JPH10273867A - 耐候性長繊維不織布 - Google Patents

耐候性長繊維不織布

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JPH10273867A
JPH10273867A JP9078702A JP7870297A JPH10273867A JP H10273867 A JPH10273867 A JP H10273867A JP 9078702 A JP9078702 A JP 9078702A JP 7870297 A JP7870297 A JP 7870297A JP H10273867 A JPH10273867 A JP H10273867A
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weather
long
fiber nonwoven
silica
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JP9078702A
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Yukihiro Kihara
幸弘 木原
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】柔軟性を損なうことなく、優れた耐候性を具備
する耐候性長繊維不織布を提供する。 【解決手段】ポリエステル長繊維からなる不織ウエブが
熱圧接されて所定の形態を保持している不織布であっ
て、前記ポリエステル長繊維中に、表面がシリカ、アル
ミナおよびジルコニアから選ばれた1種類以上の化合物
で被覆された平均粒子径0.01〜0.15μmの二酸
化チタンが0.05〜6重量%含有されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性が要求され
る分野、特に農業・園芸・土木用に代表される産業資材
分野などの素材として好適な耐候性長繊維不織布に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、医療・衛生材料や一般生活関
連材あるいは一部の産業資材材料の素材としてポリエス
テルからなる不織布が知られている。一般に、ポリエス
テル、特にポリエチレンテレフタレートは、優れた機械
的特性および化学的特性を有し、衣料用、産業資材用と
して好適に利用されている。
【0003】しかし、一部の用途、例えば農業用ハウス
の保温用内張りシートの農業資材用などにおいては、従
来のポリエステルからなる不織布よりもさらに優れた耐
候性を具備することが要望されている。
【0004】従来、長繊維不織布の耐候性を向上させる
目的では、ベンゾトリアゾール系あるいはベンゾフェノ
ン系の有機紫外線吸収剤などを含有させる方法がある
が、有機紫外線吸収剤などは一般に熱分解あるいは酸化
分解し易く、紫外線吸収能力が低下するなどの問題があ
り、これら従来の有機紫外線吸収剤の何れかを添加する
方法では、農業用資材、自動車内装資材、屋外用補強材
などの高度な耐候性が要求される分野で使用するのに十
分な耐候性は得られない。
【0005】また、有機リン化合物を共重合した難燃性
ポリエステル組成物などの耐候剤として、表面がシリ
カ、アルミナおよびジルコニアから選ばれた1種類以上
の化合物で被覆された二酸化チタンの粒子が提案されて
いるが(特開平6−322245号公報参照)、これら
の粒子は長繊維不織布分野への適応はなされていない。
【0006】他方、耐候性を向上させる手段として、不
織布に耐候性能を付与したフィルム状シートを積層して
積層体とすることが知られている。しかし、このような
積層体は粗硬であり、しかも通気性に乏しいため、柔軟
性や通気性が要求される用途、例えば農業用資材におい
ては適用できないものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解決するもので、柔軟性を損なうことなく、優れ
た耐候性を具備する耐候性長繊維不織布を提供するもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の問題を解決するた
めに、本発明は以下の構成を要旨とするものである。第
1の発明は、ポリエステル長繊維からなる不織ウエブが
熱圧接されて所定の形態を保持している不織布であっ
て、前記ポリエステル長繊維中に、表面がシリカ、アル
ミナおよびジルコニアから選ばれた1種類以上の化合物
で被覆された平均粒子径0.01〜0.15μmの二酸
化チタンが0.05〜6重量%含有されていることを特
徴とする耐候性長繊維不織布。
【0009】第2の発明は、ポリエステル長繊維からな
る不織ウエブが熱圧接されて所定の形態を保持している
不織布であって、前記ポリエステル長繊維中に、酸化セ
リウムとシリカまたは酸化セリウムとタルクからなり、
表面が不定形シリカで被覆された平均粒子径0.1〜
3.0μmの粒子が0.05〜6重量%含有されている
ことを特徴とする耐候性長繊維不織布。
【0010】第3の発明は、不織ウエブが部分的に熱圧
接されて所定の形態を保持しており、部分的な熱圧接処
理を施して形成される点状融着区域において、不織ウエ
ブの全表面積に対する全点状融着区域の面積の比が、4
〜50%であることを特徴とする耐候性長繊維不織布。
【0011】第4の発明は、不織ウエブが全面的に熱圧
接されて所定の形態を保持していることを特徴とする耐
候性長繊維不織布。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明の耐候性長繊維不織布を構成する長繊維に
ついて説明する。
【0013】第1の発明および第2の発明に適用される
長繊維を形成するポリエステルとしては、ポリエチレン
テレフタレートあるいはポリブチレンテレフタレートが
挙げられ、またこれらを主体とするポリエステルであっ
て、酸成分としてイソフタル酸、アジピン酸などのカル
ボン酸、ジオール成分としてテトラメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコールなどのグリコール成分を含
む共重合ポリエステルであっても良い。共重合ポリエス
テルを用いる場合、エチレンテレフタレート単位あるい
はブチレンテレフタレート単位が85モル%以上である
ことが、重合体素材自体の耐熱性や得られた不織布の強
力の点から好ましい。
【0014】第1の発明および第2の発明に適用される
ポリエステルは、極限粘度〔η〕が0.5以上、好まし
くは0.55〜0.80、より好ましくは0.60〜
0.75のものが、製糸性および得られる長繊維の強力
の点で良い。また、重合度を高めるために少量のジイソ
シアネートやテトラカルボン酸二無水物などで鎖延長し
たものでも良い。また、このポリエステルに、必要に応
じて、例えば艶消し剤、顔料、結晶核剤、あるいは難燃
剤などの各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内
で添加しても良い。
【0015】第1の発明に適用される耐候剤は、表面が
シリカ、アルミナおよびジルコニアから選ばれた1種類
以上の化合物で被覆された平均粒子径0.01〜0.1
5μmの二酸化チタンの粒子であり、上記のようなポリ
エステルに0.05〜6重量%含有させる。
【0016】第1の発明において、長繊維不織布を形成
するポリエステル長繊維中に含有される、二酸化チタン
の表面を被覆する化合物は、好ましくはシリカ単独また
はシリカとアルミナあるいはジルコニアとアルミナの組
み合わせが良い。そして、表面被覆化合物と二酸化チタ
ンとの割合は、重量比で60:40〜10:90とする
のが好ましい。
【0017】前記二酸化チタンは、平均粒子径が0.0
1〜0.15μmのものであることが必要であり、0.
01μm未満のものは製造が難しく、しかも重合体に二
酸化チタンを含有させる際にポリエステルへの分散性が
悪くなる。一方、0.15μmを超えるものでは紫外線
吸収効果が低下して得られる不織布の耐候性が悪くな
る。
【0018】このような超微粒子二酸化チタンの添加量
は、ポリエステルに対し、0.05〜6重量%とするこ
とが必要である。この添加量が0.05重量%未満であ
ると優れた耐候性が得られず、6重量%を超えると粒子
が凝集しやすくなり、製糸性が悪化し、特に、紡糸速度
が2500m/分以上のスパンボンド法を採用する場合
には、糸切れが多く発生することになる。
【0019】第1の発明における耐候性長繊維不織布
が、優れた耐候性を示す理由は明かではないが、ポリエ
ステル長繊維が紫外線を吸収して劣化するのを、シリカ
などで被覆した超微粒子二酸化チタンによって吸収した
紫外線エネルギーが、不織布を使用したときに−OHや
2 に対してラジカルを発生する働きを抑制し、光活性
を低下させるためと推定される。
【0020】また、前記超微粒子二酸化チタンの添加
は、エチレングリコールに分散させてポリエステルの合
成時に所定量を添加する方法もあるが、本発明の耐候性
長繊維不織布の場合、用途に応じて、耐候剤粒子の添加
量および他の添加剤が、容易に変更できるマスターバッ
チ(予めポリエステルなどに超微粒子二酸化チタンを多
量に含有させたもの)法またはドライブレンド法によ
り、超微粒子二酸化チタンを含有しないポリエステルに
混合する方法が好ましい。
【0021】ところで、前記第1の発明における耐候剤
としては、表面がシリカ、アルミナおよびジルコニアか
ら選ばれた1種類以上の化合物で被覆された二酸化チタ
ンの粒子を用いているが、第2の発明のように酸化セリ
ウムとシリカまたは酸化セリウムとタルクからなり、表
面が不定形シリカで被覆された粒子を用いても良い。こ
の粒子の平均粒子径は0.1〜3.0μmであり、上記
のようなポリエステルに0.05〜6重量%含有され
る。
【0022】第2の発明において、ポリエステル長繊維
を形成する重合体中に含有される、酸化セリウムとシリ
カ(表面を被覆する不定形シリカを除く)またはタルク
との割合は、重量比で15:85〜50:50とするの
が適当である。酸化セリウムの割合があまり少ないと紫
外線を吸収して耐候性を向上させる効果が不十分とな
り、逆に多すぎるとポリエステルの明度が低下するとい
う問題がある。
【0023】また、第2の発明において、粒子の表面を
被覆する不定形シリカの量は、粒子の15〜25重量%
とするのが好ましい。不定形シリカの量が多すぎると酸
化セリウムによる紫外線吸収効果が損なわれ、一方、少
なすぎると粒子の機械的強度が低く、また、表面活性が
強くなって触媒作用を生じたりするため、好ましくな
い。
【0024】前記二酸化チタンは、平均粒子径が0.0
1〜0.15μmのものであることが必要であり、0.
01μm未満のものは製造が難しく、しかも重合体に二
酸化チタンを含有させる際にポリエステルへの分散性が
悪くなる。一方、0.15μmを超えるものでは紫外線
吸収効果が低下して得られる不織布の耐候性が悪くな
る。
【0025】この第2の発明における耐候剤粒子は、平
均粒子径が0.1〜3.0μmのものであることが必要
であり、0.1μm未満のものは製造が難しく、しかも
重合体に耐候剤粒子を含有させる際にポリエステルへの
分散性が悪くなる。一方、3.0μmを超えるものでは
紫外線吸収効果が低下して得られる不織布の耐候性が悪
くなったりポリエステルの色調が悪化したりする。
【0026】さらに、第2の発明における耐候剤粒子の
添加量は、ポリエステルに対し、0.05〜6重量%と
することが必要である。この添加量が0.05重量%未
満であると優れた耐候性が得られず、6重量%を超える
と粒子が凝集しやすくなり、製糸性が悪化し、特に、紡
糸速度が2500m/分以上のスパンボンド法を採用す
る場合には、糸切れが多く発生することになる。
【0027】第2の発明における耐候性長繊維不織布
が、優れた耐候性を示す理由は明かではないが、酸化セ
リウムを含有した耐候剤粒子によって紫外線エネルギー
が吸収され、ラジカルの発生が抑制されるため、ポリエ
ステルが紫外線を吸収して劣化するのが防止されるもの
と推定される。また、酸化セリウムとシリカまたはタル
クとからなる粒子は、表面活性が不安定で、耐光性、耐
熱性が不十分であるが、これを不定形シリカで被覆する
ことにより、表面が緻密化し、耐光性、耐熱性が向上す
る。
【0028】また、第2の発明における耐候剤粒子の添
加は、必要に応じてアニオン活性剤などの分散剤を使用
し、エチレングリコールに分散させてポリエステルの合
成時に所定量を添加する方法もあるが、本発明の耐候性
長繊維不織布の場合、用途に応じて、耐候剤粒子の添加
量および他の添加剤が、容易に変更できるマスターバッ
チ法またはドライブレンド法で混合する方法が良い。
【0029】さらに、以下に述べる説明は第1の発明お
よび第2の発明において共通であり、先ず本発明の不織
布を構成する長繊維は、その単糸繊度が2.0〜10デ
ニールであることが好ましい。単糸繊度が2.0デニー
ル未満であると、製糸時の糸切れが多く、操業性に劣る
こととなる。逆に、単糸繊度が10デニールを超える
と、得られる不織布の風合いが硬くなり柔軟性が劣るこ
ととなり、例えば、柔軟性が要求される農業用資材など
の分野においては不適当となる。
【0030】本発明の耐候性長繊維不織布の目付は、使
用目的により選択されるため特に限定されるものではな
いが、一般的に10〜150g/m2 の範囲が好まし
い。目付が10g/m2 未満であると、機械的強力に劣
り実用に耐えないものとなる。逆に、目付が150g/
2 を超えると、不織布が硬い風合いのものとなるた
め、例えば、柔軟性が要求される農業用資材などの分野
においては不適当となり好ましくない。
【0031】本発明の耐候性長繊維不織布は、不織ウエ
ブが部分的あるいは全面的に熱圧接されて、所定の形態
を保持しているものである。すなわち、本発明の不織布
は不織構造を有するシート状物となったものである。
【0032】前記不織ウエブの部分的熱圧接は、エンボ
ス加工または超音波融着処理によって点状融着区域を形
成するものであって、この融着区域では、構成繊維同士
が部分的に熱圧接されている。このとき、形成された点
状融着区域の形状は丸型、楕円型、菱型、三角型、T字
型、井型、格子型など任意の形状であって良い。しか
し、このとき、点状融着区域の面積は0.1〜1.5m
2 とするのが好ましい。
【0033】前記不織ウエブの部分的熱圧接において
は、次式で表される不織ウエブの全表面積に対する全点
状融着区域の面積の比、すなわち圧接面積率Aが、4〜
50%であることが好ましい。 A(%)=[全融着区域の面積(cm2) /不織ウエブの全
表面積(cm2) ]×100 圧接面積率が4%未満であると、点状融着区域が少ない
ため得られる不織布の機械的強力および寸法安定性に劣
り、さらには毛羽立ち防止性が低下することとなり、生
活資材、農業用資材などの用途においては好ましくな
い。逆に、圧接面積率が50%を超えると、得られる不
織布が粗硬化し、柔軟性が要求される分野においては好
ましくない。
【0034】また、前記不織ウエブの部分的熱圧接にお
いては、次式で表される不織ウエブの全表面積における
点状融着区域の密度、すなわち圧接点密度Bが、7〜8
0点/cm2 であることが好ましい。 B(点/cm2 )=圧接点の数(点)/不織ウエブの全
表面積(cm2 ) 圧接点密度が7点/cm2 未満であると、得られる不織
布の機械的強力および寸法安定性に劣り、さらには毛羽
立ち防止性が低下することとなり、生活資材、農業用資
材などの用途においては好ましくない。逆に、圧接点密
度が80点/cm2 を超えると、得られる不織布が粗硬
化し、柔軟性が要求される分野においては好ましくな
い。
【0035】前記不織ウエブの全面的熱圧接は、平滑ロ
ールを用いたカレンダー加工によって形成されるもので
ある。全面的に熱圧接された不織布は、毛羽立ち防止性
に優れるほか、用途に応じて、ロール温度やロール間隔
などの圧接条件を適宜選択することにより、通気性、嵩
高性および緻密性を容易に調整することができる有益な
ものである。
【0036】本発明の耐候性長繊維不織布においては、
熱圧接により形態保持された不織布に、本発明に用いた
耐候性粒子、あるいは耐候性粒子、酸化防止剤、紫外線
安定剤を含有したバインダー樹脂を付与することもでき
る。これは、不織布表面のみのコーティングを主目的と
したもので、これにより、不織布の毛羽立ち防止性を向
上させると共に耐候性をさらに向上させることができ
る。従って、使用時の摩擦や摩耗により毛羽を生じるこ
とがある分野、例えば、生活資材や農業資材の分野にお
いては、耐候性粒子、酸化防止剤や紫外線安定剤を含有
したバインダー樹脂を付与して得られた耐候性長繊維不
織布は好適である。
【0037】次に、本発明の耐候性長繊維不織布の製造
方法について説明する。本発明の長繊維不織布は、いわ
ゆるスパンボンド法にて効率良く製造することができ
る。すなわち、ポリエステルチップに、超微粒子二酸化
チタンを、マスターバッチ法またはドライブレンド法な
どで混合することによって、所定量を含有させ、溶融紡
糸し、得られた紡出糸条を従来公知の横型吹付や環状吹
付などの冷却装置を用いて冷却せしめた後、吸引装置を
用いて、目的繊度となるように牽引細化させて引き取
る。牽引速度は2500m/分以上が好ましく、特に4
000m/分以上とすると不織布の寸法安定性が向上す
るため、さらに好適である。吸引装置から排出された糸
条群を開繊させた後、スクリーンからなるコンベアーの
如き移動堆積装置上に開繊集積させてウエブとする。次
いで、このウエブを熱圧接装置にて部分的にまたは全面
的に熱圧接せしめれば、長繊維不織布を得ることができ
る。
【0038】さらに、バインダー樹脂を含む耐候性長繊
維不織布を所望の場合には、熱圧接処理後に、ディップ
法、コーティング法、泡含浸法などを適用すれば良い。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例において各特性値は、次のよう
にして求めた。
【0040】重合体の融点(℃);パーキンエルマー社
製の示差走査型熱量計DSC−7型を用いて、昇温速度
20℃/分で測定した融解吸熱ピークの極値を与える温
度を融点とした。
【0041】ポリエステルの極限粘度;フェノールと四
塩化エタンとの等重量混合溶液を溶媒とし、溶媒100
ccに試料0.5gを溶解し、測定した。 単糸繊度(デニール);吸引装置により牽引細化した繊
維について、電子顕微鏡を用いて、密度補正を行なって
求めた。
【0042】目付(g/m2 );標準状態の試料から縦
10cm×横10cmの試料片各10点を作成し平衡水
分に至らしめた後、各試料片の重量を秤量し、得られた
値の平均値を単位面積当りに換算し、目付とした。
【0043】不織布の耐候性[強力保持率](%);不
織布を屋外にて暴露させ、4ヶ月後の引張強力を標準状
態で測定し、暴露前の引張強力初期値に対する強度保持
率(%)を次式で示しこれを比較した。
【0044】強度保持率(%)=(4ヶ月後の引張強力
/引張強力初期値)×100 暴露前の引張強力初期値に対して70%以上を保持して
いる場合、耐候性が良好であると評価した。
【0045】長繊維の製糸性;紡糸口金より吐出した紡
出糸条を観察し、糸切れが生じた回数により下記の3段
階にて評価した。 ○;糸切れ回数 0回/1紡糸錘/24時間/口金 △;糸切れ回数 1〜2回/1紡糸錘/24時間/口金 ×;糸切れ回数 3回〜/1紡糸錘/24時間/口金
【0046】不織布の引張強力(Kg/5cm幅);合
繊長繊維不織布試験法に準じて、定速伸張型引張試験機
である東洋ボールドウイン社製テンシロンRTM−50
0型を用い、幅5cm、長さ30cmの試験片を、把持
間隔20cm、引張速度10cm/分の条件で測定し、
測定個数10の平均値から求めた。
【0047】不織布のトータルハンド[柔軟性]
(g);JIS−L−1096に記載のハンドルオメー
タ法に準じて、スリット幅1.5cmで測定した。
【0048】実施例1,2 融点が260℃、極限粘度が0.70のポリエチレンテ
レフタレート重合体に、タイオキサイド社製の酸化チタ
ンUF01(表面がシリカで被覆され、平均粒子径が
0.018μmで、二酸化チタンとシリカの割合が4
6.7:53.3の超微粒子二酸化チタン)を、各々表
1に示す含有割合で、マスターバッチ法にて混合したも
のを原料とし、公知の溶融紡糸装置を用いて紡出した。
紡出糸条を冷却せしめた後、吸引装置により引き取り、
開繊し、移動する捕集面上に捕集・堆積させて、単糸繊
度が4.0デニールの長繊維からなる、目付50g/m
2 の不織ウエブとした。このウエブを、エンボスロール
からなる熱圧接装置により、ロール温度220℃、圧接
面積率21%の条件下で部分的に熱圧接し、長繊維不織
布を得た。得られた長繊維不織布の性能および製糸性を
表1に示す。
【0049】実施例3 二酸化チタンの表層をシリカ/アルミナで被覆した超微
粒子酸化チタン(平均粒子径0.034μmで、二酸化
チタンとシリカ/アルミナの割合が87.3:12.
7)を表1に示す割合で含有させたものを用い、以下実
施例1〜4と同様にして、長繊維不織布を得た。得られ
た長繊維不織布の性能および製糸性を表1に示す。
【0050】実施例4 二酸化チタンの表層をジルコニア/アルミナで被覆した
超微粒子酸化チタン(平均粒子径0.029μmで、二
酸化チタンとジルコニア/アルミナの割合が81.6:
18.4)を表1に示す割合で含有させたものを用い、
以下実施例1,2と同様にして、長繊維不織布を得た。
得られた長繊維不織布の性能および製糸性を表1に示
す。
【0051】比較例1 超微粒子二酸化チタンの添加量を少なくする以外は実施
例1と同様にして、長繊維不織布を得た。得られた長繊
維不織布の性能および製糸性を表1に示す。
【0052】比較例2 超微粒子二酸化チタンの添加量を多くする以外は実施例
1と同様にして、長繊維不織布を得た。得られた長繊維
不織布の性能および製糸性を表1に示す。
【0053】比較例3〜6 融点が260℃、極限粘度が0.70のポリエチレンテ
レフタレート重合体に、紫外線吸収剤として2−(2’
−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ールを、各々表1に示す含有割合(紫外線吸収剤無添加
をも含む)で、マスターバッチ法にて混合したものを原
料とし、公知の溶融紡糸装置を用いて紡出した。紡出糸
条を冷却せしめた後、吸引装置により引き取り、開繊
し、移動する捕集面上に捕集・堆積させて、単糸繊度が
4.0デニールの長繊維からなる、目付50g/m2
不織ウエブとした。このウエブを、エンボスロールから
なる熱圧接装置により、ロール温度220℃、圧接面積
率21%の条件下で部分的に熱圧接し、長繊維不織布を
得た。得られた長繊維不織布の性能および製糸性を表1
に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1から明らかなように、比較例3で得ら
れた紫外線吸収剤が含有しない不織布、あるいは2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾールの含有量が、3重量%以下である、比較例4
〜5で得られた長繊維不織布は、耐候性に劣るものであ
った。比較例6では、得られた長繊維不織布の耐候性は
良かったが、製糸性が悪く糸切れが多発し、操業性が著
しく低下した。超微粒子二酸化チタンの添加量が、本発
明の範囲より少ない、比較例1で得られた長繊維不織布
は、耐候性が不十分であった。超微粒子二酸化チタンの
添加量が本発明の範囲より多い、比較例2では、製糸性
が悪化し糸切れが多発した。本発明の範囲内にある、実
施例1〜4では、製糸性が良好であり、得られた長繊維
不織布の耐候性も優れたものであった。
【0056】次に、実施例5〜10および比較例7〜8
について述べるが、実施例5〜10における耐候剤粒子
は、日本無機化学工業社製の「セリガード」の商品名で
市販されているものを使用した。
【0057】組成は次の通りである。 ・セリガードT−3018;酸化セリウムとタルクとか
らなる粒子の表面を不定形シリカで被覆したもので、酸
化セリウム:タルク:不定形シリカの重量比が30:5
2:18のもの ・セリガードS−3018;酸化セリウムとシリカとか
らなる粒子の表面を不定形シリカで被覆したもので、酸
化セリウム:シリカ:不定形シリカの重量比が30:5
2:18のもの ・セリガードS−2018;酸化セリウムとシリカとか
らなる粒子の表面を不定形シリカで被覆したもので、酸
化セリウム:シリカ:不定形シリカの重量比が20:6
2:18のもの
【0058】実施例5〜10 融点が260℃、極限粘度が0.70のポリエチレンテ
レフタレート重合体に、耐候剤粒子を、各々表2に示す
含有割合で、マスターバッチ法にて混合したものを原料
とし、公知の溶融紡糸装置を用いて紡出した。紡出糸条
を冷却せしめた後、吸引装置により引き取り、開繊し、
移動する捕集面上に捕集・堆積させて、単糸繊度が4.
0デニールの長繊維からなる、目付50g/m2 の不織
ウエブとした。このウエブを、エンボスロールからなる
熱圧接装置により、ロール温度220℃、圧接面積率2
1%の条件下で部分的に熱圧接し、長繊維不織布を得
た。得られた長繊維不織布の性能および製糸性を表2に
示す。
【0059】比較例7 耐候剤粒子の添加量を少なくする以外は実施例5〜10
と同様にして、長繊維不織布を得た。得られた長繊維不
織布の性能および製糸性を表2に示す。
【0060】比較例8 耐候剤粒子の添加量を多くする以外は実施例5〜10と
同様にして、長繊維不織布を得た。得られた長繊維不織
布の性能および製糸性を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】表2から明らかなように、比較例7で得ら
れた長繊維不織布は、耐候性が不十分であり、また比較
例8で得られた長繊維不織布の耐候性は良かったが、製
糸性が悪く糸切れが多発し、操業性が著しく低下した。
本発明の範囲内にある、実施例5〜9では、製糸性が良
好であり、得られた長繊維不織布の耐候性も優れたもの
であった。また実施例10では、製糸性が普通である
が、得られた長繊維不織布の耐候性は優れたものであっ
た。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、耐候性が
要求される分野、特に農業・園芸・土木用に代表される
産業資材分野などの素材として柔軟性を損なうことな
く、優れた耐候性を具備する耐候性長繊維不織布を提供
することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル長繊維からなる不織ウエブ
    が熱圧接されて所定の形態を保持している不織布であっ
    て、前記ポリエステル長繊維中に、表面がシリカ、アル
    ミナおよびジルコニアから選ばれた1種類以上の化合物
    で被覆された平均粒子径0.01〜0.15μmの二酸
    化チタンが0.05〜6重量%含有されていることを特
    徴とする耐候性長繊維不織布。
  2. 【請求項2】 ポリエステル長繊維からなる不織ウエブ
    が熱圧接されて所定の形態を保持している不織布であっ
    て、前記ポリエステル長繊維中に、酸化セリウムとシリ
    カまたは酸化セリウムとタルクからなり、表面が不定形
    シリカで被覆された平均粒子径0.1〜3.0μmの粒
    子が0.05〜6重量%含有されていることを特徴とす
    る耐候性長繊維不織布。
  3. 【請求項3】 不織ウエブが部分的に熱圧接されて所定
    の形態を保持しており、部分的な熱圧接処理を施して形
    成される点状融着区域において、不織ウエブの全表面積
    に対する全点状融着区域の面積の比が、4〜50%であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の耐候性長繊
    維不織布。
  4. 【請求項4】 不織ウエブが全面的に熱圧接されて所定
    の形態を保持していることを特徴とする請求項1または
    2記載の耐候性長繊維不織布。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002266215A (ja) * 2001-03-02 2002-09-18 Fujiichi:Kk 機能綿
JP2020048511A (ja) * 2018-09-28 2020-04-02 ユニチカ株式会社 農業用マルチ資材
CN113373597A (zh) * 2021-06-02 2021-09-10 四川亿耐特新材料有限公司 一种纯pet复合长纤维制作无纺布毡的方法

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