JP6530628B2 - 熱可塑性繊維、吸水性シート、及び熱可塑性繊維を製造する方法 - Google Patents

熱可塑性繊維、吸水性シート、及び熱可塑性繊維を製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性繊維、吸水性シート、及び熱可塑性繊維を製造する方法に関する。
吸水性を有する熱可塑性繊維を製造する方法は種々検討されている。このような方法としては、例えば、吸水性を有する材料を繊維化する方法、繊維に吸水性を付与する方法等が挙げられる。
吸水性を有する材料を繊維化する方法としては、例えば、ポリアルキレンオキシドとポリオールとを、対称性の脂肪族イソシアネート化合物と反応させて得られるポリアルキレンオキシド変性物と、熱可塑性樹脂又はエラストマーとを含む吸水性組成物を繊維化する方法が知られている(特許文献1)。
特開平11−106502号公報
特許文献1に記載された熱可塑性繊維は、被吸収液体(例えば、水)を吸収させた際の初期の吸水速度が小さく、この点で更に改良の余地があることを見出した。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、初期の吸水速度に優れた熱可塑性繊維、当該熱可塑性繊維を含む繊維基材を備える吸水性シート、及び当該熱可塑性繊維を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、ポリアルキレンオキシド鎖を有する吸水性ポリマーを含み、複数の凸部を有する外周面を備える、熱可塑性繊維が、初期の吸水速度に優れることを見出した。すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明は、ポリアルキレンオキシド鎖を有する吸水性ポリマーを含み、複数の凸部を有する外周面を備える、熱可塑性繊維である。
(2)また本発明は、上記(1)に係る発明において、前記吸水性ポリマーは、ポリアルキレンオキシド及びこれ以外のジオール化合物を含むポリオール成分と、ジイソシアネート化合物を含むイソシアネート成分との反応により得られる、ポリアルキレンオキシド変性物である。
(3)また本発明は、上記(1)又は(2)に係る発明において、前記熱可塑性繊維は、吸水性ポリマー以外の熱可塑性樹脂を更に含んでいる。
(4)また本発明は、上記(3)に係る発明において、前記熱可塑性樹脂がポリプロピレンを含んでいる。
(5)また本発明は、上記(3)又は(4)に係る発明において、前記熱可塑性樹脂の含有割合は、吸水性ポリマー100質量部に対して、250〜800質量部である。
(6)また本発明は、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の熱可塑性繊維を含む繊維基材を備える吸水性シートである。
(7)また本発明は、上記(6)に係る発明において、前記繊維基材は、不織布、織布及び編布からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
(8)さらに、本発明は、上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の熱可塑性繊維を製造する方法であって、吸水性ポリマーを含む熱可塑性繊維を吸湿させた後、熱可塑性繊維に含まれる水分の一部を除去することにより、熱可塑性繊維の外周面に複数の凸部を形成させる工程を備える、方法である。
本発明によれば、初期の吸水速度に優れた熱可塑性繊維、当該熱可塑性繊維を含む繊維基材を備える吸水性シート、及び当該熱可塑性繊維を製造する方法を提供することができる。
実施例1で得られた熱可塑性繊維の電子顕微鏡写真(倍率300倍)を示す図である。 比較例1で得られた熱可塑性繊維の電子顕微鏡写真(倍率300倍)を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る熱可塑性繊維は、ポリアルキレンオキシド鎖を有する吸水性ポリマーを含み、複数の凸部を有する外周面を備える。凸部とは、繊維の外周面上から隆起した部分構造を意味し、本発明に係る熱可塑性繊維を電子顕微鏡で観察した場合、例えば、図1の凸部1で示す部分構造をいう。凸部は、繊維の外周面上に複数存在し、その存在位置及び形状は以下のものが好ましい。凸部は、上記外周面における長手方向に複数点在してもよく、長手方向に直交する周方向に複数点在してもよい。ランダムに複数点存在してもよい。形状は半球状であることが好ましい。凸部の高さは、例えば、繊維を電子顕微鏡によって300〜500倍の倍率で観察した場合に認識できる程度の大きさを有していればよい。また、凸部の高さは、例えば3μm以上であることが好ましい。凸部の高さ上限としては10μm以下であることが好ましい。複数の凸部の高さを求め、それらの平均値として算出される凸部の平均高さとしては、具体的には、繊維の幅に対して1/20〜1/5の範囲であることが好ましく、1/10〜1/6の範囲であることがより好ましい。凸部の高さは、凸部の両側の裾と裾とを結んだ直線から垂直方向における凸部の頂点の距離として計測できる。
ポリアルキレンオキシド鎖を有する吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアルキレンオキシド変性物が挙げられる。ポリアルキレンオキシド鎖を有する吸水性ポリマーの吸水能は、10〜40g/gであることが好ましく、15〜35g/gであることがより好ましい。また、ポリアルキレンオキシド鎖を有する吸水性ポリマーの水溶出分は、10〜40質量%であることが好ましく、15〜35質量%であることがより好ましい。吸水能及び水溶出分の測定方法は、後述の実施例において詳細に説明する。
ポリアルキレンオキシド変性物は、例えば、ポリアルキレンオキシド及びこれ以外のジオール化合物を含むポリオール成分と、ジイソシアネート化合物を含むイソシアネート成分との反応により得ることができる。
ポリアルキレンオキシドは、単一の単量体成分から構成される単独重合体であってもよく、二種以上の単量体成分から構成される共重合体であってもよい。ポリアルキレンオキシドの単量体成分としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。このような単量体成分から構成されるポリアルキレンオキシドは、単量体成分としてエチレンオキシドを90質量%以上含有していることが好ましく、95質量%以上含有していることがより好ましい。
ポリアルキレンオキシドの数平均分子量は、5000〜50000であることが好ましく、10000〜30000であることがより好ましい。ポリアルキレンオキシドの数平均分子量は、JIS K 0070:1992(化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法)に記載の水酸基価測定の方法に従って測定される。
本発明に係るジオール化合物は、上述したポリアルキレングリコール以外のジオール化合物であり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール等が挙げられる。これらのジオール化合物の中でも、エチレングリコール又は1,4−ブタンジオールを好適に用いることができる。これらのジオール化合物は、単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
ジオール化合物の含有割合は、上述したポリアルキレンオキシド1モルに対して、0.8〜2.5モルであることが好ましく、1.0〜2.0モルであることがより好ましい。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(HMDI)、3−イソシアナートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,8−ジメチルベンゾール−2,4−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)等が挙げられる。これらのジイソシアネート化合物の中でも、HDI又はHMDIを好適に用いることができる。これらのジイソシアネート化合物は、単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
上述したポリアルキレンオキシド、ジオール化合物及びジイソシアネート化合物のそれぞれの含有割合は、ポリアルキレンオキシドの末端水酸基及びジオール化合物の水酸基の合計モル数に対する、ジイソシアネート化合物のイソシアネート基のモル数の比[R値=(−NCO基/−OH基)]が、0.7〜1.2であることが好ましく、0.8〜1.05であることがより好ましい。
ポリアルキレンオキシド、ジオール化合物及びジイソシアネート化合物を反応させてポリアルキレンオキシド変性物を製造する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、各原料をトルエン、キシレン、又はジメチルホルムアミド等の反応溶媒に溶解又は分散させて反応させる方法、各原料を粉末状又は固体状で均一に混合した後、所定の温度に加熱して反応させる方法等が挙げられる。工業的実施の観点から、各原料を溶融状態で連続的に供給し多軸押出機中で混合して反応させる方法が好適に用いられる。この場合、反応温度としては、70〜210℃であることが好ましい。
ポリアルキレンオキシド、ジオール化合物及びジイソシアネート化合物を反応させる際、反応を促進する観点から、反応系内に反応触媒を添加することができる。反応触媒としては、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、2−エチルヘキサン酸スズ、トリエチレンジアミン等が挙げられる。
上述した方法により、ポリアルキレンオキシド変性物を、例えば、ペレット、シート、フィルム等の形態で得ることができる。
本発明に係る熱可塑性繊維としては、上述したポリアルキレンオキシド鎖を有する吸水性ポリマー以外の熱可塑性樹脂を更に含むことができる。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸等との共重合体等のポリオレフィン系樹脂;6−ナイロン、6,6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン等及びそれらの共重合体であるポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、廉価であること及び機械強度に優れていることから、ポリプロピレンを好適に用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
熱可塑性樹脂の含有割合は、上述したポリアルキレンオキシド鎖を有する吸水性ポリマー100質量部に対して、250〜800質量部であることが好ましく、300〜600質量部であることがより好ましい。熱可塑性樹脂の含有割合が上記吸水性ポリマー100質量部に対して250質量部以上であれば、得られた熱可塑性繊維に吸水させた際に、吸水性ポリマーのゲルが熱可塑性樹脂から脱離し表面に溶出してくることを抑制することができるため、表面状態を良好に保つことができる。一方、熱可塑性樹脂の含有割合が800質量部以下であれば、熱可塑性繊維の吸水性及び親水性の効果をより効果的に付与することができる。
ポリアルキレンオキシド鎖を有する吸水性ポリマーを含む熱可塑性繊維を製造する方法としては、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機等の溶融混合装置に、当該吸水性ポリマー及び熱可塑性樹脂を投入し、溶融混合することで溶融混合物を得た後、得られた溶融混合物を紡糸する方法等が挙げられる。熱可塑性繊維は、所望により長繊維であっても短繊維であってもよい。
上記溶融混合する際の溶融温度は、130〜300℃であることが好ましく、150〜250℃であることがより好ましい。
本発明に係る、複数の凸部を有する外周面を備える熱可塑性繊維は、例えば上述した方法により得られた熱可塑性繊維を吸湿させた後、熱可塑性繊維に含まれる水分の一部を除去することにより製造することができる。
熱可塑性繊維を吸湿させる際の吸湿条件としては、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定することができる。
重量絶対湿度として、0.03〜0.05[g/gDA]の範囲にあることが好ましい。
ここで重量絶対湿度は飽和蒸気圧と温度の関係を表す以下のTetensの式で求められ、その温度範囲は20〜50℃であることが好ましい。
E(t)=6.11×10^(7.5t/(237.3+t))
吸湿の際の吸湿時間としては、0.3〜2時間であることが好ましく、0.5〜1時間であることがより好ましい。
このような吸湿条件で吸湿させた後の熱可塑性繊維の水分量は、0.1〜0.5質量%であることが好ましい。熱可塑性繊維の水分量はカールフィッシャー水分計にて求められる。
熱可塑性繊維に含まれる水分の一部を除去する際の湿度条件は、凸部が形成されるように調整される。
重量絶対湿度として、0.01〜0.02[g/gDA]の範囲にあることが好ましく、その温度範囲は10〜30℃であることが好ましい。
熱可塑性繊維に含まれる水分を除去する際の時間としては、0.3〜2時間であることが好ましく、0.5〜1時間であることがより好ましい。このような湿度条件下で水分を除去させた後の熱可塑性繊維の水分量は、0.01〜0.05質量%であることが好ましい。
熱可塑性繊維を吸湿する方法及び熱可塑性繊維に含まれる水分の一部を除去する方法としては、恒温恒湿機に所望の条件にて熱可塑性繊維を保管する方法等が挙げられる。
本発明に係る、複数の凸部を有する外周面を備える熱可塑性繊維は、本発明の効果を損なわない範囲で、相溶化剤、造核剤、可塑剤、安定剤、充填剤、顔料、加硫剤、加硫促進剤等の添加剤を含有させることもできる。
本発明に係る、複数の凸部を有する外周面を備える熱可塑性繊維は、繊維基材に含ませることで吸水性シートとすることができる。
繊維基材は、例えば、不織布、織布、編布等であってもよい。これらは単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
本発明に係る、複数の凸部を有する外周面を備える熱可塑性繊維及び当該熱可塑性繊維を含む繊維基材を備える吸水性シートは、ヒートシール性、接着性、柔軟性、初期濡れ性、吸水時の水の拡散性に優れ、吸水性、吸放湿性を有するため、例えば、衛生材料(紙オムツ、失禁パッド、生理用品、母乳パット等)、化粧料(フェーシャルペーパー等)、通信・電力ケーブル用止水テープ、食品包装材料(トレーライナー、防湿材料、輸送用コンテナー内張、保冷梱包材、ドリップ吸収シート、抗菌シート、鮮度保持シート等)、防災材料(土嚢代替、消防服、消火用資材等)、フィルター材料(油水分離フィルター、除湿フィルター、洗浄液分離フィルター等)、医療用材料(手術用シーツ、メディカルウェア、血液吸収体、薬品吸収体、創傷治療用品、医療用テープ等)、電気材料(モーターハウジング、エアコン用熱交換器、液晶包材、電池用セパレーター等)、農業・園芸材料(保水シート、結露防止シート、屋上緑化シート、育苗シート等)、土木・建築材料(コンクリート養生シート、法面緑化シート、結露防止シート、壁材、住宅材料(防湿材、調湿材等)、止水シート等)、日用雑貨品(お手拭き、スポーツグッズ、洗車用品、マスク、帽子、吸汗シート、ムレ防止シート、ハンガーカバー、寝具マット、インソール、ペットシート、押入・タンスシート、押し花シート、芳香・消臭・脱臭・防虫・防かびシート、乾燥剤・芳香剤の包装材、使い捨てカイロの外装、食器棚シート、冷蔵庫シート等)等の幅広い分野で使用できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例等により何ら限定されるものではない。
[評価方法]
以下に示す製造例にて得られた吸水性ポリマーについて、下記(1)吸水能i及び(2)水溶出分を評価した。
以下に示す実施例及び比較例にて得られた熱可塑性繊維を含む繊維基材を備える吸水性シートについて、下記(3)水分量(4)柔軟性、(5)吸水能ii、(6)吸水速度及び(7)保水性を評価した。また、実施例1及び比較例1にて得られた吸水性シートの(8)形状観察を行った。
(1)吸水能i
100mLのイオン交換水を200mL容のビーカーに量りとり、水温を22℃に調整した。約1gの吸水性ポリマーを秤量(質量A[g])し、上記ビーカーに投入、浸漬して、22℃で24時間静置し、吸水性ポリマーをゲル化させた。
24時間経過後、あらかじめ質量を計測した200mesh(孔径:75μm)の金属網(質量B[g])にて、ビーカーの内容物を濾過し、ゲル状物が残った金属網を秤量した(質量C[g])。以下の式にて、吸水能iを算出した。
吸水能i[g/g]=(C−B)/A
(2)水溶出分
上記吸水能iの測定の際に得られたゲル状物を、50℃に調整した熱風乾燥機を用いて8時間乾燥させ、その後乾燥物の質量を秤量した(質量D[g])。
以下の式にて、水溶出分を算出した。
水溶出分[質量%]=(A−D)/A×100
(3)水分量
平沼産業株式会社製のカールフィッシャー測定装置(気化装置:SE−24型、電解槽:AQ−6型)を用い測定した。試料は3gとし、水分気化に用いる窒素は、220℃、200ml/minとした。n=3の平均を求め、小数点第2位を四捨五入して熱可塑性繊維の水分量を測定値とした。
(4)柔軟性
吸水性シートを両手で丸めた感触を、以下の基準により評価した。
○:容易に丸めることができ、手触りも柔らかい。
×:丸めるのに抵抗があり、ごわごわ感がある。
(5)吸水能ii
100mLのイオン交換水を200mL容のビーカーに量りとり、水温を22℃に調整した。吸水性シートを5×10cmの大きさに切断して、その質量を計測し(質量E[g])、上記ビーカーに投入、浸漬して、22℃で3時間静置させ、吸水性シートを吸水させた。
3時間経過後、吸水性シートをビーカーから取り出し、表面を軽く拭き取った後、質量を計測した(質量F[g])。以下の式にて、吸水能iiを算出した。なお、下記式における「200」は、1m当たりの吸水能とするための係数である。
吸水能ii[g/m]=F/E×200
(6)吸水速度
100mLのイオン交換水を200mL容のビーカーに量りとり、水温を22℃に調整した。吸水性シートを5×10cmの大きさに切断して、その質量を計測し(質量G[g])、上記ビーカーに投入、浸漬して、22℃で1分間静置させ、吸水性シートを吸水させた。
1分間経過後、吸水性シートをビーカーから取り出し、表面を軽く拭き取った後、質量を計測した(質量H[g])。以下の式にて、吸水速度を算出した。なお、下記式における「200」は、1m当たりの吸水速度とするための係数であり、吸水能iiは上記(4)にて評価した値である。
吸水速度[%]=(H/G×200)/吸水能ii×100
(7)保水性
上記(4)にて吸水能iiを算出した後の吸水性シートを、40℃に調整した恒温装置に30分間静置させ、その後の質量を秤量した(質量I[g])。以下の式にて保水性を算出した。
保水性[%]=(F−I)/I×100
(8)形状観察
吸水性シートの形状について、電子顕微鏡を用いて300倍の倍率で測定した。また、凸部の幅及び高さについても、同様にして測定した。
[製造例1]
撹拌機を備え、80℃に調整した貯蔵タンクaに、十分に脱水した数平均分子量20000のポリエチレンオキシド100質量部、1,4−ブタンジオール0.90質量部及びジオクチルスズジラウレート0.1質量部を投入し、窒素ガス雰囲気下で攪拌して均一な混合物を得た。
これとは別に、30℃に調整した貯蔵タンクbに、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートを投入し、窒素ガス雰囲気下で貯蔵した。
定量ポンプを用いて、貯蔵タンクaの混合物を500g/分の供給速度にて、貯蔵タンクbのジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートを19.4g/分の供給速度にて、110〜140℃に設定した2軸押出機に連続的に供給し(R値=1.00)、押出機中で混合して反応を行い、押出機出口からストランドを出し、ペレタイザーによりペレット化して、吸水性ポリマーとしてのポリアルキレンオキシド変性物を得た。
得られた吸水性ポリマーの吸水能iは25g/g、水溶出分は19質量%であった。
[比較例1]
製造例1で得られた吸水性ポリマー100質量部とポリプロピレン(住友化学株式会社製、商品名:ノーブレンY101、MI=12)300質量部とを、30mmの2軸押出機を用いて、190℃の温度で溶融混合した。
得られた溶融混合物を、30mmの単軸押出機を用いて、190℃の温度でダイ(d=1mm、12ホール)から、200meshの金網を動かしながらランダムに積層して冷却し、直径50μmの熱可塑性繊維からなる吸水性シートを得た(目付:50g/m)。得られた吸水性シートの評価結果を下記表1に示す。なお、得られた吸水性シートの含水量は0.01質量%であった。また、形状観察を行った際の電子顕微鏡写真を図2に示す。熱可塑性繊維の外周面は平滑であり、凸部は観察されなかった。
[実施例1]
比較例1で得られた吸水性シートを20cm×30cmの大きさに切断した。切断後の吸水性シートを、重量絶対湿度0.033[g/gDA](温度35℃、湿度90%RH)の条件に調整した恒温恒湿器(ヤマト科学株式会社製、商品名:IG400)内に、0.5時間静置することで吸湿させた。
その後、重量絶対湿度0.012[g/gDA](温度25℃、湿度60%RH)の条件)に調整した別の恒温恒湿器(ヤマト科学株式会社製、商品名:IG400)内に、0.5時間静置することで水分を除去し、複数の凸部を有する外周面を備える熱可塑性繊維を含む吸水性シートを得た。得られた吸水性シートの評価結果を下記表1に示す。また、形状観察を行った際の電子顕微鏡写真を図1に示す。熱可塑性繊維の外周面の長手及び周方向に、不規則に点在する凸部が観察された。
[比較例2]
製造例1で得られた吸水性ポリマー100質量部とポリプロピレン(住友化学株式会社製、商品名:ノーブレンY101、MI=12)600質量部とを、30mmの2軸押出機を用いて、190℃の温度で溶融混合した。
得られた溶融混合物を、30mmの単軸押出機を用いて、190℃の温度でダイ(d=1mm、12ホール)から、200meshの金網を動かしながらランダムに積層して冷却し、直径50μmの熱可塑性繊維からなる吸水性シートを得た(目付:100g/m)。得られた吸水性シートの評価結果を下記表1に示す。なお、得られた吸水性シートの含水量は0.01質量%であった。
[実施例2]
比較例2で得られた吸水性シートを20cm×30cmの大きさに切断した。切断後の吸水性シートを、重量絶対湿度0.044[g/gDA](温度30℃、湿度90%RH)の条件に調整した恒温恒湿器(ヤマト科学株式会社製、商品名:IG400)内に、1時間静置することで吸湿させた。
その後、重量絶対湿度0.012[g/gDA](温度20℃、湿度60%RH)の条件に調整した別の恒温恒湿器(ヤマト科学株式会社製、商品名:IG400)内に、1時間静置することで水分を除去し、複数の凸部を有する外周面を備える熱可塑性繊維を含む吸水性シートを得た。得られた吸水性シートの評価結果を下記表1に示す。
本発明に係る熱可塑性繊維及び当該熱可塑性繊維を含む繊維基材を備える吸水性シートは、初期の吸水速度に優れているため、様々な分野において広く用いることができる。
1…凸部。

Claims (8)

  1. ポリアルキレンオキシド鎖を有する吸水性ポリマーを含み、複数の凸部を有する外周面を備え
    前記凸部が、前記外周面の長手方向及び該長手方向に直交する周方向に複数点在する、熱可塑性繊維。
  2. 前記吸水性ポリマーが、ポリアルキレンオキシド及びこれ以外のジオール化合物を含むポリオール成分と、ジイソシアネート化合物を含むイソシアネート成分との反応により得られる、ポリアルキレンオキシド変性物である、請求項1に記載の熱可塑性繊維。
  3. 前記吸水性ポリマー以外の熱可塑性樹脂を更に含む、請求項1又は2に記載の熱可塑性繊維。
  4. 前記熱可塑性樹脂が、ポリプロピレンを含む、請求項3に記載の熱可塑性繊維。
  5. 前記熱可塑性樹脂の含有割合が、前記吸水性ポリマー100質量部に対して、250〜800質量部である、請求項3又は4に記載の熱可塑性繊維。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性繊維を含む繊維基材を備える吸水性シート。
  7. 前記繊維基材が、不織布、織布及び編布からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項6に記載の吸水性シート。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性繊維を製造する方法であって、
    前記吸水性ポリマーを含む熱可塑性繊維を吸湿させた後、前記熱可塑性繊維に含まれる水分の一部を除去することにより、前記熱可塑性繊維の外周面に複数の凸部を形成させる工程を備える、方法。
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