JP6539943B2 - 車両の付加音量算出方法および付加音量算出装置 - Google Patents

車両の付加音量算出方法および付加音量算出装置 Download PDF

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本発明は、車両の付加音量算出方法および付加音量算出装置に関し、特に車両に搭載される能動型の効果音発生装置により車室内の複数のスピーカから発音されて実際のエンジン加速音に付加される効果音の音量を算出する方法および装置に関する。
車外騒音規制のために車両走行音の静粛化が求められる一方で、乗員にとっては魅力品質の一つである走行音(効果音)をオーディオスピーカから車室内に出力して実際のエンジン加速音に付加することにより、車外騒音規制に制約されることなく、よりダイナミックな走行音を体感できるようにした能動型の効果音発生装置(ASC:Active Sound Control System とも称される。)が特許文献1等にて提案されている。
特開2012−162143号公報
しかしながら、特許文献1に代表されるようなシステムにおいて、効果音(加速音)としてスピーカから出力される適正な付加音量を決定するためには、官能評価実走行試験を繰り返し行う必要があり、加速音の付加音量のチューニングに膨大な時間を要することとなって好ましくない。
例えば、付加音量として車室内に配置されるオーディオスピーカの数やエンジン回転に応じた周波数のN次成分を付加することを考慮すると、数十〜数百にも及ぶ組み合わせが考えられ、加速音の付加音量のチューニングに膨大な時間を要することになる。
また、MISOと呼ばれる手法を用いて乗員の耳位置での目的音をスピーカで再現することが可能であるが、この手法では、想定した着座位置では理想とされる加速音が再現できるものの、少しでも着座位置がずれると理想とされる加速音が再現できなくなるおそれがあるほか、様々な着座位置が選ぶことが可能な車室内での目的音の再現方式としては好ましくない。ましてや最も一般的な乗用車では助手席や後部座席に人が着座することも当然ながらあり得るので、その場合には理想とされる走行音(効果音)とは異なってしまうこととなって好ましくない。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、能動型効果音発生装置により発音・付加される付加音量のさらなる適正化を図るべく、とりわけその付加音量についてのチューニング工数を大幅に削減することを可能とした付加音量算出方法を提供するものである。
本発明は、車両に搭載される能動型効果音発生装置により車室内の複数のスピーカから発音・付加される効果音の音量を算出する方法として、車室内で計測したエンジン加速音についてエンジン回転数に応じた次数成分を抽出する車室内エンジン加速音抽出工程と、上記エンジン加速音の次数成分に基づいて、予め把握している目標理想音のイメージと比較しながら、理想加速音を作成する理想加速音作成工程と、スピーカ伝達特性計測用の基準音源からの音を各スピーカから出力して乗員の耳相当位置にて録音した上で各スピーカの伝達特性を算出する伝達特性算出工程と、上記エンジン加速音と理想加速音との音圧レベルの差分を算出した上で、この音圧差分と各スピーカの伝達特性とに基づいて、各スピーカから発音・付加すべき再生音の音量を算出するスピーカ再生音算出工程と、を含むものとした。
本発明によれば、能動型効果音発生装置により発音・付加される付加音量のさらなる適正化を図るにあたって、車室内着座位置による音源位置からの伝達関数の違いを考慮して、適正な付加音量を自動計算で求めることができ、それによって加速音の付加音量についてのチューニング工数を大幅に削減することができる。
本発明に係る付加音量算出方法のためのシステム全体の概略説明図。 図1における車室内エンジン加速音抽出装置の詳細を示す機能ブロック図。 図1における理想加速音作成装置の詳細を示す機能ブロック図。 図1における車室内スピーカ伝達特性のバイノーラル計測装置の詳細を示す機能ブロック図。 図1におけるスピーカ再生音算出装置の詳細を示す機能ブロック図。 車載オーディオシステムにおけるスピーカの配置例を示す説明図。
図1〜6は本発明に係る付加音量算出方法を実施するためのより具体的な形態を示し、特に図1は付加音量算出システム全体の概略構成を、図2〜5は図1における各部の機能の詳細をそれぞれ示している。
図1に示すシステムでは、大別して、車室内スピーカ伝達特性のバイノーラル計測装置1と、車室内エンジン加速音抽出装置2、理想加速音作成装置3、およびスピーカ再生音算出装置4と、から構成される。スピーカとしては、図6に示すように、車載オーディオ装置のステレオ出力装置として例えば車両の左右のフロントドアおよびリアドアのそれぞれに対をなして配置されるスピーカ5R,5Lおよび6R,6Lを想定している。そして、図1に示したシステムは、バイノーラル計測装置1、車室内エンジン加速音抽出装置2、理想加速音作成装置3およびスピーカ再生音算出装置4のそれぞれの要素を含むかたちで例えば汎用のパーソナルコンピュータをもって構築される。
図1の車室内エンジン加速音抽出装置2は、現状(実際)のエンジン加速音を車室内で計測し、次数比分析を行うことにより、車両加速時のエンジン回転数に応じたエンジン加速音の次数成分を抽出する機能を有する。
また、図1の理想加速音作成装置3は、上記車室内エンジン加速音抽出装置2で抽出・作成した加速音の次数成分を基に次数比成分音量付加装置により加速時の理想加速音を作成する機能を有する。この理想加速音作成装置3で作成した理想加速音は、後述するように、予め把握できている目標とする理想音と比較・確認され、誤差が大きい場合には目的回転次数での付加音量入力により随時自動補正され、理想加速音として完成される。
同様に、図1の車室内スピーカ伝達特性のバイノーラル計測装置1は、その名のとおり車室内スピーカ伝達特性を決定するためのもので、伝達特性計測用の基準音源を図6に示した車室内の各スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lから出力し、人体を模したいわゆるダミータイプの計測装置本体部で伝搬音をバイノーラル録音するした上で、各スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lからの伝達特性を算出する機能を有する。なお、ダミータイプの計測装置本体部については後述する。
さらに、図1のスピーカ再生音算出装置4は、現状(実際)のエンジン加速音と上記理想加速音作成装置3で作成した理想加速音との音圧レベルの差分を算出し、この音圧差分算出値と各スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lの伝達特性を用いることで理想音を次数比成分音量付加装置より出力することになる。この場合において、最終的には着座位置が異なる場合(例えば、座席の前後や左右あるいは上下位置)を考慮し、後述するように周波数特性の平滑化処理を行うことにより、各スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lからの付加音量を決定することになる。
図2は図1における車室内エンジン加速音抽出装置2の詳細を示している。図2の(A)に示すように、車室内において実際の車両走行に伴う加速音を録音等により収集し、現状の車室内での加速音を所定のファイルに入力して車室内加速音ファイルとして保存する(ステップS1)。そして、車室内での加速音にはエンジン回転に伴う加速音以外の音も含まれていることから、エンジンの回転に起因するエンジン加速音のみを抽出するべく、抽出すべきエンジン固有の次数を決定した上で(ステップS2)、次数比分析装置7での分析を実行するものとする(ステップS3)。この次数比分析装置7での分析処理により、エンジンの回転に起因する次数成分の加速音、すなわちエンジン加速音のみが抽出され、これを所定のファイルに出力して記録する(ステップS4)。
図2の(B)は同図(A)のステップS2における次数比分析装置7の詳細を示していて、ここでの次数比分析装置7は、FFT装置8、回転数算出装置9および次数成分抽出装置10とにより構成される。そして、これらの各要素での処理として、図2の(A)におけるステップS1のファイルと同等のファイルを音源ファイルとして入力するともともに(ステップS5)、目的とするエンジン回転数の次数を入力して(ステップS6)、FFT装置8、回転数算出装置9および次数成分抽出装置10にて順次所定の演算を行うことにより(ステップS7〜S9)、エンジン加速音のうち目的とするエンジン回転数の次数成分のみが抽出されて出力される(ステップS10)。
この場合において、当然のことながら目的とするエンジン回転数の次数は単一ではなく複数存在することから、目的とするエンジン回転数の次数の入力を始期とする上記演算を複数回繰り返すものとし、最終的には、図2の(A)のステップS4のように、エンジンの回転に起因する複数の次数成分の加速音がエンジン加速音として抽出され、これが所定のファイルへと出力されて記録される。なお、以下の説明においては、ここで取得されたエンジン加速音を現状加速音と略称するものとする。
また、図3は図1における理想加速音作成装置3の詳細を示している。同図(A)に示すように、理想加速音作成装置3では、図2の(A)のステップS4で取得されたエンジン加速音ファイルを入力するとともに(ステップS11)、図2の(B)のステップS6と同様に目的とするエンジン回転数の次数を入力し(ステップS12)、さらにステップS13での処理として、予め設定されているところの目的とするエンジン回転数の次数に応じた付加音量を入力する。そして、ステップS14での処理として、次数比成分音量付加装置11での処理を実行することにより、理想音、すなわち理想とするエンジン加速音が形成される。
さらに、続くステップS15において、形成された理想音の確認としてその理想音の良否(適否)判定(OK,NG判定)を行い、「OK」であればその理想音を完成理想音として所定のファイルに出力して記録し(ステップS16)、「NG」であればステップS16の理想音完成までステップS13以降の各処理を繰り返す。
なお、以下の説明において、ここで取得された完成理想音を「理想加速音」と略称するものとする。また、ステップS15の理想音の良否判定は、「OK」であるか「NG」であるかにかかわらず一旦音源ファイル化した上で机上にて確認するものとする。故に、ここでの理想音の良否判定については、目標とする音(理想音)のイメージが事前に把握できていることが前提となる。
図3の(B)は同図(A)のステップS14における次数比成分音量付加装置11の詳細を示していて、ここでの次数比成分音量付加装置11は、FFT装置12、回転数算出装置13、次数成分抽出装置14、各次数成分波形確認装置15のほか、各次数成分音量付加装置16、逆FFT装置17および音源ファイル作成装置18をもって構成される。そして、ステップS17およびS18では、同図(A)のステップS11およびS12の処理として、エンジン加速音ファイルを入力するとともに、目的とするエンジン回転数の次数を入力して、FFT装置12、回転数算出装置13、次数成分抽出装置14および各次数成分波形確認装置15の処理を実行する(ステップS19〜S22)。
さらに、ステップS23では、同図(A)のステップS13の処理として、予め設定されているところの目的とするエンジン回転数の次数に応じた付加音量を入力し、各次数成分音量付加装置16、逆FFT装置17および音源ファイル作成装置18での処理を実行する(ステップS24〜S26)。これにより、ステップS27において音量付加音源ファイルが形成され、これは図3の(A)におけるステップS16のでの完成理想音ファイル、すなわち上記理想加速音に相当するものとなる。
図4は図1に示したバイノーラル計測装置1での計測のためのシステム構成を示している。図4のシステム構成では、バイノーラル計測装置本体部19以外に、信号発生装置20、車載オーディオアンプ22および車載スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lのほか、音響信号録音装置23および伝達特性算出装置24が含まれている。バイノーラル計測装置本体部19は、周知のように、人体を模したダミーの頭部のうち左右の耳相当部にバイノーラル録音のためのマイクロホンを埋め込んだものであり、車室内の任意の座席(シート)に着座させるものとする。また、車載オーディオアンプ22は車載オーディオシステムの主要素として車両に搭載されているものであり、同様に車載スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lは図6に示したように例えば車両の左右のフロントドアおよびリアドアのそれぞれに対をなして配置されているものである。
なお、図4のシステムにおける信号発生装置20、音響信号録音装置23および伝達特性算出装置24は、図1に示した車室内エンジン加速音抽出装置2、理想加速音作成装置3およびスピーカ再生音算出装置4等と共に単一のパーソナルコンピュータをもって構築されていても良いが、図4のシステムにおける信号発生装置20、音響信号録音装置23および伝達特性算出装置24の三者が単一のパーソナルコンピュータをもって構築されていても良い。
ここでのバイノーラル計測に際しては、図4に示すように、伝達特性計測用に予め用意した音源の音を信号発生装置20で発生させ、車載オーディオアンプ22を経由して増幅した上で各車載スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lから出力(再生)する。そして、各車載スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lら出力される再生音を音響信号録音装置23にてバイノーラル録音する。さらに、図4の伝達特性算出装置24では音響信号録音装置23からの録音信号を受けて所定の演算を行って、各車載スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lからダミーの着座位置における左右の耳相当位置までの伝達関数(インパルスレスポンス)を算出して、各車載スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lごとの伝達関数を所定のファイルに出力して記録することになる。
さらに、図5は図1に示したスピーカ再生音算出装置4の詳細を示している。同図に示すように、スピーカ再生音算出装置4は、二つのFFT装置25,26のほか、差分値算出装置27、次数比成分音量付加装置28、音量レベルスムージング装置29および逆FFT装置30とをもって構成される。そして、図4のバイノーラル計測装置1で取得した各スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lごとの伝達関数を一方のFFT装置25に、前後のスピーカ5R,5Lおよび6R,6Lの出力レベルの割合を次数比成分音量付加装置28にそれぞれ入力する。
この場合において、図4のバイノーラル計測装置1で取得した各スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lごとの全ての伝達関数をそのまま一方のFFT装置25に入力するのではなく、主要伝達経路の伝達関数のみを選択して入力するものとする。ここでは、例えば車室内における右前方側のスピーカ5Rから右耳位置までの伝達関数と、左前方側のスピーカ5Lから左耳位置までの伝達関数と、右後方側のスピーカ6Rから右耳位置までの伝達関数、および左後方側のスピーカ6Lから左耳位置までの伝達関数をそれぞれ選択して一方のFFT装置25に入力するものとする。
また、図3の理想加速音作成装置3で取得した理想加速音と、同じく図2の車室内エンジン加速音抽出装置2で取得した現状加速音とを他方のFFT装置26に入力するものとする。さらに、予め設定してあるスムージング量を図5の音量レベルスムージング装置29入力するものとする。そして、二つのFFT装置25,26のほか、差分値算出装置27、次数比成分音量付加装置28および逆FFT装置30でのそれぞれの処理を実行する。
ここでは、上記現状加速音と理想加速音との音圧レベルの差分を算出した上で、この音圧差分と各スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lの伝達特性を用いることで理想加速音に必要な付加音量分を求め、最終的には、図5に示すように、上記付加音量分に応じた各スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lからの出力音量を決定してこれを逆FFT装置30から出力するものとする。つまり、予め取得した各スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lごとの伝達関数を用いることで、理想加速音に対する現状加速音の差分を計算にて求め、上記伝達関数から求められた付加音量分を逆算して求める手法を採る。ただし、伝達関数の位相成分を無視して、音圧のみに基づいて所定の演算処理を行うものとする。
この場合において、図5の音量レベルスムージング装置29でのスムージング処理として、車室内での着座位置が異なる場合(例えば、座製の前後や左右あるいは上下位置)を考慮した周波数特性の平滑化処理を行うことにより、各スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lから出力される再生音としての付加音量を決定して出力するようにしている。
また、上記のように、各スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lの伝達関数のみに基づいて周波数特性を算出した場合、車室内という狭い空間内において出力してもほとんど伝達されないいわゆるディップとなる周波数や、逆に少量のスピーカからの音圧付加でも伝達しやすい周波数が存在する。そして、この特性をそのまま入れ込むと、伝達関数測定位置のみで「理想加速音」が実現される可能性がある。そこで、他の位置でも同等に「理想加速音」を実現するために、上記音量レベルスムージング処理の一環として、あるいは別の補正処理として、各スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lの伝達関数の周波数特性にローパスフィルタ等による波形のピーク・ディップ緩和処理を加えることが望ましい。
さらに、周波数特性に特定レベルの閾値を設け、伝達関数の周波数特性が閾値を超える場合と、閾値未満となる場合の双方において、ディップやピークの前後でデータを補完する制御を付加することで、理想加速音とかけ離れた音を聞かせてしまうことがなくなり、どの着座位置においても理想加速音に近い加速音を再現させるチューニングが可能となる。
ここで、上記以外の本実施の形態での利点を列挙すれば下記(ア)〜(エ)の通りである。
(ア)左右の耳位置における音圧を計算できることにより、左右の音差で理想加速音定位を変更ことができる。
(イ)理想加速音を加味していない原音について、計算で算出した音を実際に加味することで、机上での実際に聞こえるであろう加速音の確認が可能となる。
(ウ)上記一連の処理により、各周波数から出力すべき各周波数における音量を瞬時に算出してリスト化することにより、数十〜数百に及ぶチューニング工数が削減できることになる。
(エ)音圧のみの制御によりステレオ音源等にありがちな音像がピンポイントで定位してしまって、エンジン側から聞こえる実際の音とかけ離れてしまうといった不具合現象を効果的に回避することができる。
さらに、図1〜5に示したシステムで実行される一連の処理手順の一例を時系列に整理し直せば下記(1)〜(7)の通りである。ただし、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で一部の処理手順の後先を入れ替えることはもちろん可能である。
(1)図5に示すように、車両における各スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lから着座位置までの周波数特性である伝達関数(インパルスレスポンス)をバイノーラル計測法によって計測する。
(2)図3に示すように、車室内における現状加速音を計測する。
(3)図4に示すように、理想加速音を作成する。
(4)図6に示すように、現状加速音と理想加速音の音圧レベルの差分を算出する。
(5)図6に示すように、(1)で計測した伝達関数をもとに、各スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lから主要伝達成分を決定する。
(6)図6に示すように、(5)で決定した主要伝達成分をもとに、各スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lからの付加音量の周波数特性を算出する。
(7)図6に示すように、着座位置が異なる場合を考慮して音量レベルスムージングの一環として(6)で算出した周波数特性の平滑化処理を実行し、各スピーカ5R,5Lおよび6R,6Lからの付加音量を決定する。
そして、このような処置手順のアルゴリズムをソフトウエア化して、例えば図1のシステムの母体となるパーソナルコンピュータ等にインストールしておくことにより、各周波数における音量を瞬時に算出してリスト化することができることから、従来のような数十〜数百に及ぶ組み合わせのチューニング工数を大幅に削減することができることになる。
1…車室内スピーカ伝達特性のバイノーラル計測装置(伝達特性算出手段)
2…車室内エンジン加速音抽出装置
3…理想加速音作成装置
4…スピーカ再生音算出装置
5R,5L…スピーカ
6R,6L…スピーカ
19…バイノーラル計測装置本体部

Claims (4)

  1. 車両に搭載される能動型効果音発生装置により車室内の複数のスピーカから出力されて実際のエンジン加速音に付加される効果音の音量を算出する方法であって、
    車室内で計測したエンジン加速音についてエンジン回転数に応じた次数成分を抽出する車室内エンジン加速音抽出工程と、
    上記エンジン加速音の次数成分に基づいて、予め把握している目標理想音のイメージと比較しながら、理想加速音を作成する理想加速音作成工程と、
    スピーカ伝達特性計測用の基準音源からの音を各スピーカから出力して乗員の耳相当位置にて録音した上で各スピーカの伝達特性を算出する伝達特性算出工程と、
    上記エンジン加速音と理想加速音との音圧レベルの差分を算出した上で、この音圧差分と各スピーカの伝達特性とに基づいて、各スピーカから効果音として出力される再生音の音量を算出するスピーカ再生音算出工程と、
    を含んでいることを特徴とする車両の付加音量算出方法。
  2. 上記伝達特性算出工程は、スピーカ伝達特性計測用の基準音源からの音を各スピーカから出力してバイノーラル録音した上で各スピーカの伝達特性を算出するバイノーラル計測工程であることを特徴とする請求項1に記載の車両の付加音量算出方法。
  3. 車両に搭載される能動型効果音発生装置により車室内の複数のスピーカから出力されて実際のエンジン加速音に付加される効果音の音量を算出する装置であって、
    車室内で計測した車両走行に伴うエンジン加速音についてエンジン回転数に応じた次数成分を抽出する車室内エンジン加速音抽出手段と、
    上記エンジン加速音の次数成分に基づいて、予め把握している目標理想音のイメージと比較しながら、理想加速音を作成する理想加速音作成手段と、
    スピーカ伝達特性計測用の基準音源からの音を各スピーカから出力して乗員の耳相当位置にて録音した上で各スピーカの伝達特性を算出する伝達特性算出手段と、
    上記エンジン加速音と理想加速音との音圧レベルの差分を算出した上で、この音圧差分と各スピーカの伝達特性とに基づいて、各スピーカから効果音として出力される再生音の音量を算出するスピーカ再生音算出手段と、
    を備えていることを特徴とする車両の付加音量算出装置。
  4. 上記伝達特性算出手段は、スピーカ伝達特性計測用の基準音源からの音を各スピーカから出力してバイノーラル録音した上で各スピーカの伝達特性を算出するバイノーラル計測装置であることを特徴とする請求項3に記載の車両の付加音量算出装置。
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