JP6540937B2 - 小便器 - Google Patents
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Description
しかしながら、洗浄水量を低減しようとする場合には、排水用配管を洗浄する洗浄水量が低減されることから、排水用配管内の洗浄が不十分となる可能性があり、尿石が生じやすくなるという問題があった。
すなわち、特許文献1に示されているように、設備保護洗浄時に瞬間流量を大きくした洗浄水を流すのみでは、尿の濃度の高い尿混じり洗浄水が横引配管内の上流側へ逆流したまま残存してしまい尿石が発生するといった問題が生じる。
また、特許文献2に示されているような横引配管内に残される残存尿を洗浄するための第二洗浄モードにおいては、洗浄水量を低減する場合には、横引配管内の上流側の洗浄が依然として不十分となるという問題があり、また、第二洗浄モードにおいて、洗浄水量又は流量を調整して、尿混じり洗浄水と空気との境界部分である喫水面を洗浄することは想定されていないことから、横引配管内の喫水面についても十分に洗浄できないという問題が生じている。
したがって、節水化により洗浄水量が低減されたとしても、横引配管内において、尿が上流側へ逆流することによる尿石の発生を抑制し、且つ、喫水面付近での尿石発生を抑制する必要が生じている。
このように構成された本発明においては、排水トラップ部内の尿を排出する本洗浄モードにおいて、排水横枝管内の前記小便器排水管が接続された接続部より上流側まで尿が逆流されて残存してしまう場合においても、本洗浄モードが実行された後、一部の洗浄水が排水横枝管内を小便器排水管が接続された接続部より上流側を洗浄する第一設備洗浄モードと、第一設備洗浄モードが実行された後から、第一設備洗浄モードにより接続部よりも上流側を洗浄した洗浄水が接続部よりも下流側に流下すると想定される所定時間を経過した後、一部の洗浄水が接続部よりも上流側を洗浄する第二設備洗浄モードと、により2回の洗浄を行うことができる。この第一設備洗浄モードと第二設備洗浄モードのサイクルを繰り返し行っても良い。また、第一設備洗浄モードと第二設備洗浄モードとのうち少なくとも何れか一方においては、排水トラップ部から下流側に排出される排出水量又は瞬間流量の値が本洗浄モードにおける排水トラップ部から下流側に排出される排出水量又は瞬間流量の値以上の値となっている。
従って、本洗浄モードが実行された後、排水横枝管内において小便器排水管が接続された接続部より上流側まで逆流されて残存している尿を、排水横枝管から排出することができ、排水横枝管内の小便器排水管が接続された接続部より上流側における尿石の発生を抑制することができる。
また、第一設備洗浄モードと第二設備洗浄モードとのうち少なくとも何れか一方においては、排水トラップ部から下流側に排出される排出水量又は瞬間流量の値が本洗浄モードにおける排水トラップ部から下流側に排出される排出水量又は瞬間流量の値以上の値となる。よって、第一設備洗浄モードと第二設備洗浄モードとのうち少なくとも何れか一方における排水横枝管内の洗浄水の喫水面の高さを、本洗浄モードにおける排水横枝管内の洗浄水の喫水面の高さ以上にさせることができる。本洗浄モードにおける排水横枝管内の洗浄水の喫水面近傍を尿濃度の比較的低い洗浄水で洗浄することができ、尿石が付着しやすいこの喫水面近傍を効果的に洗浄して、尿石の発生を抑制することができる。
従って、節水化により洗浄水量が低減されている場合においても、排水横枝管における尿石の発生を抑制をすることができる。
さらに、このように構成された本発明においては、本洗浄モードが実行された後の第一設備保護洗浄モード又は第二設備保護洗浄モードの実行中の状態において、検知手段による使用者の検知が所定時間未満である場合は、小便器が使用されていないと判断し、以後の第一設備保護洗浄モード又は第二設備保護洗浄モードの実行をキャンセルせずに、停止された状態から、第一設備保護洗浄モード又は第二設備保護洗浄モードの実行を再開し、前記第一設備洗浄モード及び前記第一設備洗浄モードが実行された後に実行される前記第二設備洗浄モードを所定時間おきに繰り返し実行することができる。
このように構成された本発明においては、本洗浄モードが実行された後の第一設備保護洗浄モード又は第二設備保護洗浄モードの実行中の状態において、検知手段による使用者の検知が所定時間以上である場合は、小便器が使用されたと判断し、以後の前記第一設備保護洗浄モード又は前記第二設備保護洗浄モードの実行をキャンセルし、本洗浄モードを実行し、本洗浄モードが実行された後、前記第一設備洗浄モード及び前記第一設備洗浄モードが実行された後に実行される前記第二設備洗浄モードを所定時間おきに繰り返し実行することができる。
このように構成された本発明においては、本洗浄モードが実行された後の第一設備洗浄モード又は第二設備洗浄モードの実行中の状態において、検知手段による使用者の検知が所定時間以上である場合は、小便器が使用されたと判断し、以後の前記第一設備洗浄モード又は前記第二設備洗浄モードの実行をキャンセルし、本洗浄モードを実行し、本洗浄モードが実行された後、前記第一設備洗浄モード及び前記第一設備洗浄モードが実行された後に実行される前記第二設備洗浄モードを所定時間おきに繰り返し実行することができる。
小便器本体8の排水器具接続部22には、排水ソケット24が接続され、排水ソケット24には、排水用の小便器排水管4が接続され、小便器排水管4が壁面2の表側から裏側まで延びて排水横枝配管6に接続されている。
図3は本発明の実施形態による小便器の自動便器洗浄ユニットの概略構成を示す図である。
収納室12は、小便器本体8と別体である蓋23により形成されている。また、収納室12の前面14は、後方に向かって傾斜して形成されている。収納室12に収納される自動便器洗浄ユニット10は、水道等の給水源から洗浄水を供給する給水管26と、給水管26に設けられる止水弁28と、止水弁28の下流側に設けられたバルブユニット30と、バルブユニット30から供給される洗浄水をボウル部16に吐水する吐水部であるスプレッダ(給水手段)32とを備えている。
具体的には、制御ユニット54は、人体検知センサ52からの検知信号及び所定の制御プログラム等に基づいて、主給水流路電磁弁40を開閉制御し、洗浄水をスプレッダ32からボウル部16に吐水させるようになっている。主給水流路電磁弁40を開いている際に、スプレッダ32から吐水される洗浄水の瞬間流量は、後述する本洗浄モードM0、第一設備洗浄モードM1及び第二設備洗浄モードM2のいずれにおいてもほぼ一定に設定されている。よって、スプレッダ32から吐水される洗浄水の給水流量は、主給水流路電磁弁40を開弁している時間により決定される。
なお、変形例として、スプレッダ32は、自身から吐水できる洗浄水の瞬間流量を変更できるように、主給水流路36とは別にさらに追加された他の給水流路機構を有していてもよい。このような場合には、スプレッダ32は、主給水流路36からの洗浄水の給水流量及び吐水瞬間流量に加え、他の給水流路から供給される洗浄水の給水流量及び吐水瞬間流量を合計した値をもって吐水することができる。
また、制御ユニット54は、人体検知センサ52からの検知信号及び所定の制御プログラム等に基づいて、電解水流路電磁弁46を開閉制御し、さらに電解水注入ユニット50を作動させ、電解水の注入された洗浄水をスプレッダ32からボウル部16に吐水させるようになっている。
排水口部18には、上流側のその入口部18aにおいて目皿58が配置されている。さらに、排水口部18には、下流側のその出口部18bにおいて排水トラップ20の入口を構成する排水口60が形成されている。
図4は本発明の実施形態による小便器の洗浄動作の第1例を示すタイムチャートであり、図5は本発明の実施形態による小便器の洗浄動作の第2例を示すタイムチャートであり、図6は本発明の実施形態による小便器の本洗浄モードM0において、洗浄水及び尿が小便器本体から小便器排水管及び排水横枝配管内に流れる様子を概略的に示す図であり、図7は本発明の実施形態による小便器の第一設備洗浄モードM1において、洗浄水が小便器本体から小便器排水管及び排水横枝配管内に流れる様子を概略的に示す図であり、図8は本発明の実施形態による小便器の第二設備洗浄モードM2において、洗浄水が小便器本体から小便器排水管及び排水横枝配管内に流れる様子を概略的に示す図であり、図9(a)は本発明の実施形態による小便器の下流側に延びる排水横枝配管において、本洗浄モードM0が実行された場合に尿及び洗浄水が排水横枝配管内を流れる様子を示す図であり、図9(b)は本発明の実施形態による小便器の下流側に延びる排水横枝配管において、第一設備洗浄モードM1が実行された場合に尿混じり洗浄水及び洗浄水が排水横枝配管内を流れる様子を示す図であり、図9(c)は本発明の実施形態による小便器の下流側に延びる排水横枝配管において、第二設備洗浄モードM2が実行された場合に洗浄水が排水横枝配管内を流れる様子を示す図である。
図4及び図5において、横軸は時刻を表し、縦軸方向の上段において、人体検知センサ52が使用者を検知していない状態であるOFF状態と使用者を検知している状態であるON状態との変化を示し、縦軸方向の下段において、主給水流路電磁弁40が閉弁されて洗浄水がスプレッダ32から吐水されていない状態であるOFF状態と主給水流路電磁弁40が開弁されて洗浄水がスプレッダ32から吐水されている状態であるON状態との変化を示している。
図4に示すように、待機状態(時刻t0〜t1)において、通常、使用者が小便器1の前に立つとき(時刻t1)、人体検知センサ52が使用者の存在を検出して検出情報を制御ユニット54に送り、制御ユニット54は使用者の存在を認識する。使用者が放尿する前の待機状態においては排水トラップ20内には主に洗浄水が溜水Wとして存在している状態になっている。
使用者が小便器1のボウル部16に放尿を行うとき(時刻t1〜t2)、ボウル部16の底部16aから排水トラップ20内に尿が流れ込み、流れ込んだ尿によってもともと存在した溜水Wの大部分が排出される(置換される)。尿が排水トラップ20内に流れ込んだ直後は尿自身も排水トラップ20の下流側の小便器排水管4及び排水横枝配管6に流れ出している状態となる。排水トラップ20内には尿と水とが混ざり合った尿濃度の非常に高い液体が存在する又はほぼ尿がそのまま存在する新たな溜水Wとして存在する状態となる。この排水トラップ20内に存在する尿と水とが混ざり合った尿濃度の非常に高い液体又は尿そのものを、以下尿Uとして説明する。
具体的には、制御ユニット54は、主給水流路電磁弁40に制御信号を送って主給水流路電磁弁40を開き、先に決定した量の洗浄水Wfをスプレッダ32からボウル部16に吐水させる。吐水される洗浄水の量は単位時間あたりほぼ一定の瞬間流量(例えば、9L/min)に設定されている。この洗浄水Wfは、ボウル部16を流下して、排水口部18に到達する。この流下する洗浄水Wfは、排水トラップ20を通過する際に流路抵抗を受けるため、排水トラップ20の入口近傍に一時的に貯まるような状態となり、この一時的に溜まった洗浄水の水頭高さ(通常の溜水面からの水頭高さ)が、排水トラップ20から排水される洗浄水に圧力を及ぼし、洗浄水の瞬間流量を変化させることとなる。図6に示すように、洗浄水Wfは、排水トラップ20内に存在する尿Uを押し出すようにしながら、尿Uとともに下流側に流れる。スプレッダ32から吐水される洗浄水Wfの水量又は瞬間流量、前記水頭高さ等から、洗浄水Wf及び尿Uが、排水トラップ20から下流側に排出される排出水量又は排出瞬間流量の値が決定される。例えば、排水トラップ20から下流側に排出される排出瞬間流量の値は7L/minとなっている。
図6(a)に示すように、本洗浄モードにおいて排水トラップ20から小便器排水管4に排水される洗浄水は、主に、新たに流入する洗浄水Wfが、排水トラップ20内の尿Uを押し流すように流れる。この流れが小便器排水管4から接続部56に到達するとき、流れが比較的速い流れであるので、尿Uが排水横枝配管6の上流側Fの上流側領域6dにおける部分と下流側Eの下流側領域6eにおける部分とに分かれるように押し出される。
図6(b)に示すように、さらに後続の洗浄水Wfが流入すると、尿Uが上流側の尿Ufと下流側の尿Ueとに分断される。
引き続いて、図6(c)に示すように、洗浄水Wfの供給が終了すると(時刻t3)、洗浄水Wfは下流側の尿Ueとともに下流側に流下していく。このとき、上流側Fの方向に逆流した尿Ufが洗浄水Wfとともに流れることなく取り残された状態となる。図6(d)に示すように、本洗浄モード終了後においては、このように取り残された尿Ufが、排水横枝配管6内の内壁に付着して残存した状態の尿Uf0となる。
第一設備洗浄モードM1は、本洗浄モードM0が実行された後、排水横枝配管6内を小便器排水管4が接続された接続部56より上流側まで洗浄するようになっている。
具体的には、制御ユニット54は、主給水流路電磁弁40に制御信号を送って主給水流路電磁弁40を開き、先に決定した量の洗浄水Wfをスプレッダ32からボウル部16に吐水させる。なお、第一設備洗浄モードM1の吐水開始直前においては、排水トラップ20内には主に本洗浄モードM0において供給された洗浄水Wfが溜水Wとして存在している状態になっている。排水トラップ20内の溜水Wにおける尿濃度は本洗浄モードM0の開始前と比べて相当低下された状態となっている。
第一設備洗浄モードM1において、排水トラップ20の入口近傍における洗浄水の水頭高さはH1となり、これに対応する、排水トラップ20から下流側に排出される洗浄水の排出瞬間流量はF1となっている。例えば、排水トラップ20から下流側に排出される排出瞬間流量F1の値は7〜8L/minとなっている。
図7(a)に示すように、第一設備洗浄モードM1において排水トラップ20から小便器排水管4に排水される洗浄水は、主に、新たに流入する洗浄水Wfが、排水トラップ20内の主に本洗浄モードM0において供給された洗浄水Wfを押し流すように流れる。この洗浄水Wfの流れが小便器排水管4から接続部56に到達するとき、流れが比較的速い流れであるので、洗浄水Wfが排水横枝配管6の上流側Fと下流側Eとに分かれるように広がる。洗浄水Wfのうち上流側Fに向かう部分が付着した状態の尿Uf0の上流側を覆うように逆流する(上流側に遡り流れる)。従って、洗浄水Wfが、接続部よりも上流側Fに存在する付着した状態の尿Uf0についても、洗浄することができる。
図7(b)に示すように、第一設備洗浄モードM1において、洗浄水Wfが排水横枝配管6の上流側Fにおいて到達する最高到達点T1は、本洗浄モードM0において、尿Uf(又は洗浄水Wf)が排水横枝配管6の上流側Fにおいて到達する最高到達点T0よりも上流側に位置している。
洗浄水Wfの供給が終了すると(時刻t5)、洗浄水Wfは尿Uf0とともに下流側に流下していく。このとき、上流側Fの方向に逆流した洗浄水Wf及び尿Uf0のうち一部の尿混じり水Uf1が、洗浄水Wfとともに流れることなく取り残された状態となる場合がある。よって、図7(c)に示すように、第一設備洗浄モードM1終了後においては、このように取り残された比較的低濃度の尿混じり水Uf1が、排水横枝配管6内の内壁に付着して残存した状態となる。
また、第一設備洗浄モードM1において、排水横枝配管6内を流れる洗浄水Wf及び尿混じり水Uf1の尿濃度は、本洗浄モードM0において排水横枝配管6内を流れる尿U及び洗浄水Wfの尿濃度よりも低減されている。従って、第一設備洗浄モードM1においては、比較的きれいな洗浄水により、境界部6bを洗浄することができる。
具体的には、制御ユニット54は、主給水流路電磁弁40に制御信号を送って主給水流路電磁弁40を開き、第二設備洗浄モードM2の先に決定した量の洗浄水Wfをスプレッダ32からボウル部16に吐水させる。なお、第二設備洗浄モードM2の吐水開始直前においては、排水トラップ20内には主に第一設備洗浄モードM1において供給された洗浄水Wfが溜水Wとして存在している状態になっている。排水トラップ20内の溜水Wにおける尿濃度は第一設備洗浄モードM1の開始前と比べて低下された状態となっている。
第二設備洗浄モードM2において、ボウル部16の底部における洗浄水の水頭高さはH2であり、これに対応する、排水トラップ20から下流側に排出される排出瞬間流量はF2となっている。例えば、排水トラップ20から下流側に排出される排出瞬間流量F2の値は7〜9L/minとなっている。
図8(a)に示すように、第二設備洗浄モードM2において排水トラップ20から小便器排水管4に排水される洗浄水は、主に、新たに流入する洗浄水Wfが、排水トラップ20内の主に第一設備洗浄モードM1において供給された洗浄水Wfを押し流すように流れる。この洗浄水Wfの流れが小便器排水管4から接続部56に到達するとき、流れが比較的速い流れであるので、洗浄水Wfが排水横枝配管6の上流側Fの上流側領域6dにおける部分と下流側Eの下流側領域6eにおける部分とに分かれるように広がる。洗浄水Wfのうち上流側Fに向かう部分が付着した状態の尿混じり水Uf1の上流側を覆うように逆流(上流側に遡り)する。従って、洗浄水Wfが、接続部よりも上流側Fに存在する付着した状態の尿混じり水Uf1についても、洗浄することができる。
第二設備洗浄モードM2において、洗浄水Wfが排水横枝配管6の上流側Fにおいて到達する最高到達点T2は、第一設備洗浄モードM1において、洗浄水Wfが排水横枝配管6の上流側Fの上流側領域6dにおいて到達する最高到達点T1よりも上流側に位置している。
図8(b)に示すように、洗浄水Wfの供給が終了すると(時刻t7)、洗浄水Wfは尿混じり水Uf1とともに下流側に流下していく。このとき、接続部56より上流側Fの領域において尿混じり水Uf1は取り残されていない状態であり、仮に水分が残っている状態であっても、尿の成分濃度が2回の洗浄によって相当低下された状態の洗浄水に起因する水分が残る状態であると考えられるから、排水横枝配管6内への尿石の付着を抑制することができる。
よって、図8(c)に示すように、第二設備洗浄モードM2終了後においては、洗浄水Wfが尿混じり水Uf1とともに排水され、排水横枝配管6は、尿の残存が抑制されるようにきれいに洗浄された状態となる。
第一設備洗浄モードM1において、洗浄水が、排水横枝配管6内の上流側領域6d、及び下流側領域6eを洗浄することができ、バクテリアの増殖を抑制し、尿石6cの付着(発生)を抑制することができる。
また、第一設備洗浄モードM1において、洗浄水が、排水横枝配管6内の境界部6b以上の最高高さ位置まで到達する喫水面WL1により洗浄することができ、境界部6b上のバクテリアの増殖を抑制し、尿石6cの付着(発生)を抑制することができる。
第二設備洗浄モードM2において、洗浄水が、排水横枝配管6内の上流側領域6d、及び下流側領域6eをより効果的に洗浄することができ、バクテリアの増殖を抑制し、尿石6cの付着(発生)を抑制することができる。
また、第二設備洗浄モードM2において、洗浄水が、排水横枝配管6内の境界部6b以上の最高高さ位置の喫水面WL2まで到達する洗浄水により洗浄することができ、境界部6b上のバクテリアの増殖を抑制し、尿石6cの付着(発生)を抑制することができる。
本発明の実施形態による小便器1の洗浄動作の第2例は、時刻t0〜t7についての動作及び本洗浄モードM0、第一設備洗浄モードM1及び第二設備洗浄モードM2についての動作は第1例と同じであるが、一端、第二設備洗浄モードM2が実行された以後において第一設備洗浄モードM1及び/又は第二設備洗浄モードM2を実行する前に、又は実行している最中に、使用者が小便器を使用し本洗浄が再度行われることになる点で第1例と異なっている。
なお、図5において、上述した実施形態による小便器1の洗浄動作の第1例の動作と同一部分については同一の符号を付し、それらの説明は省略する。本洗浄モードM0、第一設備洗浄モードM1及び第二設備洗浄モードM2の動作の内容についても第1例における各動作の内容と同じであるので、説明を省略する。
この設備洗浄待機状態において、人体検知センサ52が使用者の存在を検出し(時刻t12)、人体検知センサ52が一定の使用判定時間以上の間検出状態を継続した後に、人体検知センサ52が非検出状態に変わると(時刻t13)、制御ユニット54は、使用者が小便器1に放尿して使用したと判断して、小便器1の洗浄のための本洗浄モードM0を開始させる(時刻t13)。
また、制御ユニット54は、第一設備洗浄モードM1又は第二設備洗浄モードM2の洗浄中において、人体検知センサ52が使用者の存在を検出した場合、当該第一設備洗浄モードM1又は第二設備洗浄モードM2の動作を中断且つ停止する。そして人体検知センサ52による使用者の検知が所定時間以上にわたり継続した場合、制御ユニット54は小便器1が使用されたと判断し、以後の待機状態、第一設備洗浄モードM1及び/又は第二設備洗浄モードM2等の予定をキャンセルして、改めて小便器1の洗浄のための本洗浄モードM0を開始させ、さらに引き続く設備洗浄を行う。一方、人体検知センサ52による使用者の検知が所定時間未満であった場合は、制御ユニット54は小便器1が使用されていないと判断し、上記中断且つ停止状態から、第一設備洗浄モードM1又は第二設備洗浄モードM2による小便器の洗浄を再開する。
また、第一設備洗浄モードM1又は第二設備洗浄モードM2の途中で使用者が小便器1に放尿したような場合に、第一設備洗浄モードM1又は第二設備洗浄モードM2の動作を継続して、本洗浄モードM0が行われないことにより、排水横枝配管6内の洗浄が不十分となり、排水横枝配管6内に尿石の付着(発生)を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
上述した本発明の実施形態による小便器1によれば、排水トラップ部20内の尿を排出する本洗浄モードM0において、排水横枝配管6内の小便器排水管4が接続された接続部56より上流側まで尿が逆流されて残存してしまう場合においても、本洗浄モードM0が実行された後、一部の洗浄水が排水横枝配管6内を小便器排水管4が接続された接続部56より上流側を洗浄する第一設備洗浄モードM1と、第一設備洗浄モードM1が実行された後から、第一設備洗浄モードM1により接続部56よりも上流側を洗浄した洗浄水が接続部56よりも下流側に流下すると想定される所定時間を経過した後、一部の洗浄水が接続部56よりも上流側を洗浄する第二設備洗浄モードM2と、により2回の洗浄を行うことができる。また、第一設備洗浄モードM1と第二設備洗浄モードM2とのうち少なくとも何れか一方においては、排水トラップ部20から下流側に排出される排出水量又は瞬間流量の値が本洗浄モードM0における排水トラップ部20から下流側に排出される排出水量又は瞬間流量の値以上の値となっている。
従って、本洗浄モードM0が実行された後、排水横枝配管6内を小便器排水管4が接続された接続部56より上流側まで逆流されて残存している尿を、排水横枝配管6から排出することができ、排水横枝配管6内の接続部56より上流側における尿石の発生を抑制することができる。
また、第一設備洗浄モードM1と第二設備洗浄モードM2とのうち少なくとも何れか一方においては、排水トラップ部20から下流側に排出される排出水量又は瞬間流量の値が本洗浄モードM0における排水トラップ部20から下流側に排出される排出水量又は瞬間流量の値以上の値となる。よって、第一設備洗浄モードM1と第二設備洗浄モードM2とのうち少なくとも何れか一方における排水横枝配管6内の洗浄水の喫水面の高さを、本洗浄モードM0おける排水横枝配管6内の洗浄水の喫水面の高さ以上にさせることができる。本洗浄モードM0における排水横枝配管6内の洗浄水の喫水面近傍を尿濃度の比較的低い洗浄水で洗浄することができ、尿石が付着しやすいこの喫水面近傍を効果的に洗浄して、尿石の発生を抑制することができる。
従って、節水化により洗浄水量が低減されている場合においても、排水横枝配管6における尿石の発生を抑制をすることができる。
また、第一設備洗浄モードM1における排水横枝配管6内の洗浄水の喫水面の高さを、本洗浄モードM0おける排水横枝配管6内の洗浄水の喫水面の高さ以上にさせることができ、さらに、第二設備洗浄モードM2における排水横枝配管6内の洗浄水の喫水面の高さを、第一設備洗浄モードM1における排水横枝配管6内の洗浄水の喫水面の高さ以上にさせることができる。従って、本洗浄モードM0おける排水横枝配管6内の洗浄水の喫水面近傍を、本洗浄モードM0おける洗浄水よりも尿濃度の比較的低い第一設備洗浄モードM1における洗浄水で洗浄することができ、さらに、第一設備洗浄モードM1おける洗浄水よりも尿濃度の比較的低い第二設備洗浄モードM2における洗浄水で洗浄することができ、尿石が付着しやすいこの喫水面近傍を効果的に洗浄して、尿石の発生を抑制することができる。
また、本洗浄モードM0が実行された後、排水横枝配管6内において接続部56より上流側まで逆流されて残存している尿を、その尿より上流側まで到達する第一設備洗浄モードM1における洗浄水により洗浄を行うことができ、さらに、第一設備洗浄モードM1における洗浄水より上流側まで到達する第二設備洗浄モードM2における洗浄水により洗浄を行うことができ、効果的に排水横枝配管6から排出することができ、排水横枝配管6内の接続部56より上流側における尿石の発生を抑制することができる。
従って、節水化により洗浄水量が低減されている場合においても、排水横枝配管6における尿石の発生を抑制をすることができる。
よって、第一設備洗浄モードM1における排水横枝配管6内の洗浄水の喫水面の高さを、本洗浄モードM0における排水横枝配管6内の洗浄水の喫水面の高さ以上にさせることができ、さらに、第二設備洗浄モードM2における排水横枝配管6内の洗浄水の喫水面の高さを、第一設備洗浄モードM1における排水横枝配管6内の洗浄水の喫水面の高さ以上にさせることができる。従って、本洗浄モードM0おける排水横枝配管6内の洗浄水の喫水面近傍を、本洗浄モードM0における洗浄水よりも尿濃度の比較的低い第一設備洗浄モードM1における洗浄水で洗浄することができ、さらに、第一設備洗浄モードM1における洗浄水よりも尿濃度の比較的低い第二設備洗浄モードM2における洗浄水で洗浄することができ、尿石が付着しやすいこの喫水面近傍を効果的に洗浄して、尿石の発生を抑制することができる。
また、本洗浄モードM0が実行された後、排水横枝配管6内を接続部56より上流側まで逆流されて残存している尿を、その尿より上流側まで到達する第一設備洗浄モードM1における洗浄水により洗浄を行うことができ、さらに、第一設備洗浄モードM1における洗浄水より上流側まで到達する第二設備洗浄モードM2における洗浄水により洗浄を行うことができ、効果的に排水横枝配管6から排出することができ、排水横枝配管6内の小便器排水管4が接続された接続部56より上流側における尿石の発生を抑制することができる。
従って、節水化により洗浄水量が低減されている場合においても、排水横枝配管6における尿石の発生を抑制をすることができる。
また、継続的に、設備洗浄を実行し、本洗浄モードM0における排水横枝配管6内の洗浄水の喫水面近傍を尿濃度の比較的低い洗浄水で洗浄することができ、尿石が付着しやすいこの喫水面近傍を効果的に洗浄して、尿石の発生を抑制することができる。
2 壁面
4 小便器排水管
6 排水横枝配管
6a 内側壁面
6b 境界部
6c 尿石
6d 上流側領域
6e 下流側領域
8 小便器本体
10 自動便器洗浄ユニット
12 収納室
14 前面
16 ボウル部
16a 底部
18 排水口部
18a 入口部
18b 出口部
20 排水トラップ
22 排水器具接続部
23 蓋
24 排水ソケット
26 給水管
28 止水弁
30 バルブユニット
32 スプレッダ
34 分岐部
36 主給水流路
38 定流量弁
40 主給水流路電磁弁
42 電解水流路
44 定流量弁
46 電解水流路電磁弁
48 逆止弁
50 電解水注入ユニット
52 人体検知センサ
54 制御ユニット
56 接続部
58 目皿
60 排水口
B 矢印
E 下流側
F 上流側
M0 本洗浄モード
M1 第一設備洗浄モード
M2 第二設備洗浄モード
T0 最高到達点
T1 最高到達点
T2 最高到達点
U 尿
W 溜水
Wf 洗浄水
WL0 喫水面
WL1 喫水面
WL2 喫水面
Claims (2)
- 小便器排水管によって排水横枝管に接続される小便器であって、
使用者の尿を受けるボウル部と、
このボウル部の底部に形成された排水口から流入する洗浄水又は尿を下流側に排出する排水トラップ部と、
前記ボウル部に洗浄水を供給する給水手段と、
前記小便器を使用する使用者を検知する検知手段と、
前記ボウル部への洗浄水の供給を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記検知手段による前記小便器の使用の検知後に、使用者の尿を受けた前記ボウル部を洗浄し且つ前記排水トラップ部内の尿を排出する本洗浄モードと、
前記本洗浄モードが実行された後、一部の洗浄水が前記排水横枝管内を前記小便器排水管が接続された接続部より上流側を洗浄する第一設備洗浄モードと、
前記第一設備洗浄モードが実行された後から、前記第一設備洗浄モードにより前記接続部よりも上流側を洗浄した洗浄水が前記接続部よりも下流側に流下すると想定される所定時間を経過した後、一部の洗浄水が前記接続部よりも上流側を洗浄する第二設備洗浄モードと、を有し、
前記第一設備洗浄モード及び前記第二設備洗浄モードのうち少なくとも何れか一方においては、前記排水トラップ部から下流側に排出される排出水量又は排出瞬間流量の値が前記本洗浄モードにおける前記排水トラップ部から下流側に排出される排出水量又は排出瞬間流量の値以上の値とされ、
さらに、前記第一設備洗浄モード又は前記第二設備洗浄モード実行時に、前記検知手段が使用者の検知を行った場合、前記制御手段は前記第一設備洗浄モード又は前記第二設備洗浄モードを停止し、前記検知手段による使用者の検知が所定時間未満である場合は、前記小便器が使用されていないと判断し、以後前記第一設備洗浄モード又は前記第二設備洗浄モードの実行を再開することを特徴とする小便器。 - さらに、前記第一設備洗浄モード又は前記第二設備洗浄モード実行時に、前記検知手段が使用者の検知を行った場合、前記制御手段は、前記第一設備洗浄モード又は前記第二設備洗浄モードを停止し、前記検知手段による使用者の検知が所定時間以上である場合は、前記小便器が使用されたと判断し、以後の前記第一設備洗浄モード又は前記第二設備洗浄モードの実行をキャンセルし、前記検知手段の使用者の検知終了後に、前記本洗浄モードを実行する、請求項1に記載の小便器。
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