以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、各図面において同様の構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
<第一実施形態>
図1は本発明の第一実施形態の泡吐出容器100の上方斜視図であり、図2は泡吐出容器100の下方斜視図である。図3(a)は本実施形態の泡吐出容器100から吐出された泡造形物FBの平面図であり、図3(b)は泡造形物FBの正面図である。図4は、ヘッド部30を含む泡送出機構50の正面図である。
本実施形態の泡吐出容器100は、液剤Lを貯留する容器本体40と、吐出口20を有し容器本体40から送出される液剤Lを吐出口20より泡状に吐出するヘッド部30と、を備えている。ヘッド部30は、吐出操作部(ポンプヘッド部32)を有している。吐出操作部(ポンプヘッド部32)は、ユーザーの操作を受け付けるごとに所定量の泡状の液剤(泡体B)を吐出口20より吐出させる。吐出される泡体Bを、図1および図2において二点鎖線で模式的に示す。1回または複数回の吐出操作部(ポンプヘッド部32)の操作により吐出口20から所定の吐出方向DDに吐出された泡状の液剤(泡体B)は、図3(a)に示すように所望の目的形状の泡造形物FBに成形される。
そして、本実施形態のヘッド部30は、吐出方向DDに関して吐出口20の先端位置を越えて延びる延出部70を有している。
延出部70が吐出口20の先端位置を越えて吐出方向DDに延びているため、吐出口20と吐出対象面TPとを離間させて対向させた状態で吐出対象面TPに対して延出部70を当接させることができる。これにより、吐出口20と吐出対象面TPとの間隔SP(図6参照)を所望に維持することが可能である。すなわち、延出部70は、その先端(下端)を吐出対象面TPと接続して用いることにより、吐出口20と吐出対象面TPとの間のスペーサーとして機能する。泡吐出容器100がスペーサー機能を有することで、吐出口20から吐出される泡体Bの吐出条件がユーザーごとおよび操作ごとに安定する。そして、当該間隔SPで離間させた吐出対象面TPで目的形状の泡造形物FBが成形されるように吐出口20の形状を予め決定しておくことで、吐出操作部の操作により吐出される泡体Bによって所望の泡造形物FBが再現性よく繰り返して成形される。また、延出部70は上記のスペーサー機能を実現するほか、第三実施形態にて説明するように泡造形物FBに突起Pを形成する造形用部材として用いることもできる(図12各図参照)。すなわち、吐出口20から吐出対象面TPに吐出される泡体Bと接触する位置に延出部70を配置することにより延出部70は造形用部材として用いられる。延出部70を造形用部材として用いる場合、延出部70は吐出対象面TPと当接させて仕様してもよく、または吐出対象面TPから少し浮かせた状態で使用してもよい。
ここで、吐出された泡状の液剤(泡体B)が目的形状の泡造形物FBに成形されるとは、吐出口20から吐出された泡体Bが吐出対象面TPの上で所定の形状となることをいう。泡造形物FBの目的形状は特に限定されず、幾何学的形状またはキャラクター形状などを例示することができる。また目的形状とは、吐出対象面TPに正対して泡造形物FBを目視したときの泡造形物FBの平面視形状、または泡造形物FBの三次元的な立体形状の少なくとも一方である。また、目的形状の泡造形物FBには、泡吐出容器として一般的に用いられている断面円形の1つのノズルから吐出されて成形される泡造形物とは異なる形状の泡造形物を含む。かかる泡造形物としては、たとえば、複数の吐出口から吐出されて成形される泡造形物や、円形や矩形等を組み合わせて形成された1つまたは複数の吐出口から吐出されて成形される泡造形物を挙げることができる。
以下、泡吐出容器100について更に詳細に説明する。本明細書では、容器本体40を正立させた状態で容器本体40に対してヘッド部30が位置する側を上方または上側と呼称し、反対側を下方または下側と呼称する。これらの上下方向は、必ずしも鉛直方向の上下と一致している必要はない。また、便宜上、上下方向と直交する水平方向のうち、容器本体40と吐出口20とを結ぶ方向を遠近位方向と呼称し、容器本体40を基準として吐出口20の側を遠位側と呼称する場合がある。
泡吐出容器100は、容器本体40に貯留された液状の液剤Lを泡状に変えて吐出する容器である。液剤Lとしてはハンドソープを代表的に例示するが、これに限られず、洗顔料、クレンジング剤、食器用洗剤、整髪料、ボディソープ、髭剃り用クリーム、ファンデーション等の肌用化粧料、染毛剤など、泡状で用いられる種々のものを例示することができる。
泡吐出容器100は、機械的または電気的に駆動されて容器本体40から液剤Lを吐出する容器である。本実施形態ではポンプヘッド部32の押し下げ操作により容器本体40から機械的に液剤Lが吐出される泡ポンプ容器を例示する。本実施形態の泡吐出容器100は、後述するようにポンプヘッド部32の押し下げ操作によりピストン55(図4参照)が駆動され、容器本体40に常圧で貯留された液剤Lが吸引管57を通じて吸い上げられる。また、後述する第五実施形態では電気的に駆動されて液剤Lが吐出される電動ディスペンサーを例示する(図14参照)。泡吐出容器100は、大別すると、液剤Lを貯留する容器本体40と、この容器本体40に装着されて液剤Lを吐出する泡送出機構50とで構成されている。
液剤Lは、常圧または加圧されて容器本体40に貯留されている。泡吐出容器100は、常圧で貯留された液剤Lを空気と接触させて、または加圧下で貯留された液剤Lを減圧することで、液剤Lを液状から泡状に変える。本明細書では、泡状の液剤Lを泡体Bと呼称して、容器本体40に貯留されている非泡状の液剤Lを区別する場合がある。
容器本体40はボトル状をなし、中空の胴部42と、この胴部42の上端に細径に形成された口頸部44とを有している。容器本体40の形状や内容積は特に限定されない。容器本体40は合成樹脂で作成されている。ただし、本実施形態に代えて、エアゾール製品のようにボンベ等に貯留された高圧ガスや、電気的に駆動されるモータ98(図14参照)などを用いて液剤L(泡体B)を吐出してもよい。
吐出口20は、泡吐出容器100の外部に泡体Bを吐出する開口部である。ヘッド部30は、容器本体40の外部で液剤Lまたは泡体Bの流路を形成する部位の総称であり、吐出口20を有している。本実施形態のヘッド部30は、ノズル部52を有するポンプヘッド部32と、吐出口20を有する泡吐出用アタッチメント10と、が着脱可能に組み合わされて構成されている(図6参照)。ただし本実施形態に代えて、ヘッド部30は、吐出口20とポンプヘッド部32とが一体形成されて構成されてもよい。これにより、吐出口20がぐらつくことが抑制されるため、延出部70を吐出対象面TPに押し当ててポンプヘッド部32を押し下げ操作する際に吐出口20と吐出対象面TPとの間隔SP(図6参照)が不測に変化することが防止される。
吐出口20は、ヘッド部30のうち容器本体40の口頸部44から横方向(遠位側)に突き出た位置の底面31に下向きに開口して形成されている。本実施形態の吐出口20から吐出される泡体Bの吐出方向DDは下向きであり、下向きの目視を平面視と呼称する。泡体Bは、吐出口20から吐出されて大気圧に開放されることで、全体的には吐出口20の形状を維持しながら吐出対象面TP(図3、6参照)に向けて下降し、部位ごとに局所的に拡大して泡造形物FBとなる。泡造形物FBは、吐出口20から吐出対象面TPに落下して吐出口20と離間した下方に形成されてもよく、または吐出口20と吐出対象面TPとの間の空間を埋めるようにして形成されてもよい。後者の場合、泡造形物FBの上面の高さ位置は、吐出口20と同高さまたはそれ以上であって、かつヘッド部30の底面31よりも下方であることが泡造形物FBを所望の目的形状に安定して成形できる観点で好ましい。
吐出対象面TPは、泡造形物FBがその上で成形される平面または曲面である。図3各図では、ユーザーの掌を例示するが、このほかスポンジまたはブラシ等の各種の塗布具の表面が例示される。ブラシの毛先のように突起形状の場合は、当該突起の先端の集合が描く平面または曲面を吐出対象面TPと呼称する。
ここで、泡体Bの吐出方向DDとは、吐出口20から吐出される泡体Bの全体的な向きをいう。吐出方向DDは種々の要素により決定される。当該要素としては、吐出口20を通過する泡体Bの流動方向、この流動方向と吐出口20の開口方向との角度、重力方向と吐出口20の開口方向との角度、および吐出口20から吐出されて大気圧に開放されることにより膨張する泡体Bの膨張速度などが含まれる。
ヘッド部30は、吐出方向DDに関して吐出口20の先端位置を越えて延びる延出部70を有している。吐出方向DDに関する吐出口20の先端位置とは、吐出口20を画成する周壁(吐出ガイド26の内周面)のうち、吐出方向DDの最前方位置である。吐出ガイド26の内周面は、吐出口20から吐出される泡体Bが接触する壁面である。
本実施形態の吐出口20の法線(図4における下向き)は吐出方向DDと一致しており、吐出方向DDに関する吐出口20の先端位置は吐出口20の全体に亘って等しい。なお、吐出口20の法線と吐出方向DDとが一致している場合としては、本実施形態のようにこれらが共に下向きである場合のほか、これらが共に斜め下向きや横向きであってもよい。
本実施形態に代えて、吐出口20の法線と吐出方向DDとが交差する場合、吐出方向DDに関する吐出口20の先端位置とは、吐出口20を画成する周壁のうち吐出方向DDの最前方の点の位置をいう。ここで、吐出口20の法線と吐出方向DDとが交差する場合とは、たとえば、管状の吐出ガイド26(図4参照)の先端部を注射針のように斜めにカットすることによって吐出口20を形成した場合や、吐出口20を湾曲面状に形成した場合等が該当する。
また、延出部70が吐出方向DDに関して吐出口20の先端位置を越えて延びているとは、延出部70の少なくとも一部が、吐出方向DDに関して、吐出口20の先端位置よりも更に前方に位置していることをいう。本実施形態の延出部70は、吐出口20に対して、吐出方向DDの後方側から前方側に亘って形成されている。延出部70のうち少なくとも先端部74は吐出口20よりも下方に位置しており、言い換えると吐出口20の先端位置を越えて吐出方向DDの前方に位置している。
本実施形態の延出部70は吐出口20との相対的な位置関係が不動に形成されている。これにより、延出部70を吐出対象面TPに押し当てても延出部70が吐出口20に対して移動してしまうことがなく、吐出口20と吐出対象面TPとの間隔SP(図6参照)を所望に維持することができる。
また、図4に示す本実施形態の延出部70は、吐出ガイド26の内周面よりも外側に配置されており、吐出口20から吐出される泡体Bは延出部70に対して非接触にて吐出対象面TPに向かって落下する。延出部70は、吐出ガイド26の外周面と一体に形成されてもよく、または吐出ガイド26とは別々に形成されてもよい。本実施形態の延出部70は、吐出ガイド26から幅方向の外側に離間した位置に、吐出ガイド26とは別々に形成されている。
図2に示すように、本実施形態の吐出口20はヘッド部30(具体的には貯留部60:図6参照)における下部に設けられた吐出ガイド26の下端に開口形成されている。吐出ガイド26は、ヘッド部30における下部に延在して設けられており、吐出口20と同形状に形成された直管状の通孔を有している。本実施形態の吐出ガイド26は、ヘッド部30の底面31から垂下して設けられて吐出口20の周囲を取り囲む壁状に形成されている。これにより、吐出される泡体Bがヘッド部30の下面に付着することが防止されるため泡体Bの泡切れがよく、精細な泡造形物FBを成形することが可能になる。ただし、本発明はこれに限られず、吐出ガイド26をヘッド部30の底面31の壁内に埋め込み形成してもよい。たとえば、底面31を肉厚に形成し、この底面31に貫通形成した通孔を吐出ガイド26として用いてもよい。
ヘッド部30から吐出される泡体Bは、吐出ガイド26を通過することにより全体的な流れが下向きに整流される。これにより、吐出された泡体Bが幅方向に拡大することが抑制され、泡造形物FBが所定の目的形状に好適に成形される。吐出口20(開口)の法線は吐出ガイド26の垂下方向と平行である。このため、本実施形態の泡吐出容器100における吐出方向DDは吐出口20(開口)の法線方向であり、図2に矢印で示すように下向きである。
図2に示すように、本実施形態の延出部70は、吐出口20から吐出された泡状の液剤(泡体B)の通過領域の外部に設けられている。図3(a)には、吐出対象面TPである掌に対して延出部70の先端部74を当接させる設置領域FPを二点鎖線で示す。設置領域FPは泡造形物FBの形成領域の外部にあり、延出部70は目的形状の泡造形物FBの形成領域の外部に設けられる。延出部70の先端部74とは、延出部70の下端面である。延出部70の先端部74を平坦面とすることで、延出部70を吐出対象面TPに対して安定して当接することができる。ただし延出部70の先端部74は、ユーザーの掌に対して優しく当接させるため、やや丸みのある湾曲面としてもよい。
延出部70の先端部74は、ユーザー(少なくとも成人男性)の片手の掌に内包される領域内に形成されている。延出部70の基端部や先端部の位置は吐出口20の形状や寸法に応じて設定することができる。
延出部70は、吐出口20の周囲の互いに離間する複数箇所に設けられていることが好ましい。より好ましくは、吐出口20を挟む両側に対向して、一対の延出部70が泡吐出用アタッチメント10の周面より突出して形成されている。
本実施形態の延出部70は、泡吐出用アタッチメント10と一材で一体成形されている。これにより、延出部70を吐出対象面TPに押し当ててポンプヘッド部32を押し下げ操作する際に延出部70が吐出対象面TPから抗力を受けても、延出部70が泡吐出用アタッチメント10から外れることがない。ただし、本実施形態の変形例として、延出部70は泡吐出用アタッチメント10に対して着脱可能に装着されていてもよい。すなわち延出部70は、泡吐出用アタッチメント10に対する着脱係合部を有していてもよい。着脱係合部としては、泡吐出用アタッチメント10を把持する爪部や、泡吐出用アタッチメント10に粘着固定する粘着テープなどを例示することができる。ヘッド部30において延出部70を着脱可能とすることで、本実施形態の延出部70によるスペーサーや造形用部材としての機能を泡吐出用アタッチメント10に持たせるか否かを選択可能となる。また、既存の泡吐出用アタッチメントに対して延出部70を後から装着してスペーサーや造形用部材としての機能を付与することができる。
図4に示すように、延出部70は、吐出方向DD(同図における下方)に向かって吐出口20から離れる方向に拡大する形状に形成されている。本実施形態の一対の延出部70は、泡吐出用アタッチメント10の周面より外向きに突出し、かつ湾曲して斜め下方に垂下するように形成されていることが好ましい。より好ましくは、延出部70の上端部71よりも下端部72は急峻に起立している。言い換えると一対の延出部70は、上端部71において対向間隔が急激に拡大し、かつ下端部72において水平面(吐出対象面TP:図6参照)に対して略直角に起立するように形成されている。これにより、吐出口20から吐出された泡体Bが大気開放されて吐出口20の直下で膨張しても、この泡体Bが延出部70の上端部71と接触して付着することが防止される。また、吐出対象面TP上で成形された泡造形物FBが下端部72に接触することが防止される。このため、泡造形物FBが所望の目的形状に安定して成形される。
本実施形態の延出部70の先端位置は、吐出方向DDの前方から吐出口20に正対して見て、吐出口20を取り囲む閉領域の外部にあればよく、具体的な位置は特に限定されない。このうち本実施形態の一対の延出部70は、吐出口20の外部であって、容器本体40と吐出口20とを結ぶ遠近位方向に対して交差する幅方向(図4の左右方向)の両側に、互いに離間して形成されている。そして、一対の延出部70同士の中間部78(図1参照)のうち吐出口20に対する遠位側(図4の紙面手前側)は、吐出口20の形成幅寸法Wよりも広く開放されている。これにより、吐出対象面TP上で目的形状の泡造形物FBが成形された後に、この成形された泡造形物FBに延出部70を接触させることなく吐出対象面TP(掌)を泡吐出用アタッチメント10から容易に離間させることができる。具体的には、押し下げられた泡吐出用アタッチメント10を吐出対象面TPに対して上昇させて延出部70を吐出対象面TPから離間させた後、延出部70が非形成である中間部78またはその直下を通じて泡造形物FBを泡吐出用アタッチメント10の下方から引き出すとよい。または、押し下げられた泡吐出用アタッチメント10を上昇させる前に、吐出対象面TPを泡吐出用アタッチメント10に対して下降させて延出部70を吐出対象面TPから離間させた後に、吐出対象面TPとともに泡造形物FBを引き出してもよい。これにより、泡造形物FBが延出部70と接触して形状が崩れることが避けられる。また、泡体Bの吐出操作時には、延出部70が非形成で開放されている中間部78を通じて、吐出対象面TPと泡吐出用アタッチメント10との間を覗き込むことにより、十分な量の泡体Bが吐出対象面TPに吐出されて泡造形物FBが成形されていることを視認することができる。
本実施形態の吐出口20は、泡造形物FBの目的形状を細幅化した連続形状の開口により構成されている。ここで、目的形状を細幅化するとは、目的形状の縁に沿ってまたは目的形状の内部を埋めるようにして、目的形状を構成する各部位の幅寸法を縮小することをいう。また、吐出口20が連続形状であるとは、吐出口20の少なくとも一部の領域が、幅寸法に比して長さ寸法が十分に大きいライン状であることをいう。またライン状とは、代表的には一続きの長尺形状であるが、これに限らず、破線状や鎖線状など離散した複数の要素(開口)が長手方向に近接して並んでいる態様を含む。すなわち、吐出口20が目的形状を細幅化した連続形状であるとは、吐出後に拡大する泡体Bによって当該目的形状を描出することを目的として、目的形状の縁に沿ってまたは目的形状の内部を埋めるようにして、吐出口20のライン状の部分が配置されていることをいう。なお、本実施形態に代えて、後述する第四実施形態の泡吐出用アタッチメント13のように、吐出口20は、離散配置された複数の開口により構成されていてもよい。
本実施形態の吐出口20は、一例として、八分音符の符幹(棒)に対応する直線状の細幅開口部22aと、符尾(旗)に対応する湾曲状の細幅開口部22bと、符頭(玉)に対応する太幅開口部24と、を備えている。吐出ガイド26は、吐出口20の周囲を取り囲むように形成されている。
泡吐出容器100は、吐出操作部(ポンプヘッド部32)を操作することにより所定量の泡体Bを吐出口20より吐出する。ここで、所定量の泡体Bが吐出されるとは、泡体Bが無制限に連続吐出されることを除く趣旨であり、吐出操作部(ポンプヘッド部32)の各回の操作により吐出口20から吐出される泡体Bの量は厳密に一定でなくてもよい。また、吐出口20より吐出される泡体Bの所定量とは、ヘッド部30を含む泡送出機構50(図4参照)の内部流路が予め泡体Bで十分に注液された状態から吐出操作部(ポンプヘッド部32)を操作した場合に吐出口20から送り出される泡体Bの嵩体積をいう。
一回の操作で吐出される泡体Bの嵩体積は、図3(a)に示すように成人の掌に載る程度が好ましく、一例として1cm3以上20cm3以下とすることができる。本実施形態の泡吐出容器100における各回の泡体Bの吐出量は、後述するピストン55(図4参照)の往復動のストローク等のパラメータにより決定される。
本実施形態の泡吐出容器100のように、吐出操作部(ポンプヘッド部32)を操作して所定量の泡体Bが吐出されることで、泡造形物FBが無制限に拡大することを防止し、これにより所望の目的形状の泡造形物FBを形成することができる。そして、予め設定された所定回数(1回または複数回)に亘って吐出操作部(ポンプヘッド部32)を繰り返し操作することで吐出される泡体Bの総量によって所望の目的形状の泡造形物FBが成形されるように、吐出口20の具体的な開口形状、特に目的形状を細幅化する度合いは決定される。
図2に示すように、本実施形態の吐出口20は、ライン状の細幅開口部22と、この細幅開口部22に連続形成され細幅開口部22よりも太幅の太幅開口部24と、を有している。そして吐出口20は、細幅開口部22および太幅開口部24によって連続形状に形成されている。
ライン状の細幅開口部22は、上述したように一続きの長尺形状の開口でもよく、または離散した開口が線状に並んでいてもよい。この離散間隔を所定以下とすることで、線状に並ぶ複数の開口から吐出された泡体Bは吐出対象面TP上で互いに連結して一続きのライン上の泡造形物FBを形成する。細幅開口部22は等幅の帯状でもよく、または細幅開口部22の開口幅は長さ方向に亘って変化していてもよい。
細幅開口部22の延在形状は特に限定されず、直線状でもよく、湾曲または屈曲していてもよい。本実施形態の細幅開口部22は、互いに屈曲して接続された複数の細幅開口部22a・22bで構成されている。後述するように、細幅開口部22aは直線状をなし、細幅開口部22bは湾曲状をなしている。
太幅開口部24は、吐出口20のうちライン状の細幅開口部22の開口幅よりも太幅に形成された開口領域である。本実施形態では、吐出口20の開口幅が不連続にまたは急激に増大する境界部を挟んで、開口幅が小さい側を細幅開口部22と呼称し、大きい側を太幅開口部24と呼称する。
太幅開口部24の形状は特に限定されず、細幅開口部22よりも太幅のライン状でもよく、多角形状や略円形状でもよい。図2に示すように、本実施形態の太幅開口部24は、細幅開口部22(22a、22b)の幅寸法よりも大径の略円形をなしている。
図3(a)に示すように、吐出口20(図2参照)から吐出されて成形された泡造形物FBは、太幅開口部24に対応する太幅泡部WPと、細幅開口部22に対応する細幅部NPとを有している。本実施形態の泡吐出容器100により成形される泡造形物FBは、図3(b)に模式的に示すように、太幅泡部WPと細幅部NPとが略同高さに成形される。吐出された泡体Bは吐出対象面TP上で吐出口20の幅方向にもっぱら拡大し、長手方向には実質的に拡大せずに泡造形物FBが成形される。このため、少ない量の泡体Bで所望の目的形状の泡造形物FBを成形することができる。
図4に示すように、泡送出機構50は、上述したヘッド部30のほか、キャップ53、ハウジング56、吸引管57および後述する気液接触部51を備えている。ハウジング56は、ピストン55、バネ体58およびボール弁59を収容しており、容器本体40(図1参照)の内部に設置される。吸引管57は、ハウジング56の下方に連通して設けられて液剤Lを吸い上げる管である。キャップ53は、ハウジング56および吸引管57を容器本体40の内部に設置した状態で容器本体40の口頸部44(図1参照)に対して着脱可能に装着されて泡送出機構50を固定する。
泡吐出容器100は、容器本体40にキャップ53を介して装着されキャップ53に対して往復動可能に設けられたピストン55と、ピストン55を収容し吐出口20と連通するハウジング56と、を更に有している。吐出操作部(ポンプヘッド部32)は、ユーザーの押し下げ操作を受け付けてピストン55を往復動させることにより液剤Lを容器本体40からハウジング56に吸い上げてヘッド部30より吐出させる。
泡送出機構50の構造および動作について簡単に説明する。ボール弁59は、ハウジング56および吸引管57に貯留された液剤Lの落下を防止する弁体である。ユーザーが手などでヘッド部30のポンプヘッド部32(吐出操作部)を押し下げることで、ピストン55の下端によりボール弁59の上昇(開放)が規制された状態で、ピストン55はハウジング56の内部の空気圧を上昇させる。ピストン55には、ハウジング56とヘッド部30とを連通する小孔の液流路(図示せず)が設けられている。液流路の開口面積は十分に小さいため、ポンプヘッド部32を勢いよく押し下げることでハウジング56の空気圧が上昇し、その後に液剤Lはハウジング56からヘッド部30に押し上げられる。ヘッド部30には、外部と連通する空気流路(図示せず)が設けられている。ヘッド部30の内部には液剤Lの流路上に気液接触部51が設けられている。気液接触部51は、たとえばメッシュであり、ヘッド部30の外部の空気およびハウジング56の内部の空気が液剤Lとともに気液接触部51(メッシュ)を通過することで液剤Lを泡状(泡体B)に変える。この泡体Bは、ヘッド部30の吐出口20より吐出される。ユーザーがポンプヘッド部32から手などを離すと、バネ体58はピストン55を弾性的に復位させる。これによりハウジング56の内部は低圧となり、ボール弁59が開放されて新たな液剤Lが吸引管57に吸い上げられ、ハウジング56は再び注液される。また、空気流路を通じてヘッド部30に外部の空気が取り込まれてヘッド部30の内部は大気圧を維持する。本実施形態の泡送出機構50によれば、ポンプヘッド部32(吐出操作部)の1回ごとの操作により吐出口20から所定量の泡体Bが吐出される。
なお、上述の泡送出機構50の構造および動作は一例であり、たとえば上述した特許文献1に記載された泡吐出器など、広く知られているものも使用することができる。
図5はヘッド部30の平面図である。図6は図5のVI−VI線断面図であり、ヘッド部30の側面断面図である。図7は泡吐出用アタッチメント10の斜視図である。
図4から図6に示すように、本実施形態のヘッド部30は、ノズル部52(図6参照)と泡吐出用アタッチメント10とを組み合わせてなる。ノズル部52は、液剤Lを貯留する容器本体40から泡状の液剤(泡体B)を送出するノズル開口54を有している。ノズル部52は、気液接触部51の上方に設けられてハウジング56と連通し、泡状に変えられた液剤Lが流通する部位である。本実施形態のノズル部52はポンプヘッド部32と一体形成されている。ポンプヘッド部32は、上述したようにユーザーの操作を受け付けるごとに所定量の泡状の液剤(泡体B)をノズル開口54より吐出させる吐出操作部である。
泡吐出用アタッチメント10は、泡吐出容器100のノズル部52に対して着脱可能に装着して用いられる。泡吐出用アタッチメント10は吐出口20を有しており、ノズル部52に対して着脱可能に装着されることにより吐出口20とノズル開口54とが連通する。泡吐出用アタッチメント10は、ノズル開口54より吐出される泡状の液剤(泡体B)を受容して吐出口20から所定の吐出方向DDに吐出して目的形状の泡造形物FBを成形する。すなわち、本実施形態の泡吐出用アタッチメント10は、目的形状を細幅化した連続形状の吐出口20を有し、ノズル開口54より吐出される泡状の液剤(泡体B)を受容して吐出口20から吐出することにより目的形状の泡造形物FBを形成する。そして、本実施形態の泡吐出用アタッチメント10は、吐出方向DDに関して吐出口20の先端位置を越えて延びる上記の延出部70を有している。
ヘッド部30を泡吐出用アタッチメント10とノズル部52とに分離可能とすることで、吐出口20の開口形状が異なる複数種類の泡吐出用アタッチメント10をノズル部52に対して交換して装着することができる。これにより、容器本体40および泡送出機構50を共用して、異なる目的形状の泡造形物FBを吐出成形することができる。逆に、共通の泡吐出用アタッチメント10を、異なる容器本体40の泡送出機構50に対して付け替えて装着することができる。
図6および図7に示すように、泡吐出用アタッチメント10は、ノズル開口54(図7参照)を挿入させる嵌合部16と、ノズル部52(図6参照)に対して着脱可能に掛止する掛止部18と、を有している。泡吐出用アタッチメント10の嵌合部16は、泡送出機構50のノズル部52の外形に対応する形状の開口部であり、ノズル部52を密着して嵌合させる。掛止部18の具体的な形状は特に限定されないが、本実施形態の掛止部18は上向きに突出する爪状の突起部であり、嵌合部16を挟んで両側に一対の掛止部18が設けられている。図2に示すように、本実施形態のポンプヘッド部32は傘状をなし、ポンプヘッド部32の周縁部33は下方に垂下している。泡吐出用アタッチメント10の掛止部18は、ポンプヘッド部32の周縁部33のうちノズル部52を挟む両側に対して掛止する。これにより、ポンプヘッド部32に装着された泡吐出用アタッチメント10がポンプヘッド部32に対して前後または左右方向に傾くことが防止される。このため、延出部70の先端部74を吐出対象面TPに押し当てた状態でポンプヘッド部32を押し下げ操作しても、泡吐出用アタッチメント10が不測に傾いたり外れたりすることがない。
図6に示すように、ヘッド部30は、容器本体40(図1参照)から送出される泡状の液剤(泡体B)を貯留する貯留部60を有している。貯留部60は、容器本体40からノズル部52を通じて送出された泡状の液剤(泡体B)を減速させ、吐出口20の全体に対して泡体Bを分散させて供給するための空洞部である。貯留部60は、泡体Bの流路上であってノズル部52のノズル開口54と吐出口20との間に配置され、ノズル開口54および吐出口20よりも流路幅が大きく形成されている。本実施形態の貯留部60は、ヘッド部30を構成する泡吐出用アタッチメント10の内部であって吐出口20と嵌合部16との間に形成されていることが好ましい。より好ましくは、貯留部60は泡体Bの流路上のうち吐出口20の手前側に隣接して設けられている。嵌合部16は、貯留部60の基端側(同図右方)に開口して設けられている。掛止部18は、貯留部60の基端側に突出形成されており、ノズル部52に対して下方から掛止する。貯留部60の天面66は、液剤Lの送出方向の先端側(同図左方)に向かって、吐出口20に向けて下り傾斜している。貯留部60の内部高さは、液剤(泡体B)の送出方向の先端側に向かって低減している。
ヘッド部30が貯留部60を有することで、容器本体40から送出された泡体Bが貯留部60に一旦貯留されたうえで吐出口20の全体から下向きに均一に吐出される。このため、吐出口20のうち泡体Bの送出方向の先端側(図6左方)に偏って泡体Bが吐出されることが防止され、吐出口20の全体から泡体Bが均一に吐出される。上述のように、泡吐出容器100のポンプヘッド部32はノズル部52を有している。本実施形態のノズル部52は、容器本体40から送出される泡状の液剤(泡体B)を貯留部60の内部に斜め下向きに吐出する。
吐出ガイド26は、貯留部60から下方に延在して設けられている。図4に示すように、吐出口20は吐出ガイド26の下端に水平に延在して形成されている。貯留部60の内部で減速されて一旦貯留された泡体Bは、吐出ガイド26に流入して下向きに案内されて吐出口20より吐出される。貯留部60の下方に吐出ガイド26を設けることで、吐出口20から吐出された泡体Bが拡大することが低減される。すなわち、泡体Bは、液状の液剤Lに比して嵩密度が低いため圧縮性が高く、ノズル開口54から貯留部60に送出されて貯留された泡体Bは圧縮されている。このため、吐出ガイド26の通過長さが短い場合には吐出後の泡体Bは大きく拡大する。これに対し、吐出ガイド26の通過長さが長い場合には、吐出ガイド26を通過する間に泡体Bの圧力が徐々に緩和され、また吐出ガイド26を通過することで泡体Bの流れが整流される。これにより、吐出される泡体Bの形状が安定し、また吐出後の泡体Bの拡大が抑制されるため、目的形状の泡造形物FBが精細に成形される。
図8(a)は泡吐出用アタッチメント10の上半体10aの上方斜視図であり、図8(b)は下半体10bの上方斜視図である。図9は上半体10aの下方斜視図である。
泡吐出用アタッチメント10は、上半体10aおよび下半体10bを吐出方向に互いに組み合わせてなる。下半体10bに吐出口20が開口形成されている。これにより、傾斜面62や後述する内部ガイド29を有する貯留部60を、泡吐出用アタッチメント10の内部に容易に形成することができる。なお、泡吐出用アタッチメント10の組み立て後において、上半体10aと下半体10bとは、たとえば接着剤等を用いて互いに不可分に結合されていてもよい。上半体10aおよび下半体10bは、たとえば合成樹脂材料の射出成形で作成することができる。
図8(b)に示すように、貯留部60の内部底面64は、太幅ガイド部28と細幅ガイド部27との間に形成された傾斜面62の基端側(内部底面64a)よりも、先端側(内部底面64b)で高く形成されている。吐出ガイド26は、貯留部60の内部底面64を上端とし、吐出口20を下端とする。
図2に示す細幅開口部22a・22bから吐出された泡体Bは泡造形物FBの細幅部NPを形成し、太幅開口部24から吐出された泡体Bは泡造形物FBの太幅泡部WPを形成する。複数本のライン状の細幅開口部22a・22bは、互いに交差している。これにより、図3(a)に示したように音符記号(八分音符)を模した目的形状の泡造形物FBが吐出成形される。細幅ガイド部27と太幅ガイド部28とが細幅ガイド部27と略同幅で互いに連通していることで、太幅泡部WPと細幅部NPと境界で泡造形物FBの幅寸法が急激に変化している。本実施形態の泡吐出用アタッチメント10を用いることで、このように精細な目的形状の泡造形物FBを吐出成形することが可能である。
図8(b)に示すように、傾斜面62の基端側の内部底面64aには、内部ガイド29bが立設されている。内部ガイド29bは細幅ガイド部27の両側に設けられている。
図9に示すように、本実施形態の上半体10aは内部ガイド29aを有している。内部ガイド29aは、平面視で太幅ガイド部28および細幅ガイド部27(図8(b)参照)の周囲の少なくとも一部を壁状に取り囲む。内部ガイド29aは、上半体10aの天面66から垂下して形成されている。上半体10aの内部ガイド29aと、下半体10bの内部ガイド29b(図8(b)参照)とは、上半体10aと下半体10bとを組み合わせることで互いに突き当てられて貯留部60を区画形成する。
上半体10aの内部ガイド29aは、吐出口20の周囲のうち、容器本体40から泡吐出用アタッチメント10に送出される液剤(泡体B)の送出方向(図9に矢印で示す)の先端側を取り囲んで設けられている。そして、内部ガイド29aのうち液剤(泡体B)の送出方向の基端側に嵌合部16が設けられている。
<泡造形物作成方法>
つぎに、本発明の実施形態にかかる泡造形物作成方法(以下、本方法という場合がある)について説明する。
本方法は、泡吐出容器100(図2参照)から泡体Bを吐出して泡造形物FB(図3各図参照)を作成する方法に関する。泡造形物FBは吐出対象面TP上に作成される。泡吐出容器100は泡ポンプ容器であり、上記のように、液剤Lを貯留する容器本体40と、容器本体40から送出される液剤Lをユーザーによる押し下げ操作を受け付けるごとに吐出口20から所定量ずつ泡状に吐出するヘッド部30と、を備えている。ヘッド部30は、ユーザーによる押し下げ操作を受け付けるポンプヘッド部32を有する。
本方法は、配置工程と吐出工程とを含む。配置工程では、吐出口20に対して所定の間隔SPで吐出対象面TPを対向させる。吐出工程では、ヘッド部30を押し下げ操作するとともに所定の間隔SPを維持したまま吐出対象面TPを下降させて、吐出口20より泡状の液剤(泡体B)を吐出対象面TPに吐出して目的形状の泡造形物FBを成形する。
これにより、吐出口20から吐出対象面TPまでの距離が一定の間隔SPを保った状態で吐出口20から泡体Bが吐出されるため、吐出されてから吐出対象面TPに至るまでの泡体Bの状態が再現され、所望の目的形状に泡造形物FBが繰り返し成形される。
本方法においては、押し下げ操作されたヘッド部30および下降した吐出対象面TPを、間隔SPを維持したまま上昇させる上昇工程を行った後、吐出工程を再び行ってもよい。上昇行程および複数回の吐出工程に亘って吐出対象面TPと吐出口20との間隔SPが維持されているため、複数回の吐出工程で吐出された泡体Bによって所望の目的形状の泡造形物FBを再現性よく成形することができる。本方法の少なくとも配置工程は、ヘッド部30と吐出対象面TPとを互いに接続して行うとよい(図6参照)。好ましくは、配置工程および吐出工程においてヘッド部30と吐出対象面TPとを互いに接続するとよい。これにより、吐出工程でヘッド部30および吐出対象面TPを容易に連動させて下降することができ、吐出口20から吐出対象面TPまでの距離を一定の間隔SPに容易に維持することができる。
上述したようにヘッド部30は、吐出口20から泡状の液剤(泡体B)が吐出される吐出方向DDに関して吐出口20の先端位置を越えて延びる延出部70を有している。配置工程および吐出工程で、延出部70の先端部74を吐出対象面TPに押し当ててヘッド部30と吐出対象面TPとを互いに接続することにより、吐出口20と吐出対象面TPとを所定の間隔SP(図6参照)とする。これにより、ヘッド部30の押し下げ操作の間に、間隔SPを安定して維持することができる。ヘッド部30と吐出対象面TPとを接続する態様は特に限定されないが、本方法のように延出部70の先端部74を吐出対象面TPの表面に当接させてもよく、または延出部70で吐出対象面TPを保持してもよく、更には延出部70と吐出対象面TPとを着脱可能に掛止してもよい。
なお、本方法の変形例として、配置工程および吐出工程では吐出対象面TPであるユーザーの一方の掌の指を上方に折り曲げてヘッド部30を保持するなどして、当該指をヘッド部30に当接させるとよい。これにより、配置工程および吐出工程では当該指を介してヘッド部30と吐出対象面TPとが互いに接続され、吐出口20と当該掌(吐出対象面TP)とを所定の間隔SPに維持することができる。
以下、本発明の泡吐出容器および泡吐出用アタッチメントにかかる他の実施形態について説明する。第一実施形態と重複する説明は適宜省略する。
<第二実施形態>
図10(a)は第二実施形態の泡吐出用アタッチメント11の下方斜視図であり、図10(b)は図10(a)のX−X線断面図である。第二実施形態の泡吐出用アタッチメント11は、延出部70が、吐出口20の周囲を取り囲む周回状に形成されている点で第一実施形態の泡吐出用アタッチメント10と相違する。
そして、第二実施形態の泡吐出用アタッチメント11は、延出部70が、吐出された液剤(泡体B)の通過領域および目的形状の泡造形物FB(図3各図参照)の形成領域の外部に設けられている点で第一実施形態の泡吐出用アタッチメント10と共通する。また、吐出方向DDに向かって吐出口20から離れる方向に拡大する形状に形成されている点でも第二実施形態は第一実施形態と共通する。
本実施形態の延出部70は部分球面状の筒状(すなわち、ドーム状)をなし、上下の両端が開口している。本実施形態の泡吐出用アタッチメント11は、図10(b)に示すように延出部70の上端部71よりも下端部72が急峻に起立している点で第一実施形態の泡吐出用アタッチメント10(図4参照)と共通する。
延出部70の上端部71の開口径は吐出ガイド26を内包する形状および寸法であり、吐出ガイド26の全周に亘って延出部70との間に空隙Vが形成されている。延出部70の下端部72の開口径は、成形される泡造形物FB(図3各図参照)の目的形状を内包する形状であり、かつ目的形状よりも大きい寸法である。
第二実施形態のように延出部70を周回状に形成することで、吐出対象面TP(図3各図参照)と延出部70との接触状態が安定するため、吐出対象面TPが吐出口20に対して傾くことなく、正確に正対させることができる。
周回状の延出部70の形状は特に限定されない。本実施形態では下方に向かって拡径する部分球面状としているがこれに限られない。延出部70は、円錐台形状としてもよく、または吐出口20の開口形状すなわち吐出ガイド26を拡大または太幅化した形状としてもよい。また、延出部70の下端の形状は、本実施形態のように円形とするほか、矩形状など円形以外の形状としてもよく、たとえば吐出口20の開口形状を太幅化した形状としてもよい。
更に、周回状の延出部70の全体または一部分を透明または半透明にしてもよい。または、延出部70の一部分に覗き孔を設けてもよく、延出部70の下端に切欠き部を設けてもよい。これにより、吐出対象面TPに形成された泡造形物FBを延出部70から引き出す前に、泡造形物FBの成形状況を目視にて確認することができる。
<第三実施形態>
図11(a)は、第三実施形態の泡吐出用アタッチメント12の下方斜視図である。図11(b)は泡吐出用アタッチメント12の側面図であり、図11(c)は底面図である。図12(a)は、第三実施形態の泡吐出用アタッチメント12から吐出された泡造形物FBの平面図であり、図12(b)は泡造形物FBの斜視図である。
第三実施形態の泡吐出用アタッチメント12は、延出部70の少なくとも先端部74が目的形状の泡造形物FBの形成領域の内部に設けられている点で第一実施形態の泡吐出用アタッチメント10と相違する。すなわち、本実施形態の延出部70は、吐出口20から吐出される泡体Bと接触することが好ましい。
第三実施形態の延出部70は、図11(c)に示すように、吐出方向DDの平面視で吐出口20の内部に設けられている。これにより、吐出口20から吐出される泡体Bの一部は、延出部70の表面を伝って吐出対象面TPに流下する。
このため、成形された泡造形物FBから延出部70を引き上げる際に、泡体Bの一部が延出部70に付着して持ち上げられ、泡造形物FBの表面に突起Pが形成される。したがって、たとえば図12各図に示すように動物(ウサギ)などのキャラクター形状に泡造形物FBを成形する場合に、この泡造形物FBに鼻などを示す凸部分を形成することができる。言い換えると、延出部70は泡造形物FBに所望の立体的な部位を形成する造形用部材として用いることができる。本実施形態の延出部70は、吐出口20から吐出される泡体Bが接触する吐出ガイド26の内周面の内側に形成されている。延出部70は吐出ガイド26の内周面と一体に形成されてもよく、または吐出ガイド26とは別々に形成されてもよい。本実施形態の延出部70は、吐出ガイド26の内周面から内側に離間した位置に、吐出ガイド26とは別々に配置されている。これにより、泡体Bの一部が延出部70に付着して引き上げられて泡造形物FBに凸部分が形成される際に、泡造形物FBの輪郭形状は延出部70によって変形することが防止される。
本実施形態の延出部70は、先端部74を吐出対象面TPに当接させて、吐出口20と吐出対象面TPとの間隔SP(図6参照)を所定に維持するスペーサーとして用いてもよい。これにより、本実施形態の延出部70は造形用部材およびスペーサーを兼ねることができる。
または、延出部70の先端部74を吐出対象面TPに対して上方に僅かに浮かせて非接触に配置した状態で泡体Bを吐出してもよい。この場合、延出部70をスペーサーとして用いず、泡造形物FBに突起Pを形成するための造形用部材として専ら用いることができる。
本実施形態の延出部70は全体として柱状をなし、吐出方向DDと平行に、泡吐出用アタッチメント10の貯留部60(図6参照)の天面66より下方に突出形成されている。本実施形態の延出部70は、先端部74と、この先端部74よりも細径に形成された棒状の軸部76と、を有している。これにより、先端部74を吐出対象面TP(図3参照)に当接させたときに延出部70が吐出対象面TPに付与する圧力を緩和することができる。また、吐出された泡が太径の先端部74に良好に接触するため、延出部70および泡吐出用アタッチメント10を吐出対象面TPから引き上げることで十分な量の泡体Bによって突起Pを形成することができる。
本実施形態の先端部74は球形をなしているが、本発明はこれに限られない。先端部74の下面を平坦に形成してもよい。これにより、吐出対象面TPに対して先端部74が面接触するため、吐出口20に対して吐出対象面TPを安定して平行に対向させることができる。また、先端部74の形状は球形に限らず、泡造形物FBに形成する突起Pの形状および寸法に応じて種々の形態とすることができる。
吐出口20は、ライン状の細幅開口部22と、この細幅開口部22に連続形成され細幅開口部22よりも太幅の太幅開口部24と、を有している。太幅開口部24から吐出された泡体Bは泡造形物FBにおける略円形部分CPを構成し、細幅開口部22から吐出された泡体Bは泡造形物FBにおける細幅部NPを構成する。延出部70は、この太幅開口部24の内部に設けられている。具体的には、延出部70の軸部76は太幅開口部24の略中央に立設されている。このため、延出部70は泡造形物FBにおける略円形部分CPの中央近傍と接触することとなり、略円形部分CPや細幅部NPの輪郭形状を乱すことがなく、泡造形物FBの全体形状が崩れることが抑制されている。
なお、第三実施形態では、泡造形物FBの目的形状であるキャラクター形状の例として、2本の細幅部NPが略円形部分CPから突出するウサギの頭部を例示したが、これは一例である。たとえば第三実施形態の変形例として、目的形状の少なくとも一部が、平面視で複数の略円形部分CPが互いに重なり合った形状をなしてもよい。かかる目的形状の泡造形物FBを形成する吐出口20は、上記複数の略円形部分CPよりもそれぞれ小径に形成された複数の略円形の太幅開口部24と、これら太幅開口部24どうしを互いに接続するライン状の細幅開口部22と、を有するように形成することができる。この場合、上記第三実施形態の泡吐出用アタッチメント12と同様に、延出部70を太幅開口部24の内部に設けてもよい。これにより、種々のキャラクター形状の泡造形物FBに対して、たとえば目や鼻などを示す凸部分を、一または複数の略円形部分CPの内部に形成することができる。かかる場合、ヘッド部30に複数の延出部70を設け、複数の太幅開口部24の内部にそれぞれ延出部70を配置してもよい。
<第四実施形態>
図13は、第四実施形態の泡吐出用アタッチメント13の底面模式図である。第四実施形態の泡吐出用アタッチメント13は、吐出口20が、離散配置された複数の開口により構成されている点で第三実施形態の泡吐出用アタッチメント12と相違する。また、延出部70が、複数の開口同士の間であって開口の非形成領域に設けられている点でも相違する。
吐出口20から吐出される泡体Bの吐出方向DDは、図13(a)における紙面手前側である。吐出口20から吐出された泡体Bは、泡造形物FBにおいて略円形部分CPを構成する。複数の吐出口20同士の離間距離は所定以下に設定されており、複数の略円形部分CPは吐出対象面TP(図6参照)上で互いに連結されてひと纏まりの泡造形物FBが成形される。
一方、延出部70の少なくとも先端部74が目的形状の泡造形物FBの形成領域の内部に設けられている点、および延出部70が先端部74と、この先端部74よりも細径に形成された棒状の軸部76と、を有している点で、本実施形態の泡吐出用アタッチメント13は第三実施形態の泡吐出用アタッチメント12と共通する。
延出部70の軸部76は、泡吐出用アタッチメント13の底面31より下方に垂下して形成されていることが好ましい。より好ましくは、延出部70の軸部76は、複数の吐出口20の中央に設けられている。
第四実施形態の泡吐出用アタッチメント13によれば、延出部70をスペーサーとして用いて吐出対象面TPと当接させることで、吐出口20と吐出対象面TPとの間隔SP(図6参照)が所定に維持され、成形される泡造形物FBの再現性が向上する。また、複数の吐出口20から吐出されて略円形部分CPを構成する泡体Bが互いに合わさって泡造形物FBが成形されるにあたり、これら複数の吐出口20同士の中間位置に設けられた先端部74に泡体Bが接触することで、当該中間位置に泡体Bが不足することが解消される。すなわち、複数の吐出口20の直下には十分な量の泡体Bが吐出される一方、吐出口20同士の中間位置には泡体Bが不足する場合があるところ、吐出されて膨張する泡体Bが延出部70に接触することで、延出部70の引き上げ時に泡体Bが当該中間位置に寄せ集められて泡造形物FBが全体に平坦化される。すなわち、延出部70を造形用部材として用いるとは、泡造形物FBに突起Pを形成する場合のほか、泡造形物FBを所望の目的形状となるように泡体Bを平坦化することも含む。
<第五実施形態>
図14は本発明の第五実施形態の泡吐出容器110の構造を示す説明図である。第五実施形態の泡吐出容器110は、電気的に駆動されて泡体Bを吐出する点で第一実施形態の泡吐出容器100(図1参照)と相違する。具体的には、本実施形態の泡吐出容器110は、電源部90と、電源部90により給電されて液剤Lを容器本体40から送出するポンプ機構92と、ポンプ機構92の駆動を制御する制御部95と、を更に有する。吐出操作部は、ユーザーの接近またはユーザーによる入力操作を検知する検知部96を含む。制御部95は、検知部96がユーザーの接近またはユーザーによる入力操作を検知したことに基づいてポンプ機構92を駆動して所定量の泡状の液剤(泡体B)を吐出口20より吐出させる。
本実施形態の泡吐出容器110は、泡吐出用アタッチメント14が筐体99に対して着脱可能ではなく固定的に設置されている点でも第一実施形態の泡吐出用アタッチメント10(図1参照)と相違する。第二実施形態の泡吐出容器110においては、筐体99の内部に泡吐出用アタッチメント10が配置され、吐出口20が筐体99から露出している。泡吐出用アタッチメント10は、筐体99から略水平方向に庇状に突出するヘッド部30に設置されている。
本実施形態の泡吐出用アタッチメント14は、第一実施形態の泡吐出用アタッチメント10と同様に、吐出口20を挟む対向位置に一対の延出部70を有している。延出部70の先端部74は、吐出方向DDに関して、吐出口20の先端位置を越えて下方に位置している。
ポンプ機構92は、リザーバ91、ピストン93a、プランジャ93bおよび逆止弁93cを備えている。液剤Lが貯留された容器本体40は、筐体99に対して口頸部44を下方に向けて倒立設置される。リザーバ91は、容器本体40から液剤Lを受容する。ピストン93aは、モータ98により駆動され、プランジャ93bを往復動作させてリザーバ91の流路を開閉自在に閉止する。逆止弁93cは、リザーバ91から泡吐出用アタッチメント10に向かって液剤Lを一方的に流動させ、逆流を防止する。
モータ98は、電源部90により給電され、制御部95により駆動が制御される。電源部90としては、たとえば乾電池が用いられる。
リザーバ91と泡吐出用アタッチメント10とを接続する液剤Lの流路を構成する管路94aの途中には気液接触部94bが設けられている。ピストン93aが図15に示す上死点に位置するとき、リザーバ91の流入口はプランジャ93bで閉止されて容器本体40とリザーバ91との間で液剤Lの出入りは遮断される。モータ98は、カム(図示せず)を回転させてピストン93aを進退駆動する。ピストン93aが下降するとリザーバ91の流入口は開放され液剤Lがリザーバ91に流入するとともに、プランジャ93bは液剤Lを泡吐出用アタッチメント10に向かって押し出す。押し出された液剤Lは気液接触部94bで泡状に変えられて泡吐出用アタッチメント10に送出され、吐出口20から下方に吐出されて目的形状の泡造形物FB(図3参照)となる。
制御部95は、検知部96から検知信号を受信すると、予め定められた回数だけピストン93aが往復動作するようにモータ98を駆動する。これにより、所定量の液剤Lが泡体Bとなって吐出口20から吐出される。
検知部96は、延出部70に当接または延出部70を押圧したことを検知するタッチセンサを備えている。ユーザーが掌を延出部70の先端部74に当接させると、または掌で延出部70の先端部74を上方に所定の力で押圧すると、タッチセンサーである検知部96はこの当接または押圧の荷重を検知して検知信号を制御部95に送信する。これにより、吐出対象面TP(掌)が延出部70の先端部74に接触したときに吐出口20から泡体Bが吐出されることになる。このため、吐出口20から吐出対象面TPまでの間隔SP(図6参照)が一定となり、成形される泡造形物FBの再現性が向上する。
なお、検知部96による検知方式は上記に限定されず、種々の変更が可能である。たとえば、泡吐出容器110が明所で使用される場合、検知部96は、吐出口20の外部の周囲が暗転したことを検知してもよい。この場合、検知部96には照度センサが用いられる。そして、図10に示した第二実施形態の泡吐出用アタッチメント10のように吐出口20の周囲を周回状に取り囲む延出部70をヘッド部30に設けるとよい。ユーザーが延出部70の下端に隙間なく掌(吐出対象面TP)を押し当てて延出部70の内部の照度が所定の閾値以下となったことを検知部96が検知すると、制御部95はポンプ機構92を駆動して所定量の泡状の液剤Lを吐出口20より吐出させる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
たとえば、第一から第四実施形態では、吐出口20を有する泡吐出用アタッチメント10〜14と一体に延出部70を設けることを例示したが、これに限られない。泡吐出用アタッチメント10〜14を複数の部品で構成し、吐出口20を有する一の部材と、延出部70を有する他の部材とがヘッド部30(ポンプヘッド部32)に対して別々に固定されていてもよい。
また、第三および第四実施形態では1本の柱状の延出部70が吐出方向DDと平行に、すなわち下方に突出するように泡吐出用アタッチメント10に形成することを例示した(図11および図13参照)。これに代えて、複数本の延出部70を泡吐出用アタッチメント10に設けてもよく、または吐出方向DDと交差する斜め方向に延在する延出部70を設けてもよい。複数本の延出部70を設けることで、各延出部70の先端部74を吐出対象面TPに当接させたときに吐出口20に対する吐出対象面TPの向きが安定する。
本発明は、上述した実施形態に関し、以下の泡吐出容器、泡吐出用アタッチメントおよび泡造形物作成方法等を開示する。
<1>液剤を貯留する容器本体と、吐出口を有し前記容器本体から送出される前記液剤を前記吐出口より泡状に吐出するヘッド部と、を備え、前記ヘッド部はユーザーの操作を受け付けるごとに所定量の泡状の前記液剤を前記吐出口より吐出させる吐出操作部を有し、1回または複数回の前記吐出操作部の操作により前記吐出口から所定の吐出方向に吐出された泡状の前記液剤が目的形状の泡造形物に成形される泡吐出容器であって、前記ヘッド部が、前記吐出方向に関して前記吐出口の先端位置を越えて延びる延出部を有することを特徴とする泡吐出容器。
<2>前記延出部が、前記吐出口から吐出された泡状の前記液剤の通過領域および前記目的形状の前記泡造形物の形成領域の外部に設けられている<1>に記載の泡吐出容器。
<3>前記延出部が、前記吐出口の周囲の互いに離間する複数箇所に設けられている<2>に記載の泡吐出容器。
<4>前記延出部が、前記吐出口の周囲を取り囲む周回状に形成されている<2>に記載の泡吐出容器。
<5>前記延出部が、前記吐出方向に向かって前記吐出口から離れる方向に拡大する形状に形成されている<2>から<4>のいずれか一項に記載の泡吐出容器。
<6>前記延出部の少なくとも先端部が、前記目的形状の前記泡造形物の形成領域の内部に設けられている<1>に記載の泡吐出容器。
<7>前記延出部が、前記吐出方向の平面視で前記吐出口の内部に設けられている<6>に記載の泡吐出容器。
<8>前記延出部が、前記先端部と、前記先端部よりも細径に形成された棒状の軸部と、を有する<6>または<7>に記載の泡吐出容器。
<9>前記吐出口は、前記泡造形物の前記目的形状を細幅化した連続形状の開口、または離散配置された複数の開口により構成されている<1>から<8>のいずれか一項に記載の泡吐出容器。
<10>液剤を貯留する容器本体と、ノズル開口を有し前記容器本体から送出される前記液剤を前記ノズル開口より泡状に送出するノズル部と、ユーザーの操作を受け付けるごとに所定量の泡状の前記液剤を前記ノズル開口より吐出させる吐出操作部と、を備える泡吐出容器の前記ノズル部に対して着脱可能に装着して用いられ、前記ノズル開口より送出される泡状の前記液剤を受容して吐出口から所定の吐出方向に吐出して目的形状の泡造形物を成形する泡吐出用アタッチメントであって、前記吐出方向に関して前記吐出口の先端位置を越えて延びる延出部を有することを特徴とする泡吐出用アタッチメント。
<11>液剤を貯留する容器本体と、前記容器本体から送出される前記液剤をユーザーによる押し下げ操作を受け付けるごとに吐出口から所定量ずつ泡状に吐出するヘッド部と、を備える泡吐出容器から泡を吐出して泡造形物を作成する方法であって、前記吐出口に対して所定の間隔で吐出対象面を対向させる配置工程と、前記ヘッド部を押し下げ操作するとともに前記所定の間隔を維持したまま前記吐出対象面を下降させて、前記吐出口より泡状の前記液剤を前記吐出対象面に吐出して目的形状の泡造形物を成形する吐出工程と、を含む泡造形物作成方法。
<12>前記ヘッド部が、前記容器本体から泡状の前記液剤を送出するノズル開口を有するノズル部と、前記吐出口を有し前記ノズル部に対して着脱可能に装着されて前記吐出口と前記ノズル開口とが連通する泡吐出用アタッチメントと、を組み合わせてなる<1>から<9>のいずれか一項に記載の泡吐出容器。
<13>前記泡吐出用アタッチメントが、前記ノズル開口を挿入させる嵌合部と、前記ノズル部に対して着脱可能に掛止する掛止部と、を有する<12>に記載の泡吐出容器。
<14>前記吐出口が、ライン状の細幅開口部と、前記細幅開口部に連続形成され前記細幅開口部よりも太幅の太幅開口部と、を有する<1>から<8>、<12>または<13>のいずれか一項に記載の泡吐出容器。
<15>前記目的形状の少なくとも一部は、平面視で複数の略円形部分が互いに重なり合った形状をなし、前記吐出口が、複数の前記略円形部分よりもそれぞれ小径に形成された複数の略円形の前記太幅開口部と、前記太幅開口部どうしを互いに接続するライン状の前記細幅開口部と、を有する<14>に記載の泡吐出容器。
<16>前記延出部が前記太幅開口部の内部に設けられている<14>または<15>に記載の泡吐出容器。
<17>前記吐出口は離散配置された複数の開口により構成されており、前記延出部が、複数の前記開口同士の間であって前記開口の非形成領域に設けられている<9>に記載の泡吐出容器。
<18>前記容器本体と前記吐出口とを結ぶ遠近位方向に対して交差する幅方向の両側に一対の前記延出部が互いに離間して形成され、一対の前記延出部どうしの中間部のうち前記吐出口の遠位側は前記吐出口の形成幅寸法よりも広く開放されている<3>に記載の泡吐出容器。
<19>前記延出部が前記泡吐出用アタッチメントに対して着脱可能に装着されている<10>または<13>に記載の泡吐出容器。
<20>前記容器本体にキャップを介して装着され前記キャップに対して往復動可能に設けられたピストンと、前記ピストンを収容し前記吐出口と連通するハウジングと、を更に有し、前記吐出操作部は、前記ユーザーの押し下げ操作を受け付けて前記ピストンを往復動させることにより前記液剤を前記容器本体から前記ハウジングに吸い上げて前記ヘッド部より吐出させるポンプヘッド部である<1>から<9>または<12>から<19>のいずれか一項に記載の泡吐出容器。
<21>電源部と、前記電源部により給電されて前記液剤を前記容器本体から送出するポンプ機構と、前記ポンプ機構の駆動を制御する制御部と、を更に有し、前記吐出操作部は、前記ユーザーの接近または前記ユーザーによる入力操作を検知する検知部を含み、前記制御部は、前記検知部が前記接近または前記入力操作を検知したことに基づいて前記ポンプ機構を駆動して前記所定量の泡状の前記液剤を前記吐出口より吐出させる<1>から<9>または<12>から<19>のいずれか一項に記載の泡吐出容器。
<22>前記検知部は、前記延出部に当接または前記延出部を押圧したことを検知するタッチセンサを備える<21>に記載の泡吐出容器。
<23>押し下げ操作された前記ヘッド部および下降した前記吐出対象面を、前記間隔を維持したまま上昇させる上昇工程を行った後、前記吐出工程を再び行うことを特徴とする<11>に記載の泡造形物作成方法。
<24>前記配置工程において前記ヘッド部と前記吐出対象面とを互いに接続することを特徴とする<11>または<23>に記載の泡造形物作成方法。
<25>前記ヘッド部が、前記吐出口から泡状の前記液剤が吐出される吐出方向に関して前記吐出口の先端位置を越えて延びる延出部を有しており、前記配置工程および前記吐出工程で、前記延出部の先端部を前記吐出対象面に押し当てることにより前記吐出口と前記吐出対象面とを前記所定の間隔とすることを特徴とする<24>に記載の泡造形物作成方法。
<26>前記配置工程および前記吐出工程で、前記吐出対象面である前記ユーザーの一方の掌の指を折り曲げて前記ヘッド部と当接させることにより前記吐出口と前記一方の掌とを前記所定の間隔に維持することを特徴とする<24>に記載の泡造形物作成方法。