JP3917356B2 - クローラ式走行装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばバックホー等の建設機械等の車両の走行部に採用されるクローラ式走行装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バックホーに採用されるクローラ式走行装置にあっては、上部旋回体を上下方向の軸心廻りに旋回自在に支持するトラックフレームを有する。
このトラックフレームは、上部旋回体を載せる中央部のセンターフレームと、このセンターフレームの左右両側に固定されたサイドフレームとから主構成されている。
左右各サイドフレームには、後部に配置される駆動スプロケットと、前部に配置されるアイドラと、これら駆動スプロケットとアイドラとの間に配置される複数の転輪等とが回転自在に支持されていると共に、これら駆動スプロケット、アイドラ、転輪等に亘ってクローラベルトが巻き掛けられており、駆動スプロケットを油圧モータによって回転駆動させて、クローラベルトを循環回走させることで、前後進するように構成されている。
【0003】
また、センターフレームの、上部旋回体を載せる中央部分とサイドフレームとは、センターフレームの左右両側部分の脚部を構成する板材によって連結されている。
また、センターフレームの中央部分はサイドフレームよりも高く形成され、このセンターフレームの中央部分上部とサイドフレームの上部とを連結する板材は、左右方向外方に向かうにしたがって下方に移行する傾斜状に形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のものにあっては、クローラベルトはサイドフレームを外囲いするように巻き掛けられ、センターフレームの中央部分上部とサイドフレームの上部とを連結する板材は、サイドフレームの上面の左右方向内方側に重合されて溶接等によって固定されており、前進時等にクローラベルトによって掻き上げられた土が、この板材とクローラベルトとの間の後端側に詰まり、それが固まると、容易にはとれないという問題がある。
【0005】
本発明は、前記問題点に鑑みて、前記部分の土はけをよくすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明が技術的課題を解決するために講じた技術的手段は、センターフレームと該センターフレームの左右両側に配置されたサイドフレームとから主構成されたトラックフレームを備え、左右各サイドフレームの、前端側にアイドラを、後端側に駆動輪を、前後方向中途部に転輪をそれぞれ支持すると共に駆動輪とアイドラと転輪とに亘ってクローラベルトを巻き掛けてなるクローラ式走行装置であって、
センターフレームは上フレーム部材と下フレーム部材とこれらを連結する縦壁とを備えてなり、サイドフレームは、上フレーム部材及び下フレーム部材の左右方向の端部側に連結されていて転輪を支持するメインフレームと、このメインフレームの後端側に設けられていて駆動輪を駆動するモータを支持するモータ保持部とを備え、センターフレームの上フレーム部材の中央部分はサイドフレームよりも高い位置に位置しており、該上フレーム部材の左右両側部分は、該上フレーム部材の中央部分からサイドフレームにかけて設けられ且つ左右方向外方に向かうに従って下方に移行する傾斜状とされているクローラ式走行装置において、
前記サイドフレームのメインフレームは、左右方向外方に向かうに従って下方に移行する傾斜状に形成された上壁と、この上壁の左右方向内端側から下方に延びる内壁と、上壁の左右方向外端側から下方に延びる外壁と、これら上壁及び内外壁の後端部に設けられた後壁とを備え、
センターフレームの上フレーム部材の左右両側部分の左右方向の端部側は、サイドフレームのメインフレームの上壁上面の左右方向内方側に重合されて固着され、センターフレームの下フレーム部材の左右方向外端側は、サイドフレームのメインフレーム内壁下部に接合され、
サイドフレームの後部側に、メインフレームの左右方向内方側において該メインフレームの後壁と前後方向に間隔をおいて対向配置された補強板を設け、この補強板を、上フレーム部材の後端部と、メインフレームの内壁と、下フレーム部材の上面と、上下フレーム部材の後端側を連結する後縦壁の左右方向外端側の端部とに接合し、
前記補強板とメインフレームの後壁との間に、これらを連結するように設けられ且つ上部壁と該上部壁の左右方向内端側から下方に延設されていて下フレーム部材に接合された側壁部とから構成された排土板を設け、この排土板の上部壁の左右方向外方側部分はメインフレームの上壁内方側に重合されて固着され、該排土板の上部壁の左右方向内方側部分はメインフレームの上壁の左右方向内端側から左右方向内方に向かうにしたがって下方に移行する傾斜状とされた土排除部とされていることを特徴とする。
【0007】
また、メインフレームの上壁の左右方向内方側は該上壁の左右方向外方側に比べて緩傾斜とされていてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図2において、1は旋回作業機として例示するバックホーであり、該バックホー1は上部の旋回体2(機体)と、下部の走行装置3とから主構成されており、旋回台6が上下軸廻りに旋回しても、該旋回台6の後面側が走行装置3の左右幅外にはみ出さないように、旋回台6の後面側を平面視弧状に構成した小型の後方小旋回バックホーと称されるものである。
【0009】
なお、バックホー1の走行方向(図2の左右方向)を前後方向といい、この前後方向に直交する横方向(図2の紙面貫通方向)を左右方向という。
旋回体2は、走行装置3上に上下方向の旋回軸心回りに旋回自在に支持された旋回台6と、旋回台6の前部に設けられた作業装置(掘削装置)7と、旋回台6に設けられた運転席8と、エンジン、燃料タンク、油圧ポンプ、作動油タンク,コントロールバルブ、ラジエータ、オイルクーラ、リザーブタンク、バッテリー等の旋回台6に搭載された各種機器等とを備えて構成されている。
【0010】
旋回台6は、走行装置3上に軸受体21を介して上下軸廻りに旋回自在に支持された旋回基板22を備えると共にこの旋回基板22上に補強部材や、各種機器等を取付固定するための取付部材等を固定してなる旋回フレームと、この旋回フレームの後部に取付固定されていて旋回台6前部の作業装置7等に対する重量バランスを図ると共に旋回台6の後部を構成するカウンタウエイト20とから主構成されており、旋回フレームの左右側面、前面及び上面の運転席前方側等は適宜カバー体23等によって覆われている。
【0011】
なお、旋回フレーム上面側の、後部及び右側部はボンネットによって覆われている。
旋回基板22の前部には、旋回台6から前方突出状に上下一対の支持ブラケット26が設けられ、この支持ブラケット26には、揺動ブラケット27が上下軸廻りに左右揺動自在に支持されている。
この揺動ブラケット27に横軸廻りに揺動自在自在に支持されたブーム28と、このブーム28の先端側に横軸廻りに揺動自在に支持されたアーム29と、このアーム29の先端側にスクイ・ダンプ動作可能に取り付けられたバケット30とから前記作業装置7が主構成されており、これらブーム28、アーム29、バケット30は、それぞれ油圧シリンダからなるブームシリンダ31、アームシリンダ32、バケットシリンダ33によって作動可能とされている。
【0012】
なお、本実施の形態のバックホー1は、旋回体2の後端が描く旋回軌跡が走行装置3の左右幅及び前後幅からはみでないように構成された、所謂後方小旋回タイプとされているが、旋回体2の前端部に掘削装置7を備え、且つ旋回体2の後端が描く旋回軌跡が走行装置の左右幅及び前後幅から突出する標準的なバックホーであってよいし、旋回体2上の運転席8の側方に掘削装置7のブームの上下揺動軸心を備えた所謂超小旋回型のバックホーとしてもよい。
走行装置3は、トラックフレーム9の左右両側に、後部に配置された駆動輪10、前部に配置されたアイドラ11(遊転輪)、これら駆動輪10とアイドラ11との間に配置された複数個の転輪12及びキャリアローラ18を回転自在に支持すると共に、これら駆動輪10、アイドラ11キャリアローラ18及び転輪12にゴム製又は鉄製の無端ベルト状のクローラベルト4を巻き掛け、駆動輪10を油圧モータM等で駆動してクローラベルト4を循環回走させるように構成したクローラ走行装置が採用されており、走行装置3の前部にはドーザ5が備えられている。
【0013】
前記トラックフレーム9は、図3及び図4に示すように、大別して、センタフレーム13と、このセンタフレーム13の左右両側に配置されたサイドフレーム14とを備えて構成されている。
センタフレーム13は、上フレーム部材15と、下フレーム部材16と、この上下フレーム部材15,16の対向内面間に立設されていて、その上下端縁が上下フレーム部材15,16に固着される複数枚の縦壁17A,17B,17Cとを有する。これら上下フレーム部材15、16及び縦壁17A,17B,17Cは鉄板又は鋼板等で形成されている。
【0014】
前記縦壁17A,17B,17Cは、左右の側縦壁17Aと、後縦壁17Bと、前縦壁17Cとからなる。
すなわち、センターフレーム13の主要部は、上下フレーム部材15,16を縦壁17A,17B,17Cによって連結した立体構造物を構成し、縦壁17A,17B,17Cは上下フレーム部材15,16のリブとしての役割を担うものとなっている。
センターフレーム13は、その主要部の中央部が平面視略矩形状に形成されていて、その上面に軸受体21を介して旋回体3を回転自在に支持するとともに、その前部にドーザ5を支持する。
【0015】
具体的には、センターフレーム13の中央部における上フレーム部材15には、上下方向に貫通する円形の開口13Cが形成されるとともに、この開口13Cの周りに、軸受体21を取り付けるためのボルト孔が多数形成され、この部分が軸受体21の受け部Aを構成している。
また、センタフレーム13の中央部の前部には、左右方向中央部に支持ブラケット43が左右一対設けられていると共に、この支持ブラケット43の左右両側にも支持ブラケット42が左右一対づつ設けられている。
【0016】
中央部の支持ブラケット43には、ドーザ5を昇降するドーザシリンダ19の後端側が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支されており、左右の支持ブラケット42には、ドーザ5の揺動フレーム24を構成する左右の支持アーム71の後端側が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支されている。
図3、図13、図14及び図15に示すように、ドーザ5は、ブレード74と、前部にブレード74が固定された揺動フレーム24とから主構成され、揺動フレーム24は、左右一対の支持アーム71と、左右支持アーム71を連結するパイプ材等からなる連結部材72と、ブレード74と支持アーム71とを連結する補強部材73とを備えている。
【0017】
左右の支持アーム71の前端はブレード74に溶接等によって固定され、連結部材72の左右両端部は、補強板75を介して左右の支持アーム71に連結されている。
補強板75は支持アーム71の左右方向内側面に溶接等によって固定され、この補強板75に連結部材72の端部が溶接等によって固定されている。
この補強板75の前側上下部分79及び後側上下部分80は、ブレード74等からの荷重によって応力が大となるので、この応力を分散させるために、補強板75の前後部に開口77,78が形成されている。
【0018】
この開口77,78はドーザ5の軽量化の役目も果たしている。
前記センターフレーム13の左右両側部には、中央部から左右方向外方へ突出して左右サイドフレーム14に連結される左右の脚部C1,C2を有している。なお、前記下フレーム部材16は、センターフレーム13の中央部から脚部C1,C2に亘って1枚の板材で形成されていて、該下フレーム部材16の左右両側部分で脚部C1,C2の下面を構成しており、これに対して、上フレーム部材15は、軸受体受け部Aが形成される中央部分15Aと、脚部C1,C2の上面を構成する板材からなる上部壁15Bとが別部材として形成され、それを溶接等で固着して一体としている。
【0019】
センターフレーム13の中央部はサイドフレーム14よりも高い位置に位置しており、前記脚部C1,C2は、図1、図4及び図8に示すように、左右方向外方に向かうにしたがって下方に移行する傾斜状に形成され、脚部C1,C2上面を構成する上部壁15Bは、左右方向内方側が比較的急傾斜で、左右方向外方側が比較的緩傾斜に形成されており、したがって、センタフレーム13は中央部が最も高く、該中央部から脚部C1,C2の先端に行くに従って低くなるように構成されている。
【0020】
但し、上下フレーム部材15、16共に1枚板で形成したり、下フレーム部材16の脚部C1,C2構成部分を別部材で形成したりしてもよい。
左右のサイドフレーム14は、図3に示すように、センターフレーム13の側方に配置されて脚部C1,C2に連結された前後方向に長いメインフレーム35と、このメインフレーム35の後端側に設けられたモータ保持部36と、メインフレーム35の前端側に設けられたアイドラ保持部34とを備えて主構成されている。
【0021】
メインフレーム35は、図1及び図8に示すように、上壁82と、この上壁82の左右方向内端側から下方に延びる内壁83と、上壁82の左右方向外端側から下方に延びる外壁84とを備えて主構成されている。
上壁82は左右方向外方に向かうにしたがって下方に移行する傾斜状に形成され、上壁82の内方側82aは比較的緩傾斜とされ、外方側82bは内方側に比べて比較的急傾斜とされており、前記脚部C1,C2上面を構成する上部壁15B(板材)は、メインフレーム35の上壁82の内方側82aに重合されて溶接等によって固着されている。
【0022】
メインフレーム35の、内外壁83,84間の下部に、前記転輪12が前後に間隔をおいて配置されていて、左右方向の軸心廻りに回動自在に支持されている。
キャリアローラ18は、メインフレーム35の上壁82に左右方向の軸心廻りに回動自在に支持されている。
メインフレーム35の前端部には前壁37が、後端部には後壁38がそれぞれ固定されており、前壁37にはアイドラ保持部34が固定され、後壁38にはモータ保持部36が固定されている。
【0023】
アイドラ保持部34は、図3、図4、図9及び図10に示すように、上壁39と、上壁39の左右両側から下方に延びる左右の側壁40とを備えて主構成されている。
上壁39は、左右方向内側39aが、左右方向中央部から左右方向内方に向かうにしてがって下方に傾斜する傾斜状に形成され、且つ左右方向外側39bが左右方向中央部から左右方向外方に向かうにしたがって下方に移行する傾斜状に形成されていて、正面視山形状に形成されている。
【0024】
この上壁39には、アイドラ11との干渉を避けるために、前方開放状で平面視U字形の切欠溝41が形成されており、この切欠溝41の内側には、平面視U字形の補強板39が設けられている。
また、左右各側壁40の対向面側の上部には、左右一対の支持壁46が固定され、この支持壁46上に補強板39が固定されている。
また、左右側壁40間の下部にも支持壁47が固定され、この支持壁47にも前記U字形の切欠溝41に対応する平面視U字形の切欠溝48が形成されている。
【0025】
また、左右側壁40間の下部には、支持壁47の下方に位置する平面視U字形の補強部材49が設けられている。
前記上下の支持壁46,47間には、ヨーク50が前後方向摺動自在に支持されており、このヨーク50の前部にアイドラ11が左右方向の支軸51を介して回転自在に取り付けられている。
ヨーク50は、図11及び図12に示すように、左右一対のブラケット52と、この左右のブラケット52の後端側を連結する連結プレート53とから主構成されており、ブラケット52は連結プレート53にボルトによって着脱自在に固定されている。
【0026】
また、左右各ブラケット52の前部には支軸51を支持する軸受部55が形成されており、左右各ブラケット52の前後には、上下の支持壁46,47に摺接する摺動部54が形成されている。
また、連結プレート53には、アイドラ11と補強板45との間の隙間から泥が侵入するのを防止する泥侵入防止プレート56が鋳造等によって一体形成されている。
この泥侵入防止プレート56とアイドラ11との間の隙間はできるだけ狭い方がよいが、泥侵入防止プレート56を連結プレート53と別個に形成し、連結プレート53にボルトによって取付固定するようにすると、泥侵入防止プレート56とアイドラ11との間の隙間をあまり狭くすることができなく、この隙間に石がかむと、走行抵抗が大となり、走行不能となる場合がある。
【0027】
そこで、泥侵入防止プレート56を連結プレート53に一体形成することで、泥侵入防止プレート56とアイドラ11との間の隙間を極力狭くすることができ、泥侵入防止プレート56とアイドラ11との間の隙間に石がかむのを防止することができる。
なお、前壁37には、ヨーク50及び泥侵入防止プレート56が通過可能な開口58が形成され、前記支持壁47はこの開口58を介して、メインフレーム35の左右の内外壁83,84間の前部に延設されている。
【0028】
左右各メインフレーム35の前部には、クローラベルト4にテンションを与えるため及びそのテンションを調整するために、図10に示すテンション装置57が収納されている。
このテンション装置57は、ヨーク50の後方に配置されて該ヨーク50を押動するグリスシリンダ59と、このグリスシリンダ59の後方に配置されて該グリスシリンダ59をバックアップしてアイドラ11をクローラベルト4の張り方向に付勢する圧縮ダンパ60とを備えて主構成されている。
【0029】
図3に示すように、モータ保持部36は、メインフレーム35よりも左右方向内方寄りに配置され、メインフレーム35の後壁38に固定されている。
このモータ保持部36には駆動輪10を駆動する油圧モータMが左右方向外方突出状に保持され、この突出部分に駆動輪10が取付固定されており、クローラベルト4は、サイドフレーム14を外囲いするように、駆動輪10,アイドラ11、転輪12及びキャリアローラ18に巻回されている。
駆動輪10は、油圧モータMによって正逆転自在に回転駆動され、図2において、駆動輪10の反時計回りの回転によりクローラベルト4が反時計回りに循環回走してバックホー1が前進し、駆動輪10の時計回りの回転によりクローラベルト4が時計回りに循環回走してバックホー1が後進する。
【0030】
図1、図3、図5〜図7に示すように、サイドフレーム14の後部側には、メインフレーム35の左右方向内側方において後壁38と前後方向に間隔をおいて対向配置された補強板61が設けられている。
この補強板61はメインフレーム35の内壁83、後縦壁17Bの後端部、脚部C1、C2上面を構成する上部壁15Bの後端部及びフレーム部材16の上面等に溶接等によって固定されている。
この補強板61と後壁38との間には、前進時等において、クローラベルト4によって掻き上げられた土が、トラックフレーム9のクローラベルト4の巻き掛け部分の上面後部側(トラックフレーム9側部の、クローラベルト4内周面に対向する上面の駆動輪10取付け側)に詰まらないように排除する排土板62が設けられている。
【0031】
この排土板62は、上部壁64と、この上部壁64の左右方向内端側の縁部から下方に延設された側壁部65とから構成されている。
上部壁64は、正面視山形に形成されていて、頂部から左右方向外方側の外側部分64aは、左右方向外方に向かうにしてがって下方に移行する傾斜状に形成され、頂部から左右方向内方側の内側部分64bは、左右方向内方に向かうにしてがって下方に移行する傾斜状に形成されている。
上部壁64の外側部分64aはメインフレーム35の上壁82の内方側82a上面に重合されて溶接等によって固定されている。
【0032】
また、上部壁64の内側部分64bは、クローラベルト4によって掻き上げられた土を左右方向内方側へと排除する土排除部とされており、前記補強板61及び後壁38に溶接等によって固定されている。
なお、側壁部65は、補強板61、後壁38及び下フレーム部材16に溶接等によって固定されている。
もし、排土板62を設けた部分も脚部C1、C2上面を構成する上部壁15Bで構成されていると、図16に示すように、該部分の、クローラベルト4内周面と上部壁15Bとの間の間隔が左右方向内方に向かうにしたがって狭くなって土の排除性が悪く、この部分にクローラベルト4で掻き上げられた土63が詰まり、それが固まると容易には取れないという問題が生じるが、排土板62を設けていると、その土排除部64bによってクローラベルト4で掻き上げられた土が良好に排除され、土がつまるのが防止されるのである。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、トラックフレームのクローラベルト巻き掛け部分の上面後部側と、クローラベルトとの間の土はけがよくなり、この部分の土つまりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図6のA−A線矢示断面図である。
【図2】バックホーの全体側面図である。
【図3】走行装置等の平面図である。
【図4】トラックフレームの正面図である。
【図5】トラックフレームの後部側の側面図である。
【図6】トラックフレームの後部側の平面図である。
【図7】排土板の平面図である。
【図8】図6のB−B線矢示断面図である。
【図9】アイドラ保持部の正面図である。
【図10】サイドフレーム前部の側面断面図である。
【図11】アイドラ及びヨーク等の平面一部断面図である。
【図12】アイドラ及びヨーク等の側面図である。
【図13】ドーザの平面図である。
【図14】ドーザの側面図である。
【図15】図13のC−C線矢示断面図である。
【図16】比較例に係るトラックフレームの背面断面図である。
【符号の説明】
4 クローラベルト
9 トラックフレーム
10 駆動輪
11 アイドラ
12 転輪
64b 土排除部

Claims (2)

  1. センターフレームと該センターフレームの左右両側に配置されたサイドフレームとから主構成されたトラックフレームを備え、左右各サイドフレームの、前端側にアイドラを、後端側に駆動輪を、前後方向中途部に転輪をそれぞれ支持すると共に駆動輪とアイドラと転輪とに亘ってクローラベルトを巻き掛けてなるクローラ式走行装置であって、
    センターフレームは上フレーム部材と下フレーム部材とこれらを連結する縦壁とを備えてなり、サイドフレームは、上フレーム部材及び下フレーム部材の左右方向の端部側に連結されていて転輪を支持するメインフレームと、このメインフレームの後端側に設けられていて駆動輪を駆動するモータを支持するモータ保持部とを備え、センターフレームの上フレーム部材の中央部分はサイドフレームよりも高い位置に位置しており、該上フレーム部材の左右両側部分は、該上フレーム部材の中央部分からサイドフレームにかけて設けられ且つ左右方向外方に向かうに従って下方に移行する傾斜状とされているクローラ式走行装置において、
    前記サイドフレームのメインフレームは、左右方向外方に向かうに従って下方に移行する傾斜状に形成された上壁と、この上壁の左右方向内端側から下方に延びる内壁と、上壁の左右方向外端側から下方に延びる外壁と、これら上壁及び内外壁の後端部に設けられた後壁とを備え、
    センターフレームの上フレーム部材の左右両側部分の左右方向の端部側は、サイドフレームのメインフレームの上壁上面の左右方向内方側に重合されて固着され、センターフレームの下フレーム部材の左右方向外端側は、サイドフレームのメインフレーム内壁下部に接合され、
    サイドフレームの後部側に、メインフレームの左右方向内方側において該メインフレームの後壁と前後方向に間隔をおいて対向配置された補強板を設け、この補強板を、上フレーム部材の後端部と、メインフレームの内壁と、下フレーム部材の上面と、上下フレーム部材の後端側を連結する後縦壁の左右方向外端側の端部とに接合し、
    前記補強板とメインフレームの後壁との間に、これらを連結するように設けられ且つ上部壁と該上部壁の左右方向内端側から下方に延設されていて下フレーム部材に接合された側壁部とから構成された排土板を設け、この排土板の上部壁の左右方向外方側部分はメインフレームの上壁内方側に重合されて固着され、該排土板の上部壁の左右方向内方側部分はメインフレームの上壁の左右方向内端側から左右方向内方に向かうにしたがって下方に移行する傾斜状とされた土排除部とされていることを特徴とするクローラ式走行装置。
  2. メインフレームの上壁の左右方向内方側は該上壁の左右方向外方側に比べて緩傾斜とされていることを特徴とする請求項1に記載のクローラ式走行装置。
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