JP6541181B2 - クローラ走行装置 - Google Patents
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Description
このようなクローラ走行装置では、例えば柔らかい地面を走行したような場合に、クローラによって巻上げられた泥土が走行体フレームの上面に堆積しやすく、特に上部ローラの周囲は、該上部ローラを走行体フレーム体に支持せしめるための支持部材が泥土の排出の邪魔になって泥土が滞留しやすい。そして、該滞留した泥土が乾燥して上部ローラに固着することで上部ローラの回転が損なわれて、クローラとの摩擦により上部ローラが偏摩耗してしまうという問題があった。
そこで従来、上部ローラのローラ軸両端部を、側面視略冂字形状の左右一対の支持部材(支持受け体)を介して走行体フレームに支持せしめたものが提唱されている(例えば、特許文献1参照)。このものでは、支持部材が泥土の排出の妨げになることは殆ど無く、これにより上部ローラの周囲に泥土が滞留してしまうことを回避できるとともに、上部ローラの清掃をしやすいという利点がある。
一方、上部ローラの前側と後側とに土塊類侵入防止板を設け、該土塊類侵入防止板によって上部ローラと走行体フレームとの間に土塊類が侵入するのを防止するようにした技術(例えば、特許文献2参照。)や、走行体フレームの外側面にクローラカバーを取付け、該クローラカバーによってクローラの内側に多量の泥土が入り込まないようにした技術(例えば、特許文献3参照。)も知られている。
一方、前記特許文献2のものは、前後の土塊類侵入防止板が、上部ローラを支持するべく走行体フレームに溶接固着されたブラケットに一体形成されているため、前後の土塊類侵入防止板のあいだに泥土が滞留してしまったような場合に、土塊類侵入防止板を取り外して清掃することができず、清掃性に劣るうえ、土塊類侵入防止板を既存のクローラ走行装置に後付けすることはできない。しかもこのものでは、前後の土塊類侵入防止板の下端部と走行体フレームの上面とのあいだに小間隙しかなく、そのうえ上部ローラの左右はブラケットによって塞がれているため、前後の土塊類侵入防止板と左右のブラケットのあいだに泥土が滞留しやすいという問題もある。
また、前記特許文献3のものは、上部ローラ全体がクローラカバーの上縁部よりも上方に位置しているため、クローラによって巻上げられた泥土が上部ローラにかかってしまうことを防止できず、而して、前記特許文献1のものと同様に、上部ローラに泥土が固着して回転不良を招来してしまうという問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
請求項2の発明は、請求項1において、支持部材は、上部ローラのローラ軸の端部が取付けられるローラ取付部と、該ローラ取付部の前後両端部から垂下され、下端部が走行体フレームに固定される前後の脚片とを備えた左右一対の支持ステーにより構成されることを特徴とするクローラ走行装置である。
請求項3の発明は、請求項1または2において、ローラカバーは、ローラ軸をローラ取付部に取付けるための取付けボルトで共締めして支持部材に取付けたことを特徴とするクローラ走行装置である。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか一項において、ローラカバーの前後左右の面は、該前後左右の面の上縁部から上部ローラ側に向けて張り出す内フランジ部が一体形成されていることを特徴とするクローラ走行装置である。
請求項5の発明は、請求項4において、上部ローラのローラ体の左右両側部には、クローラの内周側のリンク部材に外嵌する太径部が形成される一方、ローラカバーの前後の面に形成された内フランジ部には、前記ローラ体の太径部に対向する部位に凹部が形成されていることを特徴とするクローラ走行装置である。
請求項6の発明は、請求項4または5において、ローラカバーの前後左右の面は、前後の面の内フランジ部が左右の面の内フランジ部の上側となる状態で組付けられていることを特徴とするクローラ走行装置である。
請求項7の発明は、請求項4乃至6の何れか一項において、上部ローラのローラ軸の左右端部には、ローラ軸を支持部材に取付けるための取付けボルトが貫通するボス部が設けられる一方、ローラカバーの左右の面に形成される内フランジ部は、前記ボス部に当接するとともに取付けボルトが挿通される貫通孔を有することを特徴とするクローラ走行装置である。
請求項8の発明は、走行体フレームの前後端部に設けられる遊動輪と駆動輪とのあいだにクローラを懸回してなるクローラ走行装置において、前記クローラの反接地側の移送ガイドをする上部ローラを、ローラ軸の左右端部が取付けられるローラ取付部を有した支持部材を介して走行体フレームに支持せしめる一方、該支持部材に上部ローラの周囲を覆うローラカバーを取付けるにあたり、ローラカバーは、上部ローラの前後左右を覆う前後左右の面を有した四角形状をしているとともに、該ローラカバーの四隅部に補強部を設けたことを特徴とするクローラ走行装置である。
請求項9の発明は、請求項8において、ローラカバーの左前側隅部の補強部と右前側隅部の補強部とのあいだ、および左後側隅部の補強部と右後側隅部の補強部とのあいだに補強板を懸架したことを特徴とするクローラ走行装置である。
請求項10の発明は、請求項9において、上部ローラのローラ体の左右両側部には、クローラの内周側のリンク部材に外嵌する太径部が形成される一方、補強板は、ローラカバーの前後の面から上部ローラ側に向けて張り出すように設けられるとともに、上記ローラ体の太径部に対向する部位に凹部が形成されていることを特徴とするクローラ走行装置である。
請求項11の発明は、請求項9または10において、補強板の高さ位置は、上部ローラの軸心位置と同レベル位置となるように設定されていることを特徴とするクローラ走行装置である。
請求項12の発明は、請求項8乃至11の何れか一項において、上部ローラのローラ軸の左右端部には、ローラ軸を支持部材に取付けるための取付けボルトが貫通するボス部が設けられる一方、ローラカバーの左右の面には、該左右の面の上縁部から上部ローラ側に向けて張り出す内フランジ部が一体形成され、該内フランジ部は、前記ボス部に当接するとともに取付けボルトが挿通される貫通孔を有することを特徴とするクローラ走行装置である。
請求項2の発明とすることにより、支持部材の周囲に泥土が滞留してしまうことを確実に低減できる。
請求項3の発明とすることにより、ローラカバーを取付けるための専用の取付け部材やボルトが不要で、コストの低減に寄与できるうえ、ローラカバーの取付け作業を上部ローラの取付け作業と同時に行えることになって、作業効率の向上に貢献できる。しかも、既存のクローラ走行装置に後付け的にローラカバーを取付けることも簡単にできるうえ、清掃等のメンテナンス時には支持部材から容易に取外すことができて、メンテナンス性にも優れる。
請求項4の発明とすることにより、上方からの泥土が上部ローラにかかってしまうことや、ローラカバーの内側に泥土が入り込んでしまうことを防止できる。
請求項5の発明とすることにより、前後の面の内フランジ部と上部ローラとの間隙をなるべく小さくするべく内フランジ部の先端側を上部ローラに近接させても、該内フランジ部がローラ体の太径部に干渉してしまうことを回避できる。
請求項6の発明とすることにより、クローラ走行装置の走行中に走行方向に沿って流れる泥土は、上側になっている前後の面の内フランジ部にガイドされる状態で後方あるいは前方に流れることになって、前後の面の内フランジ部と左右の面の内フランジ部との接合部分に泥土が詰まってしまうことを確実に軽減できる。
請求項7の発明とすることにより、取付けボルトで共締めするローラカバーの取付けを、簡単に行うことができる。
請求項8の発明とすることにより、ローラカバーの四隅部の強化が図れて、泥土の荷重を受けても、前後左右の面同士を溶接する溶接部に無理な応力がかかってしまうことなく、強固な構造のローラカバーとすることができる。
請求項9の発明とすることにより、クローラ走行装置の走行中に走行方向に沿って流れる泥土の荷重を補強板で受け止めることができることになって、より強固な構造のローラカバーとすることができる。
請求項10の発明とすることにより、ローラカバーの内側に泥土が入り込んでしまうことを防止できるとともに、補強板と上部ローラとの間隙をなるべく小さくするべく補強板の前後内方側縁部を上部ローラに近接させても、該内フランジ部がローラ体の太径部に干渉してしまうことを回避できる。
請求項11の発明とすることにより、補強板が泥土の荷重等により仮に曲がったとしても、該曲がった補強板が上部ローラに干渉してしまうことを確実に回避できる。
請求項12の発明とすることにより、取付けボルトで共締めするローラカバーの取付けを、簡単に行うことができる。
そして、前記ローラカバー15を取付けた状態で、コーナー補強部15hは、上部ローラ10のボス部10eの左右外方に位置しているとともに、該コーナー補強部15hの下面が支持部材11のローラ取付部11aの上面に当接するように寸法設定されており(図9(A)参照)、これにより、ローラカバー15をより安定した状態で支持部材11に取り付けできるようになっている。
2 トラックフレーム
6 遊動輪
7 駆動輪
8 クローラ
8a リンク部材
10 上部ローラ
10a ローラ軸
10b ローラ体
10c 太径部
11 支持部材
11L、11R 左右の支持ステー
11a ローラ取付部
11b 脚片
12 取付けボルト
13 ローラカバー
13a〜13d 前後左右の面
13e〜13h 内フランジ部
13i 貫通孔
13k 凹部
14 ローラカバー
14a〜14d 前後左右の面
14e〜14h 内フランジ部
14k 凹部
15 ローラカバー
15a〜15d 前後左右の面
15e、15f 内フランジ部
15g 貫通孔
15h コーナー補強部
15i 補強板
15k 凹部
Claims (12)
- 走行体フレームの前後端部に設けられる遊動輪と駆動輪とのあいだにクローラを懸回してなるクローラ走行装置において、前記クローラの反接地側の移送ガイドをする上部ローラを、ローラ軸の左右端部が取付けられるローラ取付部を有した支持部材を介して走行体フレームに支持せしめる一方、該支持部材に上部ローラの周囲を覆うローラカバーを取付けるにあたり、ローラカバーは、上部ローラの前後左右を覆う前後左右の面を有するとともに、これら前後左右の面は、上端部が上部ローラのローラ軸の上端部よりも高位で、下端部が上部ローラのローラ体の下端部よりも低位で且つ走行体フレームの上面とのあいだに間隙を存するように設定されていることを特徴とするクローラ走行装置。
- 請求項1において、支持部材は、上部ローラのローラ軸の端部が取付けられるローラ取付部と、該ローラ取付部の前後両端部から垂下され、下端部が走行体フレームに固定される前後の脚片とを備えた左右一対の支持ステーにより構成されることを特徴とするクローラ走行装置。
- 請求項1または2において、ローラカバーは、ローラ軸をローラ取付部に取付けるための取付けボルトで共締めして支持部材に取付けたことを特徴とするクローラ走行装置。
- 請求項1乃至3の何れか一項において、ローラカバーの前後左右の面は、該前後左右の面の上縁部から上部ローラ側に向けて張り出す内フランジ部が一体形成されていることを特徴とするクローラ走行装置。
- 請求項4において、上部ローラのローラ体の左右両側部には、クローラの内周側のリンク部材に外嵌する太径部が形成される一方、ローラカバーの前後の面に形成された内フランジ部には、前記ローラ体の太径部に対向する部位に凹部が形成されていることを特徴とするクローラ走行装置。
- 請求項4または5において、ローラカバーの前後左右の面は、前後の面の内フランジ部が左右の面の内フランジ部の上側となる状態で組付けられていることを特徴とするクローラ走行装置。
- 請求項4乃至6の何れか一項において、上部ローラのローラ軸の左右端部には、ローラ軸を支持部材に取付けるための取付けボルトが貫通するボス部が設けられる一方、ローラカバーの左右の面に形成される内フランジ部は、前記ボス部に当接するとともに取付けボルトが挿通される貫通孔を有することを特徴とするクローラ走行装置。
- 走行体フレームの前後端部に設けられる遊動輪と駆動輪とのあいだにクローラを懸回してなるクローラ走行装置において、前記クローラの反接地側の移送ガイドをする上部ローラを、ローラ軸の左右端部が取付けられるローラ取付部を有した支持部材を介して走行体フレームに支持せしめる一方、該支持部材に上部ローラの周囲を覆うローラカバーを取付けるにあたり、ローラカバーは、上部ローラの前後左右を覆う前後左右の面を有した四角形状をしているとともに、該ローラカバーの四隅部に補強部を設けたことを特徴とするクローラ走行装置。
- 請求項8において、ローラカバーの左前側隅部の補強部と右前側隅部の補強部とのあいだ、および左後側隅部の補強部と右後側隅部の補強部とのあいだに補強板を懸架したことを特徴とするクローラ走行装置。
- 請求項9において、上部ローラのローラ体の左右両側部には、クローラの内周側のリンク部材に外嵌する太径部が形成される一方、補強板は、ローラカバーの前後の面から上部ローラ側に向けて張り出すように設けられるとともに、上記ローラ体の太径部に対向する部位に凹部が形成されていることを特徴とするクローラ走行装置。
- 請求項9または10において、補強板の高さ位置は、上部ローラの軸心位置と同レベル位置となるように設定されていることを特徴とするクローラ走行装置。
- 請求項8乃至11の何れか一項において、上部ローラのローラ軸の左右端部には、ローラ軸を支持部材に取付けるための取付けボルトが貫通するボス部が設けられる一方、ローラカバーの左右の面には、該左右の面の上縁部から上部ローラ側に向けて張り出す内フランジ部が一体形成され、該内フランジ部は、前記ボス部に当接するとともに取付けボルトが挿通される貫通孔を有することを特徴とするクローラ走行装置。
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