JP6000728B2 - 被検体情報取得装置および被検体情報取得方法 - Google Patents
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Description
P0=Γ・μa・Φ・・・(1)
ここで、Γはグルナイゼン係数であり、体積膨張係数βと音速cの二乗の積を定圧比熱CPで割ったものである。Γは被検体が決まれば、ほぼ一定の値をとることが知られている。μaは光吸収体の吸収係数、Φは局所的な領域での光量(光吸収体に照射された光量で、光フルエンスとも言う)である。
レに伴い、被検体内の正確な酸素飽和度分布を取得することができなかった。
被検体に光を照射する照射部と、
光を照射された前記被検体から発生する音響波を取得して検出信号に変換する複数の素子を含む検出部と、
前記検出部を前記被検体上で移動させる検出部走査機構と、
前記検出部が移動した各位置で前記複数の素子が取得した音響波から変換された検出信号のうち、被検体上の同じ位置で取得された音響波から変換された検出信号を積算して積算信号を出力する積算部と、
前記被検体内の関心領域における初期音圧を、前記積算信号から算出する初期音圧算出部と、
前記関心領域における光量を算出する光量算出部と、
前記初期音圧と前記光量を用いて被検体情報を算出する被検体情報算出部と、
を有し、
前記光量算出部は、前記積算部の処理と前記初期音圧算出部の算出処理に応じて光量を重みづけして、重み付け光量を算出する
ことを特徴とする被検体情報取得装置である。
照射部が、被検体に光を照射する工程と、
検出部に含まれる複数の素子が、光を照射された前記被検体から発生する音響波を取得して検出信号に変換する工程と、
検出部走査機構が、前記検出部を前記被検体上で移動させる工程と、
積算部が、前記検出部が移動した各位置で前記複数の素子が取得した音響波から変換された検出信号のうち、被検体上の同じ位置で取得された音響波から変換された検出信号を積算して積算信号を出力する工程と、
初期音圧算出部が、前記被検体内の関心領域における初期音圧を、前記積算信号から算出する工程と、
光量算出部が、前記関心領域における光量を算出する工程と、
被検体情報算出部が、前記初期音圧と前記光量を用いて被検体情報を算出する工程と、を有し、
前記光量算出部は、前記積算部の処理と前記初期音圧算出部の算出処理に応じて光量を重み付けして前記光量を算出する
ことを特徴とする被検体情報取得方法である。
図1は、本実施形態に係る被検体情報取得装置の模式図である。本実施形態における被検体情報取得装置は、光源2、光照射部3、音響波検出部4、信号積算処理部5、計算処理部6、光照射部走査機構11、音響波検出部走査機構12、表示装置18から構成される。音響波検出部4は音響波検出素子10を含む。計算処理部6は、初期音圧取得モジュール15、光量値取得モジュール16および被検体情報取得モジュール17を含む。測定対象は被検体1であり、その内部には周囲より吸収係数の高い光吸収体7がある。
り、被検体内の初期音圧分布を取得することができる。同様に、被検体の全領域にわたる関心領域について、光量値取得モジュール16および被検体情報取得モジュール17が光量値および吸収係数を取得することにより、光量値分布および被検体情報分布を取得することができる。関心領域は、2次元の画像再構成においてはピクセル、3次元の画像再構成においてはボクセルと呼ぶことができる。初期音圧取得モジュールは本発明の初期音圧算出部に、光量値取得モジュールは本発明の光量算出部に、被検体情報取得モジュールは本発明の被検体情報算出部に相当する。
続いて、上述した被検体情報取得装置の各構成要素について、それぞれの詳細な材料、構造や機能を説明する。
光源2は、5ナノ秒乃至50ナノ秒のパルス光を発生可能な光源を備えている。光源としては大きな出力が得られるレーザーが好ましいが、レーザーのかわりに発光ダイオードなどを用いることも可能である。レーザーとしては、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なレーザーを使用することができる。理想的には、出力が強く連続的に波長を変えられる、Nd:YAG励起のTi:saレーザーや、アレキ
サンドライトレーザーがよい。異なる波長の単波長レーザーを複数保有していてもよい。
光源2から出射されたパルス光は、典型的にはレンズやミラーなどの光学部品により、所望の光分布形状に加工されながら被検体に導かれるが、光ファイバなどの光導波路などを用いて伝搬させることも可能である。光照射部3は、例えば、光を反射するミラーや、光を集光したり拡大したり形状を変化させるレンズ、光を拡散させる拡散板などである。このような光学部品は、光源から発せられたパルス光が被検体1に所望の形状で照射されれば、どのようなものを用いてもかまわない。なお、光はレンズで集光させるより、ある程度の面積に広げる方が被検体への安全性ならびに診断領域を広げられるという観点で好ましい。なお、照射光12を走査するために、図1に示すように、光照射部に光照射部走査機構11を設けることもできる。
被検体表面及び被検体内部で発生する光音響波を検出する(探触子あるいはトランスデューサとも呼ばれる)である音響波検出部4は、音響波を検知し、アナログ信号である電気信号に変換する。圧電現象を用いたトランスデューサ、光の共振を用いたトランスデューサ、容量の変化を用いたトランスデューサなど音響波信号を検知できるものであれば、どのような音響波検出器を用いてもよい。なお、複数の位置で音響波を検出するため、図1に示すように音響波検出素子10が1次元、または2次元に並べて複数配列されており、音響波検出部走査機構12によって機械的に走査可能に構成されていることが好ましい
。
信号積算処理部5は、音響波検出部4より得られた電気信号を増幅し、その電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。信号積算処理部は、典型的には増幅器、A/D変換器、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップなどで構成される。音響波検出部から得られる検出信号が複数の場合は、同時に複数の信号を処理できることが望ましい。それにより、画像を形成するまでの時間を短縮できる。さらに、本特許においては、被検体に対して同じ位置で検出した音響波信号は積算されて、一つの信号になる。積算の方法は、信号同士を足し合わせるだけでも良いし、信号同士を足し合わして足し合わせた数で割る方法でも良いし、信号にそれぞれ重みを付けて足しわせても良い。なお、本明細書において「検出信号」とは、音響波検出部から出力されるアナログ信号も、その後AD変換されたデジタル信号も含む概念である。信号積算処理部は、本発明の積算部に相当する。
計算処理部6は、画像再構成などを行うことにより被検体内部の光学特性値を取得する。計算処理部6には、典型的にはワークステーションなどが用いられ、画像再構成処理などがあらかじめプログラミングされたソフトウェアにより行われる。計算処理部は、様々な算出処理を実行できる。例えば、ワークステーションで使われるソフトウェアとしては、設定モジュールや、初期音圧取得モジュール15、光量値取得モジュール16、被検体情報取得モジュール17などがある。なお、それぞれのモジュールを、別々のハードウェアとして設けてもよい。この場合、それぞれのハードウェアを総じて計算処理部6とすることができる。また、場合によっては、信号積算処理部5と、計算処理部6は一体化される場合もある。この場合、ワークステーションで行うようなソフトウェア処理ではなく、ハードウェア処理により被検体の光学特性値を生成することもできる。
続いて、本実施形態における、光照射から信号検出、および、検出された信号について光量の重み付けがなされた積算処理と被検体情報取得方法を、本発明を適用しない場合と対比しつつ説明する。
すなわち、検出信号SA 1(rT)とは、光吸収体(関心領域)の位置がrT、音響波検出部の位置が状態(1)のときに、音響波検出素子10aが検出した信号である。なお、音響波検出素子10aは、その指向性の範囲内において、様々な方向からの音響波を検出している。そこで、当該素子から関心領域までの距離と、被検体(生体)内の音速に基づき、光を照射された関心領域からの音響波が当該素子に到達したと考えられる時間を算出し、その時間に検出された信号を関心領域での検出信号とする。
S(ii)(rT)=(SB 1(rT)+SA 2(rT))/2 …(3)
S(iii)(rT)=(SC 1(rT)+SB 2(rT)+SA 3(rT))/3
…(4)
S(iv)(rT)=(SC 2(rT)+SB 3(rT)+SA 4(rT))/3
…(5)
S(v)(rT)=(SC 3(rT)+SB 4(rT)+SA 5(rT))/3 …(6)
S(vi)(rT)=(SC 4(rT)+SB 5(rT))/2 …(7)
S(vii)(rT)=SC 5(rT) …(8)
ここで、信号積算処理部5の処理(例えばいくつの信号が積算されたか)を考慮に入れずに初期音圧を算出すると、光吸収体7での初期音圧P0(rT)は、式(9)となる。
P0 n(rT)
={α(rT,r(i))S(i)(rT)
+α(rT,r(ii))S(ii)(rT)
+α(rT,r(iii))S(iii)(rT)
+α(rT,r(iv))S(iv)(rT)
+α(rT,r(v))S(v)(rT)
+α(rT,r(vi))S(vi)(rT)
+α(rT,r(vii))S(vii)(rT)}/7 …(9)
そこで本実施形態では、位置ごとの積算平均信号S(i)、S(ii)、S(iii)、S(iv)、S(v)、S(vi)、S(vii)に重みを付けて初期音圧を算出し、それに合わせて光量を算出し、両者から吸収係数を算出する。
P0 w(rT)
={α(rT,r(i))S(i)(rT)
+2×α(rT,r(ii))S(ii)(rT)
+3×α(rT,r(iii))S(iii)(rT)
+3×α(rT,r(iv))S(iv)(rT)
+3×α(rT,r(v))S(v)(rT)
+2×α(rT,r(vi))S(vi)(rT)
+α(rT,r(vii))S(vii)(rT)}/7 …(12)
P0 w(rT)=0.1401Pa、Φw(rT)=7.007(J/m2)となる。これらより吸収係数を算出すると、μa(rT)=0.0200/mmとなり、吸収係数の算出に当たって正確さを向上させることができる。
以下に、本実施形態に係る被検体情報取得方法を、図3のフローチャートを用いて説明する。以下の番号は、図3に示す各工程の番号と一致する。
この工程では、光照射部から被検体に対してパルス光を照射する。
S100において被検体にパルス光が照射された結果、被検体から音響波が発生する。この工程では、その音響波を音響波検出素子が検出し、電気信号に変換してメモリ等に格納する。上述したように、複数の素子を用いて複数の位置で音響波を検出することが好ましい。
算信号取得工程)
この工程では、上記のS200工程において取得されメモリに格納された検出信号から、被検体上の同じ位置で取得されたものを選択して積算し、積算信号とする。なお、検出信号を全て格納するのではなく、検出の都度、実時間で演算を行なっても良い。
場合、被検体上の位置r(i)にてある素子Aが検出した信号と、次の照射時に同じ位置r(i)に移動してきた素子B(素子Aの隣の素子)が検出した信号を積算する。同様にして式(2)〜式(8)の様に、同じ位置で取得した信号を一つの積算信号として積算する。さらに、この段階で積算信号を積算数で割って平均値を求め、積算平均信号としておいても良い。
この工程では、上記のS300工程において信号を積算した積算方法に応じて、式(13)の様に積算平均信号に重みを付け、初期音圧を算出する。積算に応じた方法とは例えば、積算平均信号に補正係数を乗じるだけでなく、被検体上の各位置での積算数に応じた重みをも乗じる方法である。
この工程では、上記のS100工程で照射した各パルスにおける関心領域の光量を算出し、S300工程での信号の積算方法とS400工程での重み付け方法を考慮に入れて、式(14)の様に重み付けした光量を算出する。例えば、初期音圧取得時の重み付けにより得られたゲインに応じて、光量にもゲインを掛ける方法である。本実施形態では素子数と光照射(音響波検出)回数の掛け合わせに応じて、初期音圧を算出する際の信号積算数が増加するため、積算に応じた本処理が必要となる。
この工程では、上記のS400工程において得られた重み付け初期音圧から、S500工程において得られた重み付け光量を除する事により、吸収係数を算出する。これにより、被検体情報分布が得られる。
Claims (7)
- 被検体に光を照射する照射部と、
光を照射された前記被検体から発生する音響波を取得して検出信号に変換する複数の素子を含む検出部と、
前記検出部を前記被検体上で移動させる検出部走査機構と、
前記検出部が移動した各位置で前記複数の素子が取得した音響波から変換された検出信号のうち、被検体上の同じ位置で取得された音響波から変換された検出信号を積算して積算信号を出力する積算部と、
前記被検体内の関心領域における初期音圧を、前記積算信号から算出する初期音圧算出部と、
前記関心領域における光量を算出する光量算出部と、
前記初期音圧と前記光量を用いて被検体情報を算出する被検体情報算出部と、
を有し、
前記光量算出部は、前記積算部の処理と前記初期音圧算出部の算出処理に応じて光量を重みづけして、重み付け光量を算出する
ことを特徴とする被検体情報取得装置。 - 前記光量算出部は、前記検出部が前記音響波を取得するごとに前記光量を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。 - 前記初期音圧算出部は、前記積算部の処理に応じて前記積算信号に重み付けして、重み付け初期音圧を算出する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の被検体情報取得装置。 - 前記積算部は、前記被検体上の各位置における前記積算信号を、当該位置での積算数で除することで積算平均信号を算出し、
前記初期音圧算出部は、前記初期音圧を算出するとき、前記被検体上の各位置における前記積算平均信号ごとに、当該位置での積算数に応じた重み付けを行う
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 前記積算部は、被検体上の同じ位置で取得された音響波から変換された検出信号を重み付け積算して、積算信号を出力する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 前記照射部を前記被検体上で移動させる照射部走査機構をさらに有し、
前記照射部走査機構と前記検出部走査機構は同期しながら移動する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 照射部が、被検体に光を照射する工程と、
検出部に含まれる複数の素子が、光を照射された前記被検体から発生する音響波を取得して検出信号に変換する工程と、
検出部走査機構が、前記検出部を前記被検体上で移動させる工程と、
積算部が、前記検出部が移動した各位置で前記複数の素子が取得した音響波から変換された検出信号のうち、被検体上の同じ位置で取得された音響波から変換された検出信号を積算して積算信号を出力する工程と、
初期音圧算出部が、前記被検体内の関心領域における初期音圧を、前記積算信号から算出する工程と、
光量算出部が、前記関心領域における光量を算出する工程と、
被検体情報算出部が、前記初期音圧と前記光量を用いて被検体情報を算出する工程と、
を有し、
前記光量算出部は、前記積算部の処理と前記初期音圧算出部の算出処理に応じて光量を重み付けして前記光量を算出する
ことを特徴とする被検体情報取得方法。
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