JP6532351B2 - 被検体情報取得装置および処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被検体内の情報を取得する被検体情報取得装置に関する。
光イメージング技術の一つとして、近年、光音響トモグラフィ(PAT:PhotoAcoustic Tomography)が提案されている。
パルスレーザ光などの光を被検体である生体に照射すると、光が被検体内の生体組織で吸収される際に音響波が発生する。この現象を光音響効果と呼び、光音響効果により発生した音響波を光音響波と呼ぶ。被検体を構成する組織は、光エネルギーの吸収率がそれぞれ異なるため、発生する光音響波の音圧も異なったものとなる。PATでは、発生した光音響波を探触子で検出し、検出信号を数学的に解析することにより、被検体内の光学特性、特に、光エネルギー吸収密度の分布を画像化することができる。
被検体内で発生した音響波の初期音圧を算出するための主な手法として、バックプロジェクション法がある。 被検体内にある光吸収体から発生する音響波の初期音圧Pは、
式(1)で表すことができる。
=Γ・μ・Φ ・・・式(1)
ここで、Γはグルナイゼン係数であり、体積膨張係数βと音速cの二乗の積を定圧比熱Cで割ったものである。Γは被検体が決まれば、ほぼ一定の値をとることが知られている。また、μは吸収体の光吸収係数、Φは被検体内の局所領域における光量(吸収体に照射された光量で、光フルエンス[J/m2 or J/m3]とも言う)である。
特許文献1には、被検体内を伝搬してきた音響波の音圧Pの時間変化を音響波検出器で測定し、その測定結果から初期音圧分布を算出する技術が開示されている。算出された初期音圧分布をグルナイゼン係数Γで除することにより、μとΦの積、つまり光エネルギーの吸収密度を得ることができる。
また、グルナイゼン係数は被検体によってほぼ一定であるため、初期音圧Pの分布から、光吸収係数μの分布を得るためには、被検体内の光量分布を求めることが必要となる。
特開2010−88627号公報
前述したように、被検体内の光吸収係数分布を正確に求めるためには、被検体内における光量分布を正確に求める必要がある。このとき、パルス光を照射するごとに光量分布を求める必要があるため、計算コストが増大する。
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、光音響効果を利用した被検体情報取得装置における計算コストを抑制することを目的とする。
本発明に係る被検体情報取得装置は、
被検体にパルス光照射されることにより前記被検体から発生した音響波出信号に基づいて前記被検体の特性情報を取得する被検体情報取得装置であって第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体表面における照射光分布について、当該第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を、単位光強度を基準として規格化することにより、規格化された照射光分布である規格化照射光分布を算出し、前記規格化照射光分布を用いて、前記第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の規格化された光量分布である規格化光量分布を算出し前記規格化光量分布に、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を乗算することにより、前記第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の光量分布を算出し、記光量分布と、前記第2のタイミングに前記被検体にパルス光が照射されることにより前記被検体から発生した音響波の検出信号とを用いて、前記被検体の特性情報を取得する処理手段を有することを特徴とする。
また、本発明の別形態に係る被検体情報取得装置は、
被検体にパルス光が照射されることにより前記被検体から発生した音響波の検出信号に基づいて前記被検体の特性情報を取得する被検体情報取得装置であって、第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の光量分布を算出し、前記光量分布について、前記第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を、単位光強度を基準として規格化することにより、規格化された光量分布である規格化光量分布を算出し、前記規格化光量分布に、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を乗算することにより、前記第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の光量分布を算出し、前記光量分布と、前記第2のタイミングに前記被検体にパルス光が照射されることにより前記被検体から発生した音響波の検出信号とを用いて、前記被検体の特性情報を取得する処理手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る処理方法は、
被検体にパルス光が照射されることにより前記被検体から発生した音響波出信号に基づいて前記被検体の特性情報を取得する処理方法であって、第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体表面における照射光分布について、前記第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を、単位光強度を基準として規格化することにより、規格化された照射光分布である規格化照射光分布を算出し、前記規格化照射光分布を用いて、前記第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の規格化された光量分布である規格化光量分布を算出し前記規格化光量分布に、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を乗算することにより、前記第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の光量分布を算出し、記光量分布と、前記第2のタイミングに前記被検体にパルス光が照射されることにより前記被検体から発生した音響波の検出信号を用いて、前記被検体の特性情報を取得することを特徴とする。
また、本発明の別形態に係る処理方法は、
被検体にパルス光が照射されることにより前記被検体から発生した音響波の検出信号に基づいて前記被検体の特性情報を取得する処理方法であって、第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の光量分布を算出し、前記光量分布について、前記第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を、単位光強度を基準として規格化することにより、規格化された光量分布である規格化光量分布を算出し、前記規格化光量分布に、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を乗算することにより、前記第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の光量分布を算出し、前記光量分布と、前記第2のタイミングに前記被検体にパルス光が照射されることにより前記被検体から発生した音響波の検出信号とを用いて、前記被検体の特性情報を取得することを特徴とする。
本発明によれば、光音響効果を利用した被検体情報取得装置において、計算コストを抑制することができる。
第一の実施形態に係る光音響測定装置のシステム構成図。 光照射部および音響波検出部の、被検体に対する位置関係を説明する図。 第一の実施形態に係る光音響測定装置の処理フローチャート図。 第二の実施形態に係る光音響測定装置のシステム構成図。 第二の実施形態に係る光音響測定装置の処理フローチャート図。 第三の実施形態に係る光音響測定装置のシステム構成図。 光照射部および音響波検出部の、被検体に対する位置関係を説明する図。 第四の実施形態に係る光音響測定装置のシステム構成図。 光照射部および音響波検出部の、被検体に対する位置関係を説明する図。 規格化光量分布の補正方法を説明する図。 第四の実施形態に係る光音響測定装置の処理フローチャート図。 第四の実施形態の変形例を説明する図。 総和平均照射光分布を用いた光量分布算出を説明する図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、説明を省略する。また、実施形態の説明で用いる数値、材質、形状、配置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、発明の範囲を限定するものではない。
まず、第一の実施形態にて、発明を実施するための最低限の構成について述べ、次いで、第二〜第四の実施形態にて、具体的な装置についてのバリエーションを挙げる。
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係る被検体情報取得装置は、パルス光を被検体に照射し、当該パルス光に起因して被検体内で発生した光音響波を検出および解析することで、被検体内の特性情報を可視化、すなわち画像化する装置である。本明細書において、特性情報とは、被検体内における光吸収係数に関連する情報であり、例えば、光吸収係数の分布、光吸収エネルギー密度分布、複数の波長で得られた光吸収係数から得られる分光情報(酸素飽和度など)などである。
本実施形態に係る被検体情報取得装置を、光音響測定装置と称する。
<システム構成>
図1を参照しながら、本実施形態に係る光音響測定装置1の構成を説明する。本実施形態に係る光音響測定装置1は、光照射部10、音響波検出部20、信号処理部30を有し
ている。また、信号処理部30は、光量分布計算領域決定部31、規格化光量分布取得部32、被検体情報算出部33を含んでいる。なお、符号2は、被検体である生体の一部であり、符号3は、被検体内にある光吸収体である。
以下、本実施形態に係る光音響測定装置を構成する各手段を説明しながら、測定の方法について概要を説明する。
<<光照射部10>>
光照射部10は、パルス光を発生させ、被検体に照射する手段であり、光源と、照射光学系(いずれも不図示)からなる。
光源は、大出力を得るためレーザ光源であってもよいが、レーザの代わりに発光ダイオードやフラッシュランプ等を用いることもできる。光源としてレーザを用いる場合、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、半導体レーザなど様々なものが使用できる。
出力が強く連続的に波長を変えられる、Nd:YAG励起のTi:saレーザや、アレ
キサンドライトレーザを用いてもよい。また、異なる波長の単波長レーザを複数有していてもよい。
照射のタイミング、波形、強度等は不図示の光源制御部によって制御される。この光源制御部は、光源と一体化されていても良い。
また、パルス光の波長は、被検体を構成する成分のうち特定の成分に吸収される特定の波長であって、被検体内部まで光が伝搬する波長であってもよい。具体的には、被検体が生体である場合、700nm以上1100nm以下であてもよい。
また、光音響波を効果的に発生させるためには、被検体の熱特性に応じて十分短い時間に光を照射させなければならない。被検体が生体である場合、光源から発生するパルス光のパルス幅は10ナノ秒以上、50ナノ秒以下であってもよい。なお、光源から発生するパルス光を以下、照射光と称する。
照射光学系は、光源から射出されたパルス光を被検体に照射する手段である。照射光学系は、典型的には、光を反射するミラーや光を拡大するレンズ、光を拡散させる拡散板などの光学部材を用いて、照射光を所望の照射光分布形状に加工しながら被検体に導くが、光ファイバなどの導波路などを用いて伝搬させることも可能である。このような光学部品は、光源から発せられた照射光を被検体2に所望の形状で照射できるものであれば、どのようなものを用いてもよい。なお、光はレンズで集光させるより、ある程度の面積に広げる方が被検体への安全性ならびに診断領域を広げられるという観点で好ましい。また、照射光を照射する位置を変えるために、照射光学系に走査機構を設けるようにしてもよい。
<<音響波検出部20>>
音響波検出部20は、被検体内部で発生した音響波を検出し、電気信号(光音響波信号)に変換する手段である。音響波検出部は、単に探触子あるいは音響波検出器、トランスデューサとも呼ばれる。なお、本発明における音響波とは、典型的には超音波であり、音波、超音波、光音響波、光超音波と呼ばれる弾性波を含む。
生体から発生する音響波は、100KHzから100MHzの超音波であるため、音響波検出部20には、上記の周波数帯を検出できる超音波検出器を用いる。具体的には、圧電現象を用いたトランスデューサ、光の共振を用いたトランスデューサ、容量の変化を用いたトランスデューサなどを用いることができる。また、音響波検出部20は、感度が高く、周波数帯域が広いものであってもよい。
また、音響波検出部20は、複数の検出素子が一次元、或いは二次元に配置され、走査機構によって移動可能なものであってもよい。多次元配列素子を用いると、同時に複数の場所で音響波を検出することができるため、測定時間を短縮することができ、被検体の振動などの影響を低減することができる。また、音響レンズでフォーカスされた単一素子を用いてもよい。
また、音響波検出部20は、得られた電気信号を増幅し、デジタル信号に変換する手段を有している。具体的には、増幅器、A/D変換器、FPGAチップなどを有している。
なお、得られる検出信号が複数である場合は、同時に複数の信号を処理できてもよい。これにより、画像を形成するまでの時間を短縮することができる。
また、被検体に対して同じ位置で検出した音響波信号を積算し、一つの信号にしてもよい。積算の方法は、信号同士を足し合わせるものであってもよいし、平均を取るものであってもよい。また、信号にそれぞれ重みを付けて足しあわせるものであってもよい。
なお、本明細書における「検出信号」とは、音響波検出部から出力されるアナログ信号も、その後A/D変換されたデジタル信号も含む概念である。
<<信号処理部30>>
信号処理部30は、デジタル変換された信号を処理し、被検体内部の光学特性を表す画像を再構成する手段である。再構成の手法としては、フーリエ変換法、ユニバーサルバックプロジェクション法(UBP法)やフィルタードバックプロジェクション法などがあるが、どのような手法を用いてもよい。生成された画像は、不図示の表示装置によって利用者に提示される。
また、信号処理部30は、光量分布計算領域決定部31と、規格化光量分布取得部32と、被検体情報算出部33とを含んでいる。それぞれの具体的な動作については後述する。
なお、信号処理部30は、CPUと主記憶装置、および補助記憶装置を有する、独立したコンピュータであってもよいし、専用に設計されたハードウェアであってもよい。
信号処理部30には、典型的にはワークステーションなどが用いられ、ソフトウェアによって前述した処理が行われる。例えば、前述した光量分布計算領域決定部31、規格化光量分布取得部32、被検体情報算出部33が、それぞれ対応するソフトウェアによって実行されてもよい。また、それぞれの手段を、別々のハードウェアとしてもよい。この場合、それぞれのハードウェアを総じて信号処理部30と称する。
<被検体の測定方法>
次に、本実施形態に係る光音響測定装置によって、被検体である生体を測定する方法について説明する。
まず、光照射部10から発せられた照射光を被検体に照射する。被検体の内部へ入った照射光は、被検体内(被検体が生体である場合、生体組織内)で拡散および吸収しながら減衰し、照射位置からの距離などに応じた光量分布を形成する。
また、生体内部を伝搬した光のエネルギーの一部が血液などの光吸収体に吸収されると、熱膨張により当該光吸収体から音響波が発生する。例えば、生体内にがんが存在する場合は、がんの新生血管において他の正常部の血液と同様に光が特異的に吸収され、音響波が発生する。
発生した音響波は、被検体内を伝播し、音響波検出部20で検出され、アナログの電気信号に変換される。なお、本実施形態における音響波検出部20は、音響波が発生した位置を特定できるように、フォーカス型の音響レンズを備えた音響波検出素子(不図示)を有している。
また、音響波検出部20は、電気信号を増幅およびデジタル変換し、検出信号を信号処理部30内のメモリ34(記憶部)に格納する。
次に、信号処理部30に格納された検出信号から、被検体内の光学特性を取得する処理の概要について説明する。
前述したように、被検体内における初期音圧は、光吸収体が有する光吸収係数と、到達した照射光の光量に比例する。すなわち、被検体内の光吸収係数の分布を求めるためには
、当該被検体内における照射光の光量分布を取得する必要がある。
まず、光量分布計算領域決定部31が、被検体内に照射された照射光の分布を計算するための領域(以下、光量分布計算領域)を決定する。光量分布計算領域は、照射光のプロファイル、被検体の平均光学係数、被検体の形状、想定される光吸収体の吸収係数を用いて決定される。
次に、規格化光量分布取得部32が、照射光のプロファイルと、被検体の平均光学係数を用いて、照射光の光量を規格化した場合における、被検体内部の光量分布(以下、規格化光量分布)を取得する。
最後に、被検体情報算出部33が、実際に被検体に照射された照射光の光強度[J]と、
規格化光量分布と、検出信号を用いて、被検体内の光学特性分布を取得する。取得された光学特性分布は、画像データに変換され、表示装置(不図示)に出力される。
光量分布計算領域決定部31、規格化光量分布取得部32、被検体情報算出部33が行う具体的な処理と、その効果については後述する。
<光学特性分布の取得方法>
次に、照射光を複数回照射した場合において、被検体内の光学特性分布を取得する、従来の方法について説明する。
本例では、図2(A)〜図2(C)に示したように、光照射部10および音響波検出部20を、被検体に対して相対的に走査させ、複数の位置で照射光の照射および音響波の取得を行うものとする。なお、ここでは、被検体2、光吸収体3A〜3Cと、光照射部10、音響波検出部20の相対的位置関係を「状態」と称する。具体的には、図2(A)、図2(B)、図2(C)で示した位置関係を、それぞれ状態1、状態2、状態3と称する。以下の説明において、各状態を区別する場合は、状態を表す数字を使用する。
ここで、光吸収体3A,3B,3Cの位置を、それぞれrA,rB,rCとし、それぞれの吸収係数を、μt(rA),μt(rB),μt(rC)とおく。
また、状態1,状態2,状態3における実際の光量分布を、それぞれ、Φ1t(r),Φ2t(r),Φ3t(r)とおく。
また、状態1〜状態3における、実際の初期音圧分布をそれぞれP1t(r),P2t(r),P3t(r)とおく。なお、rは被検体内の位置座標である。
また、状態1〜状態3における検出信号を、それぞれS1(r),S2(r),S3(r)とおく。検出信号は、音響波検出部が複数の探触子素子を持つ場合は、複数の検出信号から成る検出信号群となるが、ここでは、検出信号群も含めて、S1(r),S2(r),S3(r)と記載する。
また、それぞれの検出信号から、UBP法などを用いて再構成して得た初期音圧分布を、Pi1(r),Pi2(r),Pi3(r)とし、すべての検出信号を用いて再構成した初期音圧分布を、Pi(r)とおく。
この時、各光吸収体における初期音圧は、式(1)を用いると、下記の式(2)〜式(4)で表すことができる。なお、ここでは説明を簡単にするため、グルナイゼン係数Γを1、検出信号から得られる初期音圧をR(S(r))とする。すなわち、Pi(r)=R(S(r))である。
Pi(rA)={P1i(rA)+P2i(rA)+P3i(rA)}/3
={R(S1(rA))+R(S2(rA))+R(S3(rA))}/3
=R(S1(rA),S2(rA),S3(rA)) ・・・式(2)
Pi(rB)={P1i(rB)+P2i(rB)+P3i(rB)}/3
={R(S1(rB))+R(S2(rB))+R(S3(rB))}/3
=R(S1(rB),S2(rB),S3(rB)) ・・・式(3)
Pi(rC)={P1i(rC)+P2i(rC)+P3i(rC)}/3
={R(S1(rC))+R(S2(rC))+R(S3(rC))}/3
=R(S1(rC),S2(rC),S3(rC)) ・・・式(4)
ここで、それぞれの状態で算出された光量分布を、Φ1i(r),Φ2i(r),Φ3i(r)とおいて、式(1)および式(2)を用いて、光吸収体Aの吸収係数μi(rA)を算出すると、式(5)のようになる。
μi(rA)=R(S1(rA),S2(rA),S3(rA))/{(Φ1i(rA)+Φ2i(rA)+Φ3i(rA))/3} ・・・式(5)
また、式(1)および式(3)を用いて、光吸収体Bの吸収係数μi(rB)を算出すると、式(6)のようになる。
μi(rB)=P(rB)/{(Φ1(rB)+Φ2(rB)+Φ3(rB))/3}=R(S1(rB),S2(rB),S3(rB))/{(Φ1i(rB)+Φ2i(rB)+Φ3i(rB))/3} ・・・式(6)
また、式(1)および式(4)を用いて、光吸収体Cの吸収係数μi(rC)を算出すると、式(7)のようになる。
μi(rC)=3・P(rC)/{Φ1(rC)+Φ2(rC)+Φ3(rC)}=3・R(S1(rC),S2(rC),S3(rC))/{(Φ1i(rC)+Φ2i(rC)+Φ3i(rC))/3} ・・・式(7)
ここでは、複数の照射をした際の初期音圧を算出する手法として、式(2)(3)(4)のように、各照射において算出した初期音圧を加算平均する手法を用いた。そのため、吸収係数を算出する式(5)(6)(7)における分母(光量)を照射回数で割っている。しかし、複数の照射をした際の初期音圧を算出する手法として、以下の式を用いてもよい。
P‘i(rA)={P1i(rA)+P2i(rA)+P3i(rA)}
={R(S1(rA))+R(S2(rA))+R(S3(rA)))}
=R‘(S1(rA),S2(rA),S3(rA))
この場合、以下の式を用いて吸収係数を算出することができる。
μi(rA)=R‘(S1(rA),S2(rA),S3(rA))/{(Φ1i(rA)+Φ2i(rA)+Φ3i(rA))}
なお、本明細書に記載の全ての実施形態では、どちらの手法をも採用することができるが、簡単のため、ここでは積算平均の手法を用いて説明する。
光量分布Φi(r)は、予め、被検体2の表面における照射光分布Oを測定し、照射光分布O(r)をソースとして、拡散方程式や輸送方程式を、有限要素法や有限体積法、差分法などを使って計算することで求めることができる。
また、光量分布Φi(r)は、拡散光伝搬の解析解や、光伝搬を、モンテカルロ法を用いて解くことで求めることもできる。光量を計算できるものであれば、どのようなものを用いてもよい。そのため、光照射部10は、最終的に算出する被検体情報の許容誤差を逸脱しない程度に、被検体2の表面位置における照射光分布O(r)が同じになるようにパルス光を照射してもよい。
次に、実際の値を当てはめて説明する。ここでは、被検体が、縦50mm、横120mm、奥行き120mmの直方体であるものと仮定して説明を行う。また、被検体の平均吸収係数μaMを0.005/mm、平均等価散乱係数μs’Mを0.85/mmとおく。平均吸収係数は、被検体2の全領域で均一とした吸収係数であり、平均等価散乱係数は、被検体2の全領域で均一とした等価散乱係数である。
また、照射光は、被検体2の表面に、直径30mmの円形状で均一に照射されるものとし、その光強度は、状態1において100mJ、状態2において125mJ、状態3において80mJであるものとする。また、光吸収体A、光吸収体B、光吸収体Cは血管であるものとし、吸収係数μを150/mとする。
以上の値を用いた場合の、各吸収体位置における実際の光量は、それぞれ以下のようになる。
Φ1t(rA)=50J/m,Φ1t(rB)=3J/m,Φ1t(rC)=0.003J/m
Φ2t(rA)=0.02J/m,Φ2t(rB)=500J/m,Φ2t(rC)=0.03J/m
Φ3t(rA)=0.0007J/m,Φ3t(rB)=4J/m,Φ3t(rC)=20J/m
また、各吸収体位置における実際の初期音圧は、それぞれ以下のようになる。
P1t(rA)=7500Pa,P1t(rB)=450Pa,P1t(rC)=0.45Pa
P2t(rA)=3Pa,P2t(rB)=75000Pa,P2t(rC)=4.5Pa
P3t(rA)=0.105Pa,P3t(rB)=600Pa,P3t(rC)=3000Pa
以上に説明した実際の光量分布と、初期音圧分布を演算によって求める例を挙げる。光量分布は、被検体の平均吸収係数、平均散乱係数、被検体表面の照射光分布O、被検体の形状に基づいて、光の伝搬を計算することで得ることができる。また、初期音圧分布は、検出信号を再構成することで得ることができる。
ここでは、光量分布および初期音圧分布を正確に算出できるものとし、それぞれの値を以下のようにおく。
Φ1i(rA)=50J/m,Φ1i(rB)=1.5J/m,Φ1i(rC)=0.003J/m
Φ2i(rA)=0.02J/m,Φ2i(rB)=500J/m,Φ2i(rC)=0.03J/m
Φ3i(rA)=0.0007J/m,Φ3i(rB)=2J/m,Φ3i(rC)=20J/m
P1i(rA)=7500Pa,P1i(rB)=225Pa,P1i(rC)=0.45Pa
P2i(rA)=3Pa,P2i(rB)=75000Pa,P2i(rC)=3Pa
P3i(rA)=0.105Pa,P3i(rB)=300Pa,P3i(rC)=3000Pa
次に、各光吸収体の吸収係数を算出する。式(5),式(6),式(7)に対して、前述した値を適用すると、吸収係数は以下のようになる。
μ(rA)={(7500+3+0.105)/3}/{(50+0.02+0.007)/3}=150/m
μ(rB)={(225+75000+300)/3}/{(1.5+500+2)/3}=150/m
μ(rC)={(0.45+4.5+3000)/3}/{(0.003+0.03+20)/3}=150/m
以上に説明した方法によって、被検体内における吸収係数(真値:150/m)を算出することができる。
しかし、前述した方法では、各状態において、被検体2の一部のみに照射光が照射されている場合であっても、全領域(120mm×120mm×50mm)に対する光量分布を算出する必要がある。例えば、解像度を1mm×1mm×1mmのボクセルとすると、120×120×50=720,000個のボクセルについて演算を行う必要があり、膨大な計算コストがかかってしまう。つまり、第一の問題として、不必要な領域に対して演算が行われてしまうという問題がある。
また、前述したように、光量分布を、拡散方程式や輸送方程式などによって求めなければならないため、多大な計算コストがかかる。また、パルス光の照射回数が多くなると、比例して演算量も増大する。つまり、第二の問題として、光量分布を求めるための演算量がそもそも多いという問題がある。
そこで、本実施形態では、下記の(1)と(2)で説明する構成を採用することによって、前述した二つの問題を解決する。
(1)光量分布計算領域を限定することによる演算量の削減
本実施形態では、到達する照射光が十分弱く、吸収係数の算出に大きく影響しない領域を省いた領域、すなわち、吸収係数の算出に大きく寄与する領域(光量分布計算領域)を設定し、光量分布を計算する。光量分布計算領域は、光量分布計算領域決定部31によって決定される。
光量分布計算領域は、例えば、照射光が被検体に入射する際の表面における光量分布、被検体の形状、平均吸収係数や平均散乱係数から想定される光量分布などに基づいて決定することができる。また、探触子の指向性や感度などを用いた空間感度分布、または、予め実測された空間感度分布に基づいて決定してもよい。また、観察を所望する光吸収体の吸収係数と、その形状に基づいて決定してもよい。
例えば、観察を所望する光吸収体が、直径500μmの血管であり、波長797nmにおける吸収係数μtargetが0.2/mm相当であるものとする。また、照射光の照射密度Φ0を、200J/m2とする。また、当該血管から、中心周波数3MHzの音響波が発
生した場合の、音響波検出部の1素子のNEP(Noise Equivalent Pressure)を、1P
aとする。ここで、音響波検出部からの距離rovが35mmであり、照射光が入射する表面からの距離rvdが30mmであるボクセルHについて考えると、式(8)より、Φ(rov)=0.6J/m2となる。
Φ(rov)=Φ0exp(−ueff・rov)/rov ・・・式(8)
Φ(rov)は、照射光の入射位置から対象ボクセルまでの距離rovにおける光量であり、Φ0は照射光の入射面(皮膚)における光量、ueffは光減衰係数である。被検体
が人の乳房である場合、ueffは0.08/mm程度である。吸収係数が0.2/mmで
ある光吸収体に、0.6J/m2の光量が届いた場合に発生する音響波の初期音圧は、1
20Paとなる。このボクセルから音響波検出部までは、rvd=35mmの距離がある。一方、音響波は、1/√rvdの減衰率で減衰するため、音響波検出部には20.28Paの音圧が届く。
ここで、対象のボクセルが、音響波検出部の正面方向に対して30°の位置にあり、ボクセルHから到来する音響波が、探触子の正面に対して30°傾いて入射するものとする。周波数3MHzにおける、指向角30°での音響波検出部の感度は、正面の1/20で
あるため、20.28Paの音圧を持つ音響波は、約1Paの信号として検出される。一方、NEPは1Paであるため、SN比(Signal−Noise比)は1となる。また、探触子が10個の素子を持っており、ノイズがホワイトノイズである場合、SN比は1/(1/√10)=3.16となる。
このように、式(9)より、あるボクセルにおけるSN比が簡易的に求まる。
SN比=(μtarget・Φ0・exp(−ueff・rov)/rov)/√rvd・AS
(θ)/(NEP(f)/√N) ・・・式(9)
ここで、AS(θ)は、音響波検出部の正面方向に対して、角度θで音響波が入射した
場合の、正面に対する検出感度である。また、Nは探触子の数または測定回数である。また、NEP(f)は、中心周波数fにおけるNEPである。
観察を所望する光吸収体を、直径500μm、吸収係数が0.2/mmの血管とした場合に、3MHzにおけるNEPが1Pa、指向感度がcosθである探触子を利用し、SN比=3を得たいとする。この場合、式(9)より、光量分布計算領域を、50mm×50mm×50mm程度の大きさとすればよいことがわかる。
なお、光量分布計算領域以外の領域については、到達するパルス光の光量は0であるものとして扱う。
図2中の点線が、光量分布計算領域決定部31が決定した光量分布計算領域である。ここで、このように光量分布計算領域を設定した場合における、演算結果の誤差について説明する。図2の光吸収体A〜Cについて算出された光量は、それぞれ以下のようになる。なお、初期音圧は同一であるものとする。
Φ1i(rA)=50J/m,Φ1i(rB)=3J/m,Φ1i(rC)=0J/m
Φ2i(rA)=0J/m,Φ2i(rB)=500J/m,Φ2i(rC)=0J/m
Φ3i(rA)=0J/m,Φ3i(rB)=4J/m,Φ3i(rC)=20J/m
次に、各光吸収体の吸収係数を算出する。式(5),式(6),式(7)に対して、前述した値を適用すると、吸収係数は以下のようになる。
μi(rA)={(7500+3+0.105)/3}/{(50+0+0)/3}=150.0621/m
μi(rB)={(225+75000+300)/3}/{(0+500+0)/3}=151.05/m
μi(rC)={(0.45+4.5+3000)/3}/{(0+0+20)/3}=150.02/m
すなわち、真値150/mに対して、1%以下の誤差で吸収係数を算出することができることがわかる。
さらに、初期音圧分布の算出方法を工夫し、光量分布計算領域外の初期音圧を0として、各光吸収体の吸収係数を算出すると、以下のようになる。
μi(rA)={(7500+0+0)/3}/{(50+0+0)/3}=150/m
μi(rB)={(0+75000+0)/3}/{(0+500+0)/3}=150/m
μi(rC)={(0+0+3000)/3}/{(0+0+20)/3}=150/m
以上に説明したように、本実施形態では、光量分布計算領域を設定することにより、7
20,000個ある演算対象ボクセルを、50×50×50=125,000個に減らすことができる。すなわち、計算速度を、(720000/125000)2≒33倍に高
速化することができる。
なお、観察を所望する光吸収体の吸収係数や形状、探触子のNEPや指向性は、装置のオペレータが入力部から入力してもよいし、予め装置に記憶されていてもよい。また、本例では、被検体内の光量分布と探触子の感度から、光量分布算出領域を決定したが、光量分布のみを用いてもよいし、探触子の感度のみを用いてもよい。
(2)規格化光量分布を用いることによる演算量の削減
一方、光量分布は、前述したように拡散方程式や輸送方程式などによって求めなければならないため、多大な計算コストがかかる。また、パルス光の照射回数が多くなると、比例して演算量も増大する。そこで、本実施形態では、規格化された光量分布を事前に用意しておき、パルス光の出力を乗算することで、各照射における光量分布を算出する。
具体的には、まず、照射光のプロファイルに基づいて、照射光分布Oの総光強度を1mJに規格化した照射光分布O’(以降、規格化照射光分布)を算出する。そして、規格化照射光分布と被検体の光学係数(例えば、平均吸収係数と平均散乱係数)とに基づいて、光量分布計算領域における、規格化された光量分布(以下、規格化光量分布)ΦN(rr)を算出する。ここでrrは、規格化光量分布に対応する座標系における、光の照射領域に対する相対座標である。
算出は、規格化光量分布取得部32によって、測定開始時(例えば、最初のパルス光照射時)に行われ、算出された規格化光量分布が測定中において繰り返し利用される。規格化光量分布は、使用する照射光と、測定対象の被検体が同じである限り、同じデータとなる。すなわち、規格化光量分布を用いることで、パルス光を照射するごとに一から光量分布を演算せずとも、被検体内の光量分布を得ることができる。
ここで、状態1〜3における、光吸収体A〜Cの位置に対応する規格化光量は、以下のように表すことができる。
Φ1N(rA)=ΦN(FS(rA,SP1))=0.5J/m,Φ1N(rB)=ΦN(FS(rB,SP1))=0.03J/m,Φ1N(rC)=ΦN(FS(rC,SP1))=0J/m
Φ2N(rA)=ΦN(FS(rA,SP2))=0J/m,Φ2N(rB)=ΦN(FS(rB,SP2))=5J/m,Φ2N(rC)=ΦN(FS(rC,SP2))=0J/m
Φ3N(rA)=ΦN(FS(rA,SP3))=0J/m,Φ3N(rB)=ΦN(FS(rB,SP3))=0.05J/m,Φ3N(rC)=ΦN(FS(rC,SP3))=0.25J/m
となる。ここで、ΦNは規格化光量分布であり、S1、S2、S3は、照射領域の位置座標である。FSは、吸収体の絶対座標rA、rB、rCと、光の照射領域の位置座標SP1、SP2、SP3を、規格化光量分布の座標系に変換する関数である。すなわち、関数FSは、規格化光量分布に対応する座標系rrにおける規格化光量値を、照射領域に対応する座標系における規格化光量値に変換するための関数である。
ここで得られた規格化光量に、実際の照射光の総光強度を乗算することで、被検体内における光量分布を得ることができる。本実施形態では、被検体情報算出部33が、規格化光量分布ΦN(rr)に照射光の光強度Eを乗算し、得られた光量分布と、検出信号を用いて吸収係数を算出する。なお、照射光の光強度Eは、光照射部10から出射したパルス光の光強度を測定することで取得してもよいし、光源から取得した情報に基づいて推定してもよい。
各状態における照射光の光強度をE1,E2,E3とすると、吸収係数は、以下のように算出することができる。
μi(rA)=R(S1(rA),S2(rA),S3(rA))/{(Φ1N(rA)×E1+Φ2N(rA)×E2+Φ3N(rA)×E3)/3} ・・・式(10)
μi(rB)=R(S1(rB),S2(rB),S3(rB))/{(Φ1N(rB)×E1+Φ2i(rB)×E2+Φ3i(rB)×E3)/3} ・・・式(11)
μi(rC)=R(S1(rC),S2(rC),S3(rC))/{(Φ1N(rC)×E1+Φ2i(rC)×E2+Φ3i(rC)×E3)/3} ・・・式(12)
なお、式(10)、式(11)、式(12)では、照射光の光強度Eを規格化光量に乗算したが、式(13)、式(14)、式(15)のように、検出信号から照射光の光強度Eを除算しても、演算後に同じ結果が得られる。
μi(rA)=R(S1(rA)/E1,S2(rA)/E2,S3(rA)/E3)/{(Φ1N(rA)+Φ2N(rA)+Φ3N(rA))/3} ・・・式(13)
μi(rB)=R(S1(rB)/E1,S2(rB)/E2,S3(rB)/E3)/{(Φ1N(rB)+Φ2i(rB)+Φ3i(rB))/3} ・・・式(14)
μi(rC)=R(S1(rC)/E1,S2(rC)/E2,S3(rC)/E3)/{(Φ1N(rC)+Φ2i(rC)+Φ3i(rC))/3} ・・・式(15)
次に、前述した値を当てはめて、各光吸収体の吸収係数を算出する。式(10)、式(11)、式(12)に対して、前述した値を適用すると、吸収係数は以下のようになる。
μi(rA)={(7500+3+0.105)/3}/{(0.5×100+0×125+0×80)/3}=150.0621/m
μi(rB)={(225+75000+300)/3}/{(0×100+4×125+0×80)/3}=151.05/m
μi(rC)={(0.45+4.5+3000)/3}/{(0×100+0×125+0.25×80)/3}=150.02/m
すなわち、真値150/mに対して、1%以下の誤差で算出することが可能であることがわかる。
さらに、初期音圧分布の算出方法を工夫し、光量分布計算領域外の初期音圧を0として、各光吸収体の吸収係数を算出すると、以下のようになる。
μi(rA)={(7500+0+0)/3}/{(0.5×100+0×125+0×80)/3}=150/m
μi(rB)={(0+75000+0)/3}/{0×100+4×125+0×80)/3}=150/m
μi(rC)={(0+0+3000)/3}/{(0×100+0×125+0.25×80)/3}=150/m
以上に説明したように、本実施形態では、予め算出された規格化光量分布を用いて光量分布を算出することで、照射光の照射ごとに、高コストな方法で光量分布を計算する必要がなくなる。例えば、図2の例では、状態1、状態2、状態3の3状態において、それぞれ光量分布を計算する必要がなくなるため、光量分布の計算速度を約3倍に向上させることができる。なお、本例では3つの状態を例示したが、状態が増えれば増えるほど、計算時間を短縮することができる。
なお、本実施形態では、照射光のプロファイルが各パルス光において一定であることを仮定したうえで、規格化光量分布を算出する例を説明した。なお、照射光のプロファイルに加えて照射光の総光強度も各パルス光において一定であると仮定した場合、従来技術のように、算出された光量分布そのものを規格化光量分布として取得してもよい。すなわち
、規格化光量分布取得部32が、照射光のプロファイルと被検体の光学係数とに基づいて光量分布を算出し、算出された光量分布を規格化光量分布としてメモリ34に記憶してもよい。この場合、被検体情報算出部33が、規格化光量分布を、各パルス光が被検体に照射された際の光量分布として扱ってもよい。
また、各パルス光の照射位置が異なる場合、図2に示すように、照射位置に対して光量分布が相対的に変化するため、被検体内部での光量分布Φ(r)は被検体内部の各位置rと照射領域の位置座標SPを規格化光量分布ΦN(R)の座標系に変換する関数FS(r,SP)を用いて、光量分布Φ(r)=ΦN(FS(r,SP))と算出できる。
<処理フローチャート>
以上に説明した処理を実現するための処理フローチャートを説明する。図3は、本実施形態に係る光音響測定装置が実行する処理のフローチャート図である。
まず、ステップS10で、光照射部10から被検体にパルス光(照射光)を照射する。
次に、ステップS20で、音響波検出部20で、被検体から発生した音響波を検出し、電気信号に変換して、信号処理部30が有するメモリ34に格納する。なお、照射光の照射が複数回行われる場合、パルス光の照射と信号取得(ステップS1およびS2)が繰り返し実行される。そのため、照射光の照射と、音響波検出のタイミングは同期している必要がある。
次に、ステップS30で、光量分布計算領域決定部31が、光量分布を計算する対象の領域(光量分布計算領域)を決定する。当該ステップでは、前述したように、照射光が被検体に入射する際の、被検体表面での分布、被検体の形状、被検体の平均吸収係数、平均散乱係数に基づいて、照射光量が十分強いと判定された領域を決定し、光量分布計算領域とする。なお、光量分布計算領域は、探触子の指向性や帯域感度などから得られる空間感度分布に基づいて設定してもよいし、観察を所望する光吸収体の吸収係数や大きさから、SN比を算出し、当該SN比と閾値との比較結果に基づいて設定してもよい。
次に、ステップS40で、規格化光量分布取得部32が、規格化された照射光の分布(規格化照射光分布O’)と、被検体の平均吸収係数、平均散乱係数に基づいて、光量分布計算領域における規格化光量分布を算出する。
次に、ステップS50で、被検体情報算出部33が、被検体情報を算出する。具体的には、ステップS40で算出された規格化光量分布に、照射光の総光強度を乗算し、光量分布を取得する。そして、検出信号に、任意の再構成手法を適用して初期音圧分布を取得し、式(1)に基づいて吸収係数分布を取得する。なお、本例では吸収係数分布を取得したが、異なる波長に対応する吸収係数分布をそれぞれ取得することで、任意の成分の濃度分布(例えば酸素飽和度など)を算出してもよい。
算出された吸収係数分布は、不図示の表示装置を通して、装置のオペレータに提示される。
なお、本実施形態では、測定開始時に、規格化照射光分布および規格化光量分布を算出し、以降の測定において利用したが、予め照射光や被検体の特性がわかっている場合、規格化照射光分布や規格化光量分布を予め記憶しておき、用いるようにしてもよい。また、異なる照射光や被検体に対応する、複数の規格化照射光分布や規格化光量分布を予め記憶しておき、選択して用いるようにしてもよい。
規格化照射光分布は、被検体に照射光が入射する位置における照射光の2次元プロファ
イルを、カメラなどを用いて予め測定し、2次元プロファイルのピクセルの総和が1になるように規格化することで取得する。また、規格化照射光分布から拡散方程式や輸送方程式を用いて規格化光量分布を算出する。
また、規格化光量分布の算出においては、拡散方程式や輸送方程式を用いて光量分布を算出し、得られた結果を規格化してもよい。例えば、初回のパルス光照射において、従来の方法で光量分布を取得し、当該光量分布を規格化したうえで保持し、2回目以降の照射において利用するようにしてもよい。すなわち、規格化光量分布を求めるために照射されたパルス光以外のパルス光に由来する信号に基づいて、被検体の特性情報を取得してもよい。
規格化された光量分布を用いて被検体内の光量分布を算出することができれば、どのような方法を用いてもよい。
なお、規格化照射光分布と照射光強度の積から算出した、各照射における照射光分布を足し合わせたデータである総和平均照射光分布を使って総和平均光量分布を算出してもよい。その手法について図13を用いて説明する。
図13(A)は、規格化照射光分布ILD_N(rr)を示す図である。図2に示すように、状態1、状態2、状態3の3か所で測定する場合、図13(B)で示したような、照射3回分の照射光分布の総和平均ILDは下記の式のように表わされる。
ILD(r)=(ILD_N(FS(r,SP1))xE1+ILD_N(FS(r,
SP2)xE2+ILD_N(FS(r,SP3))xE3)/3
このようにして求めた総和平均照射光分布ILD(r)から、拡散方程式や輸送方程式を用いて、光量分布Φ(r)を算出することができる(図13(C))。
(第二の実施形態)
第二の実施形態に係る光音響測定装置は、二枚の保持板を用いて被検者の乳房を圧迫保持し、当該乳房中の酸素飽和度の分布を画像化する装置である。
図4は、第二の実施形態に係る光音響測定装置のシステム構成図である。なお、第一の実施形態で述べた構成と同一の構成については、同一の参照符号を付し、説明は省略する。
第二の実施形態に係る光音響測定装置は、光照射部10として、光源11、導波路12、照射光学系13、第一の走査機構14を有している。
光源11は、Nd:YAG励起のTi:saレーザであり、30ナノ秒のパルス幅を持つパルス光を10Hzで照射できる。なお、光源11は、出射するパルス光の波長を、756nmと797nmの二種類に切り替えることができる。
導波路12は、光バンドルファイバであり、光源11から出射したパルス光を照射光学系13へ導光する手段である。
照射光学系13は、照射光を被検体に照射する手段である。具体的には、拡大レンズと拡散板で構成され、導波路12から出射したパルス光を、所定の照射密度で被検体2に照射できるようになっている。
第一の走査機構14は、パルスモータを用いて、レールに沿って照射光学系13を水平に移動させるための走査機構である。レールは、第一の保持板14に対して平行に設置されており、照射光学系13を、図の上下方向と奥行き方向の二次元方向に移動させることができる。
なお、第一の走査機構には、照射光学系13の位置を検出するための機構(例えば、照射光を検出する光検出器)が備わっており、検出した位置を、信号処理部30へ送信する。また、光源11から出射される照射光のエネルギーについての情報も、信号処理部30へ送信される。これにより、1パルスあたりの総光強度を算出することができる。
本実施形態では、被検体を、平行平板である第一の保持板41および第二の保持板42によって、挟み込む形で保持する。これにより、保持板に接している位置の被検体表面の形状が保持板の形状に規定される。第一の保持板41および第二の保持板42は、光と音響波の両方に対する透過性を有するポリメチルペンテンを材料とする。
また、第一の保持板41または第二の保持板42は、互いの間隔が変わるように移動可
能に構成されている。なお、移動する保持板は、どちらか片方であってもよいし、両方であってもよい。また、第一の保持板41と第二の保持板42の間隔は、計算処理部4へ送信され、被検体の形状情報として利用される。
また、第二の実施形態に係る光音響測定装置は、音響波検出部20として、探触子21、信号変換部22、第二の走査機構23を有している。
探触子21は、1×1mmサイズの、中心周波数2MHzの帯域100%のcMut素子を20×30個並べた二次元アレイ探触子である。探触子21と第二の保持板42との間は、音響インピーダンスの整合をとるため、ひまし油で満たされている。
信号変換部22は、探触子21が取得した検出信号を増幅し、電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する手段である。変換された信号は、信号処理部30へ送信される。
第二の走査機構23は、パルスモータを用いて、レールに沿って探触子21を水平に移動させるための走査機構である。レールは、第二の保持板42に対して平行に設置されており、探触子21を、図の上下方向と奥行き方向の二次元方向に移動させることができる。また、第二の走査機構23は、第一の走査機構14と連動している。すなわち、照射光が被検体に当たる位置の裏側に探触子21が来るように制御される。
本実施形態における信号処理部30は、第一の実施形態と同様に、光量分布計算領域決定部31、規格化光量分布取得部32、被検体情報算出部33を有している。本実施形態では、信号処理部30は、ワークステーションであり、光量分布計算領域決定部31、規格化光量分布取得部32、被検体情報算出部33は、当該ワークステーションで動作するプログラムである。
第二の実施形態では、信号処理部30が、光源11から、出射する照射光のエネルギーについての情報を取得し、被検体に照射されるパルス光の総光強度に変換したうえで、これを、取得した規格化光量分布に乗算し、吸収係数の計算に用いる光量分布を取得する。
また、信号処理部30は、被検体2の平均吸収係数、平均散乱係数を、入力部60経由で取得し、規格化光量分布取得部32が光量分布を計算する際に用いる。
さらに、信号処理部30は、第一の保持板41と第二の保持板42との距離を取得し、二つの保持板の間にすべて被検体2があるものと仮定して、光量分布を取得する。
第一の実施形態では、一波長のみを用いて吸収係数分布を取得したが、第二の実施形態に係る信号処理部30は、二つの波長を用いて、吸収係数分布をそれぞれ取得し、式(16)を用いて、被検体内における酸素飽和度の分布を算出する。
StO=(μi756(r)×εHbR756−μi797(r)×εHbR797)/(μi756
(r)×(εHbR756−εHbO756)−μi797(r)×(εHbR797−εHbO797
)) ・・・式(16)
ここで、εHbR756は、還元ヘモグロビンの、波長756nmにおける吸収係数であ
り、εHbR797は、還元ヘモグロビンの、波長797nmにおける吸収係数である。ま
た、εHbO756は、酸化ヘモグロビンの波長756nmにおける吸収係数であり、εH
bO797は、酸化ヘモグロビンの波長797nmにおける吸収係数である。また、μi756(r)は、波長756nmのパルス光で測定して得られた吸収係数分布であり、μi797
(r)は、波長797nmのパルス光で測定して得られた吸収係数分布である。
第二の実施形態に係る信号処理部30が行う処理のフローチャートを図5に示す。
図5のフローチャートは、ステップS10の完了後に、被検体に対して照射されたパルス光の光量を取得するステップ(ステップS15)が追加されるという点において、第一の実施形態(図3)と相違する。
ステップS15では、光源への投入エネルギーと、予め与えられた係数(当該エネルギーを照射光の総光強度に変換するための係数)を用い、各位置における照射光の総光強度を算出する。算出された光強度は、ステップS50において、規格化光量分布を、実際の光量分布に変換する際に用いられる。
また、第二の実施形態では、ステップS10〜S50の処理を波長ごとに実行し、得られた複数の吸収係数分布に基づいて、酸素飽和度を算出する。算出された酸素飽和度は、モニタ50を通して、装置のオペレータに提示される。
第二の実施形態に係る光音響測定装置では、被検体の形状が保持板によって規定されており、照射光が、被検体の表面に対してほぼ同じパターンで照射される。すなわち、規格化照射光分布を予めひとつ求めておけば、全ての照射において利用することができる。
なお、平均吸収係数と平均散乱係数は、オペレータによって入力させてもよいし、予め測定した値を保持しておき、それを用いてもよい。
(第三の実施形態)
第三の実施形態に係る光音響測定装置は、乳房中の吸収係数分布を画像化する装置であって、探触子21と照射光学系13を一つの筐体80内に格納し、被検体に押し付けて測定を行う、ハンドヘルド型の装置である。
図6は、第三の実施形態に係る光音響測定装置のシステム構成図である。なお、第一の実施形態で述べた構成と同一の構成については、同一の参照符号を付し、説明は省略する。
第三の実施形態に係る光音響測定装置は、光照射部10として、光源11、導波路12、照射光学系13、パワーメータ15を有している。
光源11は、アレキサンドライトレーザであり、100ナノ秒のパルス幅を持つパルス光を、波長700nm〜800nmの範囲で、20Hzで照射できる。
導波路12は、光バンドルファイバであり、光源11から出射したパルス光を、照射光学系13に導光する手段である。また、光源から出射したパルス光の一部を分岐させ、パワーメータ15に導光する手段である。
照射光学系13は、照射光を被検体に照射する手段である。具体的には、拡大レンズと拡散板で構成され、導波路12から出射されたパルス光を、所定の照射密度で被検体2に照射できるようになっている。
パワーメータ15は、光源から出射したパルス光の一部の光強度を検出し、計測する手段(照射光強度取得手段)である。検出結果は、信号処理部30へ送信される。
また、第三の実施形態に係る光音響測定装置は、音響波検出部20として、探触子21、信号変換部22を有している。探触子21は、図面奥行き方向に、1mmのピエゾ素子を20個並べ、音響レンズを追加した一次元アレイ探触子である。探触子21は、素子の配列方向(図面奥行き方向)と、図面上下方向からなる、二次元面の信号のみを検出可能な構成となっている。
信号変換部22は、探触子21が取得した検出信号を増幅し、電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する手段である。変換された信号は、信号処理部30へ送信される。
第三の実施形態においても、信号処理部30は、光量分布計算領域決定部31、規格化光量分布取得部32、被検体情報算出部33を有している。
本実施形態では、探触子21が有する音響素子が一次元配列であるため、音響波を検出できるのは、探触子正面の領域(以下、被検体情報取得領域)のみである。そのため、当該被検体情報取得領域についてのみ光量分布を取得すれば、処理を行うことができる。
しかし、光量分布を計算する為には、照射光が被検体表面に照射される位置を含んだ領域を計算する必要がある。また、光量分布計算領域の境界における境界条件が、算出された光量に大きく影響を与える領域が、境界から数mm程度ある。そのため、本実施形態では、被検体情報取得領域よりも若干大きい領域を光量分布計算領域として設定する。具体的には、被検体情報取得領域より10mm大きい領域を、光量分布計算領域とする。
本実施形態では、第二の実施形態と同様に、規格化光量分布取得部32が、照射光の総光強度を規格化した場合の、光量分布計算領域における光量分布(規格化光量分布)を算出する。
次に、図6を参照して、本実施形態における被検体情報算出部33が行う処理について説明する。本実施形態では、照射光学系13および探触子21の位置を変化させずに、パルス光を複数回照射する。
例えば、パルス光を3回照射する場合、各照射に対する状態を、状態1、状態2、状態3とすると、図7(A)〜(C)のように、それぞれの位置関係は変わらない。
ここで、各状態における照射光の光強度をE1,E2,E3とすると、位置rにある光吸収体3の吸収係数の算出方法は、式(10)より、以下のようになる。
μi(r)=R(S1(r),S2(r),S3(r))/{(ΦN(r)×E1+ΦN(r)×E2+ΦN(r)×E3)/3}
または、式(13)により、以下のようになる。
μi(r)=R(S1(r)/E1,S2(r)/E2,S3(r)/E3)/{(ΦN(r)+ΦN(r)+ΦN(r))/3}
なお、本実施形態における規格化光量分布取得部32は、筐体が接した面から奥行き方向に被検体が無限に続くものと仮定して、規格化光量分布を算出する。また、被検体2の平均吸収係数、平均散乱係数は、人間の乳房の統計データの平均値を、予め記憶させておき、用いるものとする。
第三の実施形態に係る信号処理部30が行う処理のフローチャートは、第二の実施形態(図5)と同様であるが、パワーメータ15が取得したパルス光の光強度に基づいて、照射光の総光強度を算出するステップが追加されるという点において相違する。具体的には、ステップS15にて、パワーメータ15が取得したパルス光の光強度に、予め与えられた係数(計測した光強度を、照射光総光強度に変換するための係数)を乗算し、各位置における照射光の総光強度を算出する。算出された光強度は、ステップS50において、規格化光量分布を、実際の光量分布に変換する際に用いられる。
また、ステップS30の処理において、前述した方法によって光量計算領域を設定するという点において相違する。他のステップは、第二の実施形態で示したものと同様である。
なお、第三の実施形態では、第二の実施形態と同様に、最初に、規格化した照射光分布ILD_N(rr)と照射光強度を使って、総和平均照射光分布ILD(r)を算出してから、初期音圧R(S1(r),S2(r),S3(r))を除するための光量を算出してもよい。
(第四の実施形態)
第四の実施形態に係る光音響測定装置は、乳房中の相対的なヘモグロビン濃度分布を画像化する装置であって、お椀状の形状をした探触子を用いて測定を行う装置である。
図8は、第四の実施形態に係る光音響測定装置のシステム構成図である。なお、第一の実施形態で述べた構成と同一の構成については、同一の参照符号を付し、説明は省略する。
第四の実施形態に係る光音響測定装置は、光照射部10として、光源11、導波路12、照射光学系13、パワーメータ15を有している。
光源11は、アレキサンドライトレーザであり、100ナノ秒のパルス幅を持つ、波長797nmのパルス光を、20Hzで照射できる。
導波路12は、レーザ光を空間伝播させるための、反射ミラー付きのアームであり、光源11から出射したパルス光を、照射光学系13に導光する手段である。また、光源から出射したパルス光の一部を分岐させ、パワーメータ15に導光する手段である。
照射光学系13は、照射光を被検体に照射する手段である。具体的には、拡大レンズと拡散板で構成され、導波路12から出射されたパルス光を、所定の照射密度で被検体2に照射できるようになっている。
パワーメータ15は、光源から出射したパルス光の一部の光強度を検出し、計測する手段である。検出結果は、信号処理部30へ送信される。
また、第四の実施形態に係る光音響測定装置は、音響波検出部20として、探触子21、信号変換部22を有している。
探触子21は、半球状の形状をしたお椀型の保持部材の内側表面に、球の中心を向いたピエゾ素子を512個、フィボナッチ配列によって配列したものである。
信号変換部22は、探触子21が取得した検出信号を増幅し、電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する手段である。変換された信号は、信号処理部30へ送信される。
第四の実施形態に係る光音響測定装置では、探触子21と照射光学系13が一体になっており、図8に示すように、お椀型探触子の底面から、球の中心側方向にパルス光を照射する構成となっている。また、探触子21と照射光学系13は水槽91の中に配置されており、水槽91内を水92で満たすことで、被検体2との音響インピーダンスを整合させている。また、探触子21および照射光学系13は、第三の走査機構24によって、被検体に対する相対的な位置を変更できるようになっている。
第四の実施形態では、照射光学系13が被検体と密着していないため、被検体の照射面が変わると、被検体内の光量分布が変化してしまう。すなわち、前述した方法では、規格化光量分布を正しく算出することができない。
そこで、本実施形態では、被検体形状取得部25によって、被検体の形状を計測し、計測結果を用いて、規格化光量分布を補正する。被検体形状取得部25は、被検体の形状を取得することができれば、どのような手法を用いてもよい。例えば、複数の位置にカメラを設置して、被検体の投影形状から形状を算出してもよい。また、Time of Flightカメラを用いてもよいし、プロジェクタでパターンを投影し、カメラで撮像することによって形状を取得してもよい。この他にも、超音波を送受信して、被検体と水の音響インピーダンスの違いから形状を抽出してもよいし、光音響特性を使って、被検体表面の光の吸収により出る信号から形状を抽出してもよい。
取得した形状を用いて、規格化光量分布を補正する方法については後述する。
第四の実施形態においても、信号処理部30は、光量分布計算領域決定部31、規格化光量分布取得部32、被検体情報算出部33を有している。また、被検体の形状に応じて、規格化光量分布を補正するための光量分布補正部35を有している。
まず、光量分布計算領域決定部31が、光量分布計算領域とは別に、被検体領域を決定する。被検体領域とは、被検体形状全体が入るように直方体形状で囲われた領域である。被検体領域は、なるべく被検体で満たされるように、また、照射光が垂直に入射できるような面を持っていてもよい。本実施形態では、図面横方向をX軸、奥行き方向をY軸、上下方向をZ軸とした場合に、X軸方向に24mm、Y軸方向に24mm、Z軸方向に10
mmの直方体の領域を被検体領域とした。
また、光量分布計算領域決定部31は、第二の実施形態と同様の方法で光量分布計算領域を決定する。本実施形態では、光量分布計算領域を、10mm×10mm×10mmの大きさとする。また、規格化光量分布取得部32が、規格化光量分布を、第二の実施形態と同様の方法で算出する。
前述したように、本実施形態では、探触子および照射光学系が、被検体に対して密着していないため、照射光が被検体に入射する際の被検体表面の形状が、照射ごとに変わってしまう。すなわち、前述した方法では、規格化光量分布を正確に算出することができない。
そこで、本実施形態では、生成した規格化光量分布を、被検体の形状に基づいて補正し、補正後の規格化光量分布を用いて、被検体内の光量分布を推定する。
図9は、探触子21および照射光学系13が、被検体に対して、異なる位置にある場合を示した図である。ここでは、図9(A)、図9(B)、図9(C)で示した位置関係を、それぞれ、状態1、状態2、状態3とする。
本実施形態では、光量分布補正部35が、光量分布算出領域において求めた規格化光量分布を、被検体の形状に基づいて補正(変形)させる。すなわち、光量分布補正部35が、規格化光量分布の座標が被検体の外形の座標に対応するように、規格化光量分布の座標を補正する。
まず、図10(A)に示したように、規格化光量分布をX軸、Y軸、Z軸に平行に切った1mmの立法メッシュによって分割する。次に、図10(B),図10(C),図10(D)で示したように、1mmの立法メッシュで分割した規格化光量分布を、Z方向へ1mm単位でスライドさせ、状態ごとに、被検体の形状に合わせる。この時、スライドによって光量分布計算領域からはみ出した部分(符号1001A、1001B、1001C)は削除し、スライドによって値が無くなった部分(符号1002A、1002B、1002C)には、規格化光量分布の最大値を入れる。
このような処理を行うと、図10(E),図10(F),図10(G)のように、補正後の規格化光量分布が得られる。
そして、被検体情報算出部33は、第二の実施形態における規格化光量分布の代わりに、補正後の規格化光量分布を用いて、第二の実施形態と同様の方法で、被検体内の吸収係数を算出する。
第四の実施形態に係る信号処理部30が行う処理のフローチャートは、第二の実施形態(図5)と同様であるが、被検体の形状を測定するステップが追加されるという点において相違する。具体的には、ステップS25にて、前述した方法によって、パルス光が照射される面の形状を測定する。なお、被検体の形状測定は、被検体の形状や位置が前回の測定から変わった場合にのみ行う。
また、光量分布計算領域に存在する被検体の形状に合わせて、規格化光量分布を補正するステップ(ステップS45)が追加されるという点において相違する。補正の方法は、例えば前述したように、照射光の照射方向から被検体奥行き方向に向かって、各メッシュに対応する値をずらす方法を用いることができる。この他にも、アフィン変換などを使って補正を行ってもよい。光量分布計算領域からはみ出した値は削除してもよい。また、値がなくなったメッシュには、規格化光量分布の最大値を代入してもよい。
他のステップは、第二の実施形態で示したものと同様である。
なお、被検体を挿入する部分に、被検体の形状を規定するための部材を設けてもよい。例えば、図12に示したカップ93のように、測定中に被検体を押し付けて保持するため
の保持部材を設ける。これにより、照射面の形状が、予め定められた形状となるため、被検体の形状測定を省略することができる。なお、保持部材の形状は、被検体形状取得部25に予め記憶させてもよい。
また、保持部材の形状が予め定まっている場合、規格化光量分布の補正を毎回実行する必要はない。例えば、使用する保持部材ごとに補正済みの規格化光量分布を記憶しておき、対応するものを用いるようにしてもよい。
また、第四の実施形態では、第一の実施形態と同様に、最初に、規格化した照射光分布ILD_N(rr)と照射光強度を使って、総和平均照射光分布ILD(r)を算出してから、初期音圧R(S1(r),S2(r),S3(r))を除するための光量を算出し、図10のように形状に沿わせてもよい。
(変形例)
なお、各実施形態の説明は本発明を説明する上での例示であり、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更または組み合わせて実施することができる。
例えば、本発明は、前述した手段の少なくとも一部を含む被検体情報取得装置として実施することもできる。また、当該被検体情報取得装置が行う処理方法として実施することもできる。上記処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
本発明は、記憶装置に記録されたプログラムを読み込み実行することで前述した実施形態の機能を実現するシステムや装置のコンピュータ(又はCPU、MPU等のデバイス)によっても実施することができる。また、例えば、記憶装置に記録されたプログラムを読み込み実行することで前述した実施形態の機能を実現するシステムや装置のコンピュータによって実行されるステップからなる方法によっても、本発明を実施することができる。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、FPGAやASIC)によって実行することもできる。この目的のために、上記プログラムは、例えば、ネットワークを通じて、又は、上記記憶装置となり得る様々なタイプの記録媒体(つまり、非一時的にデータを保持するコンピュータ読取可能な記録媒体)から、上記コンピュータに提供される。したがって、上記コンピュータ(CPU、MPU等のデバイスを含む)、上記方法、上記プログラム(プログラムコード、プログラムプロダクトを含む)、上記プログラムを非一時的に保持するコンピュータ読取可能な記録媒体は、いずれも本発明の範疇に含まれる。
10・・・光照射部、20・・・音響波検出部、30・・・信号処理部

Claims (20)

  1. 被検体にパルス光照射されることにより前記被検体から発生した音響波出信号に基づいて前記被検体の特性情報を取得する被検体情報取得装置であって
    第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体表面における照射光分布について、当該第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を、単位光強度を基準として規格化することにより、規格化された照射光分布である規格化照射光分布を算出し、
    前記規格化照射光分布を用いて、前記第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の規格化された光量分布である規格化光量分布を算出し
    前記規格化光量分布に、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を乗算することにより、前記第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の光量分布を算出し、
    記光量分布と、前記第2のタイミングに前記被検体にパルス光が照射されることにより前記被検体から発生した音響波の検出信号とを用いて、前記被検体の特性情報を取得する処理手段を有する
    ことを特徴とする、被検体情報取得装置。
  2. 被検体にパルス光が照射されることにより前記被検体から発生した音響波の検出信号に基づいて前記被検体の特性情報を取得する被検体情報取得装置であって、
    第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の光量分布を算出し、
    前記光量分布について、前記第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を、単位光強度を基準として規格化することにより、規格化された光量分布である規格化光量分布を算出し、
    前記規格化光量分布に、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を乗算することにより、前記第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の光量分布を算出し、
    前記光量分布と、前記第2のタイミングに前記被検体にパルス光が照射されることにより前記被検体から発生した音響波の検出信号とを用いて、前記被検体の特性情報を取得する処理手段と、を有する
    ことを特徴とする、被検体情報取得装置。
  3. 前記被検体にパルス光を照射する照射手段と、
    前記照射手段からのパルス光が照射された前記被検体から発生した音響波を検出して検出信号としての電気信号を出力する音響波検出手段と、
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の被検体情報取得装置。
  4. 前記照射手段から射出され、前記被検体に照射される前のパルス光の光強度を測定る光強度測定手段を有
    記処理手段は、前記規格化光量分布と、前記光強度測定手段により測定された前記第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度と、を用いて、前記被検体内の光量分布を算出する
    ことを特徴とする、請求項に記載の被検体情報取得装置。
  5. 前記処理手段は、前記電気信号に基づいて初期音圧分布を取得し、前記初期音圧分布から前記光量分布を除算する演算を行うことにより、前記被検体の特性情報を取得する
    ことを特徴とする、請求項に記載の被検体情報取得装置。
  6. 記光強度測定手段は、前記第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の一部を測定し、
    前記処理手段は、前記光強度測定手段の測定の結果に基づいて、前記第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の光強度を推定する
    ことを特徴とする、請求項4または5に記載の被検体情報取得装置。
  7. 前記照射手段から照射されるパルス光の一部を分岐させ、前記光強度測定手段に導光することにより、前記光強度測定手段によって前記第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の一部を測定することを可能とする光学部材をさらに有する
    ことを特徴とする、請求項6に記載の被検体情報取得装置。
  8. 前記照射手段を走査させる走査機構をさらに有し、
    前記照射手段は、前記走査機構によって走査されることにより、前記被検体に対するパルス光の照射位置を変えながら前記被検体にパルス光を複数回照射する
    ことを特徴とする、請求項からのいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  9. 記処理手段は、前記被検体の形状に基づいて、前記規格化光量分布を補正し、
    補正された前記規格化光量分布に、前記第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を乗算することにより、前記第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の光量分布を算出する
    ことを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  10. 前記処理手段は、前記規格化光量分布の形状を前記被検体の形状に対応させるように、前記規格化光量分布の座標を補正することにより、補正された前記規格化光量分布を取得する
    ことを特徴とする、請求項に記載の被検体情報取得装置。
  11. 前記処理手段は、前記規格化光量分布の形状を前記被検体の形状に対応させるように、前記規格化光量分布をアフィン変換することにより、前記規格化光量分布を補正する
    ことを特徴とする請求項9に記載の被検体情報取得装置。
  12. 前記被検体の形状を計測する計測部を有し、
    前記処理手段は、前記計測部により計測された前記被検体の形状に基づいて、前記規格化光量分布を補正する
    ことを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  13. 前記第2のタイミングは、前記第1のタイミングよりも後のタイミングである
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  14. 被検体にパルス光が照射されることにより前記被検体から発生した音響波出信号に基づいて前記被検体の特性情報を取得する処理方法であって、
    第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体表面における照射光分布について、前記第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を、単位光強度を基準として規格化することにより、規格化された照射光分布である規格化照射光分布を算出し、
    前記規格化照射光分布を用いて、前記第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の規格化された光量分布である規格化光量分布を算出し
    前記規格化光量分布に、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を乗算することにより、前記第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の光量分布を算出し、
    記光量分布と、前記第2のタイミングに前記被検体にパルス光が照射されることにより前記被検体から発生した音響波の検出信号を用いて、前記被検体の特性情報を取得す
    とを特徴とする、処理方法。
  15. 被検体にパルス光が照射されることにより前記被検体から発生した音響波の検出信号に基づいて前記被検体の特性情報を取得する処理方法であって、
    第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の光量分布を算出し、
    前記光量分布について、前記第1のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を、単位光強度を基準として規格化することにより、規格化された光量分布である規格化光量分布を算出し、
    前記規格化光量分布に、前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を乗算することにより、前記第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の光量分布を算出し、
    前記光量分布と、前記第2のタイミングに前記被検体にパルス光が照射されることにより前記被検体から発生した音響波の検出信号とを用いて、前記被検体の特性情報を取得する
    ことを特徴とする処理方法。
  16. 前記被検体の形状に基づいて、前記規格化光量分布を補正し、
    補正された前記規格化光量分布に、前記第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の総光強度を乗算することにより、前記第2のタイミングに前記被検体に照射されたパルス光の前記被検体内の光量分布を算出する
    ことを特徴とする、請求項14または15に記載の処理方法。
  17. 前記規格化光量分布の形状を前記被検体の形状に対応させるように、前記規格化光量分布の座標を補正することにより、補正された前記規格化光量分布を取得する
    ことを特徴とする請求項16に記載の処理方法。
  18. 前記規格化光量分布の形状を前記被検体の形状に対応させるように、前記規格化光量分布をアフィン変換することにより、前記規格化光量分布を補正する
    ことを特徴とする請求項16に記載の処理方法。
  19. 前記第2のタイミングは、前記第1のタイミングよりも後のタイミングである
    ことを特徴とする請求項14から18のいずれか1項に記載の処理方法。
  20. 請求項1または19のいずれか1項に記載の処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
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