JP6049780B2 - 光音響装置 - Google Patents

光音響装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6049780B2
JP6049780B2 JP2015035841A JP2015035841A JP6049780B2 JP 6049780 B2 JP6049780 B2 JP 6049780B2 JP 2015035841 A JP2015035841 A JP 2015035841A JP 2015035841 A JP2015035841 A JP 2015035841A JP 6049780 B2 JP6049780 B2 JP 6049780B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
dimensional space
intensity distribution
subject
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015035841A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015126900A (ja
Inventor
恭宏 染田
恭宏 染田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2015035841A priority Critical patent/JP6049780B2/ja
Publication of JP2015126900A publication Critical patent/JP2015126900A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6049780B2 publication Critical patent/JP6049780B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、光を被検体に照射し発生する光音響波を受信する光音響装置に関する。
レーザーなどの光源から生体に光を照射し、入射した光に基づいて得られる生体内の情報を画像化する光イメージング装置の研究が医療分野で積極的に進められている。この光イメージング技術の一つとして、Photo Acoustic Tomography(PAT:光音響トモグラフィー)がある。光音響トモグラフィーでは、光源から発生したパルス光を生体に照射し、生体内で伝播・拡散したパルス光のエネルギーを吸収した生体組織から発生した音響波を検出する(特許文献1)。すなわち、腫瘍などの被検部位とそれ以外の組織との光エネルギーの吸収率の差を利用し、被検部位が照射された光エネルギーを吸収して瞬間的に膨張する際に発生する弾性波、すなわち光音響波をトランスデューサで受信する。この検出信号を解析処理することにより、生体内の光学特性分布、特に、光エネルギー吸収密度分布を得ることができる。これらの情報は、被検体内の特定物質、例えば血液中に含まれるグルコースやヘモグロビンなどの定量的計測にも利用できる。その結果、新生血管の増殖を伴う悪性腫瘍が存在する場所の特定などに利用できる。
また、非特許文献1には、光音響顕微鏡としての適用例が開示されている。非特許文献1によれば、パルス光を被検体に照射し発生する超音波をトランスデューサにて受信し画像化している。さらにパルス光の波長を変化させることによって被検体の分光特性を画像化している。
米国特許第5,840,023号明細書
IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics,Vol.14,No.1,171−179(2008)
PATは、局所的な被検部位で吸収されて発生する音響波を測定することで、局所的な光の吸収情報を得ることができる。被検部位で発生する音響波の初期音圧Pは、光照射点から被検部位までの距離rを用いて、下の式(1)のように表される。
P(d)=Γμ(r)Φ(r) ・・・式(1)
ここで、
Γ:グリュナイゼン係数(熱−音響変換効率)
μ(r):距離rにおける位置での吸収係数
Φ(r):距離rにおける位置での光強度
である。弾性特性値であるグリュナイゼン係数Γは、熱膨張係数βと音速cの二乗の積を定圧比熱Cpで割ったものである。Γは生体組織が決まればほぼ一定の値をとることが知られているので、音響波の大きさである音圧Pの変化を時分割で測定することによりμとΦの積、すなわち、光エネルギー吸収密度分布Hを得ることができる。そして、Hから光強度Φ(r)を除算することでμ(r)を求めることができる。
ここで、光音響波を発生させるために用いられるパルスレーザーは、その原理上常に一定光量のパルス光を発生させることはできず、ある程度の経時的な出力変動があることが知られている。具体的には、その光量変動が10%以上に及ぶこともある。発生するパルス光量が変動すると、被検体内の局所領域における光量Φ(r)も変動する。上記のように、光量Φと光音響波の強度Pは比例関係にあるため、光音響波もレーザーパルスごとに同様の変動を生じる。したがって、このような変動を放置して、光エネルギー吸収密度H分布や吸収係数μ分布を画像化した場合には、同じく再構成後の画面上に強度むらを生じることとなり、測定の定量性が失われる原因となる。
しかしながら上記特許文献1では、光源からの経時的な出力変動に関する記載はない。また、非特許文献1にはパルス光量を測定するためのセンサを用いて光量を補正することが記載されているものの、その測定、使用法、補正対象については明確に記されていない。特に非特許文献1は光音響顕微鏡としての使用が前提となっているために、厚みのある被検体を測定するときに重要となる深さ方向の光減衰については明確に記されていなかった。
本発明は、このような背景技術及び課題認識に基づいてなされたものである。本発明の目的は、光源の出力光量が経時的に変化する場合でも、それにより生じる画像への悪影響を低減させることができる光音響装置を提供することである。
上記課題に鑑み、本発明の光音響装置は、被検体にパルス光を照射する光源と、光源から射出されたパルス光が被検体に照射されることにより発生する音響波を検出することにより検出信号を出力するトランスデューサを備える検出器と、光源から出力されるパルス光の光量を測定する光量測定器と、トランスデューサから出力された検出信号に基づいて、被検体内部の情報を取得する信号処理部と、を有し、信号処理部は、トランスデューサから出力されるアナログ信号である検出信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、デジタル信号に基づいて3次元空間における画像再構成データを取得する画像再構成処理部と、光量およびパルス光の面内強度分布に基づいて3次元空間における光強度分布を取得し、3次元空間における画像再構成データと3次元空間における光強度分布とに基づいて3次元空間における被検体内部の情報を取得する情報取得部と、を備える。
本発明によれば、光音響装置に光量測定器を設け、測定した出力光量の経時変化を考慮して光音響信号の強度を補正するため、光源の出力に経時的な出力変動があっても、画像に悪影響の少ない光音響装置を提供することができる。
本発明の実施形態1による光音響装置の構成を模式的に示した図である。 レーザーパルスの出力変動を説明するための図である。 本発明の実施形態1において、検出信号の強度の補正量を決定する一例を説明するためのフロー図である。 本発明のホトセンサの配置について説明するための図である。 本発明の実施形態2による光音響装置の構成を模式的に示した図である。 本発明の実施形態2において、検出信号の強度の補正量を決定する一例を説明するためのフロー図である。 本発明の実施形態3による光音響装置の構成を模式的に示した図である。
以下、図面を参照しつつ本発明をより詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、説明を省略する。
(実施形態1:光音響装置)
まず、図1を参照しながら本実施形態にかかる光音響装置の構成を説明する。
本実施形態の光音響装置は、被検体の内部の情報を画像化する光音響イメージング装置である。被検体が生体の場合、光音響装置は、悪性腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを目的として、生体情報の画像化を可能とする。本発明における「被検体内部の情報」とは、光照射によって生じた音響波の発生源分布の情報であり、生体内の初期音圧分布の情報、それから導かれる光エネルギー吸収密度分布の情報、それらの情報から得られる生体組織を構成する物質の濃度分布の情報などである。例えば、物質の濃度分布とは酸素飽和度などである。
本実施形態の光音響装置は、基本的なハード構成として、パルスレーザー2a、検出器5、ホトセンサ8aを有する。パルスレーザー2aは、被検体にパルス光を照射するための光源である。
生体などの被検体3は必要に応じて、これを両側から圧迫固定するプレート4a、4bに固定される。光源からの光は、例えばレンズ、ミラー、光ファイバなどの光学系(不図示)によって、プレート4b表面に導かれ、被検体に照射される。被検体3の内部を伝播した光のエネルギーの一部が血管などの光吸収体に吸収されると、その光吸収体から熱膨張により音響波(典型的には超音波)が発生する。これは「光音響波」ということもある。すなわち、パルス光の吸収により、光吸収体の温度が上昇し、その温度上昇により体積膨張が起こり、音響波が発生する。このときの光パルスの時間幅は、光吸収体に吸収エネルギーを効率に閉じ込めるために、熱・ストレス閉じ込め条件が当てはまる程度にすることが好ましい。典型的には1ナノ秒から0.2秒程度である。
音響波を検出するための検出器5は、被検体内で発生した音響波を検出し、アナログ信号である電気信号に変換する。この検出器から取得される検出信号は「光音響信号」ともいう。
この光音響信号を処理して被検体内部の情報を取得するための信号処理部15は、本実施形態においては、受信アンプ6、A/Dコンバータ7、信号補正部11、画像再構成処理部12、光減衰補正部16から構成される。検出器5から取得した光音響信号は、受信アンプ6によって増幅され、A/D変換器7によってデジタル信号としての光音響信号に変換される。信号補正部11は本実施形態の特徴的構成の一つであり、このデジタル信号に対して強度の補正を行う。そして、画像再構成処理部12によって三次元情報に演算処理なされた後、得られたボクセルデータに対して、光減衰補正部16にて被検体内での光減衰を考慮した補正を行う。そして、必要に応じて画像表示部13にて被検体の光音響像が表示される。また、全ての要素はシステム制御部1によって制御されている。ここで、「光音響像」とは、得られた被検体内部の情報を3次元空間の座標で示すと共に、その情報を輝度情報に変換して表示した像である。
ここで、本実施形態の特徴的部分を簡潔に説明する。レーザー2aの出力光量は、光量測定器であるホトセンサ8aによって測定される。レーザー2aの出力光量に経時的な変動が生じる場合、この変動もホトセンサ8aにより測定される。そして、信号補正部11では、出力光量の経時変化に基づいて、光音響信号の強度変動を抑制するように、光音響信号の強度を補正する。すなわち、出力光量の経時変化(時間変動)に起因する光音響信号の強度変動を低減することができる。
(光源及び光源からの出力光量の変動)
パルスレーザー2aにより発生するレーザー光はパルス毎に変動する。光量変動の一例を図2に示す。図はYAGレーザーで約5W(500mJ)にて10Hzのパルス光を60秒発生させた場合の測定出力の経時変化を測定したものである。図より、出力光量は10%程度の光量変動を確認することができる。
被検体が生体の場合、光源からは生体を構成する成分のうち特定の成分に吸収される特定の波長の光を照射する。光源としては1ナノから0.2ナノ秒オーダーのパルス光を発生可能なパルス光源が好ましい。光源としてはレーザーが好ましいが、レーザーのかわりに発光ダイオードなどを用いることも可能である。レーザーとしては、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なレーザーを使用することができる。
なお、図2のようなレーザーの出力光量の変動は、レーザー励起光源であるフラッシュランプの光量変動が主要因であると推測される。よって、本発明の光源として、フラッシュランプそのもの、あるいは、これを励起光源として含むレーザーを使用すると、本発明の効果をより得ることができる。しかし、勿論本発明の光源がこれらに限定されることはなく、フラッシュランプを含まない半導体レーザーや発光ダイオードであっても光量変動を生じうる光源であれば、本発明を用いることができる。
なお、本実施の形態においては、単一の光源の例を示しているが、複数の光源を用いても良い。複数光源の場合は、生体に照射する光の照射強度を上げるため、同じ波長を発振する光源を複数用いても良いし、光学特性値分布の波長による違いを測定するために、発振波長の異なる光源を複数個用いても良い。なお、光源として、発振する波長の変換可能な色素やOPO(Optical Parametric Oscillators)を用いることができれば、光学特性値分布の波長による違いを測定することも可能になる。使用する波長としては、生体内において吸収が少ない700nmから1100nmの波長帯域から選択される。ただし、比較的生体表面付近の生体組織の光学特性値分布を求める場合は、上記の波長帯域よりも範囲の広い、例えば400nmから1600nmの波長帯域から選択して使用する。
光源から照射される光は必要に応じて光導波路などを用いて伝搬させることも可能である。図1で示してはいないが、光導波路としては、光ファイバが好ましい。光ファイバを用いる場合は、それぞれの光源に対して、複数の光ファイバを使用して、生体表面に光を導くことも可能であるし、複数の光源からの光を一本の光ファイバに導き、一本の光ファイバのみを用いて、すべての光を生体に導いても良い。また、主に光を反射するミラーや、光を集光したり拡大したり形状を変化させるレンズなどの光学部品で光を導いてもよい。このような光学部品は、光源から発せられた光が被検体表面の光照射領域に所望の形状で照射されれば、どのようなものを用いてもかまわない。
(検出信号の補正1)
以下に、本実施形態における検出信号の補正について詳細に説明する。
図1のように被検体が平板上に固定されており、レーザー2aによる光照射領域が被検体表面に2次元的に設定されており、光照射領域が画像化範囲に対して十分大きい場合をモデルに説明する。被検体表面に照射されるパルス光の光量をΦとする。被検体内では光は吸収、散乱によって表面から遠ざかるに従い指数関数的に減衰する。すなわち、
Φ(r)=Φ・exp(−μeff・r) ・・・式(2)
と表現できる。μeffは被検体の平均的な等価減衰係数である。式(2)と式(1)から、
P(r)=Γμ(d)Φ・exp(−μeff・r) ・・・式(3)
となる。本発明においては、Φがパルスごとに変動することが問題となる。例えば、あるパルス1の出力光量Φ01に対して、別のパルス2の出力光量Φ02が0.9Φ01であった場合、パルス2による光音響波の音圧P(r)=0.9P(r)となる。
すると、パルス1から作成した被検体内の画像(μ分布)とパルス2から作成した画像とで、音圧に対応して輝度信号が相違することになり、画像の再現性が得られない。このように、同じ場所を複数回測定する場合に、画像の再現性低下により被検体内の情報の誤認の原因となる。また、レーザー及び検出器を被検体表面に沿って走査しながら測定する場合、複数のパルスに応答した音圧から1つの画像を作成する。この場合、上記の光量変動が原因で画像内に輝度ムラが生じ、これも被検体内の情報の誤認の原因となる。
そこで、本実施形態においては、ホトセンサ8aで各パルスの出力光量Φ0nを測定する。そして、音圧P(r)が常に一定の初期光量Φのような基準光量によって得られたとみなせるように、それぞれの光音響波による検出信号の強度を補正する。上記の例では、P(r)を基準としたときに、P(r)を1/0.9倍した強度が得られたとして、検出信号を補正する。このようにすれば、光源の出力に経時的な出力変動があっても、その影響を低減して被検体内部の音源の位置と音圧に関する情報を取得することができる。
なお、上記のパルス1の出力光量Φ01に対する、別のパルス2の出力光量Φ02の比の逆数、つまりΦ01/Φ02を本明細書において「補正係数」と呼ぶ。また、上記の検出信号の補正はアナログ信号、デジタル信号いずれに対しても行うことは出来るが、本実施形態では、A/Dコンバータ7によってデジタル信号に変換された量に対して補正を行っている。デジタル信号はA/Dコンバータ7よりサンプリング周波数毎に音圧P(r)の値が出力されるので、あるパルスに対応するP(r)を示すデジタル信号に対して、当該パルスの補正係数を乗算処理することによって補正を行う。
以下、さらに詳細に説明する。本実施形態ではレーザー2aのパルス光量をホトセンサ8aにてパルス毎に検出した後、光量メモリ9aに記憶する。信号処理の確実性の観点から、このように出力光量を記憶するメモリを有することが好ましい。補正量決定部10は、メモリ9aに記憶された出力光量の経時変化に関するデータを読み出し、それぞれの検出信号に対する補正量(補正係数)を決定する。決定された補正量によって、信号補正部11でそれぞれの検出信号の強度を補正する。
図3に補正量演算の処理フローを示す。補正量決定部10は、光量メモリ9aからのデータを読み込む(S301)。光量メモリ9aによって得られたパルスの光量に基づいて、それぞれのパルスに対応する補正係数が計算される(S302)。補正係数はあらかじめ測定された光量を基準値として用いる。ここで本明細書において、複数のパルスごとの補正係数セットを「補正量テーブル」という。そして、補正量テーブルは信号補正部11に転送され(S304)、得られた光音響信号に対して演算される。つまり、サンプリング周波数毎に取得された音圧P(d)のデジタル信号に対して補正係数が乗算される。
(画像再構成及び光減衰補正)
上記のように補正されたデジタル信号に対して、画像再構成処理部12により画像再構成を行う。PATの画像再構成とは、検出器で受信された音圧P(r,t)から被検体内の発生したときの初期音圧の分布P(r)を導き出すことであり、数学的には逆問題と呼ばれる。PATの画像再構成手法で代表的に使われているUniversal Back Projection(UBP)法などはPHYSICAL REVIEW E 71,016706(2005)やREVIEW OF SCIENTIFIC INSTRUMENTS,77,042201(2006)に記載されている。
ここまでで、被検体内部の情報として初期音圧分布、あるいはμとΦの積、すなわち、光エネルギー吸収密度分布Hを得ることができた。Φを一定として、HをΦで除算すれば、被検体内の吸収係数μ(r)分布を求めることができる。しかし、被検体内の局所領域に照射される光量は、上記のように指数関数的に減衰するため、同じ吸収係数を有する組織が2つあった場合、被検体表面からより遠い組織から発生する音響波の音圧は、近い組織からのそれより小さくなる。そこで、正確な吸収係数分布を得るため、このような光減衰の影響も補正することが好ましい。この補正を本明細書では「光減衰補正」という。
具体的には、画像再構成処理部12から出力される光エネルギー吸収密度分布Hを示すボクセルデータのそれぞれに対して、該当するボクセルの位置における光量を除算する処理を、光減衰補正部16で行う。該当するボクセルの位置における光量は、上記式(2)より算出することができる。
このような構成とすれば、光減衰の影響も考慮して被検体内の正確な吸収係数分布を画像化することができる。
(信号補正1の態様)
なお、本実施形態ではパルスごとの光量変動に対する補正を、A/Dコンバータ7によってデジタル信号になった後、画像再構成処理を行う前のデータに対して行う例を示したが、本発明はこれに限定されない。この補正は、画像再構成後のボクセルデータに対して行うこともできる。つまり補正量決定部10によって計算された補正係数を光減衰補正部16に入力することによって補正演算を行っても同様に光音響信号の補正が可能である。また、A/D変換する前のアナログデータに対して、補正を行うこともできる。この場合、補正量決定部10の出力によって、受信アンプ6のゲインを制御する方法を取ることができる。すなわち、本明細書における「検出信号」には、アナログ信号、A/D変換後のデジタル信号、このデジタル信号を画像再構成した後の輝度データのいずれも含まれる。
また、ある光が照射されたときの被検体内の光量分布が設定できれば、プレート4の両側より光を入射した場合、またさらに多方向からの光照射がなされた場合においても同様に光音響信号の補正が可能である。
また、上記の形態においてはトランスデューサ5及びレーザー2aは固定された状態にて光音響信号の取得を行ったが、トランスデューサ5及びレーザー2aを走査しながら光音響信号を取得する場合においても、各走査位置における光量測定データを取得することによって同様の光音響信号の補正が可能である。
また、使用するレーザーパルス2aはある太さを持つレーザービームであるが、その断面の強度に空間的なむらが存在する場合には、その光量分布も考慮した上で三次元空間内にて補正光量の演算を行うことによって同様の光音響信号の補正が可能である。
(各構成の詳細な説明)
検出器(探触子)5は、音波や超音波のような音響波を検知し、電気信号に変換するものである。圧電現象を用いたトランスデューサ、光の共振を用いたトランスデューサ、容量の変化を用いたトランスデューサなど音響波信号を検知できるものであれば、どのような音響波検出器を用いてもよい。本実施形態の検出器5は、検出器5は複数のトランスデューサ素子を持つアレイ型であることが好ましい。このような2次元に配列されたトランスデューサ素子を用いることで、同時に複数の場所で音響波を検出することができる。これにより検出時間を短縮できると共に、被検体の振動などの影響を低減できる。また、検出器5とプレート4b、被検体3との間には、音波の反射を抑えるためのジェルや水などの音響インピーダンスマッチング剤を使うことが望ましい。
光量測定器としては、ホトダイオードに代表されるホトセンサやパイロエレクトリックセンサが代表的なものであるが、1次元又は2次元のホトセンサアレイが必要な場合は、CCDのイメージセンサや、CMOSイメージセンサ、また光依存性抵抗(LDR)等を使用しても同様の効果を得ることが出来る。
光量測定器としてのホトセンサ8aの好ましい配置について、図4を説明して説明する。18は反射ミラー、19はレーザーを示す。
図4(a)は、プレート4bに到達する前の光学系の途中において、反射ミラーの漏れ光を検出する場合である。このように、反射ミラーの後方にホトセンサ8aを配置することで、光源からの光の一部を検出することができる。漏れ光の比率を既知としておけば、光源の光量変動を算出することは可能である。
図4(b)は、プレート4bから反射した一部の光を検出する場合である。このように、プレート4b近傍にホトセンサ8aを配置することも好ましい。
図4(c)は、プレート4b内部を伝播した一部も光を検出する場合である。このように、プレート4bの終端部にホトセンサ8aを設けることもできる。特に、プレートに対して斜めに光が入射する場合、このようなプレート内部の伝播光が増加するため、好ましい形態である。
メモリとしては、PCもしくは制御ボード上のメモリが考えられるが、ホトセンサユニットに附属のメモリ、もしくはレーザーパルス周期以上の速度があればハードディスク等を用いても同様の効果を得ることが出来る。
(実施例1)
以下、実施例1では本発明における光音響装置を乳房検査に使用した場合について具体的に述べる。本実施例における乳房検査では、一般に用いられるX線マンモグラフィーと同様の乳房圧迫を行うものとする。つまり乳房においては平均的な乳房圧迫厚さである深さ4cmまでの光音響信号を取得することができれば良い。
本実施例では、光源として波長1064nm、10ヘルツ駆動、パルス幅5ナノ秒、1パルスあたりの出力が1.6JのQスイッチYAGレーザーを使用した。この条件で人体に照射できるレーザー光強度は100mJ/cm2以下であることがJISに定められているため、射出されるレーザー光を4cm角に広げるよう照明光学系を設計した。
これにより乳房を圧迫し両側から光を照射した場合に、光音響信号を発生させる範囲を深さ4cm、幅4cmとした。またこの範囲内の光音響信号を取得するため、超音波トランスデューサの1辺は4cmとした。また、素子ピッチは2mmとし400素子の二次元探触子を構成した。そして使用周波数1MHzとした。ホトセンサは浜松ホトニクス社製 S5973 PINフォトダイオードを用いた。
以上の条件にて光音響信号を取得するにあたっては、レーザー照射の際の照射光量は常に光量メモリに蓄えられる。各パルスに対応する補正係数は、測定された光量変動の最大値を1として計算される。図1の構成で説明した補正方法に従い検出信号の補正を行った。画像再構成を行い生成された光音響画像をボリュームデータとして蓄積し画面に表示した。
本方法を用いることによって光音響像の強度むらを改善することが可能であるが、電気ノイズに基づく光音響信号自体の再現性が2乃至3%程度、照射光の分布むらが2%程度存在するために同程度の画像むらは残る。しかしながら本方法を用いることによって従来8乃至10%程度あった画像むらを3乃至4%程度にまで改善することが可能となった。
なお、照射光の分布は光路内にCCD等を別途配置することによって測定することが出来、光音響信号の再現性は本システムを、レーザー照射を行わない状態にて動作させることによって測定することが出来る。画像むらは複数回画像取得を行った際の同一ピクセルにおける輝度値変化の標準偏差の3倍と定義する。
なお、本実施例においては光音響装置を乳房検査に使用した場合について具体的に述べたが、人体のその他の部位さらに人体以外の被検体の測定についても同様の処理をすることによって同様の効果を得ることが可能である。
(実施形態2)
実施形態1においてはレーザー光を片側からのみ照射したが、本実施形態ではレーザー光をプレート4の両側から照射した場合の補正方法について述べる。図5に本実施形態を説明するための光音響装置の一例を示す。レーザーパルスの照射、光量データ及び光音響信号の取得は実施形態1と同様である。実施形態1と異なる点はレーザー光をレーザー2a,2bの両側から照射し、レーザー2a,2bの出力を2つのホトセンサ8a,8bにて検出する点である。検出された光量は光量メモリ9a,9bに蓄えられ、補正量決定部10a、10bに転送される。そして実施形態1と同様の方法を用いて2つの補正係数が算出され、信号補正部11に補正係数が転送される。
図6を用いて、補正量決定部10a,b及び信号補正部16の動作を詳述する。光量メモリ9a,9bによって得られた(S601)各レーザーからの光量はあらかじめ測定された各々の光量変動の最大値を1として補正係数が計算される(S602)。そして規格化された各光量と、各係数を用い深さ方向の相対減衰量を計算し、2つの光量データより2つの補正量テーブルが作成される(S603)。これら深さ方向の補正量テーブルはそれぞれ同じ深さに対して加算処理され、合成された一つの補正量テーブルが生成される(S604)。
つまり、プレート4の一方の側から照射された光による音圧は前述の式(3)と同様
P(r)=Γμ(r)Φ0A・exp(−μeff・r) ・・・式(3)
であるが、もう一方の側から照射された光による音圧は次の式で表される。
P(r)=Γμ(r)Φ0B・exp(−μeff・(D−r)) ・・・式(4)
ここでDは圧迫プレート4a、4b間の距離である。また、Φ0Aは、当該音響波を生じさせたパルス光のうち、レーザー2aが発したパルス光について、光量変動の補正係数を掛けた後の初期光量である。Φ0Bは、当該音響波を生じさせたパルス光のうち、レーザー2bが発したパルス光について、光量変動の補正係数を掛けた後の初期光量である。1つの補正量テーブルは上式の光量と光の減衰分をサンプリング周波数に対して数値化し、加算されたものであるため次の式で表される。
C(r)=1/(Φ0A・(exp(−μeff・r)+Φ0Bexp(−μeff・(D−r)))) ・・・式(5)
ここでC(r)は補正量テーブルの各値であり、Φ0A、Φ0B、r、D、μeffは既知であるため求めることが出来る。そして合成された補正量テーブルC(d)は、得られた画像再構成データに対して乗算される(S605)。この際、補正量テーブルは深さ方向(被検体表面からの直進距離)の関数であるのに対して、画像再構成データは3次元データであるが、深さ方向に対してのみ乗算処理を行い、広がり方向(被検体表面の面内方向)にはすべて同様の処理を行う。その後、光音響画像をボリュームデータとして蓄積し画面に表示する。この手法は、画像再構成後のデジタルデータに対して、光源からの光量変動を考慮する補正と、深さ方向の光減衰を考慮する補正をまとめて行う手法である。この場合の検出信号は、輝度信号に変換された音圧信号でありうる。
本実施形態を用いることによって、板4の両側から光照射を行う場合であっても実施形態1と同様に画像むらを改善することができる。
(実施形態3)
実施形態1,2においては被検体表面には場所に依存せず一定の光量Φが照射されているとして光音響信号の強度を補正したが、実施形態3ではレーザー照射面(被検体表面)において初期光量に強度分布がある場合の補正方法について述べる。
図7に本実施形態を説明するための光音響装置の一例を示す。レーザーパルスの照射、光量データ及び光音響信号の取得は実施形態2と同様である。被検体3に照射するレーザーはトランスデューサ5と同じ4cm角に拡大され照射されるが、その面内には強度分布が存在する。これは、マルチモードレーザーを使用する場合に特に見られる。その面内強度分布は光量分布メモリ14a,14bにそれぞれあらかじめ測定され、蓄えられている。
ここで補正される補正量は光の強度分布を反映したものとなる。つまり補正量は光の強度分布、グリューナイセン係数、吸収係数、補正係数を掛けた初期光量、減衰係数の関数となるが、光の強度分布は解析的に解くことは出来ないため光伝播シミュレーションによって計算される。計算によって三次元方向の光量分布が求められるが、式を用いて説明すると、式(3)は今回の場合は
P(r)=Γμ(d)Φ(x、y、r、t)・exp(−μeff・r) ・・・式(6)
であり、光量Φ(x、y、r、t)は空間(x、y、r)分布と時間t毎に発振される各パルスの関数である。この光量Φがシミュレーションによって算出され、各係数を乗算した後、逆数を取ることによって三次元空間内の各場所における補正係数が計算される。
本実施形態による補正量演算は、時間的な光量変動に加えて、被検体表面での空間的な照射光量分布も考慮して信号補正できる点が優れている。光音響信号の再現性は実施例1と同様である。これらの要因を考慮して光音響像の取得、補正を行った所、光量変動補正、光量分布補正の無い形態で8乃至10%あった光音響像の強度むらを3%程度、すなわち光音響信号の再現性と同程度にまで改善することができた。
(実施形態4)
実施形態1〜3においてはトランスデューサ5及びレーザー2aは固定された状態で光音響信号の取得を行ったが、本実施形態ではこれらをプレートに沿って走査しながら光音響信号を取得する場合について述べる。
システム構成は図4に示された通りであるが、本実施形態ではレーザー2a,2b、トランスデューサ5を被検体に対して走査する可動機構を有する。なお、光源から被検体への入射部位が走査されればよく、必ずしもレーザーそのものを走査する必要はない。この場合、実施形態1〜3では考慮されていなかった走査中の光量変動を補正する必要が生ずる。
以上の光源及び超音波トランスデューサを用いて乳房を走査することを考えると、走査領域は20cm×20cmであり、ストライプ幅は4cmであるために4cm×20cmのストライプを5回形成することとした。また、トランスデューサの走査はいわゆるステップアンドリピートと呼ばれる方式、すなわちトランスデューサの移動と停止を繰り返し、トランスデューサが停止している際にレーザー照射を行う方式を採用し、光音響信号を取得した。一方、レーザー照射に際してはその照射光量は常に光量メモリに蓄えられる。
光量の規格化、演算処理、及び光音響信号の補正は実施形態2と同様であるが、補正された光音響信号は走査終了まで一旦メモリに蓄えられる。そして全ての走査が終了した後に補正された光音響信号を用い画像再構成を行い、生成された光音響画像をボリュームデータとして蓄積し画面に表示する。
本方法を用いることによって光音響像の強度むらを改善することが可能であるが、光音響信号自体の再現性が2乃至3%程度存在し、一方走査による光音響信号の平均化効果はS/Nを4乃至5倍高める効果がある。これらの影響を考慮すると従来の走査、光量補正の無い形態で8乃至10%程度あった画像むらを1%以下に改善することが可能となった。
(実施形態5)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
1 システム制御部
2a,2b レーザー
3 被検体
4a、4b プレート
5 検出器
6 受信アンプ
7 アナログ−デジタルコンバータ
8a,8b ホトセンサ
9a,9b 光量メモリ
10 補正量演算部
11 信号補正部
12 画像再構成処理部
15 信号処理部
16 光減衰補正部

Claims (27)

  1. 被検体にパルス光を照射する光源と、
    前記光源から射出された前記パルス光が前記被検体に照射されることにより発生する音響波を検出することにより検出信号を出力するトランスデューサを備える検出器と、
    前記光源から出力される前記パルス光の光量を測定する光量測定器と、
    前記トランスデューサから出力された前記検出信号に基づいて、前記被検体内部の情報を取得する信号処理部と、を有し、
    前記信号処理部は、
    前記トランスデューサから出力されるアナログ信号である前記検出信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
    前記デジタル信号に基づいて3次元空間における画像再構成データを取得する画像再構成処理部と、
    前記光量および前記パルス光の面内強度分布に基づいて3次元空間における光強度分布を取得し、3次元空間における前記画像再構成データと3次元空間における前記光強度分布とに基づいて3次元空間における前記被検体内部の情報を取得する情報取得部と、を備える
    ことを特徴とする光音響装置。
  2. 前記情報取得部は、前記光量、前記面内強度分布、および前記パルス光の減衰に基づいて3次元空間における前記光強度分布を取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光音響装置。
  3. 前記画像再構成処理部は、前記デジタル信号を3次元空間における初期音圧分布あるいは光エネルギー吸収密度分布に変換することにより前記画像再構成データを取得する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光音響装置。
  4. 前記信号処理部は、所定の基準値と前記光量とに基づいて補正量を決定する補正量決定部を更に備え、
    前記情報取得部は、前記補正量決定部により決定された前記補正量および前記パルス光の面内強度分布に基づいて3次元空間における前記光強度分布を取得する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光音響装置。
  5. 前記補正量決定部は、前記所定の基準値と前記光量との比に基づいて前記補正量を決定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の光音響装置。
  6. 前記光源を複数有し、
    前記光量測定器は、前記複数の光源のそれぞれから出力されたパルス光の光量を測定し、
    前記情報取得部は、前記複数の光源のそれぞれから出力されたパルス光の面内強度分布および前記光量測定器により測定された、前記複数の光源のそれぞれから出力されたパルス光の光量に基づいて、3次元空間における前記光強度分布を取得する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光音響装置。
  7. 前記複数の光源のそれぞれから出力されたパルス光の減衰、前記複数の光源のそれぞれから出力されたパルス光の面内強度分布、前記光量測定器により測定された、前記複数の光源のそれぞれから出力されたパルス光の光量に基づいて、3次元空間における前記光強度分布を取得する
    ことを特徴とする請求項6に記載の光音響装置。
  8. 被検体にパルス光を照射する光源と、
    前記光源から射出された前記パルス光が前記被検体に照射されることにより発生する音響波を検出することにより検出信号を出力するトランスデューサを備える検出器と、
    前記光源から出力される前記パルス光の光量を測定する光量測定器と、
    前記トランスデューサから出力された前記検出信号に基づいて、前記被検体内部の情報を取得する信号処理部と、を有し、
    前記信号処理部は、
    前記検出信号を、前記光量に基づいて補正する信号補正部と、
    前記信号補正部により補正された前記検出信号に基づいて3次元空間における画像再構成データを取得する画像再構成処理部と、
    前記パルス光の面内強度分布に基づいて3次元空間における光強度分布を取得し、3次元空間における前記画像再構成データと3次元空間における前記光強度分布とに基づいて3次元空間における前記被検体内部の情報を取得する情報取得部と、を備える
    ことを特徴とする光音響装置。
  9. 前記面内強度分布および前記パルス光の減衰に基づいて3次元空間における前記光強度
    分布を取得する
    ことを特徴とする請求項8に記載の光音響装置。
  10. 前記画像再構成処理部は、前記検出信号を3次元空間における初期音圧分布あるいは光エネルギー吸収密度分布に変換することにより、3次元空間における前記画像再構成データを取得する
    ことを特徴とする請求項8または9に記載の光音響装置。
  11. 前記信号処理部は、所定の基準値と前記光量とに基づいて補正量を決定する補正量決定部を更に備え、
    前記信号補正部は、前記補正量決定部により決定された補正量に基づいて前記検出信号を補正する
    ことを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の光音響装置。
  12. 前記補正量決定部は、前記所定の基準値と前記光量との比に基づき、前記補正量を決定
    する
    ことを特徴とする請求項11に記載の光音響装置。
  13. 前記信号処理部は、前記トランスデューサから出力されるアナログ信号である前記検出信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を更に備え、
    前記信号補正部は、前記デジタル信号を前記光量に基づいて補正する
    ことを特徴とする請求項8から12のいずれか1項に記載の光音響装置。
  14. 前記信号処理部は、前記トランスデューサから出力されるアナログ信号である前記検出信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を備え、
    前記信号補正部は、前記アナログ信号を前記光量に基づいて補正する
    ことを特徴とする請求項8から12のいずれか1項に記載の光音響装置。
  15. 前記光源を複数有し、
    前記光量測定器は、前記複数の光源のそれぞれから出力されたパルス光の光量を測定し、
    前記信号補正部は、前記光量測定器により測定された、前記複数の光源のそれぞれから出力されたパルス光の光量に基づいて、前記検出信号を補正する
    ことを特徴とする請求項8から14のいずれか1項に記載の光音響装置。
  16. 前記検出器は、前記トランスデューサを複数備え、
    前記信号補正部は、複数の前記トランスデューサのそれぞれから出力される検出信号を、前記光量に基づいて補正することにより、複数の補正された検出信号を出力し、
    前記画像再構成処理部は、前記複数の補正された検出信号に基づいて3次元空間における前記画像再構成データを取得する
    ことを特徴とする請求項8から15のいずれか1項に記載の光音響装置。
  17. 被検体にパルス光を照射する光源と、
    前記光源から射出された前記パルス光が前記被検体に照射されることにより発生する音響波を検出することにより検出信号を出力するトランスデューサを備える検出器と、
    前記トランスデューサから出力された前記検出信号に基づいて、前記被検体内部の情報を取得する信号処理部と、を有し、
    前記信号処理部は、
    前記トランスデューサから出力されるアナログ信号である前記検出信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
    前記デジタル信号に基づいて3次元空間における画像再構成データを取得する画像再構成処理部と、
    前記パルス光の面内強度分布に基づいて3次元空間における光強度分布を取得し、3次元空間における前記画像再構成データと3次元空間における前記光強度分布とに基づいて3次元空間における前記被検体内部の情報を取得する情報取得部と、を備える
    ことを特徴とする光音響装置。
  18. 前記パルス光が前記被検体に入射される入射位置を走査する機構を更に有する
    ことを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の光音響装置。
  19. 前記情報取得部は、3次元空間における前記被検体内部の情報として3次元空間における吸収係数分布を取得する
    ことを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の光音響装置。
  20. 前記検出器は、前記トランスデューサを複数備え、
    前記A/D変換器は、複数の前記トランスデューサのそれぞれから出力されるアナログ信号である検出信号をデジタル信号に変換することにより、複数のデジタル信号を出力し、
    前記画像再構成処理部は、前記複数のデジタル信号に基づいて3次元空間における前記画像再構成データを取得する
    ことを特徴とする請求項1から7、および17のいずれか1項に記載の光音響装置。
  21. パルス光が被検体に照射されることにより発生する音響波を検出することにより得られた検出信号に基づいて、前記被検体内部の情報を取得する情報取得方法であって、
    前記検出信号に用いた画像再構成により3次元空間における画像再構成データを取得する工程と、
    前記パルス光の光量および前記パルス光の面内強度分布に基づいて3次元空間における光強度分布を取得する工程と、
    3次元空間における前記画像再構成データと3次元空間における前記光強度分布とに基づいて3次元空間における前記被検体内部の情報を取得する工程と、を有する
    ことを特徴とする情報取得方法。
  22. 前記光強度分布を取得する工程は、前記光量、前記面内強度分布、および前記パルス光の減衰に基づいて、3次元空間における前記光強度分布を取得する工程を含む
    ことを特徴とする請求項21に記載の情報取得方法。
  23. パルス光が被検体に照射されることにより発生する音響波を複数の位置で検出することにより得られた検出信号に基づいて、前記被検体内部の情報を取得する情報取得方法であって、
    前記検出信号を前記パルス光の光量に基づいて補正する工程と、
    前記補正する工程で補正された前記検出信号に基づいて、3次元空間における画像再構成データを取得する工程と、
    前記パルス光の面内強度分布に基づいて3次元空間における光強度分布を取得する工程と、
    3次元空間における前記画像再構成データと3次元空間における前記光強度分布とに基づいて3次元空間における前記被検体内部の情報を取得する工程と、を有する
    ことを特徴とする情報取得方法。
  24. 前記光強度分布を取得する工程は、前記面内強度分布および前記パルス光の減衰に基づいて3次元空間における前記光強度分布を取得する工程を含む
    ことを特徴とする請求項23に記載の情報取得方法。
  25. パルス光が被検体に照射されることにより発生する音響波を複数の位置で検出することにより得られた検出信号に基づいて、前記被検体内部の情報を取得する情報取得方法であって、
    前記検出信号に基づいて3次元空間における画像再構成データを取得する工程と、
    前記パルス光の面内強度分布に基づいて3次元空間における光強度分布を取得する工程と、
    3次元空間における前記画像再構成データと3次元空間における前記光強度分布とに基づいて3次元空間における前記被検体内部の情報を取得する工程と、を有する
    ことを特徴とする情報取得方法。
  26. 前記光強度分布を取得する工程は、前記面内強度分布および前記被検体内での前記パルス光の減衰に基づいて3次元空間における前記光強度分布を取得する工程を含む
    ことを特徴とする請求項25に記載の情報取得方法。
  27. 請求項21から26のいずれか1項に記載の情報取得方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
JP2015035841A 2015-02-25 2015-02-25 光音響装置 Active JP6049780B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015035841A JP6049780B2 (ja) 2015-02-25 2015-02-25 光音響装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015035841A JP6049780B2 (ja) 2015-02-25 2015-02-25 光音響装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011538161A Division JPWO2011052061A1 (ja) 2009-10-29 2009-10-29 光音響装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016226292A Division JP6336013B2 (ja) 2016-11-21 2016-11-21 光音響装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015126900A JP2015126900A (ja) 2015-07-09
JP6049780B2 true JP6049780B2 (ja) 2016-12-21

Family

ID=53837183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015035841A Active JP6049780B2 (ja) 2015-02-25 2015-02-25 光音響装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6049780B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017150869A (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 日本電信電話株式会社 成分濃度測定装置
WO2018109950A1 (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 プレキシオン株式会社 光音響画像化装置および光源ユニット
WO2019171800A1 (ja) 2018-03-05 2019-09-12 富士フイルム株式会社 光音響装置および光音響装置の制御方法
WO2020089030A1 (en) * 2018-10-29 2020-05-07 Ithera Medical Gmbh Device for optoacoustic imaging and corresponding control method

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5479259A (en) * 1991-05-20 1995-12-26 Hitachi, Ltd. Method and apparatus for detecting photoacoustic signal
JP3200902B2 (ja) * 1991-12-24 2001-08-20 株式会社日立製作所 光音響信号検出方法及び装置
JP3456721B2 (ja) * 1993-04-13 2003-10-14 浜松ホトニクス株式会社 光音響コンピュータトモグラフィ装置
JP4739363B2 (ja) * 2007-05-15 2011-08-03 キヤノン株式会社 生体情報イメージング装置、生体情報の解析方法、及び生体情報のイメージング方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015126900A (ja) 2015-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11357407B2 (en) Photoacoustic apparatus
JP5235586B2 (ja) 生体情報処理装置及び生体情報処理方法
JP5541662B2 (ja) 被検体情報取得装置およびその制御方法
JP5574724B2 (ja) 被検体情報処理装置および被検体情報処理方法
JP5132228B2 (ja) 測定方法及び測定装置
US20100087733A1 (en) Biological information processing apparatus and biological information processing method
JP5538856B2 (ja) 光音響装置
KR102054382B1 (ko) 피검체 정보 취득장치 및 그 제어 방법
US20100191109A1 (en) Biological information processing apparatus and biological information processing method
US20160150968A1 (en) Object information acquiring apparatus
JP2010088627A5 (ja)
JP6335612B2 (ja) 光音響装置、処理装置、処理方法、及びプログラム
JP5773578B2 (ja) 被検体情報取得装置、被検体情報取得装置の制御方法およびプログラム
JP2013056032A (ja) 被検体情報取得装置および被検体情報取得方法
JP6049780B2 (ja) 光音響装置
JP2017086172A (ja) 被検体情報取得装置およびその制御方法
CN104856728B (zh) 光声装置
JP6336013B2 (ja) 光音響装置
JP2013188489A (ja) 被検体情報処理装置およびその作動方法
JP6686066B2 (ja) 光音響装置
JP6486056B2 (ja) 光音響装置および光音響装置の処理方法
JP5575293B2 (ja) 被検体情報取得装置及び被検体情報取得方法
JP2013103022A (ja) 音響波取得装置およびその制御方法
JP6512969B2 (ja) 処理装置、光音響装置、処理方法、及びプログラム
JP2017086173A (ja) 被検体情報取得装置およびその制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160512

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161025

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161122

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6049780

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151