JP6536822B2 - ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂を含むトナー、およびポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂を含むトナー、およびポリエステル樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法や静電印刷法等において、静電荷像または磁気潜像の現像に用いられるポリエステル樹脂、前記ポリエステル樹脂を含むトナーおよびポリエステル樹脂の製造方法に関する。
電子写真印刷法および静電荷現像法により画像を得る方法においては、感光体上に形成された静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナーによって現像したのち、定着が行われる。定着方式については、現像によって得られたトナー像を加圧および加熱されたローラーを用いて定着するヒートローラー方式と、電気オーブンまたはフラッシュビーム光を用いて定着する非接触定着方式とがある。これらのプロセスを問題なく通過するためには、トナーは、まず安定した帯電量を保持することが必要であり、次に紙への定着性が良好である必要がある。また、装置は加熱体である定着部を有し、装置内での温度が上昇するため、トナーがブロッキングしないことが必要である。また、連続印刷時においても装置の汚れや印刷面へのカブリなどが見られないこと、すなわちトナーの耐久性が必要である。
さらに、ヒートローラー方式においては、省エネ化の観点から定着部の低温化が進み、トナーにはより低い温度で紙に定着する性能、つまり低温定着性が強く求められるようになってきた。加えて、装置のコンパクト化が進み、離型剤を塗布しないローラーが用いられるようになっており、トナーにはヒートローラーとの剥離性、すなわち耐オフセット性への要求が高まっている。また、高画質化のためのトナーの小粒径化や光沢性についての要求も高まっている。
トナー用バインダー樹脂は、上述のようなトナー特性に大きな影響を与えるものであり、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂等が知られているが、最近では、強靭性、低温での定着性等に優れ、性能バランスの良いポリエステル樹脂が特に注目されている。
このためトナー用ポリエステル樹脂としては、低温での定着性と高温での耐ホットオフセット性を両立するものが望まれ、これを達成するために、三価以上のカルボン酸成分またはアルコール成分を用いて樹脂中に分岐、あるいは架橋構造を持たせる設計とすることが一般的に広く行われている。
また、ポリエステル樹脂の製造においては、金属を含む化合物を重合触媒に用いることによる樹脂の着色を防ぐことも検討されている。
例えば、特許文献1には、三価以上のカルボン酸成分、またはアルコール成分、2価カルボン酸、芳香族ジオールおよび脂肪族ジオールから製造されるポリエステル樹脂、および真空度を制御して前記ポリエステル樹脂を製造する方法が記載されている。
また特許文献2には、ポリエステル樹脂の着色を防ぐために金属の含有量を低下させることが記載されている。
特開平6−56974号公報 特開2011−28170号公報
しかし、特許文献1記載のポリエステル樹脂は、ビスフェノールA誘導体成分を多量に使用しており、低コスト化において不利であった。また特許文献1記載の方法では、重縮合時間が長くなるため、生産性が不十分であった。
また、特許文献2に記載の方法では、芳香族ジオールを使用していないため、結晶構造が発現し易く、トナーに用いた場合に、性能が不十分であった。
本発明の目的は、上記問題点を解決し、ビスフェノールA誘導体成分の使用量を低減した、環境に配慮しかつ低コストな原料構成の架橋系ポリエステル樹脂を提供することである。また本発明の他の目的は、従来の製造方法における問題点を解決し、生産性に優れ、保存安定性、耐ホットオフセット性、低温定着性、画像安定性に優れたトナーが得られるポリエステル樹脂を製造する方法を提供することである。
本発明の要旨は、三価以上の酸由来成分およびビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物由来成分を含み、全酸由来成分1モルに対してビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物由来成分を0.01〜0.35モル含み、酸価(mgKOH/g)と水酸基価(mgKOH/g)の比が、酸価:水酸基価=1:3〜1:26である、ポリエステル樹脂、並びに、多価アルコールと多価カルボン酸を含むモノマー混合物を重縮合することを含むポリエステル樹脂の製造方法であって、前記モノマー混合物が、三価以上の酸成分と、全酸成分1モルに対して0.01〜0.35モルのビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を含み、仕込み時の前記モノマー混合物中のカルボキシル基数と、仕込み時の前記モノマー混合物中の水酸基数との比が、カルボキシル基数:水酸基数=1:1.13〜1:1.30である、ポリエステル樹脂の製造方法にある。
本発明の態様は以下のとおりであってもよい。
〔1〕
三価以上の酸由来成分およびビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物由来成分を含み、
全酸由来成分1モルに対してビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物由来成分を0.01〜0.35モル含み、
酸価(mgKOH/g)と水酸基価(mgKOH/g)の比が、酸価:水酸基価=1:3〜1:26である、ポリエステル樹脂。
〔2〕
前記三価以上の酸由来成分の含有量が、全酸由来成分1モル中0.01〜0.30モルである、前記〔1〕記載のポリエステル樹脂。
〔3〕
重合触媒由来の金属含有量が20ppm以下である、前記〔1〕または〔2〕記載のポリエステル樹脂。
〔4〕
前記〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のポリエステル樹脂を含むトナー。
〔5〕
多価アルコールと多価カルボン酸を含むモノマー混合物を重縮合する事を含むポリエステル樹脂の製造方法であって、
前記モノマー混合物が、三価以上の酸成分と、全酸成分1モルに対して0.01〜0.35モルのビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を含み、
仕込み時の前記モノマー混合物中のカルボキシル基数と水酸基数との比が、カルボキシル基数:水酸基数=1:1.13〜1:1.30である、ポリエステル樹脂の製造方法。
〔6〕
前記三価以上の酸成分の含有量が、全酸成分1モル中に0.01〜0.30モルである、前記〔5〕記載のポリエステル樹脂の製造方法。
〔7〕
重合触媒20ppm以下の条件で重合する、前記〔5〕または〔6〕に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
本発明のポリエステル樹脂により、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物由来成分を減量した、環境に優しくかつ低コストな原料構成のポリエステル樹脂およびそれを含むトナーを提供することができる。
また、本発明の製造方法により、生産性に優れ、保存安定性、耐ホットオフセット性、低温定着性、画像安定性に優れたトナーが得られるポリエステル樹脂を得ることができる。
<ポリエステル樹脂>
本発明のポリエステル樹脂は、
(i) 三価以上の酸由来成分およびビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物由来成分を含み、
(ii) 全酸由来成分1モルに対してビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物由来成分を0.01〜0.35モル含み、
(iii) 酸価(mgKOH/g)と水酸基価(mgKOH/g)の比が、酸価:水酸基価=1:3〜1:26である。
本発明のポリエステル樹脂の「三価以上の酸由来成分」は、原料として用いる「三価以上の酸」に由来する樹脂中の成分であって、前記酸がアルコール成分とエステル結合を形成する際に前記酸から脱離する基を除く残基を意味する。例えば、三価以上の酸が三価のカルボン酸(R(−COOH)3)の場合であって、全てのカルボン酸がエステル結合を形成している場合には、(R−(CO)3)が樹脂中の「三価以上の酸由来成分」である。
「三価以上の酸由来成分」を与える「三価以上の酸」成分とは、1分子中にH+として放出することができる水素を3個以上持っている酸成分またはこれらのエステルもしくは酸無水物である。酸としては三価以上の脂肪族あるいは芳香族カルボン酸またはこれらのエステルもしくは酸無水物が好ましく、三価以上六価以下であることが好ましく、三価あるいは四価であることがさらに好ましい。三価以上の脂肪族カルボン酸としては、直鎖、分岐鎖あるいは環状のいずれであってもよく、炭素数1〜10の脂肪族カルボン酸を挙げることができる。芳香族カルボン酸としては炭素数6〜18の芳香族カルボン酸を挙げることができる。
具体例としては、トリメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸またはこれらのエステルもしくは酸無水物等、ピロメリット酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、またはこれらのエステルもしくは酸無水物等が挙げられる。工業的に入手が容易な点でトリメリット酸またはその酸無水物が好ましい。
本発明のポリエステル樹脂においては、三価以上の酸由来成分を含むことで、得られたポリエステル樹脂を含むトナーの定着性、耐ホットオフセット性が良好となる。
本発明のポリエステル樹脂の全酸由来成分1モルに対する三価以上の酸由来成分の量は、0.01〜0.30モルであることが好ましい。0.01モル以上とすることで、得られるトナーの定着性、耐ホットオフセット性が良好となり、0.30モル以下とすることで、保存性が良好となり、また重縮合反応時のゲル化反応を制御しやすくなるためである。全酸由来成分1モルに対する三価以上の酸由来成分の量の上限値は0.25モル以下がより好ましい。
本発明のポリエステル樹脂には、さらに、三価以上の酸由来成分以外の他の多価カルボン酸由来成分を含んでいてもよい。他の多価カルボン酸由来成分を与える多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチル、またはこれらの酸無水物等の芳香族ジカルボン酸成分;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、イソデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、またはこれらのエステルもしくは酸無水物等の脂肪族ジカルボン酸成分等を用いることができる。
芳香族ジカルボン酸の使用量は、特に制限されないが、全酸成分1モル中に、0.6〜0.9モル用いることが好ましい。芳香族ジカルボン酸の使用量が0.6モル以上である場合に、トナーの保存安定性が良好となり、樹脂強度が向上する傾向にある。芳香族ジカルボン酸の使用量の下限値は、0.7モル以上がより好ましい。ハンドリング性およびコストの点でテレフタル酸やイソフタル酸が好ましい。
本発明のポリエステル樹脂の「ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物由来成分」とは、原料として用いる「ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物」に由来する樹脂中の成分であって、前記アルコールが酸成分とエステル結合を形成する際に脱離する水素原子を除く残基を意味する。「ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物由来成分」を与える「ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物」としては、特に制限されないが、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物またはエチレンオキサイド付加物が挙げられ、付加モル数は2〜6が好ましい。具体的には、ポリオキシプロピレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂は、上述した全酸由来成分1モルに対してビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物由来成分を0.01〜0.35モル含む。好ましくは、全酸由来成分1モルに対してビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物由来成分を0.1〜0.32モル含み、より好ましくは、全酸由来成分1モルに対してビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物由来成分を0.15〜0.3モル含む。
また、本発明のポリエステル樹脂には、さらにビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物由来成分の他の多価アルコール由来成分を含んでいてもよい。他の多価アルコール由来成分を与える多価アルコールとして、脂肪族ジオール等を用いることができる。脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソソルバイドなどが挙げられる。これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができ、また、脂肪族ジオールと芳香族ジオールを組み合わせて使用することもできる。
また、多価アルコールとしては、これらのジオール以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で三価以上の多価アルコールを使用することもできる。好ましくは三価以上五価以下の多価アルコール、さらに好ましくは三価または四価の多価アルコールである。三価以上の多価アルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサテトラロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中では、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンが特に好ましい。
本発明のポリエステル樹脂の、酸価(mgKOH/g)と水酸基価(mgKOH/g)の比は、酸価:水酸基価=1:3〜1:26である。酸価1に対する水酸基価が3より小さくなると画像安定性が低くなり、また26を超えると保存性などが不十分となるからである。好ましくは、酸価:水酸基価=1:3〜1:24であり、より好ましくは、酸価:水酸基価=1:3〜1:20である。低温定着性の観点からは、酸価:水酸基価=1:5〜1:26であることが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂の軟化温度は、120〜150℃であることが好ましい。軟化温度が120℃以上の場合に得られるトナーの耐ホットオフセット性が良好となる傾向にある。また、軟化温度は150℃以下の場合に、トナーの定着性が良好となる傾向にあり、145℃以下がより好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は、トナーのバインダー樹脂としての性能を考慮し、非晶質であることが好ましい。そのため、各原料成分の種類や比率を適宜調整することが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は、重合触媒由来の金属含有量が20ppm以下であることが好ましい。重合触媒を使用しないか、あるいはごく微量の重合触媒を使用して重合することによりかかるポリエステル樹脂を得ることができる。
また、本発明のポリエステル樹脂のガラス転移温度(以下、Tgという)は、特に制限されないが、45〜65℃が好ましい。Tgが45℃以上である場合に、トナーの耐ブロッキング性が良好となる傾向にあり、また、65℃以下である場合にトナーの定着性が良好となる傾向にある。Tgの下限値は48℃以上がより好ましい。
前記ガラス転移温度は、島津製作所(株)製示差走差熱量計DSC−60を用いて、昇温速度5℃/分で測定した時のチャートのベースラインとガラス転移温度近傍にある吸熱カーブの接線との交点の温度を求めた。
また、本発明のトナー用非晶性ポリエステル樹脂の酸価は、特に制限されないが、20mgKOH/g以下が好ましい。酸価が20mgKOH/g以下の場合にトナーの画像濃度が安定する傾向にある。ポリエステル樹脂の酸価の上限値は、15mgKOH/g以下がより好ましく、12mgKOH/g以下が特に好ましい。
酸価は次のとおり測定した値である。サンプル約0.2gを枝付き三角フラスコ内に精秤し(A(g))、ベンジルアルコール20mlを加え、窒素雰囲気下として230℃のヒーターにて15分加熱し樹脂を溶解した。室温まで放冷後、クロロホルム20ml、指示薬としてクレゾールレッド溶液数滴を加え、0.02規定のKOH溶液にて滴定した(滴定量=B(ml)、KOH溶液の力価=p)。ブランク測定を同様に行い(滴定量=C(ml))、以下の式に従って算出した。
酸価(mgKOH/g)=(B−C)×0.02×56.11×p÷A
本発明のトナー用非晶性ポリエステル樹脂の水酸基価は、特に制限されないが、70mgKOH/g以下が好ましい。70mgKOH/gを越えると保存安定性や耐ホットオフセット性が低くなる傾向にあるからである。
水酸基価は次のとおり測定した値である。サンプル約0.5gを100mlの共栓付三角フラスコに精秤し(Wg)、アセチル化剤(無水酢酸5mlをピリジン500mlに混合したもの)20mlを加え、95℃以上の水浴に浸して1時間加熱しサンプル中の水酸基をアセチル化した。続いて、水浴から出して放冷し、残った無水酢酸を分解するために水5mlを加えた。指示薬としてフェノールフタレインを数滴加え、0.2N KOHにて滴定し、薄くピンク色に着色した滴定量を記録した(As(ml))。ブランクとして、サンプルを加えない以外は同様に測定を行って滴定量を記録し(Ab(ml))、次式に基づいて水酸基価を求めた。
〔式1〕
Figure 0006536822
f:0.2N KOHのファクター
<ポリエステル樹脂の製造方法>
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、多価アルコールと多価カルボン酸を含むモノマー混合物を重縮合することを含み、前記モノマー混合物が、三価以上の酸成分と、全酸成分1モルに対して0.01〜0.35モルのビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を含み、仕込み時の前記モノマー混合物中のカルボキシル基数と、仕込み時の前記モノマー混合物中の水酸基数との比が、カルボキシル基数:水酸基数=1:1.13〜1:1.30である、製造方法である。
本発明の製造方法における「多価アルコール」、「多価カルボン酸」、「三価以上の酸成分」、「ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物」は、ポリエステル樹脂に関し上で説明したとおりである。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法におけるモノマー混合物中には、全酸成分1モルに対して、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を0.01〜0.35モル含む。好ましくは、全酸成分1モルに対してビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物成分を0.1〜0.32モル含み、より好ましくは、全酸成分1モルに対してビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物成分を0.15〜0.3モル含む。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法における、仕込み時の前記モノマー混合物中のカルボキシル基数と、仕込み時の前記モノマー混合物中の水酸基数との比は1.13〜1.30である。なお、カルボキシル基数は、酸無水物を用いる場合も無水化していないものと同様に算出したものである。また、水酸基数には、カルボキシル基中に存在するOH基は含まない。
カルボキシル基数を1とした時の水酸基数を1.13以上とすることで、重縮合反応時のゲル化を制御しやすくなったり、得られるトナーの定着性が良好となる傾向にある。また、1.30以下とすることで、反応性が良好となったり、得られるトナーの保存性が良好となる傾向にある。1.28以下がより好ましい。
本発明のポリエステル樹脂を製造するためのモノマー混合物における全酸成分1モルに対する三価以上の酸成分の量は、0.01〜0.30モルであることが好ましい。0.01モル以上とすることで、得られるトナーの定着性、耐ホットオフセット性が良好となり、0.30モル部以下とすることで、保存性が良好となり、また重縮合反応時のゲル化反応を制御しやすくなるためである。全酸成分1モルに対する三価以上の酸成分の量の上限値は0.25モル以下がより好ましい。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法における、前記モノマー混合物中のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の量は、保存性、耐久性、結晶性抑制の観点から、前記モノマー混合物100モル部に対して3モル部以上、反応性、コストの観点から15モル部以下が好ましく、13モル部以下がさらに好ましい。
前記モノマー混合物100モル部中のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の量の下限値は5モル部以上がより好ましく、8モル部以上がさらに好ましい。
芳香族ジカルボン酸の使用量は、特に制限されないが、全酸成分1モルに対して、0.06〜0.090モル用いることが好ましい。芳香族ジカルボン酸の使用量が0.06モル以上である場合に、トナーの保存安定性が良好となり、樹脂強度が向上する傾向にある。芳香族ジカルボン酸の使用量の下限値は、0.07モル以上がより好ましい。ハンドリング性およびコストの点でテレフタル酸やイソフタル酸が好ましい。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法における重合反応の方法としては、公知の方法で行えばよく、多価アルコールと多価カルボン酸およびその低級アルキルエステルを含むモノマー混合物を反応容器内に投入して、エステル化反応またはエステル交換反応にて水または低級アルキルアルコールを留去したのち、重縮合反応にてグリコールを除去しつつ重合度を高めて樹脂を得る方法が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法において、エステル化反応またはエステル交換反応の温度は240℃〜280℃であることが好ましい。240℃以上とすることで、生産性が向上するためであり、255℃以上がより好ましい。また280℃以下の場合に、樹脂の分解や、臭気の要因となる揮発分の副生成を抑制できる傾向にあるためであり、270℃以下がより好ましい。
また、重縮合反応の温度は220℃〜250℃が好ましい。重縮合反応の温度が220℃以上であると、生産性が良好となる傾向にあるためであり、250℃以下の場合に、樹脂の分解を抑制でき生産性が良好となったり、また臭気の要因となる揮発分の副生成を抑制できる傾向にあるためである。
上述の温度範囲にて、原料組成比率などを考慮し、重縮合反応温度を設定することが好ましい。ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の量が少ない、三価以上の酸成分の量が多い、カルボキシル基数を1とした時の水酸基数が少ない、といった、反応性優位な組成比率の場合は重縮合反応の温度を低く、逆に反応性劣位な組成比率の場合は重縮合反応温度を高く設定することが有効である。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法においては、重合触媒は使用しないか、使用する場合でも微量を用いることが好ましい。重合触媒を用いる場合には、チタンテトラアルコキシド、酸化チタンなどのチタン触媒、ジブチルスズオキシド、酸化第一スズ、2−エチルヘキサン酸スズ、酢酸スズ、二硫化スズなどのスズ触媒、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、酢酸マグネシウム等の触媒を用いることができる。重合触媒を用いる場合には、モノマー混合物質量に対し20ppm以下の量で行うことが好ましく、15ppm以下とすることがさらに好ましい。
上述の組成においては、重縮合反応の温度を適切に設定することで、重合触媒を用いずとも重縮合反応時の反応性を確保することができ、重縮合時間20〜120分の範囲で所望の樹脂を得ることができる。
<トナー>
次に、本発明のポリエステル樹脂を含むトナーについて説明する。
本発明のポリエステル樹脂は、トナーバインダーの主成分として、また、他のトナーバインダー樹脂とブレンドして使用することができる。バインダー樹脂として、本発明のポリエステル樹脂以外のバインダー樹脂を用いる場合は、例えば、本発明のポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、環状オレフィン樹脂、メタクリル酸系樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができ、本発明の効果を損なわない範囲で、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
トナー化の際の、着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染料もしくは顔料などを挙げることができる。これらの染料や顔料はそれぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。フルカラートナーの場合には、イエローとしてベンジジンイエロー、モノアゾ系染顔料、縮合アゾ系染顔料など、マゼンタとしてキナクリドン、ローダミン系染顔料、モノアゾ系染顔料など、シアンとしてフタロシアニンブルーなどが挙げられる。
着色剤の含有量は、トナーの色調や画像濃度、熱特性の点から、トナー中2〜10質量%であることが好ましい。
荷電制御剤としては、正帯電制御剤として4級アンモニウム塩や、塩基性もしくは電子供与性の有機物質等が挙げられ、負帯電制御剤として金属キレート類、含金属染料、酸性もしくは電子求引性の有機物質等が挙げられる。カラートナーの場合、帯電制御剤が無色ないし淡色で、トナーへの色調障害がないことが重要であり、例としてはサリチル酸またはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウム等との金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物等が挙げられる。さらに、スチレン系、アクリル酸系、メタクリル酸系、スルホン酸基を有するビニル重合体を荷電制御剤として用いてもよい。
荷電制御剤の含有量は、トナー中0.5〜5質量%であるのが好ましい。荷電制御剤の含有量が0.5質量%以上の場合にトナーの帯電量が充分なレベルとなる傾向にあり、5質量%以下の場合に荷電制御剤の凝集による帯電量の低下が抑制される傾向にある。
トナー化の際に添加する離型剤としては、カルナバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、蜜蝋、ポリプロピレン系ワックス、ポリエチレン系ワックス、合成エステル系ワックス、パラフィンワックス、脂肪酸アミド、シリコーン系ワックス等を挙げることができ、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
離型剤の含有量は、トナーの離型効果、保存性、定着性、発色性等を左右することから、トナー中0.3〜15質量%であることが好ましい。離型剤の含有量の下限値は、より好ましくは1質量%以上がより好ましく、2質量%以上が特に好ましい。また、離型剤の含有量の上限値は、13質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
さらに流動改質剤などの添加剤としては、微粉末のシリカ、アルミナ、チタニア等の流動性向上剤、マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、導電性チタニア等の無機微粉末、スチレン樹脂、アクリル樹脂などの抵抗調節剤、滑剤などが挙げられ、これらは内添剤または外添剤として使用される。
これらの添加剤の含有量は、特に制限されないが、トナー中0.05〜10質量%が好ましい。これらの添加剤の含有量が0.05質量%以上の場合にトナーの性能改質効果が充分に得られる傾向にあり、10質量%以下の場合にトナーの画像安定性が良好となる傾向にある。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の実施の態様がこれに限定されるものではない。また、本実施例で示される樹脂の評価方法は以下のとおりである。
(A)樹脂の評価方法
(1)ガラス転移温度(Tg)
島津製作所(株)製示差走差熱量計DSC−60を用いて、昇温速度5℃/分で測定した時のチャートのベースラインとガラス転移温度近傍にある吸熱カーブの接線との交点の温度を求めた。
(2)軟化温度
島津製作所(株)製フローテスターCFT−500を用い、1mmφ×10mmのノズルにより、荷重294N(30Kgf)、昇温速度3℃/分の等速昇温下で測定した時、サンプル1.0g中の1/2が流出した温度を求めた。
(3)酸価
サンプル約0.2gを枝付き三角フラスコ内に精秤し(A(g))、ベンジルアルコール20mlを加え、窒素雰囲気下として230℃のヒーターにて15分加熱し樹脂を溶解した。室温まで放冷後、クロロホルム20ml、指示薬としてクレゾールレッド溶液数滴を加え、0.02規定のKOH溶液にて滴定した(滴定量=B(ml)、KOH溶液の力価=p)。ブランク測定を同様に行い(滴定量=C(ml))、以下の式に従って算出した。
酸価(mgKOH/g)=(B−C)×0.02×56.11×p÷A
(4)水酸基価
サンプル約0.5gを100mlの共栓付三角フラスコに精秤し(Wg)、アセチル化剤(無水酢酸5mlをピリジン500mlに混合したもの)20mlを加え、95℃以上の水浴に浸して1時間加熱しサンプル中の水酸基をアセチル化した。続いて、水浴から出して放冷し、残った無水酢酸を分解するために水5mlを加えた。指示薬としてフェノールフタレインを数滴加え、0.2N KOHにて滴定し、薄くピンク色に着色した滴定量を記録した(As(ml))。ブランクとして、サンプルを加えない以外は同様に測定を行って滴定量を記録し(Ab(ml))、次式に基づいて水酸基価を求めた。
〔式2〕
Figure 0006536822
f:0.2N KOHのファクター
(B)トナーの評価方法
(5)保存安定性
トナーを約5g秤量してサンプル瓶に投入し、これを50℃に保温された乾燥機に24時間放置し、トナーの凝集の程度を評価して耐ブロッキング性の指標とした。評価基準は以下のとおりとした。
◎(非常に良好):サンプル瓶を逆さにするだけで分散する。
○(良好):サンプル瓶を逆さにし、2〜3回叩くと分散する。
△(使用可能):サンプル瓶を逆さにし、4〜5回叩くと分散する。
×(劣る):サンプル瓶を逆さにし、5回叩いた際に分散しない。
(6)低温定着性
シリコーンオイルが塗布されていない定着ローラーを有し、ローラー速度を100mm/sに設定したローラー温度変更可能であるプリンターを用いて、テストパターンとして0.5mg/cm2のトナー濃度にて縦4.5cm×横15cmのベタ画像を作成し、定着ローラーの温度を145℃に設定して定着させた。このテストパターン画像に対し、マクベス社製画像濃度計にて画像濃度を測定して記録した。
濃度測定部分を縦に谷折りとして、保護紙を乗せた上から折り曲げ部に1kgの重りを5回滑らせて折り目をつけ、続いて同じ折り目で山折りとして、保護紙を乗せた上から折り曲げ部に1kgの重りを5回滑らせた。試験紙を伸ばし、折り曲げ部にセロハンテープ(日東電工CSシステム社 No.29)を貼りつけて5回なぞったのちゆっくりと剥がし、マクベス社製画像濃度計にて画像濃度を測定した。3箇所で同測定を行い、試験前後の画像濃度より各々の定着率を以下の式で算出し、3箇所の平均定着率をもとに以下の基準により評価した。
定着率=試験後の画像濃度/試験前の画像濃度 ×100 (%)
◎(非常に良好):85%以上の定着率
○(良好):75%以上85%未満の定着率
×(劣る):75%未満の定着率または145℃でオフセット現象が発生し測定不可
(7)耐ホットオフセット性
シリコーンオイルが塗布されていない定着ローラーを有し、ローラー速度30mm/sに設定したローラー温度変更可能であるプリンターを用いて、テストパターンとして0.5mg/cm2のトナー濃度にて縦4.5cm×横15cmのベタ画像をローラー温度5℃毎に印刷した際、定着時にホットオフセット現象により定着ローラーにトナーが移行するときの最低温度をホットオフセット発生温度と定め、以下の基準を用いて耐ホットオフセット性を判断した。
◎(非常に良好) :200℃でホットオフセットが発生しない
○(良好) :ホットオフセット発生温度が185℃を超え200℃以下
×(劣る) :ホットオフセット発生温度が185℃以下
(8)画像安定性
25℃、80RH%の環境下において、シリコーンオイルが塗布されていない定着ローラーを有し、ローラー速度30mm/sに設定したローラー温度変更可能であるプリンターを用いて、テストパターンとして0.5mg/cm2のトナー濃度にて縦4.5cm×横15cmのベタ画像を定着温度170℃で連続印刷し、1枚目と5000枚目の画像の変化を目視にて以下の条件で評価した。
○(良好) :画像濃度に変化がない、または影響が少ない。
△(使用可能限界):画像濃度に変化があり、添加剤による改良で使用できる限界である。
×(劣る) :画像濃度が大きく変化する。
(実施例1)
表1に示す仕込み組成の多価カルボン酸、多価アルコールを蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。次いで、反応容器中の攪拌翼の回転数を200rpmに保ち、昇温を開始し、反応系内の温度が265℃になるように加熱しこの温度を保持した。反応系から水の留出がなくなるまでエステル化反応を行った。
次いで、反応系内の温度を下げて表1に示す重縮合温度に調整し、反応容器内を約20分かけて真空度を1kPa以下とし、反応系からジオール成分を留出させながら縮重合反応を行った。高真空状態を保持したまま反応を続け、重合度の上昇とともに反応系の粘度が上昇し、攪拌翼のトルクが所望の軟化温度を示す値となるまで重縮合反応を実施した。そして、所定のトルクを示した時点で撹拌を停止した。攪拌停止直後に反応系を窒素導入により常圧に戻し、窒素により加圧して反応装置底部より反応物を取り出し、冷却してポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の特性値を表1に示す。
(実施例2)〜(実施例7)、(比較例3)
反応容器に仕込む成分を表1に示すとおりに変更した以外は実施例1と同様の方法でポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂の特性値および評価結果を表1に示す。
(比較例1)
表1に示す仕込み組成の多価カルボン酸、多価アルコールを蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。次いで、反応容器中の攪拌翼の回転数を200rpmに保ち、昇温を開始し、反応系内の温度が265℃になるように加熱しこの温度を保持した。エステル化反応末期、反応系から水の留出がなくなるより前にゲル化反応が進行して反応系のトルクが上昇をはじめ、その後加速度的にトルク上昇が見られたため、エステル化反応終了前であったが、撹拌を停止し、窒素により加圧して反応装置底部より内容物を取り出した。取り出し途中にも内容物の増粘が進み、一部は反応装置内で固化し取り出すことができなかった。また取り出すことのできた樹脂には未反応の粉体原料が粒子状に残存していた。
(比較例2)
表1に示す仕込み組成の多価カルボン酸、多価アルコールを蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。次いで、反応容器中の攪拌翼の回転数を200rpmに保ち、昇温を開始し、反応系内の温度が265℃になるように加熱しこの温度を保持した。反応系から水の留出がなくなるまでエステル化反応を行った。
次いで、表1に示す重縮合温度までの反応系内の温度降下途中、ゲル化反応が進行して反応系の急激な粘度上昇が見られたため、撹拌を停止し、窒素により加圧して反応装置底部より内容物を取り出した。取り出し途中にも内容物の増粘が進み、一部は反応装置内で固化し取り出すことができなかった。
(表1)
Figure 0006536822
(表1続き)
Figure 0006536822

*:ジオールA:ポリオキシプロピレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
表1からわかるとおり、酸価1(mgKOH/g)に対する水酸基価(mgKOH/g)の比が、3未満の場合にはトナーとした時の画像安定性が低く(比較例3)、また26より大きい場合には、保存安定性と耐ホットオフセット性が低くなった(比較例2)。一方、酸価1(mgKOH/g)に対すると水酸基価(mgKOH/g)の比が、3〜26の場合には、保存安定性、低温定着し、耐ホットオフセット性、画像安定性のいずれにおいても使用可能あるいは良好な結果であった(実施例1〜7)。
また、仕込み時の前記モノマー混合物中のカルボキシル基数と、仕込み時の前記モノマー混合物中の水酸基数との比を1:1.13〜1:1.30としてポリエステル樹脂を製造した場合には、保存安定性、低温定着し、耐ホットオフセット性、画像安定性のいずれにおいても使用可能あるいは良好な結果であった(実施例1〜7)。

Claims (7)

  1. 三価以上の酸由来成分およびビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物由来成分を含み、
    全酸由来成分1モルに対してビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物由来成分を0.01〜0.35モル含み、
    水酸基価が70(mgKOH/g)以下であり、
    酸価(mgKOH/g)と水酸基価(mgKOH/g)の比が、酸価:水酸基価=1:3〜1:26である、ポリエステル樹脂。
  2. 前記三価以上の酸由来成分の含有量が、全酸由来成分1モル中0.01〜0.30モルである、請求項1記載のポリエステル樹脂。
  3. 重合触媒由来の金属含有量が20ppm以下である、請求項1または2記載のポリエステル樹脂。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のポリエステル樹脂を含むトナー。
  5. 多価アルコールと多価カルボン酸を含むモノマー混合物を重縮合することを含むポリエステル樹脂の製造方法であって、
    前記モノマー混合物が、三価以上の酸成分と、全酸成分1モルに対して0.01〜0.35モルのビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を含み、
    仕込み時の前記モノマー混合物中のカルボキシル基数と水酸基数との比が、カルボキシル基数:水酸基数=1:1.13〜1:1.30である、ポリエステル樹脂の製造方法。
  6. 前記三価以上の酸成分の含有量が、全酸成分1モル中に0.01〜0.30モルである、請求項5記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  7. 重合触媒20ppm以下の条件で重合する、請求項5または6に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
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