JP6534370B2 - ピン端子及びコネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタハウジングにおける端子挿入孔に圧入されるピン端子と、そのようなピン端子を備えたコネクタと、に関するものである。
従来、コネクタに用いられるピン端子として、設備面でコストが嵩みがちなインサート成形に比べて比較的安価に取付け可能なものとして、コネクタハウジングの端子挿入孔に圧入されるピン端子が知られている(例えば、特許文献1又は特許文献2参照。)。
特許文献1に記載のピン端子は、基板用コネクタに用いられるもので、特許文献2に記載のピン端子は、トランスミッション内外の電気的な接続のための中継コネクタに用いられるものである。特許文献2の例では、トランスミッションからのオイル漏れ防止のために中継コネクタに高いシール性が求められ、ピン端子の圧入後にコネクタハウジングにシール部材が充填されて端子挿入孔が塞がれる。
特開2011−198594号公報 特開2000−133371号公報
ところで、樹脂製のコネクタハウジングにおける端子挿入孔への金属製のピン端子の圧入抵抗を抑えて圧入の際に生じる樹脂の削りくずの発生を抑えるために、端子挿入孔が、ピン端子の外周面の一部との間に間隙が開くように形成されることがある。この場合、特許文献2の例のようにコネクタハウジングにシール部材が充填されるときに、硬化前のシール部材が上記の間隙から漏れる場合がある。このように漏れたシール材がピン端子における、相手側端子との接続箇所に付着すると電気的な接続性能の低下を招く恐れがあり、また、シール材の漏れにより端子挿入孔におけるシール性能の低下を招く恐れもある。
従って、本発明は、上記のような課題に着目し、コネクタハウジングへのシール部材充填時における端子挿入孔からのシール部材の漏れが抑えられるピン端子と、そのようなピン端子を備えたコネクタと、を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のピン端子は、コネクタハウジングにおける端子挿入孔に圧入口から圧入されるピン端子であって、予めメッキ処理が施された金属線材から切り出され、前記端子挿入孔への圧入時には、圧入方向と交差する第1方向のみについて前記端子挿入孔の内壁面との間に間隙が開いた状態で当該端子挿入孔を貫通する端子本体と、前記端子本体の中途から、前記圧入方向及び前記第1方向の双方と交差する第2方向に突出して、前記圧入時に前記内壁面に食い込む食込み部と、前記端子本体における、前記圧入方向について前記食込み部よりも後方側で、前記第1方向について、前記端子本体の他の位置の幅よりも幅広に形成されるとともに、前記第2方向について、前記端子本体の他の位置の幅よりも幅狭に形成されて、前記圧入時に前記圧入口において前記間隙の少なくとも一部を塞ぐ閉塞部と、を備えたことを特徴としている。
また、上記課題を解決するために、本発明のもう一つのピン端子は、コネクタハウジングにおける端子挿入孔に圧入口から圧入されるピン端子であって、予めメッキ処理が施された金属線材から切り出され、前記端子挿入孔への圧入時には、圧入方向と交差する第1方向のみについて前記端子挿入孔の内壁面との間に間隙が開いた状態で当該端子挿入孔を貫通する端子本体と、前記端子本体の中途から、前記圧入方向及び前記第1方向の双方と交差する第2方向に突出して、前記圧入時に前記内壁面に食い込む食込み部と、前記端子本体における、前記圧入方向について前記食込み部よりも後方側で、前記第1方向について、前記端子本体の他の位置の幅よりも幅広に形成されて、前記圧入時に前記圧入口において前記間隙の少なくとも一部を塞ぐ閉塞部と、を備え、前記圧入口が、前記圧入方向へと前記第1方向の間隔が狭まるテーパ形状を有し、前記閉塞部における前記圧入方向の前方側が、前記圧入口の前記テーパ形状に嵌合するテーパ形状を有し、前記閉塞部における前記圧入方向の後方側が、前記端子挿入孔の外側にあることを特徴としている。
本発明のピン端子は、食込み部の端子挿入孔の内壁面への食い込みにより、端子挿入孔に良好に圧入保持される。このとき、端子挿入孔の内壁面と端子本体との第1方向についての間隙により、圧入時の削りくずの発生が抑えられる。そして、本発明のピン端子によれば、圧入時には、端子挿入孔の圧入口において前記間隙の少なくとも一部が閉塞部によって塞がれる。これにより、コネクタハウジングへのシール部材充填時における端子挿入孔からのシール部材の漏れを抑えることができる。
ここで、本発明のピン端子において、前記圧入口が、前記圧入方向へと前記第1方向の間隔が狭まるテーパ形状を有し、前記閉塞部における前記圧入方向の前方側が、前記圧入口の前記テーパ形状に嵌合するテーパ形状を有することが好適である。
この好適なピン端子によれば、端子挿入孔の圧入口が、そのテーパ形状の深さ分に亘って閉塞部によって塞がれるので、シール部材の漏れを一層抑えることができる。また、この好適なピン端子によれば、端子挿入孔の圧入口のテーパ形状に嵌合する閉塞部のテーパ形状により、圧入時に、端子挿入孔に対してピン端子の傾き等を抑えて高精度で位置決めすることができる。
また、本発明のピン端子は、前記端子挿入孔が角孔であり、前記端子本体が、前記金属線材としての角線材から切り出された角柱形状を有し、前記圧入時には、その四周面のうち一対の平行面に直交する幅方向を前記第1方向として、当該第1方向について、前記内壁面のうち前記一対の平行面それぞれに対向する対向面との間に前記間隙が開いた状態で前記端子挿入孔を貫通し、前記食込み部が、前記四周面のうち前記一対の平行面以外の他の一対の平行面に直交する幅方向を前記第2方向として突出し、前記内壁面のうち当該他の一対の平行面それぞれに対向する対向面に食い込み、前記閉塞部が、当該第1方向について前記端子本体の他の位置の幅よりも幅広に形成されていることも好適である。
この好適なピン端子では、端子挿入孔の形状と端子本体の形状とが互いに対応した形状となっている。そして、食込み部が、上記の他の一対の平行面それぞれに対向する対向面に食い込むことから、当該対向面に食込み部が略垂直に食込み、圧入されたときのピン端子の保持強度を高めることができる。また、閉塞部が、互いに対向する平面間の間隙を、その対向方向に沿った第1方向について幅広に形成されて塞ぐことから、例えば曲面間の間隙を塞ぐ場合等と比較して間隙を広範囲に亘って塞ぐことができ、シール部材の漏れを一層抑えることができる。
また、本発明のピン端子において、前記食込み部が、前記圧入方向に複数配列して形成されていることが好適である。
この好適なピン端子によれば、複数の食込み部により、端子挿入孔に高い強度で一層良好に圧入保持される。また、この好適なピン端子によれば、複数の食込み部が圧入方向に配列されているので、端子挿入孔に対してピン端子の傾き等を抑えて圧入することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明のコネクタは、端子挿入孔が設けられたコネクタハウジングと、前記端子挿入孔に圧入されたピン端子と、を備えたコネクタであって、前記ピン端子が、上述した本発明のピン端子であることを特徴としている。
本発明のコネクタによれば、上述した本発明のピン端子を備えているので、コネクタハウジングへのシール部材充填時における端子挿入孔からのシール部材の漏れを抑えることができる。
本発明によれば、コネクタハウジングへのシール部材充填時における端子挿入孔からのシール部材の漏れを抑えることができる。
本発明の一実施形態にかかるコネクタを示す外観斜視図である。 図1に示されているコネクタの内部構造を、相手側コネクタとの接続方向に沿った断面で示す図である。 図1及び図2に示されているピン端子を示す斜視図である。 コネクタにおける図2中のA−A断面を示す図である。 図1〜図4に示されているピン端子及びコネクタに対する第1比較例を、図4と同様の断面図で示す図である。 図1〜図4に示されているピン端子及びコネクタに対する第2比較例を、図4と同様の断面図で示す図である。
以下、本発明のピン端子及びコネクタの一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるコネクタを示す外観斜視図である。図2は、図1に示されているコネクタの内部構造を、相手側コネクタとの接続方向に沿った断面で示す図である。
図1及び図2に示されているコネクタ1は、トランスミッション内外の電気的な接続のための中継コネクタである。このコネクタ1は、複数の端子挿入孔15が設けられたコネクタハウジング10と、各端子挿入孔15に1本ずつ圧入された複数本のピン端子20と、を備えている。
コネクタハウジング10は、樹脂製で略円筒状に形成され、その外周面の軸方向の中途には、シール用のOリング11が嵌め込まれている。コネクタハウジング10の内部は、軸方向の中途で隔離壁12によって第1嵌合凹部13と第2嵌合凹部14とに区画されている。第1嵌合凹部13及び第2嵌合凹部14のそれぞれに不図示の相手側コネクタが進入、嵌合する。隔離壁12には、複数の端子挿入孔15が軸方向に貫通して設けられている。そして、各端子挿入孔15にピン端子20が、第1嵌合凹部13から第2嵌合凹部14へと向かう圧入方向D1に1本ずつ圧入される。また、ピン端子20の圧入後は、隔離壁12の第1嵌合凹部13側の面を覆うようにシール部材16が充填されて端子挿入孔15が塞がれる。これにより、中継コネクタとしてのコネクタ1に高いシール性が付与される。シール部材16は、熱硬化性の樹脂が用いられ、未硬化状態で充填され、硬化される。
図3は、図1及び図2に示されているピン端子を示す斜視図である。また、図4は、コネクタにおける図2中のA−A断面を示す図である。
ピン端子20は、長尺の端子本体21と、その中途に設けられた食込み部22と、圧入方向D1について食込み部23よりも後方側に設けられた閉塞部23と、を備えている。
端子本体21は、予めメッキ処理が施された金属線材から切り出され、両端それぞれが先細り状に加工されたものである。ピン端子20の端子挿入孔15への圧入時には、圧入方向D1と交差する第1方向D2について、図2中に拡大図で示されているように、端子挿入孔15の内壁面との間に間隙S1が開いた状態で端子本体21が端子挿入孔15を貫通する。この間隙S1は、樹脂製のコネクタハウジング10における端子挿入孔15への金属製のピン端子20の圧入抵抗を抑えて圧入の際に生じる樹脂の削りくずの発生を抑える役割を果たす。
ここで、図4中に拡大図で示されているように、端子挿入孔15は角孔となっている。他方、端子本体21は、金属線材としての角線材から切り出された角柱形状を有している。ピン端子20の圧入時には、端子本体21は、その四周面のうち図中上下に位置する一対の平行面211に直交する幅方向を第1方向D2として端子挿入孔15を貫通する。そして、当該第1方向D2について、端子挿入孔15の内壁面のうち上記の一対の平行面211それぞれに対向する対向面151との間に間隙S1が開いた状態となる。一方で、それら一対の平行面211以外の他の一対の平行面212は、端子挿入孔15の内壁面のうち他の一対の平行面212それぞれに対向する対向面152と略接した状態となる。
食込み部22は、端子本体21の中途から、圧入方向D1及び第1方向D2の双方と交差する第2方向D3に突出して、ピン端子20の圧入時には、端子挿入孔15の内壁面に食い込む。食込み部22は、端子本体21の四周面のうち上記の他の一対の平行面212に直交する幅方向を第2方向D3として、各平行面212から突出し、圧入時には、端子挿入孔15の内壁面のうちそれら各平行面212と対向する対向面152に食い込む。また、本実施形態では、上記の他の一対の平行面212それぞれついて2つずつ、合計で4つの食込み部22が設けられる。また、各平行面212では、食込み部22が、圧入方向D1に2つ配列して形成されている。各食込み部22は、端子本体21における上記の他の一対の平行面212それぞれの近傍を、第1方向D2に圧縮して第2方向D3に膨出させるプレス加工により形成されている。
閉塞部23は、端子本体21における、圧入方向D1について食込み部22よりも後方側で、第1方向D2について、端子本体21の他の位置の幅よりも幅広に形成された部位である。閉塞部23は、図2や図4の拡大図で示されているように、ピン端子20の圧入時には、端子挿入孔15の圧入口153において間隙S1の少なくとも一部を塞ぐ。また、本実施形態では、端子挿入孔15の圧入口153が、図2の拡大図で示されているように、圧入方向D1へと第1方向D2の間隔が狭まるテーパ形状を有している。そして、閉塞部23における圧入方向D1の前方側が、圧入口153のテーパ形状に嵌合するテーパ形状を有している。閉塞部23は、端子本体21における、圧入方向D1について食込み部22よりも後方側の位置で、第2方向D3に圧縮して第1方向D2に膨出させるプレス加工により形成されている。
食込み部22及び閉塞部23のプレス加工は、金属線材からの端子本体21の切出しに続いて、図3の斜視図に示されているような外観形成の一環として行われる。
図5は、図1〜図4に示されているピン端子及びコネクタに対する第1比較例を、図4と同様の断面図で示す図である。
この第1比較例のコネクタ5では、図1〜図4に示されているピン端子20とは異なり、予めメッキ処理が施された金属プレートから棒状に打抜き方向D51に打ち抜かれたピン端子52が用いられている。そして、そのピン端子52が複数本、樹脂製のコネクタハウジング50とインサート成形により一体成形されている。複数本のピン端子52は、コネクタハウジング50における隔離壁51と一体化している。さらに、この隔離壁51を覆うように、不図示のシール部材が充填されて、各ピン端子52と隔離壁51との境界面の気密性が確保される。
このとき、第1比較例のピン端子52は、メッキ処理が施された金属プレートから棒状に打ち抜かれたものであることから、打抜き方向D51と交差する一対の平行面521は、メッキ処理が残ったメッキ面となる。一方で、他の一対の平行面522は、内部金属が露出した非メッキ面となる。また、ピン端子52における図中断面の上方の二隅は打抜きによって生じるダレ面523となり、下方の二隅はバリ面524となる。
この第1比較例に対し、上述した実施形態では、ピン端子20が、コネクタハウジング10における端子挿入孔15に圧入される。このため、設備面でコストが嵩みがちなインサート成形を採用した第1比較例と比較して、比較的安価にピン端子20がコネクタハウジング10に取付けられることとなっている。
また、第1比較例では、ピン端子52に、打抜き加工に起因する非メッキ面(他の一対の平行面522)、ダレ面523、及びバリ面524が形成され、これらの各面においてシール部材との密着性が不安定となる場合がある。このため、高度なシール性が求められる場合には、上述したインサート成形に先立って、各ピン端子52に改めてメッキ処理を施す必要がある。これに対し、上述した実施形態では、ピン端子20が、予めメッキ処理が施された金属線材から切り出された端子本体21をベースに形成されている。このため、金属線材のメッキ処理が略維持されたままピン端子20が形成され、また、第1比較例で生じるダレ面やバリ面の形成が無いことから、シール部材16との密着性について高い安定性が得られる。その結果、実施形態では、高度なシール性が求められる場合でも、ピン端子20について改めてメッキ処理を行う必要がなく、第1比較例と比較して製造コストを抑えることができる。
図6は、図1〜図4に示されているピン端子及びコネクタに対する第2比較例を、図4と同様の断面図で示す図である。尚、この第2比較例のコネクタ6では、ピン端子60が上述した閉塞部23を備えていない点が上述した実施形態のコネクタ1と異なっている。図6では、本実施形態について図示する図4に示されている構成要素と同等な構成要素については図4と同じ符号が付されており、以下では重複説明を省略する。
この第2比較例でも、ピン端子60は圧入端子であり、予めメッキ処理が施された金属線材から切り出された端子本体21をベースに形成されているので、第1比較例と比較して製造コストを抑えることができる。
ここで、この第2比較例でも、樹脂製のコネクタハウジング10の隔離壁12における端子挿入孔15の内壁面と端子本体21との間に間隙S1が設けられる。これにより、端子挿入孔15への金属製のピン端子20の圧入抵抗を抑えて圧入の際に生じる樹脂の削りくずの発生が抑えられる。ただし、この第2比較例では、コネクタハウジング10にシール部材が充填されるときに、硬化前のシール部材が上記の間隙S1から漏れる場合がある。このように漏れたシール材がピン端子60における、相手側端子との接続箇所に付着すると電気的な接続性能の低下を招く恐れがあり、また、シール材の漏れにより端子挿入孔15におけるシール性能の低下を招く恐れもある。
上述した実施形態のピン端子20では、まず、食込み部22の端子挿入孔15の内壁面への食い込みにより、端子挿入孔15に良好に圧入保持される。このとき、端子挿入孔15の内壁面と端子本体21との第1方向D2についての間隙S1により、圧入時の削りくずの発生が抑えられる。そして、本実施形態では、図6に示されている第2比較例とは異なり、圧入時には、端子挿入孔15の圧入口153において間隙S1の少なくとも一部が閉塞部23によって塞がれる。これにより、コネクタハウジング10へのシール部材16の充填時における端子挿入孔15からのシール部材16の漏れを抑えることができる。その結果、第2比較例と比較して、ピン端子20と相手側端子との電気的な接続性能の向上と、端子挿入孔15におけるシール性能の向上とが図られることとなっている。
また、本実施形態によれば、端子挿入孔15の圧入口153が、そのテーパ形状の深さ分に亘って閉塞部23によって塞がれるので、シール部材16の漏れを一層抑えることができる。また、本実施形態によれば、端子挿入孔15の圧入口153のテーパ形状に嵌合する閉塞部23のテーパ形状により、圧入時に、端子挿入孔15に対してピン端子20の傾き等を抑えて高精度で位置決めすることができる。
また、本実施形態では、端子挿入孔15の形状と端子本体21の形状とが互いに対応した形状となっている。そして、食込み部22が、上記の他の一対の平行面212それぞれに対向する対向面152に食い込むことから、当該対向面152に食込み部22が略垂直に食込み、圧入されたときのピン端子20の保持強度を高めることができる。また、閉塞部23が、互いに対向する平面間の間隙S1を、その対向方向に沿った第1方向D2について幅広に形成されて塞ぐこととなる。このため、本実施形態によれば、例えば曲面間の間隙を塞ぐ場合等と比較して間隙S1を閉塞部23で広範囲に亘って塞ぐことができ、シール部材16の漏れを一層抑えることができる。
また、本実施形態では、食込み部22が、圧入方向D1に2つずつ配列して形成されている。これにより、端子挿入孔15に高い強度で一層良好に圧入保持される。また、この好適なピン端子20によれば、複数の食込み部22が圧入方向D1に配列されているので、端子挿入孔15に対してピン端子20の傾き等を抑えて圧入することができる。
以上に説明した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のピン端子やコネクタの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
例えば、上述した実施形態では、本発明にいうコネクタの一例として、軸方向の両端に相手側コネクタが接続する中継コネクタとしてのコネクタ1が例示されている。しかしながら、本発明にいうコネクタはこれに限るものではなく、例えば一端側にのみ相手側コネクタが接続し、他端側からはワイヤハーネスの電線が延出している、ワイヤハーネスの端部コネクタであってもよい。あるいは、一端側に相手側コネクタが接続し、他端側は基板に取り付けられる基板用コネクタ等であってもよい。また、上述した実施形態では、中継コネクタとしてのコネクタ1において、コネクタハウジング10にシール部材16が充填された形態が例示されている。しかしながら、ワイヤハーネスの端部コネクタや基板用コネクタ等でそれ程のシール性を要求されない場合には、シール部材は充填されなくともよい。
例えば、上述した実施形態では、本発明にいうピン端子の一例として、角線材から切り出された角柱形状の端子本体21を備えたピン端子20が例示されている。しかしながら、本発明にいうピン端子はこれに限るものではなく、例えば丸線材から切り出された丸棒形状の端子本体を備えたもの等であってもよい。ただし、角線材から切り出された角柱形状の端子本体21を備えたピン端子20では、閉塞部23が、互いに対向する平面間の間隙S1を、曲面間の間隙を塞ぐ場合等と比較して広範囲に亘って塞ぐことができる点は上述したとおりである。
1 コネクタ
10 コネクタハウジング
11 Oリング
12 隔離壁
13 第1嵌合凹部
14 第2嵌合凹部
15 端子挿入孔
16 シール部材
20 ピン端子
21 端子本体
22 食込み部
23 閉塞部
151,152 対向面
153 圧入口
211,212 平行面
D1 圧入方向
D2 第1方向
D3 第2方向
S1 間隙

Claims (5)

  1. コネクタハウジングにおける端子挿入孔に圧入口から圧入されるピン端子であって、
    予めメッキ処理が施された金属線材から切り出され、前記端子挿入孔への圧入時には、圧入方向と交差する第1方向のみについて前記端子挿入孔の内壁面との間に間隙が開いた状態で当該端子挿入孔を貫通する端子本体と、
    前記端子本体の中途から、前記圧入方向及び前記第1方向の双方と交差する第2方向に突出して、前記圧入時に前記内壁面に食い込む食込み部と、
    前記端子本体における、前記圧入方向について前記食込み部よりも後方側で、前記第1方向について、前記端子本体の他の位置の幅よりも幅広に形成されるとともに、前記第2方向について、前記端子本体の他の位置の幅よりも幅狭に形成されて、前記圧入時に前記圧入口において前記間隙の少なくとも一部を塞ぐ閉塞部と、
    を備えたことを特徴とするピン端子。
  2. コネクタハウジングにおける端子挿入孔に圧入口から圧入されるピン端子であって、
    予めメッキ処理が施された金属線材から切り出され、前記端子挿入孔への圧入時には、圧入方向と交差する第1方向のみについて前記端子挿入孔の内壁面との間に間隙が開いた状態で当該端子挿入孔を貫通する端子本体と、
    前記端子本体の中途から、前記圧入方向及び前記第1方向の双方と交差する第2方向に突出して、前記圧入時に前記内壁面に食い込む食込み部と、
    前記端子本体における、前記圧入方向について前記食込み部よりも後方側で、前記第1方向について、前記端子本体の他の位置の幅よりも幅広に形成されて、前記圧入時に前記圧入口において前記間隙の少なくとも一部を塞ぐ閉塞部と、
    を備え、
    前記圧入口が、前記圧入方向へと前記第1方向の間隔が狭まるテーパ形状を有し、
    前記閉塞部における前記圧入方向の前方側が、前記圧入口の前記テーパ形状に嵌合するテーパ形状を有し、前記閉塞部における前記圧入方向の後方側が、前記端子挿入孔の外側にあることを特徴とするピン端子。
  3. 前記端子挿入孔が角孔であり、
    前記端子本体が、前記金属線材としての角線材から切り出された角柱形状を有し、前記圧入時には、その四周面のうち一対の平行面に直交する幅方向を前記第1方向として、当該第1方向について、前記内壁面のうち前記一対の平行面それぞれに対向する対向面との間に前記間隙が開いた状態で前記端子挿入孔を貫通し、
    前記食込み部が、前記四周面のうち前記一対の平行面以外の他の一対の平行面に直交する幅方向を前記第2方向として突出し、前記内壁面のうち当該他の一対の平行面それぞれに対向する対向面に食い込み、
    前記閉塞部が、当該第1方向について前記端子本体の他の位置の幅よりも幅広に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のピン端子。
  4. 前記食込み部が、前記圧入方向に複数配列して形成されていることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか一項に記載のピン端子。
  5. 端子挿入孔が設けられたコネクタハウジングと、前記端子挿入孔に圧入されたピン端子と、を備えたコネクタであって、
    前記ピン端子が、請求項1〜4のうち何れか一項に記載のピン端子であることを特徴とするコネクタ。
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