JP6539478B2 - タイヤ用金型及びタイヤ - Google Patents

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本発明は、タイヤ用金型及びタイヤに関し、特に、加硫成型後のタイヤの外観の向上を可能にするタイヤ用金型及びタイヤに関する。
従来、ゴム物品の一つであるタイヤを成型するタイヤ用金型には、加硫中のタイヤ表面と金型の成型面との間から空気やゴム組成物から発生したガスを排出するための複数の空気抜き孔が設けられている。加硫成型の際、タイヤ用金型の成型面と未加硫タイヤの表面との間に空気やゴム組成物から発生したガスが残留すると、タイヤ表面の傷、凹み、内部への空気入りが発生し、タイヤの外観品質やタイヤの耐久性を低下させることになる。そこで、金型に空気抜き孔を設けることで、加硫成型中のゴムの流れを阻害し、タイヤ表面に傷等の欠損を生じさせる原因となる空気やガスを外気に排出するようにしている。このような空気抜き孔は、ドリルによる加工や、金型の製造時に予め設けた孔にベントピースとよばれる筒部材を別途打ち込むことで形成される。空気抜き孔は、加硫成型中のタイヤのゴムが進入して加硫成型完了後に例えば7.5mm程度、場合によっては30mm以上の長さのひも状のスピューと呼ばれるはみだし痕をタイヤ表面に形成することが知られている。スピューは、製品タイヤとしての美観、すなわち外観性能の向上のため、加硫成型後に除去されるが、この工程はタイヤの製造工程における生産効率向上の妨げとなっている。また、除去後のスピューは、大量の廃棄物となって環境に負荷を与えてしまう。また、スピューは、除去後であっても、スピューの根元の部分が除去されずに、スピュー痕としてタイヤ表面に残ることもよく知られている。
ところで、加硫成型時における空気抜き孔の空気等排出性能は、成型面から背面に貫通する空気抜き孔の断面積が大きくなる程、向上するので、空気抜き孔の断面積大きくした方が良い。例えば、従来から知られている空気抜き孔が円形状の場合、断面積を決める空気抜き孔の孔径を大きくし過ぎると、それに対応してタイヤ表面に形成されるスピューの径も大きくなる。スピューは、タイヤ表面から外側へ突き出た凸状の突起物であるため、加硫成型後に除去しても、残ったスピュー痕によって、タイヤ表面の路面への接触状態すなわち接地性を悪化させてしまう。その結果、製品タイヤとしての初期の摩耗性能、偏摩耗性能、グリップ性能、操縦安定性能、WET排水性能等の運動性能に悪影響を及ぼすことになる。例えば、スピュー痕による初期のタイヤの接地性の悪さにより、タイヤ踏面やブロックの一部に偏って摩耗する偏摩耗が初期に進行すると、初期に生じた偏摩耗の形態がスピュー痕の消失後にも影響を及ぼし、偏摩耗が徐々に大きく進展してしまう。タイヤ踏面やブロックの偏摩耗の形状によっては、偏摩耗性能だけでなく、タイヤ全体としての摩耗性能、グリップ性能、操縦安定性能、WET排水性能等の運動性能をも大きく悪化させる虞がある。一般的には、空気抜き孔は、孔径が1mm〜2mm程度の断面円形状とすることにより、孔径を大きくする程性能が向上する空気等排出性能と、孔径を小さくする程性能が向上する製品タイヤの外観性能、運動性能、摩耗性能等との背反する性能の妥協を図っている。このような妥協を図りつつも、空気抜き孔には、空気の排気を許容しつつ、加硫成型後のタイヤ表面にスピューを形成しない、または、除去する必要がない程スピューをほとんど形成しない、または除去する必要がない程スピューが小さく、かつ、高さが低くするような性能が要求されている。
特許文献1乃至特許文献3には、タイヤ表面に形成されるゴムばりであるスピューの形成を抑制するための技術が開示されている。特許文献1では、ワイヤ放電加工により円周方向や幅方向に沿って延長する切込みを成型面に形成することや、金型の分割面において成型面から背面にかけて連続する切込みを形成することにより、当該切込みを成型面側から背面側に空気を排出する空気抜き孔に代わる空気抜き溝として構成している。特許文献2では、ドリル加工により金型の分割面に貫通する排気孔を設け、さらに、ワイヤ放電加工により成型面から排気孔に貫通するスリットを排気孔の延長する方向に沿って加工することにより、スリット及び排気孔を介して空気を外部に排出する構成としている。特許文献3では、鋳造により金型を製造する際に、金型を構成する素材の膨張係数とは異なる素材からなる薄板状のブレードを成型面から背面に貫通するように複数設けて鋳ぐるみとし、冷却後のブレードと金型本体との収縮率の差からブレードと金型本体との間に生じる隙間を空気抜き孔として形成することにより、成型面側から背面側に空気を排出する構成としている。
特開2005−305921号公報 特開平11−300746号公報 特開2007−38426号公報
しかしながら、上記特許文献1では、空気抜き溝として成型面に形成される切れ込みの各位置において、直接、成型面から背面に貫通しておらず、切れ込みの形成された各位置から直接背面側の対応する位置、場所に空気を排出することができない。つまり、成型面に開口する切れ込みの面積に対して、切れ込みを流通した空気を空気吐出部に排出する開口部分の面積が小さいため、空気等排出性能が低い。特許文献2では、周方向に沿ってスリットを成型面に形成しているため、加硫成型後の製品タイヤには、周方向に連続するスピューが複数箇所に形成されてしまう。また、スリットに押し出された空気をスリットの背面側に設けた排気孔を介して金型外部に排出しているが、スリットが形成される成型面の各位置において、直接、成型面から背面に貫通しておらず、スリットの形成されたすべての位置その場所から直接背面側の対応する位置、場所に空気を排出することができない。つまり、特許文献2の開示する構成によれば、特許文献1と同様に、成型面に開口するスリットの面積に対して、スリットに進入し、排気孔を介して流れた空気を金型の外部に排出する開口の面積が小さいため、空気等排出性能が低い。特許文献3では、ブレードの存在する成型面にしか通気孔につながる微細な隙間を形成することができない。すなわち、隙間を成型面の任意に形成することができないため、本来空気抜き孔として設けるべき位置に隙間を形成することができず、効率良く空気を排出できないという問題がある。また、特許文献1及び特許文献2によれば、ワイヤー放電加工やドリル加工等の後加工が必要であり、特許文献3によれば、金型の鋳造前に複数のブレードを設けるという前加工が必要であり、金型製造に手間を要するという問題がある。すなわち、従来の空気抜き孔により確保される流量に匹敵する能力を有するためには、多くのスリットやブレードを設けなくてはならず、後加工及び前加工に多くの手間を要するため金型製造における生産効率が悪いという問題がある。
そこで、本発明では、未加硫のゴムを加硫成型する際の空気等排出性能を確保しつつ、加硫成型後のスピューの発生を抑制して加硫成型後のタイヤの外観性能を向上させることが可能なタイヤ用金型及び当該タイヤ用金型により成型されたタイヤを提供することを目的とする。
上述した空気抜き孔の空気等排出性能は、空気を背面から吸引する減圧の圧力やゴムの粘弾性等のその他の条件が変わらない限り、成型面に開口する空気抜き孔の合計の面積が同じであれば変わらない。例えば、従来のように空気抜き孔の孔径を1mm〜2mmの円形状とした場合、成型面に開口する合計の面積が同じになるように、空気抜き孔の孔径を大きくしたときには空気抜き孔の合計総数を少なく、孔径を小さくしたときには空気抜き孔の合計総数を多くすることで空気等排出性能を維持することができる。
空気抜き孔の孔径を2mmよりも大きくすると、金型に設ける空気抜き孔の合計総数を少なくできるというメリットがある。その一方で、空気抜き孔により形成されるスピューの径が太くなり、スピューの除去後にタイヤ表面に残るスピューの根元部分(スピュー痕)の径が太過ぎて、タイヤの外観性能、運動性能及び摩耗性能を大幅に悪化させてしまう。例えば空気抜き孔の孔径を10mmのように大幅に大きくすると、空気抜き孔に未加硫ゴムが大量に流れ込み、タイヤ表面に径の大きな凸状のスピューが形成されることになり、製品タイヤとしての形状に成型することができない。また、このように空気抜き孔の孔径を大きくし過ぎると、金型において製品タイヤのブロックの角を成型する部分等の金型の角部に残る微小な体積の空気等を金型の成型面と未加硫タイヤの表面との間から適切に排出することができず、加硫成型を継続することすらできなくなる。
反対に、空気抜き孔の孔径を1mmよりも小さくすると、金型に設ける空気抜き孔の合計総数を多くしなければならないというデメリットがある。例えば、空気抜き孔の孔径を半分にした場合には、空気抜き孔の合計総数が4倍になる。このように、空気抜き孔の孔径を小さくすると、タイヤ表面に形成されるスピューの径が細くなり、スピューの剛性が低下する。スピューの剛性が低下すると、加硫成型後のスピューを除去する工程において、スピューにカッターを当てても、剛性が小さ過ぎるため、カッターに対する反発力が小さく、大きく変形するだけで適切に除去することが難しくなってしまう。この場合、スピューの除去工程後のタイヤ表面に残るスピュー痕は、高さが高くなるか、除去されずにそのまま残ることになり、タイヤの外観性能、運動性能及び摩耗性能に悪影響を及ぼしてしまう。このようなタイヤの外観性能等を確保できない場合には、製造したタイヤを商品としても販売できなくなる。
また、空気抜き孔により形成されるスピューは、孔径を大きくしても小さくしても、例えば加硫成型時に設定される金型の背面側から空気を吸引するための減圧の圧力、未加硫タイヤを金型にタイヤ内側から押付けるブラダーの押付け圧力、金型およびブラダーの温度等の加硫条件や、未加硫タイヤの未加硫ゴムの粘性を変更する等のその他の条件を変えない限り、ほぼ同じ高さで形成されるように制御することが可能であった。加硫成型は、未加硫タイヤの体積や重量に応じた既定の条件下でなされるため、上述のように、孔径を大きくしたり小さくしたとしても、際限なく空気抜き孔にゴムが進入するものではない。したがって、空気抜き孔により形成されるスピューの高さは、既定の条件下で加硫成型を行えば基本的には変わらないように制御することが可能であった。
しかし、発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下のことを見出した。
1番目に、空気等を排出するように金型に形成された空気抜き孔を、成型面から直接背面に貫通するようにし、空気等排出性能を変えないように(成型面に開口する空気抜き孔の面積が同じになるように)成型面に開口する空気抜き孔の幅を0.5mmよりも小さくしてゆくと、既定の加硫成型の条件を変更しなくても、スピューの高さが減少してゆくことを見出した。すなわち、従来の空気等排出性能を維持したまま、孔径が1mm〜2mmの円形状の空気抜き孔の形状を変形させて、空気抜き孔の幅を0.5mmまで小さくした場合には、空気抜き孔の幅を変化させているにも関わらず、同じ高さを維持し、スピューの高さに変化が見られなかった。ところが、幅を0.5mmよりも小さくしてゆくと、それにつれて同一のスピューの高さを維持しようとしてもスピューの高さが低くなる高さ減少領域があることが判明した。この高さ減少領域では、空気抜き孔の幅の減少にともなって、形成されるスピューの高さも7.5mmよりも漸次低くなるため、加硫成型後のスピューの除去が不要となり、タイヤの外観性能、運動性能及び摩耗性能が悪化することなくすべての性能で良好となることが判明した。
上述の空気抜き孔により形成されたスピューは、非常に厚みが薄く、且つ、高さも低いため、加硫成型後にスピューの除去をしなくても、タイヤを車両に装着し、乾燥路面で通常に走行しさえすれば、100km程度の走行ですぐに従来のスピュー痕が摩耗で除去された状態と同様になり、タイヤの外観性能、タイヤの運動性能及び摩耗性能が悪化することなくすべての性能で良好であることが判明した。
なお、従来の空気抜き孔(孔径が1mm〜2mmの円形状)により形成されたスピューは、カッターで除去した残りのスピュー痕が走行による摩耗によってなくなるまでに、トレッドゴム弾性率の柔らかいウィンタータイヤで300km程度の初期走行が必要であり、トレッドゴム弾性率の硬い夏用の高性能乗用車タイヤで500kmから1000km程度の初期走行が必要であった。
2番目に、空気抜き孔の幅が0.09mmよりも小さくなると、1つの空気抜き孔により形成されるスピューは、高さが減少してゆくだけでなく、空気抜き孔の長さ方向全体に亘り、タイヤ表面に沿って連続して繋がらず、断続的に形成されるようになることを見出した。なお、空気抜き孔の長さ方向とは、成型面に開口する開口部の長手方向をいう。
3番目に、空気抜き孔の幅が0.06mmよりも小さくなると、1つの空気抜き孔により形成されるスピューは、高さがさらに減少し、空気抜き孔の長さ方向全体に亘り、タイヤ表面に沿って断続的に形成される状態から消失してゆくことを見出した。つまり、空気抜き孔の幅を0mmより大きく、言い換えれば、空気抜き孔がなくならないように、空気抜き孔の幅を0.06mmより小さくしてゆくことで、空気抜き孔へのゴムの進入がほとんどなくなり、空気等のみを排出するできることが分かった。
なお、空気抜き孔の幅を0mm(空気抜き孔のない状態)とした場合には、空気等排気性能が0となり、タイヤ表面の傷、凹み、内部への空気入りが発生し、タイヤが製造できなくなってしまった。
前述の1番目の空気抜き孔の幅が、0.09mm以上0,5mmより小さい範囲を、スピューの高さが減少してゆくスピューの高さ減少開始領域とする。また、前述の2番目の空気抜き孔の幅が、0.09mmより小さく0.06mm以上の範囲を、1つの空気抜き孔により形成されたスピューの高さが減少してゆき、且つ、タイヤ表面に沿って延長する方向に断続的に形成されるスピューの断続領域とする。また、前述の3番目の空気抜き孔の幅が、0.06mmより小さく0mmより大きい範囲を、1つの空気抜き孔により形成されたスピューの高さが減少してゆき、且つ、タイヤ表面に沿って延長する長さ方向に断続的に形成され、スピューが消失してゆくスピューの消失領域とする。
これらスピューの高さ減少開始領域、断続領域、消失領域のすべての領域では、加硫成型後にスピューの除去をしなくても、タイヤの外観性能及びタイヤの運動性能、摩耗性能のすべての性能が良好である。
さらには、これらスピューの高さ減少開始領域、断続領域、消失領域の順番に、タイヤの外観性能及びタイヤの運動性能、摩耗性能のすべての性能がより良好となってゆくことが判明した。
また、空気抜き孔の形状は、成型面に開口する幅が小さく、成型面に沿う合計の長さが長い方が、タイヤの外観性能、タイヤの運動性能及び摩耗性能が良好であることから、空気抜き孔は、形状がスリット状であることが望ましいことも判明した。
ここで、スリット状とは、単一の孔からなる隙間や、複数の孔を点線状に断続させて並べることによりあたかも一つの隙間を形成した形状を含む。そして、空気抜き孔は、成型面に開口した端部が成型面内で個別に終端する形状、又は円環形状、若しくはこれらを組合せた形状で形成される。
また、空気抜き孔の幅とは、当該金型の当該空気抜き孔を備えた成型面である内面側から外面側に向けて当該成型面を正面から視た場合の、成型面における開口部の短手方向の寸法をいう。
また、スピューの幅とは、タイヤ表面に沿う短手方向の寸法であって、所謂厚みである。
また、スピューの高さとは、タイヤ表面から離れる方向に延びる寸法をいう。例えば、スピューがタイヤ表面に垂直である場合には、タイヤ表面での法線方向、スピューがタイヤ表面に垂直でない場合には、タイヤ表面からスピューが延びている方向に沿うスピュー先端までの寸法をいう。
また、スピューの長さとは、1つの空気抜き孔により形成されたスピューの長さ寸法をいう。すなわち、スピューの幅の垂直二等分線がタイヤ表面に沿って延長する長さである。空気抜き孔が複数のスリットにより構成されている場合には、各スリットにより形成されたスピューのタイヤ表面に沿う長さの合計の長さ、いわゆるペリフェリの長さをいう。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、その要旨構成は、以下の通りである。
上述の課題を解決するためのタイヤ用金型の構成として、未加硫のゴムに型付けする成型面を有し、タイヤ円周方向に複数に分割されたセクショナルモールド用のタイヤ用金型であって、成型面から背面に貫通する空気抜き孔と、背面に、タイヤ円周方向の一端側の分割面と他端側の分割面にかけて延長し、空気抜き孔が開口する溝とを備え空気抜き孔の成型面に開口する幅が、0mmより大きく0.5mmより小さい構成とした。
本構成によれば、タイヤ表面と成型面との間の空気を金型外部へ排出することができるとともに、空気抜き孔への未加硫のゴムの侵入が抑制されるため、成型後のタイヤの表面に生じるばりとしてのスピューの除去工程を省略でき、タイヤの生産効率を向上させることができる。すなわち、成型後のタイヤは、スピューの除去処理を行っていないにも関わらず、外観性能に優れたものとなる。
また、タイヤ用金型の他の構成として、空気抜き孔は、一の孔で形成されたスリット、または、複数の孔を点線状に配置して形成されたスリットからなり、スリットが成型面に開口する形状は、端部が終端、または環形状、もしくはそれらを組合せた形状で形成されることを特徴とする。
本構成によれば、空気抜き孔への未加硫のゴムの侵入が抑制されるため、成型後のタイヤの表面に生じるばりとしてのスピューの除去工程を省略でき、タイヤの生産効率を向上させることができる。すなわち、成型後のタイヤは、スピューの除去処理を行っていないにも関わらず、外観性能に優れたものとなる。
また、タイヤ用金型の他の構成として、空気抜き孔は、当該孔の成型面から背面に貫通する際の奥行方向と直交する方向の断面において、直線状、または湾曲状、または屈曲状、もしくはそれらを組み合わせた断面形状で構成されたことや、成型面から背面に向かって直線状、または湾曲状、または、屈曲状、もしくはそれらを組み合わせた形状で延長することを特徴とする。
本構成によれば、加硫装置の構造に応じて、空気の排出方向を自由に設定したり、成型面の形状に応じて空気抜き孔を設けることができる。
た、タイヤ用金型の他の構成として、空気抜き孔は、成型面の未加硫のゴムに凹部を型付けする部分以外に設けられることを特徴とする。
本構成によれば、タイヤにおける踏面に形成されたスピューが、少しの走行により路面との摩擦によりなくなるので、タイヤ使用時の当初から初期性能に優れたタイヤを得ることができる。また、空気抜き孔にゴムがほとんど侵入しないため、タイヤの型抜き時において、ゴムの切れや空気抜き孔への詰まりの発生が抑制されるので、外観性能に優れたタイヤを得ることができる。
また、タイヤ用金型の他の構成として、タイヤ用金型をラピッドプロトタイピング法により製作したことを特徴とする。
本構成によれば、空気抜き孔の断面形状及び奥行方向の形状など自在に設定することができるとともに、金型を短時間で製造することができる。
また、タイヤの構成として、請求項1乃至請求項6いずれかに記載のタイヤ用金型によって型付けされたタイヤであって、空気抜き孔によりタイヤ表面に形成されたスピューは、成型後の当該スピューを除去しない状態において、幅が0mmより大きく0.5mmより小さく、且つ、高さが0mm以上7.5mmより小さいことを特徴とする。
本構成によれば、加硫成型後のスピューの除去が不要となり、タイヤの外観性能、運動性能及び摩耗性能を向上させることができる。なお、スピューの高さが0mmとはタイヤ表面にスピューが形成されていない状態をいう。
また、タイヤの他の構成として、スピューは、幅が0.09mmより小さく、且つ、高さが0mm以上2.0mmより小さいことを特徴とする。
本構成によれば、1つの空気抜き孔により形成される範囲において、空気抜き孔の延長する方向に連続して繋がらず、断続するように形成されるため、加硫成型後のスピューの除去が不要となり、よりタイヤの外観性能、運動性能及び摩耗性能を向上させることができる。
また、タイヤの他の構成として、スピューは、幅が0.06mmより小さく、且つ、高さが0mm以上0.5mm以下であることを特徴とする。
本構成によれば、加硫成型後のスピューの除去が不要となり、タイヤの外観性能、運動性能及び摩耗性能を、より向上させることができる。
また、タイヤの他の構成として、スピューは、1つの空気抜き孔により型付けされたタイヤ表面に沿う長さ方向に高さが変化することや、1つの空気抜き孔により型付けされたタイヤ表面に沿う長さ方向に断続して形成されることを特徴としている。
なお、上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、特徴群を構成する個々の構成もまた発明となり得る。
加硫装置を示す断面図である。 トレッド金型の成型面及び背面を示す図である。 センターブロック成型部の拡大図である。 センターブロック成型部に設けられた空気抜き孔の透視拡大図である。 ショルダーブロック成型部の拡大図である。 ショルダーブロック成型部に設けられた空気抜き孔の透視拡大図である。 センターブロック成型部におけるタイヤ成型時の様子を示す図である。 空気抜き孔の奥行方向断面を示す図である。 空気抜き孔の開口部の形状を示す図である。 空気抜き孔の開口部の他の形状を示す図である。 空気抜き孔の他の実施形態を示す透視拡大図である。 空気抜き孔の他の実施形態を示す透視拡大図である。 積層造形装置の一実施形態を示す図である。 スピュー及びタイヤについて各種性能評価の結果を纏めた表である。 空気抜き孔の幅とスピューの高さとの関係を示したグラフである。 スピューの形成例を模式的に示した図である。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、ゴム物品の一つであるタイヤを加硫成型する加硫装置2の要部を模式的に示す半断面図である。本実施形態の金型は、図1に示す加硫装置2内に設けられる。加硫装置2は、タイヤTの外側表面のうちサイド部Tsを成型する一対のサイドモールド3,3と、トレッド部Ttを成型するトレッドモールド4と、タイヤの内側表面を成型するブラダー5とを備える所謂セクショナルモールド構造を有する。サイドモールド3,3は、上下に対向して配置され、タイヤTのサイド部Tsの円周方向に沿うように略円盤状に形成される。トレッドモールド4は、上下のサイドモールド3,3の間に設けられ、タイヤTの円周方向に沿って環状に配置された複数のセクターモールド6によって構成される。サイドモールド3,3は、ベース盤8と、サイド金型9とを備える。ベース盤8は、サイド金型9を取り付け固定するためのアタッチメントであって、サイド金型9を収容する収容面8aを備える。サイド金型9は、未加硫のタイヤTのサイド部Tsの表面に所定の型付けを行うための成型パターンを有する成型面9aと、上記収容面8aと同形状を有する背面9bとを備える。セクターモールド6は、セクターセグメント10と、トレッド金型11とを備える。セクターセグメント10は、複数に分割されたトレッド金型11の分割ピースを取り付け固定するためのアタッチメントであって、トレッド金型11を収容する収容面10aを備える。トレッド金型11は、未加硫のタイヤTのトレッド部Ttの表面に所定の型付けを行うための成型パターンを有する成型面11aと、上記収容面10aと同形状を有する背面11bとを備える。また、サイド金型9及びトレッド金型11には、成型面9a,11aと、タイヤ成型時のタイヤTの外表面Taとの間に介在する空気を金型9,11の背面9b,11b側に排出するための複数の空気抜き孔15がそれぞれ設けられている。
サイド金型9は、ベース盤8とともに上下方向に移動可能とされ、トレッド金型11は、セクターセグメント10とともに半径方向に移動可能に構成される。加硫装置2は、複数のトレッド金型11の分割面11c同士を互いに接触させてタイヤ外周を包囲可能に円形を形成した後に、開口を塞ぐように上下のサイド金型9,9をトレッド金型11に接触させることで、未加硫のタイヤTの外表面全域を包囲する成型空間が形成される。成型空間内に未加硫のタイヤTを収容した後に、タイヤTの内面側に配置されたブラダー5を膨張させる。ブラダー5の膨張により、タイヤTを内面側からサイド金型9,9及びトレッド金型11に向けて押圧し、タイヤTの外表面Taとサイド金型9,9及びトレッド金型11表面との間に介在する空気を空気抜き孔15からサイド金型9,9及びトレッド金型11の成型面9a,11a側から背面9b,11b側に排出しつつ、サイド金型9,9及びトレッド金型11の成型面9a,11aに形成された成型パターンをタイヤTの外面(タイヤ外表面)に転写する。そして、成型パターンの転写とともに、タイヤTを所定の温度で加熱することで、タイヤTの加硫成型がなされる。なお、加硫成型の完了後には、サイド金型9,9及びトレッド金型11が、互いに離間する方向に移動して型開き状態とされ、加硫完了後のタイヤTの取り出しが行われる。
以下、タイヤTの外面を型付けするサイド金型9及びトレッド金型11について説明する。なお、説明の便宜上、以下、トレッド金型11を例として説明する。
図2は、トレッド金型11の成型面及び背面を示す図である。図2(a)に示すように、トレッド金型11は、成型面11a側において、タイヤTの外表面Taのうちの接地面を成型する接地面成型部12と、トレッド部Ttに型付けする複数の溝成型部13、取付部18とを含んで構成される。接地面成型部12は、タイヤTにおける接地面を所定曲率の曲面で成型するように形成された成型面11aにおける土台部分である。複数の溝成型部13は、接地面成型部12の表面から所定高さで突出するように設けられる。溝成型部13は、例えば接地面成型部12のタイヤ円周方向に延長し、タイヤTにおけるリブ溝を成型するリブ溝成型部13Aと、タイヤ幅方向延長してラグ溝を成型するラグ溝成型部13Bと、ショルダー溝を成型するショルダー溝成型部13Cとを有する。これらの溝成型部13は、未加硫のタイヤ表面に凹部を形成する。そして、成型面11aは、凹凸を有し、リブ溝成型部13A、ラグ溝成型部13B、ショルダー溝成型部13C等の溝成型部13で囲まれた窪み(凹部)によってタイヤにおけるブロック(陸部)を成型する。取付部18は、接地面成型部12の幅方向両端部をそれぞれ縁取るようにタイヤ円周方向に沿って設けられる。トレッド金型11は、この取付部18を介してセクターセグメント10に取り付けられる。接地面成型部12には、溝成型部13を避けるように、加硫成型時にタイヤTの外表面Taと当該トレッド金型11の成型面11aとの間に介在する空気やゴム組成物から発生したガス等を排気するための複数の空気抜き孔15が設けられる。空気抜き孔15は、薄厚なスリット状に成型面11aの接地面成型部12から背面11bに貫通するように設けられる。
図2(b)に示すように、トレッド金型11の径方向の外側を向く背面11bには、複数の背面溝20A乃至20Hがタイヤ方向に所定の間隔をあけて設けられる。背面溝20A乃至20Hは、背面11bのうち、例えば、ラグ溝成型部13Aの径方向の外側部分を回避するように、成形面11a側のラグ溝成型部13Aに対して位置ずれするように配置される。背面溝20A乃至20Hは、トレッド金型11の一端側の分割面11cから他端側の分割面11cまで周方向に沿って連続して延長する。背面溝20A乃至20Hの周方向の端部は、それぞれ分割面11cに開口する。背面溝20A乃至20Hの断面形状は、例えば矩形状に形成される。背面溝20A乃至20Hの周方向の両端部は、トレッド金型11の周方向の各端縁に到達し、この背面溝20A乃至20H内に導出されたトレッド金型11内の空気を、トレッド金型11の周方向の端部である分割面11cにまで至らせて排出させる。背面溝20A乃至20H内には、上述の空気抜き孔15が開口する。
図3は、トレッド金型11において、タイヤにおけるセンターブロックを成型するセンターブロック成型部21の一つを示す拡大図である。以下、同図を用いて空気抜き孔15について説明する。センターブロック成型部21は、タイヤ幅方向に隣り合うリブ溝成型部13A;13A、及びタイヤ円周方向に隣り合うラグ溝成型部13B;13Bにより区画される。センターブロック成型部21のリブ溝成型部13A;13A及びラグ溝成型部13B;13Bにより区画された接地面成型部12には、複数の空気抜き孔15が設けられる。すなわち、空気抜き孔15は、センターブロック成型部21のリブ溝成型部13Aやラグ溝成型部13Bの部分以外に設けられる。
空気抜き孔15は、リブ溝成型部13A;13A及びラグ溝成型部13B;13Bを避けて形成される。空気抜き孔15は、成型面11aから背面11bに貫通する薄幅のスリット状に形成される。空気抜き孔15は、例えばリブ溝成型部13A及びラグ溝成型部13Bに沿って延長するように設けられる。なお、以下の説明において、成型面11aに開口する空気抜き孔15の開口部の長手方向を長さ方向という。また、開口部の短手方向を開口部の幅方向とし、以下、タイヤの幅方向などと記載しない限り、単に幅方向という場合には、開口部の幅方向をいう。また、成型面11aから背面11bに向かう方向を奥行方向として説明する。
図3に示すように、センターブロック成型部21における空気抜き孔15は、センターブロック成型部21の接地面成型部12の4角において、それぞれL字状に開口する。すなわち、空気抜き孔15は、例えば、リブ溝成型部13Aに沿って延長するスリット31と、ラグ溝成型部13Bに沿って延長するスリット32との一端部同士が角部において交差し、成型面11a側と背面11b側とに連通する1の孔として形成される。
図4は、図3の一点鎖線で囲む空気抜き孔15の透視拡大図である。同図に示すように空気抜き孔15を形成するスリット31及びスリット32は、それぞれ、成型面11a側から背面11b側に向けて直線状に延長し、背面11bに開口する。つまり、スリット31及びスリット32は、接地面成型部12のタイヤ半径方向に沿って成型面11aから背面11bまで直線状に貫通している。リブ溝成型部13Aに沿って設けられたスリット31は、成型面11a側の開口部31aの長さL31aと、背面側の開口部31bの長さL31bとで同じ寸法を有する。すなわち、スリット31は、奥行方向において断面形状が変化しないように形成される。スリット32は、成型面11a側の開口部32aと、背面11b側の開口部32bとで開口する大きさが異なるように形成される。すなわち、スリット32が、成型面11a側の開口部32aから背面11b側の開口部32bに向かって断面形状が徐々に小さくなるように開口部32aの長さL32aと開口部32bの長さL32bとが異なるように形成される。
また、スリット31及びスリット32の幅W31及び幅W32は、例えば0mmより大きく0.5mmより小さい範囲に設定される。これにより、タイヤ表面のゴムの空気抜き孔15への進入を抑制することができる。なお、以下の説明において、各スリットの幅Wは、成型面11a側の開口部及び背面11b側の開口部の長さ方向の一端側から他端側にかけて同一寸法で形成されるものとして説明するが、これに限定されず、一端側から他端側にかけて下記で特定する範囲内で変化させても良い。
また、スリット31の長さL31a及びL31b、及びスリット32の長さL32a及びL32bは、トレッド金型11において、例えば、強度が必要とされる部分では短く設定し、強度が不要とされる部分では長く設定するとよい。また、スペース的な制約を受ける場合にも適宜長さLを設定すればよい。なお、長さとは、スリットにおける開口部の長手方向の長さ寸法、幅とは、スリットにおける開口部の短手方向の長さ寸法である。
図5は、タイヤにおけるショルダーブロックを成型するショルダーブロック成型部22を示す図である。ショルダーブロック成型部22における空気抜き孔15は、トレッド金型11を加硫装置2に取り付けた状態において、上側にタイヤ円周方向に沿って延長するスリット33、下側に略L字状をなすようにスリット34及びスリット35が設けられる。スリット33は、成型面11a側に取付部18と接地面成型部12との境界縁14zに沿ってI字状に延長し、一端側がショルダー溝成型部13Cに近接するように成型面11a側に開口する。スリット34は、リブ溝成型部13Aに沿って延長し、一端側がショルダー溝成型部13Cに近接するようにI字状に成型面11a側に開口する。スリット35は、ショルダー溝成型部13Cに沿って延長し、一端側がスリット34に近接し、スリット34との間でL字をなすように、成型面11a側に開口する。つまり、成型面11a側において、スリット34及びスリット35は、交差していない。
図6は、ショルダーブロック成型部22の上側に設けられた空気抜き孔15、及び下側に設けられた空気抜き孔15,15の透視拡大図である。図6(a)に示すように、上側の空気抜き孔15を形成するスリット33は、成型面11a側から背面11b側に向けて直線状に延長して背面11bに開口し、タイヤ半径方向に貫通している。スリット33の成型面11a側の開口部33aの長さL33aと、背面11b側の開口部33bの長さL33bとは同じ寸法で形成されている。つまり、スリット33は、奥行方向において断面形状が変化しないように形成される。また、スリット33の幅W33は、例えば0mmより大きく0.5mmより小さい範囲に設定される。これにより、タイヤ表面のゴムの空気抜き孔15への進入を抑制することができる。
下側の空気抜き孔15を形成する一方のスリット34は、それぞれ、成型面11a側から背面11b側に向けて直線状に延長して背面11bに開口し、成型面11aから背面11bまで水平方向に貫通している。リブ溝成型部13Aに沿って設けられたスリット34は、成型面11a側の開口部34aの長さL34aと、背面側の開口部34bの長さL34bとで同じ寸法で形成される。つまり、スリット34の奥行方向において断面形状が変化しないように形成される。他方のスリット35は、成型面11a側の開口部35aと、背面11b側の開口部35bとで開口する向きが異なるように形成される。成型面11a側の開口部35aは、ラグ溝成型部13Bに沿って延長し、背面11b側の開口部35bは、リブ溝成型部13Aに沿って延長するように、向きを回転させて形成され、スリット34の背面11b側の開口部34bと平行に延長するように設けられる。つまり、スリット35は、接地面成型部12内において成型面11aから背面11bに向かって螺旋状に延長している。このようにスリット35の背面11b側の開口部35bの向きをスリット34の背面11b側の開口部34bと同じ方向を向くように形成することにより、背面11bに設けられる背面溝20A乃至20Hの幅を狭くすることができる。
スリット33の幅W33、スリット34の幅W34及びスリット35の幅W35は、例えば0mmより大きく0.5mmより小さい範囲に設定される。これにより、タイヤ表面のゴムの空気抜き孔15への進入を抑制することができる。
また、スリット33の長さL33a及びL33b、スリット34の長さL34a及びL34b、スリット35の長さL35a及びL35bには、所定の長さ寸法が設定される。例えば、トレッド金型11において、強度が必要とされる場合には長さ寸法をを短く設定し、強度が不要とされる場合には長さ寸法を長く設定する。また、空気抜き孔15を設けるべきではあるがスペース的な制約を受ける場合にも、形成可能な長さ寸法で設定する。なお、空気抜き孔15の奥行方向の形状及び延長形状については後述する。
図7は、センターブロック成型部におけるタイヤ成型時の様子を示す図である。図7(a)に示すように、未加硫のタイヤのゴムが、ブラダーの押圧により、最初にリブ溝成型部13A;13A及びラグ溝成型部13B;13Bで囲まれた接地面成型部12の中央付近に例えば楕円状に接触する。同図に示すMは、接地面成型部12の表面にタイヤ表面が接触した接触面を示している。
次に、図7(b)に示すように、ブラダーの押圧により、タイヤ表面と接地面成型部12の表面との接触面Mは、徐々にリブ溝成型部13A;13A、ラグ溝成型部13B;13Bに向けて四方八方に広がる。これにより、タイヤ表面と、リブ溝成型部13A;13A、ラグ溝成型部13B;13B及び接地面成型部12とで囲まれた空間の空気が4角の空気抜き孔15から排出される。
次に、図7(c)に示すように、ブロックを区画するリブ溝成型部13A;13A及びラグ溝成型部13B;13Bにより、接地面成型部12に接触した未加硫のタイヤのゴムは、当該リブ溝成型部13A;13A及びラグ溝成型部13B;13Bを超える周方向及び幅方向への広がりが規制される。そして、リブ溝成型部13A及びラグ溝成型部13Bの延長する方向に沿って広がることにより、タイヤ表面と、リブ溝成型部13A;13A、ラグ溝成型部13B;13B及び接地面成型部12とで囲まれた空間の空気がリブ溝成型部13A;13A、ラグ溝成型部13B;13Bに沿って4角に設けられた空気抜き孔15の長さ方向に沿って押し出される。
次に、図7(d)に示すように、さらなるブラダーの押圧により、接触面Mが、リブ溝成型部13Aの側面に沿って接地面成型部12とリブ溝成型部13Aの交差部Pに向けて広がることにより、図中矢印fで示すように、リブ溝成型部13Aに沿うように空気を空気抜き孔15に押し出し、ラグ溝成型部13Bの側面に沿って接地面成型部12とラグ溝成型部13Bの交差部Qに向けて広がることにより、図中矢印fで示すように、ラグ溝成型部13Bに沿うように空気を空気抜き孔15に押し出す。
そして、最終的には、図7(e)に示すように、4角の空気抜き孔15からすべての空気が押し出されて、センターブロック成型部21の角にあたる接地面成型部12とリブ溝成型部13Aとラグ溝成型部13Bとの交差部Rにゴムが押し詰められることにより、センターブロックが所定の形状に成型される。このように加硫成型がなされることにより、リブ溝成型部13A;13A、ラグ溝成型部13B;13B及び接地面成型部12で囲まれたセンターブロック成型部21からタイヤ表面と、リブ溝成型部13A;13A,ラグ溝成型部13B;13B及び接地面成型部12とで囲まれた空間の空気が排出されるため、センターブロック成型部21には、空気だまりが生じず、ベアーの発生を抑制することができる。
このようにリブ溝成型部13A;13A、ラグ溝成型部13B;13B及び接地面成型部12に囲まれれた領域(ブロック)では、上述のようにタイヤ表面側のゴムが変形、移動して成型されるため、ゴムの移動に合わせて空気抜き孔15を延長することで、効率良くかつ確実に空気を排出することができる。すなわち、図3に示したように、上述の交差部P,Q,Rを縁どるように空気抜き孔15を設けることで、効率よく空気を排出することができ、タイヤ表面に目立つベアーの発生を防止できる。なお、ベアーとは、成型面11aとタイヤ表面との間に残留した空気溜まりが介在した状態でタイヤが成型されることにより、成型後のタイヤ表面に形成される窪みをいう。
図2(b)に戻り、トレッド金型11の背面11bに形成される背面溝20A乃至20Hは、上述のセンターブロック成型部21及びショルダーブロック成型部22に設けられた空気抜き孔15の位置と対応して形成される。空気抜き孔15の背面11bにおける開口が、背面溝20A乃至20H内で開口するように設けられる。具体的には、背面溝20Aが上述のショルダーブロック成型部22の上側の空気抜き孔15(スリット33)の開口に対応し、背面溝20Bがショルダーブロック成型部22の下側の空気抜き孔15(スリット34;35)の開口に対応するように設けられる。また、背面溝20Cがセンターブロック成型部21の上側の空気抜き孔15の開口に対応し、背面溝20Dがセンターブロック成型部21の下側の空気抜き孔15の開口に対応するように設けられている。各背面溝20A乃至20Dは、隣接するトレッド金型11同士の分割面11cが突き合わされたときに、隣接するトレッド金型11の溝同士が連続するように設計される。なお、背面溝20E乃至20Hは、タイヤの幅方向中心線を挟んで背面溝20A乃至20Dと対称であるので、詳細についての説明を省略した。
これにより、空気抜き孔15を通じて背面溝20A乃至20Hに排出された空気は、セクターセグメント10の表面と背面溝20A乃至20Hとで形成された空気抜き通路を経由して、セクターセグメント10に設けられ、背面溝20A乃至20Hと外部に通じる図示しない排出口を介して、金型で囲まれる成型空間から外部に排出される。
上記実施形態では、空気抜き孔15をリブ溝成型部13A及びラグ溝成型部13Bに沿って設けるとして説明したが、より好ましくは、リブ溝成型部13Aの側面及びラグ溝成型部13Bの側面の延長上に、スリットの長手方向の孔壁が位置するように設けることでより効率よく空気を排出できる。また、この場合、タイヤ成型時に空気抜き孔15のスリット31及び32にゴムが入り込んだとしても、センターブロックのエッジに沿って、薄肉の0.5mm程度の高さのスピューとなって形成されるので、外観上、より優れたものとなる。また、タイヤにおいて、センターブロックやショルダーブロックのエッジは、路面との間で最も多く接触し、摩擦が生じる部分であるため、エッジにおいて0.5mm程度の高さで形成されたスピューは、摩擦により直ちに除去され、タイヤ使用開始の初期段階からタイヤに設定された所望の性能を発揮できる。
上記実施形態では、センターブロック成型部21、ショルダーブロック成型部22の空気抜き孔15をタイヤ半径方向に延長するように形成するとして説明したが、これに限定されない。上述したように、センターブロック成型部21の接地面成型部12は、トレッド金型11において鉛直方向に立ち上がるように設けられている。このため、成型面11a側から背面11b側に向けて空気抜き孔15を流れる空気は、空気抜き孔15を最短距離で通過し、成型面11a側から背面11b側に効率よく排出されるが、例えば空気抜き孔15の奥行方向の形状をタイヤ半径方向よりも下向きに延長しておくことにより、何らかの要因で接地面成型部12の表面とタイヤ表面との間に隙間が生じても背面11b側から成型面11a側への空気の逆流を防止できる。
なお、上記実施形態では、空気抜き孔15の成型面11a側に開口する開口部15a及び背面11b側に開口する開口部15bとの間の空気通路の断面形状は、上記例に限定されない。例えば、タイヤにおけるショルダーブロックを成型するショルダーブロック成型部22は、図1に示すように、トレッド金型11において、上下方向に位置する。このような領域は、空気が溜まり易いため、上述のセンターブロック成型部21に比べて多くの空気を排出する必要がある。このような場合には、1つの空気抜き孔15当たりの空気の排出量を多くするため、成型面11a側の開口面積に比べて背面11b側の開口面積が大きくなるように、通路断面積を漸次大きくして流量を確保するようにしてもよい。
また、空気抜き孔15の奥行方向の形状及び断面形状を共に変化させるように空気抜き孔15を形成しても良い。上記実施形態では、トレッド金型11は、背面11bに複数の背面溝20A乃至20Hを備えるものとして説明したが、積層造形法により金型を造型する場合には、造型時間の短縮を目的として、トレッド金型11の土台となる接地面成型部12の肉厚が薄くなるように設計されることがある。この場合には、複数の背面溝20A乃至20Hを形成すると、トレッド金型11に強度不足を生じさせる虞がある。
図2(a)に示すように、上述のトレッド金型11では、円周方向に連続するリブ溝成型部13Aの橋渡し部材としての複数のラグ溝成型部13B、及びショルダー溝成型部13Cを備えているため、これらが接地面成型部の補強部材となって、金型における剛性が得られている。このため、複数の背面溝20A乃至20Hを背面11bに設けることができるが、例えば、主たるトレッドパターンが、リブ溝あるいはラグ溝によるもののように、溝成型部13の配置に指向性がある場合には、金型としての強度に不足が生じる虞がある。このような場合には、背面11bに設ける背面溝20A乃至20Hの数を減らすとともに、強度不足が生じない位置に設ける必要がある。このような場合には、接地面成型部12に設けられた空気抜き孔15の背面11bにおける開口の位置が、背面溝20に集約されるように、空気抜き孔15の奥行方向に延長する形状や断面形状を変化させれば良い。
すなわち、空気抜き孔15の奥行方向に延長する形状を、図8(a)に示すように、成型面11aから背面11bに向かって湾曲状、図8(b)に示すようなL字状や図8(c)に示すようなV字状等の屈曲状、もしくはこれらを組み合わせた形状で延長させれば良い。空気抜き孔15は、成型面11aから背面11bまで貫通してさえいれば良いので、奥行方向の形状は自由である。好ましくは、空気抜き孔15は、成型面11aから背面11bに至る奥行方向における断面積が、開口部の面積を維持するように形成すると良い。
また、成型面11a側に開口する空気抜き孔15の開口部の形状、すなわち、空気抜き孔15の奥行方向と直交する断面形状は、上記実施形態で示したように、I字状やL字状に限定されない。例えば、図9(a)に示すように、湾曲するように設けられた溝成型部13に沿って湾曲状に形成しても良い。また、図9(b)に示すように、ジグザグ状に設けられた溝成型部13に沿ってジグザグな屈曲状に形成しても良い。
また、空気抜き孔15の開口部の他の形状として、図10(a)に示すような十字状、図10(b)に示すような連続矩形屈曲状、図10(c)に示すような環状、図10(d)に示すような断続直線状、図10(e),(f)に示すような断続環状としても良い。
図10(a)に示す開口部81a;82aは、2つのI字状のスリット81;82を十字状に交差させて成型面から背面に貫通する1の孔として形成した空気抜き孔15が、成型面に開口した形状を示している。この場合、成型面に開口する各スリット81;82の端部は、成型面内のそれぞれ異なる位置で終端している。また、このときの空気抜き孔15としてのスリット長さは、スリット81の長さL1とスリット82の長さL2との合計とみなす。なお、同図に示すスリット81;82の幅Wは、同一寸法である。
また、図10(b)に示す開口部83aは、1のスリットを連続的に矩形状に屈曲させて成型面から背面に貫通する1の孔として形成した空気抜き孔15が成型面に開口した形状を示している。この場合、成型面に開口するスリット83の端部は、成型面内のそれぞれ異なる位置で終端している。また、このときの空気抜き孔15のスリット長さLは、屈曲形状に沿う一端から他端までの長さ寸法となる。
また、図10(c)に示す開口部84aは、環状のスリット84を成型面から背面に貫通させて形成した空気抜き孔15が成型面に開口した形状である。この場合、スリット84の内周側と外周側とに互いの位置関係に位置ずれが生じないように図外の支持手段により内周と外周とを連結しておくとよい。
また、図10(d)に示す開口部85aは、直線状に複数の孔85zを断続的に配置して1つのスリット85を形成した空気抜き孔15が、成型面に開口した形状を示している。このときの空気抜き孔15のみかけのスリット長さLは、スリット85の一端から他端までの長さ寸法とみなすことができる。
また、図10(e)に示す開口部86aは、成型面から背面に貫通する複数の円弧状の孔86zにより、1つの環状のスリット86を形成するように空気抜き孔15を形成したときの、成型面に開口した形状を示している。このときの空気抜き孔15のスリット長さLは、スリット85の一周分の周長を、真比重に対するかさ比重のようにみかけの長さ寸法とみなすことができる。実際には、真のスリット長さLは、それぞれのスリット長さの合計となることは言うまでもない。
また、図10(f)に示す開口部87aは、図10(e)に示した円弧状の孔86zよりも円周方向の長さが短い、成型面から背面に貫通する複数の孔87zを環状に断続的に配置して一つのスリット87を形成するように空気抜き孔15が、成型面に開口した形状を示している。このときの空気抜き孔15のスリット長さLは、スリット85の一周分の周長がみかけの長さ寸法とみなすことができる。
なお、図10(a)〜(f)を構成するスリット81乃至87の開口部における幅Wは、上記0.5mmよりも小さい値に設定される。また、上記環状とは、円形状、矩形状等の無端形状を含む。
このように、成型面11a側に開口する断面形状を変更することにより、ベアーが発生しやすい箇所に空気抜き孔効率的に配置することが可能となり、必要最小限の空気抜き孔15でベアーの発生を抑制することができる。加えて、空気抜き孔15が成型面11aに設けられた溝成型部13等と干渉する場合や、成型後の外表面Taにおいて空気抜き孔15の痕がタイヤ外観を損ねる虞のある場合には、必要な空気の排出量を失わない範囲で空気抜き孔15のスリット長さLを変更したり、一つのスリット状の空気抜き孔15を複数のスリットに分割して、目立たない場所に配置できる。
なお、上記実施形態では、空気抜き孔15は、成型面11aから背面11bにかけて貫通するものとして説明したが、背面11b以外に貫通させても良い。
図11は、空気抜き孔15が成型面11aから分割面11cに貫通するときの透視拡大図である。同図に示すように、空気抜き孔15は、成型面11aからトレッド金型11の分割面11cに向けて延長している。空気抜き孔15を形成するスリット37は、成型面11a側から背面11b側に向けて所定長さ直線状に延長したのち、成型面11aと背面11bとの厚さの範囲内において、例えば屈曲するように奥行方向において延長する方向を変えて分割面11cに開口している。同図に示すスリット37は、奥行方向において断面形状が変化しないように、例えば成型面11a側の開口部37aの長さL37aと、分割面11c側の開口部37bの長さL37bとが同じ寸法で形成されている。また、スリット37の成型面11a側の幅W37a及び分割面11c側の幅W37bが、それぞれ例えば0.001mm以上0.4mm以下の範囲に設定される。なお、上述したように、スリット37は、幅W37a,W37bが上記範囲内にあれば、成型面11a側の開口部37aから分割面11c側の開口部37bに至る区間において奥行方向と直交する断面の面積が増減するように形状を変化しても良い。このように空気の排出口となる開口部37bを分割面11cに開口させた場合、タイヤ成型時の隣接するトレッド金型11の対向する分割面11c同士の接触により十分な隙間寸法が得られないときには、図11の点線で示すように開口部37bを含み分割面11cの延長する方向に沿うように延長する溝k1を分割面11cに設けたり、背面11bに向かう図示しない溝を設けて空気を排出するようにすれば良い。
図12は、空気抜き孔15が成型面11aから取付部端面18aに貫通するときの透視拡大図である。同図に示すように、空気抜き孔15は、成型面11aからトレッド金型11の取付部端面18aに向けて延長している。空気抜き孔15を形成するスリット38は、成型面11a側から背面11b側に向けて所定長さ直線状に延長したのち、成型面11aと背面11bとの厚さの範囲内において、例えば屈曲するように奥行方向に延長する方向を変えて取付部端面18aに開口している。同図に示すスリット38は、奥行方向において断面形状が変化しないように、例えば、スリット38の成型面11a側の開口部38aの長さL38aと、取付部端面18a側の開口部38bの長さL38bとが同じ寸法で形成されている。また、成型面11a側のスリット38の幅W38a及び背面11b側のスリット38の幅W38bが、例えば0.001mm以上0.4mm以下の範囲に設定される。なお、上述したように、スリット38は、上述のスリット37と同様に、幅W38a,W38bが上記範囲内にあれば、成型面11a側の開口部38aから取付部端面18a側の開口部38bに至る区間において奥行方向と直交する断面の面積が増減するように形状を変化しても良い。
上記実施形態では、各空気抜き孔15となるスリットの幅Wを0mmより大きく0.5mmより小さい範囲内で設定するとして説明したが、より好ましくは、0mmより大きく0.09mmより小さい範囲に、さらにより一層好ましくは、0mmより大きく0.06mmより小さい範囲に設定することにより、タイヤ成型時の空気の流量を確保しつつ、確実にゴムの進入を防ぐことができる。
各空気抜き孔15となるスリットの幅Wを0mmより大きく0.5mmより小さい範囲内に設定することにより、タイヤ表面に形成されたスピューは、加硫成型後のスピューの除去工程を経ない状態において、厚みが0mmより大きく0.5mmより小さく、且つタイヤ表面に沿った高さが、0mm以上7.5mmより小さくなるので、スピューを除去する工程を不要にすることができる。なお、スピューの高さとは、本実施形態の空気抜き孔が単一のスリットにより構成されているため、形成されたスピューは平板状となる。したがって、タイヤ表面からスピュー先端までの長さ寸法はタイヤ表面に沿うスピューの長さ方向において異なるため、平均値を採用した。
また、スリットの幅Wを0mmより大きく0.09mmより小さい範囲に設定することにより、タイヤ表面に形成されたスピューは、加硫成型後のスピューの除去工程を経ない状態において、幅が0.09mmより小さく、且つタイヤ表面に沿ったスピューの高さが、0mm以上2.0mmより小さくなるので、スピューを除去する工程を不要にすることができる。
また、スリットの幅Wを0mmより大きく0.06mmより小さい範囲に設定することにより、タイヤ表面に形成されたスピューは、加硫成型後のスピューの除去工程を経ない状態において、幅が0.06mmより小さく、且つタイヤ表面に沿ったスピューの高さが、0mm以上0.5mm以下であるので、スピューを除去する工程を不要にすることができる。
なお、上記実施形態では、トレッド金型11を用いて空気抜き孔15について説明したが、サイド金型9に対してもスリット状の空気抜き孔15を適用することができる。すなわち、タイヤTの側面を成型するサイド金型9の成型面にも、タイヤに関する標章や、リムプロテクタ等を型付けする金型部が設けられることから、これら金型部に沿ってスリット状の空気抜き孔15をサイド金型9の成型面9a及び背面9bに貫通するように設ければ良い。また、サイド金型9の背面9bの空気抜き孔15が開口する位置に対応するように、タイヤ円周方向に沿う背面溝を設けておくことにより、ベース盤8に設けられた外部に連通する図外の穴や溝を介して成型面9a側の空気が空気抜き孔15、背面溝を介して外部に排出される。
以上説明したように、本発明によれば、空気抜き孔15の基本形状をスリット状としたことにより、空気の流量を確保しつつタイヤ成型時におけるゴムの進入を抑制することができる。また、トレッド金型11の背面11bに、タイヤ円周方向において各金型間に連続するように延長する背面溝を設け、各空気抜き孔15の背面11b側の開口部15bが背面溝に連通するように空気抜き孔15を形成することにより、加硫時に成型面側から背面側に流れる空気の流量を確保しつつ、確実に外部に排出することができる。
本実施形態におけるサイド金型9及びトレッド金型11は、ラピッドプロトタイピング法の一つである金属粉末を層状に焼結させる積層造型法により製作される。積層造型法では、コンピュータによる設計、所謂CADにより設計された金型のモデルデータを均一な厚さでスライスした層状の部分形状に分割して複数の部分形状データ(以下スライスデータという)に変換し、部分形状の厚みに対応して堆積された金属粉末に対して、スライスデータに基づいてレーザを照射し、レーザの照射により焼結した金属粉末の焼結層を順次積層することにより立体的な金型が製造される。例えば、スライスデータには、スリット状の空気抜き孔15や背面溝となる部分にレーザを照射しないようにする情報が含まれている。
上述の複数の空気抜き孔15及び背面溝20A乃至20Hは、CADによる設計時にあらかじめ金型のモデルデータ内に設定される。そして、積層造形法による金型の製作過程で金型の一部として成型部などと同時に造形される。
図13は、積層造形装置40の一実施形態を示す図である。同図に示すように、積層造形装置40は、所定距離離間して設けられた左右一対のステージ41,42と、左右のステージ41,42の間に昇降自在に配備されたワークテーブル43とを備える。左右のステージ41,42は、それぞれの上面41a,42aで同一平面を形成するように水平に同じ高さに設定される。ステージ41,42は、上下方向に延長する中空の円筒状のシリンダ44,45を備える。シリンダ44,45は、ステージ41,42の上面41a,42aに開口する。シリンダ44,45の内部には、内周面に沿って摺動可能なピストン46A,47Aを有するフィーダ46,47が設けられる。フィーダ46,47は、図外の造形制御装置から出力される信号に基づいて駆動する図外の駆動機構の動作により、シリンダ44,45の軸線方向に沿って昇降する。ピストン46A,47Aの上側には、金型の母材となる金属粉末Sがステージ41,42の上面まで充填される。
ステージ41,42の上面41a,42aには、当該上面41a,42aに沿って移動するローラ48が配置される。ローラ48は、図外の駆動装置により左右のステージ41,42の上面41a,42aに外周面を接触させながら転動して左右のステージ41,42間を移動する。ワークテーブル43の上方には、金属粉末Sに照射するレーザガン51と、レーザガン51で発生したレーザLaを反射する照射ミラー52とが設けられる。照射ミラー52は、図外の造形制御装置から出力される制御信号に基づいて図外の駆動手段の駆動により所定の位置へと移動する。照射ミラー52に反射したレーザLaは、ワークテーブル43上に堆積した金属粉末Sに照射され、トレッド金型11の一部を構成する所定形状の焼結層を形成する。このような焼結層を1層1層形成し、積層することによりトレッド金型11が製作される。また、サイド金型9も同様に製作される。
本発明によれば、積層造形法により成型面11a側の空気を背面11b側に排出するための排気手段となる複数のスリット状の空気抜き孔15を金型の製造時と一体に造型するため、従来のような後加工が不要となる。すなわち、積層造形法によるサイド金型9及びトレッド金型11の造形時に、粉体層のうち、スリットとなる部分、スリット形成予定部や、背面溝となる背面溝形成予定部に、レーザ光を照射しないだけで、空気抜き孔15としてのスリット状の空孔及び背面溝を設けることができるため、短時間でサイド金型9及びトレッド金型11を製作することができる。例えば、タイヤTの外表面Taを包囲するように設けられる上下のサイド金型9,9及び複数のトレッド金型11には、総数で約1000個の空気抜き孔15が設けられるため、従来のようなドリルによるベントホール1か所の形成に約30秒〜50秒を要する場合には、トータルで500分〜830分の時間を短縮できることになる。
図14の表は、金型に形成する空気抜き孔の幅を変えて、従来例、比較例1〜5、実施例1〜15の試作タイヤをそれぞれ試作し、各タイヤ表面に形成されたスピュー及びタイヤについて各種性能の評価を行った結果を纏めたものである。図15は、図14の表に基づき、空気抜き孔の幅を変更した場合の空気抜き孔の幅とスピューの高さとの関係を示したグラフである。図16は、図14の各例に対応するスピューの形成例を模式的に示した図である。なお、同図に示すS1〜S7は、それぞれスピューを示している。また、スピューS5〜S7は、図16(d)に示すスピューS4を形成したときの空気抜き孔の長さで、空気抜き孔の幅を小さくした空気抜き孔により形成されたスピューの形成状態を模式的に示したものである。
各タイヤを試作する際の金型には、従来例の空気等排出性能と同じになるように、比較例1〜5、実施例1〜15に空気抜き孔を形成した。また、試作する際の加硫成型の条件は一定とした。
図14の表におけるスピュー幅とは、タイヤ表面に形成されたスピューの厚みの実測値である。スピュー高さとは、比較例2〜4、実施例1〜15の空気抜き孔が単一のスリット状であるため、タイヤ表面に板状のスピューが形成されることから、各空気抜き孔により形成されたスピューのタイヤ表面から法線方向に沿う先端までの長さ寸法の平均値とした。スピュー先端形状とは、1つの空気抜き孔によりタイヤ表面に形成されたスピューの長さ方向に沿うタイヤ表面から先端までの高さの変化状態いい、例えば、高さに変化がなければ「同じ」、変化があれば「異なる」として評価した。スピューの形成状態とは、1つの空気抜き孔により形成されたスピューの長さ方向における形成状態を示し、1つの空気抜き孔の長さ方向の範囲において連続して形成されている場合には「連続」、断続して形成された場合には「断続」として評価した。また、スピューが形成されていない場合には、「なし」とした。スピュー除去の要否とは、従来例タイヤのスピューを基準としたときのスピューの除去の要否をいい、除去が必要である場合には「必要」、不要である場合には「不要」、また必要であるが難しい場合には「困難」として評価した。製品タイヤ外観性能、製品タイヤ運動性能及び製品タイヤ摩耗性能は、それぞれ従来例タイヤのスピューの除去工程後の外観性能、運動性能及び耐摩耗性能を100として指数化して相対的に評価した。なお、比較例1乃至比較例5については、スピューの除去工程後の外観性能、運動性能及び耐摩耗性能で評価し、実施例1乃至15については、スピューを除去しない状態で評価した。
図14の表及び図15のグラフに示すように、従来例、比較例1〜5及び実施例1〜15のタイヤ表面に形成されたスピューの幅は、空気抜き孔の幅と同一寸法に形成されることが分かった。
また、実施例1乃至実施例15に示すように、空気抜き孔の幅を0.5mmより小さくしてゆくにつれて、スピュー高さが減少してゆくことが分かった。つまり、従来例、比較例1乃至比較例4では、空気抜き孔の幅が0.5mm以上では、図16の(a),(b)のS1,S2に示すように、タイヤ表面に形成されるスピューの高さに変化が見られなかったが、幅Wを0.5mmより小さくしてゆくと、図16の(c)〜(g)のS4〜S7に示すように、スピューの高さが低くなることが分かった。これにより、スピューを除去する工程も不要となることが分かった。
また、実施例6乃至実施例15に示すように、空気抜き孔の幅を0.09mmよりも小さくするにつれて、1つの空気抜き孔により形成されるスピューが、図16の(e),(f),(g)のS5〜S7に示すように、タイヤ表面に沿う長さ方向において断続的に形成されることが分かった。すなわち、スピュー先端形状及びスピュー形成状態に示すように、スピュー先端における形状、つまりスピューの長さ方向において高さにばらつきが生じはじめ、最終的には、断続的に形成されるようになることが分かった。また、実施例9乃至実施例15に示すように、空気抜き孔の幅を0.06mmよりも小さくするにつれて、図16(g)のS7に示すように断続的に形成されていたスピューが、徐々に形成されなくなり、スピューは完全に消失してゆくことが分かった。つまり、タイヤ表面にスピューが形成されない状態となる。この場合、図16(h)のS8に示すように空気抜き孔の痕のみが表面にみられる状態(スピュー高さが0mm)、すなわち、空気抜き孔の開口縁にタイヤ表面を押しつけた痕のみが見られるような平らな状態となる。特に、実施例13乃至実施例15に示すように、空気抜き孔の幅を0mmより大きく0.01mm以下とすることにより、スピューがほとんど形成されなくなることが分かった。なお、実施例9乃至実施例12では、スピュー高さが観測されてはいるものの、すべての空気抜き孔において観測されたものではないため、実質的にはスピューの発生がない、すなわち、消失したものとしてスピュー形成形態では評価した。
また、実施例1乃至実施例15は、従来例、比較例1乃至比較例4のいずれに対しても、外観性能、運動性能及び耐摩耗性能に優れることが分かった。特に、実施例9〜15に示すように、空気抜き孔の幅を0に近づくように小さくしてゆくことにより、外観性能、運動性能及び耐摩耗性能が大きく向上してゆくことが分かった。
なお、比較例5に示すように、空気抜き孔の幅を0mmとした場合には、加硫成型することができなかった。
以上説明したように、本実施形態に係る金型を用いて未加硫のタイヤを成型するタイヤの製造方法によれば、スピューによるタイヤの初期性能、外観性能、運動性能及び摩耗性能への影響を抑えることが可能になり、初期性能、外観性能、運動性能及び摩耗性能に優れたタイヤを形成することができる。
なお、上記実施形態では、空気抜き孔15は、溝成型部13を構成するリブ溝成型部13Aやラグ溝成型部13Bの部分以外に設けられるものとして説明したが、溝成型部13に設けても良い。すなわち、空気抜き孔15の一端側が成型面11aにおける接地面成型部12に開口するものとして説明したが、リブ溝成型部13Aやラグ溝成型部13B等の溝成型部13の頂面や側面に一端が開口するようにしても良い。この場合、リブ溝成型部13Aやラグ溝成型部13Bの延長する方向に沿って空気抜き孔15の開口部が延長するように空気抜き孔15を設ければ良い。より好ましくは、溝成型部13の頂面と側面とが接続する角部や、接地面成型部12と溝成型部13の側面とが接続する角部に沿って空気抜き孔15の開口部を設けることにより、成型面11aとタイヤTの外面との間の空気を効率良く排気でき、成型後のタイヤ表面へのスピューの形成を抑制できる。
なお、空気抜き孔15の他の形成例として、背面11bから延長する空気抜き孔15の一端側を溝成型部13の一側面と他側面の両方に開口するように分岐させて形成しても可能である。すなわち、溝成型部13を一側面から他側面に貫通するスリット状の孔と、この孔に一端が開口し、他端が背面溝20に開口するスリット状の孔により空気抜き孔15を形成しても良いが、この場合、溝成型部13の一側面に開口する開口部の面積と他側側に開口する開口部の面積との和が、背面11bに至る孔の断面積、及び背面11b側に開口する面積と等しくなるように形成することが好ましい。
上記実施形態では、空気抜き孔についてタイヤを加硫成型する際に用いられるタイヤ用金型を用いて説明したが、これに限らず、ゴム製品や樹脂製品等のゴム物品を成型する際の金型に本実施形態に係る空気抜き孔を備えた金型を用いることで、外観性能に優れた製品を製造することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
9 サイド金型、11 トレッド金型、11a 成型面、11b 背面、
15 空気抜き孔、20A乃至20H 背面溝、31乃至35 スリット、
T タイヤ。

Claims (11)

  1. 未加硫のゴムに型付けする成型面を有し、タイヤ円周方向に複数に分割されたセクショナルモールド用のタイヤ用金型であって、
    前記成型面から背面に貫通する空気抜き孔と、
    前記背面に、タイヤ円周方向の一端側の分割面と他端側の分割面にかけて延長し、前記空気抜き孔が開口する溝とを備え
    前記空気抜き孔の成型面に開口する幅が、0mmより大きく0.5mmより小さいことを特徴とするタイヤ用金型。
  2. 前記空気抜き孔は、一の孔で形成されたスリット、または、複数の孔を点線状に配置して形成されたスリットからなり、
    前記スリットが成型面に開口する形状は、端部が終端、または環形状、もしくはそれらを組合せた形状で形成されることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用金型。
  3. 前記空気抜き孔は、当該孔の成型面から背面に貫通する際の奥行方向と直交する方向の断面において、直線状、または湾曲状、または屈曲状、もしくはそれらを組み合わせた断面形状で構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタイヤ用金型。
  4. 前記空気抜き孔は、成型面から背面に向かって直線状、または湾曲状、または屈曲状、もしくはそれらを組み合わせた形状で延長することを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載のタイヤ用金型。
  5. 前記空気抜き孔は、前記成型面の前記未加硫のゴムに凹部を型付けする部分以外に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれかに記載のタイヤ用金型。
  6. 前記タイヤ用金型をラピッドプロトタイピング法により製作したことを特徴とする請求項1乃至請求項5いずれかに記載のタイヤ用金型。
  7. 請求項1乃至請求項6いずれかに記載のタイヤ用金型によってタイヤ表面が型付けされたタイヤであって、
    前記空気抜き孔により形成されたスピューは、成型後の当該スピューを除去しない状態において、幅が0mmより大きく0.5mmより小さく、
    且つ、高さが0mm以上7.5mmより小さいことを特徴とするタイヤ。
  8. 前記スピューは、幅が0.09mmより小さく、
    且つ、高さが、0mm以上2.0mmより小さいことを特徴とする請求項7に記載のタイヤ。
  9. 前記スピューは、幅が0.06mmより小さく、
    且つ、高さが0mm以上0.5mm以下であることを特徴とする請求項7又は請求項8いずれかに記載のタイヤ。
  10. 前記スピューは、1つの前記空気抜き孔により型付けされたタイヤ表面に沿う長さ方向に高さが変化することを特徴とする請求項7乃至請求項9いずれかに記載のタイヤ。
  11. 前記スピューは、1つの前記空気抜き孔により型付けされたタイヤ表面に沿う長さ方向に断続して形成されることを特徴とする請求項7乃至請求項10いずれかに記載のタイヤ。
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