JP6540754B2 - 自動車の側部車体構造 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば自動車のリヤドアを開閉自在に支持する左右一対のセンタピラーに車両側方からの衝突荷重が作用した際、センタピラーが車幅方向内側へ向けて倒れることを抑制するような自動車の側部車体構造に関する。
自動車などの車両では、車両側方に他車が衝突する、あるいは障害物に車両側方が衝突した際、車両側方から加わった衝突荷重である側突荷重を、例えば、一方のサイドシル、クロスメンバ、及びフロアパネルを介して他方のサイドシルへ伝達、分散している。
この際、例えば側突荷重が車両のセンタピラーにも作用すると、センタピラーが、側突荷重によって車幅方向内側へ向けて倒れるように変形することがあった。特に、車両上下方向におけるサイドシルの高さが低い場合、センタピラーの支持剛性が低くなり易いため、側突荷重によるセンタピラーの倒れがより顕著になり易い傾向にある。
このように側突荷重によってセンタピラーの倒れが生じると、倒れたセンタピラーが車室内の乗員に接触するおそれがあり、側突時における乗員保護の観点からも好ましくない。
そこで、例えば、特許文献1では、センタピラー(ロックピラー4)における車両上下方向略中央から、サイドシル3における車幅方向内側の側面、及びフロアパネル2の上面に至る範囲に、正面視略L字状のブレース部材(ロックピラーブレース7)を接合している。
これにより、特許文献1は、センタピラー(ロックピラー4)、サイドシル3、及びフロアパネル2を一体的に補強して、側突時におけるセンタピラーの倒れを抑制できるとされている。
しかしながら、ブレース部材の大きさが大きいため、特許文献1では、ブレース部材によって重量が増加するだけでなく、ブレース部材によって車室内の限られた空間が圧迫されるおそれがあった。
実開昭62−201181号公報
本発明は、上述の問題に鑑み、車室内の限られた空間を圧迫することなく、かつ重量増加を抑えて、側突時におけるセンタピラーの倒れを抑制できる自動車の側部車体構造を提供することを目的とする。
この発明は、自動車の車両前後方向に延びる左右一対のサイドシルと、該サイドシルに下端が接合されるとともに、略車両上方に延びる左右一対のセンタピラーとを備えた自動車の側部車体構造であって、前記サイドシルが、車幅方向外側に位置して車両前後方向に延びる断面略ハット状のサイドシルアウタパネルと、前記センタピラーの一部を介して前記サイドシルアウタパネルに接合されるフランジ部を有して、車両前後方向に延びる断面略ハット状のサイドシルインナパネルとで構成され、該サイドシルインナパネルの上面部分である上面部に、車幅方向内側から前記フランジ部にかけて隆起した少なくとも1つの隆起部を備え、該隆起部が、前記センタピラーの下部と車幅方向で対向する位置に形成されたことを特徴とする。
この発明により、車室内の限られた空間を圧迫することなく、かつ重量増加を抑えて、側突時におけるセンタピラーの倒れ変形を抑制することができる。
具体的には、少なくとも1つの隆起部が、センタピラーの下部と車幅方向で対向する位置に形成されたことにより、自動車の側部車体構造は、フランジ部を介して略平板状の上面部でセンタピラーを支持する場合に比べて、センタピラーを車幅方向内側から安定して支持することができる。これにより、自動車の側部車体構造は、側突荷重に対するセンタピラーの支持剛性を向上することができる。
さらに、例えばサイドシル及びセンタピラーとは別体で構成したブレース部材に比べて、その大きさが小さい隆起部によって、センタピラーを支持できるため、自動車の側部車体構造は、車室内の空間が圧迫されることを抑制できるとともに、部品点数の増加、及び重量増加を抑えることができる。
従って、自動車の側部車体構造は、車室内の限られた空間を圧迫することなく、かつ重量増加を抑えて、側突時におけるセンタピラーの倒れを抑制することができる。
この発明の態様として、前記隆起部が、車両前方側、及び車両後方側から徐々に車両上方へ隆起した形状に形成されたものである。
この発明により、自動車の側部車体構造は、車両前方または車両後方からの衝突荷重が伝達される荷重伝達経路としてのサイドシルの機能を損なうことなく、側突時におけるセンタピラーの倒れを抑制することができる。
具体的には、例えば、略平板状の上面部に略鉛直に隆起した隆起部を設けた場合、平板部分と隆起部との境界部分が、車両前方または車両後方からの衝突荷重に対する脆弱部となるおそれがある。
これに対して、隆起部が、車両前方側、及び車両後方側から徐々に車両上方へ隆起した形状に形成されたことにより、自動車の側部車体構造は、平板部分と隆起部との境界部分が、車両前方または車両後方からの衝突荷重に対する脆弱部となることを防止できる。
さらに、車両前後方向の一方からサイドシルに衝突荷重が作用した際、自動車の側部車体構造は、平板部分から略鉛直に隆起した隆起部を有するサイドシルに比べて、車両前後方向の一方から伝達された衝突荷重を車両前後方向の他方へ向けて効率よく伝達することができる。
従って、自動車の側部車体構造は、車両前方側、及び車両後方側から車両上方へ徐々に隆起した隆起部により、車両前方または車両後方からの衝突荷重が伝達される荷重伝達経路としてのサイドシルの機能を損なうことなく、側突時におけるセンタピラーの倒れを抑制することができる。
またこの発明の態様として、前記隆起部が、前記上面部における車幅方向内側の縁端から車幅方向外側へ所定間隔だけ離間した位置から隆起した形状に形成されたものである。
この発明により、自動車の側部車体構造は、サイドシルインナパネルのより安定した成形性を確保できるため、側突時におけるセンタピラーの倒れをより抑制することができる。
具体的には、例えば上面部における車幅方向内側の縁端と、隆起部における車幅方向内側の縁端とを略一致させると、サイドシルインナパネルを成形する際、上面部における車幅方向内側の縁端、すなわちサイドシルインナパネルの角部の形状が複雑になるため、その成形性が低下するおそれがある。
そこで、上面部における車幅方向内側の縁端から車幅方向外側へ所定間隔だけ離間した位置から隆起部を隆起させたことにより、自動車の側部車体構造は、サイドシルインナパネルにおける角部の成形性を安定して確保することができる。このため、自動車の側部車体構造は、センタピラーの支持剛性にバラツキが生じることを抑えることができる。
さらに、自動車の側部車体構造は、隆起部よりも車幅方向内側に略平板状の平板部分を容易に確保することができる。このため、自動車の側部車体構造は、サイドシルインナパネルの上面部に、例えば車両前部に配置された車載バッテリと車両後部に配置された電気機器とを接続するワイヤーハーネスを、湾曲を抑えて略直線状に効率よく配置することができる。
従って、自動車の側部車体構造は、上面部における車幅方向内側の縁端から所定間隔だけ離間した位置から隆起した隆起部によって、サイドシルインナパネルのより安定した成形性を確保できるため、側突時におけるセンタピラーの倒れをより抑制することができる。
またこの発明の態様として、前記センタピラーが、車両上方から車両下方にかけて、車両前後方向の長さが長くなる側面視略末広がり形状に形成され、前記サイドシルの前記上面部に、前記センタピラーの下部と車幅方向で対向する複数の前記隆起部を備え、該複数の隆起部が、前記センタピラーの下部における前端近傍と略同じ車両前後方向の位置に形成された第1隆起部と、前記センタピラーの下部における後端近傍と略同じ車両前後方向の位置に形成された第2隆起部と、前記第1隆起部、及び前記第2隆起部の間に形成された少なくとも1つの第3隆起部とで構成されたものである。
この発明により、自動車の側部車体構造は、車室内の限られた空間を圧迫することなく、かつ重量増加を抑えて、側突時におけるセンタピラーの倒れをより確実に抑制することができる。
具体的には、サイドシルインナパネルの第1隆起部、及び第2隆起部により、自動車の側部車体構造は、車両前後方向におけるセンタピラーの両端の支持剛性を向上することができる。
さらに、第1隆起部と第2隆起部との間に少なくとも1つの第3隆起部を設けたことにより、自動車の側部車体構造は、センタピラーの支持剛性をさらに向上することができる。
この際、例えば側突時におけるセンタピラーの倒れ量の大きい部分と対向する位置に第3隆起部を設けることで、自動車の側部車体構造は、別体で構成されたブレース部材を用いることなく、センタピラーの支持剛性を効率よく向上することができる。
加えて、各隆起部の間に略平板状の平板部分を容易に確保できるため、自動車の側部車体構造は、例えば車両前後方向に延びるワイヤーハーネスを固定するためのブラケットなどを、サイドシルインナパネルの上面部に容易に配置することができる。
従って、自動車の側部車体構造は、センタピラーの前端近傍に形成した第1隆起部、センタピラーの後端近傍に形成した第2隆起部、及び第1隆起部と第2隆起部の間に形成した少なくとも1つの第3隆起部により、車室内の限られた空間を圧迫することなく、かつ重量増加を抑えて、側突時におけるセンタピラーの倒れをより確実に抑制することができる。
またこの発明の態様として、前記サイドシルの内部に、前記第1隆起部と略同じ車両前後方向の位置に配設された前側節部材と、前記第2隆起部と略同じ車両前後方向の位置に配設された後側節部材とを備え、前記前側節部材が、前記サイドシルインナパネルにおける側面部分である側面部と前記第1隆起部とに接合され、前記後側節部材が、前記サイドシルインナパネルの前記側面部と前記第2隆起部とに接合されたものである。
この発明により、自動車の側部車体構造は、側突時におけるセンタピラーの倒れをさらに抑制することができる。
具体的には、自動車の側部車体構造は、前側節部材、及び後側節部材が、それぞれサイドシルインナパネルの隆起部と側面部とを連結しているため、側突荷重に対する第1隆起部、及び第2隆起部の剛性を向上することができる。
このため、自動車の側部車体構造は、第1隆起部と前側節部材との協働、及び第2隆起部と後側節部材との協働により、センタピラーの前端近傍、及び後端近傍の支持剛性を向上することができる。
従って、自動車の側部車体構造は、第1隆起部に接合される前側節部材、及び第2隆起部に接合された後側節部材により、側突時におけるセンタピラーの倒れをさらに抑制することができる。
またこの発明の態様として、前記サイドシルの間において、車幅方向に延びるとともに、前記サイドシルに連結されたクロスメンバを備え、該クロスメンバが、前記隆起部と略同じ車両前後方向の位置に配置されたものである。
この発明により、自動車の側部車体構造は、側突時におけるセンタピラーの倒れを抑制するとともに、車幅方向の一方に作用した側突荷重を、比較的剛性が高い隆起部を介して、車幅方向の他方へ効率よく伝達、分散することができる。
本発明により、車室内の限られた空間を圧迫することなく、かつ重量増加を抑えて、側突時におけるセンタピラーの倒れを抑制できる自動車の側部車体構造を提供することができる。
自動車における側部車体及び下部車体の外観を示す外観斜視図。 平面視におけるセンタピラー近傍の外観を示す平面図。 図2中のA−A矢視における側面を示す側面図。 図2中のB−B矢視断面図。 センタピラーの下部近傍における側部車体の外観を示す外観斜視図。 図2中のC−C矢視断面図。 別の実施形態におけるセンタピラー近傍の外観を示す平面図。 別の実施形態におけるセンタピラー近傍の外観を示す側面図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
なお、図1は自動車1における側部車体及び下部車体の外観斜視図を示し、図2はセンタピラー3近傍における外観の平面図を示し、図3は図2中のA−A矢視における側面図を示し、図4は図2中のB−B矢視断面図を示し、図5はセンタピラー3の下部近傍における側部車体の外観斜視図を示し、図6は図2中のC−C矢視断面図を示している。
また、図4中において、サイドシル4の内部を明確にするため、サイドシルインナパネル42を破線で図示している。
また、図中において、矢印Fr及びRrは前後方向を示しており、矢印Frは前方を示し、矢印Rrは後方を示している。
さらに、矢印Rh及びLhは幅方向を示しており、矢印Rhは右方向を示し、矢印Lhは左方向を示し、車幅方向における車室内側を車幅方向内側とし、車幅方向における車両外側を車幅方向外側とする。
加えて、図1中の上方を上方とし、図1中の下方を下方とする。
本実施形態における自動車1は、図1に示すように、乗員が乗降するために開閉するフロントドア(図示省略)を開閉自在に支持する左右一対のヒンジピラー2と、リヤドア(図示省略)を開閉自在に支持する左右一対のセンタピラー3と、ヒンジピラー2の下部、及びセンタピラー3の下部が接合されて、車両前後方向に延びる左右一対のサイドシル4と、サイドシル4の後端から車両後方へ延びる左右一対のリヤサイドフレーム5とで、車体の側部及び下部の骨格を構成している。
さらに、自動車1は、図1に示すように、左右のサイドシル4の間で車室の床面をなすフロアパネル6と、左右のリヤサイドフレーム5の間で荷室の床面をなすリヤフロアパネル7とでで、車室と車外とを隔てる隔壁を構成している。
加えて、自動車1は、図1に示すように、車体の骨格を補強する補強部材として、左右のサイドシル4、及びリヤサイドフレーム5の間におけるフロアパネル6の上面に配置された第1クロスメンバ8、第2クロスメンバ9、第3クロスメンバ10、及び第4クロスメンバ11を、車両前方からこの順番で備えている。
なお、自動車1における車両右側と、車両左側とは左右対象の構造ため、本実施形態では、主に車両右側の車体構造について説明し、車両左側の車体構造についてはその詳細な説明を省略する。
ヒンジピラー2は、詳細な図示を省略するが、車両上下方向に延びる閉断面形状であって、その下部にはサイドシル4の前端が接合されている。
また、センタピラー3は、図1及び図3に示すように、側面視において、車両下方ほど車両前後方向の長さが長くなる末広がり形状に形成されている。
このセンタピラー3は、図2及び図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、サイドフレームアウタパネル31と、センタピラーアウタパネル32と、センタピラーインナパネル33とを、車幅方向外側からこの順番で接合して構成している。
サイドフレームアウタパネル31は、図2及び図4に示すように、自動車1の外観意匠面をなすパネル部材であって、その下端がサイドシル4における車幅方向外側の側面(後述するアウタ側面部413)に接合されている。
センタピラーアウタパネル32は、図2及び図4に示すように、車両上下方向に延びるパネル部材であって、センタピラーインナパネル33とで車両上下方向に延びる閉断面形状をなすように形成されている。
なお、センタピラーアウタパネル32は、サイドフレームアウタパネル31の下端よりも車両上方において、その下端がサイドシル4の側面(アウタ側面部413)に接合されている。
センタピラーインナパネル33は、図2及び図4に示すように、車両上下方向に延びるパネル部材であって、センタピラーアウタパネル32とで車両上下方向に延びる閉断面形状をなすように形成されている。このセンタピラーインナパネル33には、側面視において、サイドシル4の上方に位置する部分を所定の大きさで開口した開口部Sが形成されている。
また、左右一対のサイドシル4は、図4に示すように、センタピラーインナパネル33を挟んで、車幅方向外側に位置して車両前後方向に延びるサイドシルアウタパネル41と、車幅方向内側に位置して車両前後方向に延びるサイドシルインナパネル42とで構成されている。
サイドシルアウタパネル41は、図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面形状が車幅方向外側へ突出した断面略ハット状であって、センタピラーインナパネル33とで断面略矩形の閉断面形状をなすように形成されている。
具体的には、サイドシルアウタパネル41は、図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、センタピラーインナパネル33の下端に接合されるアウタ下側フランジ部411、サイドシルアウタパネル41の下面をなすアウタ下面部412と、サイドシルアウタパネル41の側面をなすアウタ側面部413と、サイドシルアウタパネル41の上面をなすアウタ上面部414と、センタピラーインナパネル33に接合されるアウタ上側フランジ部415とで一体形成されている。
アウタ下側フランジ部411は、図4に示すように、車幅方向に厚みを有するとともに、車幅方向内側の面がセンタピラーインナパネル33の下端に沿う形状に形成されている。
アウタ下面部412は、図4に示すように、アウタ下面フランジ部411の上縁から車幅方向外側、かつ僅かに車両上方へ延設された部分と、当該部分からさらに車幅方向外側、かつ車両上方へ延設された部分とを一体的にした形状に形成されている。
アウタ側面部413は、図4に示すように、アウタ下面部412における車幅方向外側の縁端から車両上方へ向けて延設されている。
アウタ上面部414は、図4に示すように、アウタ側面部413の上端から車幅方向内側、かつ車両上方へ延設された部分と、当該部分からさらに車幅方向内側、かつ僅かに車両上方へ延設された部分とを一体的にした形状に形成されている。
アウタ上側フランジ部415は、図4に示すように、アウタ上面部414における車幅方向内側の端部から車両上方へ向けて延設されるとともに、車幅方向内側の面がセンタピラーインナパネル33に沿う形状に形成されている。
一方、サイドシルインナパネル42は、図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面形状が車幅方向内側へ突出した断面略ハット状であって、センタピラーインナパネル33とで断面略矩形の閉断面形状をなすように形成されている。
具体的には、サイドシルインナパネル42は、図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面において、センタピラーインナパネル33を介してアウタ下側フランジ部411に接合されるインナ下側フランジ部421と、サイドシルインナパネル42の下面をなすインナ下面部422と、サイドシルインナパネル42の側面をなすインナ側面部423と、サイドシルインナパネル42の上面をなす上面部424と、センタピラーインナパネル33を介してアウタ上側フランジ部415に接合されるインナ上側フランジ部425とで一体形成されている。
インナ下側フランジ部421は、図4に示すように、車幅方向に厚みを有するとともに、車幅方向外側の面がセンタピラーインナパネル33の下端に沿う形状に形成されている。
インナ下面部422は、図4に示すように、インナ下側フランジ部421の上端から車幅方向内側、かつ僅かに車両上方へ向けて延設されている。
インナ側面部423は、図4に示すように、インナ下面部422における車幅方向内側の縁端から車両上方へ向けて延設されている。なお、インナ側面部423は、図2及び図3に示すように、その上端が、車両前後方向に延びる略水平な一直線状になるよう形成されている。
インナ上面部424は、図4に示すように、インナ側面部423の上端から車幅方向外側、かつ僅かに車両上方へ向けて延設されている。
インナ上側フランジ部425は、図4に示すように、インナ上面部424における車幅方向外側の端部から車両上方へ向けて延設されるとともに、車幅方向外側の面がセンタピラーインナパネル33に沿う形状に形成されている。
さらに、上述したインナ上面部424には、図2から図4に示すように、インナ側面部423の上端から延設された略平板状の平板部分に対して、車両上方へ隆起した第1隆起部426、第2隆起部427、第3隆起部428、及び第4隆起部429が形成されている。
なお、詳細な図示を省略するが、インナ上面部424の平板部分には、例えば車両前部に配置された車載バッテリと車両後部に配置された電気機器とを電気的に接続するワイヤーハーネスなどが配設されているものとする。
上述した第1隆起部426、第2隆起部427、第3隆起部428、及び第4隆起部429は、車両前方から車両後方にかけて車両上方に傾斜したのち、車両下方へ傾斜するとともに、車幅方向内側の縁端に対して車幅方向外側の縁端が車両上方に位置して、インナ上面部424の平板部分とインナ上側フランジ部425とを連結する形状に隆起している。
第1隆起部426は、図2及び図3に示すように、センタピラー3の下部における前端近傍と略同じ車両前後方向の位置において、車幅方向内側が短辺となる平面視略台形状に形成されている。
具体的には、第1隆起部426は、平面視略矩形の中央傾斜部分426aと、中央傾斜部分426aよりも車両前方側に位置する前側傾斜部分426bと、中央傾斜部分426aよりも車両後方側に位置する後側傾斜部分426cとで平面視略台形状に形成されている。
中央傾斜部分426aは、インナ上面部424における車幅方向内側の縁端から車幅方向外側へ所定間隔だけ離間した位置から車幅方向外側、かつ車両上方へ向けて傾斜した形状に形成されている。なお、中央傾斜部分426aにおける車両前後方向の長さは、車幅方向内側、及び車幅方向外側とで略同じ長さに形成されているものとする。
前側傾斜部分426bは、中央傾斜部分426aの前縁における車幅方向外側の端部に向けて、車両前方から車幅方向外側、かつ車両上方へ向けて傾斜した平面視略三角形状に形成されている。
より詳しくは、前側傾斜部分426bは、中央傾斜部分426aの前縁における車幅方向内側の端部から車両前方、かつ車幅方向外側へ延びる縁辺を底辺とし、中央傾斜部分426aの前縁における車幅方向外側の端部を頂点とする平面視略三角形状に形成されている。
後側傾斜部分426cは、中央傾斜部分426aの後縁における車幅方向外側の端部に向けて、車両後方から車幅方向外側、かつ車両上方へ向けて傾斜した平面視略三角形状に形成されている。
より詳しくは、後側傾斜部分426cは、中央傾斜部分426aの後縁における車幅方向内側の端部から車両後方、かつ車幅方向外側へ延びる縁辺を底辺とし、中央傾斜部分426aの後縁における車幅方向外側の端部を頂点とする平面視略三角形状に形成されている。
第2隆起部427は、図2から図4に示すように、センタピラー3の下部における車両前後方向略中央近傍と略同じ車両前後方向の位置において、車幅方向内側が短辺となる平面視略台形状に形成されている。
この第2隆起部427は、第1隆起部426と同様に、平面視略矩形の中央傾斜部分427aと、中央傾斜部分427aよりも車両前方側に位置する前側傾斜部分427bと、中央傾斜部分427aよりも車両後方側に位置する後方傾斜部分427cとで平面視略台形状に形成されている。
なお、第2隆起部427は、平面視略台形状の短辺部分の位置が、第1隆起部426における短辺部分の位置よりも僅かに車幅方向外側に位置するとともに、中央傾斜部分427aにおける車両前後方向の長さが、第1隆起部426の中央傾斜部分426aにおける車両前後方向の長さより短い長さに形成されている。
第3隆起部428は、図2及び図3に示すように、第2隆起部427に対して僅かに車両後方側に離間した車両前後方向の位置において、車幅方向内側が短辺となる平面視略台形状に形成されている。
この第3隆起部428は、第2隆起部427と略同等の大きさであって、第1隆起部426と同様に、平面視略矩形の中央傾斜部分428aと、中央傾斜部分428aよりも車両前方側に位置する前方傾斜部分428bと、中央傾斜部分428aよりも車両後方側に位置する後方傾斜部分428cとで平面視略台形状に形成されている。
第4隆起部429は、図2及び図3に示すように、センタピラー3の下部における後端近傍と略同じ車両前後方向の位置において、車幅方向内側が短辺となる平面視略台形状に形成されている。
この第4隆起部429は、第1隆起部426と略同等の大きさであって、第1隆起部426と同様に、平面視略矩形の中央傾斜部分429aと、中央傾斜部分429aよりも車両前方側に位置する前側傾斜部分429bと、中央傾斜部分429aよりも車両後方側に位置する後側傾斜部分429cとで平面視略台形状に形成されている。
このような構成によってサイドシルインナパネル42は、図3に示すように、側面視において、インナ側面部423とインナ上面部424との角部となる境界線が車両前後方向に延びる一直線状になるように形成されているのに対して、インナ上面部424とインナ上側フランジ部425との角部となる境界線が凹凸形状の稜線をなしている。
また、上述した構成のサイドシル4の内部には、図3及び図5に示すように、車両前後方向に延びてサイドシル4を補強する前側補強部材12、及び後側補強部材13と、センタピラーインナパネル33とサイドシルインナパネル42とで構成される内部空間を車両前後方向に所定間隔を隔てて区切る第1節部材14、第2節部材15、第3節部材16、及び第4節部材17とが、サイドシルインナパネル42に接合されている。
前側補強部材12は、図5に示すように、インナ上面部424に接合される略平板状の上面部12aと、インナ側面部423に接合される略平板状の縦壁部12bとで、車幅方向に沿った縦断面形状が断面略L字状に形成されている。
この前側補強部材12は、図3に示すように、センタピラー3の下部における前端近傍に、その後端が位置するように配置して、サイドシルインナパネル42に接合されている。
一方、後側補強部材13は、図5に示すように、インナ上面部424に接合される略平板状の上面部13aと、インナ側面部423に接合される略平板状の縦壁部13bとで、車幅方向に沿った縦断面形状が断面略L字状に形成されている。
この後側補強部材13は、図3に示すように、センタピラー3の下部における後端よりも前方で、かつ第3隆起部427と第4隆起部428との間に、その前端が位置するように配置して、サイドシルインナパネル42に接合されている。
第1節部材14は、図3及び図5に示すように、サイドシルインナパネル42の第1隆起部426と略同じ車両前後方向の位置に配置されている。この第1節部材14は、図5に示すように、車両前後方向に所定の厚みを有する略平板状の本体部分と、本体部分における車幅方向内側の縁端から車両前方へ延設された内側フランジ部分と、本体部分の上端から車両前方へ延設された上側フランジ部分とで一体形成されている。
さらに、第1節部材14は、図5中の破線の円で示したように、内側フランジ部分がサイドシルインナパネル42のインナ側面部423に接合され、上側フランジ部分が第1隆起部426の中央傾斜部分426aに接合されている。
第2節部材15は、図3及び図5に示すように、後述する第2クロスメンバ9の前端と略同じ車両前後方向の位置に配置されている。この第2節部材15は、図5に示すように、車両前後方向に所定の厚みを有する略平板状の本体部分と、本体部分における車幅方向内側の縁端から車両前方へ延設された内側フランジ部分と、本体部分の上端から車両前方へ延設された上側フランジ部分とで一体形成されている。
さらに、第2節部材15は、図5中の破線の円で示したように、内側フランジ部分がサイドシルインナパネル42のインナ側面部423に接合され、上側フランジ部分がインナ上面部424に接合されている。
第3節部材16は、図3及び図5に示すように、サイドシルインナパネル42の第2隆起部427と第3隆起部428との間に配置されている。この第3節部材16は、図5に示すように、車両前後方向に所定の厚みを有する略平板状の本体部分と、本体部分における車幅方向内側の縁端から車両後方へ延設された内側フランジ部分と、本体部分の上端から車両後方へ延設された上側フランジ部分とで一体形成されている。
さらに、第3節部材16は、図5中の破線の円で示したように、内側フランジ部分がサイドシルインナパネル42のインナ側面部423に接合され、上側フランジ部分が第2隆起部427と第3隆起部428との間のインナ上面部424に接合されている。
第4節部材17は、図3及び図5に示すように、サイドシルインナパネル42の第4隆起部429と略同じ車両前後方向の位置に配置されている。この第4節部材17は、図5に示すように、車両前後方向に所定の厚みを有する略平板状の本体部分と、本体部分における車幅方向内側の縁端から車両後方へ延設された内側フランジ部分と、本体部分の上端から車両後方へ延設された上側フランジ部分とで一体形成されている。
さらに、第4節部材17は、図5中の破線の円で示したように、内側フランジ部分がサイドシルインナパネル42のインナ側面部423に接合され、上側フランジ部分が第4隆起部429の中央傾斜部分429aに接合されている。
また、フロアパネル6は、図1に示すように、車両上方へ膨出して車両前後方向に延びるトンネル部6aを、車幅方向略中央に有する形状に形成されている。このフロアパネル6は、車幅方向外側の縁辺がサイドシル4のサイドシルインナパネル42に接合されている。
さらに、フロアパネル6の下面には、図1及び図4に示すように、前端が車幅方向外側に位置して、車両後方ほど車幅方向内側に位置するように略車両前後方向に延びるフロアフレーム18が接合されている。なお、フロアフレーム18は、図4に示すように、車幅方向に沿った縦断面形状が、車両上方が開口した断面略ハット状に形成されている。
また、第1クロスメンバ8は、図1に示すように、ヒンジピラー2とセンタピラー3との間における車両前後方向略中央で、トンネル部6aを介して左右のサイドシル4を連結するようにフロアパネル6の上面に配置されている。
この第1クロスメンバ8は、詳細な図示を省略するが、車両前後方向に沿った縦断面形状が車両上方へ突出した断面略ハット状で、フロアパネル6とで車幅方向に延びる閉断面形状をなす形状に形成されている。
なお、第1クロスメンバ8の上面部分には、前席のシートレール(図示省略)における前端部が締結固定されるものとする。
第2クロスメンバ9は、図1及び図2に示すように、センタピラー3における車両前後方向略中央と略同じ車両前後方向の位置、より詳しくはサイドシルインナパネル42の第2隆起部427と略同じ車両前後方向の位置で、トンネル部6aを介して左右のサイドシル4を連結するようにフロアパネル6の上面に配置されている。
なお、第2クロスメンバ9は、フロアパネル6における車両後方下方へ傾斜した部分に、その下面が接合されている。
この第2クロスメンバ9は、図3及び図6に示すように、車両前後方向に沿った縦断面形状が断面略M字状であって、車両前方側に位置してフロアパネル6に接合される前側フランジ部91、車両後方側に位置してフロアパネル6に接合される後側フランジ部92と、前側フランジ部91と後側フランジ部92との間に位置する中央フランジ部93と、前側フランジ部91と中央フランジ部93との間で車両上方に突出した前側突部94と、中央フランジ部93と後側フランジ部92との間で車両上方へ向けて突出した後側突部95とで一体形成されている。
このような構成の第2クロスメンバ9は、図3に示すように、サイドシルインナパネル42の第2隆起部427と略同じ車両前後方向の位置に、中央フランジ部93が位置するように、フロアパネル6の上面に接合されている。
さらに、第2クロスメンバ9は、図1に示すように、車幅方向外側に位置する第1シート取付けブラケット21を介して、サイドシル4に連結されるとともに、車幅方向内側に位置する第2シート取付けブラケット22を介してトンネル部6aに連結されている。なお、第1シート取付けブラケット21、及び第2シート取付けブラケット22は、前席のシートレールにおける後端部が締結固定される部材であって、その詳細は後ほど詳しく説明する。
第3クロスメンバ10は、図1に示すように、フロアパネル6の後端近傍において、サイドシル4を車幅方向に連結するようにフロアパネル6の上面に配置されている。この第3クロスメンバ10は、サイドシル4、及びフロアパネル6に接合されている。
第4クロスメンバ11は、図1に示すように、第3クロスメンバ10に対して所定間隔だけ車両後方に離間した位置で、リヤサイドフレーム5を車幅方向に連結するようにリヤフロアパネル7の上面に配置されている。この第4クロスメンバ11は、リヤサイドフレーム5、及びリヤフロアパネル7に接合されている。
また、上述した第1シート取付けブラケット21は、図4から図6に示すように、車幅方向外側、及び車両下方が開口した略ボックス状であって、車両前後方向に沿った縦断面形状が第2クロスメンバ9とで閉断面形状をなすように形成されている。
この第1シート取付けブラケット21は、図2から図6に示すように、車両前方に位置する前壁部211と、前壁部211に対して車両後方で対向する後壁部212と、前壁部211における車幅方向内側の縁端、及び後壁部212における車幅方向内側の縁端を連結する側壁部213と、前壁部211の上端及び後壁部212の上端を連結する上面部214と、サイドシル4に接合されるフランジ部215とで一体形成されている。
さらに、上面部214は、図2及び図4に示すように、車幅方向内側に位置するとともに、シートレールが取付けられる平面部分である取付け部分214aと、取付け部分214aの車幅方向外側縁端から車幅方向外側、かつ車両下方へ向けて傾斜した傾斜部分214bと、傾斜部分214bの下端から車幅方向外側へ延設した段下げ部分214cとで一体形成されている。
この段下げ部分214cには、図2から図6に示すように、車両前後方向略中央で、略車両上方へ向けて突出するとともに、傾斜部分214bからフランジ部215にかけて車幅方向に延びるビード214dが形成されている。
より詳しくは、ビード214dは、図3に示すように、第2クロスメンバ9の中央フランジ部93からサイドシルインナパネル42の第2隆起部427へ向かう仮想線に沿うように、略車両上方へ向けて突設されている。
換言すると、サイドシルインナパネル42の第2隆起部427と、第2クロスメンバ9の中央フランジ部93と、第1シート取付けブラケット21のビード214dとは、車両前後方向における位置が略同じ位置となるように形成されている。
このような構成の第1シート取付けブラケット21は、前壁部211が第2クロスメンバ9の前側フランジ部91に接合され、後壁部212が第2クロスメンバ9における後側突部95の後面に接合され、側壁部213が第2クロスメンバ9における前側突部94の上面、及び後側突部95の上面に接合されている。
さらに、第1シート取付けブラケット21は、図3及び図5の破線の円で示したように、フランジ部215の前端近傍が、サイドシルインナパネル42のインナ側面部423を介して第2節部材15に接合され、フランジ部215の後端近傍がインナ側面部423を介して第3節部材16に接合され、フランジ部215の車幅方向略中央がインナ側面部423に接合されている。
また、第2シート取付けブラケット22は、フランジ部がトンネル部6aに接合される点を除けば、第1シート取付けブラケット21に対して略左右対称形状であるため、その詳細な説明を省略する。
以上のような構成の自動車1の側部車体構造は、車室内の限られた空間を圧迫することなく、かつ重量増加を抑えて、側突時におけるセンタピラー3の倒れ変形を抑制することができる。
具体的には、第1隆起部426、第2隆起部427、第3隆起部428、及び第4隆起部429が、センタピラー3の下部と車幅方向で対向する位置に形成されたことにより、自動車1の側部車体構造は、インナ上側フランジ部425を介して略平板状のインナ上面部424でセンタピラー3を支持する場合に比べて、センタピラー3を車幅方向内側から安定して支持することができる。これにより、自動車1の側部車体構造は、側突荷重に対するセンタピラー3の支持剛性を向上することができる。
さらに、例えばサイドシル4及びセンタピラー3とは別体で構成したブレース部材に比べて、その大きさが小さい第1隆起部426、第2隆起部427、第3隆起部428、及び第4隆起部429によって、センタピラー3を支持できるため、自動車1の側部車体構造は、車室内の空間が圧迫されることを抑制できるとともに、部品点数の増加、及び重量増加を抑えることができる。
従って、自動車1の側部車体構造は、車室内の限られた空間を圧迫することなく、かつ重量増加を抑えて、側突時におけるセンタピラー3の倒れを抑制することができる。
また、第1隆起部426、第2隆起部427、第3隆起部428、及び第4隆起部429が、車両前方側、及び車両後方側から徐々に車両上方へ隆起した形状に形成されたことにより、自動車1の側部車体構造は、車両前方または車両後方からの衝突荷重が伝達される荷重伝達経路としてのサイドシル4の機能を損なうことなく、側突時におけるセンタピラー3の倒れを抑制することができる。
具体的には、例えば、略平板状のインナ上面部424に略鉛直に隆起した隆起部を設けた場合、平板部分と隆起部との境界部分が、車両前方または車両後方からの衝突荷重に対する脆弱部となるおそれがある。
これに対して、第1隆起部426、第2隆起部427、第3隆起部428、及び第4隆起部429が、車両前方側、及び車両後方側から徐々に車両上方へ隆起した形状に形成されたことにより、自動車1の側部車体構造は、平板部分と隆起部との境界部分が、車両前方または車両後方からの衝突荷重に対する脆弱部となることを防止できる。
さらに、車両前後方向の一方からサイドシル4に衝突荷重が作用した際、自動車1の側部車体構造は、平板部分から略鉛直に隆起した隆起部を有するサイドシル4に比べて、車両前後方向の一方から伝達された衝突荷重を車両前後方向の他方へ向けて効率よく伝達することができる。
従って、自動車1の側部車体構造は、車両前方側、及び車両後方側から車両上方へ徐々に隆起した第1隆起部426、第2隆起部427、第3隆起部428、及び第4隆起部429により、車両前方または車両後方からの衝突荷重が伝達される荷重伝達経路としてのサイドシル4の機能を損なうことなく、側突時におけるセンタピラー3の倒れを抑制することができる。
また、第1隆起部426、第2隆起部427、第3隆起部428、及び第4隆起部429が、インナ上面部424における車幅方向内側の縁端から車幅方向外側へ所定間隔だけ離間した位置から隆起した形状に形成されたことにより、自動車1の側部車体構造は、サイドシルインナパネル42のより安定した成形性を確保できるため、側突時におけるセンタピラー3の倒れをより抑制することができる。
具体的には、例えばインナ上面部424における車幅方向内側の縁端と、隆起部における車幅方向内側の縁端とを略一致させると、サイドシルインナパネル42を成形する際、インナ側面部423とインナ上面部424との境界部分、すなわちサイドシルインナパネル42の角部の形状が複雑になるため、その成形性が低下するおそれがある。
そこで、インナ上面部424における車幅方向内側の縁端から車幅方向外側へ所定間隔だけ離間した位置から第1隆起部426、第2隆起部427、第3隆起部428、及び第4隆起部429を隆起させたことにより、自動車1の側部車体構造は、サイドシルインナパネル42における角部の成形性を安定して確保することができる。このため、自動車1の側部車体構造は、センタピラー3の支持剛性にバラツキが生じることを抑えることができる。
さらに、自動車1の側部車体構造は、第1隆起部426、第2隆起部427、第3隆起部428、及び第4隆起部429よりも車幅方向内側に略平板状の平板部分を容易に確保することができる。このため、自動車1の側部車体構造は、サイドシルインナパネル42のインナ上面部424に、例えば車両前部に配置された車載バッテリと車両後部に配置された電気機器とを接続するワイヤーハーネスを、湾曲を抑えて略直線状に効率よく配置することができる。
従って、自動車1の側部車体構造は、インナ上面部424における車幅方向内側の縁端から所定間隔だけ離間した位置から隆起した第1隆起部426、第2隆起部427、第3隆起部428、及び第4隆起部429によって、サイドシルインナパネル42のより安定した成形性を確保できるため、側突時におけるセンタピラー3の倒れをより抑制することができる。
また、センタピラー3が、車両上方から車両下方にかけて車両前後方向の長さが長くなる側面視略末広がり形状に形成され、サイドシル4のインナ上面部424が、センタピラー3の下部における前端近傍と略同じ車両前後方向の位置に形成された第1隆起部426と、センタピラー3の下部における後端近傍と略同じ車両前後方向の位置に形成された第4隆起部429と、第1隆起部426、及び第4隆起部429の間に形成された第2隆起部427、及び第3隆起部428とを備えたことにより、自動車1の側部車体構造は、車室内の限られた空間を圧迫することなく、かつ重量増加を抑えて、側突時におけるセンタピラー3の倒れをより確実に抑制することができる。
具体的には、サイドシルインナパネル42の第1隆起部426、及び第4隆起部429により、自動車1の側部車体構造は、車両前後方向におけるセンタピラー3の両端の支持剛性を向上することができる。
さらに、第1隆起部426と第4隆起部429との間に第2隆起部427、及び第3隆起部428を設けたことにより、自動車1の側部車体構造は、センタピラー3の支持剛性をさらに向上することができる。
この際、例えば側突時におけるセンタピラー3の倒れ量の大きい部分と対向する位置に第2隆起部427、及び第3隆起部428を設けることで、自動車1の側部車体構造は、別体で構成されたブレース部材を用いることなく、センタピラー3の支持剛性を効率よく向上することができる。
加えて、各隆起部の間に略平板状の平板部分を容易に確保できるため、自動車1の側部車体構造は、例えば車両前後方向に延びるワイヤーハーネスを固定するためのブラケットなどを、サイドシルインナパネル42のインナ上面部424に容易に配置することができる。
従って、自動車1の側部車体構造は、センタピラー3の前端近傍に形成した第1隆起部426、センタピラー3の後端近傍に形成した第4隆起部429、及び第1隆起部426と第4隆起部429の間に形成した第2隆起部427、及び第3隆起部428により、車室内の限られた空間を圧迫することなく、かつ重量増加を抑えて、側突時におけるセンタピラー3の倒れをより確実に抑制することができる。
また、サイドシル4の内部に、第1隆起部426と略同じ車両前後方向の位置に配設された第1節部材14と、第4隆起部429と略同じ車両前後方向の位置に配設された第4節部材17とを備え、第1節部材14が、サイドシルインナパネル42のインナ側面部423と第1隆起部426とに接合され、第4節部材17が、サイドシルインナパネル42のインナ側面部423と第4隆起部429とに接合されたことにより、自動車1の側部車体構造は、側突時におけるセンタピラー3の倒れをさらに抑制することができる。
具体的には、自動車1の側部車体構造は、第1節部材14、及び第4節部材17が、それぞれサイドシルインナパネル42の隆起部とインナ側面部423とを連結しているため、側突荷重に対する第1隆起部426、及び第4隆起部429の剛性を向上することができる。
このため、自動車1の側部車体構造は、第1隆起部426と第1節部材14との協働、及び第4隆起部429と第4節部材17との協働により、センタピラー3の前端近傍、及び後端近傍の支持剛性を向上することができる。
従って、自動車1の側部車体構造は、第1隆起部426に接合される第1節部材14、及び第4隆起部429に接合された第4節部材17により、側突時におけるセンタピラー3の倒れをさらに抑制することができる。
また、第2クロスメンバ9が、第2隆起部427と略同じ車両前後方向の位置に配置されたことにより、自動車1の側部車体構造は、側突時におけるセンタピラー3の倒れを抑制するとともに、車幅方向の一方に作用した側突荷重を、比較的剛性が高い第2隆起部427を介して、車幅方向の他方へ効率よく伝達、分散することができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明のセンタピラー3の一部は、実施形態のセンタピラーインナパネル33に対応し、
以下同様に、
フランジ部は、インナ上側フランジ部425に対応し、
サイドシルインナパネルの上面部は、インナ上面部424に対応し、
少なくとも1つの隆起部は、第1隆起部426、第2隆起部427、第3隆起部428、及び第4隆起部429に対応し、
第1隆起部は、第1隆起部426に対応し、
第2隆起部は、第4隆起部429に対応し、
少なくとも1つの第3隆起部は、第2隆起部427、及び第3隆起部428に対応し、
前側節部材は、第1節部材14に対応し、
後側節部材は、第4節部材17に対応し、
サイドシルインナパネルの側面部は、インナ側面部423に対応し、
クロスメンバは、第2クロスメンバ9に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述した実施形態において、車幅方向略中央にトンネル部6aを有するフロアパネル6としたが、これに限定せず、トンネル部を備えていないフロアパネルであってもよい。
また、車両前後方向に沿った縦断面形状が断面略M字状の第2クロスメンバ9としたが、これに限定せず、第1クロスメンバ8と同様に、車両上方に突出した断面略ハット状の第2クロスメンバであってもよい。
また、第1シート取付けブラケット21を介して、第2クロスメンバ9をサイドシル4に連結した構成としたが、これに限定せず、第2クロスメンバ9をサイドシル4に直接的に接合させた構成としてもよい。
また、第2隆起部427、及び第3隆起部428と、第2節部材15、及び第3節部材16とが、車両前後方向における異なる位置に位置する構成としたが、これに限定せず、第2隆起部427と略同じ前後方向の位置に第2節部材15を備え、第3隆起部428と略同じ車両前後方向の位置に第3節部材16を備えた構成としてもよい。
この場合、第1節部材14、及び第4節部材17と同様に、第2節部材15を第2隆起部427に接合し、第3節部材16を第3隆起部428に接合することで、センタピラー3の支持剛性をさらに向上することができる。
また、第2隆起部427と略同じ車両前後方向の位置に第2クロスメンバ9が配設された構成としたが、これに限定せず、第1隆起部426、第3隆起部428、あるいは第4隆起部429と略同じ車両前後方向の位置にクロスメンバが配設された構成としてもよい。
また、第1隆起部426と第4隆起部429との間に、第2隆起部427、及び第3隆起部428が形成された構成としたが、これに限定せず、第1隆起部426と第4隆起部429との間に1つの隆起部が形成された構成、あるいは第1隆起部426と第4隆起部429との間に3つ以上の隆起部が形成された構成であってもよい。
また、センタピラー3と車幅方向で対向する隆起部として、第1隆起部426、第2隆起部427、第3隆起部428、及び第4隆起部429を形成したが、これに限定せず、例えば別の実施形態におけるセンタピラー3近傍の平面図を示す図7、及び別の実施形態におけるセンタピラー3近傍の側面図を示す図8のように、センタピラー3の前端近傍から後端近傍に至る車両前後方向の範囲と略同じ車両前後方向の範囲に亘って隆起した1つの隆起部430をサイドシルインナパネル42のインナ上面部424に形成してもよい。
1…自動車
3…センタピラー
4…サイドシル
9…第2クロスメンバ
14…第1節部材
17…第4節部材
33…センタピラーインナパネル
41…サイドシルアウタパネル
42…サイドシルインナパネル
423…インナ側面部
424…インナ上面部
425…インナ上側フランジ部
426…第1隆起部
427…第2隆起部
428…第3隆起部
429…第4隆起部
430…隆起部

Claims (6)

  1. 自動車の車両前後方向に延びる左右一対のサイドシルと、
    該サイドシルに下端が接合されるとともに、略車両上方に延びる左右一対のセンタピラーとを備えた自動車の側部車体構造であって、
    前記サイドシルが、
    車幅方向外側に位置して車両前後方向に延びる断面略ハット状のサイドシルアウタパネルと、
    前記センタピラーの一部を介して前記サイドシルアウタパネルに接合されるフランジ部を有して、車両前後方向に延びる断面略ハット状のサイドシルインナパネルとで構成され、
    該サイドシルインナパネルの上面部分である上面部に、
    車幅方向内側から前記フランジ部にかけて隆起した少なくとも1つの隆起部を備え、
    該隆起部が、
    前記センタピラーの下部と車幅方向で対向する位置に形成された
    自動車の側部車体構造。
  2. 前記隆起部が、
    車両前方側、及び車両後方側から徐々に車両上方へ隆起した形状に形成された
    請求項1に記載の自動車の側部車体構造。
  3. 前記隆起部が、
    前記上面部における車幅方向内側の縁端から車幅方向外側へ所定間隔だけ離間した位置から隆起した形状に形成された
    請求項1または請求項2に記載の自動車の側部車体構造。
  4. 前記センタピラーが、
    車両上方から車両下方にかけて、車両前後方向の長さが長くなる側面視略末広がり形状に形成され、
    前記サイドシルの前記上面部に、
    前記センタピラーの下部と車幅方向で対向する複数の前記隆起部を備え、
    該複数の隆起部が、
    前記センタピラーの下部における前端近傍と略同じ車両前後方向の位置に形成された第1隆起部と、
    前記センタピラーの下部における後端近傍と略同じ車両前後方向の位置に形成された第2隆起部と、
    前記第1隆起部、及び前記第2隆起部の間に形成された少なくとも1つの第3隆起部とで構成された
    請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の自動車の側部車体構造。
  5. 前記サイドシルの内部に、
    前記第1隆起部と略同じ車両前後方向の位置に配設された前側節部材と、
    前記第2隆起部と略同じ車両前後方向の位置に配設された後側節部材とを備え、
    前記前側節部材が、
    前記サイドシルインナパネルにおける側面部分である側面部と前記第1隆起部とに接合され、
    前記後側節部材が、
    前記サイドシルインナパネルの前記側面部と前記第2隆起部とに接合された
    請求項4に記載の自動車の側部車体構造。
  6. 前記サイドシルの間において、車幅方向に延びるとともに、前記サイドシルに連結されたクロスメンバを備え、
    該クロスメンバが、
    前記隆起部と略同じ車両前後方向の位置に配置された
    請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の自動車の側部車体構造。
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