JP2014137975A - 圧入端子およびコネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】コネクタハウジングに対する抜け、ガタつきを防止し、コネクタハウジングへの圧入による挿入を容易にした圧入端子を提供する。
【解決手段】樹脂のコネクタハウジングに形成されたピン保持孔15に圧入される圧入端子10であって、4つの側面を有する断面が矩形状の角線材11からなり、前記角線材11の前記ピン保持孔15に圧入される部分の4つの側面に突起13が設けられ、前記突起13のいくつかは他の突起13に対して前記角線材11の長手方向に変位して形成され、変位された各突起13は前記側面から突出する突出量が異なって形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は圧入端子およびコネクタに係り、たとえば、モータ等の巻線の接続に用いられる圧入端子およびコネクタに関する。
モータ等の電子機器において、外部から電源を供給する場合、あるいは電子機器内で配線する場合、たとえば、樹脂のコネクタハウジングに角線材でできた端子ピン(圧入端子)が植設されたコネクタを介して行うようになっている。
そして、端子ピンのコネクタハウジングへの植設は、たとえば、該コネクタハウジングに予め形成されたピン保持孔に圧入によってなされるようになっている。
この場合、該端子ピンの圧入による取付けは、該端子ピンの脱着や2次加工時の該端子ピンの倒れによる位置精度悪化や抜け落ちが生じる。また、該端子ピンのガタつきにより相手側のコネクタがうまく嵌合しない場合や、電子機器の配線が断線するなどの虞が生じる。
このような不都合を解消するため、たとえば、下記特許文献1に開示されている構造の端子ピンが知られている。
特許文献1に示す端子ピンは、4つの側面を有する断面が矩形状の角線材からなり、一の相対向する側面において、軸方向に前部係止突起と後部係止突起とが並設され、前部係止突起と後部係止突起は、それぞれ、幅方向及び高さ方向の寸法を互いに異ならしめた方形の突出部からなるものである。
このように構成された端子ピンは、コネクタハウジングに予め形成されたピン保持孔に圧入させることによって、前部係止突起と後部係止突起は該ピン保持孔の内壁を押し広げるように挿入されるようになる。
特開2005−340068号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、端子ピンの4つの側面のうち、対向する面の2面のみに前部係止突起と後部係止突起を形成し、他の2面には前部係止突起と後部係止突起を形成していないため、前部係止突起と後部係止突起を形成していない面ではガタつきが起こり、端子位置精度が低下することを免れ得ない。
また、前部係止突起と後部係止突起では、それぞれ高さが異なっているが、端子ピンの挿入方向で一定であるので、圧入には多くのエネルギーを必要とするという不都合を有する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コネクタハウジングに対する抜け、ガタつきを防止し、コネクタハウジングへの圧入による挿入を容易にした圧入端子を提供することにある。
本発明は、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の圧入端子は、樹脂のコネクタハウジングに形成されたピン保持孔に圧入される圧入端子であって、4つの側面を有する断面が矩形状の角線材からなり、前記ピン保持孔は、前記角線材の対角線よりも小さい直径の丸孔で、前記角線材の前記ピン保持孔に圧入される部分の4つの側面に突起が設けられ、前記突起のいくつかは他の突起に対して前記角線材の長手方向に変位して形成され、変位された各突起は前記側面から突出する突出量が異なって形成されていることを特徴とする。
(2)本発明の圧入端子は、(1)の構成において、前記突起は、前記角線材の長手方向に変位して形成された前部係止突起と後部係止突起からなり、前記前部係止突起は互いに対向する側面の第1対面に形成され、前記後部係止突起は互いに対向する側面であって前記第1対面と異なる第2対面に形成されていることを特徴とする。
(3)本発明の圧入端子は、(2)の構成において、前記前部係止突起は、前記後部係止突起よりも先に前記ピン保持孔に圧入され、前記前部係止突起の各突起の突出量は、前記後部係止突起の各突起の突出量よりも小さく形成されていることを特徴とする。
(4)本発明の圧入端子は、(1)乃至(3)のいずれかの構成において、前記突起は、前記ピン保持孔に圧入される側と反対側において突出量が大きな楔状の形状をなすことを特徴とする。
(5)本発明の圧入端子は、(1)乃至(3)の構成において、前記角線材に形成される前記各突起は、前記角線材の長手方向に延在され、前記各中央で突出量を最大とし、前記中央から各両端に向かうにつれ、前記突出量を減少するように形成したことを特徴とする。
(6)本発明のコネクタは、樹脂のコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングに形成されたピン保持孔に圧入された圧入端子と、からなるコネクタであって、前記圧入端子は、4つの側面を有する断面が矩形状の角線材からなり、前記ピン保持孔は、前記角線材の対角線よりも小さい直径の丸孔で、前記角線材の前記ピン保持孔に圧入される部分の4つの側面に突起が設けられ、前記突起は前記角線材の長手方向に変位して形成されたものを有し、変位された各突起は前記側面から突出する突出量が異なって形成されていることを特徴とする。
このように構成した本発明の圧入端子によれば、コネクタハウジングに対する抜け、ガタつきを防止し、コネクタハウジングへの圧入による挿入を容易にできるようになる。
本発明の圧入端子の実施態様1の構成を示す斜視図である。 図1に示す圧入端子の係止突起部における拡大図である。 図1に示す圧入端子を軸方向から観た図である。 図2のIV−IV線における断面図である。 図1に示す圧入端子の前部係止突起を示した側面図である。 図2のVI−VI線における断面図である。 本発明の圧入端子の係止突起部の他の実施例を示す拡大図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
(実施形態1)
図1は、本発明の圧入端子の実施態様1の構成を示す斜視図である。
図1において、圧入端子10は、一端A側から他端B側へ延在する断面が矩形状(たとえば正方形)の角線材11からなっている。圧入端子10は、その長手方向の中途部において、係止突起部12が形成されている。この係止突起部12は、図2の拡大図で示すように、互いに隣接する前部係止突起12Aと後部係止突起12Bとで構成されている。
前部係止突起12Aは、圧入端子10の互いに対向する一方の対面(第1対面10P)に、それぞれ、突起13Aを備えて形成されている。各突起13Aは楔状をなし、各突起13Aが形成される第1対面10Pの幅方向の中央において、一端A側から他端B側にかけて高さ(突出量)が徐々に大きくなるように形成されている。各突起13Aは、その幅がたとえば圧入端子の幅の約1/3となっており、該突起13Aの両側には圧入端子10の互いに対向する他方の対面(第2対面10Q)をも抉った凹部14Aが形成されている。
なお、図4は、圧入端子10の前部係止突起12Aの断面を示す図(図2のIV−IV線における断面図)である。また、図5は、圧入端子10の前部係止突起12Aを第2対面10Qの一方の面から観た側面図である。
図2において、後部係止突起12Bは、圧入端子10の互いに対向する他方の対面(第2対面10Q)に、それぞれ、突起13Bを備えて形成されている。各突起13Bは楔状をなし、各突起13Bが形成される第2対面10Qの幅方向の中央において、一端A側から他端B側にかけて高さ(突出量)が徐々に大きくなるように形成されている。各突起13Bは、その幅がたとえば圧入端子10の幅の約1/3となっており、該突起13Bの両側には圧入端子10の互いに対向する他方の対面(第1対面10P)をも抉った凹部14Bが形成されている。
なお、図6は、圧入端子10の後部係止突起12Bの断面を示す図(図2のVI−VI線における断面図)である。
図3は、圧入端子10を他端B側から軸方向に観た図であり、前部係止突起12Aにおける突起13Aの圧入端子10の第1対面10Pに対する最大の高さをX、後部係止突起12Bにおける突起13Bの圧入端子10の第2端面10Qに対する最大の高さをYとした場合、X<Yの関係を有するようになっている。
そして、このように構成された圧入端子10が植設される樹脂製のハウジングには、予めピン保持孔15(図中二点鎖線で示す)が形成されており、このピン保持孔15の半径Rは、圧入端子10の中心Oから、角線材の対角線の頂点Cまでの距離dよりも小さい半径の丸孔で形成される。言い換えれば、ピン保持孔15は、角線材の対角線よりも小さい直径の丸孔である。
上述のように構成された圧入端子10を上述の半径Rからなるピン保持孔15に圧入させる際に、次に示すような作用がなされる。
すなわち、圧入端子10は、その一端部A側から、前部係止突起12Aを先にして、ピン保持孔15に挿入されるようになる。この際、前記係止突起12Aの各突起13Aの最大高さXは、後部係止突起12Bの各突起13Bの最大高さYよりも小さな楔状となっていることから、圧入に要するエネルギーを小さくできる効果を奏する。
さらに、圧入端子10の挿入を進めると、前記部係止突起12Aの各突起13Aに対して90°方向が異なる後部係止突起12Bの各突起13Bが挿入されるようになる。この際、先に挿入された前部係止突起12Aの各突起13Aによって広げられたピン保持孔15(図4参照)は、後部係止突起12Bの各突起13Bの挿入によって、前部係止突起12Aとは90°異なる方向に広げられるようになる(図6参照)。このため、前部係止突起12Aの後方(後部係止突起12B側)ではハウジングが圧縮され前部係止突起12Aの各突起13Aの上に覆いかぶされる方向に働き、圧入端子10は、前部係止突起12Aの各突起13Aによって、抜け方向には戻らなくなるようになる。
そして、圧入端子10の前部係止突起12Aおよび後部係止突起12Bの形成箇所の各側面(第1対面10P、第2対面10Q)において、ハウジングが食い込む構造となり、さらに、圧入端子10の角部Cにもハウジングが食い込むため、該圧入端子10のガタつきを回避でき、該圧入端子10のピン保持孔15における位置精度を正確に保持できるようになる。
なお、実施形態1において、前部係止突起12Aと後部係止突起12Bは圧入端子10の長手方向において、互いに隣接させて形成したものである。しかし、これに限定されることはなく、前部係止突起12Aと後部係止突起12Bは離間させて形成しても同様の効果を奏することはもちろんである。
また、上述した実施形態では、前部係止突起12Aに2個の突起13Aを後部係止突起12Bには2個の突起13Bを形成するようにしたものである。しかし、これに限定されることはなく、
前部係止突起12Aに1個の突起13Aを後部係止突起12Bには3個の突起13Bを形成するように、あるいは、前部係止突起12Aに3個の突起13Aを後部係止突起12Bには1個の突起13Bを形成するようにしてもよい。
すなわち、角線材11のピン保持孔15に圧入される部分の4つの側面に設けられた各突起13は、そのいくつかは他の突起13に対して角線材11の長手方向に変位して形成されていればよい。
また、係止突起部の形状は楔状に限定されるものではない。図7に示すように圧入初期では元の角線材と同等の突起量であり、突起の中間地点で最大の突起量となり、突起終番では角線材と同等の突起量に戻る形状であってもよい。
(実施形態2)
上述した実施形態では、いずれも、圧入端子10について説明したものである。しかし、本発明は、上述した構成を有する圧入端子10をコネクタハウジングに植設されて構成されるコネクタであっても同様の効果を奏するようになる。
すなわち、本発明のコネクタは、樹脂のコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングに形成されたピン保持孔に圧入された圧入端子と、からなるコネクタであって、前記圧入端子は、4つの側面を有する断面が矩形状の角線材からなり、前記角線材の前記ピン保持孔に圧入される部分の4つの側面に突起が設けられ、前記突起は前記角線材の長手方向に変位して形成されたものを有し、変位された各突起は前記側面から突出する突出量が異なって形成されているものとして把握される。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10……圧入端子、10P……第1対面、10Q……第2対面、11……角線材、12……係止突起部、12A……前部係止突起、12B……後部係止突起、13、13A、13B……突起、14A、14B……凹部、15……ピン保持孔。

Claims (6)

  1. 樹脂のコネクタハウジングに形成されたピン保持孔に圧入される圧入端子であって、
    4つの側面を有する断面が矩形状の角線材からなり、
    前記ピン保持孔は、前記角線材の対角線よりも小さい直径の丸孔で、
    前記角線材の前記ピン保持孔に圧入される部分の4つの側面に各突起が設けられ、
    前記各突起のいくつかは他の突起に対して前記角線材の長手方向に変位して形成され、変位された各突起は前記側面から突出する突出量が異なって形成されていることを特徴とする圧入端子。
  2. 前記突起は、前記角線材の長手方向に変位して形成された前部係止突起と後部係止突起からなり、
    前記前部係止突起は互いに対向する側面の第1対面に形成され、前記後部係止突起は互いに対向する側面であって前記第1対面と異なる第2対面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧入端子。
  3. 前記前部係止突起は、前記後部係止突起よりも先に前記ピン保持孔に圧入され、
    前記前部係止突起の各突起の突出量は、前記後部係止突起の各突起の突出量よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項2に記載の圧入端子。
  4. 前記突起は、前記ピン保持孔に圧入される側と反対側において突出量が大きな楔状の形状をなすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧入端子。
  5. 前記角線材に形成される前記各突起は、前記角線材の長手方向に延在され、前記各突起の中央で突出量を最大とし、前記中央から各両端に向かうにつれ、前記突出量を減少するように形成したことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の圧入端子。
  6. 樹脂のコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングに形成されたピン保持孔に圧入された圧入端子と、からなるコネクタであって、
    前記圧入端子は、
    4つの側面を有する断面が矩形状の角線材からなり、
    前記ピン保持孔は、前記角線材の対角線よりも小さい直径の丸孔で、
    前記角線材の前記ピン保持孔に圧入される部分の4つの側面に突起が設けられ、
    前記突起は前記角線材の長手方向に変位して形成されたものを有し、変位された各突起は前記側面から突出する突出量が異なって形成された前記圧入端子を用いたことを特徴とするコネクタ。
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