JP2007245157A - はんだペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】
はんだのぬれ性に優れ、はんだ接合部中のボイドの発生やボイドの大きさを抑制することができ、なおかつこの性能を長期保存後にも維持するはんだペーストを提供する。
【解決手段】
下記のフラックス(F)5〜20重量%と金属粉末(M)80〜95重量%からなるはんだペースト。
(F)有機酸ビスマス塩を0.05〜0.4重量%とカルボキシル化合物5〜99.6重量%を含有するフラックス
(M)SnおよびZnを含む合金である金属粉末
【選択図】なし。

Description

本発明は、電子部品のプリント配線板の実装に用いられるはんだペースト、特に錫および亜鉛含有の鉛フリーはんだを用いたはんだペーストに関する。
プリント配線板への電子部品の実装には、はんだ付けが多用されている。はんだ付けに用いるはんだペーストは通常、樹脂、溶媒、活性剤、さらにその他目的に応じて種々の添加剤を混合したフラックスとはんだ金属の粉末とからなる組成物である。はんだペーストは通常、プリント配線板の電極部にメタルマスク等を用いてステンシル印刷し、その上に電子部品を搭載して加熱接合して実装する方法(リフローソルダリング)で用いられる。
フラックスに用いられる活性剤のうち、有機酸に代表されるカルボキシル化合物は、そのマイルドなフラックス活性から、はんだペースト成分として広く用いられている。カルボキシル化合物は、その分子内に存在するカルボキシル残基が、リフロー時にはんだ金属表面の酸化皮膜と金属石鹸を生成して、酸化皮膜を除去することによって、フラックス活性を発現する。ロジン化合物もまた、そのカルボキシル残基が微弱ながらフラックス活性を有することから、樹脂としての性質も合わせ持つカルボキシル化合物であり、はんだペースト成分として多用されている。
近年、従来の錫−鉛合金の融点(183℃)に近い錫−亜鉛合金(200℃以下)が注目されている。しかしながら、錫−亜鉛はんだは、鉛含有はんだと比較し、その金属表面に安定な酸化皮膜を形成することからはんだのぬれ性が悪い。その結果、溶融はんだのはんだ付けランド部に対するぬれ性も悪くなり、溶融はんだの不ぬれによりはんだ付け後のはんだ中にボイドが発生しやすい。
ぬれ性を改善するために、有機金属化合物を配合する方法が知られている。特許文献1においては、銅またはニッケル系金属の少なくとも1種の無機塩、無機錯体、有機酸塩、有機錯体のいずれかを含有するフラックスが開示されており、ぬれ性の改善が図られている。特許文献2では、加熱下で有機酸または有機酸塩と塩を形成する多価金属錯体を主成分として含有するフラックスが開示されている。特許文献3では、樹脂成分を主成分として活性剤を添加したフラックスに、金属の有機酸塩を0.5〜50重量%添加して得られる無鉛はんだ用フラックスが開示されており、ぬれ性や接合強度の改善を行っている。特許文献4では、無電解ニッケル基板に対するはんだ付け用フラックスに、有機酸又は無機酸の金属塩を含有したフラックスが開示されており、接合強度向上などが図られている。特許文献5では、ブロックされたカルボキシル基を有するはんだ付け用フラックスが開示されており、経時安定性の向上が図られている。
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、はんだ粉末を被覆しない場合に経時安定性が低下する問題があり、特許文献2においては、鉛フリーはんだを用いた場合には、溶融はんだのはんだ付けランド部に対するぬれ性が悪くなる可能性がある。
特許文献3および特許文献4に開示された技術では、有機酸塩の金属がはんだの金属と置換反応を起こし、はんだペーストの経時安定性が低下し、長期保存に耐えない。
また、これらの開示技術を錫−亜鉛はんだに用いた場合には、見かけのぬれ性の向上に寄与できるとしても、現実には接合後のはんだ合金内部に生じるボイドの数が増えたりサイズが大きくなったりして、はんだ接合した電子部品、電子モジュール、プリント配線板等の信頼性に重大な影響を及ぼす恐れがある。
このように、長期の保存後にも、優れたぬれ性と非ボイド性を有するSn−Zn系のはんだペーストが求められているのである。
特開2005−169495号公報 特開平3−081093号公報 特開平11−254184号公報 特開2003−236695号公報 国際公開WO2003/026835号パンフレット
本発明の目的は、はんだのぬれ性に優れ、はんだ接合部中のボイドの発生やボイドの大きさを抑制することができ、なおかつこの性能を長期保存後にも維持するはんだペーストを提供することにある。
本発明者らは、前記の問題に鑑み、鋭意検討した結果、フラックス中にカルボキシル化合物を用いたはんだペーストにおいて、有機酸ビスマス塩を特定量配合することにより、はんだのぬれ性を著しく改善し、はんだ接合部中のボイドの発生量やボイドの大きさを抑制できること、ならびにこの優れた特性を長期に渡る保存後も維持しうることの知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の[1]、[2]である。
[1] 下記のフラックス(F)5〜20重量%と金属粉末(M)80〜95重量%からなるはんだペースト。
(F)有機酸ビスマス塩0.05〜0.4重量%とビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物5〜99.6重量%を含有するフラックス
(M)SnおよびZnを含む合金である金属粉末
本発明のはんだペーストは、優れたぬれ性と非ボイド性を有する。また、長期の保存後にも、これらの優れた特性を維持することができる。このため、電子部品、電子モジュール、プリント配線板等の製造時のはんだ付けに好適に使用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のはんだペーストは、SnおよびZnを含む合金である金属粉末(M)と、有機酸ビスマス塩を0.05〜0.4重量%とカルボキシル化合物5〜99.6重量%を含有するフラックス(F)からなる。
<金属粉末(M)>
本発明のはんだペーストに用いる金属粉末(M)は、Sn(錫)およびZn(亜鉛)を含む合金である。金属粉末は、Sn80〜99重量%、好ましくは88〜95重量%と、Zn0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%を含む合金であり、さらにその他の金属0.1〜10重量%含んでいてもよい合金である。その他金属は、インジウム(In)、アンチモン(Sb)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)およびゲルマニウム(Ge)からなる群より選ばれる1種または2種以上を用いることができる。金属粉末(M)の形状は、真球、不定形のいずれでもよい。また、金属粉末(M)の粒径は、直径1〜100μmであり、20〜60μmが好ましい。
本発明の本発明のはんだペースト中の金属粉末(M)の配合量は、80〜95重量%、より好ましくは87〜92重量%である。金属粉末(M)の配合量が80重量%未満である場合には、はんだペーストとして必要な接合特性や印刷特性が満足できず、95重量%を上回る場合には、十分な量のフラックス(F)を配合できず本発明の効果が得られない。
<フラックス(F)>
本発明に用いるフラックス(F)は、有機酸ビスマス塩を含有する。
本発明において、有機酸ビスマス塩とはビスマスにアシルオキシ基が結合した化合物を意味する。具体的には、酢酸ビスマス、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ステアリン酸ビスマス、ロジン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス、オレイン酸ビスマス、シュウ酸ビスマスなどが挙げられる。これらの中でも特に、炭素数6〜12で分岐を有する単官能有機酸のビスマス塩が好ましく、具体的にはオクチル酸ビスマスやネオデカン酸ビスマスが挙げられる。
これらの有機酸ビスマス塩は1種単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
ビスマス金属は、本発明に用いる金属粉末(M)の合金を構成するZn、Snのいずれの金属種よりもイオン化傾向が小さい金属であり、本発明はこの金属種を有機酸化合物としてフラックス中に配合することを特徴とする。
有機酸ビスマス塩を0.05〜0.4重量%、好ましくは0.1〜0.3重量%配合する。0.05重量%より少ない場合は、ぬれ性に効果が生じにくく、0.4重量%より多い場合には、長期の保存後にはんだペーストの粘度上昇が生じてはんだ付け性が低下する。
本発明において、カルボキシル化合物とは分子内にカルボキシル基を少なくとも1個有する化合物を意味する。具体的には、天然ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、不飽和二塩基酸変性ロジンなどのロジン誘導体;オレイン酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸;安息香酸、トリメリット酸などの芳香族カルボン酸;ヒドロキシピバリン酸、リンゴ酸、乳酸などのヒドロキシカルボン酸;酸無水物とアルコールの反応から得られるカルボン酸などが挙げられる。
また、ビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物とは、前記のカルボキシル化合物がビニルエーテル化合物によって保護化されていて加熱によって解離してカルボキシル基を生成するカルボキシル化合物を意味する。
カルボキシル基が潜在化されていると、常温においてはSn−Zn系はんだ粉との反応性が著しく低くなるので、長期保存中のはんだ粉の劣化が抑制され、さらに加熱下においては、潜在化されたカルボキシル基が解離してカルボキシル基を生成し、潜在化されていないカルボキシル基と同様の効果を発現するからである。
潜在化されたカルボキシル基を1個以上含有する化合物は、通常、前記のカルボキシル化合物とビニルエーテル、あるいは、カルボキシル化合物の無水物とヒドロキシビニルエーテルなどの原料を、無触媒で、あるいは酸性リン酸エステル化合物などの酸触媒の存在下で、室温〜100℃の温度で反応させることによって得られる。
カルボキシル化合物の無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、ブタンテトラカルボン酸二無水物などの飽和または不飽和脂肪族ジカルボン酸無水物;テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物)、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン酸−3,4−無水物などの飽和または不飽和非芳香族性環状多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水物);メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(無水メチルナジック酸)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(無水ハイミック酸;日立化成(株)の商品名)等の橋かけ環式多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水物);無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールビスアンヒドロトリメリテートモノアセテート、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族多価カルボン酸無水物が挙げられる。
本発明に用いるビニルエーテル化合物のうち、ビニルエーテルとしては、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類;ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類が挙げられ、ヒドロキシビニルエーテルとしては、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル類;エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルなどのアルキレングリコールモノビニルエーテル類が挙げられる。
ビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物は、フラックス(F)中に5〜99.6重量%、好ましくは40〜70重量%配合する。ビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物が5重量%より少ない場合は、ぬれ性に効果が生じにくく、99.6重量%より多い場合には、絶縁性が低下してしまう。ビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物は1種単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、有機酸ビスマス塩をビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物と組合せて用いることによって特異的に効果の出る作用機構は検証されてはいないが、ビスマス金属がSnと加熱下で錫より酸化しにくい錫−ビスマス共晶を形成することによって、接合に関与するはんだ金属粒子表面における酸化を防止しながら、ビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物による表面酸化膜の除去が進むためであると推測される。
本発明のはんだペーストに用いるフラックスは、必要に応じて、樹脂、上記のビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物以外の活性剤、チクソトロピー性付与剤、溶剤、酸化防止剤、防錆剤、レベリング剤、消泡剤、分散剤、つや消し剤、着色剤等の添加剤を配合してもよい。
前記の樹脂としては、天然物由来の樹脂、および合成樹脂が挙げられ、天然物由来の樹脂としては、アラビアゴム、アカシアゴム、セルロース系樹脂が挙げられる。合成樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、アクリル樹脂等が用いられる。これらの樹脂は、1種または2種以上を配合して用いることができる。前記樹脂を配合する場合、通常、フラックス(F)全量のうち、0〜70重量%の割合で配合される。
ビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物以外の活性剤としては、有機アミン、塩化水素酸および臭化水素酸のアミン塩、有機ハロゲン化物などが挙げられる。有機アミンとしては、具体的には、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。塩化水素酸および臭化水素酸のアミン塩について、前記の有機アミンの塩化水素酸塩もしくは臭化水素酸塩などが挙げられる。有機ハロゲン化物としては、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパンなどが挙げられる。
本発明のはんだペースト中のフラックス(F)の配合量は、5〜20重量%、好ましくは8〜13重量%である。フラックス(F)の配合量が5重量%未満である場合には、ビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物と有機酸ビスマス塩の総量が十分でなく本発明の効果が得られず、20重量%を上回る場合には、十分な量の金属粉末(M)を配合できず、前記の通りはんだペーストとして必要な基本特性が得られない。
本発明のはんだペーストは、前記の材料を配合したフラックス(F)に、金属粉末(M)を、公知の混練・攪拌装置を用いて、常法により混練して得られる。一旦フラックス(F)を混練して得た後に、金属粉末(M)を添加してさらに混練する方法をとってもよく、その際、前記各種材料を一括で仕込んでも、溶剤を容器に取り、各種材料を順次配合し溶解してもよい。また、配合温度は、用いる溶剤の沸点より低い温度で、加温して溶解することが好ましい。
本発明のはんだペーストは、常法にしたがって、メタルマスク版を通してはんだ印刷機を用いてはんだ印刷し、電子部品、電子モジュール、プリント配線板等の製造時のリフロー工程はんだ付け用のはんだとして使用することができる。具体的には例えば、本発明のはんだペーストをプリント配線板の電極部にプリントする工程、該プリント工程で得られたプリント配線板に電子部品を搭載する工程、および該搭載工程で得られた電子部品を備えるプリント配線板をリフローして実装する工程を含む方法が挙げられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、例中の酸価はJIS K 0070:1992「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価および不けん化物の試験方法」の第3項の方法に準じて、テトラヒドロフラン(THF)溶液に試料を溶解させ、測定を行った。
また、例中で用いた材料およびその略号は次の通りである。
PMAは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであり、協和発酵工業(株)製のものを用いた。
OXBPは、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニルであり、東亞合成(株)製の「ETERNACOLL OXBP」(商品名)を用いた。
ロジンエステルは、荒川化学工業(株)製の商品名「エステルガム」を用いた。
重合ロジンは、イーストマンケミカル(株)製の商品名「ダイマレックス」を用いた。
XBSAは、m−キシリレンビスステアリン酸アミドである。
EBHSAは、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミドである。
DEGMBEは、ジエチレングリコールモノブチルエーテルである。
TEGDMEは、テトラエチレングリコールジメチルエーテルである。
さらに、はんだ粉末としては、次の2種のはんだ粉末を用いた。なお、数値は金属の重量比を示す。
Sn−9Zn
Sn−9Zn−0.003Al
(いずれも、平均粒径25μm、三井金属鉱業(株)製)
[合成例1]ビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物(A−1)の合成
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた200mLの4つ口フラスコに、無水コハク酸21.3g、水添ロジン14.1g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)20.4gを仕込み、温度を65℃に昇温し、ヒドロキシエチルビニルエーテル22.7g、トリエチルアミン0.6gの混合液を1時間かけて等速滴下した。同温度で2時間反応を続けたあと、ヒドロキシエチルビニルエーテル5.1gを投入し、系内の温度を110℃に昇温し、さらに2時間反応を続けた。
その後、系内の温度を70℃に下げて、イソプロピルビニルエーテル15.8gを30分かけて等速滴下し、同温度で4時間反応を続け、混合物の酸価が5mgKOH/g以下になった時点で反応を終了した。放冷後、ロータリーエバポレーターで、未反応のイソプロピルビニルエーテルと溶媒(PMA)を留去することにより、淡黄色透明樹脂状のビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物(A−1)を得た。
[合成例2]ビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物(A−2)の合成
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた200mLの4つ口フラスコに、アジピン酸32.5g、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル67.5g仕込み、30分かけて常温から110℃まで昇温させた。その後、110℃を維持して反応を続け、混合後の酸価が10mgKOH/g以下であることを確認後、反応を終了した。放冷後、ヘキサン/アセトン=9/1(重量比)の混合溶剤により、ポリマー分の再沈精製を行った。さらに、ロータリーエバポレーターで、未反応のビニルエーテルを留去することにより、淡黄色透明樹脂状のビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物(A−2)を得た。
[合成例3]ビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物(A−3)の合成
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた200mLの4つ口フラスコに、水添ロジン57.8g、イソプロピルビニルエーテル42.2gを仕込み、温度を65℃に昇温させた。その後、同温度で反応を続け、混合後の酸価が5mgKOH/g以下であることを確認後、反応を終了した。放冷後、ロータリーエバポレーターで、未反応のイソプロピルビニルエーテルを留去することにより、無色透明液状のビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物(A−3)を得た。
[合成例4]ビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物(A−4)の合成
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた200mLの4つ口フラスコに、アジピン酸32.7g、n−ブチルビニルエーテル67.3g仕込み、30分かけて常温から90℃まで昇温させた。その後、同温度で反応を続け、混合後の酸価が5mgKOH/g以下であることを確認後、反応を終了した。放冷後、ロータリーエバポレーターで、未反応のn−ブチルビニルエーテルを留去することにより、無色透明液状のビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物(A−4)を得た。
[合成例5]ビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物(A−5)の合成
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた200mLの4つ口フラスコに、無水コハク酸24.0g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)16.8gを仕込み、温度を65℃に昇温し、ヒドロキシエチルビニルエーテル25.3g、トリエチルアミン0.6gの混合液を1時間かけて等速滴下した。同温度で2時間反応を続けたあと、系内の温度を110℃に昇温し、さらに2時間反応を続けた。
その後、系内の温度を70℃に下げて、イソプロピルビニルエーテル13.2gを添加し、同温度で4時間反応を続け、混合物の酸価が5mgKOH/g以下になった時点で反応を終了した。放冷後、ロータリーエバポレーターで、未反応のイソプロピルビニルエーテルと溶媒(PMA)を留去することにより、淡黄色透明樹脂状のビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物(A−5)を得た。
[実施例1〜8]
表1に示す配合割合で、フラックス(F)に種々のはんだ粉末を混練してはんだペーストを調製し、得られたはんだペーストについて、ぬれ効力、広がり率、非ボイド性、経時安定性を調べた。結果を表1に示す。
[比較例1〜7]
実施例と同様にして、はんだペーストの評価を行った。配合組成および結果を表2に示す。
[試験方法]
実施例1〜8、比較例1〜7について得られたはんだペーストに対して、ぬれ効力、広がり率、非ボイド性、経時安定性について調べた。試験方法は以下の通りである。
1.[ぬれ効力]
JIS Z 3284の附属書10に準じた。
評価は、次のとおりであり、以下の1〜4の4段階の広がり度合いの区分表示に従った。
1;はんだペーストから溶解したはんだが試験板をぬらし、ペーストを塗布した面積以上に広がった状態、
2;はんだペーストを塗布した部分はすべて、はんだがぬれた状態、
3;はんだペーストを塗布した部分の大半は、はんだがぬれた状態(ディウエッティングも含まれる。)、
4;試験板ははんだがぬれた様子はなく、溶融したはんだは1つまたは複数のはんだボールとなった状態(ノンウエッティング)
2.[広がり率]
JIS Z 3197に準拠して、はんだペーストを用いた試験片のはんだ付けにおけるはんだの広がり率を測定した。試験片には、通常の銅板を使用した。
3.[非ボイド性]
QFP搭載用試験基板(ランドサイズ0.35×2.3mm、ピッチ間距離0.3mm)に上記で得られたはんだペーストを印刷し、QFP部品を載置後、エアーリフローによりはんだ付けを行い、これを試験片とした。この試験片について、X線装置(東芝ITコントロールシステム(株)製TOSMICRON−6090FP)によりその内部を観察し、発生したボイドの直径(最大値)とはんだ付けランド部の面積に対するボイドの面積比率を接合数100個について求めた。その平均値を表1に示す。なお、試験片作成時のリフロー条件は以下のとおりである。
・プレヒート:150〜160℃×100秒
・ピーク温度:220℃
・200℃以上温度(リフロー温度):30秒
4.[経時安定性]
はんだペースト製造後、5℃条件下で3ヶ月保存を行い、ぬれ効力、広がり率、非ボイド性の試験を行った。ぬれ効力、広がり率、非ボイド性の試験方法は、前記に示したのと同様の方法で行った。
Figure 2007245157
Figure 2007245157
実施例1〜8においては、本発明のはんだペーストを使用することにより、銅板に対するぬれ性も良好であることが明らかとなった。また、ぬれ効力試験の結果からも、ぬれ性が良好であることが確認された。非ボイド性に関しても、はんだ接合部のボイドの発生やボイドの大きさを抑制できることが明らかとなった。経時安定性に関しては、潜在化されたカルボキシル基を有する活性剤を使用したペースト(実施例1、2、4〜8)においては、5℃/3ヶ月でぬれ効力、広がり率、非ボイド性の低下は確認されなかった。
一方、本発明でないはんだペーストは、有機酸ビスマス塩が未添加である比較例1、4、5においては、銅板に対するぬれ性が悪く、ぬれ効力が良くないことが確認された。潜在化されていないカルボキシル化合物を配合している比較例4においては有機酸ビスマス塩を配合しても、ぬれ性の向上が持続しないことが確認された。比較例5においては、カルボキシル化合物量がフラックス中80%まで増加させているが、ぬれ効力の改善は確認できなかった。
ビスマス以外の有機酸金属化合物であるオクチル酸亜鉛、オクチル酸錫を配合している比較例2、3においても、銅板に対するぬれ性が悪く、ぬれ効力が良くないことが確認された。オクチル酸ビスマスをフラックス中に10%配合している比較例6においては、初期段階でのぬれ効力およびぬれ広がり率は良好であるものの、経時安定性に関しては、5℃/3ヶ月でぬれ効力、広がり率、非ボイド性の低下が確認され、有機酸ビスマス塩を過剰に添加すると経時劣化することが確認された。カルボキシル化合物と有機酸ビスマス塩が未添加である比較例7においては、銅板に対するぬれ性、ぬれ効力、経時安定性が良くないことが確認された。
比較例1〜5、7について、有機酸ビスマス塩を配合していない場合、非ボイド性の試験結果から、はんだ接合部に多量のボイドが発生しており、さらに、その大きさについても100〜130μmと大きなボイドであった。

Claims (1)

  1. 下記のフラックス(F)5〜20重量%と金属粉末(M)80〜95重量%からなるはんだペースト。
    (F)有機酸ビスマス塩0.05〜0.4重量%とビニルエーテル化合物によって潜在化されたカルボキシル化合物5〜99.6重量%を含有するフラックス
    (M)SnおよびZnを含む合金である金属粉末
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