JP2000160465A - 吸放湿性長繊維不織布 - Google Patents

吸放湿性長繊維不織布

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JP2000160465A
JP2000160465A JP33736398A JP33736398A JP2000160465A JP 2000160465 A JP2000160465 A JP 2000160465A JP 33736398 A JP33736398 A JP 33736398A JP 33736398 A JP33736398 A JP 33736398A JP 2000160465 A JP2000160465 A JP 2000160465A
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polyalkylene oxide
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So Yamaguchi
創 山口
Shigemitsu Murase
繁満 村瀬
Shiro Murakami
志郎 村上
Kazuaki Taruishi
一秋 樽石
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、吸放湿性に優れ、高強力であっ
て、寸法安定性も良好で、しかも長期間の使用において
も変色がなく耐候性に優れ、例えば使い捨ての衛生材料
や一般生活関連材あるいは一部の産業資材等の素材に好
適な吸放湿性長繊維不織布を提供する。 【解決手段】 鞘成分がポリアミド又はポリエステル、
芯成分がポリアルキレンオキシド変性物のみ、あるいは
このポリアルキレンオキシド変性物とポリアミド又はポ
リエステルとの混合物から構成される芯鞘複合型構造を
有する長繊維から構成され、部分的熱圧接にて所定の形
状を保持している吸放湿性長繊維不織布。前記ポリアル
キレンオキシド変性物は、ポリアルキレンオキシドとポ
リオールとを対称性の脂肪族イソシアネート化合物と反
応させてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸放湿性と耐候性
に優れ、高強力であって、しかも寸法安定性も良好で、
例えば使い捨ての衛生材料や一般生活関連材あるいは一
部の産業資材等の素材に適した吸放湿性長繊維不織布に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、衛生材料や一般生活関連材あ
るいは産業資材用の素材として、ポリアミドやポリエス
テル等の汎用の熱可塑性重合体からなる不織布が知られ
ているが、これらの不織布は吸放湿性に乏しいものであ
る。一方、吸放湿性を有する不織布として、木綿や麻等
の天然繊維が交絡一体化してなる、いわゆるスパンレー
ス不織布が知られているが、この不織布は機械的特性、
特に強力が低く、また、繊維自体が熱可塑性でないた
め、不織布化を図るに際して加工方法が限定されるもの
であった。本発明者らは、かかる問題を解決すべく、特
開平8−209450号、特開平8−311719号及
び特開平9−217230号にて、鞘成分がポリアミド
又はポリエステルからなり、芯成分がポリエチレンオキ
シドの架橋物からなる熱可塑性吸水性重合体とポリアミ
ド又はポリエステルとの混合物からなる芯鞘型複合繊維
を提案した。また、米国特許第4,767,825号に
は、ポリオキシメチレンソフトセグメントとハードセグ
メントとからなる吸水性重合体で構成される不織布が提
案されている。しかしながら、これら芯鞘型複合繊維や
不織布は、吸放湿性、原糸性能あるいは製糸性には優れ
ているものの、長期間使用した際に黄変が発生し、耐候
性に劣るという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題を
解決しようとするもので、吸放湿性に優れ、高強力であ
って、寸法安定性も良好で、しかも長期間の使用におい
ても変色がなく耐候性に優れ、例えば使い捨ての衛生材
料や一般生活関連材あるいは一部の産業資材等の素材に
好適な吸放湿性長繊維不織布を提供しようとするもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決しようとするものであって、以下の構成をその要旨と
するものである。鞘成分がポリアミド又はポリエステル
で、芯成分がポリアルキレンオキシドとポリオールとを
対称性の脂肪族イソシアネート化合物と反応させてなる
ポリアルキレンオキシド変性物から構成される芯鞘複合
型構造を有し、かつ芯成分のポリアルキレンオキシド変
性物が繊維重量に対して5〜30重量%である長繊維か
ら構成され、部分的熱圧接にて所定の形状を保持してい
ることを特徴とする吸放湿性長繊維不織布。鞘成分がポ
リアミド又はポリエステルで、芯成分がポリアルキレン
オキシドとポリオールとを対称性の脂肪族イソシアネー
ト化合物と反応させてなるポリアルキレンオキシド変性
物と、ポリアミド又はポリエステルとの混合物から構成
される芯鞘複合型構造を有し、かつ芯成分のポリアルキ
レンオキシド変性物が繊維重量に対して5〜30重量%
である長繊維から構成され、部分的熱圧接にて所定の形
状を保持していることを特徴とする吸放湿性長繊維不織
布。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明について詳細に説明
する。本発明において、不織布を構成する長繊維の鞘成
分又は鞘成分と芯成分の一部とで採用するポリアミドと
しては、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン46、ナイ
ロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMX
D6(ポリメタキシレンアジパミド)、ポリビスシクロ
ヘキシルメタンデカナミド等のアミド系重合体あるいは
これらを主体とする共重合体あるいはこれらの混合物が
挙げられる。また、ポリエステルとしては、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸
等の芳香族ジカルボン酸あるいはアジピン酸、セバチン
酸等の脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル類を酸
成分とし、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等のジオー
ル化合物をエステル成分とするエステル系重合体あるい
はこれらの共重合体が挙げられる。なお、これらのエス
テル系重合体には、パラオキシ安息香酸、5−ソジウム
スルホイソフタル酸、ポリアルキレングリコール、ペン
タエリススリトール、ビスフエノールA等が添加あるい
は共重合されていても良い。
【0006】本発明において、不織布を構成する長繊維
の芯成分で採用するポリアルキレンオキシド変性物と
は、ポリアルキレンオキシドとポリオールとを対称性の
脂肪族イソシアネート化合物と反応させてなるものであ
って、ポリアルキレンオキシドとポリオールとを対称性
の脂肪族イソシアネート化合物と反応させることで、芳
香族イソシアネート化合物を用いた場合にみられるよう
なイソシアネート基と芳香環との共鳴構造により形成さ
れるイミド環に起因する黄変が抑制され、長期間使用し
ても繊維が黄変することがなく、耐候性に優れた不織布
を得ることが出来る。
【0007】ポリアルキレンオキシド変性物は、上述し
たように、ポリアルキレンオキシドとポリオールとを対
称性の脂肪族イソシアネート化合物と反応させることに
よって得られるものである。ポリアルキレンオキシドと
しては、重量平均分子量が500〜50万のものが好適
に採用出来る。重量平均分子量が500未満であると、
得られるポリアルキレンオキシド変性物の吸水性が極端
に低下したり、溶融粘度が極端に高くなるために製糸性
が悪化したりし、一方、重量平均分子量が50万を超え
ると、得られるポリアルキレンオキシド変性物が吸水時
にゲルとして不織布中から溶出したりし、いずれも好ま
しくない。このような重量平均分子量を有するポリアル
キレンオキシドとしては、例えば、ポリエチレンオキシ
ド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド/プロ
ピレンオキシド共重合体、ポリブチレンオキシドあるい
はこれらの混合物が挙げられ、中でも重量平均分子量が
2000〜10万のポリエチレンオキシド、ポリプロピ
レンオキシド及びエチレンオキシド/プロピレンオキシ
ド共重合体が好適に採用出来る。
【0008】また、ポリオールとは、同一分子内に水酸
基(−OH)を2個有する有機化合物であり、例えばエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレング
リコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオ
ール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、
グリセリルモノアセテート、グリセリルモノブチレー
ト、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、ビスフエノールA等が挙げられ、特にエチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオー
ルが好適に採用出来る。
【0009】上記のポリアルキレンオキシド及びポリオ
ールと反応させる対称性の脂肪族イソシアネート化合物
とは、2個のイソシアネート基が分子内の対称な位置に
存在する脂肪族イソシアネート化合物であり、例えばジ
シクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート又
は1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートが好適に採
用出来る。
【0010】このようなポリアルキレンオキシド変性物
は、温度170℃、印加荷重50kg/cm2 時におけ
る溶融粘度が1000〜20000ポイズであるのが好
ましい。溶融粘度が1000ポイズ未満であると、吸水
時にゲルが繊維表面に溶出することとなり、一方、溶融
粘度が20000ポイズを超えると、ポリアミド又はポ
リエステルとの分散性が低下するために製糸性が悪化
し、いずれも好ましくない。
【0011】本発明の不織布では、それを構成する長繊
維において、芯成分のポリアルキレンオキシド変性物を
繊維重量に対して5〜30重量%とすることが必要であ
る。この重量比が5%未満であると、長繊維したがって
不織布の吸放湿性が低下し、一方、この比が30%を超
えると吸放湿性は優れるものの、長繊維の強度が、した
がって不織布の強力が低下し、いずれも好ましくない。
本発明では、長繊維における鞘成分と芯成分との複合比
(鞘芯複合比)を、芯成分がポリアルキレンオキシド変
性物のみの場合には、鞘成分/芯成分(重量比)=95
/5〜70/30とする。また、鞘成分がポリアルキレ
ンオキシド変性物とポリアミド又はポリエステルとの混
合物の場合、特に限定されるものではないが、製糸性や
得られる長繊維したがって不織布の吸放湿性を考慮する
と、鞘成分/芯成分(重量比)=60/40〜40/6
0とするのが好ましい。芯成分の複合比が上記範囲より
も大きいと、長繊維の吸放湿性は良好となるものの製糸
性が悪化し、また、長繊維したがって不織布の強力が低
下し、長繊維の断面形状が安定せず、一方、芯成分の複
合比が上記範囲よりも小さいと、鞘成分が肉厚となり、
また、芯成分のポリアルキレンオキシド変性物中にポリ
アミド又はポリエステルが分散し過ぎて長繊維の吸放湿
性が低下することとなり、いずれも好ましくない。
【0012】本発明の不織布では、上記長繊維が実質的
に芯鞘複合型構造を有することが必要であって、芯成分
によって長繊維に吸放湿性が付与され、したがって不織
布が吸放湿性を有し、また、鞘成分によって長繊維の製
糸性や強度が、したがって不織布の強力が向上する。こ
の長繊維では、通常の芯鞘構造の他に多芯芯鞘構造であ
っても良い。また、長繊維全体の断面形状は、実質的に
芯鞘型断面であれば特に限定されるものではなく、通常
の円形断面の他に多葉断面や扁平断面あるいは各種異形
断面等、一般の繊維で採用されている断面であっても良
い。これらの重合体は、あらかじめ溶融混合してマスタ
ーチツプ化しても良いし、あるいはドライブレンドした
ものを用いても良い。
【0013】本発明の不織布では、上記のように構成さ
れた芯鞘複合型長繊維の芯成分に対して、本発明の効果
を損なわない範囲で、必要に応じて、ポリアクリル酸ナ
トリウム、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ(メタ)
アクリル酸あるいはその共重合体、ポリビニルアルコー
ル等の吸水性重合体を併せて配合しても良い。
【0014】また、芯鞘複合型長繊維の芯成分及び/又
は鞘成分に対して、本発明の効果を損なわない範囲で、
必要に応じて、艶消剤、着色剤、難燃剤、消臭剤、耐光
剤、熱安定剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合しても
良い。特に、鞘成分に対してベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤を含有させ、芯成分に対してフエノール系酸化
防止剤を含有させると、耐熱性と耐光性とが向上して好
ましい。なお、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とし
ては、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミル
フエニル)ベンゾトリアゾール(シプロ化成社製「シー
ソーブ704」)、フエノール系酸化防止剤としては、
2−t−ペンチル−6−(3,5−ジ−t−ペンチル−
2−ヒドロキシベンジル)−4−t−ペンチルフエニル
アクリレート(住友化学社製「スミライザーGS」)が
好適に採用出来る。
【0015】本発明の不織布は、部分的な熱圧接領域に
おける構成繊維間の熱圧接により、不織布としての形状
を保持しているものである。この部分的熱圧接とは、例
えば加熱されたエンボスロールと表面が平滑な金属ロー
ルとによって形成されるものであり、かかるエンボスロ
ールのエンボスパターン部に当接する部位における繊維
が相互に融着して点状の融着区域を形成しているもので
ある。この部分的熱圧接によって、不織布に形態保持性
と寸法安定性そして強力等の機械的特性が具備される。
【0016】本発明の不織布は、次の方法によって効率
良く製造することが出来る。まず、長繊維の鞘成分を構
成するポリアミド又はポリエステル、及び芯成分を構成
する上記重合体すなわちポリアルキレンオキシド変性物
あるいはこの変性物とポリアミド又はポリエステルとの
混合物を個別に溶融した後、公知の複合型紡糸口金装置
より紡出し、溶融紡出糸条を公知の冷却装置で冷却し、
エアーサツカ等の引き取り手段を用いて牽引・細化した
後、開繊器を用いて開繊し、移動する捕集面上に捕集・
堆積させることによって、長繊維から構成される不織ウ
エブを作成する。溶融紡出するに際しては、紡出繊維糸
条の引き取り速度を3000〜6000m/分の範囲と
するのが良い。引き取り速度が3000m/分未満であ
ると、紡出繊維の分子配向が十分に増大しなく、したが
って得られる不織布の機械的特性や寸法安定性が向上せ
ず、一方、引き取り速度が6000m/分を超えると、
溶融紡糸時の製糸性が低下し、いずれも好ましくない。
【0017】次に、得られた不織ウエブに部分的熱圧接
処理を施し、構成繊維同士を熱圧接することにより、本
発明の長繊維不織布を得る。部分的熱圧接処理を施すに
際しては、例えば加熱されたエンボスロールと表面が平
滑な金属ロールとを用い、かかるエンボスロールのエン
ボスパターン部に当接する部位における繊維を相互に融
着して点状の融着区域を形成する。この部分的熱圧接
は、ウエブの表面積に対して特定の領域を有し、個々の
圧接領域は必ずしも円形の形状である必要はないが、
0.1〜1.0mm2 の面積を有し、その配設密度すな
わち圧接点密度が2〜80点/cm2 、好ましくは4〜
60点/cm2 のものであるのが良い。この圧接点密度
が2点/cm2 未満であると、熱圧接処理により得られ
た不織布の形態保持性や強力あるいは寸法安定性などの
機械的特性が向上せず、一方、圧接点密度が80点/c
2 を超えると、不織布の柔軟性と嵩高性が低下するこ
とになり、いずれも好ましくない。また、ウエブの全表
面積に対する全熱圧接領域の面積の比すなわち圧接面積
率は、2〜30%のものであるのがよく、好ましくは4
〜20%である。この圧接面積率が2%未満であると、
熱圧接処理により得られた不織布の形態保持性や強力あ
るいは寸法安定性などの機械的特性が向上せず、一方、
圧接面積率が30%を超えると、不織布の柔軟性と嵩高
性が低下することになり、いずれも好ましくない。
【0018】
【作用】本発明の長繊維不織布は、不織布を構成する長
繊維が芯鞘型複合構造を有し、芯成分がポリアルキレン
オキシド変性物あるいはこの変性物とポリアミド又はポ
リエステルとの混合物で構成されることから不織布に吸
放湿性が付与され、鞘成分がポリアミド又はポリエステ
ルで構成されることから長繊維の製糸性や強度、したが
って不織布の強力が向上する。また、芯成分におけるポ
リアルキレンオキシド変性物は、ポリアルキレンオキシ
ドとポリオールとを対称性の脂肪族イソシアネート化合
物と反応させたものであり、芳香族イソシアネート化合
物を用いた場合にみられるようなイソシアネート基と芳
香環との共鳴構造により形成されるイミド環に起因する
黄変が抑制される結果、長期間使用しても繊維が黄変す
ることがなく、したがって耐候性に優れたものとなる。
さらに、この不織布は、部分的な熱圧接領域において構
成繊維間が熱圧接されているので、形態保持性と強力そ
して寸法安定性といった機械的特性が具備される。
【0019】
【実施例】次に、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、各例における測定と評価法は、次のとおり
である。 ポリアミドの相対粘度(イ):濃度96重量%の硫酸を
溶媒とし、試料濃度1g/100cc、温度25℃の条
件でで常法により測定した。 ポリエステルの相対粘度(ロ):フエノールと四塩化エ
タンとの等重量混合溶液を溶媒とし、試料濃度0.5g
/100cc、温度20℃の条件で常法により測定し
た。 ポリアルキレンオキシド変性物の溶融粘度:ポリアルキ
レンオキシド変性物1.5gを測定試料とし、フローテ
スタ(島津製作所製CFT−500D)を用いて、ダイ
直径1mm、ダイ長さ1mm、印加荷重50kg/cm
2 、測定温度170℃の条件で溶融粘度(ポイズ)を測
定した。 ポリアルキレンオキシド変性物の吸水能:純水2OOc
c中に秤量したポリアルキレンオキシド変性物1gを添
加し、24時間攪拌後、200メツシユの金網にて濾過
し、得られた濾過後のゲルの重量を吸水能〔g(純水)
/g(重合体)〕とした。 不織布の目付け:標準状態の不織布から縦10cm×横
10cmの試料片各10点を作成し、平衡水分に至らし
めた後、各試料片の重量(g)を秤量し、得られた値の
平均値を単位面積当たりに換算して目付け(g/m2
とした。 不織布の引張り強力:JIS−L−1096Aに記載の
方法に準じて引張り強力を測定した。すなわち、試料長
が20cm、試料幅が5cmの試験片各10点を作成
し、各試料片毎に不織布の経及び緯方向について、定速
伸長型引張り試験機(東洋ボールドウイン社製テンシロ
ンUTM―4―1―100)を用いて試料の把持間隔1
0cm、引張り速度10cm/分で伸長し、得られた切
断時荷重値(g/5cm幅)の平均値を不織布の引張り
強力(g/5cm幅)とした。 不織布の剛軟度:試料長10cm、試料幅5cmの試料
片計5個を作成し、各試料片毎に横方向に曲げて円筒状
物とし、各々その軸方向について、定速伸長型引張り試
験機(東洋ボールドウィン社製テンシロンUTM―4―
1―100)を用いて圧縮速度5cm/分で圧縮し、得
られた最大荷重値(g)の平均値を不織布の剛軟度
(g)とした。 不織布の吸放湿性:下記式(1)、(2)及び(3)で
示す水分率M0 、M1及びM2 で不織布の吸放湿性を評
価した。 水分率は、まず、試料長10cm、試料幅10cmの試
料を温度105℃で2時間乾燥して重量W0 (g)を測
定し、次に温度25℃、相対湿度60%の条件下で2時
間調湿して重量W1 (g)を測定し、下記式(1)で初
期水分率M0 (重量%)を求めた。次に、この試料を温
度34℃、相対湿度90%の条件下で24時間吸湿させ
た後に重量W2 (g)を測定し、下記式(2)で水分率
M1 (重量%)を求めた。その後、この試料を温度25
℃、相対湿度60%の条件下でさらに24時間放置した
後に重量W3 (g)を測定し、下記式(3)で放湿後の
水分率M2 (重量%)を求めた。 M0 (重量%)=〔(W1 −W0 )/W0 〕×100 (1) M1 (重量%)=〔(W2 −W0 )/W0 〕×100 (2) M2 (重量%)=〔(W3 −W0 )/W0 〕×100 (3) 不織布の耐候性:試料長10cm、試料幅10cmの試
料を屋外の自然環境に30日間曝露した後、JIS−K
−7103に記載の方法に準じて黄変度を測定し、耐候
性の指標とした。すなわち、試料の三刺激(X、Y、
Z)を色差計(マクベス社製、color−eye31
00)を用いて反射法で求め、下記式(4)に従って黄
色度(YI)を算出し、下記式(5)の屋外の自然環境
に曝露する前後の黄色度の差(△YI)を黄変度とし
た。 YI=100(1.28X−1.06Z)/Y (4) △YI=YI−YI0 (5) YI :屋外で30日間曝露した後の黄変度 YI0 :屋外で30日間曝露する前の黄変度
【0020】実施例1 相対粘度(イ)が2.6のナイロン6を鞘成分、相対粘
度が2.6のナイロン6と吸水能力が35g/gで溶融
粘度が4000ポイズのポリアルキレンオキシド変性物
との混合物〔(ナイロン6/ポリアルキレンオキシド変
性物)(重量比)=85/15〕を芯成分とし、鞘/芯
複合重量比を50/50として同心円状の芯鞘複合型繊
維糸条を溶融紡出し、長繊維不織布を製造した。なお、
ポリアルキレンオキシド変性物として、重量平均分子量
が20000のポリエチレンオキシドと、1,4−ブタ
ンジオールと、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジ
イソシアネートとを反応させたものを採用した。すなわ
ち、前記重合体を各々溶融した後、紡糸温度260℃で
複合型紡糸口金を介して溶融紡出し、紡出糸条を公知の
冷却装置にて冷却した後、エアーサツカを用いて引き取
り速度4500m/分で引き取り、コロナ放電装置を用
いて開繊し、移動する捕集面上に捕集・堆積させて、単
糸繊度3.0デニールの長繊維からなる不織ウエブを得
た。次に、この不織ウエブに熱圧接装置を用い部分的熱
圧接処理を施して、目付けが50g/m2 の不織布を得
た。この熱圧接処理に際しては、面積0.6mm2の突
起部が圧接点密度20点/cm2 、圧接面積率13.2
%で配設された加熱エンボスロールと表面が平滑な加熱
金属ロールとからなる装置を用い、処理温度すなわちエ
ンボスロールと金属ロールの表面温度を190℃とし
た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性等を表1
に示す。
【0021】実施例2〜4 芯成分におけるナイロン6とポリアルキレンオキシド変
性物との配合割合を表1に示すように変えたこと以外は
実施例1と同様にして、不織布を得た。得られた不織布
の強力、吸放湿性、耐候性等を表1に示す。
【0022】実施例5 芯成分に配合するポリアルキレンオキシド変性物とし
て、重量平均分子量が20000のポリエチレンオキシ
ドと、1,4−ブタンジオールと、1,6−ヘキサメチ
レンジイソシアネートとを反応させて得られる吸水能力
が33g/gで溶融粘度が5000ポイズのポリアルキ
レンオキシド変性物を採用したこと以外は実施例1と同
様にして、不織布を得た。得られた不織布の強力、吸放
湿性、耐候性等を表1に示す。
【0023】実施例6 芯成分に配合するポリアルキレンオキシド変性物とし
て、重量平均分子量が20000のポリエチレンオキシ
ド50重量%と重量平均分子量が15000のエチレン
オキシド/プロピレンオキシド共重合体(モル比は80
/20)50重量%の混合物と、1,4−ブタンジオー
ルと、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシア
ネートとを反応させて得られる吸水能力が36g/gで
溶融粘度が1000ポイズのポリアルキレンオキシド変
性物を採用したこと以外は実施例1と同様にして、不織
布を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性等
を表1に示す。
【0024】実施例7 芯成分に配合するポリアルキレンオキシド変性物とし
て、重量平均分子量が15000のポリエチレンオキシ
ド50重量%と重量平均分子量が4000のポリプロピ
レンオキシド50重量%の混合物と、1,4−ブタンジ
オールと、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソ
シアネートとを反応させて得られる吸水能力が28g/
gで溶融粘度が20000ポイズのポリアルキレンオキ
シド変性物を採用したこと以外は実施例1と同様にし
て、不織布を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、
耐候性等を表1に示す。
【0025】比較例1 ナイロン6とポリアルキレンオキシド変性物との混合物
〔(ナイロン6/ポリアルキレンオキシド変性物)(重
量比)=95/5〕を芯成分としたこと、したがって繊
維中のポリアルキレンオキシド変性物の含有量を2.5
重量%としたこと以外は実施例1と同様にして、不織布
を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性等を
表1に示す。
【0026】比較例2 ナイロン6とポリアルキレンオキシド変性物との混合物
〔(ナイロン6/ポリアルキレンオキシド変性物)(重
量比)=30/70〕を芯成分としたこと、したがって
繊維中のポリアルキレンオキシド変性物の含有量を35
重量%としたこと以外は実施例1と同様にして、不織布
の製造を試みた。
【0027】比較例3 芯成分に配合するポリアルキレンオキシド変性物とし
て、重量平均分子量が20000のポリエチレンオキシ
ドと、1,4−ブタンジオールと、対称性の芳香族イソ
シアネート化合物である4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネートとを反応させて得られる吸水能力が32
g/gで溶融粘度が5000ポイズのポリアルキレンオ
キシド変性物を採用したこと以外は実施例1と同様にし
て、不織布を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、
耐候性等を表1に示す。
【0028】比較例4 芯成分に配合するポリアルキレンオキシド変性物とし
て、重量平均分子量が20000のポリエチレンオキシ
ド25重量%と重量平均分子量が15000のエチレン
オキシド/プロピレンオキシド共重合体(モル比は80
/20)75重量%の混合物と、1,4−ブタンジオー
ルと、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシア
ネートとを反応させて得られる吸水能力が43g/gで
溶融粘度が600ポイズのポリアルキレンオキシド変性
物を採用したこと以外は実施例1と同様にして、不織布
を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性等を
表1に示す。
【0029】比較例5 芯成分に配合するポリアルキレンオキシド変性物とし
て、重量平均分子量が11000のポリエチレンオキシ
ド50重量%と重量平均分子量が4000のポリプロピ
レンオキシド50重量%の混合物と、1,4−ブタンジ
オールと、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソ
シアネートとを反応させて得られる吸水能力が30g/
gで溶融粘度が35000ポイズのポリアルキレンオキ
シド変性物を採用したこと以外は実施例1と同様にし
て、不織布の製造を試みた。
【0030】
【表1】
【0031】実施例1〜7で得られた不織布は、その構
成長繊維がいずれもポリアミドを鞘成分とし、ポリアミ
ドとポリアルキレンオキシド変性物との混合物を芯成分
としたものであり、芯成分に配合されたポリアルキレン
オキシド変性物は温度170℃、印加荷重50kg/c
2 時における溶融粘度が1000〜20000ポイズ
の範囲である溶媒可溶性重合体であって、その繊維全体
に占める割合が5〜30重量%の範囲としたため、強力
等の機械的特性が高く、吸放湿性にも優れたものであっ
た。また、このポリアルキレンオキシド変性物は、ポリ
アルキレンオキシドとポリオールとを対称性の脂肪族イ
ソシアネート化合物と反応させたものであるため、得ら
れた不織布は、耐候性に優れたものであった。これに対
し、比較例1で得られた不織布は、繊維全体に占めるポ
リアルキレンオキシド変性物の割合が低く、吸放湿性に
乏しいものであった。また、比較例2では、繊維全体に
占めるポリアルキレンオキシド変性物の割合が高過ぎて
製糸性が悪化し、不織布を得ることができなかった。比
較例3で得られた不織布は、非対称性の脂肪族イソシア
ネート化合物を用いてなるポリアルキレンオキシド変性
物を採用したため、耐候性に劣るものとなった。比較例
4で得られた不織布は、ポリアルキレンオキシド変性物
の溶融粘度が低過ぎたため、強力が低く、実用性に乏し
いものとなった。比較例5では、ポリアルキレンオキシ
ド変性物の溶融粘度が高過ぎたため、製糸性が悪化し、
不織布を得ることができなかった。
【0032】実施例8 相対粘度(イ)が2.6のナイロン6を鞘成分、実施例
1で採用したポリアルキレンオキシド変性物のみを芯成
分とし、鞘/芯複合重量比を92.5/7.5(繊維全
体に占めるポリアルキレンオキシド変性物の割合が7.
5重量%)として同心円状の芯鞘複合型繊維糸条を溶融
紡出し、長繊維不織布を製造した。すなわち、前記ナイ
ロン6を温度250℃で、また、ポリアルキレンオキシ
ド変性物を温度150℃で各々溶融した後、紡糸温度2
60℃で複合型紡糸口金を介して溶融紡出し、以降は実
施例1と同様にして、不織布を得た。得られた不織布の
強力、吸放湿性、耐候性等を表2に示す。
【0033】実施例9〜11 繊維全体に占めるポリアルキレンオキシド変性物の割合
を表2に示すように変更したこと以外は実施例8と同様
にして、不織布を得た。得られた不織布の強力、吸放湿
性、耐候性等を表2に示す。
【0034】実施例12 実施例5で採用したポリアルキレンオキシド変性物を芯
成分に採用したこと以外は実施例8と同様にして、不織
布を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性等
を表2に示す。
【0035】実施例13 実施例6で採用したポリアルキレンオキシド変性物を芯
成分に採用したこと以外は実施例8と同様にして、不織
布を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性等
を表2に示す。
【0036】実施例14 実施例7で採用したポリアルキレンオキシド変性物を芯
成分に採用したこと以外は実施例8と同様にして、不織
布を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性等
を表2に示す。
【0037】比較例6 実施例1で採用したポリアルキレンオキシド変性物のみ
で芯成分を構成し、かつ繊維全体に占めるポリアルキレ
ンオキシド変性物の含有量を2.5重量%としたこと以
外は実施例8と同様にして、不織布を得た。得られた不
織布の強力、吸放湿性、耐候性等を表2に示す。
【0038】比較例7 実施例1で採用したポリアルキレンオキシド変性物のみ
で芯成分を構成し、かつ繊維全体に占めるポリアルキレ
ンオキシド変性物の含有量を35重量%としたこと以外
は実施例8と同様にして、不織布の製造を試みた。
【0039】比較例8 比較例3で採用したポリアルキレンオキシド変性物を芯
成分に採用したこと以外は実施例8と同様にして、不織
布を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性等
を表2に示す。
【0040】比較例9 比較例4で採用したポリアルキレンオキシド変性物を芯
成分に採用したこと以外は実施例8と同様にして、不織
布を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性等
を表2に示す。
【0041】比較例10 比較例5で採用したポリアルキレンオキシド変性物を芯
成分に採用したこと以外は実施例8と同様にして、不織
布の製造を試みた。
【0042】
【表2】
【0043】実施例8〜14で得られた不織布は、ポリ
アルキレンオキシド変性物のみで芯成分を構成したが、
強力等の機械的特性が高く、吸放湿性と耐候性にも優れ
たものであった。これに対し、比較例6で得られた不織
布は、繊維全体に占めるポリアルキレンオキシド変性物
の割合が低く、吸放湿性に乏しいものであった。また、
比較例7では、繊維全体に占めるポリアルキレンオキシ
ド変性物の割合が高過ぎて製糸性が悪化し、不織布を得
ることができなかった。比較例8で得られた不織布は、
非対称性の脂肪族イソシアネート化合物を用いてなるポ
リアルキレンオキシド変性物を採用したため、耐候性に
劣るものとなった。比較例9で得られた不織布は、ポリ
アルキレンオキシド変性物の溶融粘度が低過ぎたため、
強力が低く、実用性に乏しいものとなった。比較例10
では、ポリアルキレンオキシド変性物の溶融粘度が高過
ぎたため、製糸性が悪化し、不織布を得ることができな
かった。
【0044】実施例15 相対粘度(ロ)が1.38のポリエチレンテレフタレー
トを鞘成分、相対粘度(ロ)が1.38のポリエチレン
テレフタレートと実施例1で採用したポリアルキレンオ
キシド変性物との混合物〔(ポリエチレンテレフタレー
ト/ポリアルキレンオキシド変性物)(重量比)=85
/15〕を芯成分とし、鞘/芯複合重量比を50/50
として同心円状の芯鞘複合型繊維糸条を溶融紡出し、長
繊維不織布を製造した。すなわち、前記重合体を各々溶
融した後、紡糸温度290℃で複合型紡糸口金を介して
溶融紡出し、紡出糸条を公知の冷却装置にて冷却した
後、エアーサツカを用いて引き取り速度4800m/分
で引き取り、コロナ放電装置を用いて開繊し、移動する
捕集面上に捕集・堆積させて、単糸繊度3.0デニール
の長繊維からなる不織ウエブを得た。次に、この不織ウ
エブに熱圧接装置を用い部分的熱圧接処理を施して、目
付けが50g/m2 の不織布を得た。この熱圧接処理に
際しては、処理温度すなわちエンボスロールと金属ロー
ルの表面温度を245℃としたこと以外は実施例1と同
様にして、不織布を得た。得られた不織布の強力、吸放
湿性、耐候性等を表3に示す。
【0045】実施例16〜18 芯成分におけるポリエチレンテレフタレートとポリアル
キレンオキシド変性物との配合割合を表3に示すように
変えたこと以外は実施例15と同様にして、不織布を得
た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性等を表3
に示す。
【0046】実施例19 芯成分に配合するポリアルキレンオキシド変性物とし
て、実施例5で採用したポリアルキレンオキシド変性物
を採用したこと以外は実施例15と同様にして、不織布
を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性等を
表3に示す。
【0047】実施例20 芯成分に配合するポリアルキレンオキシド変性物とし
て、実施例6で採用したポリアルキレンオキシド変性物
を採用したこと以外は実施例15と同様にして、不織布
を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性等を
表3に示す。
【0048】実施例21 芯成分に配合するポリアルキレンオキシド変性物とし
て、実施例7で採用したポリアルキレンオキシド変性物
を採用したこと以外は実施例15と同様にして、不織布
を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性等を
表3に示す。
【0049】比較例11 ポリエチレンテレフタレートとポリアルキレンオキシド
変性物との混合物〔(ポリエチレンテレフタレート/ポ
リアルキレンオキシド変性物)(重量比)=95/5〕
を芯成分としたこと、したがって繊維中のポリアルキレ
ンオキシド変性物の含有量を2.5重量%としたこと以
外は実施例15と同様にして、不織布を得た。得られた
不織布の強力、吸放湿性、耐候性等を表3に示す。
【0050】比較例12 ポリエチレンテレフタレートとポリアルキレンオキシド
変性物との混合物〔(ポリエチレンテレフタレート/ポ
リアルキレンオキシド変性物)(重量比)=30/7
0〕を芯成分としたこと、したがって繊維中のポリアル
キレンオキシド変性物の含有量を35重量%としたこと
以外は実施例15と同様にして、不織布の製造を試み
た。
【0051】比較例13 芯成分に配合するポリアルキレンオキシド変性物とし
て、比較例3で採用したポリアルキレンオキシド変性物
を採用したこと以外は実施例15と同様にして、不織布
を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性等を
表3に示す。
【0052】比較例14 芯成分に配合するポリアルキレンオキシド変性物とし
て、比較例4で採用したポリアルキレンオキシド変性物
を採用したこと以外は実施例15と同様にして、不織布
を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性等を
表3に示す。
【0053】比較例15 芯成分に配合するポリアルキレンオキシド変性物とし
て、比較例5で採用したポリアルキレンオキシド変性物
を採用したこと以外は実施例15と同様にして、不織布
の製造を試みた。
【0054】
【表3】
【0055】実施例15〜21で得られた不織布は、そ
の構成長繊維がいずれもポリエチレンテレフタレートを
鞘成分とし、ポリエチレンテレフタレートとポリアルキ
レンオキシド変性物との混合物を芯成分としたものであ
り、芯成分に配合されたポリアルキレンオキシド変性物
は温度170℃、印加荷重50kg/cm2 時における
溶融粘度が1000〜20000ポイズの範囲である溶
媒可溶性重合体であって、その繊維全体に占める割合が
5〜30重量%の範囲としたため、強力等の機械的特性
が高く、吸放湿性にも優れたものであった。また、この
ポリアルキレンオキシド変性物は、ポリアルキレンオキ
シドとポリオールとを対称性の脂肪族イソシアネート化
合物と反応させたものであるため、得られた不織布は、
耐候性に優れたものであった。これに対し、比較例11
で得られた不織布は、繊維全体に占めるポリアルキレン
オキシド変性物の割合が低く、吸放湿性に乏しいもので
あった。また、比較例12では、繊維全体に占めるポリ
アルキレンオキシド変性物の割合が高過ぎて製糸性が悪
化し、不織布を得ることができなかった。比較例13で
得られた不織布は、非対称性の脂肪族イソシアネート化
合物を用いてなるポリアルキレンオキシド変性物を採用
したため耐候性に劣るものとなった。比較例14で得ら
れた不織布は、ポリアルキレンオキシド変性物の溶融粘
度が低過ぎたため強力が低く、実用性に乏しいものとな
った。比較例15では、ポリアルキレンオキシド変性物
の溶融粘度が高過ぎたため製糸性が悪化し、不織布を得
ることができなかった。
【0056】実施例22 相対粘度(ロ)が1.38のポリエチレンテレフタレー
トを鞘成分、実施例1で採用したポリアルキレンオキシ
ド変性物のみを芯成分とし、鞘/芯複合重量比を92.
5/7.5(繊維全体に占めるポリアルキレンオキシド
変性物の割合が7.5重量%)として同心円状の芯鞘複
合型繊維糸条を溶融紡出し、長繊維不織布を製造した。
すなわち、前記ポリエチレンテレフタレートを温度28
0℃で、また、ポリアルキレンオキシド変性物を温度1
50℃で各々溶融した後、紡糸温度290℃で複合型紡
糸口金を介して溶融紡出し、以降は実施例15と同様に
して、不織布を得た。得られた不織布の強力、吸放湿
性、耐候性等を表4に示す。
【0057】実施例23〜25 繊維全体に占めるポリアルキレンオキシド変性物の割合
を表4に示すように変更したこと以外は実施例22と同
様にして、不織布を得た。得られた不織布の強力、吸放
湿性、耐候性等を表2に示す。
【0058】実施例26 実施例5で採用したポリアルキレンオキシド変性物を芯
成分に採用したこと以外は実施例22と同様にして、不
織布を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性
等を表4に示す。
【0059】実施例27 実施例6で採用したポリアルキレンオキシド変性物を芯
成分に採用したこと以外は実施例22と同様にして、不
織布を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性
等を表4に示す。
【0060】実施例28 実施例7で採用したポリアルキレンオキシド変性物を芯
成分に採用したこと以外は実施例22と同様にして、不
織布を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性
等を表4に示す。
【0061】比較例16 実施例15で採用したポリアルキレンオキシド変性物の
みで芯成分を構成し、かつ繊維全体に占めるポリアルキ
レンオキシド変性物の含有量を2.5重量%としたこと
以外は実施例22と同様にして、不織布を得た。得られ
た不織布の強力、吸放湿性、耐候性等を表4に示す。
【0062】比較例17 実施例15で採用したポリアルキレンオキシド変性物の
みで芯成分を構成し、かつ繊維全体に占めるポリアルキ
レンオキシド変性物の含有量を35重量%としたこと以
外は実施例8と同様にして、不織布の製造を試みた。
【0063】比較例18 比較例3で採用したポリアルキレンオキシド変性物を芯
成分に採用したこと以外は実施例22と同様にして、不
織布を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性
等を表4に示す。
【0064】比較例19 比較例4で採用したポリアルキレンオキシド変性物を芯
成分に採用したこと以外は実施例22と同様にして、不
織布を得た。得られた不織布の強力、吸放湿性、耐候性
等を表4に示す。
【0065】比較例20 比較例5で採用したポリアルキレンオキシド変性物を芯
成分に採用したこと以外は実施例22と同様にして、不
織布の製造を試みた。
【0066】
【表4】
【0067】実施例22〜28で得られた不織布は、ポ
リアルキレンオキシド変性物のみで芯成分を構成した
が、強力等の機械的特性が高く、吸放湿性と耐候性にも
優れたものであった。これに対し、比較例16で得られ
た不織布は、繊維全体に占めるポリアルキレンオキシド
変性物の割合が低く、吸放湿性に乏しいものであった。
また、比較例17では、繊維全体に占めるポリアルキレ
ンオキシド変性物の割合が高過ぎて製糸性が悪化し、不
織布を得ることができなかった。比較例18で得られた
不織布は、非対称性の脂肪族イソシアネート化合物を用
いてなるポリアルキレンオキシド変性物を採用したため
耐候性に劣るものとなった。比較例19で得られた不織
布は、ポリアルキレンオキシド変性物の溶融粘度が低過
ぎたため強力が低く、実用性に乏しいものとなった。比
較例20では、ポリアルキレンオキシド変性物の溶融粘
度が高過ぎたため製糸性が悪化し、不織布を得ることが
できなかった。
【0068】
【発明の効果】本発明の長繊維不織布は、不織布を構成
する長繊維が芯鞘型複合構造を有し、芯成分がポリアル
キレンオキシド変性物あるいはこの変性物とポリアミド
又はポリエステルとの混合物で構成されることから不織
布に吸放湿性が付与され、鞘成分がポリアミド又はポリ
エステルで構成されることから長繊維の製糸性や強度、
したがって不織布の強力が向上する。また、芯成分にお
けるポリアルキレンオキシド変性物は、ポリアルキレン
オキシドとポリオールとを対称性の脂肪族イソシアネー
ト化合物と反応させたものであり、長期間使用しても繊
維が黄変することがなく、耐候性に優れたものとなる。
さらに、この不織布は、部分的な熱圧接領域において構
成繊維間が熱圧接されているので、形態保持性と強力そ
して寸法安定性といった機械的特性が具備される。そし
て、この長繊維不織布は、衛生材料用途や一般生活関連
材や産業資材用途等として好適に使用出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樽石 一秋 京都府宇治市宇治小桜23 ユニチカ株式会 社中央研究所内 Fターム(参考) 4L041 AA08 BA02 BA05 BA21 BC02 BC06 BC20 BD07 BD11 CA06 CA21 CA35 DD01 DD03 DD14 DD18 4L047 AA21 AA23 AA26 AA27 AB03 BA08 CA12 CA19 CB01 CB10 CC03 CC04 CC05 CC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鞘成分がポリアミド又はポリエステル
    で、芯成分がポリアルキレンオキシドとポリオールとを
    対称性の脂肪族イソシアネート化合物と反応させてなる
    ポリアルキレンオキシド変性物から構成される芯鞘複合
    型構造を有し、かつ芯成分のポリアルキレンオキシド変
    性物が繊維重量に対して5〜30重量%である長繊維か
    ら構成され、部分的熱圧接にて所定の形状を保持してい
    ることを特徴とする吸放湿性長繊維不織布。
  2. 【請求項2】 鞘成分がポリアミド又はポリエステル
    で、芯成分がポリアルキレンオキシドとポリオールとを
    対称性の脂肪族イソシアネート化合物と反応させてなる
    ポリアルキレンオキシド変性物と、ポリアミド又はポリ
    エステルとの混合物から構成される芯鞘複合型構造を有
    し、かつ芯成分のポリアルキレンオキシド変性物が繊維
    重量に対して5〜30重量%である長繊維から構成さ
    れ、部分的熱圧接にて所定の形状を保持していることを
    特徴とする吸放湿性長繊維不織布。
  3. 【請求項3】 対称性の脂肪族イソシアネート化合物が
    ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート
    又は1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートである請
    求項1又は2記載の吸放湿性長繊維不織布。
  4. 【請求項4】 ポリアルキレンオキシド変性物は、温度
    170℃、印加荷重50kg/cm2 時における溶融粘
    度が1000〜20000ポイズである請求項1、2又
    は3記載の吸放湿性長繊維不織布。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011144480A (ja) * 2010-01-15 2011-07-28 Kuraray Kuraflex Co Ltd 高吸水性不織布及びその製造方法
JP2016191177A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 住友精化株式会社 熱可塑性繊維、吸水性シート、及び熱可塑性繊維を製造する方法

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JP2011144480A (ja) * 2010-01-15 2011-07-28 Kuraray Kuraflex Co Ltd 高吸水性不織布及びその製造方法
JP2016191177A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 住友精化株式会社 熱可塑性繊維、吸水性シート、及び熱可塑性繊維を製造する方法

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