装置は、各周波数検出器からの周波数データを制御器に入力して、目標として探知された各信号それぞれの周波数を中心とした狭帯域の周波数掃引を、その周波数データに基づいて制御するようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
参考例1.
図1はこの発明の参考例1による受信装置を示すブロック図である。図において、1は外来電波を受信し、目標として探知し、分析するこの参考例1による受信装置である。2は受信装置1に接続されて、外来電波を受信する空中線であり、3は受信装置1に接続されて、受信装置1による分析結果を表示する指示器である。
【0014】
受信装置1内において、11−1,11−2,…,11−nはそれぞれ、入力された外来信号の同調をとって所定の中間周波数に変換するn個のスーパーヘテロダイン同調器であり、12は各スーパーヘテロダイン同調器11より出力されるIF信号である。13−1,13−2,…,13−nは各スーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−nに対応して用意され、各スーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−nが出力するIF信号12を狭帯域で高速に周波数掃引するn個の掃引検波増幅器であり、14は各掃引検波増幅器13−1〜13−nより出力される振幅信号である。16は各掃引検波増幅器13−1〜13−nから出力された振幅信号14を分析し、表示化の処理を施して、指示器3にこの受信装置1の出力を表示する分析表示処理器である。17はn系統の受信系(n個のスーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−n、およびn個の掃引検波増幅器13−1〜13−n)を統合して一括制御する制御器である。
【0015】
また、スーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−n内において、21は周波数同調を行うための同調信号を発振する周波数同調発振器であり、22は空中線2で受信された外来電波をこの周波数同調発振器21からの同調信号と混合するミキサである。23はこのミキサ22の出力に広帯域のフィルタリングを施して、IF信号12に変換し、それを対応する掃引検波増幅器13−1〜13−nに出力する周波数フィルタである。
【0016】
掃引検波増幅器13−1〜13−n内において、31は周波数掃引同調を行うための掃引信号を発振する周波数掃引発振器であり、32は対応するスーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−nより出力されたIF信号12を、この周波数掃引発振器31からの掃引信号と混合するミキサである。33はこのミキサ32の出力に狭帯域のフィルタリングを施す狭帯域周波数フィルタであり、34はこの狭帯域周波数フィルタ33の出力信号を増幅する増幅器である。35はこの増幅器34で増幅された信号の検波を行い、それを振幅信号14として分析表示処理器16に出力する検波器である。
【0017】
次に動作について説明する。
ここで、図2はこの参考例1の受信装置1に接続された指示器3に表示される周波数分析表示例を示す説明図である。この図2において、横軸は周波数であり、縦軸はレベルである。以下、この図2、および上記図1を参照しながら参考例1による受信装置1の動作を説明する。
【0018】
空中線2にて受信された外来の電波は受信装置1に送られ、スーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−nのそれぞれに入力される。ここで、受信分析したい周波数帯域f1 〜fn+1 を、n系統の受信系で分担して受信するために、それらn系統の受信系の各スーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−n、および掃引検波増幅器13−1〜13−nには、それぞれ分担する周波数帯域の中心周波数fc1〜fcnが制御器17より指示されている。すなわち、f1 〜f2 までの周波数帯域を分担する#1のスーパーヘテロダイン同調器11−1と掃引検波増幅器13−1には中心周波数fc1が、f2 〜f3 までの周波数帯域を分担する#2のスーパーヘテロダイン同調器11−2と掃引検波増幅器13−2には中心周波数fc2が、…、fn 〜fn+1 までの周波数帯域を分担する#nのスーパーヘテロダイン同調器11−nと掃引検波増幅器13−nには中心周波数fcnがそれぞれ指示されている。
【0019】
各受信系のスーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−nでは、空中線2によって受信された外来電波をミキサ22に送るとともに、上記制御器17からの制御信号によって指示された中心周波数fc1〜fcnに基づいて周波数同調発振器21が発振した同調信号をミキサ22に送る。ミキサ22はこれらの外来電波と同調信号とを混合して同調させ、このミキサ22の出力を周波数フィルタ23に送る。周波数フィルタ23はこのミキサ22の出力のフィルタリングを行い、広帯域の周波数帯域幅のIF信号12として対応する掃引検波増幅器13−1〜13−nに出力する。
【0020】
各受信系の掃引検波増幅器13−1〜13−nでは、対応するスーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−nから入力されたIF信号をミキサ32に送るとともに、上記制御器17からの制御信号によって指示された、各掃引検波増幅器13−1〜13−nが分担する周波数帯域(#nの掃引検波増幅器13−nであればfn 〜fn+1 )に基づいて周波数掃引発振器31が発振した掃引信号をミキサ32に送る。ミキサ32はこれらIF信号12と周波数掃引発振器31からの掃引信号との混合を行う。これによって、IF信号12はその分担する周波数帯域(fn 〜fn+1 )内で高速に周波数掃引同調され、狭帯域周波数フィルタ33でフィルタリングされて出力される。
【0021】
掃引検波増幅器13−1〜13−nではそれぞれ、この狭帯域周波数フィルタ33より出力された同期信号を増幅器34で増幅した後、検波器35によって検波し、振幅信号14として分析表示処理器16に出力する。分析表示処理器16は各掃引検波増幅器13−1〜13−nより振幅信号14が入力されると、それぞれの受信系(スーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−n、および掃引検波増幅器13−1〜13−n)の掃引した周波数を横軸、それに対して受信検波した振幅信号14のレベルを縦軸とする表示のための表示化の処理を行う。それにより、指示器3には図2に示す周波数スペクトラム分析表示がなされる。すなわち、#1の受信系ではf1 〜f2 の周波数帯域、#2の受信系ではf2 〜f3 の周波数帯域、…、#nの受信系ではfn 〜fn+1 の周波数帯域についての分析結果の表示が行われる。
【0022】
以上のように、この参考例1によれば、制御器17を備えて、n個のスーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−nと掃引検波増幅器13−1〜13−nとを統合化して一括制御し、n系統の受信系で、それぞれが分担する各周波数帯域f1 〜f2 、f2 〜f3 、…、fn 〜fn+1を連続的に受信し、周波数掃引するようにしているので、広帯域の周波数範囲(f1 〜fn+1 )を分割して、複数の狭帯域の周波数範囲(f1 〜f2 、f2 〜f3 、…、fn 〜fn+1 )毎に高速で周波数掃引して、高感度でかつ高検出確率で受信探知することが可能になるという効果が得られる。
【0023】
参考例2.
図3はこの発明の参考例2による受信装置を示すブロック図であり、相当部分には図1と同一符号を付してその説明を省略する。図において、18−1,18−2,…,18−nは各掃引検波増幅器13−1,13−2,…,13−nに対応して用意され、対応する掃引検波増幅器13−1〜13−nの検波器35より出力される振幅信号14のレベルが、掃引時に目標検出レベル以上となる周波数値を検出する周波数検出器であり、19はこれら各周波数検出器18−1〜18−nより分析表示処理器16に出力される周波数データである。
【0024】
次に動作について説明する。
ここで、図4はこの参考例2による受信装置1に接続された指示器3に表示される周波数分析表示例を示す説明図である。この図4において、横軸は周波数であり、縦軸はレベルである。なお、目標検出レベルは一点鎖線にて表示している。以下、この図4および上記図3を参照しながら、この参考例2による受信装置1の動作を説明する。なお、その際、基本的な動作は参考例1の場合と同様であるため、その説明は省略し、参考例1とは異なる部分を中心に説明する。
【0025】
上記のように、参考例1では、周波数スペクトラム分析表示を広帯域の周波数範囲で実施できるが、探知された信号の周波数値は図2に示す周波数スペクトラム分析表示から読みとる必要がある。そのため、この参考例2においては、図3に示すように、n系統の受信系の各掃引検波増幅器13−1〜13−nのそれぞれに対応して周波数検出器18−1〜18−nを用意している。これら各周波数検出器18−1〜18−nは対応付けられた掃引検波増幅器13−1〜13−nの検波器35に接続されており、各検波器35から出力される振幅信号14が、図4に示す目標検出レベル以上になる時点を目標検出とし、その掃引時の周波数値fA ,fB ,…,fX を検出する。
【0026】
各周波数検出器18−1〜18−nはそれぞれが検出した、目標として探知された信号の受信周波数を、周波数データ19として分析表示処理器16に出力する。分析表示処理器16はこの掃引検波増幅器13−1〜13−nより入力された周波数データ19に基づいて、各掃引検波増幅器13−1〜13−nがそれぞれ分担している周波数帯域f1 〜f2 ,f2 〜f3 ,…,fn 〜fn+1 毎に、目標として探知された信号の周波数値fA ,fB ,…,fX を表示するための処理を実行する。なお、その際に、これら各周波数検出器18−1〜18−nでは、掃引検波増幅器13−1〜13−nより入力された振幅信号14に基づいて、実施の形態1の場合と同様の手順で周波数スペクトラム分析表示のための表示化処理が行われている。これにより、指示器3には図4に示すように、探知された信号の周波数値fA ,fB ,…,fX が、周波数スペクトラム分析表示とともに自動的に表示される。
【0027】
以上のように、この参考例2によれば、周波数検出器18−1〜18−nを用意して、掃引検波増幅器13−1〜13−nより出力される振幅信号14のレベルが目標検出レベル以上となる周波数値fA ,fB ,…,fX を検出することにより、周波数スペクトラム分析表示とともに、各周波数検出器18−1〜18−nが目標として探知された信号の周波数値を自動的に表示することが可能になるという効果が得られる。
【0028】
実施の形態1.
図5はこの発明の実施の形態1による受信装置を示すブロック図であり、相当部分には図3と同一符号を付してその説明を省略する。図において、18−1,18−2,…,18−nは各掃引検波増幅器13−1,13−2,…,13−nに対応して用意されて、対応する掃引検波増幅器13−1〜13−nの検波器35より出力される振幅信号14のレベルが、掃引時に目標検出レベル以上となる周波数値を検出する周波数検出器であるが、それより出力される周波数データ19が分析表示処理器16ではなく、制御器17に出力されている点で、図3に同一符号を付して示した参考例2のものとは異なっている。
【0029】
次に動作について説明する。
ここで、図6はこの実施の形態1の受信装置1に接続された指示器3に表示される周波数分析表示例を示す説明図である。この図6において、横軸は周波数、縦軸はレベルであり、一点鎖線にて目標検出レベルを示している。以下、この図6および上記図5を参照しながら、この実施の形態1による受信装置1の動作を説明する。その際、基本的な動作は参考例2の場合と同様であるため、その説明は省略し、参考例2とは異なる部分を中心に説明する。
【0030】
上記のように、参考例2では、各周波数検出器18−1〜18−nで得られた周波数データ19を分析表示処理器16に入力することにより、n系統の受信系にて目標として探知された信号の周波数値を周波数スペクトラム分析表示に自動的に表示しているが、探知された信号についてのみ、自動的、かつ詳細に周波数スペクトラム分析表示を行うことは困難である。そのため、この実施の形態1においては、図5に示すように、各受信系の周波数検出器18−1〜18−nで得られた周波数データ19を制御器17に入力する構成としている。これにより、各受信系において探知された信号のみの詳細な周波数スペクトラム分析表示を自動的に行っている。
【0031】
すなわち、n系統の各周波数検出器18−1〜18−nは、それぞれが検出した、目標として探知された信号の周波数値fA ,fB ,…,fX による周波数データ19を制御器17に出力する。各周波数検出器18−1〜18−nよりこの周波数データ19を受け取った制御器17は、スーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−nに対して制御信号を送り、上記周波数値fA ,fB ,…,fX に応じた同調周波数fc1,fc2,…,fcnを自動的に指示する。その時、制御器17は掃引検波増幅器13−1〜13−nにも制御信号を送り、上記同調周波数fc1,fc2,…,fcnの前後の狭い周波数範囲f1 〜f1e,f2 〜f2e,…,fn 〜fneを高速で周波数掃引するように自動的に指示する。
【0032】
これにより、スーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−nと掃引検波増幅器13−1〜13−nとは制御器17によって統合化して一括制御され、掃引検波増幅器13−1〜13−nはスーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−nに指示された同調周波数fc1,fc2,…,fcnの前後の狭い周波数範囲f1 〜f1e,f2 〜f2e,…,fn 〜fneを高速で周波数掃引して、探知された信号の周波数値fA ,fB ,…,fX を検知し、それを振幅信号14に含めて分析表示処理器16に送出する。分析表示処理器16はその振幅信号14に基づいて、図6に示すように、目標として探知された信号のみについて、詳細な周波数スペクトラム分析表示を高速、かつ高密度検出確率で、指示器3に自動的に表示する。
【0033】
以上のように、この実施の形態1によれば、n系統の掃引検波増幅器13−1〜13−nに対応付けられた各周波数検出器18−1〜18−nの出力する周波数データ19を制御器17に入力し、その制御器17によって、n系統のスーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−n、および掃引検波増幅器13−1〜13−nを統合化して一括制御することにより、目標として探知された信号についてのみ、周波数スペクトラム分析表示の詳細表示を、高感度、かつ高密度検出確率で自動的に行うことが可能になるという効果が得られる。
【0034】
参考例3.
図7はこの発明の参考例3による受信装置を示すブロック図であり、相当部分には図5と同一符号を付してその説明を省略する。図において、18は掃引検波増幅器13−1,13−2,…,13−nの内の1つ(図示の例では掃引検波増幅器13−1)に対応して1つだけ用意され、対応付けられた掃引検波増幅器13−1が広帯域で周波数掃引した時に、その検波器35より出力される振幅信号14のレベルが目標検出レベル以上となる周波数値を検出し、それを周波数データ19として制御器17に出力する周波数検出器である。
【0035】
次に動作について説明する。
ここで、図8はこの参考例3の受信装置1に接続された指示器3に表示される周波数分析表示例を示す説明図である。この図8において、横軸は周波数、縦軸はレベルであり、一点鎖線にて目標検出レベルを示している。以下、この図8および上記図7を参照しながら、この参考例3による受信装置1の動作を説明する。その際、基本的な動作は実施の形態1の場合と同様であるため、その説明は省略し、実施の形態1とは異なる部分を中心に説明する。
【0036】
上記のように、参考例2および3では、周波数検出器をn個とし、n系統の全ての受信系の掃引検波増幅器13−1〜13−nに接続することにより、探知された信号のみの詳細な周波数スペクトラム分析表示を行っており、複数の受信系を監視受信系として用いる必要がある。そのため、この参考例3においては、図7に示すように、1つの受信系の掃引検波増幅器13−1のみに周波数検出器18を接続し、その周波数データ19を制御器17に入力する構成としている。これにより、1つの受信系を広帯域の監視受信系とし、目標として探知された信号のみの詳細な周波数スペクトラム分析表示を自動的に行っている。
【0037】
すなわち、周波数検出器18が掃引検波増幅器13−1に接続されている系統#1の受信系では、制御器17からの制御信号により、図8に示すように、受信対象となる広帯域の周波数帯域f1 〜f1eの範囲を掃引検波増幅器13−1によって広帯域で周波数掃引する。この掃引検波増幅器13−1の出力は周波数検出器18に送られ、周波数検出器18はその振幅信号14のレベルが目標検出レベル以上となる周波数値を検出し、それによる周波数データ19を制御器17に入力する。制御器17ではこの周波数データ19に基づいて、その検出された周波数値fA ,fB ,・・・,fX に対してそれぞれ受信系を割り当て、スーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−nの同調周波数fc2,fc3,・・・,fcnを自動的に指示制御する。
【0038】
また、制御器17はその時、掃引検波増幅器13−1〜13−nにも、その同調周波数の前後の狭い周波数範囲を周波数掃引するように掃引検波増幅器13−1〜13−nに自動的に指示制御する。これにより、図8に示すように、掃引検波増幅器13−2は周波数範囲f2 〜f2eを、掃引検波増幅器13−3は周波数範囲f3 〜f3eを、…、掃引検波増幅器13−nは周波数範囲fn 〜fneを狭帯域で高速に周波数掃引する。各掃引検波増幅器13−1〜13−nはその結果を振幅信号14として分析表示処理器16に送出し、分析表示処理器16はその振幅信号14に基づいて、図8に示すように、目標として探知された信号のみについて、詳細な周波数スペクトラム分析表示を高速、かつ高密度検出確率で、指示器3に自動的に表示する。
【0039】
以上のように、この参考例3によれば、広帯域で周波数掃引している掃引検波増幅器13−1にのみ周波数検出器18を接続して、それが出力する周波数データ19を制御器17に入力し、その制御器17によって、n系統のスーパーヘテロダイン同調器11−1〜11−n、および掃引検波増幅器13−1〜13−nを統合化して一括制御することにより、受信系中の1系統を広帯域の監視受信系とし、目標として探知された信号についてのみ、周波数スペクトラム分析表示の詳細表示を、高感度、かつ高密度検出確率で自動的に行うことが可能になるという効果が得られる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、スーパーヘテロダイン同調器と掃引検波増幅器を複数系統配列して、それらを制御器で統合化して一括で制御し、その受信検波した複数の振幅信号をまとめて指示器に表示する処理を分析表示処理器にて行うように構成したので、広帯域の周波数範囲を分割して、狭帯域の複数の周波数範囲毎に周波数掃引することが可能となり、広帯域の周波数範囲の受信探知を、高感度、かつ高検出確率で行うことができる受信装置が得られるという効果がある。
また、制御器に各周波数検出器からの周波数データを入力して、探知された信号それぞれの周波数を中心とした狭帯域の周波数掃引を制御するように構成したので、目標として探知された信号のみを、高感度、かつ高密度検出確率で、周波数スペクトラム分析表示の詳細表示を自動的に行うことが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の参考例1による受信装置を示すブロック図である。
【図2】 参考例1における周波数分析表示の一例を示す説明図である。
【図3】 この発明の参考例2による受信装置を示すブロック図である。
【図4】 参考例2における周波数分析表示の一例を示す説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による受信装置を示すブロック図である。
【図6】 実施の形態1における周波数分析表示の一例を示す説明図である。
【図7】 この発明の参考例3による受信装置を示すブロック図である。
【図8】 参考例3における周波数分析表示の一例を示す説明図である。
【図9】 従来の受信装置を示すブロック図である。
Claims (1)
- 入力された外来信号の同調をとって、それぞれに割り当てられた所定の周波数帯域のIF信号に変換する複数のスーパーヘテロダイン同調器と、
前記各スーパーヘテロダイン同調器に対応して用意されて、対応付けられた前記スーパーヘテロダイン同調器からのIF信号を狭帯域で周波数掃引し、検波、増幅を行って振幅信号として出力する複数の掃引検波増幅器と、
前記スーパーヘテロダイン同調器と掃引検波増幅器とを統合化して一括制御する制御器と、
前記掃引検波増幅器の出力する振幅信号を分析し、その分析結果を指示器に表示するための表示化処理を、その分析結果に対して施す分析表示処理器とを備え、
対応付けられた前記掃引検波増幅器の出力する振幅信号のレベルが、掃引時に目標検出レベル以上となる周波数値を検出し、それに基づく周波数データを制御器に入力する周波数検出器を、各掃引検波増幅器のそれぞれに対応して設け、
前記制御器が、目標として探知された各信号それぞれの周波数を中心とした周波数掃引を、前記各周波数検出器からの周波数データに基づいて行うように、各スーパーヘテロダイン同調器および各掃引検波増幅器を統合化して一括制御するものであることを特徴とする受信装置。
Priority Applications (1)
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