以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には、本実施形態の換気空調ユニット1が設置された建物2の断面図が概念的に示されている。本実施形態の換気空調ユニット1は、建物内部の空間3を、換気又は/及び空調するためのものである。換気空調ユニット1が設置される建物2は、例えば、住宅やビル等である場合が例示される。空調効果を高めるために、建物2には、優れた断熱性能、遮光性能及び気密性能を有しているのが望ましい。
本実施形態の空間3は、床下空間4と、床上空間5とを含んでいる。本実施形態では、床上空間5が、換気空調ユニット1によって換気又は/及び空調される。
床下空間4は、基礎6と地面7と床8とで囲まれた空間である。基礎6には、屋外の外気Aoを取り入れるための開口部9が設けられている。開口部9から取り入れられた外気Aoは、地面7を介して、1年を通じて温度変化の少ない地中の熱と熱交換される。これにより、床下空間4は、外気に比べて、夏期は比較的涼しく、冬期は比較的暖かい空気Auを蓄えることができる。床下空間4の温度変化を効果的に小さくするために、基礎6には、断熱材10が設けられるのが望ましい。また、本実施形態の地面7は、例えば、土間コンクリート等で仕上げられている。
床上空間5は、床下空間4の上方に設けられた空間であり、複数の居室11と、洗面室やトイレ等の非居室12とに区分されている。居室11は、1階の居室11Aと、2階の居室11Bとを含んでいる。非居室12には、例えば、床上空間5の空気Aiの少なくとも一部を強制的に外部に排出する排気用ファン25を設けることができる。
本実施形態の換気空調ユニット1は、空気調和機13の室内機13A、チャンバーボックス14、及び、外気供給手段15を含んで構成されている。図2は、本実施形態の換気空調ユニット1の斜視図である。図3は、図2の換気空調ユニット1を概念的に示した断面図である。
本実施形態の空気調和機13は、例えば、一般的な家庭用のセパレート型エアコンであり、チャンバーボックス14内に配置される室内機13Aと、建物2の外部に設置された室外機(図示省略)とをセットとして含んでいる。また、室内機13Aは、例えば、内部の熱交換器(図示省略)に空気を取り込むための吸込口13Aiと、熱交換器で空調された空気Acを吐出するための吹出口13Aoとを具えている。本実施形態の空気調和機13は、制御手段Cm(図1に示す)によって制御されている。なお、空気調和機13は、建物2の居住者等の操作によって運転されてもよい。
図4は、チャンバーボックス14を示す斜視図である。図4では、空気調和機13の室内機13A、及び、外気供給手段15等が省略して示されている。本実施形態のチャンバーボックス14は、内部空間16を有する箱状体として形成されている。本実施形態のチャンバーボックス14は、正面部14a、背面部14b、一対の側面部14c、14d、天井部14e及び床部14fによって覆われている。図1に示されるように、本実施形態のチャンバーボックス14は、床上空間5に設置されている。
図4に示されるように、正面部14a、背面部14b、一対の側面部14c、14d、天井部14e及び床部14fは、板状に形成されている。正面部14a、背面部14b、一対の側面部14c、14d、天井部14e及び床部14fには、内部空間16での結露を防ぐために、断熱材(図示省略)が配置されるのが望ましい。
本実施形態の正面部14aは、第1正面部38と、第1正面部38の下方に配置される第2正面部39とを含んで構成されている。第1正面部38は、一対の側面部14c、14d、及び、天井部14eに固定されている。他方、第2正面部39は、開閉自在な扉31として形成されている。このような扉31により、建物2の居住者等は、床上空間5において、換気空調ユニット1内に配置される空気調和機13の室内機13A(図2に示す)等を、容易にメンテナンスすることができる。
図3及び図4に示されるように、チャンバーボックス14は、外気導入口17が設けられている。本実施形態の外気導入口17は、床部14fを上下方向に貫通する孔部として構成されている。このような外気導入口17により、外気供給手段15(図3に示す)を介して、外気Aoを内部空間16に供給しうる。
図4に示されるように、内部空間16には、第1仕切り板18a、第2仕切り板18b、第3仕切り板18c及び第4仕切り板18dが設けられている。これらの第1仕切り板18a乃至第4仕切り板18dにより、内部空間16は、第1内部空間16A、第2内部空間16B及び第3内部空間16Cに区分されるとともに、チャンバーボックス14の強度が高められる。
本実施形態の第1仕切り板18aは、天井部14eと床部14fとの間で、第2仕切り板18bと交わる向き(本実施形態では、水平)にのびている。第1仕切り板18aは、正面部14a、背面部14b及び一対の側面部14c、14dに亘って配置されている。なお、第1仕切り板18aは、正面部14a、背面部14b及び一対の側面部14c、14dに隙間なく固定されるのが望ましい。
本実施形態の第2仕切り板18bは、正面部14aと背面部14bとの間において、上下に垂直にのびている。第2仕切り板18bは、天井部14eから下方にのび、かつ、第1仕切り板18aに至ることなく終端している。なお、第2仕切り板18bは、天井部14e、及び、一対の側面部14c、14dに隙間なく固定されるのが望ましい。
本実施形態の第3仕切り板18cは、一対の側面部14c、14dとの間において、垂直にのびている。本実施形態の第3仕切り板18cは、第1部分19と、第2部分20とを含み、側面視略L字状に形成されている。この第3仕切り板18cにより、第2仕切り板18bが支持される。
第1部分19の下端は、第1仕切り板18aに固定されている。第1部分19の上端は、第2仕切り板18bの下端に固定されている。なお、第1部分19は、第1仕切り板18a、第2仕切り板18b、正面部14a及び背面部14bに隙間なく固定されるのが望ましい。
第2部分20の上端は、天井部14eに固定されている。第2部分20の前端は、第2仕切り板18bの背面に沿ってのびている。第2部分20は、第2仕切り板18b、背面部14b及び天井部14eに隙間なく固定されるのが望ましい。
本実施形態の第4仕切り板18dは、第3仕切り板18cの第1部分19の上端から一方の側面部14cに向かって水平にのび、一方の側面部14cに固定されている。第4仕切り板18dは、正面部14a、第2仕切り板18b、及び、一方の側面部14cに隙間なく固定されるのが望ましい。
本実施形態の第1内部空間16Aは、第1仕切り板18aの下側に区分されている。他方、本実施形態の第2内部空間16B及び第3内部空間16Cは、第1仕切り板18aの上側に区分されている。
本実施形態の第2内部空間16Bは、第2仕切り板18b、第3仕切り板18c、及び、第4仕切り板18dにより、一方の側面部14c側(正面からみて、右側)に区分されている。第2内部空間16Bは、側面視略L字状に形成される。
本実施形態の第3内部空間16Cは、第2仕切り板18b、第3仕切り板18cの他方の側面部14d側、及び、第4仕切り板18dにより、他方の側面部14d側(正面からみて、左側)に区分されている。
また、第3内部空間16Cは、上下にのびる垂直な第2仕切り板18bにより、第3内部空間16Cの一部が前後に区分されている。これにより、第3内部空間16Cは、第2仕切り板18bに対して一方側(正面部14a側)に配置される前空間16Ca、第2仕切り板18bに対して他方側(背面部14b側)に配置される後空間16Cbとを含んでいる。また、第3内部空間16Cは、第2仕切り板18bの下端側で、前空間16Ca及び後空間16Cbを前後に継ぐ下空間16Ccが含まれる。これらの前空間16Ca、後空間16Cb及び下空間16Ccにより、第3内部空間16Cは、側面視U字状に形成される。図3に示されるように、本実施形態の室内機13Aは、前後の空間16Ca、16Cbの一方側(即ち、前空間16Ca側)に位置するように、第2仕切り板18bに固定されている。これにより、チャンバーボックス14の第2室22において、第3内部空間16Cの前後の空間16Ca、16Cbの他方側(即ち、後空間16Cb)を有効活用することができ、例えば、後述する供給ダクト30のスペースを確保しうる。
図3に示されるように、本実施形態のチャンバーボックス14は、第1室21と、第1室21とは仕切られた第2室22とを少なくとも有している。さらに、本実施形態のチャンバーボックス14には、ファン23及びフィルター部材24が設けられている。
本実施形態の第1室21及び第2室22は、第3内部空間16Cに設けられる第5仕切り板18eによって仕切られている。本実施形態の第5仕切り板18eは、第3内部空間16Cにおいて、第2仕切り板18bから一方側(正面部14a側)にのびている。この第5仕切り板18eにより、第3内部空間16Cの前空間16Caが上下に区分される。
本実施形態の第1室21は、前空間16Caにおいて、第5仕切り板18eの上側に構成されている。この第1室21には、空気取込口26、及び、第1外気取込口27が設けられている。さらに、第1室21には、室内機13Aの吸込口13Aiが連通するように配置されている。
空気取込口26は、空間3(本実施形態では、床上空間5)の空気Aiを、第1室21に導入するためのものである。本実施形態の空気取込口26は、床上空間5と第1室21との間で、正面部14a(本実施形態では、第1正面部38)を貫通する孔部として構成されている。
第1外気取込口27は、外気供給手段15を介して、外気Aoを第1室21に導入するためのものである。第1外気取込口27は、第2仕切り板18bを貫通する孔部として構成されている。図4に示されるように、本実施形態の第1外気取込口27は、第3仕切り板18cの第2部分20に対して一方の側面部14c側に設けられている。図3に示されるように、これらの空気取込口26及び第1外気取込口27により、第1室21は、外気Aoと、空間(本実施形態では、床上空間5)の空気Aiとの混合気が供給可能に構成される。
本実施形態の第2室22は、前空間16Caのうち第5仕切り板18eの下側の空間、後空間16Cb、及び、下空間16Ccによって構成され、側面視において、略U字状に形成されている。この第2室22には、第2外気取込口28と、空気排出口29とが設けられている。さらに、第2室22には、室内機13Aの吹出口13Aoが連通するように配置されている。
第2外気取込口28は、外気供給手段15を介して、外気Aoを第2室22に供給するためのものである。図4に示されるように、本実施形態の第2外気取込口28は、第4仕切り板18dを貫通する孔部として構成されており、第3内部空間16Cの前後の空間16Ca、16Cbの一方側(即ち、前空間16Ca)に設けられている。
図3に示されるように、空気排出口29は、第2室22の空気を、図1に示した空間3(本実施形態では、床上空間5)に供給するためのものである。図3及び図4に示されるように、本実施形態の空気排出口29は、第2室22の前後の空間16Ca、16Cbの他方側(即ち、後空間16Cb)において、天井部14eを貫通する孔部として構成されている。空気排出口29は、図2及び図3に示されるように、供給ダクト30を介して、空間(本実施形態では、床上空間5)と連通している。
図1、図2及び図3に示されるように、本実施形態の供給ダクト30は、第2室22の空気を1階の居室11Aに供給する第1供給ダクト30Aと、第2室22の空気を2階の居室11Bに供給する第2供給ダクト30Bとを含んでいる。第1供給ダクト30Aの一端、及び、第2供給ダクト30Bの一端は、第2室22内(本実施形態では、第3内部空間16Cの前後の空間16Ca、16Cbの他方側(即ち、後空間16Cb))に配置されている。図1に示されるように、第1供給ダクト30Aの他端は、1階の居室11A又は非居室12に接続されている。第2供給ダクト30Bの他端は、2階の居室11Bに接続されている。
図3に示されるように、本実施形態のファン23は、第2室22の空気を空気排出口29側へ送るためのものである。本実施形態のファン23は、チャンバーボックス14の第2室22において、第3内部空間16Cの前後の空間16Ca、16Cbの他方側(即ち、後空間16Cb)に設けられている。さらに、本実施形態のファン23は、第1仕切り板18aの上方に離間して設けられている。また、ファン23は、供給ダクト30に接続されている。
このようなファン23は、第2室22を負圧にして、第2室22の空気を、居室11(図1に示す)に効果的に送ることができる。しかも、ファン23は、後空間16Cbに設けられているため、室内機13Aの吹出口13Aoから前空間16Caに吐出された空調された空気Ac、又は、前空間16Ca側に位置する第2外気取込口28から供給された外気Aoを、後空間16Cb側へと移動させることができる。
本実施形態のファン23は、第1供給ダクト30Aの他端に接続される第1ファン23aと、第2供給ダクト30Bの他端に接続される第2ファン23bとを含んでいる。これにより、第1ファン23a及び第2ファン23bは、第1供給ダクト30A及び第2供給ダクト30Bを介して、1階の居室11A及び2階の居室11Bに、第2室22の空気を独立して供給することができる。本実施形態の第1ファン23a及び第2ファン23bは、制御手段Cm(図1に示す)によって制御されている。なお、第1ファン23a及び第2ファン23bは、建物2の居住者等の操作によって運転されてもよい。
フィルター部材24は、空気を浄化するためのものである。本実施形態のフィルター部材24は、第2室22において、室内機13Aの吹出口13Ao及び第2外気取込口28と、空気排出口29との間に設けられている。このようなフィルター部材24は、空調された空気Ac又は外気Aoを通過させて、空気中に含まれる粉塵等を除去することができる。
本実施形態のフィルター部材24は、板状に形成されており、上下方向でジグザグ状に折り曲げられている。このようなフィルター部材24は、第2仕切り板18bに沿って下方に案内された空調された空気Ac又は外気Aoに対して、濾過面積を効果的に増やすことができる。
図3に示されるように、本実施形態のフィルター部材24は、第2室22のうち、前空間16Ca側に設けられるのが望ましい。これにより、チャンバーボックス14の第2正面部39は、フィルター部材24を交換するための開閉自在な扉31として構成されるため、フィルター部材24のメンテナンス性を向上しうる。
フィルター部材24としては、適宜選択されうる。フィルター部材24の一例としては、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルター、光触媒フィルター、活性炭脱臭フィルター、又は、電気集塵フィルター等が単独、又は、組み合わせて配置されるのが望ましい。
外気供給手段15は、外気Aoを、第1室21又は第2室22に供給するためのものである。図2及び図3に示されるように、本実施形態の外気供給手段15は、主ダクト32と、第1ダクト33と、第2ダクト34とを有して構成されている。主ダクト32は、外気導入口17に接続されている。また、第1ダクト33及び第2ダクト34は、主ダクト32に分岐して接続されている。本実施形態の第1ダクト33及び第2ダクト34は、切換ダンパー35を介して、主ダクト32に接続されている。
本実施形態の主ダクト32の少なくとも一部は、第1内部空間16A内に配置されている。主ダクト32の一端は、切換ダンパー35に接続されている。図1に示されるように、本実施形態の主ダクト32の他端は、床下空間4に配置されている。さらに、主ダクト32の他端には、床下空間4の空気Auを、第1外気取込口27側及び第2外気取込口28側に送る外気供給ファン36が接続されている。このような外気供給ファン36は、床下空間4を負圧にして、床下空間4の空気Auを、切換ダンパー35(図3に示す)側に効果的に送ることができる。本実施形態の外気供給ファン36は、制御手段Cm(図1に示す)によって制御されている。なお、外気供給ファン36は、建物2の居住者等の操作によって運転されてもよい。
図2及び図3に示されるように、本実施形態の第1ダクト33及び第2ダクト34は、第2内部空間16B内に配置されている。第1ダクト33の一端及び第2ダクト34の一端は、切換ダンパー35に接続されている。第1ダクト33の他端は、第1外気取込口27を介して、第1室21に接続されている。第2ダクト34の他端は、第2外気取込口28を介して、第2室22に接続されている。
切換ダンパー35は、主ダクト32から供給された外気Aoを、第1ダクト33又は第2ダクト34に切り換えて供給するためのものである。本実施形態の切換ダンパー35は、第2内部空間16B内に配置されている。本実施形態の切換ダンパー35は、制御手段Cm(図1に示す)によって制御されている。なお、切換ダンパー35は、建物2の居住者等の操作によって運転されてもよい。
次に、本実施形態の換気空調ユニット1について、空気調和機13の運転時の作用について説明する。
図3に示されるように、本実施形態の換気空調ユニット1では、チャンバーボックス14の第1室21に外気Aoが供給される。第1室21への外気Aoの供給は、切換ダンパー35を第1ダクト33側に切り換え、かつ、外気供給ファン36(図1に示す)が運転されることによって行われる。さらに、第1室21には、空気取込口26を介して、床上空間5の空気Aiが導入される。これにより、第1室21において、外気Ao及び床上空間5の空気Aiの混合気が、室内機13Aの吸込口13Aiに速やかに供給され、かつ、空調される。
空気調和機13によって空調された空気Acは、室内機13Aの吹出口13Aoから、チャンバーボックス14の第2室22内(本実施形態では、前空間16Ca側)に吹き出される。前空間16Ca側に吹き出された空調された空気Acは、第1ファン23a及び第2ファン23bが運転されることにより、前空間16Caから下空間16Ccを介して後空間16Cbに側面視U字状に案内される。そして、空調された空気Acは、第1供給ダクト30A及び第2供給ダクト30Bを介して、図1に示した床上空間5(1階の居室11A及び2階の居室11B)に供給される。
本実施形態の換気空調ユニット1によれば、第1室21に供給された外気Aoを空調した空気Acが床上空間5に供給されるため、床上空間5を、換気しながら空調することができる。また、第1室21には、床上空間5の空気Aiが供給されるため、床上空間5の空気Aiを循環させて空調することができる。従って、本実施形態の換気空調ユニット1は、空気調和機13の負荷を小さくすることができる。
空気調和機13が冷房運転される夏期においては、外気Aoに含まれる水蒸気の一部が、室内機13Aの熱交換器との熱交換で冷却されて結露し、水となって建物2の外部に排出される。従って、本実施形態の換気空調ユニット1は、夏の冷房時、床上空間5に外気Aoが直接供給される場合に比べて、床上空間5内の水蒸気量を減らすことができ、ひいては、快適な換気空調を行うことができる。
本実施形態において、第1室21に供給される外気Aoは、床下空間4で地中の熱と熱交換された空気Auである。従って、本実施形態では、屋外37の外気Aoが第1室21に直接供給される場合に比べて、空気調和機13の負荷を小さくすることができる。
次に、本実施形態の換気空調ユニット1について、空気調和機13の停止時の作用について説明する。図5は、空気調和機の停止時の換気空調ユニット1の作用を説明する断面図である。
図5に示されるように、本実施形態の換気空調ユニット1では、チャンバーボックス14の第2室22(本実施形態では、前空間16Ca側)に外気Aoが供給される。第2室22への外気Aoの供給は、切換ダンパー35を第2ダクト34側に切り換え、かつ、外気供給ファン36(図1に示す)が運転されることによって行われる。前空間16Ca側に供給された外気Aoは、第1ファン23a及び第2ファン23bが運転されることにより、前空間16Caから下空間16Ccを介して後空間16Cbに側面視U字状に案内される。そして、外気Aoは、第1供給ダクト30A及び第2供給ダクト30Bを介して、図1に示した床上空間5(1階の居室11A及び2階の居室11B)に供給される。
本実施形態の換気空調ユニット1によれば、例えば、空気調和機13の運転を必要としない季節において、床上空間5を空調せずに換気することができる。本実施形態で第2室22に供給される外気Aoは、床下空間4で地中の熱と熱交換された空気Auを含んでいる。従って、本実施形態では、屋外37の外気Aoが第2室22に直接供給される場合に比べて、床上空間5を快適に換気することができる。
このように本実施形態の換気空調ユニット1によれば、第1室21に供給された外気Aoを空調した空気Ac(図3に示す)、又は、第2室22に供給された外気Ao(図5に示す)を、建物内部の空間(本実施形態では、床上空間5)に供給して、換気又は/及び空調することができる。第1室21に供給された外気Aoを空調した空気Ac、又は、第2室22に供給された外気Aoは、フィルター部材24によって粉塵等が除去されるため、床上空間5をより快適に換気又は/及び空調することができる。
また、本実施形態の換気空調ユニット1は、チャンバーボックス14内に、空気調和機13の室内機13A、第1室21及び第2室22が設けられている。さらに、本実施形態のチャンバーボックス14内には、フィルター部材24、外気供給手段15の一部、第1ファン23a、第2ファン23b、及び、供給ダクト30が設けられている。従って、本実施形態の換気空調ユニット1は、例えば、空気調和機13と換気設備(図示省略)とが独立して設けられる場合に比べて、建物内部にコンパクトに設置されうる。
空気調和機13、第1ファン23a、第2ファン23b、外気供給ファン36及び切換ダンパー35の運転は、床上空間5の温度や湿度、又は、床下空間4の温度や湿度に基づいて制御されるのが望ましい。これにより、換気空調ユニット1は、建物2の居住者等が直接操作しなくても、床上空間5を、快適に換気空調を行うことができる。このような制御を行うために、床上空間5及び床下空間4には、温度センサー等(図示省略)が接続されるのが望ましい。
ところで、図3に示されるように、本実施形態の第1室21には、空気取込口26と、第1外気取込口27とが設けられているため、第1外気取込口27から導入された外気Aoに含まれる粉塵等が、空気取込口26を介して床上空間5に排出される場合がある。
このような粉塵等の排出を防ぐために、主ダクト32には、図2及び図3に示されるように、第2フィルター部材40が設けられるのが望ましい。このような第2フィルター部材により、第1室21には、粉塵等が除去された外気Aoが供給されるため、空気取込口26を介して、粉塵等が床上空間5に排出されるのを防ぐことができる。
第2フィルター部材40は、チャンバーボックス14(本実施形態では、第1内部空間16A)内に配置されるのが望ましい。これにより、換気空調ユニット1は、建物内部にコンパクトに設置されうる。さらに、建物2の居住者等は、正面部14a(扉31)を開くことにより、チャンバーボックス14の前面側から、第2フィルター部材40を容易に交換することができる。なお、第2フィルター部材40としては、第2室22に配置されるフィルター部材24と同一のものが採用されるのが望ましい。
図3に示されるように、本実施形態の第1ダクト33及び第2ダクト34は、切換ダンパー35を介して、主ダクト32に接続されたが、このような態様に限定されない。例えば、第1ダクト33及び第2ダクト34は、切換ダンパー35を介さずに、主ダクト32に分岐して接続させ、第1ダクト33及び第2ダクト34のそれぞれに、切換ダンパー(図示省略)が設けられてもよい。
図5に示されるように、本実施形態のファン23は、第1仕切り板18aの上方に離間して設けられたが、このような態様に限定されない。図6は、本発明の他の実施形態の換気空調ユニットの一例を示す断面図である。この実施形態のファン23は、第2仕切り板18bの下方で、第2仕切り板18bと交わる方向にのびる第1仕切り板18aに載置されている。これにより、ファン23を、第1仕切り板18aに固定した後に、供給ダクト30に接続することができるため、施工性が向上する。さらに、本実施形態のファン23は、チャンバーボックス14の第2室22において、第3内部空間16Cの前後の空間16Ca、16Cbの他方側(即ち、後空間16Cb)に設けられる態様が示されたが、第2室22内であれば、ファン23の位置は特に限定されるわけではなく、例えば、第3内部空間16Cの前後の空間16Ca、16Cbの一方側(即ち、前空間16Ca)に設けられてもよい。
図1に示されるように、本実施形態の換気空調ユニット1は、1階居室11Aにチャンバーボックス14が設置され、かつ、1階居室11A及び2階居室11Bの双方が換気又は/及び空調される態様が例示されたが、このような態様に限定されるわけではない。例えば、2階居室11Bにチャンバーボックス14が設置され、かつ、1階居室11A及び2階居室11Bの双方が換気又は/及び空調されてもよい。また、1階居室11A及び2階居室11Bにチャンバーボックス14がそれぞれ設置され、かつ、1階居室11A及び2階居室11Bがそれぞれ独立して換気又は/及び空調されるものでもよい。このように、1階居室11A及び2階居室11Bの双方にチャンバーボックス14が設置されても、換気空調ユニット1が建物内部にコンパクトに設置されるため、床上空間5での換気空調ユニット1の占有率を最小限に抑えることができる。
さらに、換気空調ユニット1のチャンバーボックス14は、建物内部の空間3の中央部に配置されてもよい。これにより、各居室11とチャンバーボックス14との間に配置される供給ダクト30の長さを小さくできるため、空調された空気Acの熱損失や圧力損失を抑制し、かつ、供給ダクト30のコストを最小限に抑えることができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1及び図2に示した基本構造を有する換気空調ユニットが、建物内部に設置された(実施例)。実施例の換気空調ユニットには、チャンバーボックスと、空気調和機の室内機と、外気供給手段とが含まれている。実施例の換気空調ユニットは、第1室に供給された外気を空調した空気、又は、第2室に供給された外気を、建物内部の空間に供給して、換気又は/及び空調された。
また、比較のために、建物内部に、空気調和機と換気設備とがそれぞれ独立して設けられた(比較例)。また、比較例の換気設備は、屋外の外気が、居室内に直接導入された。
そして、実施例及び比較例の換気空調ユニットは、下記期間中に運転され、居室の平均相対湿度が測定された。共通仕様は、次のとおりである。
住宅:滋賀県東近江市
測定期間:2015年8月5日〜8月18日
測定時間:午後11時から午前7時
空気調和機に設定温度:27℃
第1ファン、第2ファンの風量:250〜450m3/h
実施例の外気:床下空間の空気
フィルター部材:HEPAフィルター
テストの結果、実施例は、第1室に供給された外気を空調した空気、又は、第2室に供給された外気を、建物内部の空間に供給して、換気又は/及び空調することができた。しかも、実施例の換気空調ユニットは、チャンバーボックス内に、空気調和機の室内機、第1室及び第2室が設けられるため、比較例に比べて、建物内部にコンパクトに設置できた。
また、実施例の平均相対湿度は、比較例の平均相対湿度よりも約15%RHの低下が見られた。これは、実施例の換気空調ユニットが、第1室に供給された外気を空調して、床上空間に供給されたためである。従って、実施例の換気空調ユニットは、比較例に比べて、居室内の湿度を効果的に低下させながら、換気と空調とを行うことが確認できた。