JP3441311B2 - 受信機 - Google Patents

受信機

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JP3441311B2
JP3441311B2 JP24382696A JP24382696A JP3441311B2 JP 3441311 B2 JP3441311 B2 JP 3441311B2 JP 24382696 A JP24382696 A JP 24382696A JP 24382696 A JP24382696 A JP 24382696A JP 3441311 B2 JP3441311 B2 JP 3441311B2
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線通信に用いら
れる受信機に係り、特に2次相互変調歪みによる感度劣
化を回避できる受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】Asad.A.Abidi著“Low−
Power Radio−Frequency IC´
s for Portable Communicat
ions”(proceedings of IEEE
Vol.83, No.4,April 1995)
に述べてあるとおり、直接変換(Direct−Con
versionまたはzero−IF) 方式は無線受信
機の小形化、集積回路化に適した方式であるが、π/4
シフトQPSKのように振幅変調を伴う変調方式の場合
は、直接変換受信方式特有の問題がある。すなわち、所
望信号周波数とは異なる周波数に強い信号があると、そ
の信号の2次相互変調歪みが所望信号周波数域に発生
し、妨害信号となることである。この2次相互変調歪み
は所望信号が微弱である場合に誤り率を劣化させるのみ
ならず、通信の開始に際して空きチャネルを探す場合
に、本来は未使用であるチャネルを受信機が使用中であ
ると誤って判断し通信を開始できなくなるという問題が
ある。
【0003】このような問題を解決するために本発明者
等は、受信機内部で試験信号を発生し、周波数変換器に
おける2次相互変調歪みを検出し、検出信号をもとに周
波数変換器の制御を行う無線機を開示している(特願平
6−137614号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに試験信号を発生させるように構成した無線機では、
次のような問題がある。
【0005】第1に、無線機自体が試験信号発生手段を
必要としていることである。特に、周波数変換手段の非
線形性を検出するためには、それだけ雑音も歪みも少な
い試験信号を発生する必要があり、回路規模や消費電流
が共に大きくなる。直接変換方式を採用する理由の一つ
は小形化に適していることであるので、回路規模や消費
電流を大きくする試験信号発生手段を持つことは望まし
くない。また、たとえ送信機の一部を試験信号発生手段
として用いた場合であっても、送信機に求められる信号
純度よりも試験信号発生手段に求められる信号純度の方
が厳しいときには、回路規模の増加や消費電流の増大は
免れ得ない。
【0006】第2に、上記の技術は、時分割多元接続
(TDΜA)方式または時分割二重(TDD)方式には
適用可能であるが、周波数分割方式(FDMA等)には
適用できないことである。これは、受信機をアンテナか
ら切り離して試験信号を入力する必要があるため、信号
を受信しない時間がある方式にしか適用できないからで
ある。
【0007】本発明は、このような事情に対処したもの
で、相互変調歪み特性に優れ、かつ回路規模や消費電流
の小さい受信機を提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、周波数分割方式等のよう
に信号を受信しない時間がない方式においても2次相互
変調歪みを検出することができる受信機を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明の受信機は、制御信号に応じて相互変調歪み
を抑圧しつつ、振幅変調を伴う高周波受信信号を低周波
信号に変換する周波数変換手段と、前記低周波信号をデ
ィジタル信号に変換するアナログ−ディジタル変換手段
と、前記ディジタル信号に基づき情報を復元すると共
に、前記ディジタル信号から相互変調歪み成分を検出し
て前記制御信号を生成する信号処理手段とを具備する。
前記信号処理手段は、前記ディジタル信号に含まれるク
ロック周波数成分を検出する手段と、前記クロック周波
数成分の振幅が小さくなるように前記制御信号を生成す
る手段とを具備するものであってもよく、前記制御信号
を保持する制御信号保持手段をさらに具備し、前記制御
信号保持手段が前記制御信号を保持しつつ、前記相互変
調歪み成分の検出を間欠的に行うように構成してもよ
い。また、時分割多重方式の通信に用いられるときに
は、前記信号処理手段が、受信中に相互変調歪み成分を
検出して前記制御信号を生成して保持すると共に、受信
スロットの終了後に保持した制御信号を更新するように
構成してもよい。さらに、信号処理手段が、所望信号の
振幅が所定の値より大きいときは相互変調歪みの検出を
停止するように構成してもよく、信号処理部に供給され
る動作クロック周波数が符号クロック周波数の整数倍の
受信機にあっては、信号処理部がクロック分周手段を備
えると共に、相互変調歪み検出中はクロック分周手段の
符号クロック周波数出力を停止するように構成してもよ
い。さらに、周波数変換手段が高調波ミキサを備えるも
のであってもよい。
【0010】無線通信において、情報伝達のためには情
報量に応じた周波数帯域が必要である。仮に搬送波周波
数fcを中心に±10kHzの周波数帯域を持つ信号を
周波数変換器に入力すると、2次の相互変調歪みの成分
は直流から20kHzの間に分布することになる。−
方、直接変換方式の所望信号出力は直流から10kHz
の間に存在するものとする。
【0011】信号周波数帯域が20kHzである無線信
号を使う場合、チャネル間隔は20kHzより広く設定
される。これは実現不可能な理想フィルタでなく、実現
可能なフィルタによって隣接チャネルと所望信号をで分
離できるようにするためにガードバンドを設けるためで
ある。従って、ガードバンドに存在する信号成分を狭帯
域のフィルタで検出することによって2次の相互変調歪
みの強弱を判定することが可能である。このような狭帯
域のフィルタはアナログ回路として実現するのは精度の
点で難しいが、ディジタル回路としては比較的容易に実
現可能である。本発明では、特にディジタル信号伝送方
式に適用すると都合が良い。ディジタル信号伝送方式で
は2次相互変調歪みには符号クロック周波数成分が強く
現れるため、これを検出するのは容易だからである。
【0012】π/4シフトQPSKを含む振幅位相変調
信号は一般に下記の式のように表わせる。
【0013】 Ι(t)cos(ωt)−Q(t)sin(ωt) (式1) ここで、2次歪みは、 2α{I(t)cos(ωt)−Q(t)sin(ωt)}2 =α{Ι2 (t)+Q2 (t)} +α{Ι2 (t)−Q2 (t)}cos(2ωt) −{αΙ(t)Q(t)sin(2ωt)}/2 (式2) となる。ただし、αは回路によって定まる係数である。
【0014】ここで問題としている2次相互変調歪みは
式2右辺の第一項である。
【0015】図14は山本平一、加藤修造著“「ΤDM
A通信」(電子情報通信学会 1989年 第86頁”
記載の「クロック再生回路」の構成を示すブロック図で
ある。同図に示す回路では、入力信号から式2右辺の第
一項を復調器100と自乗回路101,102を用いて
生成し、合成器103で合成したものを単同調フィルタ
104によってクロック成分のみを取り出し、リミタ1
05及び2分周回路106を介して再生クロックを出力
している。
【0016】また、図15は計算機シミュレーションに
よって求めたπ/4シフトQPSK信号の2次相互変調
歪み、Ι2 (t)+Q2 (t)のスペクトラムである。
横軸は符号クロック周波数で正規化した周波数である
が、周波数が“1”においてピークが立っており、すな
わちクロック信号がはっきりと現れていることが分かる
(図15)。
【0017】一方、所望信号のスペクトラムは図16に
示すようにクロック周波数より低い部分に分布してい
る。したがって2次相互変調歪みに含まれるクロック成
分はフィルタによって所望信号と分離可能である。特に
例えばPHSのように隣接チャネルを使わず、次隣接チ
ャネルより離れたチャネルを使うように規定されたシス
テムでは、クロック周波数付近には外来信号が存在しな
い。したがって、このクロック周波数の信号レベルを検
出することによって2次相互変調歪みレベルを推定する
ことができ、周波数変換器の制御に利用できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき説明する。
【0019】図1は本発明の一実施形態に係る無線受信
機の構成を示すブロック図である。受信アンテナ1から
入力された信号は、高周波信号処理部2において所望信
号を含む周波数域の信号が選択的に増幅される。増幅さ
れた信号は所望信号の他、他のチャネルの信号も含む。
【0020】高周波処理部2の出力は、周波数変換部3
に入力され低い周波数に変換される。このとき、他のチ
ャネルの信号振幅が大きいと歪みが発生する。特にダイ
レクトコンバージョン方式のように、受信信号を直交復
調によってベースバンドの同相(In phase)成分と直交
(quadrature-phase)成分に変換する場合は、2次相互変
調歪みが問題となる。2次相互変調歪みの周波数は、周
波数変換後の所望信号と同じ周波数成分を持つので、微
弱な所望信号を受信する場合は妨害信号となるためであ
る。しかし、2次相互変調歪みは所望信号の帯域よりも
広い周波数範囲に分布する。
【0021】周波数変換部3の出力信号は、低周波信号
処理部4に入力される。低周波信号処理部4は、不要な
周波数成分を抑圧し、所望信号をアナログ−ディジタル
変換器5が必要とする振幅に増幅する。このとき2次相
互変調歪みも増幅されて出力される。
【0022】低周波信号処理部4の出力は、アナログ−
ディジタル変換部5に入力されディジタル信号に変換さ
れる。
【0023】アナログディジタル変換部の出力は,ディ
ジタル信号処理部6に入力される。ディジタル信号処理
部6は、所望信号を復調し必要な伝送情報を復元すると
ともに、入力信号に含まれる所望信号帯域外に存在する
2次相互変調歪み成分を検出し、検出された2次相互変
調歪みの振幅に基き相互変調歪み制御信号を生成する。
相互変調歪制御信号は,周波数変換部3に入力され、
相互変調歪制御手段7によって周波数変換部3の相互変
調を制御する。すなわち、ディジタル信号処理部6にお
ける2次相互変調歪みが最も小さくなるように相互変調
歪制御信号を生成することによって、隣接チャネルの強
入力による感度劣化の少ない無線受信機を提供できる。
【0024】図2は図1に示したディジタル信号処理部
6のより具体的な構成を示す図である。ダイレクトコン
バージョン方式のように高周波の受信信号をベースバン
ド信号に変換し復調する方式では、ディジタル信号処理
部6には同相(Ιn Phase)入力と直交(Quo
darature phase)入力が入力される。こ
れらは独立した信号ではなく、同相入力と直交入力の両
方の信号で受信信号の振幅と位相の情報を表わすもので
ある。
【0025】ディジタル信号処理部6に入力された信号
は、それぞれ低域通過フィルタ8、9と単同調フィルタ
10、11に入力される。
【0026】低域通過フィルタ8、9は、所望波以外の
信号成分を抑圧する。受信側でロールオフまたはルート
ロールオフ特性のフィルタを必要とする場合は、図中の
低域通過フィルタ8、9はルートロールオフフィルタで
あってもよい。低域通過フィルタ8、9の出力は復調回
路12に入力される。復調回路12は、伝送情報をPC
M信号と通信制御信号とに復元し出力する。
【0027】一方、単同調フィルタ10、11は、符号
クロック周波数に同調するので、2次相互変調歪みのク
ロック成分を検出することができる。特にPHSでは物
理的な距離が近い基地局どうしは周波数軸上の隣接チャ
ネルを使用しないシステムなので、192kHzの符号
クロック周波数には信号は存在しない。このため効率よ
く2次相互変調歪みを検出できる。単同調フィルタ1
0、11をガードバンドに同調させて2次相互変調歪み
を検出することも可能である。
【0028】単同調フィルタ10、11によって検出さ
れた信号は、それぞれ制御信号生成手段13、14に入
力される。制御信号生成手段13、14は検出された2
次相互変調歪み成分に応じて相互変調歪制御信号を生成
する。相互変調歪制御信号は相互歪制御手段7にフィー
ドバックされる。
【0029】制御信号生成手段13、14は、相互変調
歪制御信号を加減して2次相互変調歪みが最も小さくな
る値に設定する。図3は制御信号生成手段13、14に
よる動作の一例を示すフローチャートである。
【0030】まず最初に、相互変調歪制御信号の値を最
大に設定する(ステップ301)。次に、単同調フィル
タ10、11の出力が規定値よりも大きいかどうかを判
断する(ステップ302)。規定値よりも大きいときに
は、単同調フィルタの出力の大きさを記録する(ステッ
プ303)と共に、相互変調歪制御信号の値を1ステッ
プ分小さくし(ステップ304)、これにより単同調フ
ィルタの出力がその前に記録した値よりも小さいかどう
かを判断する(ステップ305)。単同調フィルタの出
力がその前に記録した値よりも大きくなるまで以上の動
作を繰り返す(ステップ301〜305)。単同調フィ
ルタの出力がその前に記録した値よりも大きくなったと
き、相互変調歪制御信号の値を1ステップ分増加し(ス
テップ306)、これを2次相互変調歪みを最も小さく
する相互変調歪制御信号の値としている。なお、ステッ
プ301〜305において相互変調歪制御信号が最小値
となったとき(ステップ307)またはステップ302
において単同調フィルタの出力が規定値以下のときには
その値を2次相互変調歪みを最も小さくする相互変調歪
制御信号の値とみなしている。
【0031】図4は相互歪制御手段7及び周波数変換部
3のより具体的な構成を示す図である。周波数変換部3
は、Iチャネル、Qチャネルの高周波ミキサ15、16
とローカル発振器17、移送器18とを有し、相互歪制
御手段7は、D/A変換器19、20を有している。I
チャネル及びQチャネルの相互変調歪制御信号は、それ
ぞれD/A変換器19、20を介してミキサ15、16
に入力される。アナログ変換された相互変調歪制御信号
は、ミキサ15、16のパラメータを可変して2次相互
変調歪みを低減する。図5はミキサ15、16の具体的
な構成を示しており、2次相互変調歪みを低減するため
に可変なパレメータとしては、ローカル平衡入力部分の
位相21、負荷抵抗22の値、ミキサの差動対23、2
4のバイアス電圧等がある。
【0032】図6はディジタル信号処理部6における単
同調フィルタ10、11と制御信号生成手段13、14
の他の構成例を示す図である。日本のΡHSの様に時分
割多元接続方式の場合、所望信号も他のチャネルの信号
もバースト状である。このため相互変調もバースト状に
なる。受信するタイムスロットで発生する2次相互変調
のみが受信の妨げとなるのでこれを検出すればよい。そ
のため、図6に示すように、単同調フィルタ10、11
と制御信号発生手段13、14に動作・休止の指示を与
える動作・休止制御信号を入力すると共に、出力保持手
段25を備え、動作開始時に保持した値を初期値として
用いることで、速やかにフィードバック系を安定させる
ことができる。動作・休止制御信号は、装置全体の制御
を司る制御部(図示せず。)より入力すればよい。
【0033】また、2次相互変調の原因となる信号のレ
ベル変動が十分遅い場合は、バースト毎に相互変調歪み
を検出する必要はないので、例えば10バーストに1回
の検出でよい場合もある。このようなシステムでは、検
出部が休止している間は出力保持手段25の保持信号を
出力することで周波数変換部3を安定に動作させること
が可能となる。
【0034】図7はディジタル信号処理部6の他の構成
例を示す図である。送信信号はしばしば3次相互変調歪
みを含んだまま送信される。この3次相互変調歪みはク
ロック周波数付近にも分布している。したがって所望信
号が強い場合は送信側で発生した3次相互変調歪みが受
信側で発生する2次相互変調歪みより強くなることがあ
る。この場合、単同調フィルタ10、11で検出される
のは送信側で発生した歪みであり、この信号をもとに受
信機を制御するのは不適当である。ディジタル信号処理
部6がRSSI(受信信号強度検出手段)26を備え、
検出された信号振幅があらかじめ定められているレベル
より大きい場合は単同調フィルタ10、11や制御信号
発生手段13、14の動作を停止することによって送信
側で発生した歪みによって誤動作することを防ぐことが
できる。この場合は所望信号振幅が大きいので他のチャ
ネルの信号の2次歪みが発生したとしてもあまり影響し
ない。
【0035】図8はディジタル信号処理部6のさらに別
の構成例を示す図である。ディジタル信号処理部6の動
作クロックとして符号クロック周波数の整数倍の周波数
のクロック信号が入力される。各ディジタル回路は、こ
の動作クロックに基づいて動作するが、例えば低域通過
フィルタ8、9は1符号周期の間に8サンプル程度の信
号を扱うので符号クロック周波数の8倍の周波数のクロ
ックを供給する必要がある。一方、復調回路12は符号
クロック周波数で動作すればよい。したがってディジタ
ル信号処理部6の各回路ブロックが必要とするクロック
周波数が異なる。このため、分周回路27を用いて基準
となる動作クロック信号を分周し、各ブロックが必要と
するクロック信号を供給する。また、ディジタル信号を
伝送する通信機器は通信の制御のためにCPU28を備
えている。通信制御において重要な機能の一つに空きチ
ャネルの探索がある。あらかじめ規定された信号レベル
より受信信号レベルが小さい場合は使用可能な空きチャ
ネルであると判断される。しかしながら他のチャネルの
2次相互変調歪みが検出されると、受信機はそのチャネ
ルは使用中であると誤判定することが考えられる。本発
明では、これを防ぐために2次相互変調歪みを検出し、
2次歪みが少なくなるように周波数変換部を制御するの
であるが、クロック信号を検出するため、受信機内部に
クロック周波数で動作する部分があると、そのクロック
がアナログディジタル変換部5に漏れてしまい、検出精
度を劣化させることがある。これを防ぐため、分周回路
27の符号クロック周波数出力を停止させることによっ
て精度よく2次相互変調歪みを検出することができる。
このときRSSΙ26など所望信号の信号強度を測定す
る部分は動作する必要があるので、空きチャネル探索時
に動作する部分には符号クロックより高い周波数のクロ
ックを供給する必要がある。これによって確実な空きチ
ャネル探索が可能となる。また、特に微弱な信号を受信
する必要がある場合は、一時的に符号クロック周波数の
供給を停止させて相互変調歪制御信号を最適な値に設定
した後に、本来の受信、復調を行うことで微弱な信号も
相互変調の妨害を受けることなく受信することが可能と
なる。
【0036】図9は本発明の他の実施形態に係る受信機
の構成図である。周波数変換部に偶高調波周波数変換器
29、30を用いることによって、ダイレクトコンバー
ジョン受信機で問題となるローカル信号漏洩や、ローカ
ル信号の自己混合の問題を回避できることは、伊東、川
上らによる「ダイレクトコンバータ用偶高調波ミキサの
偶数次混合特性」(1995年電子情報通信学会総合大
会 講演番号C−9)に開示されている。また、トラン
ジスタ差動対を用いた偶高調波周波数変換器は、例えば
図10に示すように構成できる。すなわち、同図に変換
器では、入力端子151、入力端子152よりRF、入
力端子153より反転したRFを入力することで、出力
端子154より所望周波数信号を得ることができる。こ
れらの周波数変換器も、図5に示したものと同様に、入
力信号の振幅や位相、バイアスを制御することで2次相
互変調歪みを低減することが可能である。偶高調波周波
数変換器29、30は前述のとおりダイレクトコンバー
ジョン受信機に適した性質を有しているので、本発明の
2次相互変調歪み制御方法を適用することで歪みによる
感度劣化の少ないダイレクトコンバージョン受信機を実
現可能となる。
【0037】図11は本発明の他の実施形態に係る相互
変調歪み検出手段の構成を示す図である。受信機は符号
再生のために符号クロック発生回路(図示せず。)を有
している。このクロック信号は所望受信信号の符号クロ
ックと同期する。一方、相互変調歪みとして検出される
符号クロック成分は他のチャネルを使用している無線局
の符号クロックである。送信局が異なると符号クロック
周波数は誤差のために僅かに周波数がずれている。単同
調フィルタの出力は、受信機自信の発生する符号クロッ
クがアナログ部に漏洩して検出される信号と(クロック
Sとする)と相互変調歪みによって発生するクロック
(クロックIとする)が混合されたものとなっている。
これに受信機のクロックを乗算すると、クロックSは直
流に変換されるが、クロックIは誤差の周波数に変換さ
れる。両信号はフィルタによって分離可能となる。図1
1に示す相互変調歪み検出手段31では高域通過フィル
タ(HPF)33によってクロックIのみを取り出し制
御信号生成手段13、14に入力している。単同調フィ
ルタ10、11やクロック乗算回路32はアナログ回路
として実現することも可能であるが、ディジタル回路と
して実現すると、単同調フィルタ10、11の出力信号
の符号ビットをクロックに応じて反転させるだけで実現
でき、具体的には排他的論理和回路だけで実現可能であ
る。
【0038】図12は本発明のさらに別の実施形態に係
る相互変調歪み検出手段の構成図である。図11の相互
変調歪み検出手段31においては始めに単同調フィルタ
10、11によって符号クロック以外の信号成分を除去
したのであるが、乗算回路32の出力にフィルタが必要
なので周波数選択機能をこのバンドパスフィルタ(BP
F)34に集中させたものである。
【0039】以上の実施形態においては受信機の構成に
ついて説明してきたが、本発明はトランシーバ、例えば
PHS等にも当然適用可能である。図13は本発明をト
ランシーバに適用した例を示している。アンテナ35か
ら入力された信号は、高周波信号処理部36、周波数変
換部37の周波数変換器37a、低周波信号処理部3
8、アナログ−ディジタル変換部39を介してディジタ
ル信号処理部40に入力される。一方、ディジタル信号
処理部40の出力は、ディジタル−アナログ変換部4
1、低周波信号処理部42、周波数変換部37の変調器
37b、電力増幅器43を介してアンテナ35から無線
電波として出力される。周波数変換部37では、局部発
振器37cが周波数変換器37aおよび変調器37bに
局部発信信号を供給すると共に、相互変調歪制御手段3
7dが相互変調歪制御信号に基づき周波数変換器37a
における2次相互変調を制御している。ディジタル信号
処理部40は、例えば図2に示したような単同調フィル
タや制御信号生成手段を有し、相互変調歪制御手段37
dに相互変調歪制御信号を供給している。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
制御信号に応じて相互変調歪みを抑圧しつつ、振幅変調
を伴う高周波受信信号を低周波信号に変換する周波数変
換手段と、前記低周波信号をディジタル信号に変換する
アナログ−ディジタル変換手段と、前記ディジタル信号
に基づき情報を復元すると共に、前記ディジタル信号か
相互変調歪み成分を検出して前記制御信号を生成する
信号処理手段とを具備したので、試験信号発生手段を使
わずに周波数変換器における2次相互変調歪みを検出す
ることができ、これにより相互変調歪み特性に優れ、か
つ回路規模や消費電流の小さい受信機を提供することが
できる。また、周波数分割方式等のように信号を受信し
ない時間がない方式においても2次相互変調歪みを検出
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線受信機の構成を
示すブロック図である。
【図2】図1に示したディジタル信号処理部のより具体
的な構成を示す図である。
【図3】図2に示した制御信号生成手段による動作の一
例を示すフローチャートである。
【図4】図1に示した相互歪制御手段及び周波数変換部
のより具体的な構成を示す図である。
【図5】図4に示した高周波ミキサの具体的な構成を示
す図である。
【図6】図1に示したディジタル信号処理部における単
同調フィルタと制御信号生成手段の他の構成例を示す図
である。
【図7】図1に示したディジタル信号処理部の他の構成
例を示す図である。
【図8】図1に示したディジタル信号処理部のさらに別
の構成例を示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る受信機の構成図で
ある。
【図10】トランジスタ差動対を用いた偶高調波周波数
変換器の構成図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る相互変調歪み検
出手段の構成を示す図である。
【図12】本発明のさらに別の実施形態に係る相互変調
歪み検出手段の構成図である。
【図13】本発明をトランシーバに適用した例を示す図
である。
【図14】従来のクロック再生回路の構成を示すブロッ
ク図である。
【図15】計算機シミュレーションによって求めたπ/
4シフトQPSK信号の2次相互変調歪みのスペクトラ
ムを示す図である。
【図16】計算機シミュレーションによって求めた所望
信号のスペクトラムを示す図である。
【符号の説明】
1 受信アンテナ 2 高周波処理部 3 周波数変換部 4 低周波信号処理部 5 アナログ−ディジタル変換部 6 ディジタル信号処理部 7 相互変調歪制御手段 8、9 低域通過フィルタ 10、11 単同調フィルタ 12 復調回路 13、14 制御信号生成手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−8775(JP,A) 特開 平8−18469(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/26 H04B 1/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御信号に応じて相互変調歪みを抑圧しつ
    つ、振幅変調を伴う高周波受信信号を低周波信号に変換
    する周波数変換手段と; 前記低周波信号をディジタル信号に変換するアナログ−
    ディジタル変換手段と; 前記ディジタル信号に含まれるクロック周波数成分を検
    出する手段と、前記クロック周波数成分の振幅が小さく
    なるように前記制御信号を生成する手段とを備え、前記
    ディジタル信号に基づき情報を復元すると共に、前記デ
    ィジタル信号から相互変調歪み成分を検出して前記制御
    信号を生成する信号処理手段とを具備することを特徴と
    する受信機。
  2. 【請求項2】請求項1記載の受信機であって、前記信号
    処理手段が、前記制御信号を保持する制御信号保持手段
    をさらに具備し、前記制御信号保持手段が前記制御信号
    を保持しつつ、前記相互変調歪み成分の検出を間欠的に
    行うことを特徴とする受信機。
  3. 【請求項3】時分割多重方式の通信に用いられる請求項
    記載の受信機であって、前記信号処理手段が、受信中
    に相互変調歪み成分を検出して前記制御信号を生成して
    保持すると共に、受信スロットの終了後に保持した制御
    信号を更新することを特徴とする受信機。
  4. 【請求項4】請求項1記載の受信機であって、前記信号
    処理手段が、所望信号の振幅が所定の値より大きいとき
    は相互変調歪みの検出を停止することを特徴とする受信
    機。
  5. 【請求項5】信号処理部に供給される動作クロック周波
    数が符号クロック周波数の整数倍の請求項1記載の受信
    機であって、前記信号処理部が、クロック分周手段を備
    えると共に、相互変調歪み検出中はクロック分周手段の
    符号クロック周波数出力を停止することを特徴とする受
    信機。
  6. 【請求項6】請求項1記載の受信機であって、周波数変
    換手段が高調波ミキサを備えることを特徴とする受信
    機。
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