JP2013020033A - 車室内の音の官能評価装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被験者に車両の動きを擬似的に体感させることによって官能評価の精度を高めることができる車室内の音の官能評価装置を提供すること。
【解決手段】走行車両の車室内で収録された音響データを再生する音源再生部2と、該音源再生部2によって再生された音響データを高周波成分と低周波数に分離する音源分離部3と、該音源分離部3によって分離された低周波数成分に基づいて体感情報を算出する体感情報算出部4と、前記音源分離部3によって分離された高周波数成分を被験者に提示する音響提示部5と、被験者が着座する座席6と、該座席6を動かす揺動装置7と、前記体感情報算出部4によって算出された体感情報に基づいて前記揺動装置7を駆動する体感情報提示部8と、を含んで車両の音の官能評価装置1を構成し、前記座席6に着座した被験者に再生音と共に車両の動きに関する体感情報を提示して車室内の音を官能評価させる。
【選択図】図1
【解決手段】走行車両の車室内で収録された音響データを再生する音源再生部2と、該音源再生部2によって再生された音響データを高周波成分と低周波数に分離する音源分離部3と、該音源分離部3によって分離された低周波数成分に基づいて体感情報を算出する体感情報算出部4と、前記音源分離部3によって分離された高周波数成分を被験者に提示する音響提示部5と、被験者が着座する座席6と、該座席6を動かす揺動装置7と、前記体感情報算出部4によって算出された体感情報に基づいて前記揺動装置7を駆動する体感情報提示部8と、を含んで車両の音の官能評価装置1を構成し、前記座席6に着座した被験者に再生音と共に車両の動きに関する体感情報を提示して車室内の音を官能評価させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、走行車両の車室内の音を音データとして収録し、その音データを用いて音源を再生しながら音の印象評価を行うための車室内の音の官能評価装置に関するものである。
近年、走行車両の車室内の音は、車両のエクステリアやインテリアと共に車両の商品性を支える要素の1つになっている。車両の音の評価を行う際には、例えば走行中の車両の車室内の音をダミーヘッドを用いて音響データとして予め収録し、その音響データをヘッドホンやスピーカによって再生して被験者に提示し、被験者から評価を得るという官能評価手法を用いた試験が行われている。斯かる試験においてヘッドホンを用いる場合、ヘッドホンでの再生が困難な低周波帯域の音を再現するためにサブウーハーを設置することも行われている。
ところで、車室内の音の評価に関して、特許文献1には、乗員の耳位置での音を集音手段によってバイノーラル録音し、該集音手段からの信号を受けて周波数特性や音量等を変化させ、その信号によって乗員が車室内で聴く音を再生するようにした車室内音響特性評価装置が提案されている。
特許文献2には、被験者が着座するシートに設けられた振動板を設け、車両走行時に乗員が受ける音響に対応する音響信号を音響発生装置によって生成し、この音響発生装置によって生成された音響信号によってスピーカを駆動して音響を大気中に出力するとともに、音響発生装置で生成された音響信号をローパスフィルタを介して振動板に供給してシートを振動させるドライビングシミュレータが提案されている。
特許文献3には、0.5〜80Hz程度までの振動を発生する高周波加振台と、0.5〜80Hz程度までの低周波音を再生する超低周波音スピーカと、20〜100kHz程度までの超高周波音を再生する超高周波音スピーカを模擬客室内に配置して走行音及び振動を模擬するようにした複合環境試験装置が提案されている。
特許文献4には、擬似体験者が搭乗する搭乗部とこれを駆動する駆動手段を有するシミュレータにおいて、音響情報に応じた振動情報を制御情報に付加することによって、シミュレータに音響に応じた振動を与えるようにしたシミュレータ制御情報作成方法が提案されている。
ところで、実際には、車両の乗員は車室内の音だけを聴いているのではなく、同時に車両の揺れや振動を感じながら音を聴いているため、ヘッドホンやスピーカによって提示された音を聴く方法による官能評価試験では、車両に搭乗している感じ(リアリティ)が不足することになり、このリアリティの不足が被験者による評価結果に影響を与える。
リアリティ不足の評価結果への影響は、官能評価試験による音の評価と実際に車両に乗車した際の音の評価との間にズレを生じさせ、試験室内で行われる官能評価試験において実車での評価結果を正確に予測することが困難となる。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、被験者に車両の動きを擬似的に体感させることによって官能評価の精度を高めることができる車室内の音の官能評価装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の車室内の音の官能評価装置は、
走行車両の車室内で収録された音響データを再生する音源再生部と、
該音源再生部によって再生された音響データを高周波成分と低周波数に分離する音源分離部と、
該音源分離部によって分離された低周波数成分に基づいて体感情報を算出する体感情報算出部と、
前記音源分離部によって分離された高周波数成分を被験者に提示する音響提示部と、
被験者が着座する座席と、
該座席を動かす揺動装置と、
前記体感情報算出部によって算出された体感情報に基づいて前記揺動装置を駆動する体感情報提示装置と、
を備え、前記座席に着座した被験者に再生音と共に車両の動きに関する体感情報を提示して車室内の音を官能評価させることを特徴とする。
走行車両の車室内で収録された音響データを再生する音源再生部と、
該音源再生部によって再生された音響データを高周波成分と低周波数に分離する音源分離部と、
該音源分離部によって分離された低周波数成分に基づいて体感情報を算出する体感情報算出部と、
前記音源分離部によって分離された高周波数成分を被験者に提示する音響提示部と、
被験者が着座する座席と、
該座席を動かす揺動装置と、
前記体感情報算出部によって算出された体感情報に基づいて前記揺動装置を駆動する体感情報提示装置と、
を備え、前記座席に着座した被験者に再生音と共に車両の動きに関する体感情報を提示して車室内の音を官能評価させることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記体感情報提示装置は、再生された音の低周波成分を用いて車両の動きを推定することによって前記揺動装置を駆動することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、音響データの高周波数成分の前記音響提示部への提示と体感情報の前記体感情報提示部への提示のタイミングを一致させるために両者の提示に遅延を加えるタイミング調節部を設けたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記音響提示部によって提示される音の大きさに基づいて前記体感情報提示部による前記揺動装置の駆動を調整するバランス調節部を設けたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、被験者は、音響提示部(ヘッドホン)から提供される音(高周波の可聴音)を耳で聴きながら、座席に加えられる振動によって車両の動きを擬似的に体感することができ、車両に搭乗している感じ(リアリティ)を実感しながら音を高精度に官能評価することができる。つまり、官能評価試験による音の評価と実際に車両に乗車した際の音の評価との間に生じるズレを小さく抑えることができ、試験室内で行われる官能評価試験において実車での評価結果を正確に予測することが可能となる。
又、収録された音響データに基づいて揺動装置を駆動することによって被験者に車両の動きを擬似的に体感させるようにしたため、再生される音響データの実車での収録を容易に行うことができる。つまり、車両の揺動装置を駆動させる信号に関し、例えば、加速度センサからの加速度信号を利用する場合、加速度を測定する複数の加速度センサの車両への取り付けが必要となるとともに、加速度センサからの出力信号を収録することが必要となるが、本発明では音響データを収録すれば良いため、その収録が容易となる。
請求項2記載の発明によれば、再生された音の低周波成分を用いて車両の動きを推定することによって揺動装置を駆動するようにしたため、車両の実際の動きを精度良く推定することができる。
請求項3記載の発明によれば、音響データの低周波成分による車両の動きを算出する時間を確保することができ、車両の動きを一層高精度の推定することができ、被験者に車両に搭乗している感じ(リアリティ)を実感させることができる。
請求項4記載の発明によれば、音と振動の相乗効果によって被験者に車両に搭乗している感じ(リアリティ)を実感させることができ、より高精度な音の官能評価が可能となる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る車室内の音の官能評価装置のシステム構成図であり、本発明に係る音の官能評価装置1は、試験室内での被験者による車室内の音の官能評価において被験者に音を提示する際、被験者による車室内の音の官能評価が実車に乗車中の音の印象に近くなるよう、同時に音の周波数成分を分析して体感情報成分を算出し、音と体感情報を同時に被験者に提示するようにしたことを特徴とするものである。
本発明に係る官能評価装置1は、図1に示すように、走行車両の車室内でダミーヘッド等によって収録された音響データを再生する音源再生部2と、該音源再生部2によって再生された音響データを周波数フィルタによって高周波成分と低周波数に分離する音源分離部3と、分離された低周波数成分に基づいて体感情報を算出する体感情報算出部4と、高周波数成分を被験者に提示するヘッドホン等の音響提示部5と、被験者が着座する座席6と、該座席6を揺動させる揺動装置7と、体感情報算出部4によって算出された体感情報に基づいて前記揺動装置7を駆動する体感情報提示装置8と、音響データの音成分(高周波数成分)と体感情報成分(低周波数成分)とのバランスを整えるバランス調節部9と、信号処理に関する時間差を調節するためのタイミング調節部10によって構成されている。
上記音源再生部2と音響提示部5としては、音の官能評価試験において従来から用いられている一般的な再生器とヘッドホンがそのまま使用されている。
前記音源分離部3は、音響データを概ね数100Hz付近の周波数を境として高周波成分(100Hz〜)と低周波数成分(〜400Hz)に分離し、高周波数成分を音響提示部5に伝送し、低周波数成分を体感情報算出部4に伝送する。
体感情報算出部4は、音源分離部3から伝送される音響データの低周波数成分(〜400Hz)から30Hz以下の超低周波数(ロードノイズ由来の非可聴音)を抽出し、概ね30Hz以下の超低周波数成分の振幅変動をZ軸成分(上下の揺れ量)とするとともに、超低周波の左右チャンネル間の位相差によってロール軸成分(左右の揺れ量)を求める。
又、体感情報算出部4は、音源分離部3から伝送される音響データの低周波数成分から概ね50〜400Hz低周波数(エンジンの燃焼に伴って生じる可聴音)を抽出し、その中心周波数の変動を算出する。そして、低周波数成分の中心周波数の変動のうち、概ね数10Hz以上の高周波成分をY軸成分(前後の加減速)とし、概ね10Hz以下の低周波成分をピッチ軸成分(前後の揺れ量)とする。
ところで、体感情報算出部4においては、前述のように音響データの低周波数成分から概ね50〜400Hz低周波数を抽出し、その中心周波数の変動を算出するが、これはエンジン回転数の増減に伴う中心周波数の変動を抽出することによってなされるため、数msec〜数secオーダーのデータを蓄積して算出する必要がある。従って、音源と各種体感情報の算出結果の取得タイミングにはズレが生じる。このため、音響データの高周波数成分の音響提示部5への提示と各種体感情報の体感情報提示部8への提示のタイミングを一致させるためには、両者の提示に適宜遅延を加える必要があり、このような機能は前記タイミング調節部10によって果たされる。このタイミング調節部10を設けることによって、音響データの低周波成分による車両の動きを算出する時間を確保することができ、車両の動きを一層高精度の推定することができ、被験者に車両に搭乗している感じ(リアリティ)を実感させることができる。
而して、体感情報算出部4によって求められたZ軸成分(上下の揺れ量)、ロール軸成分(左右の揺れ量)、Y軸成分(前後の加減速)及びピッチ軸成分(前後の揺れ量)の体感情報が揺動装置7に提示されると、揺動装置7はその体感情報に基づいて座席6を揺動させ、座席6に着座した被験者に体感情報に応じた振動を与える。
従って、被験者は、音響提示部(ヘッドホン)5から提供される音(高周波の可聴音)を耳で聴きながら、座席6に加えられる振動によって車両の動きを擬似的に体感することができ、車両に搭乗している感じ(リアリティ)を実感しながら音を高精度に官能評価することができる。つまり、官能評価試験による音の評価と実際に車両に乗車した際の音の評価との間に生じるズレを小さく抑えることができ、試験室内で行われる官能評価試験において実車での評価結果を正確に予測することが可能となる。
又、本実施の形態では、収録された音響データに基づいて揺動装置7を駆動するこによって被験者に車両の動きを擬似的に体感させるようにしたため、再生される音響データの実車での収録を容易に行うことができるという効果も得られる。
ところで、被験者の音に対する印象は、与えられた体感情報によって変化する場合がある。例えば、被験者に振動を提示した場合には、音の評価への影響が現れる。このため、本実施の形態では、バランス調節部9を設け、このバランス調節部9によって、音響提示部5によって提示される音の大きさに基づいて体感情報提示部8による揺動装置7の駆動を調整するようにしている。この結果、音と振動の相乗効果によって被験者に車両に搭乗している感じ(リアリティ)を実感させることができ、より高精度な音の官能評価が可能となる。
尚、以上の実施の形態では、体感情報成分としてZ軸、Y軸、ロール軸及びピッチ軸の4軸を用いたが、それ以外の方向の体感情報成分を算出してこれを被験者に提示するようにしても良い。
又、以上の実施の形態では、体感情報成分の算出には音情報のみを用いたが、例えば実車における車載ビデオ画像等に基づいて体感情報成分を算出しても良い。或いは、実車や背景を用いず、CAE等による計算結果を用いても良い。そして、空気伝播による体感を付与するためにウーファを加えても良い。
1 官能評価装置
2 音源再生部
3 音源分離部
4 体感情報算出部
5 音響提示部
6 座席
7 揺動装置
8 体感情報提示部
9 バランス調節部
10 タイミング調節部
2 音源再生部
3 音源分離部
4 体感情報算出部
5 音響提示部
6 座席
7 揺動装置
8 体感情報提示部
9 バランス調節部
10 タイミング調節部
Claims (4)
- 走行車両の車室内で収録された音響データを再生する音源再生部と、
該音源再生部によって再生された音響データを高周波成分と低周波数に分離する音源分離部と、
該音源分離部によって分離された低周波数成分に基づいて体感情報を算出する体感情報算出部と、
前記音源分離部によって分離された高周波数成分を被験者に提示する音響提示部と、
被験者が着座する座席と、
該座席を動かす揺動装置と、
前記体感情報算出部によって算出された体感情報に基づいて前記揺動装置を駆動する体感情報提示装置と、
を備え、前記座席に着座した被験者に再生音と共に車両の動きに関する体感情報を提示して車室内の音を官能評価させることを特徴とする車室内の音の官能評価装置。 - 前記体感情報提示装置は、再生された音の低周波成分を用いて車両の動きを推定することによって前記揺動装置を駆動することを特徴とする請求項1記載の車室内の音の官能評価装置。
- 音響データの高周波数成分の前記音響提示部への提示と体感情報の前記体感情報提示部への提示のタイミングを一致させるために両者の提示に遅延を加えるタイミング調節部を設けたことを特徴とする請求項1記載の車室内の音の官能評価装置。
- 前記音響提示部によって提示される音の大きさに基づいて前記体感情報提示部による前記揺動装置の駆動を調整するバランス調節部を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の車室内の音の官能評価装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011152496A JP2013020033A (ja) | 2011-07-11 | 2011-07-11 | 車室内の音の官能評価装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011152496A JP2013020033A (ja) | 2011-07-11 | 2011-07-11 | 車室内の音の官能評価装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=47691542
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011152496A Withdrawn JP2013020033A (ja) | 2011-07-11 | 2011-07-11 | 車室内の音の官能評価装置 |
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JP (1) | JP2013020033A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2017061367A1 (ja) * | 2015-10-09 | 2018-06-07 | シャープ株式会社 | 体感制御装置 |
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-
2011
- 2011-07-11 JP JP2011152496A patent/JP2013020033A/ja not_active Withdrawn
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