JP3209385B2 - ランダムfm雑音除去回路 - Google Patents

ランダムfm雑音除去回路

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JP3209385B2
JP3209385B2 JP01272094A JP1272094A JP3209385B2 JP 3209385 B2 JP3209385 B2 JP 3209385B2 JP 01272094 A JP01272094 A JP 01272094A JP 1272094 A JP1272094 A JP 1272094A JP 3209385 B2 JP3209385 B2 JP 3209385B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無線通信の品質改善に利
用する。特に、激しいフェージングが常時発生するよう
な移動伝搬路でも品質のよい信号受信を行うことのでき
る無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】移動通信伝搬路で発生するランダムFM
雑音を除去する方法として、被変調波の近傍に挿入され
たパイロット信号を利用する方法が知られている。この
方法では、ランダムFM雑音に汚染されたパイロット信
号を狭帯域フィルタで抽出し、局部発振器の出力信号と
混合して周波数変換した後、その振幅を振幅制限器で一
定とし、この信号とランダムFM雑音に汚染されたパイ
ロット信号を含む被変調波とを周波数変換器で差周波数
混合することによってランダムFM雑音を除去する。こ
のためにフィードフォワード回路構成を用いる。
【0003】従来文献としては、本願発明者らによるも
のとして、 (1)特開平1−21022号公報 (2)特開平3−268616号公報 (3)US特許第4803739号 (4)K.Daikoku and K.Suwa, "RZ SSB Transceiver wi
th equal-gain combinerfor speech and data transmis
sion", IEEE Global Telecommunications Conf., p.26.
4.1, Hollywood, Florida, Nov.28 - Dec.1, 1988 がある。また、他機関のものとしては、 (5)Joseph P.McGeehan and Andrew J.Bateman, "The
oretical and experimental investigation of feedfor
ward signal regeneration as a means of combating m
ultipath propagation effects in pilot-based SSB mo
bile radio systems", IEEE Trans.on Vehicular Techn
ology, Vol.VT-32, No.1, pp.106-120, February 1983 (6)特公平1−42535号公報(国際公開WO81
/00495) (7)Edited by William C.Jakes Jr., "Microwave Mo
bile Communications",New York, John Wiley & Sons.I
nc.(1974), Chapter 5 Fundamentals of diversity sys
tems, Chapter 6 Diversity techniques なとがある。(1)に開示の技術は、ランダムFM雑音
除去回路と選択増幅回路とが一体化されていないので、
部品点数が多いなどの欠点がある。(2)はこの欠点を
改善したものであり、ランダムFM雑音除去回路と選択
増幅回路とを一体化している。(3)はRZ SSB方
式の基本的な特許であり、SSB信号を従来の方法とは
異なる方法、すなわち振幅制限器、周波数弁別器および
積分器からなるPM復調器とリニアライザとで復調でき
ることを開示したものである。(4)は、チャンネル間
隔5kHzで300Hzから3.4kHzの電話と同じ
情報帯域を確保し、常時激しいフェージングが発生する
移動伝搬路で優れた伝送特性が得られることを報告し、
特にRZ SSB方式の基本特性からデータ信号伝送特
性について報告したものである。(5)は英国ブリスト
ル(Bristol) 大学の研究であり、パイロット信号を情報
信号帯域内に配置することを特徴の一つとしているSS
B方式である。このため、この方式はTTIB(Transpa
rent Tone In Band)方式と呼ばれる。受信機では、移動
伝搬路で受けたフェージングで劣化した受信信号をFF
SR(Feedforward Signal Regeneration) と名付けられ
たAGC(Automatic Gain Control)とAFC(Automatic
Frequency Control) の機能をもつ回路で修復すること
を特徴としている。さらに、FFSR部では、ランダム
FM雑音をフィードフォワード回路形式で除去してい
る。(6)に開示の技術では、(5)の文献にあるFF
SRに類似した処理を行っている。(7)では、ランダ
ムFM雑音除去技術を含めダイバーシチ技術全般につい
て詳しく記述している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のフィー
ドフォワード構成の回路では、パイロット信号を抽出す
る狭帯域フィルタの遅延特性が十分に等化されていない
等による問題があり、ランダムFM雑音の除去が十分に
できない問題があった。
【0005】このような問題を解決し、狭帯域フィルタ
の遅延時間を等化してランダムFM雑音が除去できるよ
うにすることも考えられるが、利用する周波数領域で
は、パイロット信号を抽出する狭帯域フィルタの遅延特
性を平坦に等化することが困難であることが多い。
【0006】さらに、利用する周波数領域では、広い温
度範囲にわたって振幅特性が変化しない小型で安価なパ
イロット信号抽出用の狭帯域フィルタを実現することが
困難であることが多い。
【0007】また、移動通信装置では、自チャンネル以
外の信号を急峻な受信フィルタで除去する必要がある
が、狭帯域移動通信方式に適合するフィルタとして、広
い温度範囲にわたってその振幅特性が変化しない小型で
安価なフィルタを確保することが難しいという問題があ
った。
【0008】本発明は、このような問題点を解決し、フ
ェージング周波数が高いランダムFM雑音を十分に除去
できるとともに、自チャンネル以外の信号を十分に除去
して品質の高い受信信号を得ることのできる無線通信方
法および装置を提供し、さらに、等利得合成ダイバシ
チ、最大比合成ダイバシチあるいは選択ダイバシチ回路
に利用されるランダムFM雑音除去回路を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のランダムFM雑
音除去回路は、高周波帯(RF帯またはIF帯)の入力
信号からパイロット信号を含む被変調波を抽出する第一
のフィルタ手段と、この第一のフィルタ手段の出力から
パイロット信号を抽出する第二のフィルタ手段と、抽出
されたパイロット信号の振幅を実質的に一定の値に振幅
制限する振幅制限手段と、この振幅制限手段の出力を第
一のフィルタ手段により抽出された信号に周波数混合す
ることにより被変調波およびパイロット信号にそれぞれ
含まれていたランダムFM雑音成分を相殺する雑音相殺
手段と、この雑音相殺手段に入力される二つの信号の遅
延時間を等化する遅延等化手段とを備えたランダムFM
雑音除去回路において、第一のフィルタ手段は、高周波
帯の入力信号から受信すべき周波数を取り出す第一の帯
域通過手段と、この第一の帯域通過手段の出力を低周波
帯(AF帯)の信号に周波数変換する入力周波数変換手
段と、パイロット信号を含む被変調波をこの低周波数帯
の信号で抽出する第二の帯域通過手段とを含むことを特
徴とする。
【0010】雑音相殺手段の入力において(パイロット
信号を含む)被変調波とパイロット信号との搬送波が異
なるように、いずれか一方を周波数変換する必要があ
る。通常は、パイロット信号を周波数変換する。すなわ
ち、抽出されたパイロット信号を周波数変換して振幅制
限手段に供給する手段を備えることがよい。
【0011】入力信号に含まれるパイロット信号として
は、被変調波の搬送波周波数に近接した周波数で送信側
から無変調で送信された信号でもよく、搬送波そのもの
でもよい。入力信号に含まれる被変調波が逓減搬送波単
側帯波信号でRZ SSB復調方式を用いる場合には、
抽出されたパイロット信号を増幅する手段と、増幅され
たパイロット信号を低周波帯の被変調波に加算する手段
とを備え、遅延等化手段には第二のフィルタ手段および
増幅する手段による遅延を等化する遅延回路を含むこと
がよい。
【0012】
【作用】高周波帯の入力信号から所望の周波数を取り出
して低周波帯の信号に周波数変換し、その周波数でパイ
ロット信号が付加された被変調波を抽出する。帯域制限
を無線周波数段だけで行うわけではないので、無線周波
数段の帯域通過フィルタに要求される帯域制限の要求条
件が緩和され、さらに、動作温度領域での要求条件も緩
和される。低周波帯の帯域通過フィルタの場合には、全
動作温度領域にわたって変動のない帯域特性が容易に得
られる。
【0013】
【実施例】図1は本発明第一実施例のランダムFM雑音
除去回路を示すブロック構成図である。
【0014】この装置は、パイロット信号を含む被変調
波からパイロット信号を抽出する第二のフィルタ手段と
して帯域通過フィルタ14を備え、抽出されたパイロッ
ト信号の振幅を実質的に一定の値に振幅制限する振幅制
限手段として振幅制限回路17を備え、この振幅制限回
路17の出力をパイロット信号を含む変調波に周波数混
合することにより被変調波およびパイロット信号にそれ
ぞれ含まれていたランダムFM雑音成分を相殺する雑音
相殺手段として周波数変換器19および帯域通過フィフ
ルタ20を備え、この雑音相殺手段に入力される二つの
信号の遅延時間を等化する遅延等化手段として遅延回路
18を備える。
【0015】ここで本実施例の特徴とするところは、高
周波帯の入力信号から受信すべき周波数を取り出す第一
の帯域通過手段として帯域通過フィルタ10を備え、こ
の帯域通過フィルタ10の出力を低周波帯の信号に周波
数変換する入力周波数変換手段として周波数変換器11
および局部発振器12を備え、パイロット信号を含む被
変調波をこの低周波数帯の信号で抽出する第二の帯域通
過手段として帯域通過フィルタ13を備えたことにあ
る。また、帯域通過フィルタ14により抽出されたパイ
ロット信号を周波数変換して振幅制限回路17に供給す
る手段として、周波数変換器15および帯域通過フィル
タ16を備える。
【0016】この実施例の動作について、被変調波の搬
送波周波数に近接した周波数のパイロット信号が送信側
から無変調で送信されている場合について説明する。
【0017】帯域通過フィルタ10には、パイロット信
号と被変調波とが入力する。帯域通過フィルタ10は、
自チャンネルに減衰を与えずに隣接チャンネルの信号を
ある程度除去する。周波数変換器11は、帯域通過フィ
ルタ10の出力信号を局部発振器12の出力信号により
低周波帯に周波数変換する。帯域通過フィルタ13は、
周波数変換後の信号から、自チャンネル以外の信号をシ
ステムで要求されるレベルまで除去する。帯域通過フィ
ルタ14は周波数変換されたパイロット信号を抽出す
る。周波数変換器15は帯域通過フィルタ14の出力信
号を局部発振器12の出力信号により周波数変換し、帯
域通過フィルタ16は不要波を除去する。これにより、
高周波帯のパイロット信号が得られる。振幅制限回路1
7は振幅一定の信号を生成し、疑似ローカル信号として
周波数変換器19に供給する。
【0018】帯域通過フィルタ13の出力は、帯域通過
フィルタ14および16で発生する遅延時間に等しい時
間だけ遅延回路18で遅延し、周波数変換器19に供給
される。周波数変換器19は、振幅制限回路17からの
疑似ローカル信号と遅延回路18を経由した信号との差
周波数が得られるように周波数変換を行う。これにより
ランダムFM雑音が除去される。帯域通過フィルタ20
は、周波数変換器19の出力に含まれる不要波を除去す
る。
【0019】このようにして、帯域通過フィルタ20の
出力には、ランダムFM雑音が除去されたパイロット信
号を含む被変調波が生成される。
【0020】本実施例では、二つの帯域通過フィルタ1
0、13により通信装置で要求される主帯域制限を行っ
ている。従来の装置では、高周波帯の一つの帯域通過フ
ィルタで主帯域制限することが多い。そしてその場合に
は、全動作温度領域にわたって、通信装置から要求され
る帯域特性をもったフィルタが要求される。しかし、狭
帯域通信方式を用いる受信機では、これを確保すること
が困難である。そこで、本実施例では、高周波帯の帯域
通過フィルタ10でまず、隣接チャンネルからの信号な
どの不要波に対して低周波帯の帯域通過フィルタ13の
ダイナミックレンジが確保できるように帯域制限し、そ
の後に、帯域通過フィルタ13で通信装置に要求される
主帯域制限を正確に行う。このようにすると、第一に、
高周波帯の帯域通過フィルタ10に対する動作温度領域
での要求条件が緩和され、必要な特性を比較的容易に実
現することができる。第二に、低周波帯の帯域通過フィ
ルタ13ではその帯域特性を全動作温度領域にわたって
変動なく確保できるので、正確な主帯域制限が実現でき
るとともに、集積回路を用いて容易に実現できるので、
小型化できるなどの利点がある。
【0021】また、帯域通過フィルタ14についても、
低周波帯で動作するので、遅延特性も十分に平坦となる
ものが設計、製造でき、遅延回路18で十分に等化でき
る。
【0022】第一実施例の動作を数式を用いて説明す
る。まず、送信信号S(t) が、 S(t) =k cos(ωpt)+A(t) cos(ωct+ω(t)) …(1) であるとする。第1項がパイロット信号、第2項が被変
調波である。この信号が移動伝搬路を伝搬し、図1の回
路に入力するときには、 S(t) =R(t)k cos(ωpt+δω(t)+α) +R(t)A(t)cos(ωct+ω(t)+δω(t)+α) …(2) となる。ここで、R(t)はレーレー・フェージング雑
音、δω(t)はランダムFM雑音、αは位相を表す。
【0023】局部発振器12の発振角周波数をω0 、そ
の位相を簡単のため零とすると、周波数変換器11によ
り周波数変換された信号は、 S1(t)=R(t)k cos{(ωp−ω0)t+δω(t)+α} +R(t)A(t)cos{(ωc−ω0)t+ω(t)+δω(t)+α} …(3) となる。帯域通過フィルタ14で抽出される信号は、 S2(t)=R(t-τ1)k cos{(ωp−ω0)(t−τ1)+δω(t-τ1)+α} となる。τ1 は帯域通過フィルタ14の遅延時間であ
り、平坦に等化されたところの遅延時間である。さらに
周波数変換器15で周波数変換し、帯域通過フィルタ1
6で不要波を除去し、振幅制限回路17で振幅を一定に
した信号は、 S3(t)= cos{ωp(t−τ1−τ2)+δω(t-τ12)+α} …(4) となる。τ2 は帯域通過フィルタ16の遅延時間であ
る。また、簡単のために振幅制限回路17の出力信号の
振幅は「1」とした。
【0024】帯域通過フィルタ13から遅延回路18に
入力された信号は、帯域通過フィルタ14および16に
よる遅延時間τ1 +τ2 が等化され、 S5(t)=R(t-τ12)cos{(ωp−ω0)(t−τ1−τ2) +δω(t-τ12) +α} +R(t-τ12)A(t-τ12) ×cos{(ωc−ω0)(t−τ1−τ2)+ω(t-τ12) +δω(t-τ12) +α} …(5) となる。この信号について、(4)式に示した振幅制限
回路17の出力を疑似ローカル信号として用い、周波数
変換器19により周波数変換を行って差周波を生成す
る。これにより、 S6(t)=R(t-τ12)cos{ω0 (t−τ1−τ2)} +R(t-τ12)A(t-τ12) ×cos{(ωp−ωc+ω0)(t−τ1−τ2)−ω(t-τ12)} が得られる。すなわち、ランダムFM雑音δω(t-τ1-
τ2) と入力の位相αとが除去される。
【0025】図2は本発明第二実施例のランダムFM雑
音除去回路を示すブロック構成図である。
【0026】この実施例は本発明をRZ SSB受信機
で実施したものである。すなわち、入力信号が逓減搬送
波単側帯波であり、パイロット信号として被変調波の搬
送波を用いる場合の構成を示す。図2には、入力信号が
IF帯の信号の場合について、各部における被変調波と
パイロット信号(搬送波)とのスペクトルをランダムF
M雑音成分を含めて簡略化して示す。RZ SSBの場
合には、帯域通過フィルタ14により抽出されたパイロ
ット信号を被変調波に加算して全搬送波単側帯波にする
必要がある。そこで本実施例では、帯域通過フィルタ1
4により抽出されたパイロット信号を増幅する増幅器2
2と、増幅されたパイロット信号を低周波帯の被変調波
に加算する加算器23とを備える。増幅器22の増幅度
は、パイロット信号成分が被変調波成分に比べて大きく
なるように設定される。遅延回路18の代わりに、帯域
通過フィルタ14および増幅器22による遅延を等化す
る遅延回路21を備える。加算器23の出力には帯域通
過フィルタ24が接続され、帯域通過フィルタ16によ
る遅延は等化する。
【0027】この実施例の動作は実質的に第一実施例の
動作と同等であり、帯域通過フィルタ20の出力には、
ランダムFM雑音が除去され逓減搬送波単側帯波が全搬
送波単側帯波に変換された信号が得られる。
【0028】この実施例のパイロット信号に関する動作
はωp =ωc であることを除いて第一実施例と同等であ
り、ここでは、被搬送波側の動作について数式を用いて
説明する。
【0029】加算器23で生成される信号は、帯域通過
フィルタ14の遅延時間が遅延回路21で等化されてい
るので、 S4(t)=R(t-τ1)cos{(ωc−ω0)(t−τ1)+δω(t-τ1)+α} +R(t-τ1)A(t)cos{(ωc−ω0)(t−τ1)+ω(t-τ1) +δω(t-τ1)+α} となる。ここで、簡単のため搬送波成分を「1」とし
た。全搬送波単側帯波が生成するためには、増幅器22
の増幅度は1>max|A(t)|となるように調整す
る。これにより、帯域通過フィルタ24の出力には第一
実施例で説明した(5)式で表される信号が得られ、帯
域通過フィルタ20の出力には、 S7(t)=R(t-τ12)cos{ω0(t−τ1−τ2)} +R(t-τ12)A(t-τ12) ×cos{ω0(t−τ1−τ2)−ω(t-τ12)} が得られる。
【0030】図3は本発明の利用例を示すブロック構成
図であり、2ブランチ等利得合成ダイバーシチ回路を示
す。ここで、各ブランチのアンテナからランダムFM雑
音除去回路までの利得を等しくなるように構成する。
【0031】この回路は、第一実施例または第二実施例
に示した回路をランダム雑音除去回路30、31として
二つ備え、さらに、この二つのランダム雑音除去回路3
0、31の各々の出力信号を同相加算する同相加算回路
32と、帯域通過フィルタ33とを備える。ランダム雑
音除去回路30、31の出力には、それぞれランダムF
M雑音と入力の位相とが除去された信号が得られる。そ
こで、これらの信号の位相は、受信器内で発生する位相
のみによっているので、同相加算回路32により同相
(コヒーレント)加算することができる。加算された信
号に含まれる不要波については帯域通過フィルタ33に
より除去する。したがって、帯域通過フィルタ33の出
力には、等利得合成された信号が得られる。
【0032】図4は図3の利用例におけるブランチ数を
増やしたnブランチ等利得合成ダイバーシチ回路を示
す。
【0033】この回路は、第一実施例または第二実施例
に示した回路をランダム雑音除去回路40−1〜40−
nとしてn個備え、さらに、これらのランダム雑音除去
回路40−1〜40−nの各々の出力信号を同相加算す
る同相加算回路41と、帯域通過フィルタ42とを備え
る。ランダム雑音除去回路40−1〜40−nの出力に
はそれぞれランダムFM雑音が除去された信号が得られ
るので、これらを並列に配置し、すべての信号を同相加
算回路41により同相(コヒーレント)加算する。加算
された信号に含まれる不要波については帯域通過フィル
タ42により除去する。これにより、等利得合成された
信号が得られる。
【0034】図5は本発明の別の利用例を示すブロック
構成図であり、nブランチ最大比合成ダイバーシチ回路
を示す。
【0035】この回路は、第一実施例または第二実施例
に示した回路をランダムFM雑音除去回路50−1〜5
0−nとしてn個備え、それぞれのランダムFM雑音除
去回路で抽出されたパイロット信号の信号レベルに基づ
いてそのランダムFM雑音除去回路の出力信号を増幅す
る手段として包絡線検波回路51−1〜51−nおよび
利得可変増幅器52−1〜52−nを備え、利得可変増
幅器52−1〜52−nの出力を同相加算する同相加算
回路53を備え、さらに同相加算回路53の出力から不
要波を除去するための帯域通過フィルタ54を備える。
【0036】包絡線検波回路51−i(i=1〜n)
は、ランダムFM雑音除去回路50−i内の帯域通過フ
ィルタ14または16から出力されるパイロット信号の
レベルを検出する。利得可変増幅器52−iは、包絡線
検波回路51−iの出力信号レベルに比例して増幅度が
変化し、ランダムFM雑音除去回路50−iの出力レベ
ルを調整する。同相加算回路53は利得可変増幅器52
−1〜52−nの出力を加算合成する。ブランチ数nと
しては、通常はn=2が用いられる。
【0037】この例では包絡線検波回路をランダムFM
雑音除去回路とは別に設けた例を示したが、振幅制限回
路(図1、図2における17)に包絡線検波回路が備え
られている場合には、それを利用してもよい。
【0038】図6は本発明のさらに別の利用例を示すブ
ロック構成図であり、nブランチ選択合成ダイバーシチ
回路を示す。
【0039】この回路は、第一実施例または第二実施例
に示した回路をランダムFM雑音除去回路60−1〜6
0−nとしてn個備え、それぞれのランダムFM雑音除
去回路で抽出されたパイロット信号の信号レベルを比較
してその最大のものを検出する手段として包絡線検波回
路61−1〜61−nおよび最大値検出回路62を備
え、この最大値検出回路62の出力に基づいて複数のラ
ンダムFM雑音除去回路60−1〜60−nのいずれか
の出力信号を選択して出力する手段として切替回路63
を備え、さらに、切替回路63の出力から不要波を除去
するための帯域通過フィルタ64を備える。
【0040】包絡線検波回路61−i(i=1〜n)
は、ランダムFM雑音除去回路60−i内の帯域通過フ
ィルタ14または16から出力されるパイロット信号の
レベルを検出する。最大値検出回路62は、包絡線検波
回路61−1〜61−nの出力信号から最大値を示すブ
ランチがどれであるかを判定し、その判定結果を切替回
路63に出力する。切替回路63は、その判定結果にし
たがってブランチを切り替え、ランダムFM雑音除去回
路60−1〜60−nのいずれかの出力を選択する。こ
の場合にも、通常はn=2が用いられる。
【0041】この例の場合も図5の例と同様に、包絡線
検波回路61−1〜61−nとして振幅制限回路内の包
絡線検波回路を利用することができる。
【0042】以上の実施例および利用例において、ラン
ダムFM雑音除去回路およびそれを利用したダイバシチ
回路の少なくとも一部をディジタル回路で実現すること
もできる。すなわち、上述した回路のうち必要な回路に
ついてディジタル信号処理回路(DSP)のソフトウェ
アとして設定しておき、入力信号をA/D変換器により
ディジタル信号に変換してディジタル信号処理回路によ
りディジタル演算し、それをD/A変換器によりアナロ
グ信号に変換して出力する。この場合、入力信号の周波
数はディジタル信号処理回路が動作する周波数領域、例
えば数十kHzまで下げておく。このようにディジタル
信号処理回路で本発明を実施すると、回路全体がLSI
化でき、低廉化できると共に、常に正確な処理ができる
利点がある。
【0043】図7および図8は図2に示した第二実施例
と同等のランダムFM雑音除去回路をディジタル信号処
理回路を用いて実現した例を示す図であり、図7は回路
構成、図8はディジタル信号処理回路による処理フロー
を示す。この例では、中心周波数が15kHzとなるよ
うに受信機で周波数変換し、不要波を除去した後に、サ
ンプリング周波数50kHz、16ビット精度のA/D
変換器71でディジタル信号に変換し、ディジタル信号
処理回路72に入力する。16ビット精度のディジタル
信号を用いると、信号のダイナミックレンジは20lo
g216=96dBが確保できる。さらに、周波数変換な
どの乗算があっても、十分な精度を確保できる。ディジ
タル信号処理回路72では、図1における帯域通過フィ
ルタ13の中心周波数が5kHzとなるように設定す
る。このように周波数配置を決定すれば、図1に示した
実施例で個別回路により実現したランダムFM除去回路
がメモリ73に記述されたシーケンスにしたがうディジ
タル信号処理回路72のディジタル演算によって実現さ
れる。演算結果はD/A変換器74でアナログ信号に変
換する。
【0044】メモリ73に記述されたシーケンスを変更
すれば、図2に示した第二実施例と同等の回路をディジ
タル処理で実現できる。また、図3ないし図6に示した
利用例についても同様にディジタル処理で実現できる。
【0045】図9はランダムFM雑音除去特性を測定す
るための室内実験装置を示すブロック構成図であり、図
10は得られた特性を示す。
【0046】この測定では、移動伝搬路をレーレ・フェ
ージング・シミュレータ93と減衰器94とでシミュレ
ートした。減衰器94は基地局からの距離にしたがって
信号が減衰する様子をシミュレートするためのものであ
る。測定では、トーン信号発生器91により1kHzの
トーン信号を発生し、それを送信機92から送信し、レ
ーレ・フェージング・シミュレータ93および減衰器9
4を介して受信機95に入力し、復調されたトーン信号
をSINAD測定器96で測定した。SINAD特性
は、信号電力S、雑音電力N、歪電力Dを用いて、 SINAD=10log〔S+N+D〕/〔N+D〕 〔dB〕 と定義される値である。この測定結果を図10に示す。
受信機95内に本発明実施例のランダムFM雑音除去回
路を設けた場合には、フェージング下の特性が著しく改
善された。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のランダム
FM雑音除去回路は、回路の構成部品の中で伝送品質に
最も影響を与える帯域通過フィルタに要求される条件を
緩和でき、比較的安価な回路を用いて、温度特性に優れ
たランダムFM雑音除去回路を実現できる。また遅延変
動も少ないので、遅延量の等化も容易である。また、広
い温度にわたって振幅特性が変化しない小型で安価なフ
ィルタを用いて自チャンネル以外の信号を除去すること
ができる。
【0048】本発明のランダムFM雑音除去回路は、1
ブランチの通常の受信時、すなわちダイバシチを利用し
ない場合でも、遅延特性を十分に考慮しランダムFM雑
音が除去できるので品質の高い受信信号が得られる。ま
た、2ブランチ以上のダイバシチでは、各ブランチの信
号がそれぞれランダムFM雑音を除去されているので、
例えば、これらを全て同相で合成する回路構成を用い
て、品質の高い等利得合成ダイバシチ受信信号が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例のランダムFM雑音除去回路
を示すブロック構成図。
【図2】本発明第二実施例のランダムFM雑音除去回路
を示すブロック構成図。
【図3】本発明の利用例を示すブロック構成図であり、
2ブランチ等利得合成ダイバーシチ回路の構成を示す
図。
【図4】本発明の利用例を示すブロック構成図であり、
nブランチ等利得合成ダイバーシチ回路の構成を示す
図。
【図5】本発明の別の利用例を示すブロック構成図であ
り、nブランチ最大比合成ダイバーシチ回路の構成を示
す図。
【図6】本発明のさらに別の利用例を示すブロック構成
図であり、nブランチ選択合成ダイバーシチ回路を示す
図。
【図7】ディジタル信号処理回路を用いた実施例を示す
ブロック構成図。
【図8】ディジタル信号処理回路による処理フローを示
す図。
【図9】ランダムFM雑音除去特性を測定するための室
内実験装置を示すブロック構成図。
【図10】得られた特性を示す図。
【符号の説明】
10、13、14、16、20、24 帯域通過フィル
タ 11、15、19 周波数変換器 12 局部発振器 17 振幅制限回路 18、21 遅延回路 22 増幅器 23 加算器 30、31、40−1〜40−n、50−1〜50−
n、60−1〜60−nランダム雑音除去回路 32、41、53 同相加算回路 33、42、54、64 帯域通過フィルタ 51−1〜51−n、61−1〜61−n 包絡線検波
回路 52−1〜52−n 利得可変増幅器 62 最大値検出回路 63 切替回路 71 A/D変換器 72 ディジタル信号処理回路 73 メモリ 74 D/A変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−268616(JP,A) 特開 平1−276827(JP,A) 特開 平1−221022(JP,A) 特開 昭63−31316(JP,A) 特開 昭64−21022(JP,A) 特開 昭61−137431(JP,A) 実開 平3−115441(JP,U) 実開 昭63−140742(JP,U) 特表 昭56−501187(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/10 H04B 7/08

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波帯の入力信号からパイロット信号
    を含む被変調波を抽出する第一のフィルタ手段と、 この第一のフィルタ手段の出力からパイロット信号を抽
    出する第二のフィルタ手段と、 抽出されたパイロット信号の振幅を実質的に一定の値に
    振幅制限する振幅制限手段と、 この振幅制限手段の出力を上記第一のフィルタ手段によ
    り抽出された信号に周波数混合することにより被変調波
    およびパイロット信号にそれぞれ含まれていたランダム
    FM雑音成分を相殺する雑音相殺手段と、 この雑音相殺手段に入力される二つの信号の遅延時間を
    等化する遅延等化手段とを備えたランダムFM雑音除去
    回路において、 上記第一のフィルタ手段は、 上記高周波帯の入力信号から受信すべき周波数を取り出
    す第一の帯域通過手段と、 この第一の帯域通過手段の出力を低周波帯の信号に周波
    数変換する入力周波数変換手段と、 上記パイロット信号を含む被変調波をこの低周波数帯の
    信号で抽出する第二の帯域通過手段とを含むことを特徴
    とするランダムFM雑音除去回路。
  2. 【請求項2】 上記第二の帯域通過フィルタにより抽出
    されたパイロット信号を周波数変換して上記振幅制限手
    段に供給する手段を備えた請求項1記載のランダムFM
    雑音除去回路。
  3. 【請求項3】 上記入力信号に含まれるパイロット信号
    は被変調波に近接した周波数で送信側から無変調で送信
    された信号である請求項1記載のランダムFM雑音除去
    回路。
  4. 【請求項4】 上記入力信号に含まれるパイロット信号
    は被変調波の搬送波である請求項1記載のランダムFM
    雑音除去回路。
  5. 【請求項5】 上記入力信号に含まれる被変調波は逓減
    搬送波単側帯波信号であり、 上記第二のフィルタ手段により抽出されたパイロット信
    号を増幅する手段と、 増幅されたパイロット信号を上記第二の帯域通過手段に
    より抽出された信号に加算する手段と、 この加算する手段に入力される二つの信号の遅延時間を
    等化する手段とを備えた請求項4記載のランダムFM雑
    音除去回路。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5記載のランダムFM雑
    音除去回路において、その少なくとも一部の機能がディ
    ジタル信号処理により行われることを特徴とするランダ
    ムFM雑音除去回路。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載のラ
    ンダムFM雑音除去回路を複数備え、 この複数のランダムFM雑音除去回路の各々の出力信号
    を同相加算する同相加算手段を備えたことを特徴とする
    等利得合成ダイバーシチ回路。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれかに記載のラ
    ンダムFM雑音除去回路を複数備え、 それぞれのランダムFM雑音除去回路で抽出されたパイ
    ロット信号の信号レベルに基づいてそのランダムFM雑
    音除去回路の出力信号を増幅する手段と、 この増幅する手段の出力を同相加算する同相加算手段と
    を備えたことを特徴とする最大比合成ダイバーシチ回
    路。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし6のいずれかに記載のラ
    ンダムFM雑音除去回路を複数備え、 それぞれのランダムFM雑音除去回路で抽出されたパイ
    ロット信号の信号レベルを比較してその最大のものを検
    出する手段と、 この検出する手段の出力に基づいて上記複数のランダム
    FM雑音除去回路のいずれかの出力信号を選択して出力
    する手段とを備えたことを特徴とする選択合成ダイバー
    シチ回路。
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