JP6536503B2 - フラックス - Google Patents

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Description

本発明は、アンダーフィルで接合対象箇所を固着するはんだ付けで使用されるフラックスに関する。
一般的に、はんだ付けに用いられるフラックスは、はんだ合金及びはんだ付けの対象となる接合対象物の金属表面に存在する金属酸化物を化学的に除去し、両者の境界で金属元素の移動を可能にする効能を持つ。このため、フラックスを使用してはんだ付けを行うことで、はんだ合金と接合対象物の金属表面との間に金属間化合物が形成できるようになり、強固な接合が得られる。
一方、フラックスの成分には、はんだ付けの加熱によって分解、蒸発しない成分が含まれており、はんだ付け後にフラックス残渣としてはんだ付け部位の周辺に残留する。
さて、近年の電子部品の小型化の進展につれて、電子部品のはんだ付け部位である電極も小さくなってきている。そのため、はんだ合金で接合できる面積が小さくなり、はんだ合金だけでの接合強度では、接合信頼性に不十分な場合もある。
そこで、はんだ付けによる接合を強化する部品固着手段として、アンダーフィル等の樹脂によって、はんだ付けの接合対象箇所に周囲を覆うことにより、電子部品等を固着する技術が提案されている。
従来、はんだ付けの接合対象箇所にフラックス残渣が残っていると、フラックス残渣が接合対象箇所と樹脂との固着を阻害するので、強度を確保することができない。このため、接合対象箇所の周囲を樹脂で覆うためには、フラックス残渣を洗浄する必要がある。しかし、フラックス残渣を洗浄するには、時間とコストが掛かる。
そこで、フラックス中の熱硬化性樹脂を、リフロー後も未硬化状態を維持できるようにして、フラックス残渣中の樹脂とアンダーフィルを相溶できるようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、フラックス中に含まれる樹脂に熱可塑性の特性を持たせて、フラックス残渣中の樹脂がアンダーフィル塗布時に液状となってアンダーフィルと相溶するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第4757070号公報 特開2013−91093号公報
従来のフラックスでは、リフロー工程等によるはんだ付け時の加熱で樹脂を硬化させないため、フラックス残渣中の樹脂が硬化せず、フラックス残渣の表面が粘着性を持つ。これにより、アンダーフィルの充填前に微細な異物がフラックス残渣の表面に付着する可能性があった。
また、アンダーフィルで接合対象物を固着する行程で、アンダーフィルを硬化させるための加熱時に、フラックス残渣中の成分が揮発することでボイドが発生していた。また、ボイドがフラックス残渣中から抜けずに残留していた。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、はんだ合金の濡れ性を阻害することなく、フラックス残渣の表面の粘着性を抑制し、かつ、ボイドを抑制したフラックスを提供することを目的とする。
熱硬化性の樹脂と硬化剤が添加されたフラックスに所定量のダイマー酸が添加されることで、はんだ合金の濡れ性を阻害することなく、フラックス残渣の表面の粘着性が抑制され、かつ、ボイドが抑制されることを見出した。
そこで、本発明は、有機酸と、熱硬化性の樹脂と、硬化剤と、溶剤を含み、有機酸を5質量%以上15質量%以下、樹脂を3質量%以上8質量%以下、硬化剤を樹脂の添加量を超えない範囲で1質量%以上5質量%以下含み、残部を溶剤とし、有機酸は、ダイマー酸、または、ダイマー酸と炭素数が12以下の有機酸からなり、ダイマー酸を5質量%以上15質量%以下含むフラックスである。

本発明のフラックスでは、リフロー等による加熱で溶剤が揮発しても、硬化前の樹脂に流動性を持たせることができ、溶剤が揮発することにより発生するボイドが樹脂中から抜けやすくなる。
また、リフロー等による加熱、及び、アンダーフィルを硬化するための加熱で、ダイマー酸の揮発が抑制され、ボイドの発生が抑制される。更に、樹脂が柔軟性を持ち、ボイドが発生したとしても樹脂中から抜けやすくなり、ボイドの残留が抑制される。また、フラックス残渣の表面の粘着性が抑制される。
本発明では、フラックス残渣がアンダーフィルと相溶となり、フラックス残渣の洗浄が不要である。また、フラックス残渣の表面の粘着性を抑制することができるので、フラックス残渣の表面に微細な異物が付着することが抑制され、アンダーフィル中に異物が入り込むことを抑制できる。
更に、ボイドの発生を抑制することができ、かつ、ボイドが発生したとしても樹脂中から抜けやすくなり、ボイドの残留を抑制することができる。
アンダーフィル充填工程を示す説明図である。
本実施の形態のフラックスは、熱硬化性の樹脂と、硬化剤と、有機酸と、溶剤を含む。熱硬化性の樹脂は、はんだ付け時の加熱温度で揮発せずに硬化し、フラックス残渣となる。熱硬化性の樹脂は、エポキシ樹脂が添加される。
エポキシ樹脂は、ビスフェノール型としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールAP型、ビスフェノールAF型、ビスフェノールB型、ビスフェノールBP型、ビスフェノールC型、ビスフェノールE型、ビスフェノールF型、ビスフェノールG型、ビスフェノールM型、ビスフェノールS型、ビスフェノールP型、ビスフェノールPH型、ビスフェノールTMC型、ビスフェノールZ型などが挙げられる。脂環式エポキシ樹脂としては、3',4'-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサンなどが挙げられる。本例ではビスフェノールA型を使用した。硬化剤としては、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド、イミダゾール類、アミンアダクト系硬化剤、ビニルエーテルブロックカルボン酸、オニウム塩、ケチミン化合物、マイクロカプセル化イミダゾール、酸無水物、フェノール類などが挙げられる。酸無水物としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸、3,4,5,6-テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセリンビス アンヒドロトリメリテートモノアセテート、テトラプロペニル無水コハク酸が挙げられる。エポキシ樹脂は、以上に示す化合物の何れか、または、これら化合物の2つ以上を混合した混合物であっても良い。また、硬化剤は、以上に示す化合物の何れか、または、これら化合物の2つ以上を混合した混合物であっても良い。更に、エポキシ樹脂と硬化剤は、以上に示す組成を任意に組み合わせたものであれば良い。
有機酸は、活性剤として機能させるため、少なくとも1つのカルボキシル基を持つカルボン酸が添加される。また、有機酸は、はんだ付け時の加熱温度での揮発が抑制され、
硬化前の樹脂に所定の流動性を持たせるため、はんだ付け時の加熱温度より沸点が高く、液状の有機酸を含むことが好ましい。更に、有機酸は、炭素数が所定数以上の長鎖の有機酸であることが好ましい。そこで、有機酸として、例えば、長鎖のジカルボン酸が添加される。
長鎖のジカルボン酸は、オレイン酸とリノール酸の反応物である炭素数が36のダイマー酸であることが好ましい。オレイン酸とリノール酸の反応物であるダイマー酸は、オレイン酸とリノール酸の二量体、オレイン酸とオレイン酸の二量体、リノール酸とリノール酸の二量体を含む。ダイマー酸は、水素を添加した水添ダイマー酸であることが好ましい。
本実施の形態のフラックスでは、有機酸としてダイマー酸を添加することで、はんだ付け時の加熱で樹脂が硬化するより前には、樹脂に所定の流動性を持つ。このように、ダイマー酸は、フラックス中の固形成分を溶かす溶剤としての機能を併せ持つことから、有機酸としては、ダイマー酸に加えて、炭素数が12以下のジカルボン酸を添加しても良い。
溶剤は、イソボルニルシクロヘキサノール、ヘキシレングリコール、ジブチルジグリコール、ヘキシルジグリコール、ジブチルマレート等が挙げられる。溶剤は、以上に示す化合物の何れか、または、これら化合物の2つ以上を混合した混合物であっても良い。
本実施の形態では、フラックス中における樹脂の添加量を3質量%以上8質量%以下、硬化剤の添加量を、樹脂の添加量を超えない範囲で1質量%以上5質量%以下、有機酸の添加量を5質量%以上15質量%以下、残部を溶剤とした。
更に、チキソ剤として、高級脂肪酸アマイド、ヒマシ硬化油を0質量%以上5質量%以下添加しても良い。また、シランカップリング剤を0質量%以上1質量%以下添加しても良い。チキソ剤を添加することで印刷性等の作業性を向上させることができ、シランカップリング剤を添加することで熱硬化性樹脂の密着性を向上させることができる。チキソ剤は、以上に示す化合物の何れか、または、これら化合物の2つ以上を混合した混合物であっても良い。また、チキソ剤とシランカップリング剤は、いずれか一方を添加しても良いし、両方を添加しても良い。
熱硬化性の樹脂と硬化剤が混合された樹脂組成物は、加熱によって重合反応が進行して硬化する。重合の進行は、添加される硬化剤の量によって変わる。一方、熱硬化性の樹脂にダイマー酸が添加された樹脂組成物は、硬化剤を含まないため重合による硬化が進行しない。また、ダイマー酸が液状であるため、樹脂組成物が流動性を持つが、樹脂組成物の表面に粘着性を持つ。
これに対し、熱硬化性の樹脂に硬化剤とダイマー酸が添加された樹脂組成物は、硬化剤を含むため、重合により硬化する。また、ダイマー酸が液状であるため、樹脂組成物が所定の流動性を持ち、硬化後も柔軟性を持つ。更に、硬化した樹脂組成物の表面が粘着性を持つことが抑制される。
本実施の形態のフラックスは、熱硬化性の樹脂と硬化剤に加え、有機酸としてダイマー酸が添加されることで、はんだ付け時の加熱で樹脂が硬化するより前には、溶剤が揮発してもダイマー酸が揮発しないことから、所定の流動性を持つ。
これにより、本実施の形態のフラックスは、金属表面の酸化物を除去するダイマー酸の機能が阻害されず、はんだ付け時の加熱で活性が著しく低下することなく、はんだの濡れ性が向上して、接合対象物である金属表面の酸化物を除去することができる。
また、本実施の形態のフラックスは、はんだ付け時の加熱温度で溶剤が揮発しても、硬化前の樹脂が所定の流動性を持つことで、ボイドが樹脂中から抜けやすくなり、ボイドが樹脂中に残留することを抑制することができる。
フラックスは、はんだ付け時の加熱温度で溶剤が揮発し、はんだ付け時の加熱温度で揮発しない成分がフラックス残渣となり、接合対象物及びその近傍を含む接合対象箇所に残る。
本実施の形態のフラックスでは、フラックス中の樹脂がはんだ付け時の加熱温度で硬化してフラックス残渣となる。本実施の形態のフラックスによるフラックス残渣には、はんだ付け時の加熱温度で揮発しないダイマー酸が樹脂中に残留することで、フラックス残渣が柔軟性を持つ。
これにより、本実施の形態のフラックスでは、アンダーフィルと称す樹脂で接合対象物を固着する行程で、アンダーフィルを硬化させるための加熱時に、ガラス転移点を超える温度までフラックス残渣が加熱されると、フラックス残渣中の樹脂が軟化し易くなる。また、アンダーフィルを硬化させるための加熱時に、フラックス残渣中のダイマー酸の揮発が抑制される。
従って、アンダーフィルで接合対象物を固着する行程でも、ボイドの発生が抑制され、また、ボイドが発生したとしても、フラックス残渣中から抜けやすくなり、ボイドが残留することを抑制することができる。よって、接合対象物とアンダーフィルとの固着が、フラックス残渣によって阻害されることはなく、フラックス残渣の洗浄が不要である。
図1は、アンダーフィル充填工程を示す説明図である。基板1の電極10及び半導体チップ2の電極20が、本実施の形態のフラックスを使用してはんだ合金3で接合されると、図1(a)に示すように、はんだ付けのリフロー工程後に、フラックス残渣4が接合対象箇所に残る。
はんだ付け後に、図1(b)に示すように、アンダーフィル5として例えば熱硬化性の樹脂と硬化物が接合対象箇所に充填されて加熱され、フラックス残渣中の樹脂のガラス転移点を超えると、このフラックス残渣中の樹脂が軟化し、アンダーフィルと相溶な状態となる。
これにより、図1(c)に示すように、フラックス残渣中の樹脂がアンダーフィルに混ざり込んだ状態で、アンダーフィル5が硬化する。従って、フラックス残渣を洗浄することなく、接合対象物である半導体チップ2の電極20と接合物である基板1の電極10がアンダーフィル5で固着される。
以下の表1に示す組成で実施例と比較例のフラックスを調合し、はんだ濡れ性、粘着性及びアンダーフィル中のボイドの発生の有無について検証した。なお、表1における組成率は、フラックス組成物中の質量%である。まず、各検証の評価方法について説明する。
(1)はんだ濡れ性の検証について
(a)評価方法
Cu板上にフラックスを塗布し、Cu板上に塗布したフラックス上にはんだボールを搭載し、リフローを行った後、はんだ濡れ広がり径を測定した。リフロー工程は、ピーク温度を250℃に設定したリフロー装置を用いて、35℃から1秒毎に1℃ずつ250℃まで温度を上昇させていき、250℃に達した後、30秒間加熱処理を行った。はんだボールの組成は96.5Sn−3.0Ag−0.5Cu、直径は0.3mmである。
(b)判定基準
○:はんだの広がり径が510μm以上
×:はんだの広がり径が510μm未満
(2)粘着性の検証について
(a)評価方法
Cu板上にフラックスを塗布し、Cu板上に塗布したフラックスを300℃まで加熱し、リフローを行った状態にする。加熱後のフラックス残渣にφ100μmのはんだボールを散布させた。そして、フラックス残渣にはんだボールを散布させたCu板を30°傾け、はんだボールの動きを見た。
(b)判定基準
○:フラックス残渣が無いCuと同等程度にはんだボールが転がる
×:フラックス残渣の粘着性によりはんだボールが転がらない
(3)アンダーフィル中のボイドの発生有無の検証について
(a)評価方法
Cu板にフラックスを塗布し、リフローを行った後、フラックス残渣を硬化させる工程の有無でアンダーフィル中のボイドの発生の有無を検証した。リフロー工程は、室温から1秒毎に3℃ずつ、250℃まで温度を上昇させていき、250℃に達した後、30秒間加熱処理を行った。実施例、比較例ともリフロー工程後の硬化工程は行わない。実施例、比較例とも、フラックス塗布位置の両側に高さ25μmのスペーサを置き、このスペーサにガラス板を載せ、Cu板とガラス板の間にアンダーフィルを充填した。アンダーフィルを充填した後、165℃で2時間加熱処理を行った。
(b)判定基準
○:ボイドの発生が見られなかった
×:ボイドの発生が見られた
Figure 0006536503

はんだの濡れ性について、表1に示すように、有機酸としてダイマー酸を上述した添加量の範囲で添加した実施例1のフラックス、ダイマー酸の添加量を実施例1に対して上述した添加量の範囲で減少させた実施例2のフラックス、ダイマー酸の添加量を実施例1に対して上述した添加量の範囲で増加させた実施例3のフラックスは、何れも良好な濡れ性が得られた。
また、ダイマー酸に加えて、他の有機酸として炭素数が5のグルタル酸を上述した添加量の範囲で添加した実施例4のフラックス、ダイマー酸の添加量を実施例4に対して上述した添加量の範囲で増加させ、グルタル酸の添加量を実施例4に対して上述した添加量の範囲で減少させた実施例5のフラックスは、何れも良好な濡れ性が得られた。
更に、ダイマー酸に加えて、他の有機酸として炭素数が4のコハク酸を上述した添加量の範囲で添加した実施例6のフラックス、ダイマー酸に加えて、他の有機酸として炭素数が12のドデカン二酸を上述した添加量の範囲で添加した実施例7のフラックスは、何れも良好な濡れ性が得られた。
また、エポキシ樹脂の添加量を上述した添加量の範囲で増加させた実施例8のフラックス、酸無水物の添加量を上述した添加量の範囲で減少させた実施例9のフラックスは、何れも良好な濡れ性が得られた。
フラックス残渣の粘着性について、表1に示すように、有機酸として上述したようにダイマー酸、または、ダイマー酸と他の有機酸が上述した添加量の範囲で添加され、硬化剤として上述した添加量の範囲で酸無水物が添加された実施例1〜実施例9のフラックスは、フラックス残渣の表面の粘着性が抑制されていた。
ボイドの発生の有無について、リフロー後に硬化工程を行わなければ、ボイドは発生しない、すなわち、フラックス残渣中の樹脂とアンダーフィルが相溶な状態となり、フラックス残渣中の樹脂がアンダーフィルに混ざり込んだ状態で、アンダーフィルが硬化することが判った。
これに対し、硬化剤が添加されていない比較例1のフラックスは、フラックス残渣の表面の粘着性が高いことが判った。また、ダイマー酸の添加量が所定の添加量を下回る比較例2は、良好な濡れ性が得られなかった。
これにより、ダイマー酸の添加量は、他の有機酸を添加しない場合であれば、5質量%以上15質量%以下であることが好ましいことが判った。また、ダイマー酸と他の有機酸を添加する場合も、有機酸全体の添加量は、5質量%以上15質量%以下であることが好ましいことが判った。
更に、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂を使用して、エポキシ樹脂の添加量を検証した結果、濡れ性、粘着性及びボイドの発生の有無について、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂の添加量が3質量%以上8質量%以下であれば、良好な結果が得られることが判った。
なお、ビスフェノールA型以外のエポキシ樹脂で検証した結果、ビスフェノール型のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAP型、ビスフェノールAF型、ビスフェノールB型、ビスフェノールBP型、ビスフェノールC型、ビスフェノールE型、ビスフェノールF型、ビスフェノールG型、ビスフェノールM型、ビスフェノールS型、ビスフェノールP型、ビスフェノールPH型、ビスフェノールTMC型、ビスフェノールZ型等であっても、良好な結果が得られた。
また、脂環式エポキシ樹脂としては、3',4'-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン等であっても、良好な結果が得られた。
硬化剤として酸無水物を使用して、硬化剤の添加量を検証した結果、濡れ性、粘着性及びボイドの発生の有無について、酸無水物の添加量がエポキシ樹脂の添加量を超えない範囲で1質量%以上5質量%以下であれば、良好な結果が得られることが判った。
なお、酸無水物としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸、3,4,5,6-テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセリンビス アンヒドロトリメリテートモノアセテート、テトラプロペニル無水コハク酸等であれば、良好な結果が得られた。
また、酸無水物以外の硬化剤を検証した結果、シアンジアミド、有機酸ジヒドラジド、イミダゾール類、アミンアダクト系硬化剤、ビニルエーテルブロックカルボン酸、オニウム塩、ケチミン化合物、マイクロカプセル化イミダゾール、フェノール類等であれば、良好な結果が得られた。
エポキシ樹脂は、以上に示す化合物の何れか、または、これら化合物の2つ以上を混合した混合物であっても良好な結果が得られた。また、硬化剤は、以上に示す化合物の何れか、または、これら化合物の2つ以上を混合した混合物であっても良好な結果が得られた。更に、エポキシ樹脂と硬化剤は、以上に示す組成を任意に組み合わせたものであれば良好な結果が得られた。
溶剤としては、イソボルニルシクロヘキサノールとヘキシルジグリコールの組み合わせ以外にも、ヘキシレングリコール、ジブチルジグリコール、ヘキシルジグリコール、ジブチルマレートの何れか、または、これらの2つ以上を混合した混合物であっても、濡れ性、粘着性及びボイドの発生の有無について良好な結果が得られた。
更に、濡れ性、粘着性及びボイドの発生の有無について良好な結果が得られた実施例について、チキソ剤として、高級脂肪酸アマイドとヒマシ硬化油のいずれか、または、これらの混合物を0質量%以上5質量%以下添加すると、印刷性等の作業性を向上させることができることが判った。
また、濡れ性、粘着性及びボイドの発生の有無について良好な結果が得られた実施例について、シランカップリング剤を0質量%以上1質量%以下添加すると、接合対象物に対するエポキシ樹脂の密着性を向上させることができることが判った。
本発明は、アンダーフィルで基板と電子部品等を固着する接合法で使用するフラックスに適用される。
1・・・基板、10・・・電極、2・・・半導体チップ、20・・・電極、3・・・はんだ合金、4・・・フラックス残渣、5・・・アンダーフィル

Claims (5)

  1. 有機酸と、
    熱硬化性の樹脂と、
    硬化剤と、
    溶剤を含み、
    前記有機酸を5質量%以上15質量%以下、
    前記樹脂を3質量%以上8質量%以下、
    前記硬化剤を前記樹脂の添加量を超えない範囲で1質量%以上5質量%以下含み、残部を前記溶剤とし、
    前記有機酸は、ダイマー酸、または、ダイマー酸と炭素数が12以下の有機酸からなり、
    前記ダイマー酸を5質量%以上15質量%以下含む
    ことを特徴とするフラックス。
  2. 前記ダイマー酸は、オレイン酸とリノール酸の反応物である
    ことを特徴とする請求項1に記載のフラックス。
  3. 更に、チキソ剤を0質量%以上5質量以下%、シランカップリング剤を0質量%以上1質量%以下添加し、チキソ剤とシランカップリング剤のいずれかを少なくとも含む
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフラックス。
  4. 前記樹脂はエポキシ樹脂である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のフラックス。
  5. 前記硬化剤は酸無水物である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のフラックス。
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