JP6535010B2 - 好ましいアゾ含有量を有する複合ポリアミド皮膜 - Google Patents

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Description

本発明は概して、複合ポリアミド皮膜、ならびにそれらを作製及び使用するための方法を対象とする。
複合ポリアミド皮膜は、種々の流体分離において使用される。1つの一般的な分類の皮膜としては、「薄膜」ポリアミド層でコーティングされた多孔質支持体が含まれる。この薄膜層は、非混合性溶液から支持体上に順次コーティングされる、多官能性アミン(例えば、m−フェニレンジアミン)と多官能性ハロゲン化アシル(例えば、トリメソイルクロリド)モノマーとの間の界面重縮合反応により形成することができ、例えば、Cadotteに対する米国第4277344号を参照されたい。やはりCadotteに対する米国第4812270号及び米国第4888116号は、リン酸または亜硝酸を用いるかかる皮膜の後処理を記載する。(国際公開第2013/047398号、米国第2013/0256215号、米国第2013/0126419号、米国第2012/0305473号、米国第2012/0261332号、及び米国第2012/0248027号も参照されたい)。Mickolsに対する米国第6878278号は、重合前のそのモノマー混合物へのトリーヒドロカルビルホスフェート化合物の添加を記載する。ポリアミド皮膜の能力をさらに改善するモノマー、添加物、及び後処理の新しい組み合わせのための模索が継続されている。
本発明は、多孔質支持体と、熱分解ガスクロマトグラフィーにより測定されたときに、0.75%〜0.95%のアゾ(−N=N−)含有量を保有することを特徴とする薄膜ポリアミド層と、を備える、薄膜複合ポリアミド皮膜を含む。好ましい実施形態において、GS MSにより測定されたときに、650℃での熱分解に際して2.0%〜4.0%の比率の式(II)及び(III)により表される二量体を生成する、薄膜ポリアミド層。
Figure 0006535010
かかる皮膜に関する適用を含む多くの実施形態が記載される。
代表的な薄膜ポリアミド層に対応する温度(b)の関数としての代表的な薄膜ポリアミド層に関するMS応答(a)のプロット図である。
本発明は、特定の種類、構成、もしくは形状の複合皮膜、または用途に特に限定されるものではない。例えば、本発明は、正浸透(FO)、逆浸透(RO)、ナノ濾過(NF)、限外濾過(UF)、精密濾過(MF)、及び圧力遅滞流体分離を含む種々の用途に有用である平板、管状、及び中空繊維ポリアミド皮膜に適用可能である。しかし、本発明は、RO及びNF分離のために考案された皮膜にとって特に有用である。RO複合皮膜は、実質的に全ての溶解塩に対して相対的に不浸透性であり、典型的に、塩化ナトリウム等の一価イオンを有する塩の約95%超を阻止する。RO複合皮膜は典型的に、無機化合物、ならびにおよそ100ダルトン超の分子量を有する有機分子約95%超も阻止する。NF複合皮膜は、RO複合皮膜よりも浸透性があり、典型的に、一価イオンを有する塩の約95%未満を阻止するが、一方で、二価イオンを有する塩の約50%超(及びしばしば90%超)を阻止し、これは、二価イオンの種に依存する。NF複合皮膜は典型的に、ナノメートルの範囲である粒子、ならびにおよそ200超〜500ダルトン(AMU)の分子量を有する有機分子も阻止する。
複合ポリアミド皮膜の例は、不織布裏打ウェブ(例えば、PETスクリム)の底層(裏面)を備える平板複合皮膜と、典型的に約25〜125μmの厚みを有する多孔質支持体の中間層と、典型的に約1ミクロン未満、例えば0.01ミクロン〜1ミクロン、しかしより一般的には約0.01〜0.1μmの厚みを有する薄膜ポリアミド層を備える最上層(前側)と、を含む。多孔質支持体は典型的に、浸透の本質的に無制限である通過を可能にするのに十分なサイズであるが、その上に形成される薄膜ポリアミド層上の架橋と干渉するために十分には大きくはない細孔径を有するポリマー材料である。例えば、支持体の細孔径は、好ましくは約0.001〜0.5μmの範囲である。多孔質支持体の非限定的な例には、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びフッ化ポリビニリデン等の多様なハロゲン化ポリマーから作製されるようなものが含まれる。RO及びNFの用途に関して、多孔質支持体は、強度を提供するが、その相対的に高い多孔性に起因して流体の流れに対して殆ど耐性を提示しない。
その相対的な薄さに起因して、ポリアミド層は、例えば、多孔質支持体の平方メートル表面積当たり約2〜5000mg、及びより好ましくは約50〜500mg/mのポリアミドと、多孔質支持体上のそのコーティング被覆率または充填という点でしばしば記載される。ポリアミド層は好ましくは、米国第4277344号及び米国第6878278号に記載されるように、多孔質支持体の表面上で、多官能性アミンモノマーと多官能性ハロゲン化アシルモノマーとの間の界面重縮合反応により調製される。より具体的には、ポリアミド皮膜層は、多孔質支持体の少なくとも1つの表面上で、多官能性アミンモノマーを多官能性ハロゲン化アシルモノマー(各用語は、単一の種または複数の種の使用の両方を指すことが意図される)と界面重合することにより調製され得る。本明細書で使用される場合、用語「ポリアミド」は、アミド連鎖(−C(O)NH−)が分子鎖に沿って発生するポリマーを指す。多官能性アミン及び多官能性ハロゲン化アシルモノマーは最も一般的に、溶液からのコーティングステップの方式により多孔質支持体に適用され、多官能性アミンモノマーは典型的に、水性または極性溶液からコーティングされ、多官能性ハロゲン化アシルは、有機系または非極性溶液からコーティングされる。コーティングステップは特定の順番に従う必要はないが、多官能性アミンモノマーは好ましくは、多孔質支持体上に最初にコーティングされて、その後に多官能性ハロゲン化アシルが適用される。コーティングは、コーティング技術の中でも、噴霧すること、膜コーティングすること、圧延すること、または浸漬タンクを使用することにより達成し得る。過剰溶液は、空気ナイフ、乾燥機、オーブン等により支持体から除去され得る。
多官能性アミンモノマーは、少なくとも2つの一級アミン基を含み、芳香族(例えば、m−フェニレンジアミン(mPD)、p−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,3,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノアニソール、及びキシリレンジアミン)、または脂肪族(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、シクロヘキサン−1,3−ジアメイン、及びトリス(2−ジアミノエチル)アミン)であり得る。1つの特に好ましい多官能性アミンは、m−フェニレンジアミン(mPD)である。多官能性アミンモノマーは、極性溶液として多孔質支持体に適用され得る。極性溶液は、約0.1〜約10重量%、及びより好ましくは約1〜約6重量%の多官能性アミンモノマーを含有し得る。一組の実施形態において、極性溶液は、少なくとも2.5重量%(例えば、2.5〜6重量%)の多官能性アミンモノマーを含む。過剰溶液は、多孔質支持体上にコーティングされると除去され得る。
多官能性ハロゲン化アシルモノマーは、少なくとも2つのハロゲン化アシル基を含み、好ましくはカルボン酸官能基を含まず、非極性溶媒からコーティングされ得るが、多官能性ハロゲン化アシルは、(例えば、十分な蒸気圧を有する多官能性ハロゲン化アシルに関して)気相から代替的に送達され得る。多官能性ハロゲン化アシルは、特に限定されず、芳香族または脂環式多官能性ハロゲン化アシルは、それらの組み合わせと共に使用され得る。芳香族多官能性ハロゲン化アシルの非限定的な例には、トリメシンアシルクロリド、テレフタルアシルクロリド、イソフタルアシルクロリド、ビフェニルジカルボキシルアシルクロリド、及びナフタレンジカルボン酸ジクロリドが含まれる。脂環式多官能性ハロゲン化アシルの非限定的な例には、シクロプロパントリカルボキシルアシルクロリド、シクロブタンテトラカルボキシルアシルクロリド、シクロペンタントリカルボキシルアシルクロリド、シクロペンタンテトラカルボキシルアシルクロリド、シクロヘキサントリカルボキシルアシルクロリド、テトラヒドロフランテトラカルボキシルアシルクロリド、シクロペンタンジカルボキシルアシルクロリド、シクロブタンジカルボキシルアシルクロリド、シクロヘキサンジカルボキシルアシルクロリド、及びテトラヒドロフランジカルボキシルアシルクロリドが含まれる。1つの好ましい多官能性ハロゲン化アシルは、トリメソイルクロリド(TMC)である。多官能性ハロゲン化アシルは、約0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜3重量%の範囲で非極性溶媒中に溶解され得、継続的なコーティング作業の部分のときに送達され得る。多官能性アミンモノマーの濃度が3重量%未満である一組の実施形態において、多官能性ハロゲン化アシルは、0.3重量%未満である。好適な溶媒は、多官能性ハロゲン化アシルを溶解でき、水と非混合性であるものであり、例えば、パラフィン(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン)、イソパラフィン(例えば、ISOPAR(商標)L)、芳香族(例えば、Solvesso(商標)芳香族流体、Varsol(商標)非脱芳香族流体、ベンゼン、アルキル化ベンゼン(例えば、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン異性体、ジエチルベンゼン))、及びハロゲン化炭化水素(例えば、FREON(商標)シリーズ、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、及びトリクロロベンゼン)、またはそれらの混合物である。好ましい溶媒には、オゾン層に殆ど脅威を与えることがなく、特別な警戒をすることなく定型処理を行うために、引火点及び引火性という点で十分に安全であるものが含まれる。好ましい溶媒は、ISOPAR(商標)であり、Exxon Chemical Companyから入手可能である。非極性溶液は、共溶媒、相間移動剤、可溶化剤、錯化剤、及び酸掃去剤を含む追加の構成物を含み得、個々の添加物が複数の機能の役割を果たし得る。代表的な共溶媒には、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン−ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチルカルビトール(商標)、ラウリン酸メチル、及びアセトンが含まれる。代表的な酸掃去剤には、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)が含まれる。非極性溶液には、少量の水または他の極性添加物も含まれるが、好ましくは非極性溶液中でそれらの溶解限界未満の濃度である。
極性及び非極性溶液のうちの1つまたは両方は、式(I)により表されるトリーヒドロカルビルホスフェート化合物を追加で含む。
Figure 0006535010
式中、「P」は、亜リン酸であり、「O」は、酸素であり、かつR、R、及びRは独立して、水素、及び1〜10個の炭素原子を含むヒドロカルビル基から選択されるが、R、R、及びRのうちの1つ以下が水素であることを条件とする。R、R、及びRは好ましくは独立して、脂肪族及び芳香族基から選択される。適用可能な脂肪族基には、分岐及び非分岐の両方の種、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル等が含まれる。適用可能な環状基には、シクロペンチル及びシクロヘキシルが含まれる。適用可能な芳香族基には、フェニル及びナフチル基が含まれる。シクロ及び芳香族基は、脂肪族連結基、例えば、メチル、エチル等の方式により亜リン酸原子に連結され得る。前述の脂肪族及び芳香族基は、非置換または置換され得る(例えば、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシル、アミド、エーテル、スルホン、カルボニル、エステル、シアン化物、ニトリル、イソシアン酸塩、ウレタン、ベータ−ヒドロキシエステル等で置換される)が、3〜10個の炭素原子を有する非置換のアルキル基が好ましい。トリーヒドロカルビルホスフェート化合物の具体的な例には、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリフェニルホスフェート、プロピルビフェニルホスフェート、ジブチルフェニルホスフェート、ブチルジエチルホスフェート、ジブチル水素ホスフェート、ブチルヘプチル水素ホスフェート、及びブチルヘプチルヘキシルホスフェートが含まれる。選択される特定の化合物は、それが適用される溶液中で少なくとも部分的に可溶性でなくてはならない。かかる化合物の追加の例は、米国第6878278号、米国第6723241号、米国第6562266号、及び米国第6337018号に記載される。
この溶液は、非極性溶液中で組み合わされる場合、好ましくは0.001〜10重量%、及びより好ましくは0.01〜1重量%のトリーヒドロカルビルホスフェート化合物を含む。別の実施形態において、この非極性溶液は、1:5〜5:1、及びより好ましくは1:1〜3:1のモル(化学量論)比でトリーヒドロカルビルホスフェート化合物と多官能性ハロゲン化アシルモノマーとを含む。この溶液は、極性溶液中で組み合わされる場合、好ましくは0.001〜10重量%、及びより好ましくは0.1〜1重量%のトリーヒドロカルビルホスフェート化合物を含む。極性相に添加されるための好ましい種には、トリエチルホスフェートが含まれる。
多官能性ハロゲン化アシル及び多官能性アミンモノマーは、互いに接触させると、それらの表面界面で反応して、ポリアミド層または膜を形成する。ポリアミド「判別層」または「薄膜層」としてしばしば呼称されるこの層は、複合皮膜に溶質(例えば、塩)を溶媒(例えば、水性供給物)から分離するためのその主要手段を提供する。多官能性ハロゲン化アシル及び多官能性アミンモノマーの反応時間は、1秒未満であり得るが、接触時間は典型的に、約1〜60秒の範囲であり得る。過剰溶媒の除去は、本皮膜を水で洗い落とし、次いで、例えば約40℃〜約120℃の高温度で乾燥させることにより達成され得るが、周囲温度での空気乾燥が使用されてもよい。しかし、本発明の目的に関して、本皮膜は好ましくは、乾燥を可能とせず、単に水で浄化(例えば、浸漬)され、湿潤状態で任意に保管される。ポリアミド層は、形成されると亜硝酸に曝露される。種々の技術は、米国第4888116号に記載され、参照により本明細書に組み込まれる。亜硝酸は、ポリアミド判別層中に存在する残留一級アミン基と反応して、ジアゾニウム塩基を形成すると考えられる。これらのジアゾニウム塩基の少なくとも一部は、加水分解して、フェノール基またはジアゾ結合によるアゾ架橋を形成する。水溶液には、亜硝酸が含まれ得るが、それには好ましくは、原位置で亜硝酸、例えば酸溶液またはニトロシル硫酸溶液中で亜硝酸アルカリ金属を形成する試薬が含まれる。亜硝酸は、揮発性であり、分解されるため、それは好ましくは、ポリアミド判別層と接触する酸性溶液中での亜硝酸アルカリ金属の反応により形成される。概して、水溶液のpHが約7未満(好ましくは約5未満)である場合、亜硝酸アルカリ金属は、亜硝酸を遊離させるために反応するであろう。水溶液中で塩酸または硫酸と反応する亜硝酸ナトリウムは、亜硝酸の形成のために特に好ましい。水溶液は、湿潤剤または界面活性剤をさらに含み得る。水溶液中の亜硝酸の濃度は、好ましくは0.01〜1重量%である。概して、亜硝酸は、20℃よりも5℃でより可溶性があり、多少より高濃度な亜硝酸は、より低い温度で使用可能である。本皮膜が有害な影響を受けず、本溶液が安全に取り扱われ得る限り、より高濃度な亜硝酸を使用することが可能である。概して、約1/2(0.5)パーセントより高い亜硝酸の濃度は、これらの溶液を取り扱うのが困難であるため、好ましくない。好ましくは、亜硝酸は、雰囲気圧におけるその限界可溶性のため、約0.1重量%以下の濃度で存在する。本皮膜が接触する温度は、広範囲にわたって変化し得る。亜硝酸が特に安定しない限り、概して、約0℃〜約30℃の範囲の接触温度を使用することが望ましく、0℃〜約20℃の範囲の温度が、好ましい。この範囲より高い温度は、処理溶液の上での換気または超雰囲気圧の必要性を高め得る。好ましい範囲未満の温度は概して、低減された反応及び拡散速度をもたらす。
亜硝酸が本皮膜中に拡散すると、亜硝酸と一級アミン基との反応が、比較的早く発生する。拡散及び所望の反応を発生させるために必要とされる時間は、亜硝酸の濃度、本皮膜の任意の予備湿潤、存在する一級アミン基の濃度、及び接触が発生する温度に依存することになる。接触時間は、数分から数日まで変化し得る。最適反応時間は、特定の皮膜及び処理に関して経験的に容易に決定され得る。
1つの好ましい適用技術は、継続的な流出で亜硝酸水溶液を本皮膜の表面上に行き渡らせることを伴う。このことは、比較的低濃度の亜硝酸の使用を可能にする。亜硝酸が処理媒体から枯渇する場合、それは、補充され得、媒体は、追加の処理のために本皮膜表面に再生利用され得る。バッチ処理も使用可能である。水性亜硝酸を適用するための特定の技術は、特に限定されず、他の適用技術の中でも、噴霧すること、膜コーティングすること、圧延すること、または浸漬タンクを使用することが含まれる。本皮膜は、処理されると水で洗浄され、使用前には湿潤または乾燥で保管され得る。RO及びNFの適用に関して、亜硝酸で処理された皮膜は、25℃及び70psiでNaCl水溶液(250ppm)を使用して試験されるとき、好ましくは少なくとも2%のNaCl阻止を有する。
亜硝酸を用いたポリアミドの処理を例示する代表的な反応スキームは、以下に提供される。
Figure 0006535010
本皮膜の薄膜ポリアミド層は、好ましくは0.50%〜2.00%、0.75%〜0.95%、より好ましくは0.80%〜0.90%のアゾ含有量を有し、用語「アゾ含有量」は、−N=N−基により結合される2つの芳香族化合物から得られるジアゾニウム結合(ジアゾ結合及びアゾ結合)の量を指す。亜硝酸またはより強い鉱酸を用いた芳香族アミンの処理により生成されるジアゾニウムカチオンは、求電子剤としての求電子性芳香族置換反応に関与し得る。求電子性反応中心は、アニリンまたはフェノールとの結合反応において、−N=N基の末端窒素である。結果として、2つの芳香族化合物は、−N=N−基により結合される。得られた反応は、ジアゾニウム結合と呼ばれ、代表的な反応スキームが上で例示される。熱分解ガスクロマトグラフィーが、薄膜ポリアミド層のアゾ含有量の測定のための好ましい技術である。例として、薄膜ポリアミド層のアゾ含有量は、熱伝導度検出器(TCD)に接続された、Agilentの30m×0.32mm、10μmのMolsieve 5Åプロットを有する、Agilent 6890GCに装着されたFrontier Lab 2020iD熱分解装置を使用することにより決定され得る。重クロム酸アンモニウム(NHCr)を、600℃での熱劣化で1モルのNを生成する校正標準として使用する。標準校正溶液は、10mLの水中におよそ10mgのNHCrを溶解することにより作製される。校正溶液を作製するために、2、3、4、及び5μLの標準溶液を、試料カップ中に堆積させ、線形最小二乗手順を使用して応答係数を発展させる。標準溶液の熱分解を600℃で6秒間行う。複合ポリアミド皮膜の裏打及びポリスルホン層を除去(層剥離)し、得られた皮膜を200μgの範囲で試料カップ中に計量投入し、単一の発射様式を使用して、550℃で6秒間熱分解する。試料重量を使用して、皮膜中のアゾ(−N=N−)連鎖の重量パーセントに対応する、皮膜から放出されるNの重量パーセントを決定した。ガスクロマトグラフィー条件に関して、カラムは、280℃で30:1の分割比を有する注水器を用いて、ヘリウムの1.8mL/分の一定の流れに維持される。オーブンを、1分間38℃から、毎分25℃で38〜200℃までプログラムする。TCDを、14mL/分の基準の流れ及び7mL/分の組み合わされた流れで150℃に維持する。この方法は、実施例の段落に記載される試料のアゾ含有量を決定するために使用された。
好ましい実施形態において、薄膜ポリアミド層は、ラザフォード後方散乱(RBS)測定技術により測定されたときに、pH9.5での0.18、0.16、0.10、または0.09モル/kg(ポリアミド)未満の解離カルボン酸塩含有量(COOHモル/kg)を有することを特徴とする。より具体的には、試料皮膜(1インチ×6インチ)を脱イオン水(800mL)中で30分間沸騰し、次いで、50/50w/wのメタノール及び水(800mL)の溶液中に配置し、一晩浸す。次に、これらの皮膜の1インチ×1インチサイズの試料を、pHを9.5に調整した20mLの1×10−4M AgNO溶液中に30分間漬ける。銀イオンを含有する容器をテープに包み、光曝露を制限する。銀イオン溶液で浸した後、非結合銀を、2つのきれいな20mLの一定分量の乾燥メタノール中に皮膜を各5分間浸すことにより除去する。最後に、皮膜を窒素雰囲気中で最低30分間乾燥させる。皮膜試料を熱伝導性及び導電性両面テープ上に装着し、同様に吸熱器としての役割を果たすシリコンウェーハに装着する。このテープは好ましくは、Chromerics Thermattach T410または3M銅テープである。RBS測定を、ファンデグラフ加速器(High Voltage Engineering Corp.,Burlington,MA)を用いて取得する:22.5°の入射角、52.5°の出射角、150°の散乱角、及び40ナノアンプ(nAmp)のビーム電流でビーム径3mmの2MeV He室温ビーム。皮膜試料は、測定中、連続して移動する可動式試料台の上に装着される。この移動により、イオン流量が3×1014He/cm下に留まることが可能になる。RBSから取得されたスペクトルの分析は、市販されるシミュレーションプログラムであるSIMNRA(登録商標)を使用して行われる。RO/NF皮膜のRBS分析から元素組成を引き出すためのその使用説明は、Coronell等J.of Membrane Sci. 2006,282,71−81及びEnvironmental Science & Technology 2008,42(14),5260−5266により記載される。データは、薄いポリアミド層の下に厚いポリスルホン層がある2層システムに適合させるためにSIMNRA(登録商標)シミュレーションプログラムを使用して取得することができ、同じアプローチを使用して、3層システム(ポリスルホン、ポリアミド、及び表面コーティング)に適合させることができる。この2層(ポリアミド層を添加する前のポリスルホン及び最終TFCポリアミド層の表面)の原子分率組成は、最初にXPSによって測定され、適合値の範囲を与える。XPSは水素を測定できないので、ポリマーの分子式から提案されるH/C比が使用され、ポリスルホンの0.667及び0.60〜0.67の範囲が、ポリアミドに関して使用された。硝酸銀で滴定されたポリアミドは少量の銀を導入するだけだが、銀の散乱断面積は他の低原子番号元素(C、H、N、O、S)よりも実質的に高く、かつ非常に低い濃度で存在している、したがって良好な感度を提供するにもかかわらずピークのサイズは他と不釣り合いに大きい。銀の濃度は、SIMNRA(登録商標)で2層モデリングのアプローチを使用して、ポリアミド層(層2、XPSを使用して事前に決定した範囲)の狭い範囲の組成を維持しながら、ポリスルホンの組成を固定し、銀ピーク値を適合することによって決定される。シミュレーションから、ポリアミド層中の元素(炭素、水素、窒素、酸素、及び銀)に関するモル濃度が決定される。銀濃度は、試験条件のpHで銀を結合するのに利用可能なカルボン酸塩のモル濃度を直接に反映する。皮膜の単位面積当たりのカルボン酸基のモルは、本皮膜を通過する種により見られる相互作用の数を示し、したがって、より大きい数は、塩の通過に有利に影響を与える。この値は、測定されたカルボン酸塩含有量を、測定された厚み及びポリアミドの密度で乗算されることにより算出され得る。あるいは、皮膜(モル/m)の単位面積当たりのカルボン酸塩数は、既知の面積内での全複合金属を測定する方法によって、より直接的に決定され得る。酢酸ウラニル及びトルイジンブルーO色素剤の両方を使用するアプローチは、Tiraferri,et.al.,Journal of Membrane Science,2012,389,499−508に記載される。ポリマー灰化により皮膜中の複合カチオン(ナトリウムまたはカリウム)含有量を決定するためのアプローチは、(Wei Xie,et al.,Polymer,Volume 53,Issue 7,22 March 2012,Pages 1581−1592)に記載される。
薄膜ポリアミド皮膜に関して、膜の単位面積当たりのpH9.5での解離カルボン酸塩含有量を決定するための好ましい方法は、以下の通りである。皮膜試料は、脱イオン水中で30分間沸騰され、次いで、50重量%のメタノール水溶液中に配置されて、一晩浸される。次に、この皮膜試料は、NaOHでpHを9.5に調整した1×10−4M AgNO溶液中に30分間浸けられる。銀イオン溶液中に浸した後、非結合銀は、乾燥メタノール中に本皮膜を30分間、2回浸すことによって除去される。ICPによる測定のため、単位面積当たりの銀の量は好ましくは、Weiによる記述のように灰化により、及び再溶解により決定される。この方法は、実施例の段落に記載される試料の解離カルボン酸塩含有量を決定するために使用された。
別の好ましい実施形態において、650℃での薄膜ポリアミド層の熱分解は、1.80%以上の212m/z及び237m/zで生成される断片に対する水素炎イオン化検出器からの応答の比率をもたらす(即ち、212m/zで生成される二量体の237m/zで生成される二量体に対する比率。212及び237m/zで生成される断片はそれぞれ、式(II)及び(III)により表される。
Figure 0006535010
断片の比率(式II:式III)は、改善された流束を提供するポリマー構造を示すと考えられ、図1に関しては、研究は、212m/zでの二量体断片が、500℃未満の熱分解温度の間で優勢に形を成すが、一方、237m/zでの二量体断片は、500℃を超す熱分解温度で優勢に形を成すことを示している。これは、二量体断片212が、わずか単一の結合開裂が優勢である端基に源を発し、二量体断片237が、複数の結合開裂及び還元が発生する集合材料に実質的に源を発することを示す。したがって、212m/zでの二量体断片の237m/zでの二量体断片に対する比は、相対的変換の測定として使用され得る。言い換えると、より大きい二量体比(212m/z:237m/z)は、搬送するためのより少ない形態学的バリア、つまり、より大きな流束を提供することが理論化されるより少ない分岐ネットワーク構造を示す。好ましい熱分解方法を、Frontier Lab製造条件に従ってAgilent6890GCに装着されたFrontier Lab2020iD熱分解装置を使用して実行した。ピーク面積検出を、水素炎イオン化検出器(FID)を使用して作製した。皮膜試料を、0.001mgまで測定することができるMettler E20微量天秤を使用して、Frontier Labsのシリカのラインを引いたステンレス鋼カップ中に計量投入した。試料重量の標的は、200μg+/−50μgであった。熱分解を、試料カップを650℃に設定されたオーブン中に落とすことにより、単一の発射様式で6秒間実行した。分離を、Varian(FactorFour VF−5MS CP8946)の1μmの5%フェニルメチルシリコーン内相カラムで30M×0.25mmの注入量を使用して行った。ガスクロマトグラフ条件は、以下のとおりであった:30M×0.25mm、1μmの5%ジメチルポリシロキサン相を有するAgilent 6890 GC(SN:CN10605069)(Varian FactorFour VF−5MS CP8946)。注入ポート320℃、検出器ポート:320℃、50:1の分割注水器流量比、GCオーブン条件:毎分5℃での40℃〜110℃、20℃/分での110℃〜320℃、10分間で320℃;8.0psiの背圧を提供する0.6mL/分(17cm/秒)の一定の流れのヘリウム担体ガス。検出器ガス流:40mL/分でのH2、400mL/分での空気、30mL/分でのHeの構成。断片212m/z及び断片237m/zのFIDピーク面積は、試料重量に正規化される。正規化されたピーク面積は、断片212m/zの237m/zに対する比率を決定するために使用される。さらに、断片212m/zの正規化するピーク面積は、ポリアミドに対して相対的であるm/z212断片の分率を提供する全ての他の断片に対して正規化されたピーク面積の合計で除算され、一般的には、100を乗算することによりパーセント組成として記載される。この方法は、実施例の段落で試料に関して報告された二量体含有量を決定するために使用された。好ましくは、この値は、1.80%、2.0%、2.5%、2.6%、3.0%、3.10%、3.2%、3.25%、4%以上、及び5%未満である。また、好ましくは、薄膜ポリアミド層が、GS MSにより測定されたときに、650℃での熱分解に際して2.0%〜4.0%の比率の式II及びIIIにより表される二量体を生成する。
本発明の別の実施形態において、薄膜ポリアミド層は好ましくは、ATR IRにより決定されるときに、0.13、0.10、0.09、または0.08以下のカルボン酸官能基のアミド基に対する比率(−COOH:(−C(O)NH−))を有する。この比率を決定するための好ましい方法は、ポリアミド層を最初に裏打板から層剥離することにより、多孔質支持体から最初に離すことによって実行される。次いで、層剥離された皮膜は、多孔質支持体を溶解するのに好適な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)中に漬けられる。多孔質支持体を溶解した後、不溶性ポリアミドは、濾過により収集され、2回ジメチルホルムアミドで、2回DI水で、及び2回メタノールで洗浄され、次いで、50℃で20時間、真空オーブン内で乾燥される。層剥離されたポリアミド層の赤外線スペクトルは、Perkin Elmer Spectrum One FT−IR及びUniversal ATR Sampling Accessoryを用いて4cm−1の公称解像度及び16走査(およそ90秒の取得時間)で取得することができる。Universal ATR Sampling Accessoryは好ましくは、1回反射ダイヤモンド/ZnSe結晶を備え付けられる。カルボン酸ピーク高を、1765cm−1で単一のポイント標準線を有する1706cm−1で測定した。アミドピーク高を、1765cm−1で単一のポイント標準線を有する1656cm−1で測定した。この方法は、実施例の段落に記載される試料を分析するために使用された。
好ましい実施形態において、本発明のポリアミド層は、実施例の段落で試験される層を制御する著しくより低いCOOH/アミド比を保有し、これは、この重合が、対照皮膜の重合よりも完成したことを示唆する。得られた構造は、以下に記載されるジアゾ反応を促進することが期待されるより大きな角度の「開放性」または可撓性を有するように見える。
薄膜ポリアミド層は、その表面の少なくとも一部に吸湿性ポリマーを任意に含む。かかるポリマーには、米国第6280853号、米国第7815987号、米国第7918349号、及び米国第7905361号に概して記載されるような、ポリマー界面活性剤、ポリアクリル酸、ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレンオキシド化合物、ポリ(オキサゾリン)化合物、ポリアクリルアミド、及び関連する反応生成物が含まれる。いくつかの実施形態において、かかるポリマーは、ブレンドされ得かつ/または反応され得、コーティングされ得るか、さもなければ共通溶液からポリアミド皮膜に適用され得るかまたは順次適用され得る。
本発明の多くの実施形態が記載され、いくつかの場合において、ある実施形態、選択、範囲、構成物、または他の特徴は、「好ましい」ことを特徴としている。「好ましい」特徴を特徴とすることが、かかる特徴を本発明に必要とされる、必須である、または重大であると解釈されるべきではない。
実施例1:試験規模皮膜製造ラインを使用して、試料皮膜を調製した。ポリスルホン支持体を、ジメチルホルムアミド(DMF)中の16.5重量%溶液から鋳造し、その後、メタ−フェニレンジアミン(mPD)水溶液中に浸した。次いで、非極性コーティング溶液の薄くて均一な層を適用しながら、得られた支持体を一定速度で反応テーブルに引き出した。非極性コーティング溶液には、イソパラフィン系溶媒(ISOPAR L)及びトリメソイル酸クロリド(TMC)が含まれた。選択された試料中で、非極性コーティング溶液には、トリブチルホスフェート(TBP)がさらに含まれたが、TMCと1:1.5の化学量論比を条件とした。過剰非極性溶液を除去し、水浄化タンク及び乾燥オーブンに得られた複合皮膜を通過させた。モノマー含有量は、表1に要約される。試料調製の要約は、表2に要約される。次いで、試料皮膜板を、(i)試験まで脱イオン水中で保管しておくか、または(ii)0.05%w/vのNaNO及び0.1w/v%のHClを組み合わせることにより調製された5〜15℃の溶液中におよそ15分間浸すことにより「後処理」するかして、その後、浄化し、試験まで室温の脱イオン水中で保管した。室温、pH8、及び150psiで2000ppmのNaCl溶液を使用して、試験を実行した。平均流束は、GFDで表される。表3に要約される試験結果により示されるように、トリーヒドロカルビル化合物を使用して生成された試料の後処理は、比較可能な後処理された対照皮膜を上回る流束における予想外の改善を有した。
Figure 0006535010
Figure 0006535010
Figure 0006535010
実施例2:複合ポリアミド皮膜をトリーヒドロカルビル化合物と調製し、亜硝酸を用いて後処理をする相乗的影響をさらに例示するために、水相中で増量するトリエチルホスフェート(TEP)を使用して一連の皮膜を調製した。極性相中のmPD含有量を3.5重量%に固定し、非極性相中のTMC含有量を0.26重量%に固定した。実施例1及び2に記載されるのと同じ様式で後処理及び試験にかけられた試料。表4に要約される試験結果により示されるように、トリーヒドロカルビル化合物を使用して生成された試料の後処理は、比較可能な後処理されたトリーヒドロカルビル化合物を含まない皮膜を上回る流束における予想外の改善を有した。
Figure 0006535010
亜硝酸を用いて後処理にかけられた試料は、アステリスク(*)で示される。
本開示は以下の態様も包含する。
[1] 多孔質支持体と、熱分解ガスクロマトグラフィーにより測定されたときに、0.75%〜0.95%のアゾ(−N=N−)含有量を保有することを特徴とする薄膜ポリアミド層と、を備える、薄膜複合ポリアミド皮膜。
[2] 前記薄膜ポリアミド層が、0.80%〜0.90%のアゾ含有量を保有することをさらに特徴とする、上記態様1に記載の前記皮膜。
[3] 前記薄膜ポリアミド層が、GS MSにより測定されたときに、650℃での熱分解に際して2.0%〜4.0%の比率の式II及びIIIにより表される二量体を生成することをさらに特徴とする、上記態様1または2に記載の前記皮膜。
Figure 0006535010
[4] 前記薄膜ポリアミド層が、2.4%〜4.0%の比率前記二量体を生成することをさらに特徴とする、上記態様3に記載の前記皮膜。
[5] 前記薄膜ポリアミド層が、3.0%〜4.0%の比率前記二量体を生成することをさらに特徴とする、上記態様3に記載の前記皮膜。
[6] 前記薄膜ポリアミド層が、pH9.5でのRBSにより測定されたときに、0.18mol/kg未満の解離カルボン酸塩含有量を保有することをさらに特徴とする、上記態様1〜5のいずれかに記載の前記皮膜。
[7] 前記薄膜ポリアミド層が、pH9.5でのRBSにより測定されたときに、0.09mol/kg未満の解離カルボン酸塩含有量を保有することをさらに特徴とする、上記態様1〜6のいずれかに記載の前記皮膜。
[8] 前記薄膜ポリアミド層が、ATR IRにより測定されたときに、0.10以下のCOOH/アミド比を保有することをさらに特徴とする、上記態様1〜7のいずれかに記載の前記皮膜。
[9] 前記薄膜ポリアミド層が、ATR IRにより測定されたときに、0.13以下のCOOH/アミド比を保有することをさらに特徴とする、上記態様1〜8のいずれかに記載の前記皮膜。
[10] 前記薄膜ポリアミド層が、
i)2.0%〜4.0%の二量体比と、
ii)0.09mol/kg未満の解離カルボン酸塩含有量と、
iii)0.10以下のCOOH/アミド比と、を保有することをさらに特徴とする、上記態様1〜9のいずれかに記載の前記皮膜。

Claims (10)

  1. 多孔質支持体と、薄膜ポリアミド層とを備える、薄膜複合ポリアミド皮膜であって、前記薄膜ポリアミド層が、校正標準として重クロム酸アンモニウムを使用し、前記ポリアミド層を550℃で6秒間熱分解する熱分解ガスクロマトグラフィーにより測定されたときに、0.75重量%〜0.95重量%のアゾ(−N=N−)含有量を保有することを特徴とし、前記アゾ含有量が、アゾ(−N=N−)基により結合される2つの芳香族化合物から得られるジアゾニウム結合及びアゾ結合の量を指し、
    前記薄膜ポリアミド層が、GS MSにより測定されたときに、650℃での熱分解に際して2.0%以上5%未満の比率の式II及びIIIにより表される二量体を生成することをさらに特徴とする、前記皮膜。
    Figure 0006535010
  2. 前記薄膜ポリアミド層が、0.80重量%〜0.90重量%のアゾ含有量を保有することをさらに特徴とする、請求項1に記載の前記皮膜。
  3. 前記薄膜ポリアミド層が、2.0%〜4.0%の比率の前記二量体を生成することをさらに特徴とする、請求項1に記載の前記皮膜。
  4. 前記薄膜ポリアミド層が、2.4%〜4.0%の比率前記二量体を生成することをさらに特徴とする、請求項1に記載の前記皮膜。
  5. 前記薄膜ポリアミド層が、3.0%〜4.0%の比率前記二量体を生成することをさらに特徴とする、請求項1に記載の前記皮膜。
  6. 前記薄膜ポリアミド層が、pH9.5でのRBSにより測定されたときに、0.18mol/kg未満の解離カルボン酸塩含有量を保有することをさらに特徴とする、請求項1に記載の前記皮膜。
  7. 前記薄膜ポリアミド層が、pH9.5でのRBSにより測定されたときに、0.09mol/kg未満の解離カルボン酸塩含有量を保有することをさらに特徴とする、請求項1に記載の前記皮膜。
  8. 前記薄膜ポリアミド層が、ATR IRにより測定され、カルボン酸ピーク高が1765cm -1 で単一のポイント標準線を有する1706cm -1 で測定され、アミドピーク高が1765cm -1 で単一のポイント標準線を有する1656cm -1 で測定されたときに、0.10以下のCOOH/アミド比を保有することをさらに特徴とする、請求項1に記載の前記皮膜。
  9. 前記薄膜ポリアミド層が、ATR IRにより測定され、カルボン酸ピーク高が1765cm -1 で単一のポイント標準線を有する1706cm -1 で測定され、アミドピーク高が1765cm -1 で単一のポイント標準線を有する1656cm -1 で測定されたときに、0.13以下のCOOH/アミド比を保有することをさらに特徴とする、請求項1に記載の前記皮膜。
  10. 前記薄膜ポリアミド層が、ATR IRにより測定され、カルボン酸ピーク高が1765cm -1 で単一のポイント標準線を有する1706cm -1 で測定され、アミドピーク高が1765cm -1 で単一のポイント標準線を有する1656cm -1 で測定されたときに、
    i)2.0%〜4.0%の二量体比と、
    ii)0.09mol/kg未満の解離カルボン酸塩含有量と、
    iii)0.10以下のCOOH/アミド比と、を保有することをさらに特徴とする、請求項1に記載の前記皮膜。
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