JP2017008250A - トナー用ポリエステル樹脂、その製造方法およびトナー - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性、粉砕性に優れたトナー用のポリエステル樹脂およびその製造法の提供。【解決手段】3価以上のカルボン酸由来成分、3価以上のアルコール由来成分、2価のカルボン酸由来成分、および2価のアルコール由来成分を含み、トナー用ポリエステル樹脂であって、前記2価のアルコール由来成分が、下記一般式(1)で示される2価の芳香族アルコールを含み、前記ポリエステル樹脂中の全アルコール由来成分のモル数/全カルボン酸由来成分のモル数=1.10〜2.50であり、前記ポリエステル樹脂はTHFに対して不溶解分を6重量%〜40重量%有する、トナー用ポリエステル樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、トナー用ポリエステル樹脂、その製造方法およびトナーに関する。
電子写真印刷法および静電荷現像法により画想を得る方法においては、感光体上に形成された静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナーによって現像したのち、定着が行われる。定着方式については、現像によって得られたトナー像を加圧及び加熱されたローラーを用いて定着するヒートローラー方式と、電気オーブンまたはフラッシュビーム光を用いて定着する非接触定着方式とがある。これらのプロセスを問題なく通過するためには、トナーは、まず安定した帯電量を保持する必要であり、次に紙への定着性が良好である必要がある。また、装置は加熱体である定着部を有し、装置内での温度が上昇するため、トナーがブロッキングしないことが必要である。
さらに、連続印刷時においても装置の汚れや印刷面へのカブリなどが見られないこと、すなわちトナーの耐久性が必要である。また、トナー製造時の生産性を向上させるために粉砕性が良好であることも求められる。このため、耐久性、粉砕性に優れたトナー用バインダー樹脂として、ポリエステル樹脂が使用されている。
粉砕性を向上させるため手法としては、例えば、ポリエステル樹脂に3価以上の多官能モノマーを使用することで架橋構造を有する樹脂を用いることが知られている。また、耐久性を向上させる手法としても、架橋構造を形成し、溶剤不溶解分を持つポリエステル樹脂を使用することが知られている。しかし、3価以上の多官能モノマーを多量に使用した場合、著しく粘度が上昇することで重合装置内において樹脂が固化する恐れがある。
例えば特許文献1および特許文献2では3価以上のカルボン酸成分および3価以上のアルコール成分を使用したトナー用ポリエステル樹脂について記載されている。
また、特許文献3では3価以上のカルボン酸成分および3価以上アルコール成分を使用したトナー用ポリエステル樹脂の粉砕性について記載されている。
特開2003−43741 特開平10−60100
しかし、特許文献1の方法では芳香族ジオール量によって重合可能領域に制限があり、重合性の観点から不十分である。特許文献3の方法では有機溶剤に対して不溶解分を持たないことから耐久性が不十分である。
前記項目を達成するために、本発明は、3価以上のカルボン酸由来成分、3価以上のアルコール由来成分、2価のカルボン酸由来成分、および2価のアルコール由来成分を含み、トナー用ポリエステル樹脂であって前記2価のアルコール由来成分が、下記一般式(1)で示される2価の芳香族アルコールを含み、前記ポリエステル樹脂中の全アルコール由来成分のモル数/全カルボン酸由来成分のモル数=1.10〜2.50であり、前記ポリエステル樹脂はTHFに対して不溶解分を6重量%〜40重量%有するトナー用ポリエステル樹脂を提供する。
本発明のポリエステル樹脂は、粉砕性および耐久性に優れたトナーが得られる。
(トナー用ポリエステル樹脂)
本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、3価以上のカルボン酸由来成分、3価以上のアルコール由来成分、2価のカルボン酸由来成分、および2価のアルコール由来成分を含み、トナー用ポリエステル樹脂であって、前記2価のアルコール由来成分が、下記一般式(1)で示される2価の芳香族アルコールを含み、前記ポリエステル樹脂中の全アルコール由来成分のモル数/全カルボン酸由来成分のモル数=1.10〜2.50であり、前記ポリエステル樹脂はTHFに対して不溶解分を6重量%〜40重量%有する。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、3価以上のカルボン酸と3価以上のアルコールを含むことで、樹脂中に架橋構造が形成され、トナーに使用した場合の粉砕性と耐久性が良好になる。
また、本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、全アルコール成分のモル数/全カルボン酸成分のモル数=1.10〜2.50の範囲であることにより、生産効率が優れる。
また、本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、THFに対して不溶解分を6重量%〜40重量%の範囲であることで、トナーにさらに高い弾性を付与する作用を奏し、トナーの耐久性が良好になる。当該THFに対する不溶解分は、7重量%〜40重量%の範囲が好ましく、8重量%〜35重量%の範囲が更に好ましい。
(3価以上のカルボン酸成分)
本発明で用いられる3価以上のカルボン酸成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,7,8−オクタテトラカルボン酸またはこれらの酸無水物等が挙げられる。
(3価以上のアルコール成分)
また、3価以上のアルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリストール、ジペンタンエリストール、トリペンタエリストール、1,2,4―ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4ブタントリオール、トリメチルールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−ヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
3価以上のカルボン酸成分としてはトリメリット酸またはその酸無水物、3価以上のアルコールとしてはトリメチロールプロパンが好ましい。
本発明で使用されるポリエステル樹脂は、樹脂中の全酸成分単量体単位100モル部に対して0.5〜30モル部の3価以上のカルボン酸成分を含有している。この値を0.5モル部以上とすることで粉砕性が良好となる。また、30モル部以下とすることで耐久性が良好となる。
本発明で使用されるポリエステル樹脂は、樹脂中の全酸成分単量体単位100モル部に対して0.5〜30モル部の3価以上のアルコール成分を含有している。この値を0.5モル部以上とすることで粉砕性が良好となる。また、30モル部以下とすることで耐久性が良好となる。
(2価のカルボン酸成分)
2価のカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸またはそれらの低級アルキルエステル、フタル酸、セバシン酸、イソデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、またはそれらのモノメチル、モノエチル、ジメチル、ジエチルエステルまたはそれらの酸無水物からの成分が挙げられる。テレフタル酸、イソフタル酸の低級アルキルエステルの例としては、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチル等を挙げることが出来るが、作業性およびコストの観点でテレフタル酸が好ましい。また、脂肪族ジカルボン酸成分も適宜使用することが出来る。
(2価のアルコール成分)
本発明の、2価のアルコール成分には、下式(1)で表される芳香族アルコール由来成分を含む。

(式中、Rは炭素数3以下のアルキレン基であり、mおよびnは自然数である。)
上記式(1)の2価のアルコールとしては、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の2価の芳香族アルコールが挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上の組み合わせで使用することが出来る。
また、上記式(1)以外の2課のアルコールとしては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、2−メチル−1,3プロパンジオール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドテカンジオールなどの2価の脂肪族アルコールを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上の組み合わせで使用することが出来る。
(ポリエステル樹脂の製造方法)
本発明のポリエステル樹脂の製造方法において、全アルコール成分のモル数/全カルボン酸成分の比率は1.10〜2.50の範囲を有している。全アルコール成分のモル数/全カルボン酸成分の比率が1.10未満の場合、反応容器内で著しく粘度が上昇することで重合装置内において樹脂が固化する恐れがあるため反応の制御が困難である。また、全アルコール成分のモル数/全カルボン酸成分の比率が2.50以下となる場合、重縮合反応における生産性が良好となる傾向にある。
3価以上の多官能モノマーを用いて反応を行った場合、THFに溶解しない架橋密度の高い架橋成分(THF不溶解分)に変化し、またその一部は、THFに溶解する架橋密度の低い架橋成分に変化する。その結果、架橋反応させて得られた樹脂は、THF不溶解分(THFに溶解しない架橋成分を有するポリエステル樹脂)とTHF可溶解分(THFに溶解する架橋成分を有するポリエステル樹脂)を含有することとなる。そして、THF不溶解分は、高密度に架橋しているため、トナーにさらに高い弾性を付与する作用を奏し、トナーの耐久性が良好になる。
THF不溶解分の含有量は、ポリエステル樹脂中6質量%以上であることが好ましい。THF不溶解分が6質量%以上の場合に、トナーの耐久性が良好になる傾向にある。THF不溶分の含有量の下限値は、10質量%以上が特に好ましい。また、このTHF不溶解分の含有量の上限値は、40質量%以下であることが好ましい。THF不溶分が35質量%以下の場合に、トナーの粉砕性が良好となる傾向にある。THF不溶分の含有量の上限値は、35質量%以下が特に好ましい。
本発明のポリエステル樹脂を構成する3価以上のカルボン酸成分以外の酸成分としては、特に制限されないが、芳香族ジカルボン酸成分単量体単位を全酸成分単量体単位100モル部に対して70モル部以上含有することが好ましい。70モル部以上含有すると、トナーの耐久性の点で好ましい。
また、本発明のポリエステル樹脂を構成するアルコール成分としては、全酸成分単量体単位100モル部に対して110〜250モル部含有することが好ましい。110モル部以上とすることで、重縮合反応における著しい粘度が上昇を抑制することができる点で好ましい。また、250モル部以下とすることで重縮合反応における生産性を向上できる点で好ましい。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法については、公知の方法を用いることが出来る。 例えば前述のカルボン酸成分およびアルコール成分を一緒に仕込み、エステル化反応またはエステル交換反応、および重縮合反応を経て重合し、ポリエステル樹脂を製造する。ポリエステル樹脂の重合に際しては、例えば、チタンテトラブトキシド、ジブチスズオキシド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸価ゲルマニウム等の重合触媒を用いることが出来る。また、重合温度は特に制限されないが、180〜290℃の範囲が好ましい。
さらに、本発明の目的を損なわない範囲で、末端可能基数の調整や他トナー用材料の分散性の向上目的で、一価のカルボン酸成分や一価のアルコール成分を使用することができる。一価のカルボン酸成分としては、安息香酸、p−メチル安息香酸等の炭素数30以下の芳香族カルボン酸や、ステアリン酸、ベヘン酸等の30以下の脂肪族カルボン酸等や、桂皮酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和二重結合を分子内に一つ以上有する不飽和カルボン酸等が挙げられる。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、バインダー樹脂としての性能を考慮して、非晶質であることが好ましい。そのため、各原料成分の種類や比率を適宜調整することが重要である。
以下、本発明の製造法で得られるトナー用ポリエステル樹脂について説明する。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂の軟化温度は、120℃以上であることが好ましい。また、軟化温度が120℃以上の場合に、トナーの非オフセット性が良好になる傾向がある。また、軟化温度は170℃以下であることが好ましい。トナーの定着性が良好となる傾向にあるためである。
また、本発明のトナー用ポリエステル樹脂のガラス転移温度(以下、Tgという)は、特に制限されないが、50〜65℃が好ましい。Tgが50℃以上ある場合に、トナーの耐ブッロキング性が良好となる傾向があり、また、65℃以下である場合にトナーの定着性が良好となる傾向にある。
さらに、本発明のトナー用ポリエステル樹脂の酸価は、特に制限されないが、25mgKOH/g以下が好ましい。酸価が25mgKOH/g以下の場合にトナーの画像濃度が安定する傾向がある。ポリエステル樹脂の酸価の上限値は、20mgKOH/g以下がより好ましく、17mgKOH/g以下が特に好ましい。
(トナー)
次に、本発明のトナー用ポリエステル樹脂を用いたトナーについて説明する。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂は、粉砕トナーの製造法に適している。
また、本発明のトナー用ポリエステル樹脂はトナーバインダーの主成分として、また、離型剤の分散性向上、光沢性向上のための成分として、他のトナーバインダー樹脂とブレンドして使用することができる。バインダー樹脂として、本発明のポリエステル樹脂以外のポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン―アクリル樹脂、環状オレフィン樹脂、メタクリル酸系樹脂、エポキシ樹脂などが挙げることができ、本発明の効果を損なわない範囲で、単独でまたは2種類以上を混合して使用することが出来る。バインダー樹脂全量中に本発明のポリエステル樹脂を5質量%以上配合することが好ましい。
トナー化の際の、着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、ローダミン系洗顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染料もしくは顔料などが挙げられる。これらの染料や顔料はそれぞれ単独または2種類以上を混合して使用することが出来るフルカラートナーの場合にはイエローとしてベンジンイエロー、モノアゾ系染顔料、縮合アゾ系染顔料など、マゼンタとしてキナクリドン、ローダミン系染顔料、モノアゾ系染顔料など、シアンとしてフタロシアニンブルーなどが挙げられる。
着色剤の含有量は、トナーの色調や画像濃度、熱特性の観点から、トナー中2〜10質量%であることが好ましい。
荷電制御剤としては、正帯電制御剤として4級アンモニウム塩や、塩基性もしくは電子供与性の有機物質等が挙げられ、負帯電制御剤として金属キレート類、含金属染料、酸性もしくは電子吸引性の有機物質などが挙げられる。カラートナーの場合、帯電制御剤が無色ないし染色で、トナーへの色調障害がないことが重要であり、例としてはサリチル酸またはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウムなどの金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物等が挙げられる。さらに、スチレン系、アクリル酸系、メタクリル酸系、スルホン酸基を有するビニル重合体を荷電制御剤として用いてもよい。
荷電制御剤の含有量は、トナー中0.5〜5質量%であることが好ましい。荷電制御剤の含有量が0.5質量%以上の場合にトナーの帯電量が充分なレベルとなる傾向にあり、5質量%以下の場合に荷電制御剤の凝集による帯電量の低下が制御される傾向にある。
トナー化の際に添加する離型剤としては、カルナバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、蜜蝋、ポリプロピレン系ワックス、ポリエチレン系ワックス、合成エステル系ワックス、パラフィンワックス、脂肪酸アミド、シリコーン系ワックスを挙げることができる。
離型剤の含有量は、トナーの離型効果、保存性、定着性、発色性等を左右することから、トナー中0.3〜5質量%であることが好ましい。離型剤の含有量の下限値は、より好ましくは1質量%以上がより好ましく、2質量%以上が特に好ましい。また、離型剤の含有量の上限値は、13質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
さらに流動性改質剤などの添加剤としては、微粉末のシリカ、アルミナ、チタニア等の流動性向上剤、マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、導電性チタニア等の無機微粉末、スチレン樹脂、アクリル樹脂などの抵抗調節剤、滑材などが挙げられ、これらは内添剤または外添剤として使用される。
これらの添加剤の含有量は、特に制限されないが、トナー中0.05〜10質量%が好ましい。これらの添加剤の含有量が0.05質量%以上の場合にトナーの性能改質効果が充分に得られる傾向にあり、10質量%以下の場合にトナーの画像安定性が良好となる傾向にある。
以下に本発明の実施例を示す。また、本実施例で示される樹脂の評価方法は以下の通りである。
(1)生産性
重縮合反応における反応時間に伴う生産性を、以下の基準で評価した。
◎:1時間以内の重合時間で所望のトルクまで到達した。
〇:2時間以内の重合時間で所望のトルクまで到達した。
△:3時間以内の重合時間で所望のトルクまで到達した。
×:3時間以上の重合時間においても所望のトルクまで到達しなかった。
(2)ガラス転移温度(Tg)
島津製作所(株)製示差走査熱量計DSC−60を用いて、昇温速度5℃/分で測定した時のチャートとのベースラインとガラス転移温度近傍にある吸熱カーブの接戦との交点の温度を求めた。
(3)軟化温度(T4)
島津製作所(株)製フローテスターCFT−500を用い、1mmφ×10mmのノズルにより、荷重294N(30kgf)、昇温速度3℃/分の等速昇温下で測定した時、サンプル1.0g中の1/2が流出した温度を求めた。
(4)酸価
サンプル約0.2gを枝付きフラスコ内に精秤し(A(g))、ベンジルアルコール10mlを加え、窒素雰囲気下として230℃のヒーターにて15分加熱し樹脂を溶解した。室温まで冷却後、ベンジルアルコール10ml、クロロホルム20ml、フェノールフタレイン数滴を加えて、0.02規定のKOH溶液にて滴定した(滴定量=B(ml)、KOH溶液の力価=p)、ブランク測定を同様に行い(滴定量=C(ml))、以下の式に従って算出した。
酸価(mgKOH/g)=(B−C)×0.02×56.11×p÷A
(5)ゲル分率(THF不溶解分)
100ml三角フラスコに樹脂0.5gを精秤し(A(g))、THFを50ml加え、70℃に設定したウォーターバスに3時間浸けて樹脂を溶解した。一方、ガラスフィルター1GP100に6〜7分目までセライト545をきつく充填し、105℃の乾燥機で3時間以上乾燥して秤量した(B(g))。続いて、乾燥したガラスフィルター内に、樹脂を溶解したTHF溶液を移して吸引濾過した。アセトンを用いて三角フラスコの壁に残存した内容物すべてをガラスフィルター内に移し、ガラスフィルター内はアセトンを流して可溶解分は吸引瓶に落とし、フィルター内に溶剤が残らないように吸引続けた後に、80℃の真空乾燥機で3時間以上乾燥して秤量した(C(g))。
ゲル分率(%)=(C−B)/A×100
(6)耐久性
耐久性THFに対して不溶解分を6重量%〜40重量%の範囲は回転レオメーター(REOLOGICA製 DAR−100)を用いて貯蔵弾性率により評価した、
測定モード:Oscillation strain control
ジオメトリー:25mmφパラレルプレート
GAP:1mm
周波数:1Hz
Strain:0.01
測定温度:80〜240℃(3℃/分で昇温)
貯蔵弾性率(G´)を用いて、評価基準を以下の通りとした。
◎(非常に良好):1000mPa以上のG´
○(良好):100mPa以上1000mPa未満のG´
△(使用可能):60mPa以上100mPa未満のG´
×(劣る):60mPa未満のG´
(7)粉砕性
粉砕性はメッシュ上に残る樹脂残存率を求めることで評価した。ここで樹脂残存率とは、通常の粉砕工程を終わった樹脂を篩にかけ、16メッシュを通過し22メッシュを通過しない樹脂粉体を得、この分級された樹脂粉末10.00gを精秤し、トリオメッシュブレンダ―粉砕機(トリオサイエンス社製)にて10秒間粉砕後、30メッシュの篩にかけ、通過しない樹脂の質量(A)gを精秤し、次式により、Aの値から残存率を求め、この操作を3回行い平均して求めた値である。
((A)g/粉砕前の樹脂重量(10.00g))×100=樹脂残存率(%)
得られた樹脂残存率より、粉砕性を以下の様に評価した。
◎(非常に良好):55%未満の樹脂残存率
○(良好):55%以上65%未満の樹脂残存率
△(使用可能):65%以上75%未満の樹脂残存率
×(劣る):75%以上の樹脂残存率
(実施例1)
表1に示す仕込み組成のカルボン酸、アルコールおよび全カルボン酸に対して500ppmのチタン触媒を蒸留塔備付の反応容器に投入した。次いで、反応容器中の撹拌翼の回転数を200rpmに保ち、昇温を開始し、反応系内の内温が265℃になるように加熱しこの温度を保持した。反応系内の温度を230℃に下げて、反応容器内を減圧し、反応系からジオール成分を留出させながら重縮合反応を実施した。撹拌翼のトルクが所定のトルクを示した時点で反応物を取り出し冷却して樹脂1を得た。樹脂1の特性値を表1に示す。
(実施例2〜5、比較例1、2)
反応容器に仕込む組成を表1に示す通りに変更した以外は実施例1置同様の方法でポリエステル樹脂を得た。得られた樹脂の特性値および評価結果を表1に示す。

ジオールA:ポリオキシプロピレン−(2,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジオール
ジオールB:ポリオキシエチレン−(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジオール
上記結果より、本発明にかかる樹脂(実施例1〜5)は、生産性、粉砕性および耐久性に優れることが確認された。一方、ゲル分率(THFに対する不溶解分)が0%(比較例1)または5%(比較例2)の場合は、生産性および耐久性が劣ることが確認された。

Claims (3)

  1. 3価以上のカルボン酸由来成分、3価以上のアルコール由来成分、2価のカルボン酸由来成分、および2価のアルコール由来成分を含み、トナー用ポリエステル樹脂であって、前記2価のアルコール由来成分が、下記一般式(1)で示される2価の芳香族アルコール含み、前記ポリエステル樹脂中の全アルコール由来成分のモル数/全カルボン酸由来成分のモル数=1.10〜2.50であり、前記ポリエステル樹脂はTHFに対して不溶解分を6重量%〜40重量%有する、トナー用ポリエステル樹脂。

    (式中、Rは炭素数3以下のアルキレン基であり、mおよびnは自然数である。)
  2. 3価以上のカルボン酸、3価以上のアルコール、2価のカルボン酸および2価のアルコールを含むモノマー混合物を重縮合するトナー用ポリエステル樹脂の製造方法であって、前記2価のアルコールが下記一般式(1)で示される2価の芳香族アルコールを含み
    仕込み時の前記モノマー混合物中の全アルコール成分のモル数/全カルボン酸成分のモル数=1.10〜2.50であり、得られたトナー用ポリエステル樹脂はTHFに対して不溶解分を6重量%〜40重量%有するものである、トナー用ポリエステル樹脂の製造方法。

    (式中、Rは炭素数3以下のアルキレン基であり、mおよびnは自然数である。)
  3. 請求項1に記載のトナー用ポリエステル樹脂を含むトナー。
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